JP3947591B2 - 閃光発光装置の制御装置 - Google Patents
閃光発光装置の制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3947591B2 JP3947591B2 JP02629797A JP2629797A JP3947591B2 JP 3947591 B2 JP3947591 B2 JP 3947591B2 JP 02629797 A JP02629797 A JP 02629797A JP 2629797 A JP2629797 A JP 2629797A JP 3947591 B2 JP3947591 B2 JP 3947591B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- distance information
- aperture
- blade
- shutter
- light emitting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はストロボ等の閃光発光装置の制御装置に関し,より詳細には所謂デジタルスチルカメラの様に被写体像を光電変換して静止画像を得る様にしたカメラ,特に露出の終了をシャッタ羽根の閉じ動作によって行う様にしたカメラに最適なる閃光発光装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年銀塩フィルムを使用するスチルカメラともに,銀塩フィルムを使用せず,静止画像をデジタルデータとして記録する様にしたデジタルスチルカメラが普及しつつある。この種のデジタルスチルカメラとしては,シャッタ羽根を持たず撮像素子の動作制御のみで露出秒時を制御する様にしたものと,シャッタ羽根を持ちシャッタ羽根の閉鎖動作で露出秒時を制御するものがある。このうちでシャッタ羽根を備えるものはノンインタレースのフルフレーム撮像素子を使用しなくてもインタレースに伴う画像のギザギザが無くなることから画素数の増大には対応しやすい。
【0003】
ところで,一般的に銀塩フィルムを使用したカメラの場合には感光体を常閉しているシャッタ羽根を開閉駆動することにより露出秒時を制御するが,デジタルスチルカメラの場合には液晶ファインダ等のモニタ装置をフレーミングに使用するためにはシャッタ羽根は電源オンに伴って撮像素子を開口している必要がある。そのためシャッタ羽根を有するデジタルスチルカメラは,蓄積電荷放出による撮像素子の初期化によって露出を開始し,シャッタ羽根の閉鎖によって露出を終了する様に制御している。
【0004】
ところで,一般的に露出制御は口径値と露出秒時の組合せを適宜選択することにより行うが,上記の様にノーマルオープンに保持されたシャッタ羽根の閉鎖タイミングで露出秒時を制御する様にした場合にシャッタ羽根は全開状態から閉鎖動作を開始することになり,いわゆる絞り効果を得ることが出来なくなるので,シャッタ羽根とは別に絞り羽根を設けることが望ましい。絞り羽根としては5枚羽根以上の所謂虹彩絞りが機能的には望ましいが,周知の通り虹彩絞りはメカニズムが複雑で高価なものとなるので,廉価な機構の場合には露出開口を制限する2種類程度の絞り羽根を撮像光路中に繰り込むことにより例えば大中小三種類程度の絞り変化を得られる様にすることが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さて,この種のデジタルスチルカメラを使用してストロボ等の閃光発光装置を使用した撮影を行う場合,撮影距離とF値の積がガイドナンバになる様にする必要があるが,上記の様に大中小の3種類程度の口径値ではストロボ撮影に際しての露出精度が極めて低いものとなってしまう。そこで,シャッタ羽根に対して作動位置に対応して口径値が変化する様な開口形成縁を形成し,シャッタ羽根の閉鎖駆動が開始された後に撮影距離に対応して所望される口径値が得られるであろうタイミングでストロボをトリガすることも考えられる。しかしながら,静止状態にあるシャッタ羽根やその駆動部材には非常に大きな静止摩擦力が作用するため,静止状態にあるシャッタ羽根が動き出すまでの時間には著しい偏差があり,特にシャッタの閉鎖動作は開口動作と比較して急峻に行う必要があるため,シャッタ羽根に閉鎖指令を与えてから実際にシャッタ羽根が閉鎖動作を開始するまでの時間偏差はストロボ同調時の実際の口径に著しい誤差を生じせしめ,露出精度に著しく影響を与えるという問題がある。
【0006】
勿論,ストロボの発光量自体を制御する様にした所謂自動調光ストロボを採用すれば上記の様な問題は解決するが,自動調光ストロボは極めて応答性の高い光積分回路を備える必要から高価なものとなり,カメラ全体のコストを押し上げるものとなる。同様に,閉鎖過程にあるシャッタ羽根の位置を細分化されたフォトインタラプタ等によって追跡してストロボ同調タイミングを制御することも考えられるが,この場合には高分解能の検出手段を必要とし,これも全体としてのコストを押し上げるものとなる。本発明はこの様な問題に鑑みてなされたものであり,低価格でありながらシャッタ羽根に閉鎖指令を与えてから実際にシャッタが閉鎖動作を開始する間での時間偏差がストロボ同調時の実際の口径に対して影響を与えない様にした閃光発光装置の制御装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
要約すれば,本発明の請求項1に係る閃光発光装置の制御装置は:撮像光路を開閉可能に支持され,該撮像光路を遮蔽することにより露出動作を終了させるとともに,走行位置に対応して前記撮像光路の口径を規制する開口形成縁が形成されたシャッタ羽根と:トリガ信号により発光する発光量が一定の閃光発光手段と:前記シャッタ羽根の少なくとも閉鎖動作時に前記シャッタ羽根が1又は複数の所定の検出点を通過したことを検出する羽根位置検出手段と:撮影距離情報を入力する距離情報入力手段と:該距離情報入力手段によって入力された撮影距離情報に基づいて,前記1又は複数の検出点を基準検出点として選択する検出点選択手段と:前記距離情報入力手段によって入力された撮影距離情報に基づいて,前記選択された基準検出点を前記羽根位置検出手段が検出してから前記閃光発光手段に対してトリガ信号を加える迄の遅延時間を設定する遅延時間設定手段と:前記羽根位置検出手段が前記基準検出点を検出したタイミングを起算点として前記遅延時間設定手段によって設定された遅延時間が経過したタイミングで前記閃光発光装置に前記トリガ信号を加えるトリガ手段とを具備することにより上記目的を達成する。
【0008】
請求項2に係る閃光発光装置の制御装置は:入射光を所定の結像面に結像させる撮像光学系と:該撮像光学系により被写界光が結像する結像面に配置され光電変換電荷を蓄積する撮像手段と:前記撮像光学系から前記撮像手段に至る撮像光路中を開閉可能に支持され,該撮像光路を遮蔽することにより露出動作を終了させるとともに,走行位置に対応して前記撮像光路の口径を規制する開口形成縁が形成されたシャッタ羽根と:トリガ信号により発光する発光量が一定の閃光発光手段と:前記シャッタ羽根の少なくとも閉鎖動作時に前記シャッタ羽根が1又は複数の所定の検出点を通過したことを検出する羽根位置検出手段と:撮影距離情報を入力する距離情報入力手段と:該距離情報入力手段によって入力された撮影距離情報に基づいて,前記1又は複数の検出点を基準検出点として選択する検出点選択手段と:前記距離情報入力手段によって入力された撮影距離情報に基づいて,前記選択された基準検出点を前記羽根位置検出手段が検出してから前記閃光発光手段に対してトリガ信号を加える迄の遅延時間を設定する遅延時間設定手段と:前記羽根位置検出手段が前記基準検出点を検出したタイミングを起算点として前記遅延時間設定手段によって設定された遅延時間が経過したタイミングで前記閃光発光装置に前記トリガ信号を加えるトリガ手段とを具備している。
【0009】
更に,請求項3に係る閃光発光装置の制御装置は,上記に加えて:前記撮像光路の開口面積を1又は複数の口径で段階的に規制する絞り手段を有し:前記シャッタ羽根が前記絞り手段によって規制される1又は複数の口径に相当する位置まで閉鎖駆動された地点を前記羽根位置検出手段によって検出される1又は複数の検出点としたことを特徴とする。
【0010】
即ち,本発明によれば,シャッタ羽根が閉鎖駆動された後にシャッタ羽根が所定の検出点を通過したタイミングを起算点として,その起算点から撮影距離に応じた遅延時間が経過したタイミングで閃光発光装置をトリガする様にしているので,シャッタ羽根やその駆動機構が静止摩擦力から解放された後に閃光発光装置をトリガするタイミングを制御する事となり,シャッタ羽根に閉じ指令を発生してからシャッタ羽根が実際に動き出すまでの時間偏差によって閃光発光装置の同調時の実際の口径値に誤差が生じることが無くなる。又,閉鎖駆動開始後のシャッタ羽根の位置検出と検出点からの遅延時間の双方で閃光発光装置のトリガタイミングを制御しているので,シャッタ羽根の位置検出のためのフォトインタラプタ等の分解能は低いものでも制御上差し支えなく,全体のコストを低減することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の1実施形態を説明する。図1は本発明の撮像装置がカメラ本体側の電源がオフした状態を示す平面図であり,図2はムービングマグネットの周辺を示す断面図である。図中1は上地板,2は中地板,3は下地板であり,図1においては上地板1,中地板2,下地板3は同一の一点鎖線で仮想的に示している。これらの地板類の中央部分には撮像光路を形成する露出開口APが形成されている。4,5は露出開口APを開閉するシャッタ羽根であり,シャッタ羽根4,5は上地板1の裏面に植設されたピン1a,1bに対して各々揺動自在に支持されている。本実施例におけるシャッタ羽根4,5は,作動位置に対応して露出開口APの開口面積を規制するための開口形成縁4a,5aを各々有しており,非通電時には露出開口APを遮蔽した状態にある。
【0012】
次に,6はシャッタ羽根4,5を開閉駆動するためのムービングマグネットであり,図2は断面を,図3は図1に示す平面を拡大して各々示している。尚,ムービングマグネット6の構成要素の符号は図1には特に示さないが,図2及び図3を参照すれば理解される。ムービングマグネット6は円筒状のケーシング6aの内法にコイル枠6bが固着されており,コイル枠6bの長手方向に沿って図3に示す様にコイル6cが捲着されている。コイル枠6bの内側に設けられた軸6dには2極のマグネット6eが回転可能に支持され,マグネット6eの外側に突出形成された出力ピン6fは上地板1及び中地板2を貫通してシャッタ羽根4,5に各々形成された長孔4b,5b(図1参照)と各々係合している。
【0013】
出力ピン6fの作動範囲は上地板1に植設された例えば鉄等の強磁性体で形成されたピン1c,1dによって規制されている。初期状態では出力ピン6fはピン1cを磁着して図1や図3に示す状態で保持されているが,この状態でコイル6cに正のパルス電流を供給するとコイル枠6bの周辺には図3において上側がN極になる磁界が形成され,マグネット6eは軸6dを中心に反時計廻りに回転し,出力ピン6fがピン1dに当接して停止する。そして出力ピン6fはピン1dを磁着するので,正のパルス電流の供給を遮断しても,出力ピン6fはピン1dを磁着した状態で保持される。又,出力ピン6fがピン1dを磁着した状態からコイル6cに対して負のパルス電流を供給するとコイル枠6bの周辺には図3において下側がN極になる磁界が形成されるので,マグネット6eは軸6dを中心に時計廻りに回転し,出力ピン6fがピン1cに当接して停止する。そして出力ピン6fはピン1cを磁着するので,負のパルス電流の供給を遮断しても,出力ピン6fはピン1cを磁着した状態で保持される。
【0014】
本実施形態は大中小の三種類の口径制御を行う様にしたものを想定しており,露出開口APの全開状態が大口径に相当する。又,中口径及び小口径は絞り羽根7又は8を露出開口APに各々進入させることによって得ている。先ず,中口径に対応した絞り羽根7は上地板1に植設されたピン1eに揺動自在に支持されており,絞り羽根7の先端部分には中口径に相当する開口7aが形成されている。又,9は絞り羽根7を旋回させるための駆動源となるムービングマグネットであり,ムービングマグネット9の構成は既に説明したムービングマグネット6と基本的に同様であり,出力ピン9fが絞り羽根7に形成された長孔7bと係合している。尚,本実施形態においては,ムービングマグネット9は,正のパルス電流を供給することによって出力ピン9fが強磁性体のピン1fに当接するまで軸9dを中心に時計廻りに回転し,負のパルス電流を供給することによって強磁性体のピン1gに当接するまで軸9dを中心に反時計廻りに回転する。又,絞り羽根7に形成された開口7aはムービングマグネット9の出力ピン9fがピン1fに当接した状態の時に開口7aと露出開口APが概ね同心円になる。
【0015】
次に,小口径に対応した絞り羽根8は上地板1に植設されたピン1hに揺動自在に支持されており,絞り羽根8の先端部分には小口径に相当する開口8aが形成されている。又,10は絞り羽根8を旋回させるための駆動源となるムービングマグネットであり,ムービングマグネット10の構成も既に説明したムービングマグネット6と基本的に同様であり,出力ピン10fが絞り羽根8に形成された長孔8bと係合している。尚,本実施形態においては,ムービングマグネット10は,正のパルス電流を供給することによって出力ピン10fが強磁性体のピン1iに当接するまで軸10dを中心に時計廻りに回転し,負のパルス電流を供給することによって強磁性体のピン1jに当接するまで軸10dを中心に反時計廻りに回転する。又,絞り羽根8に形成された開口8aはムービングマグネット10の出力ピン10fがピン1iに当接した状態の時に開口8aと露出開口APが概ね同心円になる。
【0016】
PRはフォトリフレクタであり,シャッタ羽根5に形成されたスリット5c,5d,5eを各々検出する。本実施形態では,シャッタ羽根4,5に形成された開口形成縁4a,5aが大口径に相当するアパーチュアAPと同等の開口を形成するまでシャッタ羽根5が閉鎖作動した時にスリット5cがフォトリフレクタPRによって検出され,シャッタ羽根4,5に形成された開口形成縁4a,5aが中口径に相当する開口7aと同等の開口を形成するまでシャッタ羽根5が閉鎖作動した時にスリット5dがフォトリフレクタPRによって検出され,シャッタ羽根4,5に形成された開口形成縁4a,5aが小口径に相当する開口8aと同等の開口を形成するまでシャッタ羽根5が閉鎖作動した時にスリット5eがフォトリフレクタPRによって検出される。
【0017】
次に,図4は本実施形態の制御系のブロック図であり,4,5は既述のシャッタ羽根4,5を示し,7,8は既述の絞り羽根7,8を示し,6,9,10は既述のムービングマグネット6,9,10を示し,PRは既述のフォトリフレクタを各々示している。又,Rは反射面,AFは被写体距離を測定する公知の測距回路を各々示す。又,11は撮影用のレンズ,12は撮像手段の一例であるCCD,13はCCD12から出力された画像信号の記憶処理やフォトリフレクタPRの出力信号の入力処理,測距回路AFから得られた距離情報の入力処理等を行う信号処理回路,14はシャッタレリーズスイッチ,15はメインスイッチ,16はマイクロコンピュータを各々示す,又,17はシャッタ駆動用のムービングマグネット6に駆動信号を供給するシャッタ駆動回路,18は絞り駆動用のムービングマグネット9及びムービングマグネット10に駆動信号を供給する絞り駆動回路,19はCCD12の電荷蓄積及び電荷放出を制御する電子シャッタ制御回路,20はストロボ,21はストロボ20の使用を選択するストロボ選択スイッチを各々示す。
【0018】
更に,22は本実施形態の特徴となるデータテーブルであり,測距回路AFから入力された被写体距離情報に対応して検出点となるスリット5c,5d,5eの選択及び遅延時間を設定するためのデータが格納されたメモリで構成されている。即ち,ストロボの発光量及び撮像手段の感度を一定とした場合には,ストロボ撮影で適正露出が得られる口径値は撮影距離によって一義的に定まる。又,シャッタ羽根4,5に閉鎖指令を出してからシャッタ羽根4,5が所望の口径になる迄の時間はシャッタ羽根4,5の静止摩擦力によって大きな偏差を有するが,シャッタ羽根4,5が実際に閉鎖走行を開始した後には,シャッタ羽根5に形成されたスリット5cがフォトリフレクタPRによって検出されてから大口径と中口径の中間にある所望の口径が得られる迄の時間,或いはシャッタ羽根5に形成されたスリット5dがフォトリフレクタPRによって検出されてから中口径と小口径の中間にある所望の口径が得られる迄の時間,或いはシャッタ羽根5に形成されたスリット5eがフォトリフレクタPRによって検出されてから小口径以下の所望の口径が得られる迄の時間は,静止摩擦力の影響を受けず安定している。そこで,本実施形態では入力された被写体距離情報に対して適正口径が得られるにはスリット5c,5d,5eの何れが検出されてからどれだけの遅延時間が必要かを示すデータ列がデータテーブル22内に予め格納されており,このデータを被写体距離情報をパラメータとして読み出す様になされている。
【0019】
次に,上記事項,図5及び図6のフローチャート,図7及び図8のタイムチャート,図9及び図10の状態変化を示す平面図を参照して本実施形態の動作を詳細に説明する。先ず,初期状態において機構は図1に示す状態にある。メインスイッチ15がオンすることによりプログラムはスタートし,マイクロコンピュータ16は電子シャッタ制御回路19を制御してCCD12を作動開始させるとともにシャッタ駆動回路17を制御してムービングマグネット6に対して正のパルス電流を供給させる。(ステップS2,S3)
【0020】
ムービングマグネット6に対して正のパルス電流が供給されることによって出力ピン6fは軸6dを中心にしてピン1dに当接するまで反時計廻りに回転する。そして,出力ピン6fがピン1dに当接すると出力ピン6fはピン1dを磁着するので,正のパルス電流が立ち下がった後の非通電状態でも出力ピン6fの位置は保持される。この様にして図1に示す状態から出力ピン6fが反時計廻りに回転すると,ピン6fは長孔4a,5aを各々係合しているので,シャッタ羽根4は軸1aを中心に左旋し,シャッタ羽根5は軸1bを中心に右旋して露出開口APを開口する。尚,図9はシャッタ羽根4,5が露出開口APを開口した状態を示している。
【0021】
又,測距回路AFは被写体までの距離を示す距離情報を信号処理回路13に出力しており,この距離情報は信号処理回路13を介してマイクロコンピュータ16に読み込まれる(ステップS4)。又,CCD12は既に作動を開始しているので,上記の様にしてシャッタ羽根4,5が露出開口APを開口してCCD12が被写界光に露呈されると,CCD12の出力はマイクロコンピュータ16に加えられる。そしてマイクロコンピュータ16はCCD12の出力によって被写界輝度を測定し,適正な絞り値とシャッタ秒時を算出し,レリーズスイッチ14がオンするのを待つ(ステップS5)。そしてステップS9でレリーズスイッチ14がオンするとステップS5で算出した絞り値に応じて処理を分岐する(ステップS10)。
【0022】
使用される絞り値が中口径の時にはマイクロコンピュータ16は絞り駆動回路18を制御してムービングマグネット9に正のパルス電流を供給し(ステップS11),ムービングマグネット9は出力ピン9fが軸9dを中心にピン1fに当接するまで右旋し,ピン1fを磁着するので,正のパルス電流が立ち下がった非通電状態でも右旋位置を保持する。そして,ムービングマグネット9の右旋動作に伴って絞り羽根7も軸1eを中心に右旋して開口7aが露出開口APを中口径まで絞り込む。尚,図9はこの様にして開口7aが露出開口APを中口径まで絞り込んだ状態を示している。又,使用される絞り値が小口径時にはマイクロコンピュータ16は絞り駆動回路18を制御してムービングマグネット10に正のパルス電流を供給し(ステップS12),ムービングマグネット10は出力ピン10fが軸10dを中心にピン1iに当接するまで右旋し,ピン1iを磁着するので,正のパルス電流が立ち下がった非通電状態でも右旋位置を保持する。そして,ムービングマグネット10の右旋動作に伴って絞り羽根8も軸1hを中心に右旋して開口8aが露出開口APを小口径まで絞り込む。尚,小口径の状態は図示はしないが,図9の絞り羽根7に換えて絞り羽根8が露出開口APを開口規制するものであり,容易に理解されよう。更に,使用される絞り値が大口径の場合には,露出口径APの絞り込み動作はなされず,直ちにステップS13に移行する。即ち,この場合には露出開口APの口径がそのままで絞り値になる。
【0023】
この様にして口径値が定まるとマイクロコンピュータ16は電子シャッタ制御回路19を制御してCCD12に蓄積された電荷を放出させる(ステップS13)。従って,CCD12は制御信号の立ち上がりタイミングで新規に電荷の蓄積動作を開始し,従って,このタイミングが有効露出秒時の開始タイミングになる。次にステップS14でマイクロコンピュータ16は,ストロボ選択スイッチ21の状態によりストロボ撮影か否かを判別する。
【0024】
先ず,ストロボ20の非使用時に関して説明する。尚,図6のタイムチャートの前半部分はストロボ20の非使用時を示している。ストロボ非使用時における適正な露出秒時はステップS5で既に算出されているので,マイクロコンピュータ16はステップS13でCCD12の蓄積電荷を放出した後にステップS5で算出された露出秒時が経過すると(ステップS15)シャッタ駆動回路17を制御してムービングマグネット6に負のパルス電流を供給する(ステップS16)。ムービングマグネット6に対して負のパルス電流が供給されることによって出力ピン6fは軸6dを中心にしてピン1cに当接するまで時計廻りに回転する。そして,出力ピン6fがピン1cに当接すると出力ピン6fはピン1cを磁着するので,負のパルス電流が立ち下がった後の非通電状態でも出力ピン6fの位置は保持される。この様にして図9に示す状態から出力ピン6fが時計廻りに回転すると,シャッタ羽根4が軸1aを中心に右旋するとともにシャッタ羽根5が軸1bを中心に左旋して露出開口APを遮蔽する。従って,開口径が露出開口APで定まる大口径撮影の場合には図7におけるハッチング部分ABCの合計面積が有効露光量に相当し,開口径が絞り羽根7の開口7aで定まる中口径撮影の場合には図7におけるハッチング部分BCの合計面積が有効露光量に相当し,開口径が絞り羽根8の開口8aで定まる小口径撮影の場合には図7におけるハッチング部分Cの面積が有効露光量に相当することになる。
【0025】
この様にしてシャッタ羽根4,5が露出開口APを遮蔽するとマイクロコンピュータ16は信号処理回路13を制御してCCD12の出力を取り込ませ(ステップS24),信号処理回路13は画像信号を例えば外部のメモリカード等の記憶装置に書き込み一回の撮影動作を完了する。この様にして一回の撮影動作が完了するとマイクロコンピュータ16は次の様にして次駒の撮影に備える。即ち,マイクロコンピュータ16はステップS25で絞り羽根7又は8を使用したか否かを判別する。そして,絞り羽根7が使用されていればムービングマグネット9に,又,絞り羽根8が使用されていればムービングマグネット10に各々負のパルス電流を加えて,絞り羽根7又は絞り羽根8を各々図1に示す初期状態に復帰させた後に(ステップS26),ステップS3に復帰してシャッタ羽根4,5を開口させてステップS9でレリーズスイッチ14がオンするのを待機する。尚,ムービングマグネット9や10は負のパルス電流の停止後も出力ピン9f,10fとピン1g,1jとの間の磁着力によって図1の状態を保持することはいうまでもない。又,この様にしてレリーズスイッチ14がオンするのを待機している間に電源スイッチ15がオフしたことをステップS6で検出するとステップS7でシャッタ駆動回路17を制御してムービングマグネット6に負のパルス電流を加え,シャッタ羽根4,5を閉鎖駆動して露出動作を終了する。尚,電源スイッチ15がオフした後の制御動作は例えば図外のキャパシタ等の容量回路から電源供給されて実行される。
【0026】
次に,ストロボ20の使用時に関して説明する。尚,図6のタイムチャートの後半部分はストロボ20の使用時を示している。被写体迄の距離はステップS4で既に読み込んでいる。そこで,マイクロコンピュータ16はステップS4で読み込んだ被写体距離情報によってデータテーブル22をアクセスし,シャッタ羽根5に形成されたスリット5c,5d,5eの内のどのスリットがフォトリフレクタPRによって検出された後にストロボをトリガするかを読み出す(ステップS17)。尚,この様にして決定されたスリットが基準検出点に相当する。次に,マイクロコンピュータはステップS4で読み込んだ被写体距離情報によってデータテーブル22をアクセスし,スリット5c,5d,5eの内の目的のスリットがフォトリフレクタPRによって検出された後にどれだけの遅延時間が経過した時にストロボ20をトリガするかを読み出す(ステップS18)。尚,図7のタイムチャート(図8はこの部分の拡大図を示す)はスリット5dがフォトリフレクタPRで検出された後に遅延時間dが経過したタイミングでストロボ20をトリガする場合を示している。
【0027】
この様にして,基準検出点となるスリット及び遅延時間が決定すると,マイクロコンピュータ16はシャッタ駆動回路17を制御してムービングマグネット6に負のパルス電流を供給して,シャッタ羽根4,5の閉鎖駆動を行う(ステップS19)。図8を参照すると,シャッタ羽根4,5が閉鎖駆動開始された後に,シャッタ羽根4,5に形成された開口形成縁4a,5aが形成する開口面積が露出開口APと概ね等しくなるまでシャッタ羽根4,5の閉鎖動作が進行したタイミングでスリット5cがフォトリフレクタPRに検出され,開口形成縁4a,5aが形成する開口面積が絞り羽根7の開口7aと概ね等しくなるまでシャッタ羽根4,5の閉鎖動作が進行したタイミングでスリット5dがフォトリフレクタPRに検出され,開口形成縁4a,5aが形成する開口面積が絞り羽根8の開口8aと概ね等しくなるまでシャッタ羽根4,5の閉鎖動作が進行したタイミングでスリット5eがフォトリフレクタPRに検出され,フォトリフレクタPRはパルス信号を発生する。マイクロコンピュータ16はフォトリフレクタPRが発生した2発目のパルス信号(即ち,基準検出点となるスリット5dに対応したパルス信号)を信号処理回路13を介して受け付けると(ステップS20),ステップS18で読み出した遅延時間dが経過するのを待つ。
【0028】
そして,ステップS21で遅延時間dの経過を確認するとステップS22でストロボ20にトリガ信号を加え,ストロボ20を発光させる。従って,中口径と小口径の中間にある所望の口径が得られたタイミングでストロボ20が発光されることになる。その後シャッタ羽根4,5が完全に閉鎖するのに必要な時間が経過すると(ステップS23),ステップS24に移行してストロボ非使用時と同様にして画像信号の読込を行う。
【0029】
尚,上記ではCCDを撮像素子として使用するデジタルスチルカメラのストロボ制御に本発明を適用した例を示したが,シャッタ羽根の閉鎖過程でストロボを同調する場合であれば,所謂銀塩フィルムを使用したカメラのストロボ制御に本発明を適用し得ることはいうまでもない。
【0030】
【発明の効果】
以上説明した様に本発明によれば,シャッタ羽根が閉鎖駆動された後にシャッタ羽根が所定の検出点を通過したタイミングを起算点として,その起算点から撮影距離に応じた遅延時間が経過したタイミングで閃光発光装置をトリガする様になされているので,シャッタ羽根やその駆動機構が静止摩擦力から解放された後に閃光発光装置をトリガするタイミングを制御することとなり,シャッタ羽根に閉じ指令を発生してからシャッタ羽根が実際に動き出すまでの時間偏差によって閃光発光装置の同調時の実際の口径値に誤差が生じることが無くなり,ストロボ撮影に際しての露出精度が極めて安定したものとなる。又,閉鎖駆動開始後のシャッタ羽根の位置検出と検出点からの遅延時間の双方で閃光発光装置のトリガタイミングを制御しているので,シャッタ羽根の位置検出のためのフォトインタラプタ等の分解能は低いものでも制御上差し支えなく,全体のコストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る撮像装置の初期状態における平面図。
【図2】図1に示すムービングマグネット6の断面図。
【図3】図1に示すムービングマグネット6の拡大平面図。
【図4】本発明の実施例に係る撮像装置の制御系のブロック図。
【図5】図4に示す制御系の制御動作示すフローチャートの前半部分。
【図6】図4に示す制御系の制御動作示すフローチャートの後半部分。
【図7】図4に示す制御系の動作タイミングを示すタイムチャート。
【図8】図7に示すタイムチャートの部分拡大図。
【図9】図1に示す実施例を中絞り状態にするともにシャッタ羽根を全開にした状態の平面図。
【図10】図9に示す状態からシャッタ羽根の閉鎖動作が中口径に達するまで進行した状態を示す平面図。
【符号の説明】
1 上地板
1c,1d,1f,1g,1i,1j ピン
4,5 シャッタ羽根
6 ムービングマグネット
6f 出力ピン
7 中絞り用絞り羽根
7a 開口
8 小絞り用絞り羽根
8a 開口
9 ムービングマグネット
9f 出力ピン
10 ムービングマグネット
10f 出力ピン
11 レンズ
12 CCD
16 マイクロコンピュータ
20 ストロボ
21 ストロボ選択スイッチ
22 データテーブル
AP 露出開口
AF 測距回路
PR フォトリフレクタ
R 反射面
Claims (3)
- 撮像光路を開閉可能に支持され,該撮像光路を遮蔽することにより露出動作を終了させるとともに,走行位置に対応して前記撮像光路の口径を規制する開口形成縁が形成されたシャッタ羽根と,
トリガ信号により発光する発光量が一定の閃光発光手段と,
前記シャッタ羽根の少なくとも閉鎖動作時に前記シャッタ羽根が1又は複数の所定の検出点を通過したことを検出する羽根位置検出手段と,
撮影距離情報を入力する距離情報入力手段と,
該距離情報入力手段によって入力された撮影距離情報に基づいて,前記1又は複数の検出点を基準検出点として選択する検出点選択手段と,
前記距離情報入力手段によって入力された撮影距離情報に基づいて,前記選択された基準検出点を前記羽根位置検出手段が検出してから前記閃光発光手段に対してトリガ信号を加える迄の遅延時間を設定する遅延時間設定手段と,
前記羽根位置検出手段が前記基準検出点を検出したタイミングを起算点として前記遅延時間設定手段によって設定された遅延時間が経過したタイミングで前記閃光発光装置に前記トリガ信号を加えるトリガ手段とを具備することを特徴とする閃光発光装置の制御装置。 - 入射光を所定の結像面に結像させる撮像光学系と,
該撮像光学系により被写界光が結像する結像面に配置され光電変換電荷を蓄積する撮像手段と,
前記撮像光学系から前記撮像手段に至る撮像光路中を開閉可能に支持され,該撮像光路を遮蔽することにより露出動作を終了させるとともに,走行位置に対応して前記撮像光路の口径を規制する開口形成縁が形成されたシャッタ羽根と,
トリガ信号により発光する発光量が一定の閃光発光手段と,
前記シャッタ羽根の少なくとも閉鎖動作時に前記シャッタ羽根が1又は複数の所定の検出点を通過したことを検出する羽根位置検出手段と,
撮影距離情報を入力する距離情報入力手段と,
該距離情報入力手段によって入力された撮影距離情報に基づいて,前記1又は複数の検出点を基準検出点として選択する検出点選択手段と,
前記距離情報入力手段によって入力された撮影距離情報に基づいて,前記選択された基準検出点を前記羽根位置検出手段が検出してから前記閃光発光手段に対してトリガ信号を加える迄の遅延時間を設定する遅延時間設定手段と,
前記羽根位置検出手段が前記基準検出点を検出したタイミングを起算点として前記遅延時間設定手段によって設定された遅延時間が経過したタイミングで前記閃光発光装置に前記トリガ信号を加えるトリガ手段とを具備することを特徴とする閃光発光装置の制御装置。 - 請求項1又は2記載の閃光発光装置の制御装置において,
前記撮像光路の開口面積を1又は複数の口径で段階的に規制する絞り手段を有し,
前記シャッタ羽根が前記絞り手段によって規制される1又は複数の口径に相当する位置まで閉鎖駆動された地点を前記羽根位置検出手段によって検出される1又は複数の検出点としたことを特徴とする閃光発光装置の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02629797A JP3947591B2 (ja) | 1997-02-10 | 1997-02-10 | 閃光発光装置の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02629797A JP3947591B2 (ja) | 1997-02-10 | 1997-02-10 | 閃光発光装置の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10221746A JPH10221746A (ja) | 1998-08-21 |
JP3947591B2 true JP3947591B2 (ja) | 2007-07-25 |
Family
ID=12189406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02629797A Expired - Fee Related JP3947591B2 (ja) | 1997-02-10 | 1997-02-10 | 閃光発光装置の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3947591B2 (ja) |
-
1997
- 1997-02-10 JP JP02629797A patent/JP3947591B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10221746A (ja) | 1998-08-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7753601B2 (en) | Mechanical shutter control method and image sensing apparatus | |
US6473568B2 (en) | Camera having illumination device and control function for same | |
JP3205714B2 (ja) | 撮像装置 | |
JPH0682874A (ja) | シャッタ制御装置 | |
JP2002350925A (ja) | カメラの絞り切換え装置 | |
JP3947591B2 (ja) | 閃光発光装置の制御装置 | |
JPH0232609B2 (ja) | ||
JP2767108B2 (ja) | 自動合焦カメラ | |
JP3977575B2 (ja) | 撮像装置 | |
JPH0358040A (ja) | カメラのストロボ撮影制御装置 | |
JPH10108054A (ja) | 銀塩撮影および電子撮像兼用カメラ | |
JP3295415B2 (ja) | 撮像装置 | |
JP3295414B2 (ja) | 撮像装置 | |
JP2003195385A (ja) | レンズ付きフイルムユニット | |
JPH0575930A (ja) | 静止画撮像装置 | |
US20030219245A1 (en) | Exposure control system and camera having same | |
JPS6131287Y2 (ja) | ||
JPH0122297Y2 (ja) | ||
JP2003167283A (ja) | カメラ | |
JP3563998B2 (ja) | カメラの露光面および受光面調整機構 | |
JPH11174542A (ja) | ストロボ装置 | |
JP3306285B2 (ja) | 電子現像型カメラ | |
JP2960075B2 (ja) | 撮像素子を用いたカメラ | |
JP2588211Y2 (ja) | カメラ | |
JP3333459B2 (ja) | 銀塩撮影および電子撮像兼用カメラ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060712 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060801 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060927 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070327 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070416 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |