JP2009023506A - 負圧式倍力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造上の変更は殆ど行うことなく、急操作以外の通常操作時においても倍力作用の応答性改善効果を達成可能な負圧式倍力装置を提案する。
【解決手段】操作力の入力時に開く弁32により変圧室14と通じさせるべき室27を、大気圧よりも高い正圧が導かれる正圧室とし、このため、ブースタシェル11の前端筒部11aとバルブボディー17の前端部外周との間に、環状シール41,42で区画された圧縮空気室43を画成し、この室43を一方でパイプ44により正圧源に通じさせ、他方で径方向孔17aにより室27に通じさせる。操作力でプランジャ21が左行する当初は、弁体25がこれに追従変位して弁32を閉状態に保つ。弁体25が外周弁座33および最外周弁座34に接して弁35を閉状態にした後は弁体25がここに止まり、弁体21の更なる左行で内周弁座31が弁体25から離れて弁32が開かれ、負圧状態の変圧室14が正圧室27内の正圧により圧力上昇され、倍力作用を行うことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の液圧ブレーキ装置や液圧クラッチ装置の操作部に設置して、操作力を増幅するのに用いる負圧式倍力装置に関するものである。
負圧式倍力装置としてはバキュームブースタと俗称される倍力装置が一般的であり、
この倍力装置は、負圧室と変圧室とを隣り合わせに具え、操作力が入力されない常態では変圧室に負圧室内の負圧を導いているが、操作力の入力時は変圧室へ、負圧に代え該負圧よりも高い大気圧を導いて、変圧室内の大気圧と負圧室内の負圧との差圧により操作力を倍力して出力するものである。
これがため負圧式倍力装置は、操作力が入力されない常態で変圧室に負圧室内の負圧を導びく常開の負圧弁と、操作力が入力される作動時に変圧室へ大気圧を導びくための大気弁とを具え、
操作力が入力されない常態で負圧弁が開いている間は大気弁が閉じられるようにし、操作力が入力される作動時に大気弁が開いている間は常開の負圧弁が閉じられるようにすることで、上記の倍力作用を発揮する。
ところで、操作力が入力される作動時に、開状態となった大気弁を経て変圧室へ大気圧を導びく際、変圧室への空気流入速度Vairが図9に破線で例示するごとくに時系列変化し、当初における空気流入速度Vairが大気圧で決まる低いものとなる。
このため、変圧室の内圧Pvarも図9に破線で例示する時系列変化をもって比較的ゆっくりと上昇し、結果として変圧室の内圧Pvarが、操作力に応じて決まる目標変速室内圧に達するまでに比較的長い時間を要し、倍力の応答性が十分なものでなく、その改善が望まれていた。
上記の負圧式倍力装置を液圧ブレーキ装置の操作部に用いてブレーキ操作力を倍力する場合につき、そして、ブレーキペダルストロークが図10に示す時系列変化をもって増大するようブレーキペダルを踏み込んだ場合につき更に付言する。
倍力装置による倍力量であるブースト出力は、大気弁が開く瞬時t1以降、図10に破線で示す時系列変化をもって増大するが、ブースト出力の増大割合は、図9に破線で示す変圧室への空気流入速度Vair(変圧室内圧Pvar)の時間変化割合によって決まり、比較的緩やかなものとなる。
これがため、車速が図10に破線で示すように比較的ゆっくりと低下し、車速が0になる停車までの時間が長くなり、ひいては、破線特性と座標軸とで囲まれた面積で表される車両停止距離も長くなるという問題があった。
そこで従来、特許文献1に記載のように、急ブレーキ要求時など大きなブレーキ力が必要になってブレーキペダルを大きく踏み込む時に開く第2大気弁を別に付加し、大ブレーキ力要求時は例えば図10の第1大気弁開放瞬時t1よりも後の瞬時t2において第2大気弁を開くことにより、この第2大気弁を経て大気圧よりも高圧の空気を変圧室に導くことでその内圧を速やかに上昇させ、これによりブースト出力を図10の瞬時t2以後一点鎖線で示すように急速に上昇させるようにした技術が提案されている。
この技術によれば、ブースト出力特性が第2大気弁開放瞬時t2以後において図10に破線で示す特性から一点鎖線で示す特性へと上昇し、応答性が改善されるが、同時にブレーキ装置の全負荷点も図10に矢で示すごとく上昇されることになる。
特許第3159812号明細書
しかし、上記の対策をした改善従来の倍力装置にあっては、負圧式倍力装置にもともと有る既存の第1大気弁の他に第2大気弁を追加することから、まず構造が複雑でコスト高になるという問題を生ずる。
そして、ブレーキペダルストロークが第2大気弁を開くようなストロークに至ることのない、急ブレーキ以外の通常ブレーキ時おいては前記した従来の負圧式倍力装置と全く同じに機能するにすぎず、通常ブレーキ時おいて問題解決を実現し得ないという第2の問題を有する。
また、ブレーキ操作入力に対するブースト出力の変化特性が、第2大気弁を設けて対策する前の従来の負圧式倍力装置にあっては図11に破線で示すごときものあったのに対し、第2大気弁を設けて対策した改善従来の負圧式倍力装置の場合は、第2大気弁の開放に要する荷重分のロスアップが加算されて同図に一点鎖線で示すごときものとなる。
このため改善従来の負圧式倍力装置にあっては従来の負圧式倍力装置よりも、同じブレーキ操作入力に対してブースト出力が図11に矢で示す分だけ低下するという第3の問題を有し、このことは、同じブースト出力を得るのに改善従来の負圧式倍力装置にあっては従来の負圧式倍力装置よりも大きなブレーキ操作入力が必要になり、ブレーキ操作力が重くなるという問題につながる。
更に、改善従来の負圧式倍力装置にあっては従来の負圧式倍力装置よりも、ブースト出力を図10に破線で示す特性から一点鎖線で示す特性へと上昇させて応答性を改善し得るが、同時にブレーキ装置の全負荷点をも上昇させることから、アンチスキッド制御が作動を開始するブレーキ装置の限界点に至ることとなり、
車速の低下速度が図10に一点鎖線で示すごとく、従来の負圧式倍力装置による車速の低下速度と大差なく、車速が0になる停車までの時間(停車距離)の短縮もさほど大きなものを望めないという第4の問題を生ずる。
本発明は、従来の負圧式倍力装置に僅かな変更を加えるだけの簡単で安価な対策により、改善従来の負圧式倍力装置が抱える上記諸々の問題を伴うことなく、倍力作用の応答性を改善し得るようにした負圧式倍力装置を提案することを目的とする。
この目的のため本発明の負圧式倍力装置は、請求項1に記載のごとく、
負圧室と変圧室とを隣り合わせに具え、操作力が入力されない常態では前記変圧室に前記負圧室内の負圧を導いているが、操作力の入力時は、前記変圧室に前記負圧に代え該負圧よりも高い圧力を導いて、該変圧室内の高い圧力と前記負圧室内の負圧との差圧により前記操作力を倍力して出力するようにした負圧式倍力装置を前提とし、
操作力の入力時に前記変圧室に導くべき前記負圧よりも高い圧力として、大気圧よりも高い正圧のみを用いるよう構成したことを特徴とするものである。
かかる構成になる本発明の負圧式倍力装置によれば、
操作力の入力時に変圧室へ導くべき、負圧よりも高い圧力として、大気圧よりも高い正圧のみを用い、操作力の入力時はこの正圧を変圧室に供給して、変圧室内の正圧と負圧室内の負圧との差圧により操作力を倍力して出力する構成になるから、
従来、操作力の入力時に変圧室へ供給していた大気圧を、これよりも高圧の正圧に変更するだけで、つまり、弁などの基本的な負圧式倍力装置の構成は従来のものをそのまま流用し、大気圧室を正圧室に変更するだけの簡単で安価な対策により、改善従来の負圧式倍力装置が抱える上記諸々の問題を一挙に解決しつつ、改善従来の負圧式倍力装置よりも更に効果的に倍力作用の応答性を改善することができる。
つまり、操作力の入力時に変圧室に正圧を供給すべく開くブースト開始用の弁は、従来の負圧式倍力装置における大気弁をそのまま用いることから、
この弁が開くタイミングより、従って急操作以外の通常操作時においても、正圧による倍力作用の応答性改善効果を期待でき、前記した改善従来の負圧式倍力装置が抱える前記第2の問題を解消することができる。
また、同様の理由(操作力の入力時に変圧室に正圧を供給すべく開くブースト開始弁は、従来の負圧式倍力装置における大気弁をそのまま用いる)から、
図11につき前述したロスアップが当該弁の開放に要する荷重分のみとなり、他の弁の開放に要する荷重分が付加されることがなく、
改善従来の負圧式倍力装置における前記第3の問題、つまり、ブースト出力が低下したり、大きな操作入力が必要になるという問題を解消することができる。
更に、ブースト開始弁の開と同時に正圧により倍力作用の応答性改善機能が開始されることから、また、図10につき前述した全負荷点の上昇を伴うことがないこととも相まって、確実な倍力作用の応答性改善効果を期待でき、改善従来の負圧式倍力装置が抱える前記した第4の問題を解消することができる。
以下、本発明の実施例を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になる負圧式倍力装置10の全体を示し、図2は、図1における負圧式倍力装置10の要部を拡大して示すもので、
本実施例においては負圧式倍力装置10を以下に詳述するように、液圧ブレーキ装置の操作部に用いるのに有用なバキュームブースタとして構成する。
図1に示すように、負圧式倍力装置10はブースタシェル11を具え、このブースタシェル11内をダイアフラム12により2個の室13,14に区画する。
一方の室13は、コネクタパイプ15を経て図示せざるエンジン吸気マニホールドまたは真空ポンプなどの負圧源に接続することで負圧室となし、他方の室14は後述する弁構造により内圧を制御される変圧室となす。
ダイアフラム12にはパワーピストン16を取着し、これらダイアフラム12およびパワーピストン16の中心部にバルブボディー17を貫通して設置する。
負圧室13内に露出するバルブボディー17の後端部に同軸にプッシュロッド18を突設し、このプッシュロッド18を負圧室13に貫通させてブースタシェル11より気密封止下に摺動自在に突出させる。
負圧室13内に露出するバルブボディー17の端部には更に、リターンスプリング19を作用させ、これによりバルブボディー17を図1の右方向に付勢して図示の限界位置に弾支する。
バルブボディー17の反対側の前端部は変圧室14を貫通してブースタシェル11の前端筒部11aより気密封止下に摺動自在に突出させ、このバルブボディー前端部内にオペレーティングロッド20を挿入する。
オペレーティングロッド20の挿入端にプランジャ21を結合し、このプランジャ21を前記のプッシュロッド18に同軸に突き合わせると共に、両者間に反力発生機能を果たすリアクションスプリング22およびリアクションプレート23を介在させる。
オペレーティングロッド20はリターンスプリング24により図1,2の右方向に付勢されて常態で図示の限界位置に弾支されているが、図示せざるブレーキペダルの踏み込み時に操作力Finを入力されるとき図の左方へ押し込まれるものものとする。
操作力Finはオペレーティングロッド20からプランジャ21、リアクションスプリング22およびリアクションプレート23を順次経てプッシュロッド18に伝わり、これから出力荷重Foutを取り出して図示せざる液圧ブレーキ装置のマスターシリンダを作動させることができる。
このとき出力荷重Foutを倍力するための弁構造を、図2を合わせ参照しつつ以下に詳述する。
オペレーティングロッド20が貫入するバルブボディー17の前端部内にポペット弁体25を配置し、このポペット弁体25を弁体支持筒26と共にゴムなどの弾性体で一体的に成形して造る。
ポペット弁体25から遠い弁体支持筒26の端部をバルブボディー17の前端部内に固着して、弁体支持筒26の内側に正圧室27を画成し、弁体支持筒26の外側に背圧室28を画成する。
バルブボディー17の前端部と、これを包套するブースタシェル11の前端筒部11aとの間に、両者間を気密封止して相対的にストローク可能にする一対の環状シール41,42を介在させ、これによりバルブボディー17の前端部をブースタシェル11の前端筒部11aに対し気密封止下にストロークさせ得るようにする。
一対の環状シール41,42は軸線方向へ離間させ、これら環状シール41,42間に圧縮空気室43を画成し、この圧縮空気室43を、一方ではブースタシェル前端筒部11aに設けたコネクタパイプ44により後述する正圧源に通じさせ、他方ではバルブボディー17の前端部に設けた径方向孔17aにより正圧室27に通じさせる。
なお正圧室27は、バルブボディー17の前端開口に設置した端蓋29により閉塞して、圧縮空気室43内の正圧を供給しておく。
ポペット弁体25は図2に明示するごとく、これとオペレーティングロッド20との間に縮設したスプリング30により図1および図2の左方に付勢して、プランジャ21に設定した環状の内周弁座31に着座させ、これらポペット弁体25および内周弁座31により正圧弁32を構成する。
ポペット弁体25は更に図2に明示するごとく、内周弁座31よりも外周に位置するようバルブボディー17内に設定した環状の外周弁座33および最外周弁座34にも着座可能とし、これらポペット弁体25と、外周弁座33および最外周弁座34とにより負圧弁35を構成する。
外周弁座33および最外周弁座34間の環状空所に負圧室13の内圧を導くようバルブボディー17に負圧通路36を形成し、内周弁座31および外周弁座33間の環状空所を変圧室14に通じさせるようバルブボディー17に変圧通路37を形成する。
そして、内周弁座31および外周弁座33間の環状空所に導かれた変圧室14の内圧を背圧室28にも供給し得るようポペット弁体25に連通孔38を形成し、該連通孔38を複数個1組としてポペット弁体25の円周方向等間隔に配置する。
図1のコネクタパイプ44に接続すべき正圧源は、大気圧よりも若干高くて、車速の上昇につれて高くなる空気圧(正圧)を発生するものとする。
この正圧源としては、単純に電動式のエアポンプを用いても良いが、本実施例では特に、車両の走行風から得られるエネルギーで車速対応の正圧を発生する以下のような構成の正圧発生手段を用いる。
この正圧発生手段は、図6に52または53で例示するごとく車体51の前方下部に設けられ、車両走行中に発生する車速対応の走行風α,βを受けて、車速の上昇につれ高くなる空気圧(正圧)発生するものとする。
正圧発生手段52は図7に明示するごとく、走行風αによる風圧を受けて変位される風圧板52aと、シリンダなどの容積可変容器52bとを具え、
容積可変容器52b内をダイアフラム52cにより圧縮室52dおよび大気連通室52eとに分割し、
ダイアフラム52cおよび風圧板52aを相互に結合すると共に、リターンスプリング52fにより圧縮室52dから遠ざかる方向へ附勢する。
なおリターンスプリング52fは、図示のごとく容積可変容器52b内に配置する代わりに、その外部において容積可変容器52bと風圧板52aとの間に配置してもよい。
かかる正圧発生手段52は、走行風αによる風圧を受けて風圧板52aがリターンスプリング52fに抗し変位されると、ダイアフラム52cが圧縮室52dに向かう方向へ変形されて圧縮室52dの容積減少を惹起し、これにより圧縮室52d内に、車速の上昇につれ図8のごとく大気圧(1.0bar)よりも高くなる空気圧(正圧)が発生する。
かようにして発生した車速対応の空気圧(正圧)は、図1,2におけるコネクタパイプ44を経て圧縮空気室43内に至り、その後、径方向孔17aを経て正圧室27内に達し、後述の倍力作用に供される。
正圧発生手段53は具体的な図示をしなかったが、図7におけるような風圧板を用いず、走行風圧をそのまま、車速の上昇につれ大気圧(1.0bar)よりも高くなる空気圧(正圧)として、図1,2における圧縮空気室43および正圧室27内に供給するものである。
後者の正圧発生手段53は構造が簡単であるが、前者の正圧発生手段52は、風圧板52aの受圧面積やリターンスプリング52fのばね力を調整することで、図8に示す正圧発生特性を自由に変えることができ、設計の自由度が高い点において有利である。
上記の構成になる負圧式倍力装置10は、図1に示すようにブースタシェル11の前面に立設したボルト39により車体ダッシュボードに取り付けて車両に装備し、オペレーティングロッド20をブレーキペダルに連結し、プッシュロッド18をブレーキマスターシリンダのピストンに突き当てて実用する。
以下、負圧式倍力装置10の作用を図3,4,5に基づき説明する。
図3は、ブレーキペダルの踏み込みがない非作動時における前記弁構造の状態、図4は、ブレーキペダルの踏み込みがなされた倍力作用開始時における前記弁構造の状態、図5は、ブレーキペダルの踏力を一定に保っている踏み込み保持時における前記弁構造の状態をそれぞれ示す。
ブレーキペダルの踏み込みがない非作動時は、図1および図2に示すようにリターンスプリング19によりバルブボディー17は図示の限界位置にあり、オペレーティングロッド20と共に変位するプランジャ21も図1および図2に示すようにリターンスプリング24により図示の限界位置にされる。
この時バルブボディー17およびプランジャ21は図3に示すような相対位置にあって、プランジャ21が内周弁座31を介して弁体25を外周弁座33および最外周弁座34から離反させる。
よって、内周弁座31と弁体25との当接により正圧弁32が閉じられ、弁体25と外周弁座33および最外周弁座34との離反により負圧弁35が開かれる。
これにより、変圧室14が背圧室28と共に正圧室27から遮断され、負圧室13に連通されており、変圧室14および背圧室28の内圧が負圧室13の内圧と同じ圧力に低下されている。
従って、図1におけるダイアフラム12の右側に位置する変圧室14の内圧が左側における負圧室13の内圧と同じにされ、ダイアフラム12はバルブボディー17およびプッシュロッド18と共にリターンスプリング19により図示の非作動限界位置に保持され得る。
ブレーキペダルの踏み込みで図1のオペレーティングロッド20に操作力Finが入力されると、オペレーティングロッド20は同方向への往動ストロークにより押し込まれ、プランジャ21、リアクションスプリング22およびリアクションプレート23を順次経てプッシュロッド18を押動し、プッシュロッド18からの出力荷重Foutにより図示せざる液圧ブレーキ装置のマスターシリンダを作動させることができる。
このとき出力荷重Foutは、以下の倍力作用により操作力Finを増幅した値(倍力作用によるブースト出力と操作力Finとの和値)となり、ブレーキ操作力を軽減したり、大きなブレーキ力を発生させることができる。
この倍力作用を以下に説明するに、オペレーティングロッド20に結合されたプランジャ21は上記の往動により図3の位置から左行し、ポペット弁体25が当初はこれに追従変位して正圧弁32を閉状態に保つ。
而してポペット弁体25は、図4に示すように外周弁座33および最外周弁座34に接して負圧弁35を閉状態にした後はポペット弁体25の左行に追従変位し得ず、外周弁座33および最外周弁座34に着座した図4の位置に止まる。
ところでポペット弁体21が図4に示すごとく引き続き左行することから、負圧弁35が上記のごとく閉じた後に内周弁座31がポペット弁体25から離反し、これら内周弁座31およびポペット弁体25により構成される正圧弁32が開かれる。
これにより、図1におけるダイアフラム12の右側に位置する変圧室14が、正圧室27内の正圧により負圧状態から正圧状態にされ、変圧室14が負圧室13との間に差圧を持つようになり、ダイアフラム12はバルブボディー17およびプッシュロッド18と共にリターンスプリング19に抗して図1の左方へパワーアシストされ、プッシュロッド18からの出力荷重Foutを倍力することができる。
ブレーキペダルの踏み込み操作力Finを保持すると、オペレーティングロッド20に結合されたプランジャ21がその時の位置、例えば図4に対応した図5の位置に止まる。
ところで、操作力Finを保持した当初はバルブボディー17が未だ図4に示す位置であって上記の倍力作用が継続中であるため、この倍力作用によりバルブボディー17はポペット弁体25を伴って図4の位置から図5の位置に進行する。
バルブボディー17およびポペット弁体25の上記進行によりポペット弁体25は、プランジャ21の内周弁座31に着座して正圧弁32を閉じ、負圧弁35の閉状態保持と相まって変圧室14の内圧をそれ以上は正圧室27内の正圧により上昇させなくなる。
その結果、変圧室14の内圧をこの時の圧力に保って倍力状態を保持することによりプッシュロッド18からの出力荷重Foutをこの時の値に維持することができる。
ブレーキペダルの踏み込み操作力Finを解除するペダル戻し時は、オペレーティングロッド20に結合されたプランジャ21が図5の位置から同図の矢印方向と逆の方向へ戻される復動ストロークを行う。
かかるプランジャ21の戻しは、内周弁座31およびポペット弁体25で構成される正圧弁32の閉状態を保ってポペット弁体25を同方向へ連れ戻し、外周弁座33および最外周弁座34から離反させて負圧弁35を最終的には図3に示すように開いて、倍力装置を非作動状態にすることができる。
ところで前記の倍力作用に当たっては、図1におけるダイアフラム12の右側に位置する変圧室14が、大気圧よりも高い正圧室27内の正圧により、図9に実線で示すような高い空気流入速度Vairで正圧室27から圧縮空気を供給され、変圧室14の内圧Pvarは同図に実線で示すごとく速やかに上昇して、従来の負圧式倍力装置よりも図9にΔtで示す時間だけ早期にブレーキペダル踏力対応の目標値に達することができる。
これがため本実施例の負圧式倍力装置によれば、以下の作用効果を奏し得る。
図10につき説明すると、図4のごとくに正圧弁32が開いた瞬時t1より、大気圧よりも高い正圧室27内の正圧が変圧室14に向かってその内圧を負圧状態から圧力上昇させるため、変圧室14の内圧を上記正圧の供給によって瞬時t1の直後に急上昇させることができ、変圧室14の内圧上昇速度で決まるブースト出力を図10に実線で示すごとく瞬時t1の直後から急上昇させ得る。
瞬時t1から得られる当該ブースト出力の急上昇は、図10に実線で示すごとく、正圧室27内の正圧が消費し尽くされ、正圧室27内の内圧が大気圧に低下するまでの間に行われるが、その後もブースト出力は、従来の破線で示す特性と同じ時間変化勾配で上昇し続けるため、車速を図10に実線で示すごとく速やかに低下させることができ、車速が0となる停車までの時間(停車距離)を、従来の負圧式倍力装置や改善従来の負圧式倍力装置よりも確実に短縮することができる。
しかも、改善従来の負圧式倍力装置において生じていた全負荷点の上昇(図10の一点鎖線で示すブースト出力参照)を伴うことがないため、アンチスキッド制御が作動を開始するブレーキ装置の限界点に至ることがなく、この点においても、停車までの時間(停車距離)を確実に短縮し得るという上記の作用効果を一層顕著なものにし得る。
そして、従来の負圧式倍力装置における大気弁をそのまま流用可能な正圧弁32が開いた瞬時t1より、つまり、従来の負圧式倍力装置において倍力作用が開始されると全く同じタイミングで、正圧室27内の正圧が変圧室14に向かってその内圧を急上昇させ始めるため、ブースト出力を図10に実線で示すごとく瞬時t1の直後から急上昇させ得ることとなり、
急ブレーキ操作以外の通常ブレーキ操作時においても正圧による倍力作用の応答性改善効果を期待することができる。
また同様な構成上の理由から、図11につき前述したロスアップが、従来の負圧式倍力装置における大気弁をそのまま流用可能な正圧弁32の開放に要する荷重分のみとなり、他の弁の開放に要する荷重分が付加されることがなく、図11につき前述した問題、つまり、ブースト出力が低下したり、大きな操作入力が必要になるという問題を解消することができる。
そして本実施例によれば、負圧式倍力装置の弁構造などの基本的な構成はそのままに、操作力の入力時に変圧室14へ導くべき、負圧よりも高い圧力として、従来の大気圧に代えこれよりも高い正圧を用いるように変更するだけで、上記した全ての作用効果を達成することができるため、
従来の負圧式倍力装置における大気圧室を正圧室に変更するのみの簡単、且つ、安価な対策により、上記した全ての作用効果を達成し得て大いに有利である。
なお上記の構造変更に当たっては図2に明示するごとく、ブースタシェル11の前端筒部11aと、バルブボディー17の前端部との間に環状空所43を設定し、この環状空所43内に、上記大気圧よりも高い正圧を貯留して倍力作用に用いるようにするのが、倍力装置の構造変更を最小限にできる意味合いにおいて好ましい。
また、高車速であるほど大ブレーキの要求度が高いことから、上記大気圧よりも高い正圧による倍力作用の応答改善効果は、高車速であるほど高くするのが好ましい。
この要求に符合するよう本実施例においては前記した通り、倍力作用に用いる正圧を車速の上昇に応じて高くなる圧力値としたから、車速ごとに異なる倍力作用の応答改善効果を如何なる車速のもとでも過不足なく適切に達成することができる。
そして、かような正圧を作り出すに当たっては、前記した実施例のごとく、車両の走行風から得られるエネルギーを用いて当該正圧を作り出すようにするのが、エネルギーを有効利用する点において好ましい。
そのための正圧発生手段としては図7に示すように、車両の走行風によって風圧を受ける風圧板52aと、風圧に応じた風圧板52aの変位により容積減少されて正圧を発生する容積可変容器52bとよりなる正圧発生手段52を用いるのが、正圧の発生特性に関する自由度が高い点において好ましい。
本発明の一実施例になる負圧式倍力装置の全体を示す縦断側面図である。 図1の負圧式倍力装置における倍力用の弁構造を拡大して示す要部詳細拡大断面図である。 図1,2に示す負圧式倍力装置の、ブレーキ非作動時における状態を示す動作説明図である。 同負圧式倍力装置の、ブレーキを作動させた時における倍力作用開始状態を示す動作説明図である。 同負圧式倍力装置の、ブレーキペダル踏力保持時における動作状態を示す動作説明図である。 同負圧式倍力装置に用いる正圧発生手段の2例をそれぞれ、車体下部の異なる箇所に設置して示す、車体下方の斜視図である。 図6における正圧発生手段の一方を示す詳細断面図である。 図7における正圧発生手段の動作特性図である。 図1,2に示した負圧式倍力装置の変圧室に対する空気流入速度および内圧の時間変化割合を、従来の負圧式倍力装置におけるそれと比較して示すタイムチャートである。 図1,2に示した負圧式倍力装置によるブースト出力および車速の時間変化割合を、従来の負圧式倍力装置および改善従来の負圧式倍力装置によるそれと比較して示す動作タイムチャートである。 従来の負圧式倍力装置および改善従来の負圧式倍力装置における、操作入力とブースト出力との関係を示した特性線図である。
符号の説明
10 負圧式倍力装置
11 ブースタシェル
11a ブースタシェル前端筒部
12 ダイアフラム
13 負圧室
14 変圧室
16 パワーピストン
17 バルブボディー
17a 径方向孔
18 プッシュロッド
19 リターンスプリング
20 オペレーティングロッド
21 プランジャ
22 リアクションスプリング
23 リアクションプレート
24 リターンスプリング
25 ポペット弁体
26 弁体支持筒
27 正圧室
28 背圧室
29 端蓋
31 内周弁座
32 正圧弁
33 外周弁座
34 最外周弁座
35 負圧弁
36 負圧通路
37 変圧通路
38 連通孔
41,42 環状シール
43 圧縮空気室
44 コネクタパイプ
51 車体
52 正圧発生手段
52a 風圧板
52b 容積可変容器
52c ダイアフラム
52d 圧縮室
52e 大気連通室
52f リターンスプリング

Claims (6)

  1. 負圧室と変圧室とを隣り合わせに具え、操作力が入力されない常態では前記変圧室に前記負圧室内の負圧を導いているが、操作力の入力時は、前記変圧室へ前記負圧に代え該負圧よりも高い圧力を導いて、該変圧室内の負圧よりも高い圧力と前記負圧室内の負圧との差圧により前記操作力を倍力して出力するようにした負圧式倍力装置において、
    操作力の入力時に前記変圧室に導くべき前記負圧よりも高い圧力として、大気圧よりも高い正圧のみを用いるよう構成したことを特徴とする負圧式倍力装置。
  2. 前記常態で変圧室に負圧室内の負圧を導びくための負圧弁、および、前記操作力入力時に変圧室に前記負圧よりも高い圧力を導びくための正圧弁を内蔵したバルブボディーを具え、該バルブボディーが前記変圧室内の高い圧力と前記負圧室内の負圧との差圧に応動して前記操作力の倍力を行うものである請求項1に記載の負圧式倍力装置において、
    前記負圧室および変圧室を画成するブースタシェルと、前記バルブボディーとの間に空所を設定し、該空所内に、前記大気圧よりも高い正圧を貯留して前記倍力作用に用いるよう構成したことを特徴とする負圧式倍力装置。
  3. 請求項2に記載の負圧式倍力装置において、
    前記バルブボディーの外周を包囲するよう前記ブースタシェルに筒部を設け、該ブースタシェルの筒部と、前記バルブボディーの外周との間に、前記大気圧よりも高い正圧を貯留する前記空所を設定したことを特徴とする負圧式倍力装置。
  4. 車両のブレーキ装置に用いてブレーキ操作力を倍力するるようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の負圧式倍力装置において、
    前記大気圧よりも高い正圧を、車速の上昇に応じて高くなる圧力値としたことを特徴とする負圧式倍力装置。
  5. 請求項4に記載の負圧式倍力装置において、
    前記車速の上昇に応じて高くなる正圧を、車両の走行風から得られるエネルギーで発生させるようにしたことを特徴とする負圧式倍力装置。
  6. 請求項5に記載の負圧式倍力装置において、
    車両の走行風によって風圧を受ける風圧板と、風圧に応じた該風圧板の変位により容積減少されて正圧を発生する容積可変容器とよりなる正圧発生手段を設け、該手段で発生した正圧を、前記車速の上昇に応じ高くなる正圧として用いるよう構成したことを特徴とする負圧式倍力装置。
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