JP2002505872A - 7回膜貫通gタンパク質共役受容体ecr673 - Google Patents

7回膜貫通gタンパク質共役受容体ecr673

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JP2002505872A
JP2002505872A JP2000535672A JP2000535672A JP2002505872A JP 2002505872 A JP2002505872 A JP 2002505872A JP 2000535672 A JP2000535672 A JP 2000535672A JP 2000535672 A JP2000535672 A JP 2000535672A JP 2002505872 A JP2002505872 A JP 2002505872A
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ハルセイ、ウェンディー、エス.
マオ、ジョイス、ユエ
サセ、ジェネッシュ、エム.
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スミスクライン ビーチャム コーポレーション
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    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy

Abstract

(57)【要約】 ECR673ポリペプチドおよびポリヌクレオチドならびに組換え技術によりこのようなポリペプチドを生産する方法が開示される。また、ECR673ポリペプチドおよびポリヌクレオチドを治療に利用する方法、およびそうした利用のための診断アッセイも開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の属する技術分野 本発明は、新たに同定されたポリペプチド、該ポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチド、治療の際ならびに治療に有効でありうるアゴニスト、アンタゴニ
ストおよび/またはインヒビターである化合物を同定する際の該ポリペプチドお
よびポリヌクレオチドの使用、さらに該ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの
生産方法に関する。
【0002】発明の背景 薬物探索プロセスには目下根本的な大変化が生じている。というのは、それが
「ゲノム機能学」(functional genomics)、すなわちハイスループット(高効率 )のゲノムまたは遺伝子に基づく生物学に及んでいるからである。このアプロー
チは「ポジショナルクローニング」に基づいた比較的初期のアプローチに急速に
取って代わりつつある。表現型、つまり生物学的機能または遺伝病が同定され、
続いてその遺伝子地図の位置を手がかりとして病因遺伝子が突き止められていた
のである。
【0003】 ゲノム機能学は、現在入手できる多くの分子生物学データベースから目的のも
のであり得る遺伝子配列を同定するための生物情報科学(bioinformatics)の様々
なツールに大きく依存している。依然として、さらなる遺伝子およびその関連ポ
リペプチド/タンパク質を、薬物探索の標的として同定し特性づける必要性が存
在している。
【0004】 多くの医学的に重要な生物学的プロセスが、Gタンパク質を含めたシグナル伝 達経路に関与しているタンパク質および/または第二メッセンジャー(例えばcAM
P)により媒介されるということはよく知られている(Lefkowitz,Nature, 1991,35
1:353−354)。本明細書中では、これらのタンパク質はGタンパク質を含む経路 に関与しているタンパク質つまりPPGタンパク質と称される。これらのタンパク 質のいくつかの例としては、アドレナリンアゴニストおよびドーパミンの受容体
(Kobilka, B.K.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1987,84:46−50;Kobilka, B
.K.ら、Science,1987,238:650−656;Bunzow,J.R.ら、Nature,1988,336:783 −787)、Gタンパク質それ自体、エフェクタータンパク質(例えばホスホリパーゼ
C、アデニルシクラーゼ、およびホスホジエステラーゼ)、アクチュエータータ ンパク質(例えばプロテインキナーゼAおよびプロテインキナーゼC)( Simon, M.I
.ら、Science,1991,252:802−8)の受容体のようなGPC受容体が挙げられる。
【0005】 例えば、シグナル伝達の一つの形態においては、ホルモンが結合することによ
り細胞内で酵素アデニル酸シクラーゼが活性化される。ホルモンによるこの酵素
の活性化はヌクレオチドGTPの存在に依存する。GTPもまたホルモンの結合に影響
を及ぼす。Gタンパク質はホルモン受容体をアデニル酸シクラーゼと結びつけて いる。Gタンパク質はホルモン受容体により活性化されると、結合していたGDPを
GTPと交換することが示された。このGTP担持形態は次に活性化されたアデニル酸
シクラーゼに結合する。GTPからGDPへの加水分解はGタンパク質自身によって触 媒され、Gタンパク質はその不活性な基底状態に戻る。したがって、Gタンパク質
はシグナルを受容体からエフェクターへ引き継ぐ中間物質として、およびシグナ
ルの持続時間を制御する時計として機能し、2つの役割を果たしている。
【0006】 Gタンパク質共役受容体の膜タンパク質遺伝子スーパーファミリーは7つの推 定上の膜貫通ドメインを有すると特徴付けられた。これらのドメインは細胞外、
または細胞質ループにより接続された膜貫通α−ヘリックスに相当すると考えら
れる。Gタンパク質共役受容体には、ホルモンやウイルス、増殖因子および神経 の受容体といった多くの生物学的に活性な受容体が含まれる。
【0007】 Gタンパク質共役受容体(他には7TM受容体としても知られている)は、少なく とも8つの異なる親水性ループをつなぐ、約20〜30アミノ酸からなる7つの保存
された疎水性の領域を含むと特徴付けられてきた。Gタンパク質共役受容体のフ ァミリーには、精神病および神経障害の治療に用いる神経弛緩薬と結合するドー
パミン受容体が含まれる。このファミリーのメンバーの他の例としてはカルシト
ニン、アドレナリン、エンドセリン、cAMP、アデノシン、ムスカリン、アセチル
コリン、セロトニン、ヒスタミン、トロンビン、キニン、濾胞刺激ホルモン、オ
プシン、内皮細胞分化遺伝子−1、ロドプシン、におい物質、およびサイトメガ ロウイルス受容体が含まれるが、これらに限らない。
【0008】 大部分のGタンパク質共役受容体は、機能性タンパク質の構造を安定化させて いると考えられるジスルフィド結合を形成する保存されたシステイン残基を、最
初の2つの細胞外ループの各々において1個有する。7つの膜貫通領域はTM1、TM
2、TM3、TM4、TM5、TM6、およびTM7と称される。TM3はシグナル伝達に関与して いる。
【0009】 システイン残基のリン酸化およびリピド化(パルミトイル化またはファルネシ ル化)はいくつかのGタンパク質共役受容体のシグナル伝達に影響を及ぼすことが
できる。大部分のGタンパク質共役受容体はその3番目の細胞質ループおよび/ま
たはカルボキシ末端内にリン酸化部位を含むことが多い。β−アドレナリン受容
体のような数種のGタンパク質共役受容体では、プロテインキナーゼAおよび/ または特異的な受容体キナーゼによるリン酸化が受容体の脱感作を媒介する。
【0010】 いくつかの受容体では、Gタンパク質共役受容体のリガンド結合部位は数個のG
タンパク質共役受容体膜貫通ドメインにより形成される親水性のソケット(socke
t)を含み、このソケットはGタンパク質共役受容体の疎水性残基に囲まれている と考えられている。各々のGタンパク質共役受容体膜貫通ヘリックスの親水性の 側は内部に面し、極性を持つリガンド結合部位を形成していると仮定されている
。TM3はTM3アスパラギン酸残基のようなリガンド結合部位を有するため、一部の
Gタンパク質共役受容体におけるリガンドの結合に関与してきた。TM5のセリン、
TM6のアスパラギンおよびTM6またはTM7のフェニルアラニンまたはチロシンもま たリガンド結合に関与している。
【0011】 Gタンパク質共役受容体は、ヘテロ三量体Gタンパク質により種々の細胞内酵素
、イオンチャンネルおよびトランスポーターに細胞内で結合し得る(Johnsonら 、Endoc.Rev.,1989,10:317−331参照)。個々のGタンパク質のαサブユニットは
特定のエフェクターを優先的に刺激して、細胞内の種々の生物学的機能をモジュ
レートする。Gタンパク質共役受容体の細胞質側の残基のリン酸化は、一部のGタ
ンパク質共役受容体のGタンパク質の共役を調節するために重要な機構であると して同定された。Gタンパク質共役受容体は、哺乳動物宿主の非常に多くの部位 で見つかっている。過去15年に渡り、7回膜貫通(7TM)受容体を標的とする350
種類近くの治療薬が市場に出回り成功してきた。
【0012】発明の概要 本発明は、ECR673、特にECR673ポリペプチドおよびECR673ポリヌクレオチド、
組換え物質、並びにその生産方法に関する。異なる態様において、本発明は、細
菌感染、真菌感染、原生生物およびウィルスの感染、特にHIV-1またはHIV-2によ
って引き起こされる感染などの感染;痛み;癌;糖尿病、肥満症;拒食症;過食
症;喘息;パーキンソン病;急性心不全;低血圧;高血圧;尿閉;骨粗鬆症;狭
心症;心筋梗塞;卒中;潰瘍;アレルギー;良性前立腺肥大;片頭痛;嘔吐;不
安、精神分裂病、躁うつ病、うつ病、せん妄、痴呆、重度精神遅滞などの精神病
および神経系疾患;ならびにハンチントン病またはジル・ド・ラ・トゥーレット
症候群などの運動異常(以後まとめて「前記疾患」という)の治療をはじめとす
る、前記ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用方法に関する。他の態様で
は、本発明は、本発明により提供される物質を用いてアゴニストおよびアンタゴ
ニスト/インヒビターを同定する方法、並びに同定された化合物を用いてECR673
平衡異常と関連した症状を治療することに関する。さらに他の態様において、本
発明は不適当なECR673活性またはECR673レベルと関連した疾病を検出するための
診断アッセイに関する。
【0013】発明の説明 一つの態様において、本発明はECR673ポリペプチドに関する。この種のペプチ
ドには、配列番号2の全長にわたる配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくと
も70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも
90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性、最も好ましくは少なく
とも97〜99%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる単離されたポリペプチ ドが含まれる。こうしたポリペプチドには配列番号2のアミノ酸配列を含んでな
るポリペプチドが含まれる。
【0014】 本発明の他のペプチドには、そのアミノ酸配列が配列番号2の全長にわたる配
列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくと も80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少な
くとも95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97〜99%の同一性を有する単離さ
れたポリペプチドが含まれる。こうしたポリペプチドとしては配列番号2のアミ
ノ酸配列からなるポリペプチドがある。
【0015】 本発明の更なるペプチドには、配列番号1に含まれるヌクレオチド配列を含ん
でなるポリヌクレオチドによりコードされる単離されたポリペプチドが含まれる
【0016】 本発明のポリペプチドは、ポリペプチドのGタンパク質共役受容体ファミリー のメンバーであると考えられる。それゆえ、それらは興味深い。というのは、特
徴付けがされたGタンパク質共役受容体は、魅力的な治療の標的であったし、こ れからもそうでありつづけるからである。さらに、ECR673等のオーファンGタン パク質共役受容体は、同様の治療のための用途を有すると考えられるからである
。これらの特性は、以後「ECR673活性」または「ECR673ポリペプチド活性」また
は「ECR673の生物学的活性」と呼ぶ。これらの活性には、前記ECR673ポリペプチ
ド、特に配列番号2のポリペプチドの抗原性活性および免疫原性活性をも含む。
好ましくは、本発明のポリペプチドは、少なくとも1つのECR673の生物学的活性
を示す。
【0017】 本発明のポリペプチドは「成熟」タンパク質の形であっても、融合タンパク質
のような、より大きいタンパク質の一部であってもよい。しばしば、追加のアミ
ノ酸配列を含めることが有利であり、このようなアミノ酸配列としては、分泌す
なわちリーダー配列、プロ配列、多重ヒスチジン残基のような精製に役立つ配列
、または組換え体生産の間の安定性を確保する付加的配列などがある。
【0018】 また、前記ポリペプチドの変異体、すなわち保存的アミノ酸置換(ある残基が
性質の似ている他の残基により置換される)により基準ポリペプチドと相違して
いるポリペプチドも本発明に含まれる。典型的なこうした置換は、Ala, Val, Le
u および Ileの間;Ser とThr の間;酸性残基 AspとGlu の間;Asn とGln の間
;塩基性残基 LysとArg の間;または芳香族残基 PheとTyr の間で起こる。特に
、数個、5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜2個または1個のアミノ酸が任
意の組合せで置換、欠失または付加されている変異体が好適である。
【0019】 本発明のポリペプチドは任意の適当な方法で製造することができる。このよう
なポリペプチドには、単離された天然のポリペプチド、組換え的に生産されたポ
リペプチド、合成的に製造されたポリペプチド、またはこれらの方法の組合せに
より製造されたポリペプチドが含まれる。こうしたポリペプチドを製造するため
の手段は当業界でよく理解されている。
【0020】 本発明の更なる態様において、本発明は、ECR673ポリヌクレオチドに関する。
このようなポリヌクレオチドには、配列番号2の全長にわたる配列番号2のアミ
ノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、
より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一
性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離された
ポリヌクレオチドが含まれる。これに関して、少なくとも97%の同一性を有する ポリペプチドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同一性を有するものがよ り一層好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドが最も好ましい ものである。かかるポリヌクレオチドとして、配列番号2のポリペプチドをコー
ドする配列番号1に含まれるヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチドが
挙げられる。
【0021】 本発明の更なるポリヌクレオチドには、配列番号2のポリペプチドをコードす
るヌクレオチド配列に対して、その全コード領域にわたって、少なくとも70%の 同一性、好ましくは少なくとも80%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同
一性、さらに好ましくは少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含 んでなる単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関して、少なくとも97
%の同一性を有するポリヌクレオチドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同
一性を有するものがより一層好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリヌ クレオチドが最も好ましいものである。
【0022】 本発明の更なるポリヌクレオチドには、配列番号1の全長にわたる配列番号1
のポリヌクレオチドに対して少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも80%
の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは少なくと も95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオ チドが含まれる。これに関して、少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオ チドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同一性を有するものがより一層好 ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチドが最も好ましいもの である。かかるポリヌクレオチドとして、配列番号1のポリヌクレオチドを含ん
でなるポリヌクレオチドおよび配列番号1のポリヌクレオチドが挙げられる。
【0023】 本発明はまた、上記の全てのポリヌクレオチドに対して相補的なポリヌクレオ
チドを提供する。
【0024】 配列番号1のヌクレオチド配列は、GPR20に対して相同性を示す(受託番号第U6
6579号、O’Dowd, B.F.ら、Gene, 187, 75-81, 1997)。配列番号1のヌクレオチ
ド配列はcDNA配列であり、配列番号2のポリペプチドである358個のアミノ酸か らなるポリペプチドをコードするポリペプチドコード配列(ヌクレオチド番号621
〜1694)を含む。配列番号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、 配列番号1に含まれるポリペプチドコード配列と同一であっても、遺伝子コード
の重複性(縮重)のため、やはり配列番号2のポリペプチドをコードする、配列
番号1に含まれる配列以外の配列であってもよい。配列番号2のポリペプチドは
、GPR20(受託番号第U66579号、O’Dowd, B.F.ら、Gene, 187, 75-81, 1997)との
相同性および/または構造的類似性を有するGタンパク質共役受容体ファミリー のその他のタンパク質に構造的に関連している。
【0025】 本発明の好適なポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、とりわけ、それと相
同なポリペプチドおよびポリヌクレオチドと同様の生物学的機能/性質をもつこ
とが期待される。さらに、本発明の好ましいポリペプチドおよびポリヌクレオチ
ドは少なくとも1つのECR673活性を有する。
【0026】 本発明のポリヌクレオチドは、標準的なクローニングおよびスクリーニング技
術により、ヒト腎臓細胞中のmRNAから誘導されたcDNAライブラリーから、EST分 析(Adams, M.D.ら、Science (1991) 252:1651-1656; Adams, M.D.ら、Nature (
1992) 355:632-634; Adams, M.D.ら、Nature (1995) 377 Supp:3-174)を用いて
得ることができる。また、本発明のポリヌクレオチドはゲノムDNAライブラリー のような天然源から得ることができ、市販された公知の技術を用いて合成するこ
ともできる。
【0027】 本発明のポリヌクレオチドを本発明のポリペプチドの組換え体生産のために用
いる場合、そのポリヌクレオチドには、成熟ポリペプチドのコード配列単独、ま
たは他のコード配列(例えば、リーダーまたは分泌配列、プレ−またはプロ−ま
たはプレプロ−タンパク質配列、もしくは他の融合ペプチド部分をコードする配
列)と同じリーディングフレーム内にある成熟ポリペプチドのコード配列が含ま
れる。例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするマーカー配列がコードされ
得る。本発明のこの態様の好ましい具体例として、マーカー配列は、pQEベクタ ー(Qiagen, Inc.)により提供されかつ Gentzら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA (
1989) 86:821-824に記載されるような、ヘキサ−ヒスチジンペプチド、またはHA
タグである。また、このポリヌクレオチドは5'および3'非コード配列、例えば、
転写されるが翻訳されない配列、スプライシングおよびポリアデニル化シグナル
、リボソーム結合部位、およびmRNA安定化配列を含んでいてもよい。
【0028】 本発明の更なる具体例としては、数個、例えば5〜10個、1〜5個、1〜3
個、1〜2個、または1個のアミノ酸残基が任意の組合せで置換、欠失または付
加されている、配列番号2のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド変異体をコ
ードするポリヌクレオチドがある。
【0029】 配列番号1に含まれるヌクレオチド配列と同一であるか十分に同一であるポリ
ヌクレオチドは、本発明のポリペプチドをコードする全長cDNAおよびゲノムクロ
ーンを単離するために、また、配列番号1に対して高い配列類似性を有する他の
遺伝子(ヒト以外の種に由来する相同体およびオーソログ体(ortholog)をコード
する遺伝子を含む)のcDNAおよびゲノムクローンを単離するために、cDNAおよび
ゲノムDNA用のハイブリダイゼーションプローブとして、または核酸増幅(PCR)
反応用のプライマーとして用いることができる。一般的に、これらのヌクレオチ
ド配列は基準のヌクレオチド配列と70%、好ましくは80%、より好ましくは90%、 最も好ましくは95%同一である。プローブまたはプライマーはたいてい15個以 上のヌクレオチドを含み、好ましくは30個以上を含み、50個以上のヌクレオ
チドを有していてもよい。特に好ましいプローブは30〜50個の範囲のヌクレ
オチドを有するものである。
【0030】 本発明のポリペプチド(ヒト以外の種に由来する相同体およびオーソログ体を
含む)をコードするポリヌクレオチドは、配列番号1の配列またはその断片を有
する標識プローブを用いて、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下
で適当なライブラリーをスクリーニングし、該ポリヌクレオチド配列を含む全長
cDNAおよびゲノムクローンを単離する各工程を含んでなる方法により得られる。
このようなハイブリダイゼーション技法は当業者に公知である。好ましいストリ
ンジェントなハイブリダイゼーション条件は、50% ホルムアミド、5×SSC (150
mM NaCl, 15mM クエン酸三ナトリウム) 、50mMリン酸ナトリウム (pH7.6)、5×
Denhardt溶液、10% デキストラン硫酸および20μg/mlの変性し剪断したサケ精子
DNAを含有する溶液中42℃で一夜インキュベートし、次いでフィルターを 0.1 ×SSC 中約65℃で洗浄することを含む。かくして、本発明は、配列番号1の配
列またはその断片を有する標識プローブを用いて、ストリンジェントなハイブリ
ダイゼーション条件下で適当なライブラリーをスクリーニングすることにより得
られるポリヌクレオチドをも包含する。
【0031】 当業者には理解されるように、多くの場合、ポリペプチドをコードする領域が
そのcDNAの5'末端で短く切断されることから、単離されたcDNA配列は不完全であ
るだろう。それは逆転写酵素のためであり、この酵素はもともと「プロセシビテ
ィ」(processivity:重合反応中に鋳型に結合した状態でいる該酵素の能力の尺
度)が低く、第一鎖cDNA合成の間にmRNA鋳型のDNAコピーを完成させることがで きない。
【0032】 全長cDNAを得るための、または短鎖cDNAを伸長させるための、当業者に公知で
利用可能な方法がいくつかあり、例えば、cDNA末端高速増幅法(RACE)に基
づいた方法がある(例えば、Frohmanら、PNAS USA 85, 8998-9002, 1988を参照 のこと)。例えばMarathonTM技術(Clontech Laboratories Inc.)により示される
ような、上記技法の最近の改良により、より長いcDNAの検索が大いに簡便化され
た。MarathonTM技術では、所定の組織より抽出されたmRNAからcDNAを作製し、各
末端に「アダプター」配列を連結する。続いて、遺伝子特異的およびアダプター
特異的なオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて核酸増幅(PCR)を行 い、cDNAの「欠失」5'末端を増幅する。次に、「nested」プライマー、すなわち
増幅産物の内部にアニールするように設計されたプライマー(典型的には、アダ
プター配列のさらに3'側にアニールするアダプター特異的プライマーおよび既知
遺伝子配列のさらに5'側にアニールする遺伝子特異的プライマー)を用いてPCR 反応を繰り返す。その後、この反応の産物をDNA塩基配列決定により解析し、こ の産物を既存のcDNAに直接結合して完全な配列とするか、または5'プライマー設
計用の新たな配列情報を用いて別の全長PCRを行うことにより、全長cDNAを構築 することができる。
【0033】 本発明の組換え体ポリペプチドは、当業界で公知の方法を用いて、発現系を含
有する遺伝子操作宿主細胞から生産することができる。したがって、更なる態様
において、本発明は、本発明の1以上のポリヌクレオチドを含有する発現系、該
発現系により遺伝子操作された宿主細胞、および組換え法による本発明ポリペプ
チドの生産に関する。本発明のDNA構築物から誘導されたRNAを用いてこの種のタ
ンパク質を生産するために、無細胞翻訳系を使用することもできる。
【0034】 組換え体生産に関しては、本発明のポリヌクレオチドの発現系またはその一部
を組み込むために宿主細胞を遺伝子操作する。宿主細胞へのポリヌクレオチドの
導入は、Davisら、Basic Methods in Molecular Biology (1986) および Sambro
okら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbo
r Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989) などの多くの標準的な
実験室マニュアルに記載された方法により行うことができる。好適なこうした方
法として、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラ
ン媒介トランスフェクション、トランスベクション(transvection)、マイクロイ
ンジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレー
ション、形質導入、スクレープローディング(scrape loading)、弾丸導入(balli
stic introduction)または感染などがある。
【0035】 適当な宿主の代表的な例として、細菌細胞(例:ストレプトコッカス、スタフ
ィロコッカス、大腸菌、ストレプトミセス、枯草菌)、真菌細胞(例:酵母、ア
スペルギルス)、昆虫細胞(例:ショウジョウバエS2、スポドプテラSf9)
、動物細胞(例:CHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、HEK293、Bowes メラノーマ
細胞)および植物細胞が挙げられる。
【0036】 多種多様な発現系を使用することができる。こうした発現系として、例えば、
染色体、エピソームおよびウイルス由来の系、例えば、細菌プラスミド由来、バ
クテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入因子由
来、酵母染色体エレメント由来、ウイルス(例:バキュロウイルス、SV40の
ようなパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、
仮性狂犬病ウイルス、レトロウイルス)由来のベクター、およびこれらの組合せ
に由来するベクター、例えば、コスミドやファージミドのようなプラスミドとバ
クテリオファージの遺伝的要素に由来するものがある。これらの発現系は発現を
起こさせるだけでなく発現を調節する制御領域を含んでいてもよい。一般的に、
宿主内でのポリペプチドの産生のためにポリヌクレオチドを維持し、増やし、発
現することができる系またはベクターはどれも使用しうる。Sambrookら、Molecu
lar Cloning: A Laboratory Manual (前掲) に記載されるような、日常的に用い
られる公知の技法のいずれかにより、適当なヌクレオチド配列を発現系に挿入す
ることができる。翻訳されたタンパク質を小胞体の内腔に、細胞周辺腔に、また
は細胞外の環境に分泌させるために、適当な分泌シグナルを目的のポリペプチド
に組み込むことができる。これらのシグナルは目的のポリペプチドに対して内因
性であっても、異種シグナルであってもよい。
【0037】 スクリーニングアッセイで使用するため本発明のポリペプチドを発現させよう
とする場合、一般にそのポリペプチドを細胞の表面に産生させることが好ましい
。その場合は、スクリーニングアッセイでの使用に先立って細胞を回収する。該
ポリペプチドが培地に分泌される場合は、そのポリペプチドを回収し精製するた
めに培地を回収する。細胞内に産生される場合は、その細胞をまず溶解し、その
後にポリペプチドを回収する必要がある。
【0038】 組換え細胞培養物から本発明のポリペプチドを回収し精製するには、硫酸アン
モニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマト
グラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマ
トグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含めた公知の方法を用いるこ
とができる。最も好ましくは、高性能液体クロマトグラフィーが精製に用いられ
る。ポリペプチドが細胞内合成、単離および/または精製中に変性されるときは
、タンパク質を再生させるための公知の技法を用いて、活性のあるコンフォメー
ションを復元することが可能である。
【0039】 本発明はまた、診断薬としての本発明のポリヌクレオチドの使用に関する。機
能障害と関連した、配列番号1のポリヌクレオチドにより特徴づけられる遺伝子
の変異型の検出は、該遺伝子の過少発現、過剰発現または変化した発現により生
ずる疾病またはその疾病への罹りやすさの診断に追加しうる、またはその診断を
下しうる診断用ツールを提供するだろう。該遺伝子に突然変異がある個体を、さ
まざまな技法によりDNAレベルで見つけ出すことができる。
【0040】 診断用の核酸は、被験者の細胞、例えば血液、尿、唾液、組織の生検または剖
検材料由来の細胞から得ることができる。検出のためにゲノムDNAを直接使用し てもよいし、分析前にPCRまたは他の増幅法を使ってゲノムDNAを酵素的に増幅し
てもよい。同様の方法でRNAまたはcDNAを使用することもできる。欠失および挿 入は、正常な遺伝子型と比較したときの増幅産物のサイズの変化により検出でき
る。点突然変異は増幅DNAを標識ECR673ヌクレオチド配列とハイブリダイズさせ ることで同定できる。完全にマッチした配列とミスマッチの二重鎖とはRNアー
ゼ消化により、または融解温度の差異により区別できる。また、DNA配列の差異 は、変性剤を含むもしくは含まないゲルでのDNA断片の電気泳動の移動度の変化 により、または直接DNA塩基配列決定によっても検出できる(例えば、Myersら、
Science (1985) 230:1242を参照のこと)。特定位置での配列変化はヌクレアー ゼプロテクションアッセイ(例えば、RNアーゼおよびS1プロテクション)または
化学的開裂法によっても確認できる(Cottonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA (
1985) 85:4397-4401を参照のこと)。別の実施態様では、例えば、遺伝子変異の
効率のよいスクリーニングを行うため、ECR673ヌクレオチド配列またはその断片
を含むオリゴヌクレオチドプローブのアレイ(array)を構築することができる。 アレイ技法は公知で、一般的な適用可能性を有し、遺伝子発現、遺伝的連鎖およ
び遺伝的変異性を含めた分子遺伝学のさまざまな問題を解き明かすために用いら
れている(例えば、M. Cheeら、Science, Vol.274, pp.610-613 (1996) を参照 のこと)。
【0041】 診断アッセイは、前記の方法によりECR673遺伝子の変異を検出することで、前
記疾患への罹りやすさを診断または判定する方法を提供する。さらに、被験者か
ら得られたサンプルからポリペプチドまたはmRNAのレベルの異常な低下または増
加を測定する方法により、前記疾患の診断を下すことができる。発現の低下また
は増加は、当業界で公知のポリヌクレオチドの定量法、例えば核酸増幅(例:PC
R、RT−PCR)、RNアーゼプロテクション、ノーザンブロッティング、その他のハ
イブリダイゼーション法のいずれかによりRNAレベルで測定することができる。 宿主から得られたサンプル中の本発明ポリペプチドのようなタンパク質のレベル
を測定するために使用できるアッセイ法は当業者によく知られている。こうした
アッセイ法として、ラジオイムノアッセイ、競合結合アッセイ、ウエスタンブロ
ット分析、ELISAアッセイなどがある。
【0042】 かくして、もう一つの態様において、本発明は、 (a) 本発明のポリヌクレオチド(好ましくは、配列番号1のヌクレオチド配列
)もしくはその断片、 (b) (a) のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、 (c) 本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)もしく
はその断片、または (d) 本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)に対す
る抗体、 を含んでなる診断用キットに関する。
【0043】 このようなキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)が実質的な構成成分であ
ることが理解されよう。かかるキットは疾患または疾患への罹りやすさ、特に細
菌感染、真菌感染、原生生物およびウィルスの感染、特にHIV-1またはHIV-2によ
って引き起こされる感染などの感染;痛み;癌;糖尿病、肥満症;拒食症;過食
症;喘息;パーキンソン病;急性心不全;低血圧;高血圧;尿閉;骨粗鬆症;狭
心症;心筋梗塞;卒中;潰瘍;アレルギー;良性前立腺肥大;片頭痛;嘔吐;不
安、精神分裂病、躁うつ病、うつ病、せん妄、痴呆、重度精神遅滞などの精神病
および神経系疾患;ならびにハンチントン病またはジル・ド・ラ・トゥーレット
症候群などの運動異常等を診断するうえで有用である。
【0044】 また、本発明のヌクレオチド配列は染色体の同定にも有用である。この配列は
個々のヒト染色体上の特定の位置を特異的にターゲッティングし、その特定位置
とハイブリダイズすることができる。本発明に従って関連配列の染色体地図を作
成することは、これらの配列と遺伝子関連疾患とを相関させるうえで重要な第一
段階である。ひとたび配列が正確な染色体位置にマップされたら、その染色体上
のその配列の物理的位置を遺伝地図データと相関させることができる。この種の
データは、例えば、V. McKusick, Mendelian Inheritance in Man (Johns Hopki
ns University Welch Medical Library からオンラインで入手可能)中に見いだ せる。その後、同一の染色体領域にマップされた遺伝子と疾患との関係を連鎖解
析(物理的に隣接した遺伝子の共遺伝)により確認する。
【0045】 罹患個体と非罹患個体とのcDNAまたはゲノム配列の差異も調べることができる
。罹患個体の一部または全部に突然変異が観察されるが、どの正常個体にも観察
されない場合は、その突然変異が疾患の原因である可能性がある。
【0046】 本発明のポリペプチド、その断片もしくは類似体、またはそれらを発現する細
胞は、本発明のポリペプチドに免疫特異的な抗体を生産するための免疫原として
も使用することができる。「免疫特異的」とは、その抗体が従来技術における他
の関連ポリペプチドに対するその親和性よりも本発明のポリペプチドに対して実
質的に高い親和性を示すことを意味する。
【0047】 本発明のポリペプチドに対する抗体は、慣用のプロトコールを用いて、動物(
好ましくはヒト以外の動物)に該ポリペプチドまたはエピトープを含む断片、類
似体もしくは細胞を投与することにより得られる。モノクローナル抗体の調製に
は、連続細胞系の培養物から抗体を産生させる任意の技法を用いることができる
。例を挙げると、ハイブリドーマ法 (Kohler, G.およびMilstein, C., Nature (
1975) 256:495-497)、トリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法 (Kozborら、
Immunology Today (1983) 4:72) およびEBV−ハイブリドーマ法 (Coleら、Monoc
lonal Antibodies and Cancer Therapy, pp.77-96, Alan R. Liss, Inc., 1985)
などがある。
【0048】 本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体をつくるために、米国特許第4,946,
778号に記載されるような一本鎖抗体の調製法を適応させることができる。また 、ヒト化抗体を発現させるために、トランスジェニックマウスまたは他の哺乳動
物を含む他の生物を利用することができる。
【0049】 前記の抗体を用いて、そのポリペプチドを発現するクローンを単離・同定した
り、アフィニティークロマトグラフィーでそのポリペプチドを精製することもで
きる。
【0050】 本発明のポリペプチドに対する抗体は、とりわけ、前記疾患の治療に使用でき
る可能性がある。
【0051】 本発明の更なる態様において、本発明は、本発明のポリペプチドまたはその断
片と、各種サブクラス(IgG、IgM、IgA、IgE)の免疫グロブリンのH鎖またはL鎖
の定常領域の様々な部分と、を含んでなる遺伝子工学的に作製された可溶性融合
タンパク質に関する。免疫グロブリンとしてはヒトIgG、特にIgG1のH鎖の定常 部が好ましく、その場合は融合がヒンジ領域で起こる。特定例では、血液凝固因
子Xaで開裂され得る開裂配列を組み込むことで、Fc部分を簡単に除去できる。さ
らに本発明は、これら融合タンパク質の遺伝子工学的作製方法、並びに薬物スク
リーニング、診断および治療におけるそれらの使用に関する。また、本発明の更
なる態様はこのような融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドに関する。
融合タンパク質技術の例は国際特許出願WO94/29458およびWO94/22914に見出せる
【0052】 本発明の更なる態様は哺乳動物において免疫学的応答を引き出す方法に関し、
この方法は、特に前記疾患から該動物を防御するための抗体および/またはT細 胞免疫応答を生ずるのに十分な本発明のポリペプチドを哺乳動物に接種すること
を含んでなる。本発明のさらに別の態様は、哺乳動物を前記疾患から防御する抗
体を産生させるような免疫学的応答を引き出すために、in vivo で本発明のポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現を指令するベクターを介して該ポ
リペプチドを供給することを含んでなる、哺乳動物において免疫学的応答を引き
出す方法に関する。
【0053】 本発明の更なる態様は、哺乳動物宿主に導入したとき、その哺乳動物において
本発明のポリペプチドに対する免疫学的応答を引き出す免疫学的/ワクチン製剤
(組成物)に関し、この組成物は本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチド
を含有する。ワクチン製剤は適当な担体をさらに含んでいてもよい。ポリペプチ
ドは胃の中で分解される可能性があるので、非経口的に(例えば、皮下、筋肉内
、静脈内または皮内注射により)投与することが好ましい。非経口投与に適した
製剤としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤およびこの製剤を受容者の血液と等
張にする溶質を含みうる水性および非水性の無菌注射液、並びに懸濁化剤または
増粘剤を含みうる水性および非水性の無菌懸濁液がある。こうした製剤は1回量
容器または数回量容器(例えば、密閉アンプルおよびバイアル)で提供すること
ができ、また、使用直前に無菌の液状担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態で
保管することもできる。ワクチン製剤はこの製剤の免疫原性を増強するためのア
ジュバント系、例えば水中油型のアジュバント系や当業界で公知の他のアジュバ
ント系を含んでいてもよい。投与量はワクチンの比活性により変化するが、ルー
チンな実験操作により簡単に決定できる。
【0054】 本発明のポリペプチドは、多くの病的状態、特に前記疾患を含めて、さまざま
な生物学的機能に関与している。それゆえ、このポリペプチドの機能を刺激また
は抑制する化合物を同定するスクリーニング法を開発することが望ましい。した
がって、更なる態様において、本発明は、このポリペプチドを刺激または抑制す
る化合物を同定するための化合物のスクリーニング法を提供する。一般的には、
前記疾患の治療および予防目的のためにアゴニストまたはアンタゴニストが使用
される。種々の供給源、例えば、細胞、無細胞調製物、化学物質ライブラリーお
よび天然産物の混合物から化合物を同定することができる。このように同定され
たアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターは、場合により、該ポリペプ
チドの天然のまたは修飾された基質、リガンド、受容体、酵素などであってよく
、また、その構造的または機能的なミメティックであってもよい(Coliganら、C
urrent Protocols in Immunology 1(2): Chapter 5 (1991)を参照のこと)。
【0055】 スクリーニング法では、本発明のポリペプチド、または該ポリペプチドを担持
する細胞もしくは膜、またはその融合タンパク質への候補化合物の結合を、候補
化合物に直接または間接的に結合された標識を用いて簡単に測定できる。あるい
はまた、スクリーニング法では標識した競合物質との競合を用いることもある。
さらに、こうしたスクリーニング法では、候補化合物がポリペプチドの活性化ま
たは抑制により生ずるシグナルを結果的にもたらすか否かを、該ポリペプチドを
担持する細胞に適した検出系を用いて試験することができる。一般的には、既知
のアゴニストの存在下で活性化のインヒビターをアッセイして、アゴニストによ
る活性化に候補化合物の存在が与える影響を調べる。アゴニストまたはインヒビ
ターの不在下で、候補化合物がポリペプチドの活性化を抑制するか否かを調べる
ことによる逆アゴニストまたはインヒビターのスクリーニング法では、構成的に
活性のあるポリペプチドが用いられる。さらに、これらのスクリーニング法は、
候補化合物と本発明のポリペプチドを含む溶液とを混ぜ合わせて混合物をつくり
、この混合物中のECR673活性を測定し、そしてこの混合物のECR673活性をスタン
ダードと比較する各ステップを単に含むだけでよい。本発明のポリペプチドのア
ンタゴニストを同定するハイスループットスクリーニングアッセイでは、上記の
ようなFc部分とECR673ポリペプチドから作製されるような融合タンパク質も使用
することができる(D. Bennettら、J. Mol. Recognition, 8:52-58 (1995) およ びK. Johansonら、J. Biol. Chem., 270(16):9459-9471 (1995)を参照のこと) 。
【0056】 スクリーニング技術の一つは、受容体の活性化によって生じる細胞外pHまたは
細胞内カルシウムの変化を測定する系における本発明の受容体を発現する細胞( 例えばトランスフェクトしたCHO細胞)の使用を含む。この技術においては、化合
物を本発明の受容体ポリペプチドを発現している細胞と接触させ得る。次いで、
第二メッセンジャー応答、例えばシグナル伝達、pHの変化、またはカルシウムレ
ベルの変化を測定し、候補化合物が受容体を活性化または阻害するかどうかを確
認する。
【0057】 別の方法は、受容体媒介cAMPおよび/またはアデニレートシクラーゼ蓄積の阻
害または刺激を測定することにより受容体インヒビターについてスクリーニング
することを含む。かかる方法は、真核細胞を本発明の受容体でトランスフェクト
して細胞表面に受容体を発現させることを含む。次いでこの細胞を本発明の受容
体の存在下でアンタゴニストの候補に曝す。その後cAMP蓄積量を測定する。アン
タゴニストの候補が受容体に結合すると、受容体結合が阻害され、受容体媒介cA
MPまたはアデニレートシクラーゼのレベルが低下または増加する。本発明の受容
体のアゴニストまたはアンタゴニストを検出するための別の方法は、米国特許第
5,482,835号に記載された酵母系技術である。
【0058】 また、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチドまたは該ポリペプチドに対す
る抗体を用いて、細胞内でのmRNAまたはポリペプチドの産生に及ぼす添加化合物
の作用を検出するためのスクリーニング法を組み立てることができる。例えば、
当業界で公知の標準方法によりモノクローナルまたはポリクローナル抗体を用い
て、ポリペプチドの分泌レベルまたは細胞結合レベルを測定するためのELISAア ッセイを構築することができ、これは適切に操作された細胞または組織からのポ
リペプチドの産生を抑制または増強する物質(それぞれアンタゴニストまたはア
ゴニストともいう)の探索に用いることができる。
【0059】 膜に結合した受容体または可溶性の受容体が存在するのであれば、当業界で公
知の標準的な受容体結合法によりこの種の受容体を同定するために本発明のポリ
ペプチドを用いることができる。こうした受容体結合法には、限定するものでは
ないが、リガンド結合アッセイおよび架橋アッセイがあり、これらのアッセイで
は、ポリペプチドを放射性アイソトープ(例:125I)で標識するか、化学的に修
飾(例:ビオチン化)するか、または検出や精製に適したペプチド配列に融合さ
せ、そして推定上の受容体源(細胞、細胞膜、細胞上清、組織抽出物、体液など
)とインキュベートする。その他の方法としては、表面プラズモン共鳴および分
光学のような生物物理的方法がある。これらのスクリーニング法は、該ポリペプ
チドまたは(存在するのであれば)その受容体への結合と競合する該ポリペプチ
ドのアゴニストまたはアンタゴニストを同定するために用いることもできる。ス
クリーニングアッセイを行うための標準的な方法は当業界でよく理解されている
【0060】 本発明のポリペプチドの潜在的なアンタゴニストの例としては、抗体、ある場
合には、該ポリペプチドのリガンド、基質、受容体、酵素などと密接な関係があ
るオリゴヌクレオチドもしくはタンパク質(例えば、リガンド、基質、受容体、
酵素などの断片)、または本発明のポリペプチドと結合するが応答を誘導しない
(それゆえ該ポリペプチドの活性を妨げる)小分子などがある。
【0061】 かくして、他の態様において、本発明は、本発明のポリペプチドのアゴニスト
、アンタゴニスト、リガンド、受容体、基質、酵素など、またはこの種のポリペ
プチドの産生を低下または増加させる化合物を同定するためのスクリーニングキ
ットに関し、このキットは、 (a) 本発明のポリペプチド、 (b) 本発明のポリペプチドを発現している組換え細胞、 (c) 本発明のポリペプチドを発現している細胞膜、または (d) 本発明のポリペプチドに対する抗体、 を含んでなり、前記ポリペプチドは好ましくは配列番号2のポリペプチドである
【0062】 このようなキットにおいて、(a)、(b)、(c)または(d)が実質的な構成成分であ
ることが理解されよう。
【0063】 当業者であれば、本発明のポリペプチドは、その構造に基づいて該ポリペプチ
ドのアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターを設計する方法にも使用で
きることが容易に理解されよう。この方法は、 (a) 最初に該ポリペプチドの三次元構造を解析し、 (b) アゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターの確実と思われる反応部
位または結合部位の三次元構造を想定し、 (c) 想定された反応部位または結合部位と結合または反応すると予想される候
補化合物を合成し、そして (d) その候補化合物が実際にアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビター
であるか否かを調べる、 ことを含んでなる。これは通常相互作用プロセスであることがさらに理解されよ
う。
【0064】 更なる態様において、本発明は、ECR673ポリペプチド活性の過剰と過少発現の
いずれかに関係した、例えば細菌感染、真菌感染、原生生物およびウィルスの感
染、特にHIV-1またはHIV-2によって引き起こされる感染などの感染;痛み;癌;
糖尿病、肥満症;拒食症;過食症;喘息;パーキンソン病;急性心不全;低血圧
;高血圧;尿閉;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;卒中;潰瘍;アレルギー;良性
前立腺肥大;片頭痛;嘔吐;不安、精神分裂病、躁うつ病、うつ病、せん妄、痴
呆、重度精神遅滞などの精神病および神経系疾患;ならびにハンチントン病また
はジル・ド・ラ・トゥーレット症候群などの運動異常などの異常な状態の治療法
を提供する。
【0065】 該ポリペプチドの活性が過剰である場合は、いくつかのアプローチが利用可能
である。一つのアプローチは、例えば、リガンド、基質、受容体、酵素などの結
合をブロックすることにより、または第2のシグナルを抑制することで異常な状
態を軽減することにより、該ポリペプチドの機能を抑制するのに有効な量で、上
記のインヒビター化合物(アンタゴニスト)を製剤学上許容される担体とともに
患者に投与することを含んでなる。もう一つのアプローチでは、内因性のポリペ
プチドとの競合状態でリガンド、基質、酵素、受容体などと結合する能力がまだ
ある可溶性形態のポリペプチドを投与することができる。このような競合物質の
典型的な例はECR673ポリペプチドの断片である。
【0066】 さらに別のアプローチでは、発現阻止法を使って内因性ECR673ポリペプチドを
コードする遺伝子の発現を抑制することができる。こうした公知技術は、体内で
産生されるか別個に投与されるアンチセンス配列の使用を必要とする(例えば、
Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression (遺伝子
発現のアンチセンスインヒビターとしてのオリゴデオキシヌクレオチド), CRC P
ress, Boca Raton, FL (1988) 中のO'Connor, J. Neurochem (1991) 56:560を参
照のこと)。あるいはまた、この遺伝子と共に三重らせんを形成するオリゴヌク
レオチドを供給することもできる(例えば、Leeら、Nucleic Acids Res (1979)
6:3073; Cooneyら、Science (1988) 241:456; Dervanら、Science (1991) 251:1
360 を参照のこと)。これらのオリゴマーはそれ自体を投与することもできるし
、関連オリゴマーをin vivo で発現させることもできる。
【0067】 ECR673およびその活性の過少発現に関係した異常な状態を治療する場合も、い
くつかのアプローチを取ることができる。一つのアプローチは、治療に有効な量
の本発明ポリペプチドを活性化する化合物(すなわち、前記アゴニスト)を製剤
学上許容される担体とともに患者に投与して、異常な状態を緩和することを含ん
でなる。別法として、患者の関連細胞においてECR673を内因的に産生させるため
に遺伝子治療を用いることができる。例えば、上で述べたような複製欠損レトロ
ウイルスベクターによる発現のために本発明のポリヌクレオチドを遺伝子操作す
る。次にレトロウイルス発現構築物を単離し、本発明のポリペプチドをコードす
るRNAを含有するレトロウイルスプラスミドベクターで形質導入されたパッケー ジング細胞に導入する。その結果、パッケージング細胞は対象の遺伝子を含有す
る感染性のウイルス粒子を産生するようになる。in vivo 細胞操作およびin viv
o ポリペプチド発現のために、これらのプロデューサー細胞を患者に投与する。
遺伝子治療の概論に関しては、Human Molecular Genetics, T Strachan and A P
Read, BIOS Scientific Publishers Ltd (1996)中のChapter 20, Gene Therapy
and other Molecular Genetic-based Therapeutic Approaches(およびその中の
引用文献) を参照のこと。もう一つのアプローチは治療量の本発明のポリペプチ
ドを適当な製剤学上の担体とともに投与することである。
【0068】 更なる態様において、本発明は、治療に有効な量のポリペプチド(例えば、可
溶性形態の本発明ポリペプチド)、アゴニストもしくはアンタゴニストペプチド
、または小分子化合物を製剤学上許容される担体または賦形剤と共に含有する医
薬組成物を提供する。この種の担体としては、食塩水、生理食塩水、デキストロ
ース、水、グリセロール、エタノール、およびこれらの組合せがあるが、これら
に限らない。本発明はさらに、上記の本発明組成物の1以上の成分を充填した1
以上の容器を含んでなる医薬パックおよびキットに関する。本発明のポリペプチ
ドおよび他の化合物は単独で使用しても、他の化合物、例えば治療用化合物と一
緒に使用してもよい。
【0069】 医薬組成物は投与経路、例えば全身または経口による投与経路に適合させるこ
とができる。全身投与に適した形態は、注入(注射)、典型的には静注である。
皮下、筋肉内または腹腔内のような他の注入経路も使用できる。全身投与の別の
手段には、胆汁酸塩、フシジン酸、その他の界面活性剤などの浸透剤を用いた経
粘膜および経皮投与がある。さらに、本発明のポリペプチドまたは他の化合物を
腸溶剤またはカプセル剤として製剤化し得るのであれば、経口投与も可能である
。これらの化合物を軟膏、ペースト、ゲルなどの剤形で局所に投与しても、かつ
/または局在化させてもよい。
【0070】 必要な投与量範囲は、本発明のペプチドまたは他の化合物の選択、投与経路、
製剤の性質、患者の状態、そして医師の判断に左右される。しかし、適当な投与
量は患者の体重1kgあたり0.1〜100μgの範囲である。入手可能な化合物が多様 であること、投与経路の効率が異なることを考慮すれば、必要とされる投与量は
広範に変動することが予測される。例えば、経口投与は静注による投与よりも高
い投与量を必要とすると予想されよう。こうした投与量レベルの変動は、当業界
でよく理解されているような、標準的経験的な最適化手順を用いて調整すること
ができる。
【0071】 治療に用いるポリペプチドは、上述したような「遺伝子治療」と称する治療法
において、患者の体内で産生させることもできる。例えば、患者由来の細胞を、
ポリペプチドをコードするDNAまたはRNAのようなポリヌクレオチドにより、例え
ばレトロウイルスプラスミドベクターを用いて、ex vivo で遺伝子工学的に操作
する。その後、これらの細胞を患者に導入する。
【0072】 ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの配列は、類似の相同性を有する別の配
列を同定する際の価値ある情報源を提供する。これは、こうした配列をコンピュ
ータ読み取り可能媒体中に保存し、次に保存したデータを用いてGCGのような
公知の検索ツールにより配列データベースを検索することで最大限促進される。
したがって、更なる態様において、本発明は、配列番号1の配列を含んでなるポ
リヌクレオチドおよび/またはそれによりコードされるポリペプチドを保存した
コンピュータ読み取り可能媒体を提供する。
【0073】 以下の定義は上記の説明中でしばしば用いられた用語を理解しやすくするため
のものである。
【0074】 本明細書中で用いる「抗体」には、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体
、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体、さらにFabまたは他の免疫グロブリン 発現ライブラリーの産物を含むFabフラグメントが含まれる。
【0075】 「単離された」とは、天然の状態から「人間の手によって」改変されたことを
意味する。「単離された」組成物または物質が天然に存在するのであれば、それ
はそのもとの環境から変化しているか分離されており、またはその両方である。
例えば、生存している動物の体内に自然界で存在するポリヌクレオチドまたはポ
リペプチドは「単離された」ものではないが、その天然状態の共存物質から分離
されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書中で用いられるように
、「単離された」ものである。
【0076】 「ポリヌクレオチド」とは、一般に任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデ
オキシリボヌクレオチドをさし、これは修飾されていないRNAもしくはDNA、また
は修飾されたRNAもしくはDNAであり得る。「ポリヌクレオチド」には、制限する
ものではないが、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合 ったDNA、一本鎖および二本鎖RNA、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合ったRNA 、DNAとRNAを含むハイブリッド分子(一本鎖でも、またはより典型的には二本鎖
でもよく、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合ったものでもよい)が含まれる。
加えて、「ポリヌクレオチド」はRNAまたはDNAまたはRNAとDNAの両方からなる三
本鎖領域を意味する。「ポリヌクレオチド」という用語はまた、1個以上の修飾
塩基を含有するDNAまたはRNA、および安定性または他の理由のために修飾された
骨格を有するDNAまたはRNAも含む。「修飾」塩基としては、例えば、トリチル化
された塩基およびイノシンのような特殊な塩基がある。DNAおよびRNAに対してさ
まざまな修飾を行うことができる。こうして、「ポリヌクレオチド」は、自然界
に一般的に存在するポリヌクレオチドの化学的、酵素的または代謝的に修飾され
た形態、並びにウイルスおよび細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包含
する。また、「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチドと称される
比較的短いポリヌクレオチドも包含する。
【0077】 「ポリペプチド」とは、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合(すなわ
ち、ペプチドアイソスター)により連結された2個以上のアミノ酸を含むペプチ
ドまたはタンパク質を意味する。「ポリペプチド」は短鎖(通常はペプチド、オ
リゴペプチドまたはオリゴマーという)と長鎖(一般的にはタンパク質という)
の両方をさす。ポリペプチドは20種類の遺伝子コード化アミノ酸以外のアミノ酸
を含んでもよい。「ポリペプチド」は、翻訳後プロセシングのような天然のプロ
セスで、または当業界で公知の化学的修飾法のいずれかで修飾されたアミノ酸配
列を含む。このような修飾は基本的な教科書、より詳細な学術論文および研究文
献に詳述されている。修飾はペプチド骨格、アミノ酸側鎖、アミノまたはカルボ
キシル末端を含めてポリペプチドのどこでも行うことができる。同じタイプの修
飾が所定のポリペプチドのいくつかの部位に同程度でまたはさまざまに異なる程
度で存在してもよい。また、所定のポリペプチドが多くのタイプの修飾を含んで
いてもよい。ポリペプチドはユビキチン化のために分枝していても、分枝のある
又はない環状であってもよい。環状の、分枝した、または分枝した環状のポリペ
プチドは翻訳後の天然プロセスから生じることがあり、また、合成法によって製
造することもできる。修飾としては、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化 、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌ
クレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジ
ルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合の形成、脱メチル化
、共有結合架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化
、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨ ウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセシング、リン
酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化のようなタ
ンパク質へのアミノ酸の転移RNA媒介付加、ユビキチン化などがある(例えば、P
roteins - Structure and Molecular Properties 2nd Ed., T.E. Creighton, W.
H. Freeman and Company, New York, 1993; Posttranslational Covalent Modif
ication of Proteins, B.C. Johnson編, Academic Press, New York, 1983中のW
old, F., Post-translational Protein Modifications: Perspectives and Pros
pects, pgs. 1-12; Seifterら、“Analysis for protein modifications and no
nprotein cofactors", Meth Enzymol (1990) 182:626-646;および Rattanら、“
Protein Synthesis: Post-translational Modifications and Aging", Ann NY A
cad Sci (1992) 663:48-62 を参照のこと)。
【0078】 本明細書中で用いる「変異体」とは、基準のポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドと異なるが、不可欠な性質を保持しているポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドのことである。典型的なポリヌクレオチドの変異体は基準ポリヌクレオチド
とヌクレオチド配列の点で相違する。この変異体のヌクレオチド配列の変化は、
基準ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変更
しても、しなくてもよい。ヌクレオチドの変化は、以下で述べるように、基準配
列によりコードされるポリペプチドのアミノ酸の置換、欠失、付加、融合および
末端切断(トランケーション)をもたらしうる。典型的なポリペプチドの変異体
は基準ポリペプチドとアミノ酸配列の点で相違する。一般的には、基準ポリペプ
チドの配列と変異体の配列が全般的によく類似しており、多くの領域で同一とな
るような相違に限られる。変異体と基準ポリペプチドは任意に組み合わせた1以
上の置換、欠失、付加によりアミノ酸配列が相違していてよい。置換または付加
されるアミノ酸残基は遺伝子コードによりコードされるものであっても、なくて
もよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体は対立遺伝子変異体のよ
うに天然に存在するものでも、天然に存在することが知られていない変異体であ
ってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの天然に存在しない変異体は
、突然変異誘発法または直接合成により作製することができる。
【0079】 「同一性」とは、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の同一性の尺度である
。一般に、配列同士は最も高いマッチ(一致)が得られるようにアライメントさ
れる。「同一性」は、それ自体、当技術分野で認識された意味を有し、公表され
た技法により算出することができる(例えば Computational Molecular Biology
, Lesk, A.M.編, Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing: I
nformatics and Genome Projects, Smith, D.W. 編, Academic Press, New York
, 1993; Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M. and Gr
iffin, H.G. 編, Humana Press, New Jersey, 1994; Sequence Analysis in Mol
ecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987;およびSequence Anal
ysis Primer, Gribskov, M.およびDevereux, J. 編, M Stockton Press, New Yo
rk, 1991を参照のこと)。2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列 の間の同一性を測定するための方法がいくつか存在するが、用語「同一性」は、
当業者によって良く知られている(Carillo, H.およびLipton, D., SIAM J. Appl
ied Math., 48: 1073 (1988))。2配列間の同一性または類似性を決定するために
通常用いられている方法には、Guide to Huge Computers, Martin J. Bishop編 、Academic Press, San Diego, 1994およびCarillo, H.およびLipton, D., SIAM
J. Applied Math.(1988) 48: 1073に記載されているものがあるが、これらに限
定されない。同一性および類似性を決定する方法はコンピュータプログラムにま
とめられている。2配列間の同一性および類似性を決定するため の好ましいコンピュータプログラム法としては、GCGプログラムパッケージ (Dev
ereux, J.ら、Nucleic Acids Research (1984) 12(1):387)、BLASTP、BLASTNお よびFASTA (Atschul, S.F.ら、J. Molec. Biol. (1990) 215:403) があるが、こ
れらに限らない。
【0080】 例として、本発明のポリヌクレオチド配列は、配列番号1の基準配列と同一で
ある、すなわち基準配列に対して100%の同一性を有するか、または該基準配列に
対して、一定の整数個までのヌクレオチド変異を含んでいてもよい。そのような
変異は少なくとも1個のヌクレオチドの欠失、置換(トランジションおよびトラ
ンスバージョンを含む)または挿入よりなる群から選択され、こうした変異は基
準ヌクレオチド配列の 5'もしくは 3'末端位置、またはこれらの末端位置の間の
どこに存在してもよく、基準配列中のヌクレオチドの間に個々に、または基準配
列内に1以上の連続するグループとして散在する。ヌクレオチド変異の数は、配
列番号1のヌクレオチドの総数に、それぞれの同一性%値の絶対比率(100で割っ
た値)を掛け、その積を配列番号1のヌクレオチドの総数から差し引くことによ
り、すなわち、次式: nn ≦xn −(xn・y) により求めることができる。式中、nnはヌクレオチド変異の数であり、xnは配
列番号1のヌクレオチドの総数であり、yは50%については0.50、60%については
0.60、70%については0.70、80%については0.80、85%については0.85、90%につい
ては0.90、95%については0.95、97%については0.97、または100%については1.00
であり、さらにxnとyの非整数の積は、その積をxnから引く前に、最も近似す
る整数に切り下げる。配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
配列の改変は、そのコード配列にナンセンス、ミスセンスまたはフレームシフト
突然変異を生じさせ、それにより、こうした変異後に該ポリヌクレオチドにより
コードされたポリペプチドを改変させることができる。
【0081】 同様に、本発明のポリペプチド配列は、配列番号2の基準配列と同一である、
すなわち基準配列に対して100%の同一性を有するか、または同一性%が100%未満 であるように基準配列に対して一定の整数個までのアミノ酸変異を含むことがで
きる。このような変異は少なくとも1個のアミノ酸の欠失、置換(保存的および
非保存的アミノ酸置換を含む)または挿入よりなる群から選択され、これらの変
異は基準ポリペプチド配列のアミノもしくはカルボキシ末端位置、またはこれら
の末端位置の間のどこに存在してもよく、基準配列中のアミノ酸の間に個々に、
または基準配列内に1以上の連続したグループとして散在する。アミノ酸変異の
数は、配列番号2中のアミノ酸の総数にそれぞれの(100で割った)同一性%の絶
対比率を掛け、その積を配列番号2中のアミノ酸の総数から引くことにより、す
なわち次式により求められる。
【0082】 na ≦xa −(xa・y) 式中、naはアミノ酸変異の数であり、xaは配列番号2中のアミノ酸の総数であ
り、yは例えば70%については0.70、80%については0.80、85%については0.85等 であり、さらにxaとyの非整数の積は、その積をxaから引く前に、最も近似す
る整数に切り下げる。
【0083】 「融合タンパク質」とは、2つの、しばしば無関係の、融合された遺伝子また
はその断片によりコードされるタンパク質のことである。一例として、EP-A-0 4
64には、免疫グロブリン分子の定常領域の様々な部分と他のヒトタンパク質また
はその一部とを含んでなる融合タンパク質が記載されている。多くの場合、治療
および診断における使用には、融合タンパク質の一部として免疫グロブリンFc
領域を使用することが有利であり、これにより例えば薬物速度論的性質が向上す
る(例えば、EP-A 0232 262を参照のこと)。一方、いくつかの使用にとっては 、その融合タンパク質を発現させ、検出し、精製した後でFc部分を除去すること
が望ましいだろう。
【0084】 本明細書中に引用された、特許および特許出願明細書を含めた全ての刊行物は
、あたかも各刊行物が明確にかつ個々に示されているかのように、その全体を参
考としてここに組み入れるものとする。
【0085】実施例 実施例1:哺乳動物細胞における発現 本発明の受容体を、ヒト胚腎293(HEK293)細胞または付着性dhfr CHO細胞の いずれかにおいて発現させた。受容体の発現を最大にするために、pCDNまたはpC
DNA3ベクターへ挿入する前に、一般的には全ての5’および3’非翻訳領域(UTRs
)を受容体cDNAから取り除いた。これらの細胞をリポフェクチンを用いて個々の
受容体cDNAによりトランスフェクトし、400 mg/mlのG418の存在下で選択した。
3週間の選択後に、個々のクローンを拾い、さらなる分析のために増殖させた。 ベクターのみでトランスフェクトしたHEK293またはCHO細胞を陰性対照として使 用した。個々の受容体を安定して発現している細胞系を単離するために、一般的
に約24個のクローンを選択し、ノーザンブロット分析により分析した。受容体mR
NAは、通常、分析したG418耐性クローンの約50%において検出可能であった。
【0086】 実施例2:結合アッセイおよび機能アッセイ用のリガンドバンク(bank) 200を越える推定上の受容体リガンドのバンクがスクリーニングのために集成 された。このバンクには以下のものが含まれる。すなわち、ヒトの7回膜貫通(7
TM)受容体を介して作用することが知られている伝達物質、ホルモンおよびケモ カイン;ヒト7TM受容体の推定上のアゴニストでありうる、天然に存在する化合 物;非哺乳動物の生理活性ペプチド(哺乳動物の対応物は未だ同定されていない)
;および天然には見出せないが未知の天然リガンドと共に7TM受容体を活性化す
る化合物である。このバンクは結合アッセイと機能(すなわち、カルシウム、cAM
P、ミクロフィジオメーター(microphysiometer)、卵母細胞電気生理学など、以 下を参照)アッセイの両方を用いて、既知のリガンドに対する該受容体を最初に スクリーニングするために使用された。
【0087】 実施例3:リガンド結合アッセイ リガンド結合アッセイは受容体薬理学をつきとめるための直接的な方法を提供
し、また高処理量方式にも適用が可能である。受容体の精製リガンドを結合実験
のために高い比活性( 50−2000Ci/mmol)で放射性標識した。次に、放射性標識 化のプロセスがその受容体に対するリガンドの活性を低下させないことを確かめ
た。緩衝液、イオン、pHおよびヌクレオチドのような他のモジュレーターについ
てのアッセイ条件を最適化し、膜および全細胞の両受容体源についての実施可能
な生じうるシグナル対ノイズ比を確立した。これらのアッセイのために、特異的
受容体結合を、全結合放射能から、過剰の未標識競合リガンドの存在下で測定し
た放射能を差し引いた値として定義した。可能であれば、2以上の競合リガンド
を用いて残留する非特異的な結合を確定する。
【0088】 実施例4:アフリカツメガエル卵母細胞における機能アッセイ 本発明の受容体cDNAをコードする線状化プラスミドの鋳型からのキャップした
RNA転写物を、標準的な手法に従い、in vitroでRNAポリメラーゼを使用して合成
した。in vitroでの転写物を最終濃度0.2 mg/mlで水中に懸濁した。卵巣葉(ova
rian lobes)を成熟雌カエルから取り出し、ステージVの脱濾胞化卵母細胞を得て
、RNA転写物(10ng/卵母細胞)を微量注入装置を用いて50nlで単回注入した。2 つの電極電位クランプを用いて、アゴニストへの暴露に応答した個々のアフリカ
ツメガエルの卵母細胞からの電流を測定した。室温でCa2+を含まないバース(Bar
th's)培地中で記録を行なった。このアフリカツメガエル系を使用して、活性化 用リガンドについての既知のリガンドおよび組織/細胞抽出物をスクリーニング
することができる。
【0089】 実施例5:ミクロフィジオメトリックアッセイ 多様な第二メッセンジャー系の活性化により、細胞から少量の酸が放出される
。この酸は主として細胞内のシグナル伝達プロセスを活気づけるために必要な代
謝活性が増強した結果として産出される。この細胞を取り巻く培地におけるpHの
変化は非常に小さいが、サイトセンサー( CYTOSENSOR )ミクロフィジオメーター
( Molecular Devices Ltd., Menlo Park,CA )により検出できる。したがって 、このサイトセンサーは本発明のGタンパク質共役受容体のような、細胞内シグ ナル伝達経路を利用するエネルギーに共役する受容体の活性化を検出することが
できる。
【0090】 実施例6:抽出物/細胞上清スクリーニング 多くの哺乳動物受容体が存在するが、今のところ同一動物種(cognate)の活性 化用リガンド(アゴニスト)は見つかっていない。したがって、これらの受容体を
活性化するリガンドは、今日までに同定されたリガンドバンクには含まれていな
い可能性がある。よって、本発明の7TM受容体もまた、天然のリガンドを同定す
るために組織抽出物に対して機能的に(カルシウム、cAMP、ミクロフィジオメー ター、卵母細胞電気生理学などの機能スクリーンを使用して)スクリーニングさ れた。陽性の機能的な応答を示す抽出物を、活性化用リガンドが単離され同定さ
れるまで順次サブ分画することができる。
【0091】 実施例7:カルシウムおよびcAMP機能アッセイ HEK293細胞で発現された7TM受容体は、PLCおよびカルシウムの動員活性化およ
び/またはcAMPの刺激または阻害と機能的に共役することが示された。受容体ト
ランスフェクト細胞またはベクター対照細胞におけるHEK293細胞中の基礎カルシ
ウムレベルは、正常な100nM〜200nMの範囲で観察された。組換え受容体を発現し
ているHEK293細胞を、fura2を添加し、一日で>150個の選択したリガンドまた は組織/細胞抽出物をアゴニスト誘導カルシウム動員について評価した。同様に
、組換え受容体を発現しているHEK293細胞を標準的なcAMP定量アッセイを用いて
、cAMP産生の刺激または阻害について評価した。一時的にカルシウムを動員する
、またはcAMPの変動を示すアゴニストをベクター対照細胞で試験し、このときの
応答が受容体を発現しているトランスフェクト細胞に特有なものであるかどうか
を決定した。
【0092】 配列表フリーテキスト 配列情報 配列番号1 配列番号2
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/68 Z 5/10 G01N 33/15 Z C12P 21/02 33/50 Z C12Q 1/68 33/53 M G01N 33/15 33/68 33/50 C12P 21/08 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/68 A61K 37/02 // C12P 21/08 C12N 5/00 A (72)発明者 マオ、ジョイス、ユエ アメリカ合衆国 08108 ニュージャージ ー州、ウエストモント、カスバート ブー ルヴァード 119イー、カスバート マノ ア アパートメンツ アール−3 (72)発明者 サセ、ジェネッシュ、エム. アメリカ合衆国 19406 ペンシルベニア 州、キング オブ プルシア、ハンターズ ラン 107

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(i)〜(iii)からなる群から選択される単離されたポリ
    ペプチド: (i) 配列番号2の全長にわたる配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも (a) 70%の同一性、 (b) 80%の同一性、 (c) 90%の同一性、もしくは (d) 95%の同一性、 を有する群から選択されるアミノ酸配列を含んでなる単離されたポリペプチド、
    (ii) 配列番号2のアミノ酸配列を含んでなる単離されたポリペプチド、または (iii) 配列番号2のアミノ酸配列からなる単離されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 以下の(i)〜(vi)からなる群から選択される単離されたポリ ヌクレオチド、またはその単離されたポリヌクレオチドに相補的なヌクレオチド
    配列: (i) 配列番号2の全長にわたる配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも (a) 70%の同一性、 (b) 80%の同一性、 (c) 90%の同一性、もしくは (d) 95%の同一性、 を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポ
    リヌクレオチド、 (ii) 配列番号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に対して、その 全長にわたって、少なくとも (a) 70%の同一性、 (b) 80%の同一性、 (c) 90%の同一性、もしくは (d) 95%の同一性、 を有するヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド、 (iii) 配列番号1の全長にわたる配列番号1のヌクレオチド配列に対して少なく
    とも (a) 70%の同一性、 (b) 80%の同一性、 (c) 90%の同一性、もしくは (d) 95%の同一性、 を有するヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド、 (iv) 配列番号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単 離されたポリヌクレオチド、 (v) 配列番号1のポリヌクレオチド配列からなる単離されたポリヌクレオチド、
    および (vi) 適当なライブラリーを、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件 下で、配列番号1の配列またはその断片を有する標識プローブでスクリーニング
    することにより得られる単離されたポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のポリペプチドに対して免疫特異的な抗体。
  4. 【請求項4】 被験者を治療する方法であって、 (i) 該被験者が請求項1に記載のポリペプチドの活性または発現の増加を必要と
    する場合には、 (a) 前記ポリペプチドに対する治療上有効な量のアゴニストを該被験者に
    投与すること、および/または (b) 前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離さ
    れたポリヌクレオチドを、in vivo で該ポリペプチド活性を産生させるような形
    態で被験者に投与すること、 を含んでなり、 (ii)該被験者が請求項1に記載のポリペプチドの活性または発現の抑制を必要と
    する場合には、 (a) 前記ポリペプチドに対する治療上有効な量のアンタゴニストを被験者
    に投与すること、および/または (b) 前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の発現を抑制する核
    酸分子を被験者に投与すること、および/または (c) 前記ポリペプチドと、そのリガンド、基質、もしくは受容体について
    競合する治療上有効な量のポリペプチドを被験者に投与すること、 を含んでなる、上記被験者を治療する方法。
  5. 【請求項5】 被験者における請求項1に記載のポリペプチドの発現または
    活性に関連した該被験者の疾病または該疾病への罹りやすさを診断する方法であ
    って、 (a) 該被験者のゲノム内の該ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列中に
    突然変異が存在するか否かを調べること、および/または (b) 該被験者から得られたサンプル中の該ポリペプチド発現の存在または量を
    分析すること、 を含んでなる方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のポリペプチドの機能を刺激または抑制する
    化合物を同定するためのスクリーニング法であって、 (a) 候補化合物と、該ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持している細
    胞もしくはその膜)またはその融合タンパク質との結合を、該候補化合物に直接
    または間接的に結合させた標識により測定すること、 (b) 候補化合物と、該ポリペプチド(または該ポリペプチドを担持している細
    胞もしくはその膜)またはその融合タンパク質との結合を、標識競合物質の存在
    下で測定すること、 (c) 候補化合物が該ポリペプチドの活性化または抑制により生ずるシグナルを
    もたらすか否かを、該ポリペプチドを担持している細胞または細胞膜に適した検
    出系を用いて調べること、 (d) 候補化合物と、請求項1に記載のポリペプチドを含有する溶液とを一緒に
    して混合物を調製し、該混合物中の該ポリペプチドの活性を測定して、該混合物
    の活性をスタンダードと比較すること、または (e) 候補化合物が細胞における該ポリペプチドをコードするmRNAおよび該ポリ
    ペプチドの産生に及ぼす効果を例えばELISAアッセイを用いて検出すること、 よりなる群から選択される方法を含んでなるスクリーニング法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴ
    ニスト。
  8. 【請求項8】 発現系が適合性の宿主細胞内に存在する場合に請求項1に記
    載のポリペプチドを産生し得るポリヌクレオチドを含んでなる該発現系。
  9. 【請求項9】 宿主細胞が適当な培養条件下で配列番号2の全長にわたる配
    列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列 を含んでなるポリペプチドを産生するように、請求項8に記載の発現系を用いて
    細胞を形質転換またはトランスフェクションすることを含んでなる、組換え宿主
    細胞の作製方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法により得られる組換え宿主細胞。
  11. 【請求項11】 配列番号2の全長にわたる配列番号2のアミノ酸配列に対
    して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを 発現している請求項10に記載の組換え宿主細胞の膜。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の宿主細胞を前記ポリペプチドを産生さ
    せるのに十分な条件下で培養し、その培養培地から該ポリペプチドを回収するこ
    とを含んでなる、前記ポリペプチドの生産方法。
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