JP3946847B2 - 神経ペプチドレセプターhfgan72の新規なリガンド - Google Patents
神経ペプチドレセプターhfgan72の新規なリガンド Download PDFInfo
- Publication number
- JP3946847B2 JP3946847B2 JP37002297A JP37002297A JP3946847B2 JP 3946847 B2 JP3946847 B2 JP 3946847B2 JP 37002297 A JP37002297 A JP 37002297A JP 37002297 A JP37002297 A JP 37002297A JP 3946847 B2 JP3946847 B2 JP 3946847B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polypeptide
- receptor
- hfgan72
- seq
- hfgan72 receptor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/575—Hormones
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P13/00—Drugs for disorders of the urinary system
- A61P13/02—Drugs for disorders of the urinary system of urine or of the urinary tract, e.g. urine acidifiers
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P15/00—Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P25/00—Drugs for disorders of the nervous system
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P3/00—Drugs for disorders of the metabolism
- A61P3/06—Antihyperlipidemics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P3/00—Drugs for disorders of the metabolism
- A61P3/08—Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P3/00—Drugs for disorders of the metabolism
- A61P3/08—Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
- A61P3/10—Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis for hyperglycaemia, e.g. antidiabetics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P7/00—Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K16/00—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
- C07K16/18—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
- C07K16/26—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against hormones ; against hormone releasing or inhibiting factors
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Public Health (AREA)
- Diabetes (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Endocrinology (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Hematology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Obesity (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Emergency Medicine (AREA)
- Immunology (AREA)
- Reproductive Health (AREA)
- Neurosurgery (AREA)
- Neurology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
(関連出願の相互参照)
本出願は、1996年12月17日出願の米国仮出願番号60/033,604に基づき優先権主張する、1997年3月19日出願の米国特許出願番号08/820,519の一部継続出願である1997年7月2日出願の出願番号08/887,382の一部継続出願である、1997年9月26日出願の米国特許出願番号08/393,093に基づき、優先権を主張する。これらの内容は、出典明示により本出願に包含される。
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規に同定されたポリペプチドおよびポリヌクレオチド;該ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの変種および誘導体;該ポリペプチドのアゴニストおよびアンタゴニスト;ならびに該ポリペプチド、ポリヌクレオチド、変種、誘導体、アゴニストおよびアンタゴニストの使用に関するものである。特に、これらの点および他の点に関して、本発明は、神経ペプチドレセプターHFGAN72に対するリガンド(以下、「HFGAN72レセプターリガンド」という)であるポリペプチドおよび該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
本発明は、新規に同定されたポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドにコードされるポリペプチド、該ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用、および該ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの製造に関するものである。特に、本発明のポリペプチドは、ヒト7−膜貫通レセプターに対するリガンドである。本発明はまた、該ポリペプチド作用の阻害または活性化に関する。
【0004】
多くの医学的に重要な生物学的プロセスにおいて、G-タンパク質および/またはセカンドメッセンジャー(たとえばcAMP)を含むシグナルトランスダクションパスウェイに関係するタンパク質が媒介することは、よく確立されている(Lefkowitz, Nature, 1991, 351:353-354)。これらのタンパク質は、G-タンパク質を伴うパスウェイ中において関連するタンパク質またはPPGタンパク質であるとされている。これらのタンパク質の例には、GPCレセプター、アドレナリン作動薬およびドーパミンのようなもの(Kobilka, B. K., ら、Proc. Natl Acad. Sci., USA, 1987, 84:46-50; Kobilka, B. K.,ら、Science, 1987, 238:650-656; Bunzow, J. R., ら、 Nature, 1988, 336:783-787)、G-タンパク質それら自身、エフェクタータンパク質(たとえば、ホスホリパーゼC、アデニルシクラーゼ、ホスホジエステラーゼ)、アクチュエータータンパク質(たとえば、プロテインキナーゼAおよびプロテインキナーゼC)(Simon, M. I., ら、Science, 1991, 252:802-808)が含まれる。
【0005】
たとえば、シグナルトランスダクションの一つの形として、ホルモン結合の効果が、酵素、アデニル酸シクラーゼを細胞中で活性化する。ホルモンによる酵素活性化は、ヌクレオチドGTPの存在に依存する。GTPはまた、ホルモン結合に影響する。G-タンパク質は、ホルモンレセプターをアデニル酸シクラーゼに結合する。G-タンパク質は、ホルモンレセプターによって活性化されると、GTPを結合GDPと交換することが判明した。次いで、GTP−保持体が、活性化アデニル酸シクラーゼと結合する。G-タンパク質それ自体によって触媒されるGTPのGDPへの加水分解は、G-タンパク質をその基底の、不活性体へ戻す。このように、G-タンパク質は、レセプターからエフェクターへシグナルを中継する中間体として、および、シグナルの存続期間をコントロールする時計としての2つの役割を担う。
【0006】
G-タンパク質結合レセプターの膜タンパク質遺伝子スーパーファミリーは、7つの推定される膜貫通ドメインを有することで特徴付けられる。ドメインは、細胞外または細胞質ループによって結合される膜貫通a−ヘリックスを表わすものと考えられている。G-タンパク質と結合したレセプターには、ホルモン、ウイルス、成長因子、神経−レセプターなどの、生物学的に活性なレセプターを幅広く含有される。
G-タンパク質結合レセプターは、約20から30アミノ酸のこれらの7つの保存された疎水性鎖を含むこと、少なくとも8つの異なる親水性ループに結合することで特徴付けられる。結合レセプターのG-タンパク質ファミリーには、精神病および神経学的疾患の治療に用いられる神経弛緩薬に結合するドーパミンレセプターが含まれる。このファミリーの他の例には、これに限定されるものではないが、カルシトニン、アドレナリン作動薬、エンドセリン、cAMP、アデノシン、ムスカリン作用薬、アセチルコリン、セロトニン、ヒスタミン、トロンビン、キニン、卵胞刺激ホルモン、オプシン、内皮細胞分化遺伝子−1、ロドプシン、オドラント、サイトメガロウイルスレセプターが含まれる。
【0007】
ほとんどのG-タンパク質結合レセプターは、機能的タンパク構造を安定化すると考えられているジスルフィド結合を形成する、最初の2つの細胞外ループのそれぞれに保存される1個のシステイン残基を有する。7つの膜貫通領域は、TM1、TM2、TM3、TM4、TM5、TM6およびTM7と名づけられている。TM3は、シグナルトランスダクションに関係することが示されている。
システイン残基のリン酸化および脂質化(パルミチレーションまたはファルネシレーション)は、いつくかのG-タンパク質結合レセプターのシグナルトランスダクションに影響を与え得る。ほとんどのG-タンパク質結合レセプターは、3つめの細胞質ループおよび/またはカルボキシ末端内に潜在的なリン酸化部位を含む。b−アドレノレセプターのようないくつかのG-タンパク結合レセプターに対し、プロテインキナーゼAおよび/または特異的レセプターキナーゼによるリン酸化は、レセプター脱感作を媒介する。
【0008】
いくつかのレセプターに対し、G-タンパク質結合レセプターのリガンド結合部位は、いくつかのG-タンパク質結合レセプター膜貫通ドメインによって形成される親水性ソケットを含み、該ソケットはG-タンパク質結合レセプターの疎水性領域に囲まれていると考えられている。各G-タンパク質結合レセプター膜貫通ヘリックスの疎水性面は、内側に向き、極性のリガンド結合部位を形成していると考えられている。TM3は、TM3アスパラギン酸残基のようなリガンド結合部位を有するため、いくつかのG-タンパク質結合レセプターに関係することが示されている。TM5のセリン、TM6のアスパラギン、TM6またはTM7のフェニルアラニンまたはチロシンもまたリガンド結合に関係すると考えられている。
【0009】
G-タンパク質結合レセプターは、細胞内でヘテロトリメリックG-タンパク質により、様々な細胞内酵素、イオンチャンネル、トランスポーターと結合することができる。Johnsonら、Endoc. Rev., 1989,10:317-331参照。異なるG-タンパク質a−サブユニットは、細胞内の様々な生物学的機能を調節するために優先的に特定のエフェクターを刺激する。G-タンパク質結合レセプターの細胞質残基のリン酸化は、いくつかのG-タンパク質結合レセプターのG-タンパク質結合を調節するための重要なメカニズムであることが示されている。G-タンパク質結合レセプターは、哺乳類宿主中の様々な部位において見出されている。
【0010】
過去15年にわたり、7膜貫通(7transmembrane、7TM)レセプターまたはそれらのリガンドをターゲットにした350近くの治療薬が市場に出され成功している。このことは、これらのレセプターおよびこのリガンドが、治療ターゲットとして確立され、証明された歴史を有することを示す。明らかに、とりわけ、細菌、真菌、原虫およびウイルス感染のような感染症、特にHIV-1またはHIV-2によって引き起こされる感染症;痛み;癌;神経性食欲不振;過食症;悪液質;肥満症;糖尿病;喘息;パーキンソン病;急性およびうっ血性の両方の心不全;低血圧;高血圧;尿貯留;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;潰瘍;喘息;アレルギー;良性前立腺肥大;慢性腎不全;腎疾患;グルコース耐性不全、性的不能;不安、精神分裂病、躁鬱病、せん妄、痴呆、重症精神薄弱ような精神病および神経学的疾患、ハンチントン病またはジルドラツレット症候群のようなジスキネジーを含むがこれに限定されるものではない機能不全または疾患の予防、改善、修正において役割をになう、さらなるレセプターおよびリガンドの同定が必要とされている。
【0011】
ポリペプチドおよびヒト7-膜貫通G-タンパク質結合神経ペプチドレセプター、HFGAN72をコードするポリヌクレオチドが同定され、1997年4月30日に出願されたU.S.S.N.08/846,704および08/846,705、また、1996年11月7日に公開されたWO96/34877に開示されている。
本発明は、HFGAN72レセプターのリガンドであるポリペプチドおよび該ペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの目的は、中でも、HFGAN72レセプターのリガントとして同定されたポリペプチドを提供することである。
本発明のさらなる目的は、さらに、HFGAN72レセプターリガンドをコードするポリヌクレオチドを提供することである。
【0013】
本発明のこの態様によれば、HFGAN72レセプターリガンドポリペプチド、および、mRNA、cDNA、ゲノムDNA、および本発明のこの態様のさらなる具体例では、生物学的、診断学的、予防的、臨床的もしくは治療的に有用なその変種、アナログもしくは誘導体、または変種、アナログおよび誘導体のフラグメントを含め、そのフラグメントを包含する、これらのレセプターリガンドポリペプチドをコードする単離された核酸分子の使用方法が提供される。
HFGAN72レセプターリガンドとHFGAN72レセプターとの相互作用のアゴニストを提供するこもまた、本発明の目的である。
本発明の他の目的は、HFGAN72レセプターリガンドとHFGAN72レセプターとの相互作用に対する抗体を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、HFGAN72レセプターリガンドとHFGAN72レセプターとの相互作用を阻害するアンタゴニストを提供することである。
【0014】
HFGAN72レセプターリガンドを必要とする患者の治療方法であって、患者に治療上有効な量のリガンドを投与することからなる方法を提供することもまた、本発明の目的である。ここでいう患者とは、とりわけ、細菌、真菌、原虫およびウイルス感染のような感染症、特にHIV-1またはHIV-2によって引き起こされる感染症;痛み;癌;神経性食欲不振;過食症;悪液質;肥満症;糖尿病;喘息;パーキンソン病;急性およびうっ血性の両方の心不全;低血圧;高血圧;尿貯留;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;潰瘍;喘息;アレルギー;良性前立腺肥大;慢性腎不全;腎疾患;グルコース耐性不全、性的不能;不安、精神分裂病、躁鬱病、せん妄、痴呆、重症精神薄弱のような精神病および神経学的疾患、ハンチントン病またはジルドラツレット症候群ようなジスキネジーを含むがこれに限定されるものではない疾患または機能不全を患っている患者である。
【0015】
細菌、真菌、原虫およびウイルス感染のような感染症、特にHIV-1またはHIV-2によって引き起こされる感染症;痛み;癌;神経性食欲不振;過食症;悪液質;肥満症;糖尿病;喘息;パーキンソン病;急性およびうっ血性の両方の心不全;低血圧;高血圧;尿貯留;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;潰瘍;喘息;アレルギー;良性前立腺肥大;慢性腎不全;腎疾患;グルコース耐性不全、性的不能;不安、精神分裂病、躁鬱病、せん妄、痴呆、重症精神薄弱のような精神病および神経学的疾患、ハンチントン病またはジルドラツレット症候群ようなジスキネジーを含むを含むがこれに限定されるものではない疾患または機能不全を患っている宿主由来のサンプル中においてHFGAN72リガンドの存在を分析することを含む診断方法を提供することもまた、本発明の目的である。
【0016】
細胞表面にHFGAN72レセプターを発現する細胞(該レセプターは、HFGAN72レセプターリガンドの該レセプターへの結合に応答して検出可能なシグナルを提供する能力を有する第2成分に関与する)を、レセプターへの結合を可能とする条件下でスクリーニングすべき化合物と接触させ、その化合物がHFGAN72レセプターリガンドとHFGAN72レセプターとの相互作用と結合し、活性化するかもしくは阻害するかどうかを、この反応によって生じるシグナルの有無を検出することによって、決定することからなる、HFGAN72レセプターリガンドとHFGAN72レセプターとの相互作用に結合するか、活性化または阻害する化合物を同定する方法を提供することも、さらにまた、本発明の目的である。
【0017】
本発明の他の目的、特徴、有利性および態様は、以下の開示から当業者に明らかとなるであろう。しかしながら、以下の開示と特定の実施例は、本発明の好ましい具体例を示してはいるが、単に例として挙げられているものであることが理解されなければならない。開示した本発明の精神および態様内での様々な変換および修飾は、以下の記載を読むこと、および本発明の開示の他の部分を読むことから当業者に容易に明らかとなろう。
【0018】
【発明の実施の形態】
定義
以下の説明は、本明細書、とりわけ実施例において汎用される特定の用語の理解を容易にするために示すものである。説明は便宜上示すものであり、本発明を限定するものではない。
【0019】
「単離」とは、「人工的に」天然の状態から変化させられた、すなわち、天然物の場合、その本来の環境から変化または除去あるいはその両方が行われたことを意味する。例えば、生体に天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、「単離」されていないが、その天然状態で共存する物質から分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書に用いる用語としての「単離」がなされている。例えば、ポリヌクレオチドに関して、「単離」なる用語は、天然の染色体および細胞から分離されていることを意味する。
単離の一部として、または単離の後に、かかるポリヌクレオチドは、例えば、突然変異誘発のために、DNAなどの他のポリヌクレオチドに結合し、宿主における伸長および発現のために、融合タンパク質を形成したりすることができる。単離ポリヌクレオチドは単独で、またはベクターなどの他のポリヌクレオチドと結合して、培養物中または全生物中の宿主細胞に導入できる。培養物中または全生物中の宿主細胞に導入されたかかるDNAも本明細書に用いる用語である、「単離」されたといえる。というのはこれらは天然の形態または環境にはないからである。同様に、ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、組成物、例えば、培地処方、例えば細胞にポリヌクレオチドまたはポリペプチドを導入するための溶液、化学的または酵素的反応のための組成物または溶液中に生じさせてもよく、これらは自然には存在しない組成物であり、本明細書に用いる用語の「単離」されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドの範囲内である。
【0020】
「オリゴヌクレオチド(複数でも可)」は、比較的短いポリヌクレオチドを意味する。該用語は、しばしば一本鎖デオキシリボヌクレオチドを意味するが、一本鎖または二本鎖リボヌクレオチド、RNA:DNAハイブリットおよび二本鎖DNA、を意味することもできる。
「ポリヌクレオチド(複数でも可)」は、一般に、修飾されていないRNAもしくはDNA、または修飾されたRNAもしくはDNAであってよい、いずれのポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドをも意味する。従って、例えば、本明細書で用いるポリヌクレオチドは、とりわけ一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖RNA、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖もしくはより典型的には二本鎖もしくは、または一本鎖および二本鎖領域の混合物であってもよいDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子を意味する。加えて、本明細書で用いるポリヌクレオチドは、RNAもしくはDNAまたはRNAとDNAの両方を有してなる三本鎖領域を意味する。かかる領域における鎖は同一の分子または異なる分子由来のものでよい。この領域はこれらの分子の一つまたはそれ以上の全てを含んでいてもよいが、より典型的にはいくつかの分子の一領域のみを含む。三重らせん領域の分子の一つは、オリゴヌクレオチドであることがしばしばである。本明細書で用いる場合、ポリヌクレオチドなる用語はまた、一つまたはそれ以上の修飾した塩基を含有する、前記したDNAまたはRNAを包含する。このように、安定性または他の理由で修飾された骨格を有するDNAまたはRNAも、該用語を本明細書が意図するろところのポリヌクレオチドである。さらに、イノシン等の普通でない塩基、またはトリチル化塩基等の修飾塩基を有してなるDNAまたはRNA(二つの例だけを示す)も、かかる用語を本明細書で用いる場合のポリヌクレオチドである。当業者に既知の多くの有用な目的を提供するDNAおよびRNAに、非常に多くの修飾がなされていることは、明らかであろう。ポリヌクレオチドなる用語は、本明細書で用いる場合、ポリヌクレオチドのこのような化学的、酵素的または代謝的に修飾した形態、ならびにウイルス、とりわけ単純型細胞および複雑型細胞を含む、細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包含する。
【0021】
本明細書で用いる「ポリペプチド」は、以下に記載する全てのポリペプチドを包含する。ポリペプチドの基本的な構造は周知であり、非常に多くのテキストおよび当該分野の他の発行物に記載されている。これに関連して、この用語は、本明細書において、ペプチド結合により直鎖で互いに結合している2個またはそれ以上のアミノ酸を有してなるいずれかのペプチドまたはタンパク質をいうのに用いる。本明細書で用いる場合、この用語は、当該分野で通常例えばペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマーとも称される短鎖、および多くの型があり、当該分野で一般的にタンパク質と称する長鎖の両方を意味する。
【0022】
ポリペプチドは、しばしば、一般に20種の天然アミノ酸と称される20種のアミノ酸以外のアミノ酸を含有し、末端アミノ酸を含め、多くのアミノ酸は、プロセッシングおよび他の翻訳後修飾のような自然の工程により、または、当業者に周知の化学的修飾技術により、所定のポリペプチドで修飾されたものが含まれることは理解されよう。ポリペプチドに自然に起こる一般的な修飾でさえ余り多すぎて、余すところなく掲示することはできないが、基礎的なテキストおよびさらに詳細な論文ならびに多数の研究文献にも詳しく記載されており、これらは当業者に周知である。本発明のポリペプチドに施すことができる既知の修飾には、例示を挙げると、これに限定されるものではないが、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの共有結合、交差結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有交差結合形成、シスチン形成、ピログルタミン酸塩形成、ホルミル化、ガンマー−カルボキシル化、糖鎖形成、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質加水分解プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化などの転移RNA媒介のタンパク質へのアミノ酸付加、およびユビキチン化がある。かかる修飾は当業者に周知であり、科学文献に非常に詳細に記載されている。いくつかの特に一般的な修飾、例えば糖鎖形成、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマーカルボキシル化、ヒドロキシル化およびADPリボシル化は最も基礎的なテキスト、例えばProteins-Structure and Molecular Properties、第2版、T.E.Creighton、W.H.Freeman and Company、ニューヨーク(1993)に記載されている。例えば、Posttranslational Covalent Modification of Proteins、B.C.Johnson編、アカデミック・プレス、ニューヨーク(1983)のWold,F.,Posttranslational Protein Modifications :Perspective and Prospects、1〜12頁;Seifterら、"Analysis for protein modification cofactors"、Meth.Enzymol.182:626-646(1990)およびRattanら、"Protein Synthesis:Posttranslational Modifications and Aging"、Ann.N.Y.Acad.Sci.663:48-62(1992)などの多くの詳細な論文が、本主題に利用できる。
【0023】
ポリペプチドはいつも完全に直鎖であるとは限らないということは周知であり、前記した通りであると理解されよう。例えばポリペプチドはユビキチン化の結果分岐していてもよく、一般には、天然のプロセッシング事象を含む翻訳後の事象、および天然では起こらない人為的操作によりもたらされる事象の結果、分岐のある、または分岐のない環状にできる。環状、分岐および分岐した環状ポリペプチドは、非翻訳天然のプロセッシングにより、および同様に全く合成的な方法で合成できる。
修飾はペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端を含め、ポリペプチドのどこででも起こり得る。実際、共有結合の修飾による、ポリペプチドのアミノまたはカルボキシル基またはその両方の遮断は、天然および合成ポリペプチドに共通し、かかる修飾は同様に本発明のポリペプチドにも存在し得る。例えば、プロセッシングの前に、イー・コリ(E.coli.)で作られるポリペプチドのアミノ末端残基は、ほとんど必ずN−ホルミルメチオニンであろう。
【0024】
ポリペプチドに起こる修飾はしばしばそれの作り方に影響される。例えば、宿主にクローン化遺伝子を発現することにより作られるポリペプチドでは、修飾の特性および程度は、大部分、宿主細胞の翻訳後修飾能力およびポリペプチドアミノ酸配列に存在する修飾シグナルにより決定される。例えば、周知のように、糖鎖形成は多くの場合イー・コリのような細菌宿主では起こらない。従って、糖鎖形成が望ましい場合、ポリペプチドを、糖鎖形成宿主、一般に、真核細胞にて発現させるべきである。昆虫細胞は、しばしば、哺乳動物細胞と同じ翻訳後糖鎖形成を行う。この理由で昆虫細胞発現系が、とりわけ、糖鎖形成の本来のパターンを有する哺乳動物タンパク質を効率よく発現するように開発されている。同様の考察が他の修飾にも適用される。
修飾の同一の型が、所定のポリペプチドのいくつかの部位で、同じまたは異なる程度で存在し得ることは理解されよう。また、所定のポリペプチドは多くの型の修飾を有していてもよい。
一般に、本明細書で用いる場合、ポリペプチドなる用語は、全てのこのような修飾、特に宿主細胞においてポリヌクレオチドを発現することにより合成したポリペプチドに存在する修飾を包含する。
【0025】
本明細書で用いる場合、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの「変種(複数でも可)」なる用語は、対照標準のポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは各々異なるポリヌクレオチドまたはポリペプチドである。この意味の変種は、本明細書の以下およびその他の部分でより詳細に記載する。
変種は、ヌクレオチド配列において別の対照標準のポリヌクレオチドと異なるポリヌクレオチドを包含する。一般に、相違は対照標準と変種のヌクレオチド配列が、全体的に非常に類似しており、多くの領域で同一であるものに限られる。
以下に記すように、変種におけるヌクレオチドの配列の変化はサイレントであってもよい。すなわち、その変化がポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸を変えなくてもよい。変化がこの型のサイレント変化に限定される場合、変種は、対照標準と同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする。また以下に記すように、変種のヌクレオチド配列における変化が、対照標準のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させてもよい。このようなヌクレオチドの変化は、以下に論じるように、対照標準配列によりコードされるポリペプチドにおけるアミノ酸置換、付加、欠失、融合および切断をもたらす。
変種はまた、アミノ酸配列において別の対照標準のポリペプチドと異なるポリペプチドを包含する。一般に、相違は対照標準と変種の配列が全体的に非常に類似しており、多くの領域で同一であるものに限られる。
変種および対照標準のポリペプチドは、1またはそれ以上の置換、付加、欠失、融合および切断(いずれかの組み合わせで生じていてもよい)により、アミノ酸配列にて異なっていてもよい。
【0026】
本明細書にて用いる場合、「融合タンパク質」は、2種の、しばしば、無関係の融合遺伝子またはそのフラグメントでコードされるタンパク質である。EP-A-0 464 533(対応カナダ国特許2045869)は、別のヒトタンパク質またはそれの一部と共に免疫グロブリン分子の不変領域の種々の部分を含んでなる融合タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク質の一部として免疫グロブリンFc領域を用いることが、治療および診断における使用について有利であり、例えば、改良された薬物動態学的性質が得られる(EP-A 0232 262)。他方、ある用途には、融合タンパク質が発現され、検出され、次いで精製された後、Fc部分を検出できることが望ましい。したがって、融合タンパク質の成分を、化学的または酵素的切断しうる結合領域で連結させることが望ましい。これは、Fc部分が治療および診断における用途に対する妨害物であると判明した場合、例えば、融合タンパク質を免疫化のための抗原として使用すべき場合である。例えば、薬物の発見において、shIL5-αなどのヒトタンパク質を、hIL-5のアンタゴニストを同定するための高処理量のスクリーニングアッセイにて用いるためにFc部分と融合させる。D.Bennettら、Journal of Molecular Recognition, 8:52−58(1995)およびK.Johansonら、The Journal of Biological Chemistry,270(16):9459−9471(1995)を参照。
【0027】
かくして、本発明はまた、HFGAN72レセプターリガンド、またはその部分、および、種々のサブクラスの免疫グロブリン(IgG、IgM、IgA、IgE)の重鎖または軽鎖の不変領域の種々の部分を含んでなる遺伝子操作された可溶性融合タンパク質にも関する。免疫グロブリンとして好ましいのは、融合がヒンジ領域で起こる場合の、ヒトIgG、特にIgG1の重鎖の不変部分である。一つの具体例において、血餅形成因子Xaで開裂できる開裂配列を組み込むことによってFc部分は簡単に除去されうる。さらに、本発明は遺伝子操作によるこれらの融合タンパク質の製造方法、ならびに診断および治療におけるそれらの使用に関する。本発明のさらなる態様は、かかる融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドにも関する。
【0028】
「結合分子」(「反応分子」または「レセプター構成因子」ともいう。)は、本発明のポリペプチドに特異的に結合または相互作用する、レセプターを含む分子をいう。かかる結合分子は本発明の一部である。結合分子はまた、本発明のポリペプチドに特異的に結合する抗体および抗体誘導試薬などの非天然物であってもよい。
【0029】
当該分野に知られているごとく、2つのポリペプチドの間の「類似性」は、一のポリペプチドのアミノ酸配列およびその保存アミノ酸置換基を、別のポリペプチドの配列と比較することにより決定する。さらに、かかる配列の2本の間の対合の同一性によって決定されるごとき、2つのポリペプチドまたは2つのポリヌクレオチド配列の間の配列の関連性の度合いを意味する「同一性」も当該分野において知られている。同一性および類似性は共に容易に計算できる(COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY,Lesk,A.M.編, Oxford University Press,New York(1988);BIOCOMPUTING:INFORMATICS AND GENOME PROJECTS, Smith,D.W.編, Academic Press, New York(1993);COMPUTER ANALYSIS OF SEQUENCE DATA,PART I,Griffin,A.M.およびGriffin,H.G.編,Humana Press, New Jersey(1994);SEQUENCE ANALYSIS IN MOLECULAR BIOLOGY,von Heinje, G.,Academic Press(1987);およびSEQUENCE ANALYSIS PRIMER,Gribskov,M.およびDevereux,J.編, M Stockton Press,New York(1991))。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の間の同一性および類似性を測定するための多くの方法が存在し、「同一性」および「類似性」なる用語は当業者によく知られている(Carillo,H.およびLipton,D.、SIAM J.Applied Math. 48:1073(1988))。2つの配列間の同一性または類似性を決定するために通常用いられる方法は、これに限定されないが、GUIDE TO HUGE COMPUTERS,Martin J.Bishop編,Academic Press,San Diego(1994)およびCarillo,H.および Lipton,D.、SIAM J.Applied Math. 48:1073(1988)に開示されている方法を包含する。同一性を測定するための好ましい方法は、試験する2つの配列間に最大の対合を与えるように設計される。同一性および類似性を測定する方法はコンピュータープログラムに書き込まれている。2つの配列間の同一性および類似性を決定する好ましいコンピュータープログラムの方法は、これに限定されないが、GCGプログラム・パッケージ(Devereux,J.ら、Nucleic Acids Research 12(1):387(1984)、BLASTP, BLASTNおよびFASTA(Atschul,S.F.ら、J.Molec.Biol.,215:403(1990))を包含する。
【発明の詳説】
【0030】
一つの態様において、本発明は、新規なHFGAN72レセプターリガンドのポリペプチドおよびポリヌクレオチドに関する。これらのポリペプチドには、それらのアミノ酸配列が、図2(配列番号2−4)、4(配列番号6−9)および5(配列番号10−12)に示される、ヒトHFGAN72レセプターリガンド(配列番号2)、ラットレセプターリガンド(配列番号6)およびマウスレセプターリガンド(配列番号10)のポリぺプチドが含まれる。本発明はまた、配列番号2−4、6、および8−12からなる群から選択されるアミノ酸配列とその全長において、少なくとも80%の同一性、さらに好ましくは90%の同一性、さらにもっと好ましくは95−97%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。
HFGAN72レセプターに対するリガンドである同一集団の新規なポリペプチドが、ラット脳およびウシ視床下部より単離された。成熟ラットポリペプチド、Lig72Aのアミノ酸配列が決定され、配列番号8として図4に示されている。ペプチドMH+イオンの正確な量を遅延抽出MALDIを用いて測定し、1286.6125であることを見出した(計算値 1286.6237)。位置9のGln残基(図3参照)をペプチドのアセチル化によってLysから区別し(両方のアミノ酸は同じ残基量を有する)、分子量を再測定した。分子量は1286.6から1328.6(計算値 1328.6)に42Daだけシフトし、このことは、一つのアセチル基のみの付加を示している。Gln残基はアセチル化することができず、N-末端はブロックされているので、一つのアセチル基のみの付加は、切断された分子のC-末端配列がKKではなくQKであることを強く示唆する。分子量の類似性に基づき、ラットポリペプチドは同一の配列を有するものと信じられる。
【0031】
アダルトラット脳スライス上のインサイチュウのハイブリダイゼーションの結果から、HFGAN72レセプターリガンドは、視床下部および視床下部神経の両方で強く発現されることがわかる。HFGAN72レセプターリガンドが視床下部に局在していることから、これらがさまざまな、神経学的(たとえば、てんかん、卒中)、精神的(たとえば不安、うつ)、および/または摂食障害に関与するものと考えられる。
興味深いことに、Lig72Aのアミノ酸配列は、ヒト(配列番号3)、ラット(配列番号8)、およびマウス(配列番号11)において同一である。ヒト(配列番号4)、ラット(配列番号9)、およびマウス(配列番号12)のLig72Bは、HFGAN72レセプターと相互作用し、それゆえ、Lig72Aのように、同じ特性を有することが見出された。
【0032】
HFGAN72レセプターにおけるLig72AおよびLig72Bの活性を確かめた。実験は、HFGAN72レセプターでトランスフェクトされたFura−負荷293細胞で行った。細胞内におけるHFGAN72レセプターリガンド、Lig72AおよびLig72Bのポリペプチド濃度の増加に対する応答における、細胞内のカルシウムレベルを測定した。ポリペプチドのEC50を、50ng/mlと概算した。293pCDNベクターでトランスフェクトした細胞または別のクローンでは、なんら刺激が見られなかったことから、Lig72AおよびLig72Bの両方によるHFGAN72レセプターの活性化は特異的であると決定した。
【0033】
HFGAN72レセプターリガンド、または、これらのリガントポリペプチドのフラグメント、アナログおよび誘導体は、HFGAN72レセプター活性の調節において有用であろうと考えられる。それゆえ、本発明はまた、これらのポリペプチドのフラグメント、アナログおよび誘導体に関する。「フラグメント」、「誘導体」、および「アナログ」なる用語は、該ポリペプチドについていう場合、実質的に同じ生物学的機能または活性を有している、すなわち、HFGAN72レセプターリガンドのごとく機能する、またはたとえそのポリペプチドが同じようにはレセプターを活性化しなくても、いかなるレセプターまたは結合分子に結合する能力を保持している、ポリペプチドを意味する。それゆえ、アナログは、たとえば、プロタンパク質部分の開裂により活性化され、活性成熟ポリペプチドまたはHFGAN72リガンドの部分を産生しうるプロタンパク質を包含する。
本発明のポリペプチドは、組換えポリペプチド、天然ポリペプチドまたは合成ポリペプチドであってもよい。ある種の好ましい具体例において、本発明のポリペプチドは組換えポリペプチドである。
【0034】
ポリペプチドのフラグメント、誘導体またはアナログは、(i)1個またはそれ以上のアミノ酸残基が保存または非保存アミノ酸残基(好ましくは、保存アミノ酸残基)で置換されており、かかる置換アミノ酸残基は遺伝暗号によりコードされているものであっても、なくてもよいもの;(ii)1個またはそれ以上のアミノ酸残基が置換基を含むもの;(iii)成熟ポリペプチドが別の化合物、例えば、ポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えば、ポリエチレングリコール)と融合しているもの;または(iv)付加的なアミノ酸が、例えば、リーダーもしくは分泌配列または成熟ポリペプチドの精製用に利用される配列またはプロタンパク質配列などの成熟ポリペプチドに融合しているものであってもよい。かかるフラグメント、誘導体およびアナログは、本明細書の教示から当業者に自明であると考えられる。
【0035】
この点において、本発明の好ましい具体例には、図2(配列番号2−4)、3(配列番号6、8、9)および4(配列番号10−12)、さらに好ましくは、配列番号3として図2、配列番号8として図4、配列番号11として図5に示される成熟ポリペプチド、Lig72A、それらの変種、アナログ、誘導体およびフラグメント、およびフラグメントの変種、アナログおよび誘導体がある。また、この点において、本発明の特に好ましい具体例は、Lig72AおよびLig72Bの活性と機能を保持する、ポリペプチド、その変種、アナログ、誘導体およびフラグメント、およびそのフラグメントの変種、アナログおよび誘導体である。
好ましい変種には、保存的アミノ酸置換により対照標準と異なる変種がある。かかる置換は、ポリペプチドの所定のアミノ酸を特性の類似した別のアミノ酸で置換したものである。典型的には、保存的置換として認められるのは、脂肪族アミノ酸Ala、Val、LeuおよびIle間での相互の置き換え;ヒドロキシル残基SerおよびThrの交換、酸性残基AspおよびGluの取り替え、アミド残基AsnおよびGln間での置換、塩基性残基LysおよびArgの取り替えおよび芳香族残基Phe、Tyr間での置き換えである。
【0036】
この点においてさらに好ましいのは、数個、わずかな、5〜10、1〜5、1〜3、2、1または0個のアミノ酸残基が、いずれかの組み合わせで置換、欠失または付加した、図2(配列番号2−4)、4(配列番号6、8、9)および5(配列番号10−12)のポリペプチドからなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、変種、アナログ、誘導体およびフラグメント、ならびにそのフラグメントの変種、アナログおよび誘導体である。これらの中でも特に好ましいのは、リガンドの特性および活性を変化させないサイレント置換、付加および欠失である。またこの点において特に好ましいのは、保存的置換である。最も好ましいのは、置換していない図2(配列番号2−4)、4(配列番号6、8、9)および5(配列番号10−12)からなる群から選択されるのアミノ酸配列を有するポリペプチドである。
本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは単離形態で提供されるのが好ましく、均質になるまで精製するのが好ましい。
【0037】
本発明のポリペプチドは、配列番号2−4、6および8−12のポリペプチド、特に、配列番号4、8および11からなる群から選択される成熟ポリペプチド、ならびにこれらのポリペプチドに対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド、好ましくはこれらのポリペプチドに対して少なくとも90%の類似性(さらに好ましくは少なくとも90%の同一性)、その上さらに好ましくはこれらのポリペプチドに対して少なくとも95−97%の類似性(その上さらに好ましくは95−97%の同一性)を有するポリペプチドを包含する。
【0038】
本発明のポリペプチドのフラグメントまたは部分を、ペプチド合成により対応する完全長のポリペプチドの製造に使用してもよい;従って、該フラグメントは完全長のポリペプチドを製造するための中間体として用いることができる。かかるフラグメントは、「自立している」、すなわち他のアミノ酸またはポリペプチドの一部ではないか、もしくはそれに融合しておらず、または一部もしくは領域を形成するより大きなポリペプチド内に含まれていてもよい。より大きなポリペプチド内に含まれる場合、本明細書で説明するフラグメントは単一の連続した領域を形成するのが最も好ましい。しかしながら、数個のフラグメントが単一の、より大きなポリペプチド内に含まれてもよい。例えば、ある好ましい具体例は、HFGAN72レセプターリガンドのポリペプチドフラグメントのアミノ末端に融合した異型のプレおよびプロポリペプチド領域、および該フラグメントのカルボキシル末端に融合した付加領域を有し、宿主中に発現するように設計された前駆体ポリペプチド内に含まれる本発明のHFGAN72レセプターリガンドのポリペプチドのフラグメントに関する。従って、本明細書の意図するところの一の態様におけるフラグメントは、HFGAN72レセプターリガンド由来の融合ポリペプチドまたは融合タンパク質の一つのまたは複数の部分を意味する。
【0039】
本発明の特に好ましいフラグメントには、HFGAN72レセプターリガンドのトランケーション変異体がある。トランケーション変異は、アミノ末端を含む一連の残基(すなわち、連続領域、一部または部分)もしくはカルボキシル末端を含む一連の残基の欠失、または二重切断突然変異体のように一つはアミノ末端を含み、一つはカルボキシル末端を含む二つの連続した一連の残基の欠失を除けば、図2(配列番号2−4)、4(配列番号6、8、9)および5(配列番号10−12)からなる群から選択されるのアミノ酸配列を有するHFGAN72レセプターリガンドのポリペプチド、またはその変種もしくは誘導体を包含する。
【0040】
本発明はまた、とりわけ、前記のフラグメントをコードするポリヌクレオチド、そのフラグメントをコードするポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションするポリヌクレオチド、特にストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションするポリヌクレオチド、およびそのフラグメントをコードするポリヌクレオチドを増幅するためのPCRプライマーなどのポリヌクレオチドに関する。この点において、好ましいポリヌクレオチドは、前記するような、特に好ましくは図1に示される配列番号21、または図3に示される配列番号5の好ましいフラグメントに対応するポリヌクレオチドである。
HFGAN72レセプターリガンドのポリペプチドおよびこれらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを本発明に従い、様々な用途、特にこれらのリガンドの化学的および生物学的特性を用いる用途に使用することができる。さらなる用途は、細胞、組織および器官の障害の診断および治療に関する。本発明のこれらの態様を以下の議論によって更に説明する。
【0041】
一つの具体例では、本発明は、正常および異常レベルを決定することを含む、細胞、組織、生物学的液体中のHFGAN72レセプターリガンドのレベルを検出するための、定性的および定量的アッセイを含む、診断アッセイにする。それゆえ、たとえば、正常対照組織と比較してHFGAN72レセプターリガンドの過剰または過小発現を検出するための本発明の診断アッセイを用いて、たとえば、これに限定されるものではないが、とりわけ、細菌、真菌、原虫およびウイルス感染のような感染症、特にHIV-1またはHIV-2によって引き起こされる感染症;痛み;癌;神経性食欲不振;過食症;悪液質;肥満症;糖尿病;喘息;パーキンソン病;急性およびうっ血性の両方の心不全;低血圧;高血圧;尿貯留;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;潰瘍;喘息;アレルギー;良性前立腺肥大;慢性腎不全;腎疾患;グルコース耐性不全、性的不能;不安、精神分裂病、躁鬱病、せん妄、痴呆、重症精神薄弱のような精神病および神経学的疾患、ハンチントン病またはジルドラツレット症候群のようなジスキネジーを含む障害または疾患に対する感受性を検出することができる。宿主由来のサンプル中の本発明のHFGAN72レセプターリガンドのようなタンパク質のレベルを決定するために用いることのできるアッセイ方法は当業者によく知られている。そのようなアッセイ方法には、ラジオイムノアッセイ、競合結合アッセイ、ウェスタンブロット分析および酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELIZA)を包含する。これらのうち、ELIZAが好ましいことが多い。ELISAアッセイは、最初にHFGAN72レセプターリガンドに特異的な抗体、好ましくはモノクローナル抗体を調製することからなる。加えて、一般に、モノクローナル抗体に結合するレポーター抗体を調製する。レポーター抗体は、放射性試薬、蛍光試薬または酵素試薬のごとき検出可能試薬に結合する。
【0042】
ELISAを行うために、試料を宿主から取り出し、試料中のタンパク質に結合する固体支持体、例えば、ポリスチレン皿上でインキュベーションする。ついで、ウシ血清アルブミンなどの非特異的タンパク質とともにインキュベーションすることにより、皿上の遊離タンパク質結合部位を被覆する。ついで、モノクローナル抗体を皿中でインキュベーションし、その間にモノクローナル抗体は、ポリスチレン皿に結合しているHFGAN72レセプターリガンドに結合する。未結合モノクローナル抗体をバッファーで洗い流す。ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼに連結したレポーター抗体を皿中に入れ、レポーター抗体とHFGAN72レセプターリガンドに結合しているモノクローナル抗体との結合を生じさせる。ついで、未結合レポーター抗体を洗い流す。ついで、発色基質を含め、ペルオキシダーゼ活性のための試薬を皿に添加する。1次抗体および2次抗体を介してHFGAN72レセプターリガンドに結合し、固定されているペルオキシダーゼは、着色反応生成物を生成する。所定の時間に発色した量は試料中のリガンド量を示す。典型的には、標準曲線と比較することにより定量的結果が得られる。
【0043】
競合アッセイはまた、固体支持体に結合するHFGAN72レセプターリガンドに特異的な抗体、標識したHFGAN72レセプターリガンドおよび宿主由来の試料を、固体支持体上を通すことで用いられる。固体支持体に結合した標識の検出量を試料中のHFGAN72レセプターリガンド量と相関させることができる。
これらのアッセイに有用な抗体の製造方法は、当業者によく知られている。ポリペプチド、そのフラグメントもしくは他の誘導体、またはそのアナログ、またはそれらを発現する細胞は、それらに対する抗体を生成する免疫原として用いることができる。これらの抗体は、例えば、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体であってよい。本発明は、キメラ、単鎖およびヒト化抗体ならびにFabフラグメント、またはFab発現ライブラリーの生成物も包含する。当該分野で知られた種々の操作をかかる抗体およびフラグメントの製造に用いることができる。
【0044】
本発明の配列に対応するポリペプチドに対して生成される抗体は、ポリペプチドを動物、好ましくはヒト以外の動物に直接注射することによって得られる。そのようにして得られた抗体はポリペプチド自体と結合する。この例のように、ポリペプチドのフラグメントだけをコードする配列であっても、完全な元のポリペプチドに結合する抗体を得るのに用いることができる。ついで、かかる抗体を用いて、ポリペプチドを発現する組織からそのポリペプチドを単離することができる。
モノクローナル抗体を調製する場合、連続細胞培養系により産生される抗体を提供するいずれの方法も用いることができる。 例えば、ハイブリドーマ法(Kohler,G.およびMilstein,C.、Nature,256:495-497(1975))、トリオーマ法、ヒトB−細胞ハイブリドーマ法(Kozborら、Immunology Today,4:72(1983))およびヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBV−ハイブリドーマ法(Coleら、MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY,77-96頁、Alan R.Liss,Inc,(1985))が挙げられる。
【0045】
単鎖抗体の製造について記載されている方法(米国特許第4,946,778号)を用いて、本発明の免疫原性ポリペプチド生成物に対する単鎖抗体を製造することができる。また、トランスジェニックマウス、または他の哺乳動物を含む他の生物を用いて、本発明の免疫原性ポリペプチド産物に対するヒト化抗体を発現させてもよい。
前記の抗体を用いて、本発明のポリペプチドを発現するクローンを単離もしくは同定し、アフィニティクロマトグラフィーにより該抗体を単離および/または精製するための固体支持体に結合させることで、該ポリペプチドを精製することができる。
【0046】
加えて、HFGAN72レセプターリガンドに対する抗体を用いて、該リガントとHFGAN72レセプターとの相互作用を阻害することができ、たとえば、これに限定されるものではないが、とりわけ、細菌、真菌、原虫およびウイルス感染のような感染症、特にHIV-1またはHIV-2によって引き起こされる感染症;痛み;癌;神経性食欲不振;過食症;悪液質;肥満症;糖尿病;喘息;パーキンソン病;急性およびうっ血性の両方の心不全;低血圧;高血圧;尿貯留;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;潰瘍;喘息;アレルギー;良性前立腺肥大;慢性腎不全;腎疾患;グルコース耐性不全、性的不能;不安、精神分裂病、躁鬱病、せん妄、痴呆、重症精神薄弱のような精神病および神経学的疾患、ハンチントン病またはジルドラツレット症候群のようなジスキネジーを含むを含む障害または疾患を治療することができる。
【0047】
HFGAN72レセプターリガンドをこれに相互作用するタンパク質を単離するために使用することができ、この相互作用は阻害のための標的となり得る。HFGAN72レセプターリガンドと他の因子の間のタンパク質−タンパク質相互作用の阻害剤は、HFGAN72レセプターリガンド活性の調節のための医薬品の開発に用いることができる。
かくして、本発明は、HFGAN72レセプターリガンドに結合する分子の同定方法も提供する。分子をHFGAN72レセプターリガンドに結合させるタンパク質をコードする遺伝子は、当業者に知られた多くの方法、例えば、リガンドパニング(panning)およびFACSソーティングにより、同定することができる。かかる方法は多くの実験室用マニュアル、例えば、Coliganら、CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY 1,第5章(1991)に記載されている。
【0048】
例えば、酵母2ハイブリッドシステムが、転写活性化因子の活性を復元を用いる、インビボでの第1の試験タンパク質と第2の試験タンパク質との間の相互作用を検出するための方法を提供する。この方法は、米国特許第5,283,173号に開示されており;試薬はClontechおよびStratageneから利用できる。簡単には、HFGAN72レセプターリガンドのcDNAをGal4転写因子DNA結合領域に融合させ、酵母細胞中で発現させる。問題の細胞から得られたcDNAライブラリーメンバーをGal4のトランス活性化領域に融合させる。HFGAN72レセプターリガンドと相互作用可能なタンパク質を発現するcDNAクローンは、Gal4活性の復元およびGal4−lacZなどのレポーター遺伝子の発現の転写活性化をもたらす。Gal4転写因子DNA結合領域に融合したHFGAN72レセプターリガンドのcDNAは、キナーゼと基質との相互作用を強めるために上述した方法で、一つまたはそれ以上のアミノ酸において変異させることができる。
【0049】
別法は、組換えHFGAN72レセプターリガンドを用いてλgt11、λZAP(Stratagene)または同等のcDNA発現ライブラリーをスクリーニングすることからなる。 組換えHFGAN72レセプターリガンドタンパク質またはそのフラグメントをFLAG、HSVまたはGSTなどの小さなペプチドタグに融合させる。ペプチドタグは心筋クレアチンキナーゼなどのキナーゼについての都合のよいリン酸化部位を有しており、あるいはそれらをビオチン化できる。組換えHFGAN72レセプターリガンドを32[P]または標識されていないPを用いてリン酸化し、ストレプトアビジンまたはそのタグに対する抗体で検出することができる。λgt11cDNA発現ライブラリーを問題の細胞から作成し、組換えHFGAN72レセプターリガンドとともにインキュベートし、洗浄し、次いで、HFGAN72レセプターリガンドと相互作用するcDNAクローンを単離する。たとえば、T. Maniatisら、supra参照。
【0050】
もう一つの方法は、哺乳動物発現ライブラリーをスクリーニングすることである。この方法においては、cDNAを哺乳動物プロモーターとポリアデニル化部位の間のベクターにクローンし、COSまたは293細胞中に一時的にトランスフェクションされる。48時間後、結合タンパク質を、固定かつ洗浄した細胞を標識したHFGAN72レセプターリガンドと一緒にインキュベーションすることで検出する。好ましい具体例においては、hRAD54をヨウ素化し、結合HFGAN72レセプターリガンドをオートラジオグラフィーにより検出する。Simsら、Science,241:585-589(1988)およびMcMahanら、EMBO J.,10:2821-2832(1991)を参照。このように、問題の結合タンパク質をコードするcDNAを含むcDNAプールを選択し、各プールをさらに分割し、つづいて一時的なトランスフェクション、結合およびオートラジオグラフィーのサイクルにより問題のcDNAを単離することができる。
【0051】
別法として、完全なcDNAライブラリーを哺乳動物細胞にトランスフェクションし、プレートに結合したHFGAN72レセプターリガンドを含む皿上で細胞をパニングすることによって問題のcDNAを単離できる。洗浄後に結合している細胞を溶解させ、プラスミドDNAを単離し、細菌中で増幅し、単一のcDNAクローンが得られるまでトランスフェクションおよびパニングのサイクルを繰り返す。 Seedら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,84:3365(1987) およびAruffoら、EMBO J.,6:3313(1987)を参照。結合タンパク質が分泌される場合、結合または中和アッセイが一時的にトランスフェクションされた細胞からの上清をアッセイするために確立されると、類似するプール方法によりそのcDNAを得ることができる。上清をスクリーニングする一般的方法は、Wongら、Science,228:810-815(1985)に開示されている。
【0052】
もう一つの別法は、HFGAN72レセプターリガンドと相互作用するタンパク質を細胞から直接単離することである。HFGAN72レセプターリガンドとGSTまたは小さいペプチドタグとの融合タンパク質を製造し、ビーズ上に固定化する。問題の細胞からの生合成的に標識された、または標識されていないタンパク質抽出物を調製し、ビーズとインキュベートし、バッファーで洗浄する。HFGAN72レセプターリガンドと相互作用するタンパク質はビーズから特異的に溶出し、SDS−PAGEによって解析する。結合相手の一次アミノ酸配列データをマイクロシークエンシングによって得る。所望により、細胞性タンパク質のチロシンリン酸化などの機能的応答を誘発する物質で細胞を処理できる。かかる物質の一例は、成長因子またはインターロイキン−2などのサイトカインである。
もう一つの別の方法はイムノアフィニティー精製法である。組換えHFGAN72レセプターリガンドを標識または標識していない細胞抽出物とインキュベートし、抗HFGAN72レセプターリガンド抗体で免疫沈降させる。その免疫沈降物をプロテインA−セファロースで回収し、SDS−PAGEで解析する。標識されていないタンパク質をビオチン化により標識化し、ストレプトアビジンを含むSDSゲル上で検出する。結合相手のタンパク質をマイクロシークエンシングにより解析する。さらに、当業者に知られている標準的生化学的精製工程をマイクロシークエンシングの前に使用してもよい。
【0053】
さらにもう一つの別法は、ペプチドライブラリーを結合相手についてスクリーニングすることに関する。組換えタグ付きまたは標識されたHFGAN72レセプターリガンドを用いて、HFGAN72レセプターリガンドと相互作用するペプチドまたはホスホペプチドライブラリーからペプチドを選択する。そのペプチドを配列決定し、相互作用するタンパク質にて見いだされるコンセンサスペプチド配列を同定する。
総じて、これらの方法または当業者においてよく知られた方法により同定されたHFGAN72レセプターリガンド結合相手は、上述した推定される結合相手と同様、本発明のアッセイ方法において用いることができる。HFGAN72レセプターリガンド/結合相手複合体の存在のアッセイは、たとえば、酵母2−ハイブリットシステム、ELISAまたは複合体に特異的な抗体を用いる免疫アッセイによってなされる。HFGAN72レセプターリガンド/結合相手の相互作用の形成を妨害または阻害する試験基質(すなわち、阻害剤または拮抗剤)が存在する場合、試験基質が存在しない対照と比べ、複合体の量が減少する。
【0054】
本発明のポリペプチドは、HFGAN72レセプターリガンドの、細胞中または細胞−フリー調製物中のHFGAN72レセプターリガンド結合分子としての能力を評価するために用いることができる。
本発明のHFGAN72レセプターリガンドはまた、HFGAN72レセプターのリガンドの活性化を活性化(アゴニスト)または阻害(アンタゴニスト)する化合物のスクリーニングに用いることができる。
そのようなスクリーニング工程には、HFGAN72レセプターをその表面に発現する適当な細胞を用意することが含まれる。そのような細胞には、哺乳類からの細胞、酵母、ショウジョウバエ、イー.コリ(E.coli)が含まれる。特に、HFGAN72レセプターをコードするポリヌクレオチドは、レセプターを発現できるように細胞をトランスフェクトするために用いる。発現されたレセプターを試験化合物および本発明のHFGAN72レセプターリガンドと接触させ、結合、機能的応答の促進または阻害を観察する。
【0055】
そのようなスクリーニング方法の一つに、HFGAN72レセプターを発現するようにトランスフェクトされたメラニン細胞の使用を含むものがある。そのようなスクリーニング手法は、1992年2月6日に公開されたWO92/01810に記載されている。
それゆえ、たとえば、そのようなアッセイを用いて、HFGAN72レセプターをコードするメラニン保有細胞を、本発明のHFGAN72レセプターリガンドとスクリーニングすべき化合物の両方に接触させることによって、リガンドとHFGAN72レセプターの相互反応を阻害する化合物をスクリーニングすることができる。リガンドにより生成されるシグナルの阻害は、化合物がレセプターに対する有効なアンタゴニストであること、すなわち、HFGAN72によるレセプターの活性化を阻害することを示す。
【0056】
該スクリーニングを用いて、スクリーニングすべき化合物とそのような細胞を接触させ、そのような化合物がシグナルを生成するかどうか、すなわち、レセプターを活性化し、たとえば、これに限定されるものではないが、cAMP阻害または促進、カルシウム移動、GTPγS結合などのセカンドメッセンジャー応答となるかどうかを決定することによって、レセプターを活性化する化合物を決定することができる。
他のそのようなスクリーニング方法には、一時的にレセプターを発現するように、アフリカツメガル卵母細胞中にHFGAN72レセプターをコードするRNAを導入することが含まれる。次いで、レセプター卵母細胞を本発明のレセプターリガンドおよびスクリーニングする化合物と接触させ、つづいて、リガンドによるレセプターの活性化を阻害すると見られる化合物をスクリーニングする場合に、シグナルの阻害または活性化を検出する。
【0057】
他の方法には、標識された本発明のHFGAN72レセプターリガンドの表面にレセプターを有する細胞への結合の阻害を決定することによる、レセプターの活性化を阻害する化合物のスクリーニングが含まれる。そのような方法には、細胞がその表面にレセプターを発現するようにHFGAN72レセプターをコードするDNAで真核細胞をトランスフェクトすること、および、その細胞または細胞膜調製物をHFGAN72レセプターリガンドの標識化体の存在下で化合物と接触させることを含む。リガンドは、たとえば、放射活性などで標識できる。レセプターと結合した標識化リガンドの量を、たとえばレセプターの放射活性を測定することによって、測定する。レセプターに結合する標識化リガンドの減少によって決定されるように、化合物がレセプターと結合する場合には、レセプターへの標識化リガンドの結合が阻害される。
さらに別のスクリーニング方法には、HFGAN72レセプターリガンドとHFGAN72レセプターとの相互作用に影響することによって、細胞内カルシウムイオンまたは他のイオンの移動を阻害する試験化合物のスクリーニングの高い処理量に対しFLIPR装置の使用が含まれる。
【0058】
HFGAN72レセプターは、哺乳類宿主中に見出され、それゆえ、多くの病理学を含む多くの生物学的機能に関与するであろう。したがって、一方では、HFGAN72レセプターを刺激する、または、HFGAN72レセプターリガンドとHFGAN72レセプターとの相互作用を刺激する化合物、他方では、HFGAN72レセプターの機能を阻害する化合物の発見が望まれている。
【0059】
たとえば、HFGAN72レセプターは、血清処理された血管平滑筋中においてアップレギュレートされており、酸化LDLで処理されたマクロファージ中においてダウンレギュレートされることが予め測定されており、ステンティット動脈(stented arteries)中にも見出されている。したがって、本発明のポリペプチドまたは該ポリペプチドのフラグメント、誘導体または変種による該レセプターの活性の調節は、心臓血管系疾患の治療において有用でありうる。このリガンドが脳および視床下部から単離されることから、CNSの関連も示唆される。それゆえ、本発明はまた、たとえば、これに限定されるものではないが、とりわけ、細菌、真菌、原虫およびウイルス感染のような感染症、特にHIV-1またはHIV-2によって引き起こされる感染症;痛み;癌;神経性食欲不振;過食症;悪液質;肥満症;糖尿病;喘息;パーキンソン病;急性およびうっ血性の両方の心不全;低血圧;高血圧;尿貯留;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;潰瘍;喘息;アレルギー;良性前立腺肥大;慢性腎不全;腎疾患;グルコース耐性不全、性的不能;不安、精神分裂病、躁鬱病、せん妄、痴呆、重症精神薄弱のような精神病および神経学的疾患、ハンチントン病またはジルドラツレット症候群のようなジスキネジーを含むを含む障害または疾患を患う患者の治療における、HFGAN72レセプターリガンドまたはそのようなリガンドとHFGAN72レセプターとの相互作用を調節する化合物を使用する方法にも関する。
【0060】
実施例5は、Lig72A(配列番号8)の中枢投与は、4時間の期間において自由に食物を与えるラットにおいて、食物摂取を促進した。この増加は、ビヒクルを与えた対照ラットに比べ、約4倍以上であった。これらの結果は、Lig72Aが食欲の内因性調節剤であることを示唆する。それゆえ、アゴニストまたはアンタゴニストは、とりわけ、神経性食欲不振、過食症、および悪質液などのような摂食障害の治療において有用であるけれども、そのレセプターのアンタゴニストは、肥満症および糖尿病の治療において有用でありうる。
さらに、実施例6は、Lig72A(配列番号8)は、正常マウス中に静脈注射されると、全身または腎の血流動体に影響を与えずに、抗利尿作用を誘発することを示す。これらの結果はまた、HFGAN72レセプターアンタゴニストは、新規な利尿作用を有し、それゆえ、慢性腎不全、タイプII糖尿病、腎疾患、うっ血性心不全、グルコース耐性不全、性的不能などにおいて有用であることを示唆する。
【0061】
それゆえ、本発明はまた、前記のポリペプチドまたはアゴニストまたはアンタゴニストを含む組成物に関する。従って、本発明のポリペプチド、またはそれらのアゴニストまたはアンタゴニストは、対象に投与するのに適した医薬担体などの、細胞、組織または生物で使用するための非滅菌もしくは滅菌した担体と組み合わせて用いることができる。このような組成物は、例えば溶媒添加物または治療上有効量の本発明のポリペプチド、および医薬上許容できる担体または賦形剤からなる。このような担体は、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノールおよびそれらの組み合わせを包含するが、これらに限定するものではない。処方は投与法に適合させなければならない。
【0062】
本発明はさらに、前記した本発明の組成物の成分を1またはそれ以上を充填した1またはそれ以上の容器からなる医薬用パックおよびキットに関する。このような容器(複数でも可)に、医薬または生物学的生成物の製造、使用または販売を規制する政府機関による命令形態の、ヒトへの投与用の産物の製造、使用または販売に関する該政府機関の承認を示す注意書きを添付することができる。
【0063】
本発明のポリペプチドおよび他の化合物は、単独でまたは治療用化合物などの他の化合物と組み合わせて用いることができる。
医薬組成物は、例えば、とりわけ局所、経口、経肛門、経膣、静脈内、腹膜腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内または皮内の経路を含め、効果的な、都合のよい方法で投与できる。
医薬組成物は、一般に、個々の適応症または複数の適応症の治療または予防に有効な量にて投与される。一般に、この組成物は少なくとも約10μg/kg体重の量で投与される。大抵の場合、投与量は1日あたり約8mg/kg体重を越えない量で投与される。好ましくは、大抵の場合、投与量は1日あたり約10μg/kgから1mg/kg体重である。至適投与量は、適応症、その重篤度、投与経路、合併症等を考慮に入れて、各々の治療様式および適応症についての標準法により決定されることは理解されよう。
【0064】
【実施例】:生化学的方法
本明細書で用いる特定の用語は前記した用語説明で説明する。
全ての実施例は、別に詳細に記載するもの以外は、当業者に周知で慣用される標準法を用いて実施した。以下の実施例の慣用的な分子生物学的技術は、例えばSambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版;コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク州(1989)ような標準的な実験室マニュアル(以下、「Sambrook」という。)に記載されるように実施できる。
【0065】
実施例1: HFGAN72 レセプターリガンドのクローニング方法:
a.ラット HFGAN72 レセプターリガンドのクローニング方法:
ラットHFGAN72レセプターリガンドの完全長配列を得るために、ペプチド内縮退RT−PCR法(intrapeptide degenerate RT-PCR method)を用いた。
その末端をコードする高度な縮退オリゴヌクレオチドプライマーを作るために、ペプチド配列QPLPDCCRQKTCSCRLYELLHGAGNHAGI(配列番号6のアミノ酸1−29)を選択した。プライマーの配列は、CAACCNCTNCCNGACTGCTG(配列番号13)およびATNCCNGCNGCATGATT(配列番号14)であった。配列番号13のプライマーの3の位置で、AはGに置き換え可能である。配列番号13のプライマーの7の位置で、CはTに置き換え可能である。配列番号8のプライマーの15の位置で、CはTに置き換え可能である。配列番号13のプライマーの18の位置で、CはTに置き換え可能である。配列番号14のプライマーの12の位置で、AはGに置き換え可能である。配列番号14のプライマーの15の位置で、AはGに置き換え可能である。これらの置換のすべてのいずれもが、配列番号13および14のプライマー中に存在できる。上記のプライマーのヌクレオチド配列において、記号”N”は、A、C、GまたはTであり得る。ペプチドをコードするcDNAフラグメントは、ラット脳RNAからRT−PCRによって得られ、ヌクレオチド配列決定によって、確証された。
【0066】
5’−レイス(RACE):
上記のRT−PCR産物の配列に基づき、非縮退オリゴヌクレオチドプライマーが作られ(#1;GTTGCCAGCTCCGTGCAACAGTTCGTAGAGACGG)(配列番号15)、5'−レイス反応に用いられた:二本鎖cDNAをラット脳ポリA+RNAから合成し、マラソンアダプター(Marathon adaptor)にライゲートし、アダプタープライマー1(Clontech)とプライマーとしての#1とのはじめの5'−レイス反応の鋳型として用いた。PCR反応をオリゴヌクレオチドCGGCAGGAACACGTCTTCTGGCG(#2)(配列番号16)とアダプタープライマー2で行った。ペプチドを正しくコードする約250bpの5'cDNA産物が得られた。
3’−レイス
上記の5'−レイス反応により得られたcDNA配列の推定5'−コード領域の部分に対応する、2つのオリゴヌクレオチド、TCCTTGGGTATTTGGACCACTGCACCGAAG(#3)(配列番号17)およびATACCATCTCTCCGGATTGCCTCTCCCTGA(#4)を追加して作成した。逆転写のために特異的なプライマーとして、オリゴヌクレオチドCCTCTGAAGGTTCCAGAATCGATAGTAN(配列番号19)を用いて、一本鎖ラット脳cDNAを合成し、#3とアンカープライマー(CCTCTGAAGGTTCCAGAATCGATAG)(配列番号20)を用いる3'−レイス反応の鋳型として用いた。配列番号19のオリゴヌクレオチドの27の位置で、AはCまたはGのいずれかに置換できる。配列番号19のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列中、記号’N’は、A、C、GまたはGでありうる。産物を#4と同じアンカープライマーを用いて、PCR反応に付した。正確な5'cDNA配列を含む分離した0.6−kb産物が得られた。3つの個別に開始した3'−レイス反応から得られたcDNA産物により完全長の配列が確証された。
【0067】
b.ヒトおよびマウス HFGAN72 レセプターリガンドのクローニング方法:
ヒト(Clontech)およびマウス(Stratagene)ゲノムライブラリー由来のそれぞれ約120万のプラークを標準的なプラークハイブリダイゼーションによってスクリーニングした。HFGAN72レセプターリガンドの両方、Lig72AおよびLig72Bをコードする完全長(約0.5kb)ラットcDNAインサートをランダムプライミング法によって32P-標識化し、プローブとして用いた。ハイブリダイゼーション−ポジティブファージをプラーク精製し、HFGAN72レセプターリガンドのエキソンを含むゲノムDNAフラグメントをサザンブロットによって同定し、更なる分析のためにプラスミドベクターにサブクローニングした。完全なゲノムフラグメントのヌクレオチド配列をオーバーラップするサブクローンとプライマーウォーキングにより得られた配列とから組み立てた。
【0068】
実施例2: HFGAN 72レセプターリガンドの精製:
約220グラムの凍結牛視床下部組織または凍結ラット脳組織(Pel-Freez(Rogers,AR)から購入)をポリトロン(Polytron)(15mm 直径)で、70%(容量/容量)アセトン/1M酢酸/20mMHCLの10x容量中に、室温でホモゲナイズした。ホモゲネートを大きなタンパクを沈殿させるために4℃で一晩おいた。
翌日、ホモゲネートを20,000×gで30分、4℃で遠心した。遠心をすべての目に見える不溶性物質が上澄から除かれるまで繰り返した。ついで、上澄をいくつかの大きなグラスボトルに注ぎ、当量のジエチルエーテルを各ボトルに加えた。混合物を1−2分間激しく振り、室温で30分置くと、2層に分離できた。下の水性層(懸濁している)を新しいボトルに移し、エーテル抽出をアセトンを除くために2回以上繰り返した。抽出に続き、水性層を20,000×gで、30分、4℃で遠心した。上澄をすべての不溶性物質を除くために再度回した。ついで、最終上澄(約500−600ml)をメッシュフィルター(Falcon Cell Strainer, Becton Dickinson, Co., Oxnard, CA)を通し濾過し、グラスボトルに入れた。ついで、濾過物を室温で当量の水で希釈し、0.1%(容量/容量)トリフルオロ酢酸(TFA)で前平衡化されている2つのSepPak C18(総量20グラムベッド)の10−グラムカートリッジに直接充填した。カートリッジを穏やかに吸引することで、カートリッジア出口からの個々の小滴が目で見えるように流速を維持した。各カートリッジを100mlの5%CH3CN/0.1%TFAで洗浄し、30mlの50%CH3CN/0.1%TFAで溶出した。溶出の最初の6ミリリットルは、無効なものとして捨てた。残った溶出物を珪質処理したガラスフラスコ中で一晩凍結乾燥した。
【0069】
凍結乾燥した物質を10−20分間または目で見える不溶性物質がなくなるまで、超音波処理して24ミリリットルの1M酢酸中に溶解した。ついで、抽出物を20ミクロンMirex GVシリンジフィルター(Milipore, Bedford, MA)を通して濾過した。濾過抽出物の半分(12ミリリットル)を、3%CH3CN/0.1%TFAで前平衡化したC18逆相HPLCカラム(Vydac 218TP510; 5ミクロン; 10mm x 250mm semiprep; Hesperia, CA)上に、室温で、3ミリリットル/分の流速で直接充填した。試料は、大きな(5ミリリットルまたはそれ以上)サンプルループを経由して、4回、3ミリリッターづつ、充填した。ついで、100分にわたり0.1%TFA中のCH3CNの10%−40%勾配をかけた。3ミリリットル(または1分)フラクションを珪質処理した5ミリリットルガラスチューブに集めた。個々のHPLCを残りの半分の抽出物に対し、もう一度繰り返した。各フラクションから60マイクロリットル(1/50)をとり、実施例2に記載されるように、293/HFGAN72細胞上のCaトランジエントのアッセイを行った。
【0070】
活性フラクションをプールし、20mMナトリウムリン酸(pH3.0)/30%CH3CNで前平衡化したカチオン-交換HPLCカラム(TosoHass SP-5PW; 7.5 mm x 75 mm; Montgomeryville, PA)に直接加えた。20mMナトリウムリン酸(pH3.0)/30%CH3CN中のNaClの0−0.5M勾配を60分にわたり流速1ミリリットル/分でかけた。1ミリリットルのフラクションを集め、各フラクションから30マイクロリットルをCaアッセイに用いた。
活性フラクション(2−3フラクション;2−3ミリリットル)をプールし、0.1%THFで4倍希釈した。希釈したサンプルを3%CH3CN/0.1%TFAで前平衡化した分析学的C18逆相カラム(Vydac 218TP54; 4.6mm x 250mm semiprep; Hesperia, CA)上に、流速1ミリリットル/分で直接充填した。カラムをカラムヒーターで40℃に保った。75分にわたり0.1%THF中のCH3CNの21%−36%勾配をかけた。個々のピーク(210nm吸収をモニターする)を珪質処理した5ミリリットルのガラスチューブに手で集め、各フラクションの30マイクロリットルをアッセイした。このポイントで、活性ピークは、すでに>70−80%純粋なものとなっていた。
活性ピーク(約1ミリリットル)を0.1%TFAで4倍希釈し、同じC18カラムに直接充填した。しかしこの時は、3%CH3CN/20mMTris-HCl(40℃でpH7.0)で前平衡化した。40℃で74分にわたり20mMTris-HCl(pH7.0)中のCH3CNの3%−40%勾配をかけた。主な210nmピークを手で集めた。
このポイントで、サンプルはすでに純粋なものとなっているべきである。脱塩するとともに、純粋性を確かめるために、活性ピーク(約800マイクロリットル)を0.1%TFAで4倍希釈し、3%CH3CN/0.1%TFAで前平衡化したC8逆相カラム(Vydac 228TP104;pH-安定コート化C8;4.6mm x 250mm)上に、流速1ミリリットル/分で直接充填した。40℃で66分にわたり0.1%THF中のCH3CNの3%−36%勾配をかけた。単一の210nmピークが手で集められた。生物学的活性を確証した。上記のプロセスは、Lig72Aを精製するために用いた。
Lig72Bは、cDNA配列に基づくペプチド合成および合成されたペプチドのテストにより、見出され、精製された。
【0071】
実施例3: Lig72A と Lig72B の Ca アッセイ:
Caアッセイは、Sakuriら、Nature 1990, 348: 732-735に記載された手法に従って行った。アッセイのために、各HPLCフラクションの少量を珪質処理した1.5ミリリットルエッペンドルフチューブに移し、真空下蒸発させ、乾燥させた。乾燥物質を20マイクロリットルのCaアッセイ緩衝液(140 mM NaCl、 4mM KCl、 1mM Na2HPO4/1mM MgCl2、 1.25 mM CaCl2、 11mM グルコース、 5mM HEPES(pH7.5)、 0.2%ウシ血清アルブミン)中に、3分間ボルテックスすることで再構成した。各アッセイポイントで、再構成溶液の10マイクロリットルを使用した。細胞を標準的な手法にしたがって、Fura-2/AMで充填した。0.5mlアッセイキュベットとJasco CAF-110細胞内イオン分析器(Easton,MD)を用いた。反応の特異性を確かめるために、293/HFGAN72細胞とトランスフェクトされていない293細胞を平行に用いた。エンドセリン−1(最終濃度1−100nM)を正の対照リガンドとして用いた。
【0072】
実施例4: Lig72A および Lig72B のアミノ酸配列の決定
50mMTris緩衝液、pH9.0中における還元型およびアルキル化Lig72AのLys-C切断を配列解析に用いた。サンプルの半分(約25マイクロリットル)を精製し、Poros RII レジンでパックされたマイクロカラム上に濃縮する。ペプチドを2マイクロリットルの70%メタノール、5%ギ酸で溶出し、ナノエレクトロスプレー(nanoelectrospray)ニードルに移した。サンプルをPE-Sciex・トリプル・クアドルポウル・マス・スペクトロメーター(PE-Sciex triple quadrupole mass spectrometer)上でナノエレクトロスプレーイオン化を用いて解析した。分子量1286.6の単一ペプチドが観察された。このペプチドを衝突誘発解離(collision induced dissociation, CID)タンデムマス分光測定(tandem mass spectrometry, MS/MS)を用いて配列決定した。データの解析を容易にするために、ペプチドのフラグメントもまた、CIDタンデムMS(方法は、MS3といわれる。)により続いて配列決定されるエレクトロスプレー源とした。作成されたフラグメントは、3つのペプチドフラグメントで始まって5個のフラグメントに続く、連続するN-末端アミノ酸の欠失により、互いに異なっていた。
Lig72Bは、オンーラインPht(フェニルチオヒダントイン、phenylthiohydantoin)アミノ酸解析を装備したHewlett Packard G1000A プロテインシークエンサーを用い、ダイレクトエドマン配列決定により、同定した。分子量は、マトリックスーアシスト・レーザー・ディソープション・イオン化・マス・分光測定(matrix-assisted laser desorption ionization mass spectrometry, MALDI-MS)により、2935.9Daであると決定され、処理されたペプチドが完全長でC−末端残基においてアミド化されていることが示された。
【0073】
実施例5: Lig72A ラット摂食研究
標準的な手法を用い、立体的なフレームを使用してオスのSprague Dawley ラットの左側脳室中にカニューレを外科的に埋め込んだ。各カニューレの位置を、ラットにおいて摂食を促進することが知られており、摂食実験において正の対照として使うことのできる、ブタ神経ペプチドY(NPY)の最大に近い量(2.35nmol)を用いて確かめた。次いで、9匹のラットに2週間にわたり、Lig72Aの3用量(2.34、7.02、23.4nmol)をランダムに与えた。食物摂取を最初の2時間は1時間毎および再度4時間後に測定し、体重を毎日測定した。
結果から、Lig72Aは4時間にわたり、自由に食物を与えるラットにおいて、食物摂取を促進することを示す。この増加は、ビヒクルを与えた対照ラットに比べ、約4倍以上であった。Lig72Aのすべての用量において同じ反応が得られたことから、2.34nmolでさえ、用量応答曲線の最高点であり、さらに低い用量が有効性のさらなる情報を得るために調査する必要のあることが示唆される。Lig72Aに対する応答期間は、NPYに対する応答期間よりも長いことが示された。これらの結果は、Lig72Aが食欲の内因性調節剤であることを示唆する。それゆえ、アゴニストまたはアンタゴニストは、とりわけ、神経性食欲不振、過食症、および悪質液などのような摂食障害の治療において有用であるけれども、そのレセプターのアンタゴニストは、肥満症および糖尿病の治療において有用でありうることを示唆する。
【0074】
実施例6:正常ラットにおける Lig72A の抗利尿効果
Lig72Aの動脈血圧(MAP)、心拍数(HR)、腎血流量(RBF)、子球体濾過速度(GFR)の効果を腎における溶質および水の排泄作用の効果とともに、正常な慢性的に手段化されているオスのSprague Dawley ラット(390-400g)(n=5)において決定した。手術と慢性的なケアの詳細はすでに述べられている(Kidney Int. 15:419-462, 1979)。簡単には、麻酔下、カテーテルを大腿官を経由して腹部大動脈および下大静脈に埋め込む。加えて、シラスティック(silastic)−カバーしたステンレススチールカニューレを膀胱に縫いこんだ。回復の期間(7−8日)、ラットを、個別に収容し、食物および水を自由に摂れるようにし、プラスチックの固定装置に慣らした。
実験期間中、ラットを固定装置中に置き、血圧と心拍数の記録と、尿の収集のために接続された。実験を通して、10%インシュリンと2%PAHを含有する等張生理食塩水を20μl/minで静注した。1時間の平衡化の後、2回20分間尿の収集を行った(対照)。2回目の収集の中間で一つの血液サンプルをとり、ついで、Lig72Aを90分にわたり、1μg/kg/minの速度で静注し、その間の3回の30分時に、尿収集を行い、2回目および3回目に血液サンプルをとった。
インシュリンとPAHの尿および血漿濃度を分光測定により決定し、Synchron AS8 Clinical Analyzer(Beckman Instrument Inc., Brea, CA)により、電解質を測定した。糸球体濾過速度(GFR)をインシュリンの腎クリアランス、PAHのクリアランスとしての腎血漿流(renal plasma flow, RPF)、PRF/(1-ヘマトクリプト)としての腎血流(RBF)から概算した。クリアランスと排泄速度は、標準的な手法を用いて計算し、体重100gあたりで表現している。すべての値は、最高変化を表わし、完全値として表現され、グループ平均±SEMとして報告されている。統計的解析は、分散の解析(ANOVA)を用いて行った。Pの値は、<0.05で、統計学的に有意であると考えられた。
【0075】
対照の血圧:119±3.2mmHg、心拍数:405±9.9拍/minであり、どちらの機能もLig72Aによって変化しなかった。GFRおよびRBFは、ペプチドの注入中、それぞれ923±80から1032±103および5444±410から6385±910μl/min/100gで、わずかに増加した(有意ではない)。対照的に、Lig72Aにより、尿流量が22±3から8.2±1.5μl/min/100g(p<0.05);ナトリウムおよびカリウムの分画排泄がそれぞれ1.58±0.3から0.78±0.2および46±6から32±2%(p<0.05)へと大きく変化した。浸透圧モルクリアランス(39±4から30.3±35μl/min/100g)および自由水(-17.3±2から-22.1±25μl/min/100g)の変化は、統計学的に有意ではない。
これらの結果は、Lig72Aは、正常マウス中に静脈注射されると、全身または腎の血流動体に影響を与えずに、抗利尿作用を誘発することを示す。これらの結果はまた、HFGAN72レセプターアンタゴニストは、新規な利尿作用(ナトリウム排泄増加性)を有し、それゆえ、とりわけ、慢性腎不全、タイプII糖尿病、腎疾患、うっ血性心不全、グルコース耐性不全、性的不能、それらのものなどにおいて有用であることを示唆する。
【0076】
【配列表】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトHFGAN72レセプターリガンドをコードするゲノム配列(配列番号1)を示す。大文字は、エキソン(cDNA)を示す(配列番号21)。
【図2】 2種の異なるヒトHFGAN72レセプターリガンド、Lig 72A(配列番号3、ダッシュで示される。)およびLig 72B(配列番号4、アスタリスクで示される。)を含む推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。
【図3】 ラットHFGAN72レセプターリガンドをコードするcDNA配列(配列番号5)を示す。
【図4】 ボン・ヘイジーンズ・アルゴニズム(von Heijin's algorithm)により推定されるN−末端シグナルおよびリーダー配列(配列番号7)を含むラットHFGAN72レセプターリガンドの推定アミノ酸配列(配列番号6)を示す。また、図4中には、Lig 72A(配列番号8、ダッシュで示される。)、Lig 72B(配列番号9、アスタリスクで示される。)の2種のリガンドが示される。
【図5】 N-末端シグナル配列(配列番号10)の部分を欠いているマウスHFGAN72レセプターリガンドのアミノ酸配列のプレプロ領域を示す。このアミノ酸配列には、Lig 72A(配列番号11、ダッシュで示される。)、Lig 72B(配列番号12、アスタリスクで示される。)の2種のリガンドが含まれる。
Claims (5)
- 配列番号3、8および11からなる群から選択されるアミノ酸配列とその全長において少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列からなる、食欲促進作用または抗利尿作用を有するポリペプチド。
- 食欲促進作用または抗利尿作用を有する、配列番号3、8および11からなる群から選択されるアミノ酸配列とその全長において少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする、ポリヌクレオチド。
- 配列番号3、8および11からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、食欲促進作用または抗利尿作用を有するポリペプチド。
- 請求項1に記載のポリペプチドとHFGAN72レセプターとの相互作用を活性化する化合物の同定方法であって、
(a)細胞表面にHFGAN72レセプターを発現する細胞(該レセプターは、請求項1に記載のポリペプチドの該レセプターへの結合に応答して検出可能なシグナルを提供する能力を有する第2成分に関与する)を、レセプターとの結合を可能とする条件下でスクリーニングすべき化合物および請求項1に記載のポリペプチドと接触させ、
(b)該ポリペプチドと該レセプターとの相互作用によって生じるシグナルの有無を検出することによって、その化合物が請求項1に記載のポリペプチドとHFGAN72レセプターとの相互作用を活性化するかどうかを決定すること、からなる方法。 - 請求項1に記載のポリペプチドとHFGAN72レセプターとの相互作用を阻害する化合物の同定方法であって、
(a)細胞表面にHFGAN72レセプターを発現する細胞(該レセプターは、請求項1に記載のポリペプチドの該レセプターへの結合に応答して検出可能なシグナルを提供する能力を有する第2成分に関与する)を、レセプターとの結合を可能とする条件下でスクリーニングすべき化合物および請求項1に記載のポリペプチドと接触させ、
(b)該ポリペプチドと該レセプターとの相互作用によって生じるシグナルの有無を検出することによって、その化合物が請求項1に記載のポリペプチドとHFGAN72レセプターとの相互作用を阻害するかどうかを決定すること、からなる方法。
Applications Claiming Priority (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US3360496P | 1996-12-17 | 1996-12-17 | |
US82051997A | 1997-03-19 | 1997-03-19 | |
US88738297A | 1997-07-02 | 1997-07-02 | |
US08/820519 | 1997-09-26 | ||
US08/887382 | 1997-09-26 | ||
US08/939093 | 1997-09-26 | ||
US60/033604 | 1997-09-26 | ||
US08/939,093 US6309854B1 (en) | 1996-12-17 | 1997-09-26 | Polynucleotides encoding ligands of the neuropeptide receptor HFGAN72 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10229887A JPH10229887A (ja) | 1998-09-02 |
JP3946847B2 true JP3946847B2 (ja) | 2007-07-18 |
Family
ID=27488130
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37002297A Expired - Lifetime JP3946847B2 (ja) | 1996-12-17 | 1997-12-17 | 神経ペプチドレセプターhfgan72の新規なリガンド |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US6309854B1 (ja) |
EP (1) | EP0849361B1 (ja) |
JP (1) | JP3946847B2 (ja) |
CA (1) | CA2218452C (ja) |
DE (2) | DE69733933T2 (ja) |
Families Citing this family (29)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU721644B2 (en) * | 1996-08-02 | 2000-07-13 | Scripps Research Institute, The | Hypothalamus-specific polypeptides |
US5935814A (en) * | 1997-04-30 | 1999-08-10 | Smithkline Beecham Corporation | Polynucleotides encoding HFGAN72Y receptor |
US6020157A (en) * | 1997-04-30 | 2000-02-01 | Smithkline Beecham Corporation | Polynucleotides encoding HFGAN72X receptor |
JP2003527302A (ja) * | 1997-12-15 | 2003-09-16 | スミスクライン ビーチャム パブリック リミテッド カンパニー | 新規な神経ペプチドレセプターhfgan72のリガンドおよびそのアゴニストまたはアンタゴニストを用いる治療方法 |
WO2000047576A1 (en) * | 1999-02-12 | 2000-08-17 | Smithkline Beecham Plc | Cinnamide derivatives as orexin-1 receptors antagonists |
DE60002984T2 (de) | 1999-02-12 | 2004-03-11 | Smithkline Beecham P.L.C., Brentford | Neue verwendung von orexinrezeptorantagonisten |
EP1190089A4 (en) * | 1999-06-25 | 2002-10-16 | Smithkline Beecham Corp | LIG 72A TREATMENT PROCESS AND VARIANTS THEREOF |
AU2001250528A1 (en) * | 2000-05-03 | 2001-11-12 | Astrazeneca Ab | Agonists/antagonists of the gpr56 receptor as appetite control agents |
AU2001297807A1 (en) * | 2000-12-20 | 2002-11-11 | Sri International | Modulators of the hypocretin system and methods of screening therefor |
GB0031527D0 (en) * | 2000-12-22 | 2001-02-07 | Smithkline Beecham Plc | New use |
US7241579B2 (en) | 2000-12-22 | 2007-07-10 | Smithkline Beecham Corporation | Method of screening for GPR40 ligands |
JP4309135B2 (ja) | 2001-05-05 | 2009-08-05 | スミスクライン ビーチャム ピー エル シー | N−アロイルサイクリックアミン |
WO2004071395A2 (en) * | 2003-02-17 | 2004-08-26 | Bayer Healthcare Ag | Diagnostics and therapeutics for diseases associated with g protein-coupled receptor ox1r (ox1r) |
US8129384B2 (en) | 2008-10-09 | 2012-03-06 | Glaxo Group Limited | Imidazo[1,2-a]pyrazines as orexin receptor antagonists |
US8093255B2 (en) | 2008-10-09 | 2012-01-10 | Glaxo Group Limited | Imidazo[1,2-A]pyrimidines as orexin receptor antagonists |
GB0823467D0 (en) | 2008-12-23 | 2009-01-28 | Glaxo Group Ltd | Novel Compounds |
EA201171293A1 (ru) | 2009-04-24 | 2012-05-30 | Глэксо Груп Лимитед | 3-азабицикло[4.1.0]гептаны, применяемые в качестве антагонистов орексина |
US20120149723A1 (en) | 2009-08-24 | 2012-06-14 | Romano Di Fabio | 5-methyl-piperidine derivatives as orexin receptor antagonists for the treatment of sleep disorder |
WO2011023585A1 (en) | 2009-08-24 | 2011-03-03 | Glaxo Group Limited | Piperidine derivatives used as orexin antagonists |
RS54101B1 (en) | 2010-09-22 | 2015-10-30 | Eisai R&D Management Co. Ltd. | A CYCLOPROPAN UNIT |
WO2012089607A1 (en) | 2010-12-28 | 2012-07-05 | Glaxo Group Limited | Novel compounds with a 3a-azabicyclo [4.1.0] heptane core acting on orexin receptors |
WO2012089606A1 (en) | 2010-12-28 | 2012-07-05 | Glaxo Group Limited | Azabicyclo [4.1.0] hept - 4 - yl derivatives as human orexin receptor antagonists |
US20150140015A1 (en) * | 2013-11-15 | 2015-05-21 | Inserm (Institut National De La Sante Et De La Recherche Medicale) | Methods and pharmaceutical compositions for the treatment of pancreatic cancer |
CA2964504C (en) | 2014-10-23 | 2022-08-23 | Eisai R&D Management Co., Ltd. | Oral dosage form comprising a cyclopropanecarboxamide derivative for use in treating insomnia |
RU2647771C2 (ru) * | 2016-04-26 | 2018-03-19 | Общество с ограниченной ответственностью "Орексал" (ООО "Орексал") | Способ получения рекомбинантного орексина а человека, плазмидная днк, штамм-продуцент |
WO2017194548A1 (en) | 2016-05-10 | 2017-11-16 | INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) | Methods and pharmaceutical compositions for the treatment of autoimmune inflammatory diseases |
CA3165481A1 (en) | 2019-12-20 | 2021-06-24 | Eisai R&D Management Co., Ltd. | Use of lemborexant for treating insomnia |
AU2021308053A1 (en) | 2020-07-17 | 2023-02-02 | Eisai R&D Management Co., Ltd. | Substituted piperidine compound and application thereof |
KR20240134870A (ko) | 2022-01-14 | 2024-09-10 | 에자이 알앤드디 매니지먼트 가부시키가이샤 | 치환된 피페리딘 화합물의 결정, 치환된 피페리딘 화합물의 염, 및 이의 결정 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU4855393A (en) * | 1992-09-10 | 1994-03-29 | New York University | Polypeptides of g-coupled receptor proteins, and compositions and methods thereof |
CA2220036A1 (en) * | 1995-05-05 | 1996-11-07 | Human Genome Sciences, Inc. | Human neuropeptide receptor |
AU721644B2 (en) | 1996-08-02 | 2000-07-13 | Scripps Research Institute, The | Hypothalamus-specific polypeptides |
US6001963A (en) * | 1996-12-17 | 1999-12-14 | Smithkline Beecham Corporation | Ligands of the neuropeptide receptor HFGAN72 |
-
1997
- 1997-09-26 US US08/939,093 patent/US6309854B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1997-12-16 CA CA002218452A patent/CA2218452C/en not_active Expired - Lifetime
- 1997-12-17 EP EP97310216A patent/EP0849361B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1997-12-17 DE DE69733933T patent/DE69733933T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1997-12-17 JP JP37002297A patent/JP3946847B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1997-12-17 DE DE0849361T patent/DE849361T1/de active Pending
-
2000
- 2000-12-15 US US09/737,379 patent/US6750026B2/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE69733933T2 (de) | 2006-01-26 |
CA2218452C (en) | 2001-12-04 |
DE69733933D1 (de) | 2005-09-15 |
US6309854B1 (en) | 2001-10-30 |
CA2218452A1 (en) | 1998-06-07 |
EP0849361A3 (en) | 2000-04-19 |
EP0849361A2 (en) | 1998-06-24 |
JPH10229887A (ja) | 1998-09-02 |
US6750026B2 (en) | 2004-06-15 |
US20020082202A1 (en) | 2002-06-27 |
DE849361T1 (de) | 2001-01-25 |
EP0849361B1 (en) | 2005-08-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3946847B2 (ja) | 神経ペプチドレセプターhfgan72の新規なリガンド | |
USRE40988E1 (en) | Ligands of the neuropeptide receptor HFGAN72 | |
JP2002508660A (ja) | Hm74a受容体 | |
JP2002512781A (ja) | Gタンパク質共役型7tm受容体(axor−1) | |
JP2002515233A (ja) | ヒトEDG3sb遺伝子 | |
JPH10295376A (ja) | ヒトgpr14レセプターのクローニング | |
JP2000083669A (ja) | Cxcr4ケモカイン受容体のヒトスプライス変異体cxcr4b | |
JPH1128093A (ja) | 新規ヒト・7−トランスメンブラン受容体をコードしているcDNAクローンHDPBI30 | |
JPH11235184A (ja) | ヒト7回膜貫通受容体をコードするcDNAクローンHNEAA8 1 | |
JP2002504492A (ja) | Gタンパク質共役型受容体Fishboy | |
JPH119289A (ja) | 新規7tm受容体(h2caa71) | |
JP2002505872A (ja) | 7回膜貫通gタンパク質共役受容体ecr673 | |
JP2002512780A (ja) | 新規7tm受容体axor−2のクローニング | |
US6323333B1 (en) | Mouse EDG1 | |
JP2002520041A (ja) | Gタンパク質共役受容体axor10 | |
US20010014458A1 (en) | Human G-protein coupled receptor GPR6sb | |
JP2002512016A (ja) | Edgファミリー遺伝子、ヒトh218 | |
JP2002223780A (ja) | マウスFrizzled−6遺伝子に類似したヒト7TM受容体 | |
JP2002511388A (ja) | ヒトgタンパク質共役受容体(gpr25) | |
JP2002521020A (ja) | ヒトボンベシン受容体サブタイプ3sb | |
JP2002517217A (ja) | hCEPR受容体 | |
JP2002504331A (ja) | Gタンパク質共役型受容体AmMaid | |
EP1104483A1 (en) | Molecular cloning of a 7tm receptor (gpr31a) | |
JP2003525571A (ja) | 7TM受容体GABAB−R2a | |
JP2002511488A (ja) | 新規化合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20011002 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20051018 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20051024 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20060621 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20060626 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070125 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070412 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110420 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120420 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120420 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130420 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130420 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140420 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |