JP3946476B2 - 発酵乳及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、好適な粘度と組織を有する発酵乳の製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、蛋白質含量が85.0重量%以上の高純度ホエー蛋白質を、当該高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して10.0重量%以上の割合で含有し、かつ寒天を当該高純度ホエー蛋白質の含量に対して5〜20重量%の割合で含有する発酵乳であって、均質装置により9.8MPaの圧力でカードを破砕して測定した粘度が1200cp以上であることを特徴とする発酵乳、及び蛋白質含量が85.0重量%以上の高純度ホエー蛋白質を、当該高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して10.0重量%以上の割合で含有し、かつ寒天を当該高純度ホエー蛋白質の含量に対して5〜20重量%の割合で含有する発酵乳原料を、80℃以上100℃以下の温度で5分間以上30分間以下の時間で加熱殺菌し、冷却し、乳酸菌スターターを添加して発酵させ、得られた発酵乳のカードを9.8MPa以下の均質圧力で破砕することを特徴とする発酵乳の製造方法、である。
【0002】
本発明において、百分率の表示は、特に断りのない限り、重量による値であり、粘度の表示は、B型粘度計(東京計器社製)を使用し、4番ローター、60回転/分、試料温度10℃の条件により測定した値である。
【0003】
【従来の技術】
メチニコフが発酵乳の一種であるヨーグルトの健康増進効果を主張して以来、発酵乳は世界中の健康に留意している人々の関心を集め、世界中の研究者により発酵乳の有する健康増進効果が証明されてきた。特に近年、わが国においても、健康志向の風潮の高まりと共に発酵乳の消費量は年々増大し、また発酵乳製品の研究開発が活発に行われ、市場における発酵乳製品の種類も多様化している。
【0004】
発酵乳は一般に、哺乳類の乳を主原料とし、これを乳酸菌、ビフィズス菌又は酵母(以下乳酸菌等と記載することがある)によって発酵させて得られる製品であり、製品の組成によって、(1)乳成分のみを原料として発酵させたプレーン発酵乳、(2)甘味量、香料、チョコレート、コーヒー等で味付けをしたフレーバード発酵乳、(3)フルーツを添加したフルーツ入り発酵乳等に、又製品の性状により、(1)固形状発酵乳、(2)糊状発酵乳、(3)液状発酵乳等に分類され、前記の組成又は性状の組合わせにより、乳幼児から老人にいたるまでの幅広い消費者年齢層に対して、それぞれの嗜好に適した発酵乳製品が製造されている。
【0005】
特に近年、わが国における発酵乳製品の多様化において、前記発酵乳の分類中、フレーバード発酵乳及びフルーツ入り発酵乳の製品が数多く開発されてきたが、これらの製品は、その性状から糊状発酵乳に分類される場合が多い。
【0006】
糊状発酵乳の製造は、まず乳を主原料とした原料の発酵により固形状発酵乳を製造し、これを攪拌しながら冷却し、発酵を終了させると共に、固形状発酵乳を破砕して滑らかなカード粒子となし、必要に応じてこれに甘味量、香料、フルーツ等を添加して最終製品とするのが一般的である。
【0007】
発酵乳は本来、寒天又はゼラチン等のゲル化剤を使用しなくとも、乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分のみを原料とした場合に、乳酸菌等を添加して静置状態で発酵させた直後は、乳の凝固によりカードを形成して固形状を呈する。
【0008】
しかしながら、乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分のみを原料として得られる固形状発酵乳から糊状発酵乳を製造する場合、発酵乳の粘度は物理的な力により容易に低下する。特に無脂乳固形分含量が低い原料(例えば、無脂乳固形分含量12.0%未満)から製造された発酵乳の粘度は、加える物理的な力の程度が強すぎた場合、著しく低下し、液状発酵乳の粘度に近い状態となる。このことは、製造設備上、特に発酵タンクの攪拌機、ライン中の輸送ポンプ及び充填機等から種々の物理的な力を受けることは避け得ない工業的発酵乳の製造において重大な問題となる。
【0009】
このような糊状発酵乳の粘度低下の問題を解決し、適当な粘度(ー般的には1200〜4000cp程度)の製品を製造するための技術として、従来より(a)発酵乳に対して必要最小限の物理的な力しか与えない製造設備となし、発酵乳の粘度を低下させない、(b)寒天、ペクチン、ゼラチン、澱粉等を増粘剤として発酵乳原料又は発酵乳に添加し、発酵乳の粘度を増強する、(c)発酵乳原料の無脂乳固形分を増強し、発酵乳の粘度を増強する、等の方法が採用されてきた。
【0010】
しかしながら、(a)の技術は製造設備の大部分を新設又は改造する必要があり、費用を要することから、容易に採用できない不都合があり、(b)の技術は発酵乳本来の持つ自然な風味を害する不都合、及び使用可能な増粘剤の多くが低温でゲル化し易い等温度管理が難しく製造工程が複雑化する等の不都合があった。また、(c)の技術は食するのに適当な粘度と比較的自然な風味をもつ糊状発酵乳を得ることは可能であるが、所望の粘度を得るためには、相当量の無脂乳固形分を増強しなければならず(一般的には原料中の無脂乳固形分を12.0%以上とする必要がある)、原料費が高価となる不都合があり、更に原料中の乳成分に由来するミネラルも同時に増加するので、塩味の強い風味となる不都合があった。
また、これらの技術を組合わせて使用することも行われているが、いずれも個々の手段の不都合を解消するまでには、至っていなかった。
【0011】
一方、近年、発酵乳のホエーオフ防止及び物性(組織、硬度、粘度等)の改良を目的として、高純度ホエー蛋白質を発酵乳製造に利用する技術が開発されている。ここでいう高純度ホエー蛋白質は、チーズ、カゼイン等を製造する際に生じるホエーから、ゲル濾過法、膜分離法、イオン交換樹脂法、又は食塩による塩析法等により、ホエー蛋白質を濃縮した濃縮物、当該濃縮物から分離して得られる液状物、又は当該液状物を乾燥して得られる粉末であり、ホエー蛋白質を高濃度(例えば、85.0%以上)に含有するものであり、例えばホエー蛋白質濃縮物、ホエー蛋白質分離物等と呼ばれるものを包含している。
【0012】
高純度ホエー蛋白質を発酵乳に使用した技術としては、(i)脱脂乳の30%までを液状のチーズホエー蛋白質濃縮物と置換して製造した攪拌されたヨーグルト[ザ・オーストラリアン・ジャーナル・オブ・デイリー・テクノロジー(The Australian Journal of Dairy Technology)、第37巻、第4号、第139ページ、1982年]、(ii)脱脂乳の固形分を脱脂粉乳とホエー蛋白質濃縮物(乾燥物)で増強して製造したヨーグルト[ザ・オーストラリアン・ジャーナル・オブ・デイリー・テクノロジー(The Australian Journal of Dairy Technology)、第39巻、第1号、第33ページ、1984年]、(iii)ヨーグルト原料の加熱殺菌後にホエー蛋白質濃縮物を添加して製造するか、又は予め加熱処理し均質化したホエー蛋白質濃縮物を殺菌前のヨーグルト原料に添加した後、加熱殺菌して製造する攪拌されたヨーグルトの製造方法(欧州特許第0184267号)、(iv)特定の限外濾過膜を通すことにより熱凝固性をなくしたホエー蛋白質濃縮物を添加することを特徴とするヨーグルトの製造法(特公平3−52940号公報)、等が知られている。
【0013】
また、本出願人は、(v)純度90%以上の高純度ホエー蛋白質を、総蛋白質の少なくとも0.6%の割合でヨーグルト原料又はヨーグルトに含有させることを特徴とするホエーオフを防止した無攪拌の固形状ヨーグルトの製造方法を先に特許出願している(特開平3−198738号公報)。
【0014】
これらの発酵乳製造への高純度ホエー蛋白質の利用技術のうち、特に(i)、(ii)及び(iii)の技術によって製造した糊状ヨーグルトの粘度は増強されることが報告されている。
【0015】
しかし、前記(i)及び(ii)の技術により製造した糊状ヨーグルトは、高純度ホエー蛋白質の使用量が低い場合には、組織は良好であるが増粘効果は低くなり、高純度ホエー蛋白質の使用量が高い場合は、増粘効果は高くなるが、組織は粗い粒状を呈しやすく、更に高純度ホエー蛋白質の使用量が高い場合には、発酵直後の固形状発酵乳は強固なカードを形成し、従来、糊状発酵乳の製造に用いられてきた製造工程では固形状発酵乳の十分な破砕効果が得られず、組織は極めて粗い粒状を呈する不都合があった。
【0016】
前記(iii)の技術は、このように高純度ホエー蛋白質を発酵乳に使用して粘度の増加を図る場合に組織が粗い粒状を呈するという問題を解決できるが、発酵乳の製造工程においてホエー蛋白質濃縮物を加熱処理し、均質化する工程を特別に設けなければならず、製造設備及び工程が複雑化する不都合があった。
【0017】
また、前記(iv)の技術では使用できる高純度ホエー蛋白質は特定の限外濾過膜を通すことにより熱凝固性を喪失したホエー蛋白質濃縮物に限られる不都合があり、更に当該技術により製造したソフトタイプ(糊状)のヨーグルトの粘度が増強された報告はない。
【0018】
本発明者等の一部は、前記従来技術の不都合を解決するために、糊状発酵乳の製造における高純度ホエー蛋白質の利用方法について鋭意研究を行った結果、意外にも高純度ホエー蛋白質使用量を高くすることにより従来糊状発酵乳の製造には適さないとされた強固なカードの固形状発酵乳を製造し、これを従来糊状発酵乳の製造において避けられてきた強度の物理的ゲル破砕手段と組合わせることにより、微細かつクリーミーな組織と、好適な粘度を合わせ持った糊状発酵乳が得られることを見出し、先願発明(特開平7−104号公報)を完成した。
【0019】
前記先願発明は、具体的には、蛋白質含量が85.0%以上の高純度ホエー蛋白質を、当該高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して10.0%以上の割合で含有し、かつ増粘剤を含まない発酵乳であって、均質装置により100Kg/cm2(SI単位換算で9.8MPaに相当)の圧力でカードを破砕して測定した粘度が1200cp以上であることを特徴とする発酵乳、並びに、蛋白質含量が85.0%以上の高純度ホエー蛋白質を、当該高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して10.0%以上の割合で含有し、かつ増粘剤を含まない発酵乳原料を、80℃以上100℃以下の温度で5分間以上30分間以下の時間で加熱殺菌し、冷却し、乳酸菌スターターを添加して発酵させ、得られた発酵乳のカードを100Kg/cm2(SI単位換算で9.8MPaに相当)以下の均質圧力で破砕することを特徴とする発酵乳の製造方法である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
前記先願発明の発酵乳は、食するのに好適な粘度、及び微細かつクリーミーな組織を有し、5℃で14日間保存した後も、組織、風味、及び食感が良好であり、ホエー分離も認められない点では優れているが、発酵乳の一般的な流通における保管温度及び期間である10℃で14日間保存時には組織が変化して荒れ、風味及び食感にも影響を及ぼすという問題点を有していた。
【0021】
従って、発酵乳の一般的な流通における保管温度及び期間である10℃で14日間保存時においても、組織、風味、及び食感が良好に維持された発酵乳及びその製造方法が待望されていた。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記先願発明に鑑みて、先願発明を改良し、先願発明の有する前記問題点を解決し得る新しい製品を開発することを目的として鋭意研究を行った結果、各種増粘剤の中から寒天を選択し、これを特定の量(高純度ホエー蛋白質の含量に対して5〜20重量%の割合)で使用することによって、発酵乳の一般的な流通における保管温度及び期間である10℃で14日間保存時においても、組織、風味、及び食感が良好に維持された糊状発酵乳が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0023】
本発明の目的は、食するのに好適な粘度と、微細かつクリーミーな組織を有し、発酵乳の一般的な流通における保管温度及び期間である10℃で14日間保存時においても、組織、風味、及び食感が良好に維持された糊状発酵乳、及び当該発酵乳を工業的規模で安価に簡便に製造する方法を提供することである。
【0024】
前記課題を解決する本発明の第一の発明は、蛋白質含量が85.0%以上の高純度ホエー蛋白質を、当該高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して10.0%以上の割合で含有し、かつ寒天を当該高純度ホエー蛋白質の含量に対して5〜20%の割合で含有する発酵乳であって、均質装置により9.8MPaの圧力でカードを破砕して測定した粘度が1200cp以上であることを特徴とする発酵乳である。
【0025】
前記課題を解決する本発明の第二の発明は、蛋白質含量が85.0%以上の高純度ホエー蛋白質を、当該高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して10.0%以上の割合で含有し、かつ寒天を当該高純度ホエー蛋白質の含量に対して5〜20%の割合で含有する発酵乳原料を、80℃以上100℃以下の温度で5分間以上30分間以下の時間で加熱殺菌し、冷却し、乳酸菌スターターを添加して発酵させ、得られた発酵乳のカードを9.8MPa以下の均質圧力で破砕することを特徴とする発酵乳の製造方法である。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について詳述する。
本発明の発酵乳の製造方法は、蛋白質含量が85.0%以上の高純度ホエー蛋白質を、当該高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して10.0%以上の割合で含有し、かつ寒天を当該高純度ホエー蛋白質の含量に対して5〜20%の割合で含有する発酵乳原料を、80℃以上100℃以下の温度で5分間以上30分間以下の時間で加熱殺菌し、冷却し、乳酸菌スターターを添加して発酵させ、得られた発酵乳のカードを9.8MPa以下の均質圧力で破砕することを特徴としている。
【0027】
本発明に使用される高純度ホエー蛋白質は、例えばチーズ、カゼイン等を製造する際に生じるホエー(例えば、甘性ホエー、酸性ホエー等)又はそれらを加工したホエー粉末、ホエー蛋白質濃縮物等、又はこれらの任意の混合物(以下これらをまとめてホエー等と記載することがある)から、ゲル濾過法、膜分離法、イオン交換樹脂法、又は食塩による塩析法等により、ホエー蛋白質を濃縮し、又は分離し、得られる液状物、又は当該液状物を乾燥して得られる粉末であり、ホエー蛋白質を85.0%以上、望ましくは90.0%以上、含有するものであり、本発明の実施に際しホエー等から調製して使用することも、又、市販品(例えば、ミライ社製等。)を用いることもできる。特に、イオン交換樹脂法により得られるホエー蛋白質分離物(以下、WPIと略記することがある。)を使用することが好ましい。
【0028】
この高純度ホエー蛋白質を、当該高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して、先願発明に示されるのと同様に食するのに好適な粘度及び風味を呈する、10.0%以上35.0%以下の割合で、必要とされる他の原料(例えば、水、生乳、牛乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、バター、クリーム等)と均一に混合し、溶解して、発酵乳原料を調製する。
本発明に使用される寒天は、寒天であれば如何なるものであってもよいが、簡便には、市販品(例えば、伊那食品社製等。)を用いることができる。
【0029】
後記する試験例の結果からも明らかなとおり、発酵乳の一般的な流通における保管温度及び期間である10℃で14日間保存時においても、組織、風味、及び食感が良好に維持された糊状発酵乳を製造するためには、この寒天を、前記高純度ホエー蛋白質の含量に対して5〜20%の割合で発酵乳原料中に添加し、含有させる必要がある。
また、発酵乳原料には砂糖をはじめとする甘味量、その他香料等通常の方法において使用される成分を添加してもよい。
【0030】
続いて発酵乳原料を加熱殺菌する。加熱殺菌の温度は80℃以上100℃以下、加熱殺菌を行う時間は5分間以上30分間以下であるが、好ましくは90℃以上95℃以下で10分間以上15分間以下である。加熱殺菌条件は、本発明においては最終的に得られる糊状発酵乳の粘度に影響を与えるので、食するのに好適な発酵乳粘度を得るために、当該加熱殺菌条件の熱履歴を保つことが重要である。
加熱殺菌後の発酵乳原料を冷却し、通常の発酵乳製造方法に従い、乳酸菌をスターターとして添加し、発酵させる。
【0031】
このようにして得られた発酵乳は、硬いカードを形成して固形状となっている。この固形状発酵乳のカードを、攪拌等の手段により大まかに破砕しながら冷却し、発酵を終了させる。本発明の発酵乳は、通常の発酵乳に比較して硬いカードを有しているため、当該冷却操作における攪拌(この分野で通常使用する攪拌機を用いる場合)した後の発酵乳は、粗い粒状の組織を有しており、ザラついた食感を与える。冷却終了後の発酵乳の粗い粒状のカードを、9.8MPa以下の均質圧力で破砕し、滑らかな組織の糊状発酵乳を得る。カードの破砕は、当該圧力でカードの均質化を行い得る均質装置、又は当該圧力での均質化に相当するカード破砕効果を有する破砕装置であれば、どのような構造の装置を使用して行ってもよいが、例えば、均質機等を使用して行うことができる。
【0032】
以上のようにして得られた本発明の発酵乳は、蛋白質含量が85.0%以上の高純度ホエー蛋白質を、当該高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して10.0%以上の割合で含有し、かつ寒天を当該高純度ホエー蛋白質の含量に対して5〜20%の割合で含有する発酵乳であって、均質装置により9.8MPaの圧力でカードを破砕して測定した粘度が1200cp以上であることを特徴とする発酵乳である。
【0033】
先願発明に示されるのと同様に、発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対する高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が10.0%未満の場合、得られる糊状発酵乳の粘度は高純度ホエー蛋白質無添加の発酵乳と大差なく、高純度ホエー蛋白質添加の効果がみられない。発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対する高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が35.0%を超える場合、得られる発酵乳の風味が劣る。
【0034】
後記する試験例の結果からも明らかなとおり、寒天が、高純度ホエー蛋白質の含量に対して5%未満の場合、得られる発酵乳には、発酵乳の一般的な流通における保管温度及び期間である10℃で14日間保存時において、組織が荒れ、風味及び食感に影響が認められる。寒天が、高純度ホエー蛋白質の含量に対して20%を超える場合、得られる発酵乳は、高粘度となり、風味及び食感に影響が認められる。
【0035】
本発明の発酵乳は、均質装置により9.8MPaの圧力でカードを破砕して、前記の条件で粘度を測定した場合、1200cp以上の粘度を有する。先願発明に示されるのと同様に、この粘度は食するのに好適な粘度である。前記均質装置とは、例えば均質機等である。
なお、本発明の発酵乳に、例えばチョコレート、フルーツソース、果肉等を混合し、フレーバード発酵乳、フルーツ入り発酵乳等を製造することもできる。
【0036】
次に、試験例を示して本発明を詳細に説明する。
試験例1
この試験は、従来技術及び先願発明の発酵乳と比較して本発明の発酵乳が、10℃で14日間保存時における、組織、風味、及び食感において優れていることを示すために行った。
(1)試料の調製
次に示す3種類の試料を調製した。
試料1:本発明の実施例1と同一の方法により製造した本発明の糊状発酵乳
試料2:寒天に変えて水を使用したことを除き、本発明の実施例1と同一の方法により製造した先願発明に相当する糊状発酵乳
試料3:WPIに変えて水を使用したことを除き、本発明の実施例1と同一の方法により製造した従来技術に相当する糊状発酵乳
【0037】
(2)試験方法
10℃で14日間保存後の各試料の組織、風味、及び食感を、いずれも次の試験方法により試験した。
(a)各試料の組織試験方法
各糊状発酵乳試料の組織の状態について、次の評価方法で肉眼観察により試験した。
各試料を
優れる:滑らかである
やや優れる:ほぼ滑らかである
やや劣る:やや荒れている
劣る:荒れている
の基準により判定した。
【0038】
(b)各試料の風味試験方法
各試料の風味を、20歳から40歳までの男女各20人からなるパネルにより、次の評価方法により官能的に試験した。
各試料を
0点:風味優れる
1点:風味やや優れる
2点:風味やや劣る
3点:風味劣る
の4段階に評価し、各試料の評価点の平均値を算出し、
優れる:0.5点未満
やや優れる:0.5点以上1.5未満
やや劣る:1.5点以上2.5未満
劣る:2.5点以上3.0未満
の基準により判定した。
【0039】
(c)各試料の食感試験方法
各試料の食感(テクスチャー)を、20歳から40歳までの男女各20人からなるパネルにより、次の評価方法により官能的に試験した。
各試料を
0点:食感優れる
1点:食感やや優れる
2点:食感やや劣る
3点:食感劣る
の4段階に評価し、各試料の評価点の平均値を算出し、
優れる:0.5点未満
やや優れる:0.5点以上1.5未満
やや劣る:1.5点以上2.5未満
劣る:2.5点以上3.0未満
の基準により判定した。
【0040】
(3)試験結果
この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から明らかなとおり、先願発明の試料2に比較して本発明の試料1は、10℃で14日間保存時における、組織、風味、及び食感において優れていることが判明した。また、従来技術の試料3に比較して本発明の試料1は、10℃で14日間保存時における組織の維持の点では同等であるが、風味、及び食感において優れていることが判明した。
【0041】
尚、蛋白質含量が85.0重量%以上の高純度ホエー蛋白質の種類、当該高純度ホエー蛋白質の含有割合を発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して10.0〜35.0%の範囲で適宜変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0042】
また、寒天の種類、及び当該寒天の含有割合を当該高純度ホエー蛋白質の含量に対して5〜20%の範囲で適宜変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0043】
【表1】
Figure 0003946476
【0044】
試験例2
この試験は、10℃で14日間保存時における、組織の状態、及び食感を指標として、適正な寒天の含有割合を調べるために行った。
(1) 試料の調製
寒天の含有割合を変更したことを除き、実施例1と同一の方法により次に示す4種類の試料(試料番号4〜7)を調製した。
試料4:寒天の含有割合を高純度ホエー蛋白質(WPI)の含量に対して2.5%の割合としたことを除き、本発明の実施例1と同一の方法により製造した糊状発酵乳
試料5:寒天の含有割合を高純度ホエー蛋白質(WPI)の含量に対して5%の割合としたことを除き、本発明の実施例1と同一の方法により製造した本発明の糊状発酵乳
試料6:寒天の含有割合を高純度ホエー蛋白質(WPI)の含量に対して20%の割合としたことを除き、本発明の実施例1と同一の方法により製造した本発明の糊状発酵乳
試料7:寒天の含有割合を高純度ホエー蛋白質(WPI)の含量に対して30%の割合としたことを除き、本発明の実施例1と同一の方法により製造した糊状発酵乳
【0045】
(2)試験方法
10℃で14日間保存後の各試料の組織及び食感を、前記試験例1と同一の試験方法により試験した。
【0046】
(3)試験結果
この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2から明らかなとおり、10℃で14日間保存時において、糊状発酵乳の組織を維持し、食感に影響を及ぼさないためには、寒天の含有割合を高純度ホエー蛋白質の含量に対して5〜20%の範囲にすることが必要であることが判明した。
【0047】
尚、蛋白質含量が85.0重量%以上の高純度ホエー蛋白質の種類、当該高純度ホエー蛋白質の含有割合を発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して10.0〜35.0%の範囲で適宜変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
また、寒天の種類を適宜変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0048】
【表2】
Figure 0003946476
【0049】
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0050】
【実施例】
実施例1
市販の脱脂粉乳(森永乳業社製)9kg、45%クリーム(森永乳業社製)7kg、高純度ホエー蛋白質としてWPI(蛋白質含量85%。ミライ社製)0.7kg、寒天(伊那食品社製)0.07kg、砂糖(三井精糖社製)6kg、及び水75.73kgを添加し、発酵乳原料(総蛋白質量として4kg含有)を調製し、これを均一に混合し溶解して、90℃で15分間加熱殺菌し、40℃に冷却し、ラクトバシラス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)及びストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)からなる混合ヨーグルトスターター(ハンセン社製)を1.5kg添加して均一に混合した。これを37℃の発酵室で5時間発酵させた後、氷水中で攪拌しながら15℃まで速やかに冷却して発酵を終了させた。
【0051】
冷却後の発酵乳をホモゲナイザー(タイプH3−1C、三丸機械社製)を使用して4.9MPaの圧力で均質化し、150ml容の紙カップに充填して、糊状発酵乳の120gの製品1000個を得た。
【0052】
得られた発酵乳製品は食するのに好適な2500cpの粘度、及び微細かつクリーミーな組織を有し、10℃で14日間保存した後も、組織、風味、及び食感が良好であり、ホエー分離も認められなかった。
【0053】
実施例2
市販の牛乳30kgに脱脂粉乳(森永乳業社製)4.7kg、45%クリーム(森永乳業社製)1.5kg、高純度ホエー蛋白質としてWPI(蛋白質含量90%。ミライ社製)0.6kg、寒天(伊那食品社製)0.1kg、砂糖(三井精糖社製)1.8kg、及び水20.1kgを添加し、発酵乳原料(総蛋白質量として3kg含有)を調製し、均一に混合し溶解して、90℃で15分間加熱殺菌し、40℃に冷却し、ラクトバシラス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)及びストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)からなる混合ヨーグルトスターター(ハンセン社製)を1.2kg添加して均一に混合した。これを37℃の発酵室で5時間発酵させた後、氷水中で攪拌しながら15℃まで速やかに冷却して発酵を終了させた。
【0054】
冷却後の発酵乳をホモゲナイザー(タイプH3−1C、三丸機械社製)を使用して9.8MPaの圧力で均質化し、得られた糊状発酵乳にイチゴプレザーブ(長谷川香料社製)24kgを添加して均一に混合した後、150ml容の紙カップに充填して、糊状発酵乳の120gの製品700個を得た。
【0055】
得られた発酵乳は食するのに好適な3900cpの粘度、及び微細かつクリーミーな組織を有し、10℃で14日間保存した後も、組織、風味、及び食感が良好であり、ホエー分離も認められなかった。
【0056】
【発明の効果】
以上詳記したとおり、本発明は、蛋白質含量が85.0%以上の高純度ホエー蛋白質を、当該高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して10.0%以上の割合で含有し、かつ寒天を当該高純度ホエー蛋白質の含量に対して5〜20%の割合で含有する発酵乳であって、均質装置により9.8MPaの圧力でカードを破砕して測定した粘度が1200cp以上であることを特徴とする発酵乳及びその製造方法に関するものであり、本発明により奏される効果は次のとおりである。
1)食するのに好適な粘度と、微細かつクリーミーな組織を有し、発酵乳の一般的な流通における保管温度及び期間である10℃で14日間保存時においても、組織、風味、及び食感が良好に維持された糊状発酵乳を提供することができる。
2)食するのに好適な粘度と、微細かつクリーミーな組織を有し、発酵乳の一般的な流通における保管温度及び期間である10℃で14日間保存時においても、組織、風味、及び食感が良好に維持された糊状発酵乳を、安価に工業的規模で簡便に製造することができる。

Claims (2)

  1. 蛋白質含量が85.0重量%以上の高純度ホエー蛋白質を、当該高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して10.0重量%以上の割合で含有し、かつ寒天を当該高純度ホエー蛋白質の含量に対して5〜20重量%の割合で含有する発酵乳であって、均質装置により9.8MPaの圧力でカードを破砕して測定した粘度が1200cp以上であることを特徴とする発酵乳。
  2. 蛋白質含量が85.0重量%以上の高純度ホエー蛋白質を、当該高純度ホエー蛋白質由来の蛋白質含量が発酵乳原料に含まれる総蛋白質含量に対して10.0重量%以上の割合で含有し、かつ寒天を当該高純度ホエー蛋白質の含量に対して5〜20重量%の割合で含有する発酵乳原料を、80℃以上100℃以下の温度で5分間以上30分間以下の時間で加熱殺菌し、冷却し、乳酸菌スターターを添加して発酵させ、得られた発酵乳のカードを9.8MPa以下の均質圧力で破砕することを特徴とする発酵乳の製造方法。
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