JP3946437B2 - クラッチ装置および動力伝達装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクを伝達する状態と伝達しない状態とに切り替えるクラッチ装置およびこのクラッチ装置を備えた動力伝達装置に関し、特に、1つの入力部材から複数の出力部材に選択的に動力を伝達させる構成を有している装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
一般的にクラッチ装置は、1入力を1出力とし、この出力のON・OFFを行っている。
また、1入力を複数出力に分割する手段として遊星歯車機構が知られているが、その出力を断続するためには、別途、クラッチ装置が必要となり、大型化するという問題を有していた。
したがって、1入力を複数出力に切り替えるコンパクトな構造の新規なクラッチ装置が望まれていた。
【0003】
従来、一般的に、自動変速機を備えた自動車では、動力源としてのエンジンと自動変速機との間の動力伝達装置としてトルクコンバータを用いている。このような技術は、例えば、自動車工学全書第9巻(昭和55年11月20日(株)山海堂発行)の第149頁に記載されている。
また、他の動力伝達手段としては、クラッチが知られており、操作の簡易性要求から必要に応じて自動的にクラッチを断接させる自動クラッチシステムも提案されており、このような構成としては、乾式の単板クラッチを用いたものが公知である。
【0004】
しかしながら、トルクコンバータは、流体を介して動力伝達を行うために、滑りによるパワーロスが生じ、燃費が悪いという問題がある。
一方、クラッチを用いた手段は、パワーロスは生じにくいが、トルクコンバータの利点である低速・高トルク伝達が難しい。すなわち、低速・高トルク伝達を行うためには、摩擦面を滑らせてトルク伝達をおこなうことになるが、このようにすると発熱するため、エンジンのアイドリング回転によりじわじわ進むいわゆるクリーピング走行や、上り坂で止まるいわゆるヒルホールドを実行することが難しい。
そこで、ヒルホールドを達成するために、ブレーキ装置において自動的に制動力を発生させることが提案されている。しかしながら、この場合、能動的に制動力を発生できる装置を搭載する必要があり、車両のコストアップを招く。
【0005】
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、1入力を複数出力に切り替えるコンパクトな構造の新規なクラッチ装置を提供することを目的としているとともに、トルク伝達効率に優れ、しかも低速・高トルク出力を可能として特に車両に適用した場合に、発進・クリープ走行やヒルホールドを行うことが可能であり、かつコンパクトで車載に有利な動力伝達装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため本発明は、入力部材と出力部材との間に配置され、入力部材側の締結面と出力部材側の締結面とが対向して設けられ、締結面を当接させてトルク伝達可能な締結状態と締結面を離してトルク伝達不可能な締結解除状態とに切替可能なクラッチ装置において、前記出力部材が複数設けられ、各出力部材に結合された締結面と、これら締結面に対応し前記入力部材に結合された締結面とが複数組設けられ、これら複数組の締結面を独立して締結および締結解除可能な締結作動手段が設けられ、前記複数組の締結面が、それぞれ径の異なる環状に形成されているとともに、同軸上でありかつ径方向に重なって内外に配置され、前記複数組の締結面として、内側クラッチを構成する内側締結面と、その外側に設けられた外側クラッチを構成する外側締結面とが設けられ、前記入力部材から半径方向に延びて前記外側締結面の入力部材側と入力部材とを結合させる隔壁部材が設けられ、前記締結作動手段として、回転トルクを軸方向の押圧力に変換して出力する外側倍力機構が、前記外側締結面を押圧可能に外側締結面の軸方向に配置され、前記隔壁部材を挟んで前記内側締結面と、この内側締結面を締結させる締結作動手段として回転トルクを軸方向の押圧力に変換して出力する内側倍力機構とが設けられ、この内側倍力機構で発生させた軸方向の押圧力を前記内側締結面に伝達する押圧部材が、前記隔壁部材を貫通して軸方向に移動可能に設けられていることを特徴とする。
【0007】
た、請求項に記載の発明は、請求項に記載のクラッチ装置において、前記内側クラッチおよび外側クラッチとして、多板クラッチが用いられ、前記内側倍力機構および外側倍力機構として、前記入力部材に連れ回り可能に取り付けられているとともに各多板クラッチに隣設されて多板クラッチを押圧可能な第2リングと、この第2リングと回転方向に相対変位可能であるとともに入力部材に連れ回り可能に取り付けられた第1リングと、これら両リングの間に設けられて両リングが回転方向に相対変位するのに伴って軸方向に倍力出力して第1リングに対して第2リングが軸方向に相対移動して多板クラッチを押圧して締結させるカム手段とを備えたコントロールカムが用いられ、各コントロールカムには、電磁ソレノイドによる吸引力を受けて第1リングの回転を制限させるパイロットクラッチが設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、上述の目的を達成するため、請求項に記載の発明の動力伝達装置は、動力源からトルク伝達される駆動軸とトルク出力する出力軸との間に設けられた遊星歯車と、この遊星歯車のキャリアと前記駆動軸との間に設けられた内側クラッチと、前記キャリアと出力軸との間に設けられた後側クラッチと、前記駆動軸と遊星歯車のサンギヤとの間に設けられた外側クラッチと、前記リングギヤを少なくとも固定する拘束手段と、を備え、前記内側クラッチおよび外側クラッチとして請求項またはに記載のクラッチ装置の内側クラッチおよび外側クラッチが用いられ、前記内側クラッチの入力部材ならびに外側クラッチの入力部材が前記駆動軸に結合され、前記内側クラッチの出力部材が前記キャリアに結合され、前記外側クラッチの出力部材が前記サンギヤに結合されていることを特徴とする手段とした。
【0009】
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の動力伝達装置において、前記駆動軸が車両のエンジンからトルク入力され、前記出力軸は車両の変速機へトルク出力されていることを特徴とする。また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の動力伝達装置において、前記ハウジング内に、ステータとロータとを有してステータとロータの間でエネルギの授受が可能に構成された発電電動機が設けられ、前記ロータが、前記サンギヤと外側クラッチとの間に設けられてサンギヤと共に回転する回転部材に取り付けられ、一方、前記ステータが前記ロータと対向して前記ハウジングに支持されていることを特徴とする。また、請求項に記載の発明は、請求項ないしいずれか1つに記載の動力伝達装置において、前記リングギヤが拘束手段によりハウジングに常時固定されていることを特徴とする。また、請求項に記載の発明は、請求項ないしいずれか1つに記載の動力伝達装置において、前記リングギヤが拘束手段によりハウジングに対して固定・開放・正転・逆転可能に構成されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の作用および効果】
請求項1に記載のクラッチ装置にあっては、入力部材に入力されたトルクを、複数組の締結面を独立して選択的に結合させることにより、複数の出力部材に選択的にトルクを伝達することができる。
このように、複数組の締結面を設けただけのコンパクトな構成で、複数の出力部材に選択的にトルク伝達できる新規なクラッチ装置を提供することができる。
【0011】
また、複数組の環状の締結面が、同軸上に径方向に重なって配置されているため、軸方向寸法を短くすることができる。したがって、軸方向寸法に制約がある部位において、適用することができる。
【0012】
また、内側締結面よりも外側に配置されている外側締結面に対して、入力部材から半径方向に延びる隔壁部材を介してトルクを伝達する。また、内側締結面と内側倍力機構との間には、上記のように入力部材から半径方向に延びる隔壁部材が介在されているが、内側倍力機構を作動させたときには、この内側倍力機構において所定の手段により入力された回転トルクを変換させた軸方向の押圧力が、隔壁部材を貫通して設けられた押圧部材を介して内側締結面に伝達される。
【0013】
このように、締結面が内外に設けられ、かつ、外側締結面にトルクを伝達する隔壁部材が半径方向に延びる構成であっても、押圧力を軸方向に伝達して、内側締結面を締結させることができる。
なお、外側締結面に関しては、隔壁部材と軸方向に重ならない位置において、外側倍力機構により外側締結面を押圧させることができるし、また、内側締結面と同様に、隔壁部材を貫通した押圧部材を用いて締結させることも可能である。
【0014】
請求項に記載の発明では、内側締結面および外側締結面の締結を、コントロールカムにより行う。すなわち、第1リングおよび第2リングが入力部材に連れ回りしている状態から電磁ソレノイドにより吸引力を発生させると、第1リングに設けられているパイロットクラッチが第1リングの回転を制限する。これにより、回転が制限された第1リングと入力部材に連れ回る第2リングとが相対回転し、この相対回転による回転トルクに応じて、両リングの間に設けられているカム手段が第2リングを軸方向に相対移動する。したがって、この第2リングの軸方向により、直接あるいは間接的に各クラッチを押圧させて締結させることができる。
【0015】
次に、請求項に記載の動力伝達装置にあっては、内側クラッチおよび後側クラッチを締結させ、外側クラッチを解放させた状態では、駆動手段のトルクが入力部材から内側クラッチを介して遊星歯車のキャリアに入力され、さらにキャリアから後側クラッチを介して出力軸に伝達される。このとき、遊星歯車においては、リングギヤを拘束手段により固定状態としても、非固定状態としても、入力トルクは1:1で出力軸に伝達される。
【0016】
一方、後側クラッチおよび外側クラッチを締結させるとともに、内側クラッチを解放させ、さらにリングギヤを拘束手段により固定して、駆動手段を駆動させると、駆動手段からのトルクが出力軸から、外側クラッチを介して遊星歯車のサンギヤに入力されてキャリアから後側クラッチを介して出力軸に出力される。
この場合、遊星歯車において減速されてキャリア出力される。したがって、駆動手段のトルクを増大させて出力軸から出力することができる。
なお、この場合の減速比は、遊星歯車の各要素における歯数に基づいて決定される。
【0017】
このように、本発明では、駆動手段のトルクをそのまま出力軸から出力させて滑りによるパワーロスの防止を図ることと、クラッチを滑らせるような発熱と制御に不利な手段を用いること無しに、トルクを増大(低速・高トルクに変換)して出力させることとの両立を図ることができる新規な動力伝達装置を提供することができるという効果が得られ、かつ、2つのクラッチを内外に配置したクラッチ装置を用いているため、動力伝達装置の全体もコンパクトに構成することができるという効果が得られる。
【0018】
したがって、請求項に記載の発明のように、本発明装置を車両のエンジンと変速機との間に配置させた場合、燃費の向上を図ることを可能とするとともに、所望の減速比を得て、発進やクリープ走行やヒルホールドを実行可能とすることができるとともに、車載に有利であるという効果が得られる。
【0019】
請求項ないしいずれか1つに記載の発明では、上述して駆動手段の駆動力の1:1出力、および低速・高トルク出力に加えて、以下の作動が可能となる。すなわち、内側クラッチのみを締結させ、かつリングギヤを固定させた状態で発電電動機を電動機駆動させると、発電電動機のトルクが遊星歯車のサンギヤに入力され、減速されてキャリアから出力され、内側クラッチを介して駆動軸に伝達される。したがって、駆動手段が非駆動状態であるときに、この駆動力により駆動手段の始動を行うことができる。また、後側クラッチのみを締結させるとともにリングギヤを固定させた状態で発電電動機を電動機として駆動させると、発電電動機の出力トルクが上記と同じく遊星歯車のサンギヤに入力されてキャリアから減速して出力され、キャリアから後側クラッチを介して出力軸に出力される。したがって、発電電動機のトルクが小さくても出力軸から出力して走行することも可能となる。あるいは、駆動手段が駆動している状態で後側クラッチに加え外側クラッチを締結させた場合には、駆動手段の駆動を発電電動機により補助することができる。
【0020】
また、車両の減速時に、後側クラッチのみを締結させるとともにリングギヤを固定させた状態で発電電動機を発電機として作動させたときには、出力軸側から入力される駆動輪トルクにより、サンギヤとともに回転部材が増速回転される。したがって、効率良くエネルギ回生することができる。
あるいは、この減速時に、後側クラッチに加えて内側クラッチも締結した場合には、出力軸から入力されたトルクが、上述のように増速されて回転部材に伝達されるのと同時に、内側クラッチから駆動軸に1:1で伝達される。したがって、エンジンブレーキも並列に作用させることが可能なものであり、回生量を調整することでエンジンブレーキによる制動力を調節することができる。
さらに、駆動手段が駆動中に、後側クラッチならびに外側クラッチを締結させて減速出力して、クリープ走行やヒルホールドが可能な状態としているときに、同時に発電電動機を発電機として作動させると、駆動手段からの伝達トルクの一部が発電電動機によりエネルギ回生されて、出力軸の出力トルクを調整して、クリープ速度の調整やヒルホールド状態の調整が可能となる。
【0021】
請求項に記載の発明では、後側クラッチおよび外側クラッチを締結させて駆動軸から入力されるトルクを、遊星歯車で減速させてトルクを増大させて出力軸に出力する状態において、さらにリングギヤを逆転させると、その逆転速度に応じて遊星歯車のキャリアの回転速度、すなわち出力軸の回転速度を任意の速度に低下させることができる。したがって、遊星歯車の各ギヤの歯数の関係で設定される減速比よりも大きな減速比を得てさらにトルクを増大して出力することができる。よって、クリープ走行やヒルホールドを実行するのに、さらに有利となる。
【0022】
一方、内側クラッチおよび後側クラッチを締結させて駆動軸から入力されるトルクを変速比1:1で出力する状態にあっては、遊星歯車においてリングギヤを固定させている場合には、サンギヤが増速されて回転速度が高くなる。ここで、リングギヤを正転させると、サンギヤの回転速度が低下される。この場合、リングギヤをキャリアと等速で回転させると、サンギヤの回転速度もこれらと等速になる。このようにすると、サンギヤと一体回転するロータの回転数が高くなり過ぎないようにすることができ、発電機の駆動効率を良好に保つことができる。
同様に、後側クラッチを締結させて、出力軸から遊星歯車に入力する回生時にあっても、リングギヤを固定しているとサンギヤが増速されるが、リングギヤを正転させることによりサンギヤの回転速度を低下させることができ、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明実施の形態1のクラッチ装置を示す断面図である。この実施の形態1は、請求項1〜4に記載の発明に対応しているものであり、複数組の締結面として内側多板クラッチ1CLと外側多板クラッチ3CLとの2組の締結面を設け、入力部材としての入力軸1から入力される駆動トルクを、出力部材としての中心軸6と回転部材12とに選択的に伝達可能に構成されているものである。
【0024】
図1において、前記入力軸1と中心軸6とは、同軸に設けられ、入力軸1の一端に中心軸6の一端の小径軸6dが相対回転可能に支持されている。なお、前記入力軸1は、軸受62を介してハウジングUHに回転自在に支持されている。また、中心軸6の他端側も図示を省略した軸受を介してハウジングUHにより回転自在に支持されている。なお、前記ハウジングUHの全体的な図示は省略しているが、図において61は、このハウジングUHの一部を構成する円盤およびこの円盤と一体の環状部材とから成る円盤アッセンブリ61である。
【0025】
次に、前記入力軸1と中心軸6との間に設けられている内側電磁クラッチA−C/Lについて説明する。
この内側電磁クラッチA−C/Lは、前記中心軸6に一体的に結合されたクラッチケース11aと、入力軸1の外周面ならびにクラッチケース11aの内周面にそれぞれ形成されたスプラインにそれぞれ結合されて交互に配置された内側締結面としての内側クラッチ板11dおよび外側クラッチ板11eから成る内側多板クラッチ1CLと、押圧部材11pとを備え、内外クラッチ板11d,11eが押圧部材11pにより押し付けられると締結状態となって、入力軸1と中心軸6との間でトルク伝達が成されるよう構成されている。
【0026】
上述した押圧部材11pの押圧作動、すなわち内側多板クラッチ1CLの締結は、前記円盤アッセンブリ61に支持されている内側電磁ソレノイド7と、その軸方向に隣設された内側コントロールカム8とにより行われる。これら内側電磁ソレノイド7および内側コントロールカム8が特許請求の範囲締結作動手段に相当する。
【0027】
前記内側コントロールカム8は、入力トルクに応じて軸方向の押圧力を発生させるもので、この内側コントロールカム8は、入力軸1との間にオイルを介在してフローティング支持されて入力軸1に連れ回り可能であるとともに少なくとも円盤アッセンブリ61により図中右方向である軸方向の移動が規制された第1リング8aと、同様に入力軸1にフローティング支持されかつ軸方向に移動可能な第2リング8bと、前記第1リング8aに放射状に複数装着されたスラストローラ8eと、このスラストローラ8eの対向面に放射状に複数形成されたカム溝8dとを備えている。そして、この内側コントロールカム8は、第1リング8aと第2リング8bとの間に相対回転方向のトルクが生じると、そのトルクに応じてスラストローラ8eがカム溝8dの傾斜面を乗り上げ、その結果、第1リング8aと第2リング8bとが軸方向に押し離されて、第1,第2リング8a,8bの間に生じたトルクを、カム溝8dの傾斜面に応じた倍率で増幅し、軸方向の押圧力に変換することができる構造となっている。
【0028】
これについて説明を加えると、前記スラストローラ8eは、円柱形状を成し、第1リング8aの内周部に設置されているもので、図2に示すように、放射状に複数配置されている。これらのスラストローラ8eは、図2のS3−S3断面図に対応した図3に示すように、第1リング8aの端面に放射状に形成された収納溝8mに一部を収納され、さらに、第1リング8aの端面に当接して装着された板状の保持板8cに形成された穴8nから一部を突出させるとともに、外周縁部分が前記穴8nの周縁に係合されて第1リング8aから脱落しないように保持されている。
一方、前記第2リング8bには、放射状にカム溝8dと平坦部8hとが交互に形成されている。なお、図2においてoilは、第2リング8bをフローティング状態とするオイルを示している。
【0029】
また、第2リング8bは、図示は省略するが、例えば入力軸1との間に設けられた付勢手段としての板ばね状のリターンスプリングの弾発力Fspにより図3(a)に示すように、第1リング8aと当接する方向に付勢されている。
この図3において(a)が両リング8a,8bが相対回転していない初期位置状態を示しており、この初期位置状態から同図(b)に示すように両リング8a,8bが相対回転すると、第2リング8bのカム溝8dがスラストローラ8eに乗り上げ、これにより図示のように相対変位shが生じ、押圧力(推進力)Fpが発生するカム作動が成される。
【0030】
図1に戻り説明を続けると、第2リング8bには、前記押圧部材11pに向けて操作ロッド9が突設され、第2リング8bが軸方向に移動すると操作ロッド9を介して押圧部材11pを押す構造となっている。なお、この操作ロッド9は、複数設けられ、それぞれが特許請求の範囲における隔壁部材としての円盤状のプレート64aを貫通して設けられており、先端にはスラストロータ9aが取り付けられ、押圧部材11pと相対回転したときにスラストローラ9aが回転して、両者間で発生する摩擦力を極めて低くする構成となっている。なお、このスラストローラ9aは、図示は省略するが、前述した内側コントロールカム8における保持板8cと同様の保持板により保持されているものとする。
【0031】
さらに、第1リング8aの外周面と、これに対面する前記円盤アッセンブリ61と一体の円筒61bの内周面には、それぞれスプラインが設けられ、これらの各スプラインに複数枚のパイロットクラッチ板8f,8gが係合され、パイロットクラッチ板8gの隣に、前記電磁ソレノイド7により吸引されるアマチュア7aが軸方向に移動可能に設けられ、特許請求の範囲におけるパイロットクラッチが構成されている。
したがって、内側電磁ソレノイド7に通電してアマチュア7aが吸引されると、パイロットクラッチ板8f,8gが圧接されて第1リング8aの回転が制限されることになり、これにより両リング8a,8bの間に回転方向のトルクが発生して内側コントロールカム8が上述したカム作動を実行して第2リング8bに軸方向の押圧力が発生して操作ロッド9を介して押圧部材11pを押すことにより、上述のクラッチ板11d,11eの締結が成される。
また、第1リング8aと円盤アッセンブリ61との端面どうしの間にもスラストローラ65が放射状に複数設けられており、両者が相対回転したときにスラストローラ65が回転して両者の間で発生する摩擦力を極めて低く抑える構成が適用されている。なお、このスラストローラ65も、図示は省略するが、内側コントロールカム8における保持板8cと同様の保持板により円盤アッセンブリ61に保持されている。
【0032】
次に、前記外側電磁クラッチC−C/Lについて説明する。この外側電磁クラッチC−C/Lは、前記内側電磁クラッチA−C/Lと同軸に内側電磁クラッチA−C/Lの外径方向に配置されて、前記回転部材12と入力軸1との間に設けられている。
すなわち、前記入力軸1と一体に、前記円盤状のプレート64aと、このプレート64aの外周端に結合された円筒部材64bとからなる回転部材64が設けられ、この回転部材64の円筒部材64bの外周にスプラインが形成されている。一方、前記回転部材12の最も外周部分に設けられている外周円筒部材12dが円筒部材64bの外側に対向して設けられ、この外周円筒部材12dの内周にもスプラインが形成され、円筒部材64bと外周円筒部材12dとのスプラインに内側クラッチ板15aと外側クラッチ板15bが軸方向に移動可能に設けられて外側締結面としての外側多板クラッチ3CLが構成されている。また、この外側多板クラッチ3CLの図中左側に押圧部材15pが設けられ、さらに、その図中左側に外側コントロールカム16ならびに外側電磁ソレノイド17が設けられている。
【0033】
これら外側コントロールカム16ならびに外側電磁ソレノイド17は、特許請求の範囲の締結作動手段に相当し、外側多板クラッチ3CLの締結および締結解除の切替を行う。
前記外側コントロールカム16も、内側コントロールカム8と同様に、第1リング16a、第2リング16b、スラストローラ16c、カム溝16d,パイロットクラッチ板16f,16gを備えている。そして、外側電磁ソレノイド17に通電されて吸引力が発生し、アマチュア17aが軸方向に移動してパイロットクラッチとしてのパイロットクラッチ板16f,16gが締結されて第1リング16aの回転が規制されると、外側コントロールカム16がカム作動して、増幅機能が得られて軸方向の作動力が発生し、これにより第2リング16bが押圧部材15pを押して外側電磁クラッチC−C/L(外側多板クラッチ3CL)を締結させる構成となっている。
また、第1リング16aと円盤アッセンブリ61との間にも、内側コントロールカム8の場合と同様に、スラストローラ66が放射状に複数設けられている。これらスラストローラ66も、図示は省略するが保持板により保持されている。
【0034】
本実施の形態1にあっては、内側電磁ソレノイド7に通電すると、内側コントロールカム8がカム作動を行って、第2リング8bに一体の操作ロッドが押圧部材11pを押圧して内側電磁クラッチA−C/Lを締結し、入力軸1から入力されるトルクを中心軸6に伝達させることができる。
一方、外側電磁ソレノイド17に通電すると外側コントロールカム16がカム作動を行って、第2リング16bが押圧部材15pを押して外側電磁クラッチC−C/Lを締結させて、入力軸1に入力されるトルクを回転部材12に伝達させることができる。
このように、入力軸1への入力トルクを1つの出力部材である中心軸6と回転部材12とに選択的に出力できる構成とするにあたり、2つのクラッチである内側電磁クラッチA−C/Lと外側電磁クラッチC−C/Lとを、同軸で内外に配置させ、かつ、それぞれの締結面を多板クラッチ構造とすることにより、軸方向にも径方向にもコンパクトでありながら、大きなトルクを伝達可能とすることができる。
【0035】
さらに、内側コントロールカム8ならびに外側コントロールカム16にあっては、カム作動を放射状に設けたスラストローラ8e,16cにより得るように構成しているため、各コントロールカム8,16に対して入力軸1から、曲げ振動や捻り振動が入力された場合、第1リング8a,16aに保持されたスラストローラ8e,16cは、第2リング8b,16bのカム溝8d,16dに対して放射状に線接触する。
したがって、両リング8a,8bが相対的に傾くことが無く、カム作動時には、全てのスラストローラ8eがカム溝8dに対して略均等に当たり、各部位において均等に押圧力Fpが発生し、片当たりなどの状態が生じない良好な作動性能が得られる。よって、各クラッチA−C/L,C−C/Lの押圧部材11p,15pを全周に亘って均等に押圧し、各多板クラッチ1CL,3CLにあっても片当たりなどの状態が生じない良好な締結作動性能が得られる。
【0036】
加えて、円盤アッセンブリ61と内側コントロールカム8および外側コントロールカム16の第1リング8a,16aとの間にもスラストローラ65,66を放射状に設けたため、各第1リング8a,16aに対して円盤アッセンブリ61との間の摩擦力が作用し難い。よって、各第1リング8a,16aに対する回転トルク制御を行うにあたり、各電磁ソレノイド7,17の駆動力のみが作用するようにして、高い制御品質を得ることができる。
【0037】
さらに、操作ロッド9の先端にもスラストローラ9aを設け、操作ロッド9と押圧部材11pとの間で摩擦力が生じないように構成したため、この摩擦力により第2リング8bが入力軸1に連れ回るのが制限される不具合が生じることがない。
【0038】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2の動力伝達装置MGUについて説明する。この実施の形態2の動力伝達装置MGUは、請求項5〜7および9に記載の発明に対応しているもので、図4に示すように、トランスミッションTM内において、エンジンEGとトランスミッションTMの前後進機構部91との間の動力伝達経路の途中、すなわち一般的な自動変速機においてトルクコンバータが配置される位置に設けられ、その内部には実施の形態1のクラッチ装置が設けられている。なお、図において92は変速機構部であり、この変速機構92と前記前後進機構部91とは、いわゆる自動変速機を構成するものである。また、これら前後進機構部91,変速機構92の構成としては手動変速機やCVTなどを用いることもできる。
【0039】
図5は動力伝達装置MGUの構成図であり、この動力伝達装置MGUは、エンジンEGのエンジン出力軸(図示省略)に連結される入力軸1と、トランスミッションTMの入力軸(図示省略)に連結される出力軸2と、この出力軸2と入力軸1との間に設けられた中心軸6と、この中心軸6の外周に設けられてトルク伝達を行う遊星歯車3と、この遊星歯車3に連結された回転要素との間で電力の授受を行う発電電動機MGと、前記入力軸1と中心軸6およびこの中心軸6と一体のキャリア32との断接を切替可能な湿式多板クラッチである内側電磁クラッチA−C/Lと、前記中心軸6およびキャリア32と出力軸2との断接を切替可能な湿式多板クラッチである後側電磁クラッチB−C/Lと、前記入力軸1と遊星歯車3のサンギヤ31との断接を切替可能な外側電磁クラッチC−C/Lと、前記遊星歯車3のリングギヤ33の固定・開放・正転・逆転が可能なブレーキモータ(特許請求の範囲の拘束手段に相当する)10とを備えている。
【0040】
なお、前記各クラッチA−C/L,B−C/L,C−C/L、発電電動機MGならびにブレーキモータ10の作動は、図4に示すコントロールユニットCUにより制御される。
【0041】
次に、動力伝達装置MGUの構成について、図6の断面図により説明する。なお、本実施の形態2にあっては、後側電磁クラッチB−C/Lは、自動変速機を構成する前後進機構部91あるいは変速機構部92に設けられている既存のクラッチを利用して構成しているため、実際の機構のアッセンブリとしては、図5における中心軸6までの構成となっているものであり、図6にあってはこのアッセンブリを示す。
また、図6により構成を説明するにあたり、内側電磁クラッチA−C/Lならびに外側電磁クラッチC−C/Lは、実施の形態1で示した構成と同じであるから同じ構成には同じ符号を付けて説明を省略し、実施の形態1との相違点についてのみ説明する。
前記入力軸1は、図外のエンジン出力軸に連結されているが、両者を連結するにあたり、エンジンEGからの曲げ振動や捩り振動を吸収する振動吸収手段を介在させるのが好ましい。
【0042】
前記中心軸6の外側には遊星歯車3が設けられている。この遊星歯車3のサンギヤ31は、前記円筒部12aの外周に一体に形成されている。
また、前記中心軸6に一体に結合された円盤6bが前記遊星歯車3のキャリア32に結合されて、キャリア32と共に回転する。
また、前記遊星歯車3のリングギヤ33の外周に円筒部材33aが一体に設けられ、この円筒部材33aの外周全周に亘ってウォームホイルギヤ33bが形成されている。
そして、このウォームホイルギヤ33bに前記ブレーキモータ10により回転されるウォームギヤ10aが噛み合わされ、ブレーキモータ10を正転および逆転することによりリングギヤ33も正転および逆転する構成となっている。また、ウォームギヤ10aの進み角λ=10°〜20°では、接触摩擦によりウォームホイルギヤ33bからの回転は不可能となっており、ブレーキモータ10を停止させている状態ではリングギヤ33は固定される。
一方、ウォームギヤ10aの進み角20°以上40°では、ウォームホイルギヤ33bからの回転は可能で、例えば、駆動手段の回転数と出力軸6の回転数比を1:1とする場合に、内側電磁クラッチA−C/Lと外側電磁クラッチC−C/L共に締結させ、リングギヤ33の回転を「開放」(拘束しない)状態とすることによって成立する。この場合、ブレーキモータ10は、連れ回るかブレーキモータ10とリングギヤ33,ウォームホイルギヤ33b,ウォームギヤ10aの間に設けたクラッチを断接させるものとする。
【0043】
前記発電電動機MGは、ロータ71とステータ72を備えている。
前記ロータ71は、前記回転部材12の外周円筒部材12dの外周に取り付けられており、また、このロータ71の外周に対向して、前記ユニットハウジングUHの図外部分の内周にステータ72が取り付けられている。したがって、ステータ72に通電してロータ71側に回転力を与えたり、ロータ71が回転したときにステータ72に誘導電流を生じさせて発電を行ったりすることができる。
【0044】
なお、後側電磁クラッチB−C/Lについて詳細な説明は省略するが、内側電磁クラッチA−C/Lおよび外側電磁クラッチC−C/Lと同様に、湿式の多板クラッチにより構成され、また、図外の後側コントロールカムおよび後側電磁ソレノイドの作動により締結されるものとする。
【0045】
次に、動力伝達装置MGUの作動を説明する。
(エンジン初期始動時)
図外のイグニッションスイッチをOFFにした停・駐車状態からエンジンEGを始動させるエンジン初期始動時には、例えば、図外のイグニッションスイッチOFF、アクセル開度α=0、ブレーキON、シフトポジションP(パーキングレンジ)、エンジン回転数Ne=0、車速Vh=0となっていることにより初期始動時を判別し、この状態からイグニッションスイッチがONに切り替わったときに以下の始動時制御ならびに始動時トルク増大制御を実行する。
この場合、内側電磁クラッチA−C/Lを締結させ、かつ、後側・外側クラッチB−C/L,C−C/Lを解放させた状態とし、発電電動機MGを電動機として駆動させる。
さらに、エンジン水温Twが低温であるか暖機状態(常温)であるか判別し、暖機状態の場合はブレーキモータ10を停止(ロック)する(この制御が、始動時制御に相当する)。また、低温である場合には、ブレーキモータ10を逆転させる(この制御が、始動時トルク増大制御に相当する)。このように逆転させる場合には、モータ逆転回転数−Nm0を、
−Nm0=−(nwh・Rm)/zw・(ns/nr)・Ne
の演算により求める。ここで、nwhは、ウォームホイルギヤ33bの歯数、Rmはモータ減速比、zwはウォームギヤ10aの条数、nsはサンギヤ31の歯数、nrはリングギヤ33の歯数である。
【0046】
したがって、発電電動機MGの駆動力が回転部材12からサンギヤ31に入力され、キャリア32から円盤6bおよび中心軸6から内側電磁クラッチA−C/Lを経て入力軸1に出力され、エンジンEGに伝達されて始動される。
この場合、リングギヤ33が固定されているときには、図7の変速線図に示されるように、キャリア32において減速され、発電電動機MGのトルクが増大されてエンジンEGに出力される。ちなみに、この場合の減速比Ns/Ncは、Ns/Nc=(ns+nr)/nsで表すことができ(ただし、ns;サンギヤの歯数、nr;リングギヤの歯数である)、本実施の形態にあっては、Ns/Nc=1/3となる設定としている。
【0047】
一方、ブレーキモータ10を逆転させてリングギヤ33を逆転させたときは、図7の変速線図において点線で示すように、減速比をさらに大きくすることができる。
【0048】
よって、エンジンEGを始動させるのに必要な駆動トルクを所定の一定量とすると、リングギヤ33を逆転させた場合には、発電電動機MGの駆動トルクをさらに低くすることができ、発電電動機MGを小型にすることができる。
特に、本実施の形態にあっては、従来、自動変速機においてトルクコンバータが設置されていた限られたスペースに動力伝達装置MGUを設置するために全体としてできる限りコンパクトな構成とすることを目指している。それに対し本実施の形態では、発電電動機MGを回転部材12の外側に配置させた構造として、軸方向寸法を小さくすることには有利であるのに対し外径寸法を小さくすることは不利な構造となっているが、このような構造において、発電電動機MGの必要駆動トルクを低減させることは、外径寸法を縮めてコンパクト化を図る上で非常に有効なものとなる。また、本実施の形態2にあっては、内側電磁クラッチA−C/Lおよび外側電磁クラッチC−C/Lを多板クラッチにより構成するとともに内外に配置させて、クラッチの径方向寸法ならびに軸方向寸法を抑えており、これによっても、上記コンパクト化を図っている。
【0049】
(再始動時)
このエンジン再始動時というのは、アイドルストップ制御(すなわち走行中に信号などで停車したときに自動的にエンジンEGの駆動を停止させて燃料消費量ならびに排気ガス排出量の削減を図る制御)の実行後に実施するエンジンEGの始動制御である。
この場合、例えば、図外のイグニッションスイッチON、アクセル開度α=0、ブレーキOFF、シフトポジションD(ドライブレンジ)、エンジン回転数Ne=0、車速Vh=0となっていることにより再始動時と判別し、この状態からアクセル開度αが立ち上がるなど運転者の発進意図を検出したら、再始動を実行する。
この再始動時も、上記の初期始動時と同様に、内側電磁クラッチA−C/Lを締結させ、かつ、後側・外側クラッチB−C/L,C−C/Lを解放させた状態とし、発電電動機MGを電動機として駆動させるものであり、かつ、エンジン水温に応じて、ブレーキモータ10を停止あるいは逆転させるものである。
【0050】
(クリープ走行時)
アクセルを踏まない状態でじわじわと前進あるいは後進させるクリープ走行時には、例えば、図外のイグニッションスイッチON、アクセル開度α=0、ブレーキOFF、シフトポジションD(ドライブレンジ)、エンジン回転数Ne≦800、車速Vh≦4となっていることによりこれを判別し、このクリープ走行時には、後側電磁クラッチB−C/Lならびに外側電磁クラッチC−C/Lを締結させ、内側電磁クラッチA−C/Lを解放させ、かつ、ブレーキモータ10は停止させる。
したがって、エンジンEGの駆動力が入力軸1から外側電磁クラッチC−C/Lおよび回転部材12を介してサンギヤ31に入力されてキャリア32から後側電磁クラッチB−C/Lを介して出力軸2に出力される。この場合も、図7の変速線図に示されるように、サンギヤ31に入力されたトルクが減速されてキャリア32から出力されるものであり、このような減速を伴うトルク伝達により駆動トルクが増大される。よって、高トルクでゆっくりとクリープ走行を行うことができる。すなわち、いずれかのクラッチにおいて発熱を招く滑りを行うことなく、トルクを増大させてクリープ走行を行うことができるという効果が得られる。
【0051】
さらに、このクリープ走行時にあっては、車速が0〜4km/h未満ではリングギヤ33を逆転させる減速トルク増大制御を実行した場合、初期にトルク増大作用が得られ好ましいものである。また、車速が0〜4km/h以上となれば、リングギヤ33を固定する減速制御を実行して、クリープからの発進をスムーズに行う。
【0052】
加えて、このように、遊星歯車3において、減速比を得ることができるため、発電電動機MGのみの駆動力でクリープ走行を行うことも可能であり、バッテリ96に十分に充電されている場合に、このように発電電動機MGによりクリープ走行を行って燃費の向上を図ることも可能となる。なお、発電電動機MGによりクリープ走行を行う場合は、後側電磁クラッチB−C/Lのみ締結し、内側電磁クラッチA−C/Lと外側電磁クラッチC−C/Lとは解放して、エンジンEG側との接続を絶つようにする。
【0053】
(ヒルホールド時)
ヒルホールドとは、坂道で一時停車したときに、運転者がブレーキペダルから足を離し、かつアクセルペダルを踏んでいない状態において、エンジンEGの駆動トルクによって停車状態に保つものである。
このヒルホールド時は、例えば、図外のイグニッションスイッチON、アクセル開度α=0、ブレーキOFF、シフトポジションD(ドライブレンジ)、エンジン回転数Ne≦800、車速Vhが0≦Vh≦4となっていることによりヒルホールドと判別することができる。
【0054】
この場合、クラッチに関しては前述したクリープ時と同様に、内側電磁クラッチA−C/Lを解放させ、かつ後側電磁クラッチB−C/Lおよび外側電磁クラッチC−C/Lを締結させ、遊星歯車3において減速して出力させるが、ブレーキモータ10は、車速Vhが0〜4km/hの範囲では逆転駆動させる。
このヒルホールド時にあっては、キャリア32の回転数Nsを0に保ち、かつ、リングギヤ33の逆転回転数−Nrが、−Nr=ns・Ns/nrとなるようにブレーキモータ10の逆転を制御する。この場合のトルク比Ts/Tcは無限大(ただし、駆動力最大に依存する)となる。
したがって、図7に示すようにキャリア32の回転数を低くすることができ、リングギヤ33の逆転回転数を制御することによりキャリア32の回転数を0に保たせることができ、これにより車両を停車状態に保つことができる。
また、車速Vhが0〜4km/h以上となると、ブレーキモータ10を停止させてリングギヤ33を固定させ、減速制御を実行して、ヒルホールドからの発進をスムーズに行う。
【0055】
さらに、上述のヒルホールド制御時には、必要に応じて発電電動機MGを所定量だけ電動機として駆動させて入力トルクを電気エネルギに変換させ、エンジンEGの出力エネルギの一部をバッテリ96に回収する動力循環回生を行ったり、あるいは、発電電動機MGを電動機として駆動させてエンジン出力にさらに発電電動機MGの出力を加えて出力したりして、エンジン出力が変化してもサンギヤ31の回転数を一定に制御することができる。
【0056】
(発進・加速時)
エンジンEGを始動させた後の発進時ならびに加速時には、例えば、図外のイグニッションスイッチON、アクセル開度α>0、ブレーキOFF、シフトポジションD(ドライブレンジ)、エンジン回転数Ne≧1000、車速Vh>4、車速変化率dVh/dt>0となっていることにより、これを判別し、以下の制御を実施する。
すなわち、この場合も、上述のクリープ走行時などと同様に所定の減速比でトルク伝達すべく後側電磁クラッチB−C/Lならびに外側電磁クラッチC−C/Lを締結させて、内側電磁クラッチA−C/Lを解放させ、かつ、ブレーキモータ10を停止させてリングギヤ33を固定させる。
したがって、エンジンEGの駆動力が減速によりトルク増大されて出力軸2に伝達される。よって、発進ならびに加速をスムーズに行うことができる。
【0057】
さらに、本実施の形態2では、発進の場合、0〜4km/hの間、リングギヤ33を逆転させてトルク増大を図る減速トルク増大制御を実行し、その後、リングギヤ33を固定させるようにしている。これにより発進をスムーズに行うことができる。
【0058】
加えて、このように、遊星歯車3において、減速比を得ることができるため、発進の際に、後側電磁クラッチB−C/Lのみを締結させて発電電動機MGを電動機として駆動させた場合、発電電動機MGの駆動トルクがサンギヤ31に入力されて減速されてキャリア32から出力軸に出力されるものであり、発電電動機MGのみの駆動力で発進を行うことも可能となるものであり、バッテリ96に十分に充電されている場合に、このように発電電動機MGにより発進を行って燃費の向上を図ることも可能となる。
【0059】
(高速定常走行時)
高速定常走行時には、例えば、図外のイグニッションスイッチON、アクセル開度α>0、ブレーキOFF、シフトポジションD(ドライブレンジ)、エンジン回転数Ne≧2000、車速Vh>40となっていることにより、これを判別し、以下の高速定常走行制御を実施する。
すなわちこの場合、内側電磁クラッチA−C/Lならびに後側電磁クラッチB−C/Lを締結させるとともに外側電磁クラッチC−C/Lを解放させ、さらに、ブレーキモータ10を正転させる。あるいは、内側クラッチA−C/L、後側クラッチB−C/L、ならびに外側クラッチC−C/Lを締結させるとともに、リングギヤ33の締結を「開放」させる。この場合、ウォームギヤ10aおよびウォームホイルギヤ33bは、連れ回り状態となる。
【0060】
このときのリングギヤ33を回転させるブレーキモータ10の回転数Nm0=(nwh・Rm)/zw・(ns・Ns0+nr・Nr)/(ns+nr)
とする。ここで、nwhはウォームホイルギヤ33bの歯数、Rmはモータ減速比、zwはウォームギヤ10aの条数、nsはサンギヤ31の歯数、Ns0はキャリア回転数に等しいサンギヤ回転数、nrはリングギヤ33の歯数、Nrはリングギヤ回転数である。
【0061】
したがって、エンジンEGの駆動力は、入力軸1から内側電磁クラッチA−C/Lおよび中心軸6から後側電磁クラッチB−C/Lを経て、出力軸2に1:1の回転比で伝達される。
このとき、リングギヤ33を固定していても、同様に出力軸2に1:1の回転比でトルク伝達可能であるが、このようにリングギヤ33を固定している場合、キャリア32からの入力によりサンギヤ31が増速され、これに伴いロータの回転数が高く成りすぎると発電電動機MGにおける発電効率が低下する。そこで、本実施の形態では、例えば40km/h以上の高速定常走行時にあっては、リングギヤ33を正転させることによりサンギヤ31の回転数Nsをキャリア32と等速回転まで減速させ、発電電動機MGにおける発電効率の向上を図ることにしている。あるいは、リングギヤ33を「開放」して、各クラッチA−C/L,B−C/L,C−C/Lを同時締結することで、同一目的を達成できる。
なお、40km/h未満の定常走行時は、ブレーキモータ10は停止させ、内側電磁クラッチA−C/Lおよび後側電磁クラッチB−C/Lを締結させる。
【0062】
(減速時)
減速を行う場合には、同時に回生を行うが、この場合、車速に基づいて、エンジンブレーキを作用させる状態と作用させない状態とに切り替える。
エンジンブレーキを作用させない場合(この場合、回生に伴う制動力は得ることができる)というのは、車速が例えば40〜60km/h程度の中速の場合であり、一方、車速が例えば60km/hよりも高速のときには、エンジンブレーキを作用させて高い制動力を得るようにする。
【0063】
中速走行であることからエンジンブレーキを作用させない減速時回生制御を実行するもので、この場合には、エンジンEGの駆動を停止させ、かつ、後側電磁クラッチB−C/Lのみを締結させ、内側電磁クラッチA−C/Lおよび外側電磁クラッチC−C/Lを解放させ、かつ、ブレーキモータ10を停止する。
この場合、駆動輪から出力軸2に入力されたトルクは、キャリア32に入力されて増速されてサンギヤ31に出力され、回転部材12と共にロータ71が増速(本実施の形態では3倍)されて、発電電動機MGにおいて充電される。
このように発電電動機MGは、3倍に増速されて回転して充電されるため、高い充電効率を得ることができる。
【0064】
一方、高速走行であることからエンジンブレーキを作用させる高速減速時回生制御を行う場合には、エンジンEGを駆動させたままで、後側電磁クラッチB−C/Lに加えて内側電磁クラッチA−C/Lも締結させる。したがって、駆動輪側から出力軸2に入力されたトルクの一部は、そのまま内側電磁クラッチA−C/Lを介して入力軸1からエンジンEGに伝達されて、エンジンブレーキが作用する。
さらに、このとき、ブレーキモータ10を正転させてリングギヤ33を正転させる。この場合、上述の定常走行時と同様に、ブレーキモータ10は、サンギヤ31をキャリア32と等速回転させるようにリングギヤ33を回転させる。これにより、効率の良い回生を行うことができる。
もう一つの方法は、リングギヤ33を「開放」状態にし、各クラッチA−C/L,B−C/L,C−C/Lを締結状態にすることによって、駆動手段(エンジン)と後側クラッチB−C/Lの回転比を1:1に保ち、サンギヤ31に結合された発電電動機MGの回転数を、同一の効率の良い状態で回生を行うことができる。
【0065】
(作用のまとめ)
ここで、遊星歯車3の回転数制御式について説明すると、リングギヤ33の回転数をNrとした源式は、
Nr={(ns+nr)Nc−ns・Ns}/nrとなる。
また、入出力回転比は、
(1)サンギヤ駆動−キャリア被動の場合、Ns/Nc
(2)キャリア駆動−サンギヤ被動の場合、Nc/Ns
となる。
【0066】
そこで、リングギヤ33を固定した場合、
上記(1)の場合、Ns/Nc=(ns+nr)/nsと減速され、この時のトルク比Ts/Tc=η・ns/(ns+nr)となる。
また、上記(2)の場合、Nc/Ns=ns/(ns+nr)と増速になり、この時のトルク比Tc/Ts=η・(ns+nr)/nsとなる。ここで歯車効率η=0.96とする。
【0067】
次に、リングギヤ33をキャリア32と等速で正転させた場合、
上記(1)の場合、Nr=Ns=Ncとなり、この時のトルク比Ts/Tc=η・Nc/Ns=1となる。
また、上記(2)の場合、Nr=Ncとなり、この時のトルク比Tc/Ts=η・Ns/Ncとなる。
【0068】
また、リングギヤ33を逆転させ、キャリア回転数Nc=0に制御した場合、−Nr=ns・Ns/nrとなり、トルク比Ts/Tc=∞となる。
【0069】
これをまとめて記載したものが図8の特性図であり、図中左に示すように内側電磁クラッチA−C/LをOFFとし、後側電磁クラッチB−C/Lならびに外側電磁クラッチC−C/LをONとし、リングギヤ33(ブレーキモータ10)を逆転させ、キャリア32の回転数を0としたときには、トルク比が無限大に近くなる。
また、図中中間部に示すように内側電磁クラッチA−C/LをOFFとし、後側電磁クラッチB−C/Lならびに外側電磁クラッチC−C/LをONとし、リングギヤ33(ブレーキモータ10)を停止させ、キャリア32の速度比を1/3としたときには、トルク比が3となる。
また、図中右に示すように内側電磁クラッチA−C/Lおよび後側電磁クラッチB−C/LをONとし、外側電磁クラッチC−C/LをOFFとし、リングギヤ33(ブレーキモータ10)を正転させ、キャリア32の速度比を1としたときには、トルク比も1となる。
また、速度比eが1または1に近い等速条件においては、リングギヤ33を「開放」状態として各クラッチA−C/L,B−C/L,C−C/Lを共に締結(図中ON)状態にする方法もある。
【0070】
以上説明してきたように、本実施の形態2にあっては、トルクコンバータを使用せずに遊星歯車3と各クラッチA−C/L,B−C/L,C−C/Lとブレーキモータ10を作動させてトルク伝達を行うように構成したため、トルク伝達時には、滑りが生じることが無く、トルク伝達効率に優れる。
しかも、このように遊星歯車3および各クラッチA−C/L,B−C/L,C−C/Lを用いた手段でありながら、遊星歯車3においてトルク伝達を行うにあたり、必要に応じて減速したり等速としたり増速したりしてトルク伝達を行うようにしたため、クラッチを滑らせるような発熱を伴う手段を用いることなく、低速・高トルク出力を可能とすることができ、かつ、発電電動機MGにおいて効率の良い作動を行うことができる。
したがって、車両に適用した本実施の形態1にあっては、発熱を伴うことなく発進およびクリープ走行をスムーズに行うことができるとともに、ヒルホールドを確実に行うことが可能となる。
特に、本実施の形態2にあっては、ブレーキモータ10によりリングギヤ33の停止・開放・正転・逆転を行い、逆転時にはトルク比を無限大近くまで上昇させることができ、これにより発電電動機MGを少ないトルクでエンジンEGの始動を可能としたり、車両の発進やクリープ走行やヒルホールドを可能としたりすることができる。また、リングギヤ33の正転時には、サンギヤ31を増速させて、発電電動機MGにおける効率の良い回生発電を可能とする。
【0071】
さらに、上述のように始動時には減速してエンジンEGに発電電動機MGのトルクを伝達可能として発電電動機MGの小型化を図ることができる。本実施の形態2にあっては、発電電動機MGを回転部材12の外周に取り付けて、全体の軸方向寸法を抑えた構成を採用しており、この構造において、発電電動機MGとして大きな出力トルクが必要であると、外形寸法が大きくなって、大型化ならびに重量増を招くが、これを抑えることができる。
加えて、内側電磁クラッチA−C/Lと外側電磁クラッチC−C/Lを、同軸で内外に配置させるとともに多板クラッチを用いたため、軸方向寸法ならびに径方向寸法を抑えたコンパクトな構成とすることができ、これによっても車載性の向上を図ることができる。
【0072】
(実施の形態3)
図9は実施の形態3のクラッチ装置の構成図である。
この実施の形態3は、3組のクラッチを同軸に設けた例である。
すなわち、本実施の形態3では、内側クラッチA−C/L、外側クラッチC−C/Lのさらに外側に最外側クラッチD−C/Lが同心に設けられている。
なお、この実施の形態3では、最外側クラッチD−C/Lの入力軸側と入力軸1とを結合する隔壁部材としてのプレートを実施の形態1のプレート64aと並列に設け、内側コントロールカム8の作動を内側多板クラッチ1CLに伝達させる操作ロッド9は、これら2枚のプレート64aを貫通させる。また、外側コントロールカム16の作動は、実施の形態1の操作ロッド9と同等の部材を、新たに追加したプレートを貫通させて外側多板クラッチ3CLに伝達させるように構成する。
【0073】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。例えば、実施の形態のクラッチ装置および動力伝達装置は、自動車においてエンジンEGとトランスミッションTMとの間のトルク伝達を行うことに適用した例を示したが、これらクラッチ装置および動力伝達装置は、自動車以外の産業機器におけるトルク伝達に適用することもできる。また、実施の形態では、後側電磁クラッチB−C/Lをアッセンブリ部分とは別に配置した例を示したが、後側電磁クラッチB−C/Lも中心軸6にアッセンブリした構成としてもよい。さらに、実施の形態では、複数のクラッチを内外に設けた例を示したが、径方向に複数設けてもよい。この場合、例えば、締結面を放射状に形成し、各組の締結面が軸方向に重ならないように径方向に位置をずらして同軸上に複数組設けるようにする。また、動力伝達装置の実施の形態にあっては、遊星歯車3のリングギヤ33を固定・正転・逆転可能とした例を示したが、請求項に記載した発明のように、固定したままとしてもよいものであり、この場合、ハウジングUHに溶接やボルトなどの締結手段により一体に固定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態1のクラッチ装置を示す断面図である。
【図2】実施の形態1におけるコントロールカムの要部を示す正面図である。
【図3】実施の形態1におけるコントロールカムの要部を示す図2のS3−S3線による断面図である。
【図4】本発明実施の形態2の動力伝達装置の全体図である。
【図5】実施の形態2の構成説明図である。
【図6】実施の形態2の要部の断面図である。
【図7】実施の形態2における変速線図である。
【図8】実施の形態2における作用の説明図である。
【図9】実施の形態3の動力伝達装置の概略図である。
【符号の説明】
1CL 内側多板クラッチ
3CL 外側多板クラッチ
1 入力軸
2 出力軸
3 遊星歯車
6 中心軸
6b 円盤
6d 小径軸
7 内側電磁ソレノイド
7a アマチュア
8 内側コントロールカム
8a 第1リング
8b 第2リング
8c 保持板
8d カム溝
8e スラストローラ
8f,8g パイロットクラッチ板
8e 前記スラストローラ
8h 平坦部
8m 収納溝
8n 穴
9 操作ロッド
9a スラストローラ
10 ブレーキモータ
10a ウォームギヤ
11a クラッチケース
11d 内側クラッチ板
11e 外側クラッチ板
11p 押圧部材
12 回転部材
12a 円筒部
12d 外周円筒部材
15a 内側クラッチ板
15b 外側クラッチ板
15p 押圧部材
16 外側コントロールカム
16a 第1リング
16b 第2リング
16c スラストローラ
16dカム溝
16f,16g パイロットクラッチ板
17 外側電磁ソレノイド
17a アマチュア
31 サンギヤ
32 キャリア
33 リングギヤ
33a 円筒部材
33b ウォームホイルギヤ
61 円盤アッセンブリ
61b 円筒
62 軸受
64 回転部材
64a プレート
64b 円筒部材
65 スラストローラ
66 スラストローラ
71 ロータ
72 ステータ
91 前後進機構部
92 変速機構
96 バッテリ
A−C/L 内側電磁クラッチ
B−C/L 後側電磁クラッチ
C−C/L 外側電磁クラッチ
D−C/L 最外側クラッチ
CUコントロールユニット
EG エンジン
MG 発電電動機
MGU 動力伝達装置
TM トランスミッション
UH ハウジング

Claims (7)

  1. 入力部材と出力部材との間に配置され、入力部材側の締結面と出力部材側の締結面とが対向して設けられ、締結面を当接させてトルク伝達可能な締結状態と締結面を離してトルク伝達不可能な締結解除状態とに切替可能なクラッチ装置において、
    前記出力部材が複数設けられ各出力部材に結合された締結面と、これら締結面に対応し前記入力部材に結合された締結面とが複数組設けられ、これら複数組の締結面を独立して締結および締結解除可能な締結作動手段が設けられ
    前記複数組の締結面が、それぞれ径の異なる環状に形成されているとともに、同軸上でありかつ径方向に重なって内外に配置され、
    前記複数組の締結面として、内側クラッチを構成する内側締結面と、その外側に設けられた外側クラッチを構成する外側締結面とが設けられ、
    前記入力部材から半径方向に延びて前記外側締結面の入力部材側と入力部材とを結合させる隔壁部材が設けられ、
    前記締結作動手段として、回転トルクを軸方向の押圧力に変換して出力する外側倍力機構が、前記外側締結面を押圧可能に外側締結面の軸方向に配置され、
    前記隔壁部材を挟んで前記内側締結面と、この内側締結面を締結させる締結作動手段として回転トルクを軸方向の押圧力に変換して出力する内側倍力機構とが設けられ、
    この内側倍力機構で発生させた軸方向の押圧力を前記内側締結面に伝達する押圧部材が、前記隔壁部材を貫通して軸方向に移動可能に設けられていることを特徴とするクラッチ装置。
  2. 請求項に記載のクラッチ装置において、
    前記内側クラッチおよび外側クラッチとして、多板クラッチが用いられ、
    前記内側倍力機構および外側倍力機構として、前記入力部材に連れ回り可能に取り付けられているとともに各多板クラッチに隣設されて多板クラッチを押圧可能な第2リングと、この第2リングと回転方向に相対変位可能であるとともに入力部材に連れ回り可能に取り付けられた第1リングと、これら両リングの間に設けられて両リングが回転方向に相対変位するのに伴って軸方向に倍力出力して第1リングに対して第2リングが軸方向に相対移動して多板クラッチを押圧して締結させるカム手段とを備えたコントロールカムが用いられ、
    各コントロールカムには、電磁ソレノイドによる吸引力を受けて第1リングの回転を制限させるパイロットクラッチが設けられていることを特徴とするクラッチ装置。
  3. 動力源からトルク伝達される駆動軸とトルク出力する出力軸との間に設けられた遊星歯車と、
    この遊星歯車のキャリアと前記駆動軸との間に設けられた内側クラッチと、
    前記キャリアと出力軸との間に設けられた後側クラッチと、
    前記駆動軸と遊星歯車のサンギヤとの間に設けられた外側クラッチと、
    前記リングギヤを少なくとも固定する拘束手段と、
    を備えた動力伝達装置であって、
    前記内側クラッチおよび外側クラッチとして請求項またはに記載のクラッチ装置の内側クラッチおよび外側クラッチが用いられ、
    前記内側クラッチの入力部材ならびに外側クラッチの入力部材が前記駆動軸に結合され、前記内側クラッチの出力部材が前記キャリアに結合され、前記外側クラッチの出力部材が前記サンギヤに結合されていることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 前記駆動軸が車両のエンジンからトルク入力され、前記出力軸は車両の変速機へトルク出力されていることを特徴とする請求項に記載の動力伝達装置。
  5. 前記ハウジング内に、ステータとロータとを有してステータとロータの間でエネルギの授受が可能に構成された発電電動機が設けられ、前記ロータが、前記サンギヤと外側クラッチとの間に設けられてサンギヤと共に回転する回転部材に取り付けられ、一方、前記ステータが前記ロータと対向して前記ハウジングに支持されていることを特徴とする請求項に記載の動力伝達装置。
  6. 前記リングギヤが拘束手段によりハウジングに常時固定されていることを特徴とする請求項ないしいずれか1つに記載の動力伝達装置。
  7. 前記リングギヤが拘束手段によりハウジングに対して固定・開放・正転・逆転可能に構成されていることを特徴とする請求項ないしいずれか1つに記載の動力伝達装置。
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