本発明は、プリンティング及び/又は複写システムの如き画像形成システム並びにこれに使用される給紙ユニット、更に詳しくは、複数個の給紙ユニットを上下方向に積み重ねてプリンタ及び/又は複写機の如き画像形成機に、複数個の給紙ユニットを上下方向に積み重ねて付設することによって構成される画像形成システム並びにこれに使用される給紙ユニットに関する。
周知の如く、プリンタ及び/又は複写機の如き画像形成機には、寸法或いは色等が相互に異なった複数種のシート紙を選択的に供給することが望まれるが、供給することができる紙の所望種類数は使用者に応じて異なる。かような事実に鑑み、使用者の要望に応じ
て、例えば3種類或いは4種類でよい適宜数の種類のシート紙を供給することができるように、適宜数の給紙ユニットを画像形成機に付設して画像形成システムを構成することが既に提案され実用に供されている。
このような給紙ユニットは、所要数の給紙ユニットを上下方向に積み重ね、そして更に積み重ねられた給紙ユニットの上に画像形成機を積み重ねて、画像形成システムを構成することが行われている。かような画像形成システムにおいては、画像形成機における画像形成工程の遂行に応じて所要とおりのシート紙が画像形成機に供給されるようになすことが必要であり、そのためには画像形成機に配設されている中央処理手段は、積み重ねられた給紙ユニットの数と共に各給紙ユニットに収容されているシート紙の種類を認識することが必要である。そこで、上下に複数積み重ねられる給紙ユニットの各々に、中央処理手段と共にデコード手段及びコード信号伝送手段を配設している。デコード手段は共通同定コード信号、例えば3段の給紙ユニットが想定されているときには、3ビットのコード信号「100」を有している。コード信号伝送手段は、3本の信号線が配設されており、下段のユニットへは交差して接続される構成となっている。
前記構成により、画像形成機により、例えばコード信号を「100」と生成すると、最上段の給紙カセットが活性化され、コード信号を「010」と生成すると、中段の給紙ユニットが活性化され、コード信号を「001」と生成すると、最下段の給紙ユニットが活性化される。(特許文献1)
特開2000−177867号公報
而して、上述したとおりの従来の画像形成システムには次のとおりの解決すべき問題がある。デコード手段が必要であり構成が複雑となる。また、電源投入時等に画像形成機に接続されている給紙ユニット段数を判断するために、コード信号の生成及び給紙ユニットとの通信が給紙ユニットの接続可能段数の数だけ必要であるため、処理が煩雑であり時間がかかってしまう。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、2個又は3個以上の複数個の給紙ユニットを単に積み重ねて画像形成機に付設する(例えば積み重ねた給紙ユニットの上に更に画像形成機を積み重ねる)と、複雑な構成及び煩雑な処理を必要とすることなく、自動的に画像形成機に配設されている中央処理手段が、積み重ねられた給紙ユニットの数と共に各給紙ユニットへの識別コードを生成することができ、画像形成工程の遂行に応じて所要のシート紙が所定の給紙ユニットから供給される、新規且つ改良された画像形成システムを提供することである。
本発明の他の目的は、上述した新規且つ改良された画像形成システムに使用するための、新規且つ改良された給紙ユニットを提供することである。
本発明の、特許請求範囲第1項に係わる画像形成システムは、画像形成機と上下方向に積み重ねられた複数個の給紙ユニットとを具備する画像形成システムにして、該画像形成機には中央処理手段が配設されており、該給紙ユニットの各々には中央処理手段と、上段が該画像形成装置の時は該画像形成装置、又は上段が該他の給紙ユニットの時は該他の給紙ユニット及び下段に該他の給紙ユニットが接続された時は該他の給紙ユニットへの接続有無信号伝送手段が配設されており、該接続有無信号伝送手段の信号の数は、該給紙ユニットの上段の該画像形成装置又は上段の該他の給紙ユニットへの出力部においては該画像形成機に接続可能な給紙ユニット段数と同数であり、該上段の該画像形成装置又は上段の該他の給紙ユニットに接続することにより該上段の該画像形成装置又は上段の該他の給紙ユニットの接続された信号の論理を反転する機能を持つ1つを除いて該給紙ユニットの中央処理手段に接続されており、下段の給紙ユニットからの入力の信号の数は該画像形成機に接続可能な給紙ユニット段数より1少ない数であり、1つは前記信号の論理を反転する機能を持つ該下段の給紙ユニットの1つと接続し、該画像形成機に接続可能な給紙ユニット段数が3個以上の時は、残りの信号のうちの1つが該画像形成機に接続可能な給紙ユニット段数より1少ない数の給紙ユニットを下段に接続したときすべて信号の論理を反転する機能を持つ1つと複数の給紙ユニットを通して接続されるように該出力部と該入力部をずらして接続される構成とし、該画像形成機の中央処理手段は最上段の給紙ユニットの該接続有無信号伝送手段からの該画像形成機に接続可能な給紙ユニット段数と同数の信号の信号レベルの組み合わせにより該画像形成機に接続された給紙ユニット段数を判断し、相互に異なった複数個の識別コード信号を生成して各給紙ユニットに送信する通信手段を備え、該給紙ユニットの各々の該中央処理手段は、該画像形成機の該中央処理手段と通信する通信手段を備え、該給紙ユニットの通信手段が受信した該識別コード信号が該給紙ユニット内の接続有無信号伝送手段からの信号により決定される識別コードと合致した場合には、該画像形成機の該中央処理手段と協働する、ことを特徴とするものである。
本発明の、特許請求範囲第2項に係わる給紙ユニットは、各給紙ユニットに送信する通信手段を備える中央処理手段が配設されている画像形成機に、複数個積み重ねて付設する給紙ユニットにして、該給紙ユニットの各々には中央処理手段と、上段が該画像形成装置の時は該画像形成装置、又は上段が該他の給紙ユニットの時は該他の給紙ユニット及び下段に該他の給紙ユニットが接続された時は該他の給紙ユニットへの接続有無信号伝送手段が配設されており、該接続有無信号伝送手段の信号の数は、該給紙ユニットの上段の該画像形成装置又は上段の該他の給紙ユニットへの出力部においては該画像形成機に接続可能な給紙ユニット段数と同数であり、該上段の該画像形成装置又は上段の該他の給紙ユニットに接続することにより該上段の該画像形成装置又は上段の該他の給紙ユニットの接続された信号の論理を反転する機能を持つ1つを除いて該給紙ユニットの中央処理手段に接続されており、下段の給紙ユニットからの入力の信号の数は該画像形成機に接続可能な給紙ユニット段数より1少ない数であり、1つは前記信号の論理を反転する機能を持つ該下段の給紙ユニットの1つと接続し、該画像形成機に接続可能な給紙ユニット段数が3個以上の時は、残りの信号のうちの1つが該画像形成機に接続可能な給紙ユニット段数より1少ない数の給紙ユニットを下段に接続したときすべて信号の論理を反転する機能を持つ1つと複数の給紙ユニットを通して接続されるように該出力部と該入力部をずらして接続される構成とし、該給紙ユニットの中央処理手段は、該画像形成機の中央処理手段と通信する通信手段を備え、該給紙ユニットの通信手段が受信した識別コード信号が該給紙ユニット内の接続有無信号伝送手段からの該画像形成機に接続可能な給紙ユニット段数より1少ない数の信号の信号レベルの組み合わせにより決定される識別コードと合致した場合には、該画像形成機の中央処理手段と協働する、ことを特徴とするものである。
本発明によれば、最上段の給紙ユニットからの接続有無信号伝送手段からの信号のみにより、接続された給紙ユニット段数を判断できるため、煩雑な処理を必要としない。また、給紙ユニットにデコーダ等の複雑な機構を用いることなく通信時の各給紙ユニットにおける識別が可能である。
以下、本発明の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1には、画像形成機2と共に3個の給紙ユニット4a、4b及び4cを具備する画像形成システムが図示されている。3個の給紙ユニット4a、4b及び4cは上下方向に積み重ねられ、そして更にその上に画像形成機2が積み重ねられている。
図示の画像形成システムにおける画像形成機2は、略直方体形状のハウジング6を有する。このハウジング6の中央部には回転ドラム8が装着されている。矢印10で示す方向に回転駆動される回転ドラム8の外周面には、適宜の静電感光部材が配設されている。回転ドラム8の周囲には、その回転方向に見て順次に、帯電手段12、照射手段14、現像手段16、転写手段18及びクリーニング手段20が配設されている。ハウジング6の下端部には給紙手段22が配設されている。この給紙手段22は、多数のシート紙を積層せしめたシート紙層24が載置される載置板26と、シート紙層24からシート紙を1枚毎送出するための送出手段28とを含んでいる。ハウジング6内には、更に、搬送手段30及び定着手段32も配設されている。搬送手段30は、給紙手段22から送出されたシート紙を回転ドラム8と転写手段18との間を通して搬送し、そして更に定着手段32に搬送する。図示の実施形態における搬送手段30は搬入ローラ対34及びレジストローラ対36を含んでいる。また、定着手段32は定着ローラ対38を含んでいる。更に、ハウジング6の下端部には、ハウジング6の下面に形成されている導入口から上方に延びるシート紙導入路40が形成されている。
図1を参照して説明を続けると、給紙ユニット4a、4b及び4cの各々は、略直方体形状のハウジング42a、42b及び42cを有する。ハウジング42a、42b及び42c内には、多数のシート紙を積層せしめたシート紙層44a、44b及び44cが載置される載置板46a、46b及び46cと、シート紙層44a、44b及び44cからシート紙を1枚毎送出するための送出手段48a、48b及び48cとが配設されている。送出手段48a、48b及び48cによって送出されたシート紙は、ハウジング42a、42b及び42cの上面に形成されている排出口を通して上方に排出される。給紙ユニット4a、4b及び4cの各々には、更に、ハウジング42a、42b及び42cの下面に形成されている導入口からハウジング42a、42b及び42cの上面に形成されている上記排出口まで延びるシート紙搬送路50a、50b及び50cが配設されている。図1から明確に理解される如く、給紙ユニット4a、4b及び4cを上下方向に所要通りに積み重ねると、夫々のシート紙搬送路50a、50b及び50cが相互に整合せしめられて1本の連続した搬送路が規定される。上段の給紙ユニット4aのシート紙搬送路48aの下流端に形成されている排出口は、給紙ユニット4a上に積み重ねられている画像形成機2のハウジング6に形成されている上記シート紙導入路40の上流端に位置する導入口に整合せしめられる。
上述したとおりの画像形成システムにおいては、回転ドラム8が矢印10で示す方向に回転駆動せしめられる間に、帯電手段12によって回転ドラム8の外周面が一様帯電され、次いで照射手段14によって回転ドラム8の外周面に選択的に光照射され、かくして回転ドラム8の外周面上に静電潜像が形成される。しかる後に、現像手段16によって回転ドラム8の外周面上の静電潜像にトナーが施され、静電潜像がトナー像に現像される。次いで、回転ドラム8と転写手段10との間を通して搬送されるシート紙上に、転写手段10によって回転ドラム8上のトナー像が転写される。しかる後に、クリーニング手段20によって、転写の後に回転ドラム8上に残留する残留トナーが除去される。一方、トナー像が転写されたシート紙は定着手段32を通して搬送され、この際には定着手段32による加熱及び/又は加圧によってトナー像がシート紙に定着せしめられる。次いで、定着されたトナー像を有するシート紙がハウジング6から排出される。
シート紙の供給について言及すると、画像形成機2に装備されている給紙手段22並びに画像形成機2に選択的に付設することができる給紙ユニット4a、4b及び4cには、夫々、寸法及び/又は色等が相互に異なったシート紙を収容することができる。給紙ユニット4a、4b及び4c自体の構成は実質上同一でよく、これらの給紙ユニット4a、4b及び4cは任意の順番で積み重ねることができる。画像形成機2に配設されているシート紙選択手段(図示していない)を手動操作することによって、画像形成機2に装備されている給紙手段22並びに給紙ユニット4a、4b及び4cのいずれか1個が選択され、選択されたいずれか1個からシート紙が、画像形成機2のシート紙搬送手段30に供給される。画像形成機2に装備されている給紙手段22から送出されるシート紙は、直接的に画像形成機2の搬送手段30の導入ローラ対34に供給され、導入ローラ対34の作用によってレジストローラ対36に送給される。レジストローラ対36は回転ドラム8の回転に所要通りに同期せしめて回転駆動され、シート紙を回転ドラム8と転写手段18との間を通して搬送する。給紙ユニット4aから送出されるシート紙は、ハウジング42aの排出口から排出されて、画像形成機2に形成されているシート紙導入路40に導入され、このシート紙導入路40を介して搬送手段30に供給される。給紙ユニット4bから送出されるシート紙は、ハウジング4bの排出口から排出されて、給紙ユニット4aのシート紙搬送路50aに導入され、このシート紙搬送路50aを通して画像形成機2のシート紙導入路40に導入される。給紙ユニット4cから送出されるシート紙は、ハウジング4cの排出口から排出されて、給紙ユニット4bのシート紙搬送路50bに導入され、次いで給紙ユニット4aのシート紙搬送路50aに導入され、しかる後に画像形成機2のシート紙導入路40に導入される。
而して、図示の実施形態における上述したとおりの構成及び作用は、本発明に従って改良された新規な特徴を構成するものではなく、そしてまた本発明を適用することができる画像形成システムの一典型例にすぎない故に、これらの構成及び作用についての詳細な説明は本明細書においては省略する。
次に、画像形成機2に幾つの給紙ユニットが如何なる積み重ね順で付設されたかを自動的に認識し、付設された給紙ユニットを所要とおりに機能せしめるための、本発明に従って改良された構成について、図1と共に図2を参照して説明する。
図示の画像形成システムにおいては、3個の給紙ユニットが具備されたものを示しているが、第1の実施例として、最大2個の給紙ユニットを増設可能な場合について説明し、最大3個の給紙ユニットが増設可能な場合は後述する。
図2に図示するとおり、画像形成機2には、マイクロプロセッサから構成することができる中央処理手段60が配設されている。また、中央処理手段60が備える入力ポート1及び入力ポート2は、給紙ユニットからの信号を入力するため、コネクタ61、コネクタ62に接続され、各々抵抗R61、R62を介して電源に接続し電源電圧にプルアップされている。
一方、給紙ユニット4a、4bの各々には、マイクロプロセッサから構成することができる中央処理手段60a、60bが配設されている。また、給紙ユニット4aでは、前記画像形成機2、のコネクタ61,62に接続されるコネクタ61a,62a、及び下段の給紙ユニット4bに接続されるコネクタ65a、66aが配設されている。給紙ユニット4bでは、同様に上段の給紙ユニット4aのコネクタ65a,66aに接続されるコネクタ65b,66b、及び下段の給紙ユニットに接続される67a,68aが配設されている。
給紙ユニット4aのコネクタ61aは接地されており、コネクタ62aと65aはバッファ64aを介して接続されており、バッファ64aの入力側がコネクタ65aと接続されるとともに、抵抗R62aを介して電源に接続し電源電圧にプルアップされており、中央処理手段60aの入力ポート11aに接続されている。給紙ユニット4bの構成は前記給紙ユニット4aと同一であり、コネクタ65bは接地されており、コネクタ66bと67aはバッファ64bを介して接続されており、バッファ64bの入力側がコネクタ67aと接続されるとともに、抵抗R62bを介して電源に接続し電源電圧にプルアップされており、中央処理手段60bの入力ポート11bに接続されている。該各給紙ユニットのコネクタ及びコネクタ間の構成が接続有無信号伝送手段に相当する。このような構成とすることにより、クロスハーネス等の専用部材を使用する必要が無くなる。
さらに、画像形成機2及び給紙ユニット4a、4bの各中央処理手段60,60a、60bには通信手段63、63a、63bを備える。通信手段としては、例えばUART(universal asynchronous receiver-transceiver)等のシリアル通信を使用し、出力部にオープンコレクタ出力を使用することによりWIRED OR構成で接続する。従って、送信、受信ともに各々1本の信号線で使用でき画像形成機2の通信手段63の送信ポートSoutと各給紙ユニットの中央処理手段の通信手段63a,63bの受信ポートSina,Sinbが接続され、画像形成機2の通信手段63の受信ポートSinと各給紙ユニットの中央処理手段の通信手段63a,63bの送信ポートSouta,Soutbが接続される。
次に、画像形成機2の中央処理手段60の入力ポート1、入力ポート2の各入力信号及び各給紙ユニットの入力ポート11a,11bの各入力信号の状態を、給紙ユニットが無いとき、1台接続されたとき、2台接続されたときについて図3に示す。
まず、画像形成機2に給紙ユニットが1台も接続されていないときは、画像形成機2の中央処理手段60の入力ポート1及び2は電源電圧レベル(以後このレベルをHとする)となる。次に、給紙ユニットが1段接続されたときは、画像形成機2の中央処理手段60の入力ポート1への入力信号は、コネクタ61と61aが接続することにより、給紙ユニット4a内で接地されグランドレベル(以後このレベルをLとする)になる。入力ポート2への信号入力は、コネクタ62と62aが接続されるが給紙ユニット内では、バッファ64aを介して抵抗R62aにより電源にプルアップされているためHとなる。このとき給紙ユニット4aの中央処理手段60aの入力ポート11aは同じくHとなる。次に給紙ユニットが2段接続されたときは、画像形成機2の中央処理手段60の入力ポート1への入力信号は、1段接続されたときと同様にコネクタ61と61aが接続することにより、給紙ユニット4a内で接地されグランドレベル(以後このレベルをLとする)になる。入力ポート2への信号入力は、コネクタ62と62aが接続され給紙ユニット内4aで、バッファ64aを介してコネクタ65aに接続され、給紙ユニット4のコネクタ65bと接続され接地されるためLとなる。この結果給紙ユニット4aの中央処理手段60aの入力ポート11aは同じくLとなる。一方給紙ユニット4bの入力ポート11bの信号は、電源電圧に抵抗R62bを介して接続された状態のままでありHとなる。
従って、画像形成機2の中央処理手段60は、入力ポート1の信号レベルにより給紙ユニットが接続されているか否かが判断できる。即ちHのときは接続されていないと判断し、Lのときは接続されていると判断する。さらに、入力ポート2の信号レベルにより2段の給紙ユニットが接続されているか否かが判断できる。即ちHのときは2段目の給紙ユニットが接続されていないと判断し、Lのときは接続されていると判断する。このように画像形成機2の中央処理手段60は、入力ポート1,2の信号レベルにより特別な処理を必要とすることなく給紙ユニットの接続形態を認識することができる。このような構成により、給紙ユニットの故障等が発生しても給紙ユニットの中央処理手段を介さずに、画像形成機2の中央処理手段60で何段目の給紙ユニットが故障等が発生したかの判断ができる。
また、接続された各給紙ユニットの中央処理手段は給紙ユニットの入力ポートの信号レベルにより接続状態を判断できる。即ち、Hのときは最下段に接続されていると判断し、Lのときは2段接続されおり、その上段に位置すると判断される。
このように、画像形成機2及び各給紙ユニットは各々が接続形態を判断できるため、従来のような電源投入時等に給紙ユニット段数を判断するために、コード信号の生成及び給紙ユニットとの通信が給紙ユニットの接続可能段数の数だけ必要であるため、処理が煩雑となり時間がかかってしまうことは無い。例えば、画像形成機2の中央処理手段60は、給紙ユニットが1段のみの接続と判断したときは、通信時の給紙ユニットの識別コードを例えば「01」、2段接続と判断したときは、1段目との通信時の給紙ユニットの識別コードを例えば「11」、2段目との通信時の給紙ユニットの識別コードを例えば「01」とするように設定し、各給紙ユニットは、給紙ユニット自身が最下段の給紙ユニットであると判断したときは自身の識別コードを例えば「01」と設定し、2段接続時の上段のユニットであると判断したときは例えば「11」と各給紙ユニットの中央処理手段が設定するようにしておけば良い。
前記電源投入時の動作を、図4のフローチャートにより説明する。画像形成システムの電源スイッチ(図示していない)が閉じられると(ステップS11)、付設給紙ユニット認識が遂行される。即ち画像形成機2の中央処理手段60が入力ポート1,2の信号レベルにより給紙ユニット段数を判断する。更に詳細には、入力ポート[1,2]の信号レベルが[H,H]のときは給紙ユニット無し、[L,H]のときは給紙ユニット1段あり、[L,L]のときは給紙ユニット2段ありと判断する(ステップS12)。給紙ユニット無しと判断されたときは(ステップS12でNo)、給紙ユニット制御を行わないよう給紙ユニット制御の切り離しフラグをセットし(ステップS20)処理を終了する(ステップs19)。
給紙ユニットがあると判断されたときは(ステップS12のYes)、接続されている給紙ユニットの段数nをmにセットする(ステップ13)。次にmが0でないとき(ステップS14でNo)、m段への通信を行う。すなわち、m=2のときは、通信時の給紙ユニットの識別コードを「01」、m=1のときは、通信時の給紙ユニットの識別コードを「11」とするように設定し通信要求を行う(ステップ15)。
ここで、各給紙ユニット側の動作を説明する。各給紙ユニットは所要とおりに積み重ね、そして更に最上段に所要とおりに画像形成機2を積み重ねると、画像形成機2並びに各給紙ユニットに配設されている機械的総合接続手段(図示していない)が協働して、画像形成機2並びに各給紙ユニットが電気的に接続される。そして、各給紙ユニットの電源は画像形成機2から供給される。従って、画像形成機2の電源が供給されると(ステップS11)各給紙ユニットも同時に電源が供給される。電源が供給されると給紙ユニットの中央処理手段は各給紙ユニットの例えば用紙幅検知センサの検知結果によって得られる用紙サイズ(図示せず)や、例えば給紙ユニット内のディップスイッチによって設定される給紙ユニットのタイプ(最大用紙搭載枚数等)を検知(図示せず)する。また、各給紙ユニットの入力ポート(入力ポート11a,11b)の信号レベルにより各給紙ユニットの中央処理手段は最下段の給紙ユニットか、上段の給紙ユニットかを判断し、自己の識別コードを認識する(ステップS1)。すなわち、最下段の給紙ユニットであると判断したときは自己の識別コードを「01」と設定し、2段接続時の上段のユニットであると判断したときは「11」と設定する。
次に、各給紙ユニットの中央処理手段は通信手段を介し、自己の識別コードと同一の識別コードで画像形成機2の通信手段63から送信された通信要求があるかどうかを監視し、自己の識別コードと同一の識別コードで画像形成機2の通信手段63から送信された通信要求があったとき(ステップS2のYes)、自己のタイプや用紙サイズを画像形成機2へ送信する(ステップS3)。
画像形成機2の中央処理手段60は、前記各給紙ユニットからの通信が例えば通信要求を送信した後所定時間経過しても応答が無いときは(ステップS16のNo)、通信エラーとして通信エラーフラグをセットし(ステップS18)、処理を終了する。通信が正常に行われたときは(ステップS16のYes)、mから1を減算して(ステップS17)ステップS14に戻り、各給紙ユニットとの通信が終了するまで通信処理が行われる。
上記説明したように、電源投入後にセットアップが終了した時点で、画像形成機2の中央処理手段60は、接続されている給紙ユニットの状態を認識し、各給紙ユニットの中央処理手段も自己の接続状態を認識できる。さらに、識別コードの対応付けも設定できる。その結果シート紙の供給は次のとおりにして制御される。給紙を行いたい給紙ユニットからシート紙を供給することが必要な場合には、画像形成機2の中央処理手段60が該給紙ユニットの識別コード信号(例えば「01」)を生成する。そうすると、各給紙ユニットの中央処理手段は、通信手段より得られた該識別コードと、自己の中央処理手段が自己の識別コードとして認識した識別コード(例えば「01」)と比較し、同一の識別コード信号のときは給紙ユニットの中央処理手段と画像形成機2の中央処理手段60とが協働して、該給紙ユニットから所要とおりにシート紙が送出され画像形成機2に供給される。
第2の実施例として、画像形成機2に最大3個の給紙ユニットを増設可能な場合について説明する。
図5に図示するとおり、画像形成機2には、マイクロプロセッサから構成することができる中央処理手段60が配設されている。また、中央処理手段60が備える入力ポート1、入力ポート2および入力ポート3は、給紙ユニットからの信号を入力するため、コネクタ61、コネクタ62及びコネクタ70に接続され、各々抵抗R61、R62、R63を介して電源に接続し電源電圧にプルアップされている。
一方、給紙ユニット4a、4b、4cの各々には、マイクロプロセッサから構成することができる中央処理手段60a、60b、60cが配設されている。また、給紙ユニット4aでは、前記画像形成機2、のコネクタ61,62、70に接続されるコネクタ61a,62a、70a及び下段の給紙ユニット4bに接続されるコネクタ65a、66a、72aが配設されている。給紙ユニット4bでは、同様に上段の給紙ユニット4aのコネクタ65a,66a、72aに接続されるコネクタ65b,66b、72b及び下段の給紙ユニット4cに接続されるコネクタ67a,68a、73aが配設されている。給紙ユニット4cでは、同様に上段の給紙ユニット4bのコネクタ67a,68a、73aに接続されるコネクタ67b,68b、73b及び下段の給紙ユニットに接続されるコネクタ74a,75a、76aが配設されている。
給紙ユニット4aのコネクタ61aは接地されており、コネクタ62aと65aはバッファ64aを介して接続されており、バッファ64aの入力側がコネクタ65aと接続されるとともに、抵抗R62aを介して電源に接続し電源電圧にプルアップされており、中央処理手段60aの入力ポート11aに接続されている。同様にコネクタ70aと66aはバッファ71aを介して接続されており、バッファ71aの入力側がコネクタ66aと接続されるとともに、抵抗R63aを介して電源に接続し電源電圧にプルアップされており、中央処理手段60aの入力ポート21aに接続されている。
給紙ユニット4bの構成は前記給紙ユニット4aと同一であり、コネクタ65bは接地されており、コネクタ66bと67aはバッファ64bを介して接続されており、バッファ64bの入力側がコネクタ67aと接続されるとともに、抵抗R62bを介して電源に接続し電源電圧にプルアップされており、中央処理手段60bの入力ポート11bに接続されている。同様にコネクタ72bと68aはバッファ71bを介して接続されており、バッファ71bの入力側がコネクタ68aと接続されるとともに、抵抗R63bを介して電源に接続し電源電圧にプルアップされており、中央処理手段60bの入力ポート21bに接続されている。
給紙ユニット4cの構成は前記給紙ユニット4aと同一であり、コネクタ67bは接地されており、コネクタ68bと74aはバッファ64cを介して接続されており、バッファ64cの入力側がコネクタ74aと接続されるとともに、抵抗R62cを介して電源に接続し電源電圧にプルアップされており、中央処理手段60cの入力ポート11cに接続されている。同様にコネクタ73bと75aはバッファ71cを介して接続されており、バッファ71cの入力側がコネクタ75aと接続されるとともに、抵抗R63cを介して電源に接続し電源電圧にプルアップされており、中央処理手段60cの入力ポート21cに接続されている。
該各給紙ユニットのコネクタ及びコネクタ間の構成が接続有無信号伝送手段に相当する。このような構成とすることにより、クロスハーネス等の専用部材を使用する必要が無くなる。
さらに、画像形成機2及び給紙ユニット4a、4b、4cの各中央処理手段60,60a、60b、60cには通信手段63、63a、63b、63cを備える。通信手段としては、例えばUART(universal asynchronous receiver-transceiver)等のシリアル通信を使用し、出力部にオープンコレクタ出力を使用することによりWIRED OR構成で接続する。従って、送信、受信ともに各々1本の信号線で使用でき画像形成機2の通信手段63の送信ポートSoutと各給紙ユニットの中央処理手段の通信手段63a,63b、63cの受信ポートSina,Sinbが接続され、画像形成機2の通信手段63の受信ポートSinと各給紙ユニットの中央処理手段の通信手段63a,63b、63cの送信ポートSouta,Soutbが接続される。
次に、画像形成機2の中央処理手段60の入力ポート1、入力ポート2、入力ポート3の各入力信号及び各給紙ユニットの入力ポート11a,11b、11cの各入力信号の状態を、給紙ユニットが無いとき、1台接続されたとき、2台接続されたとき、3台接続されたときについて図6に示す。
まず、画像形成機2に給紙ユニットが1台も接続されていないときは、画像形成機2の中央処理手段60の入力ポート1、2及び3は電源電圧レベル(以後このレベルをHとする)となる。次に、給紙ユニットが1段接続されたときは、画像形成機2の中央処理手段60の入力ポート1への入力信号は、コネクタ61と61aが接続することにより、給紙ユニット4a内で接地されグランドレベル(以後このレベルをLとする)になる。入力ポート2への信号入力は、コネクタ62と62aが接続されるが給紙ユニット内では、バッファ64aを介して抵抗R62aにより電源にプルアップされているためHとなる。同様に入力ポート3もHとなる。このとき給紙ユニット4aの中央処理手段60aの入力ポート11a、21aは同じくHとなる。
次に給紙ユニットが2段接続されたときは、画像形成機2の中央処理手段60の入力ポート1への入力信号は、1段接続されたときと同様にコネクタ61と61aが接続することにより、給紙ユニット4a内で接地されグランドレベルになる。入力ポート2への信号入力は、コネクタ62と62aが接続され給紙ユニット内4aで、バッファ64aを介してコネクタ65aに接続され、給紙ユニット4bのコネクタ65bと接続され接地されるためLとなる。入力ポート3への信号入力は、コネクタ70と70aが接続され給紙ユニット内4aで、バッファ71aを介してコネクタ66aに接続され、給紙ユニット4bのコネクタ66bと接続されバッファ64bを介して抵抗R62aにより電源にプルアップされているためHとなる。この結果給紙ユニット4aの中央処理手段60aの入力ポート11aはLとなり、入力ポート21aはHのままである。一方給紙ユニット4bの入力ポート11bの信号は、電源電圧に抵抗R62bを介して接続された状態のままでありHとなり、入力ポート21aの信号も同じくHとなる。
次に給紙ユニットが3段接続されたときは、画像形成機2の中央処理手段60の入力ポート1への入力信号は、1段接続されたときと同様にコネクタ61と61aが接続することにより、給紙ユニット4a内で接地されLとなる。入力ポート2への信号入力は、コネクタ62と62aが接続され給紙ユニット内4aで、バッファ64aを介してコネクタ65aに接続され、給紙ユニット4bのコネクタ65bと接続され接地されるためLとなる。入力ポート3への信号入力は、コネクタ70と70aが接続され給紙ユニット内4aで、バッファ71aを介してコネクタ66aに接続され、給紙ユニット4bのコネクタ66bと接続されバッファ64bを介してコネクタ67aに接続され、給紙ユニット4cのコネクタ67bと接続され接地されるためLとなる。この結果給紙ユニット4aの中央処理手段60aの入力ポート11aはLとなり、入力ポート21aもLとなる。給紙ユニット4bの中央処理手段60bの入力ポート11bの信号はLとなり、入力ポート21bはHのままである。給紙ユニット4cの中央処理手段60cの入力ポート11c、21cはHのままである。
従って、画像形成機2の中央処理手段60は、入力ポート1の信号レベルにより給紙ユニットが接続されているか否かが判断できる。即ちHのときは接続されていないと判断し、Lのときは接続されていると判断する。さらに、入力ポート2の信号レベルにより2段の給紙ユニットが接続されているか否かが判断できる。即ちHのときは2段目の給紙ユニットが接続されていないと判断し、Lのときは接続されていると判断する。さらに、入力ポート3の信号レベルにより3段の給紙ユニットが接続されているか否かが判断できる。即ちHのときは3段目の給紙ユニットが接続されていないと判断し、Lのときは接続されていると判断する。このように画像形成機2の中央処理手段60は、入力ポート1,2、3の信号レベルにより特別な処理を必要とすることなく給紙ユニットの接続形態を認識することができる。このような構成により、給紙ユニットの故障等が発生しても給紙ユニットの中央処理手段を介さずに、画像形成機2の中央処理手段60で何段目の給紙ユニットが故障等が発生したかの判断ができる。
また、接続された各給紙ユニットの中央処理手段は給紙ユニットの入力ポートの信号レベルにより接続状態を判断できる。即ち、給紙ユニットの中央処理手段の入力ポートが、(11a〜c、21a〜c)=(H,H)のときは最下段に接続されていると判断し、(11a〜c、21a〜c)=(L,H)のときは2段以上接続されおり、下から2段目に位置すると判断され、(11a〜c、21a〜c)=(L,L)のときは、3段接続されおり、最上段に位置すると判断される。
このように、画像形成機2及び各給紙ユニットは各々が接続形態を判断できるため、従来のような電源投入時等に給紙ユニット段数を判断するために、コード信号の生成及び給紙ユニットとの通信が給紙ユニットの接続可能段数の数だけ必要であるため、処理が煩雑となり時間がかかってしまうことは無い。例えば、画像形成機2の中央処理手段60は、給紙ユニットが1段のみの接続と判断したときは、通信時の給紙ユニットの識別コードを例えば「01」、2段接続と判断したときは、1段目との通信時の給紙ユニットの識別コードを例えば「11」、2段目との通信時の給紙ユニットの識別コードを例えば「01」とするように設定し、3段接続と判断したときは、1段目との通信時の給紙ユニットの識別コードを例えば「10」、2段目との通信時の給紙ユニットの識別コードを例えば「11」、3段目との通信時の給紙ユニットの識別コードを例えば「01」とするように設定する。
各給紙ユニットは、給紙ユニット自身が最下段の給紙ユニットであると判断したときは自身の識別コードを例えば「01」と設定し、下から2段目の給紙ユニットであると判断したときは例えば「11」と設定し、最上段の給紙ユニットであると判断したときは例えば「10」を各給紙ユニットの中央処理手段が設定するようにしておけば良い。
電源投入時の動作は、実施例1と信号の入力数が3に増えた以外は同様の動作であり図4のフローチャートと同様であるため説明は省略する。
添付図面に図示する本発明の好適実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であることは多言を要しない。例えば、最大で2個及び3個の給紙ユニットが付設され得る画像形成システムについて説明したが、最大で4個以上の給紙ユニットが付設され得る画像形成システムにも本発明を適用することができる。また、図示の実施形態においては、積み重ねられた給紙ユニットに更に画像形成機を積み重ねているが、給紙ユニットから排出されるシート紙を画像形成機に適宜に導入することができるようにせしめさえすれば、積み重ねられた給紙ユニットに対して画像形成機を並列配置することもできる。
また、本実施形態では、画像形成機2と給紙ユニット内のポートへの入力をプルアップし、給紙ユニットの1つのコネクタを接地したが、画像形成機2と給紙ユニット内のポートへの入力をプルダウンし、給紙ユニットの1つのコネクタを電源に接続する構成としても良いことは明らかである。また、バッファの代わりにトランジスタなど他のデバイスを用いて構成しても良い。
本発明に従って構成された画像形成システムの好適実施形態を示す簡略断面図。
図1に示す画像形成システムにおける、最大2個の給紙ユニットが増設可能な場合の給紙ユニット認識及び制御に関する構成要素を示す簡略ブロック線図。
図2に示す画像形成システムにおける、信号レベルの図。
図1に示す画像形成システムにおける、給紙ユニット認識手順を示すフロー線図。
図1に示す画像形成システムにおける、最大3個の給紙ユニットが増設可能な場合の給紙ユニット認識及び制御に関する構成要素を示す簡略ブロック線図。
図5に示す画像形成システムにおける、信号レベルの図。
符号の説明
2:画像形成機
4a:給紙ユニット(上段)
4b:給紙ユニット(中段)
4b:給紙ユニット(下段)
60:画像形成機の中央処理手段
60a:給紙ユニット(上段)の中央処理手段
60b:給紙ユニット(中段)の中央処理手段
60c:給紙ユニット(下段)の中央処理手段
63:画像形成機の通信手段
63a:給紙ユニット(上段)の通信手段
63b:給紙ユニット(中段)の通信手段
63c:給紙ユニット(下段)の通信手段