JP2003042191A - 電磁クラッチ装置 - Google Patents

電磁クラッチ装置

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JP2003042191A
JP2003042191A JP2001229635A JP2001229635A JP2003042191A JP 2003042191 A JP2003042191 A JP 2003042191A JP 2001229635 A JP2001229635 A JP 2001229635A JP 2001229635 A JP2001229635 A JP 2001229635A JP 2003042191 A JP2003042191 A JP 2003042191A
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JP
Japan
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clutch
coil
electromagnetic clutch
magnetic flux
torque
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JP2001229635A
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Shiyougo Miyamoto
正悟 宮本
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の電磁クラッチを内外に配置した電磁ク
ラッチ装置において、コンパクト化を図ることを目的と
し、さらに、作動応答性の向上図ること。 【解決手段】 同軸に内外二重に配置された電磁クラッ
チA−C/L,C−C/Lを有し、各電磁クラッチA−
C/L,C−C/Lは、コイル653a,653cに通
電することによりコイル653a,653cの外側に設
けられたヨークを巡る磁束が形成され、この磁束により
アマチュア651a,651cが作動してサブクラッチ
64A,64Cが締結される構成であり、各コイル65
3a,653cが径方向に重なって配置されている電磁
クラッチ装置であって、内側のコイル653aと外側の
コイル653cとの間に、それぞれの磁束が共に形成さ
れる共通ヨーク部67を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁クラッチ装置
に関し、特に、内外二重にコイルが配置された装置に関
する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、一般的に、自動変速機を備えた自動車では、動力源
としてのエンジンと自動変速機との間の動力伝達ユニッ
トとしてトルクコンバータを用いている。このような技
術は、例えば、自動車工学全書第9巻(昭和55年11
月20日(株)山海堂発行)の第149頁に記載されて
いる。また、他の動力伝達手段としては、クラッチが知
られており、操作の簡易性要求から必要に応じて自動的
にクラッチを断接させる自動クラッチシステムも提案さ
れており、このような構成としては、乾式の単板クラッ
チを用いたものが公知である。
【0003】しかしながら、トルクコンバータは、流体
を介して動力伝達を行うために、滑りによるパワーロス
が生じ、燃費が悪いという問題がある。一方、クラッチ
を用いた手段は、パワーロスは生じにくいが、トルクコ
ンバータの利点である低速・高トルク伝達が難しい。す
なわち、低速・高トルク伝達を行うためには、摩擦面を
滑らせてトルク伝達をおこなうことになるが、このよう
にすると発熱するため、エンジンのアイドリング回転に
よりじわじわ進むいわゆるクリーピング走行や、上り坂
で止まるいわゆるヒルホールドを実行することが難し
い。そこで、ヒルホールドを達成するために、ブレーキ
装置において自動的に制動力を発生させることが提案さ
れている。しかしながら、この場合、能動的に制動力を
発生できる装置を搭載する必要があり、車両のコストア
ップを招く。
【0004】さらに、従来の原動機の始動装置および車
両における発電装置は、上述の動力伝達装置と別個に設
けられており、それぞれに設置スペースを要するため、
車載性の改善が求められていた。
【0005】そこで、本願出願人は、上述の問題点に着
目して、トルク伝達効率に優れ、しかも低速・高トルク
出力を可能として、発進・クリープ走行やヒルホールド
を行うことが可能であり、さらに、スタータモータと発
電機の機能を有しながらコンパクトに形成して車載性に
優れた新規な動力伝達ユニットを提供することを目的と
して、先に、特願2000−400854号などによ
り、1つあるいは複数の遊星歯車と、この遊星歯車の回
転要素を入力部材や出力部材などと接続および切断させ
る複数の多板の電磁クラッチとを有した動力伝達装置を
提案した。
【0006】さらに、本願発明者は、この電力伝達装置
をコンパクトに構成することを研究した結果、電磁クラ
ッチを同軸、かつ、内外に重ねて配置すると、多板の電
磁クラッチの軸方向寸法を短くすることができ、コンパ
クト化に有効であることを見いだした。この従来構成を
示すのが図16であって、図において01が内側の電磁
クラッチであり、01aがアマチュア、01cがコイ
ル、01yがヨークbである。また、図において02が
外側の電磁クラッチであり、02aがアマチュア、02
cがコイル、02yがヨークである。このように、同軸
で内外に電磁クラッチを01,02配置させた場合、従
来、相互に磁界の影響を受けないようにするために、内
外のコイル01c,02cの間に、所定厚の非磁性体0
3を設ける必要があると考えられていた。すなわち、非
磁性体03を設けない場合、磁束の一部に外部への漏れ
が生じ十分な吸引力が得られないもので、この磁束の漏
れを防ぐために非磁性体03を設けていた。しかしなが
ら上述のようにコイル01c,02cの間に非磁性体0
3を設けた構成では、この非磁性体03の厚さの分だけ
装置の外形寸法が大きくなるという問題があった。
【0007】さらに、コイルには、一般的に、ONから
OFFに切り替えた場合、コイルに流れる電流は、イン
ダクタンスの影響によって瞬時に0A(アンペア)とな
ることはなく、減少しながらある時間流れ続ける。その
ため、ONからOFFに切り替えた後も、ある時間だけ
コイルに残留磁気が存在してクラッチに対して吸引力が
作用し、クラッチが締結から解放、あるいはその逆に切
り替わるのに時間がかかり作動応答性に悪影響を与え
る。
【0008】本発明は、上述の問題点に着目して成され
たもので、複数の電磁クラッチを内外に配置した電磁ク
ラッチ装置において、コンパクト化を図ることを目的と
し、さらに、作動応答性の向上図ることを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的達成のために
本発明の電磁クラッチ装置は、同軸に内外二重に配置さ
れた電磁クラッチを有し、各電磁クラッチは、コイルに
通電することによりコイルの外側に設けられたヨークを
巡る磁束が形成され、この磁束によりアマチュアが作動
してクラッチが締結される構成であり、各コイルが径方
向に重なって配置されている電磁クラッチ装置であっ
て、内側のコイルと外側のコイルとの間に、それぞれの
磁束が共に形成される共通ヨーク部(67)を設けたこ
とを特徴とする手段とした。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の電磁クラッチ装置において、前記共通ヨーク部の厚さ
寸法(L)は、内側のコイルにおいて本来必要なヨーク
部の厚さ寸法(a)および外側のコイルにおいて本来必
要なヨーク部の厚さ寸法(c)よりも大きく、両者を足
し合わせた寸法(a+c)よりも小さく設定されている
ことを特徴とする。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の電磁クラッチ装置において、内外のコイルの一方をO
FFとして、他方をONとするときに、他方のコイルに
対して、共通ヨーク部において形成される磁束の向き
が、一方のコイルにより形成されていた磁束を打ち消す
方向となるように通電させる通電手段が設けられている
ことを特徴とする。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3に記載の電磁クラッチ装置において、内外のコイルの
一方がONであるとき、あるいはONからOFFに切り
替わったときに、他方をOFFからONにする際には、
他方のコイルに対して共通ヨーク部において形成される
磁束の向きが一方のコイルにより形成される磁束の向き
と同じになるように通電させる通電手段が設けられてい
ることを特徴とする。
【0013】請求項5に記載の発明は、前記請求項1〜
4のいずれかに記載の電磁クラッチが、エンジンと変速
機とのトルク伝達系路に設けられ、エンジンからトルク
伝達される入力軸、および、この入力軸と同軸に設けら
れて変速機にトルク出力する出力軸と、これら入力軸と
出力軸と同軸に設けられて入力軸と出力軸との間で回転
を伝達する遊星歯車と、この遊星歯車のキャリアと前記
駆動軸との間に設けられた第1クラッチと、前記キャリ
アと出力軸との間に設けられた第2クラッチと、前記遊
星歯車のサンギヤと駆動軸との間に設けられた第3クラ
ッチと、前記遊星歯車のリングギヤをハウジングに固定
するブレーキと、前記サンギヤと一体的に回転する回転
体とハウジングとの間に設けられて、モータとして回転
体を回転させることが可能であるとともに、回転体の回
転により発電可能な発電電動機と、を備えた動力伝達ユ
ニットにおける前記第1〜第3クラッチの少なくとも2
つに適用されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の作用および効果】本発明では、電磁クラッチを
内外二重に配置するにあたり、コイルを径方向に重ねて
配置し、さらに、これら内外に配置されたコイルに、そ
れぞれ独立したヨーク部を形成するとともに、その間に
非磁性体を介在させるのではなく、内外に配置されたコ
イルの間に、共通ヨーク部を形成するようにしたため、
両コイルの間の寸法を小さくすることができ、電磁クラ
ッチ装置のコンパクト化を図ることができる。
【0015】さらに、請求項2に記載の発明では、この
共通ヨーク部の厚さ寸法(L)を、それぞれのコイルに
必要なヨークの厚さ(a,c)を足し合わせた寸法(a
+c)よりも小さな値としているため、両者の間に非磁
性体を介在させないだけの構成よりもさらに径方向寸法
を小さくすることができ、かつ、前記寸法(L)をそれ
ぞれのコイルに必要なヨークの厚さ(a,c)よりも大
きくしているため、少なくとも単独で作動させた場合の
性能は確保できる。
【0016】請求項3に記載の発明では、内外のコイル
の一方をONからOFFに切り替え、他方のコイルをO
FFからONに切り替える際には、共通ヨーク部におけ
る磁束の向きが逆向きとなるようにする。したがって、
一方のコイルをONからOFFに切り替えた際には、そ
の直後において共通ヨーク部では残留磁束が流れるが、
本発明では、この時に、他方のコイルへ通電するのに伴
って、共通ヨーク部において、残留磁束とは逆向きの磁
束が形成される。よって、この他方のコイルによる磁束
により、一方のコイルにより形成された残留磁束が瞬時
に消される。これにより、一方の電磁クラッチでは、O
NからOFFに切り替えた際に、瞬時に残留磁束が形成
されて、アマチュアの作動応答性が向上する。
【0017】請求項4に記載の発明にあっては、内外の
コイルの他方に通電する際には、共通ヨーク部において
一方のコイルの磁束と同じ方向の磁束が形成されるよう
に通電する。このとき、一方のコイルにも通電している
場合には、共通ヨーク部には2つの磁束が形成され、そ
れぞれの磁束の漏れ分が相互に他方の磁束に加わること
になることで、磁束の漏れによる低下を抑えることがで
き、両コイルの間に非磁性体を設けなくても、高い吸引
性能を確保することができる。したがって、請求項2に
記載の発明のように、共通ヨーク部の厚さ寸法(L)を
各コイルの必要なヨーク厚さを足し合わせた寸法よりも
小さな寸法に形成していても、十分な吸引力を得ること
ができる。また、一方のコイルをONからOFFに切り
替えた場合には、OFFに切替直後に残っている残留磁
束が、他方のコイルをONとしたときの磁束に加わり、
他方のコイルの立ち上がり特性を改善して、クラッチ締
結時間を短縮させることができる。
【0018】請求項5に記載の発明の電磁クラッチ装置
を適用した動力伝達ユニットでは、エンジンを始動させ
るときには、第1クラッチを締結させ、第2クラッチお
よび第3クラッチを解放させ、かつ、ブレーキを締結作
動させた状態で、発電電動機をモータとして駆動させ
る。したがって、発電電動機の回転がサンギヤから遊星
歯車に入力され、遊星歯車において減速された後、キャ
リアから第1クラッチを介して入力軸に伝達され、エン
ジンが始動される。このように、発電電動機の回転が減
速によりトルクを増大されてエンジンに入力されるた
め、発電電動機の出力トルクが小さくても、始動が可能
である。
【0019】また、この動力伝達ユニットでは、エンジ
ンが駆動している状態において、例えば、発進やクリー
プやヒルホールドなどのように、トルクが必要な場合に
は、第1クラッチを解放させ、第2クラッチおよび第3
クラッチを締結させ、ブレーキを締結させる。この場
合、エンジンの回転が入力軸から第3クラッチを介し
て、遊星歯車のサンギヤに入力されて、減速されてキャ
リアから出力軸に出力されるもので、変速機に向けて、
低速・高トルクとして出力される。さらに、このとき、
発電電動機を発電機として作動させると、エンジントル
クの一部が電気エネルギとして回収されて変速機に伝達
されるトルクが小さくなり、一方、発電電動機をモータ
として作動させると、この出力によりエンジン出力がア
シストされて、変速機に伝達されるトルクが増大され
る。よって、同時に発電電動機の作動を制御することに
より、変速機に伝達されるトルクを微妙に制御すること
も可能となる。
【0020】一方、通常の走行時などでは、動力伝達ユ
ニットにおいて第1〜第3クラッチを締結させ、ブレー
キを解放させる。この場合、エンジンの回転は、入力軸
から第1クラッチを介して遊星歯車のキャリアに伝達さ
れ、このキャリアから第2クラッチを介して出力軸に伝
達される。したがって、入力軸トルクは1:1で出力軸
に伝達される。
【0021】また、走行中において駆動輪トルクにより
発電を行う回生を行うには、遊星歯車と入力軸すなわち
エンジン側との接続を絶って、エンジンブレーキが作用
しない状態で行う方法と、遊星歯車と入力軸とを接続さ
せて、エンジンブレーキが作用する状態で行う方法とが
あり、前者は低速時に行うのが好ましく、後者は高速時
に行うのが好ましい。
【0022】前者のエンジンブレーキが作用しない回生
を行う場合、第1クラッチおよび第3クラッチを解放さ
せ、第2クラッチを締結させる。この場合、出力軸に入
力される駆動輪トルクが、遊星歯車においてキャリアか
ら入力されてサンギヤから増速されて発電電動機に向け
て出力されるもので、発電機が増速回転されて、1:1
のトルク伝達で回生を行うものよりも、効率よく回生す
ることができる。
【0023】後者のエンジンブレーキを作用させる回生
を行う場合、第1〜第3クラッチを締結させ、かつ、ブ
レーキは解放させる。この場合、出力軸に入力される駆
動輪トルクは、第2クラッチを介してキャリアに入力さ
れ、そのまま、キャリアから第1クラッチを介して入力
軸に伝達され、エンジンブレーキを作用させることがで
きる。また、この入力軸の回転は、第3クラッチを介し
て発電電動機に入力され、1:1のトルク伝達で発電さ
せることができる。このとき、発電電動機における回生
量を調整することでエンジンブレーキによる制動力を調
節することができる。
【0024】以上のように、請求項5に記載の発明で
は、トルクコンバータのように滑りによるパワーロスを
防止でき、かつクラッチを滑らせるような発熱と制御に
不利な手段を用いること無しに、エンジン出力を、低速
・高トルクに変換して出力させること、ならびに伝達ト
ルクを微妙に制御するや、効率の良いエネルギ回生を行
うことができる動力伝達ユニットにおいて、少なくとも
2つの電磁クラッチを同軸に径方向に重ねて配置させる
ことで、これらの外形寸法を小さくすることができ、こ
れにより動力伝達ユニット全体の径方向寸法を短縮でき
るという効果が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。 (実施の形態1)実施の形態1は、本発明の電磁クラッ
チ装置を、図3の概略図に示すように、エンジンEGと
トランスミッションTMの動力伝達経路の途中に設けた
動力伝達ユニットMGUに適用した例である。
【0026】まず、動力伝達ユニットMGUの構成につ
いて説明する。実施の形態1の動力伝達ユニットMGU
は、請求項1ないし5に記載の発明に対応したものであ
り、前述のようにエンジンEGとトランスミッションT
Mの間であって、一般的な自動変速機においてトルクコ
ンバータが配置される位置に設けられている。なお、こ
のトランスミッションTMとしては、手動変速機やCV
Tなどを用いることができる。
【0027】この動力伝達ユニットMGUは、エンジン
EGのクランク軸6(図4参照)に連結された入力軸1
と、トランスミッションTMの入力軸(図示省略)に連
結された出力軸2と、この出力軸2と入力軸1とに同軸
に設けられた遊星歯車PGSと、この遊星歯車PGSの
キャリア12を入力軸1と接続および切断させる第1ク
ラッチA−C/Lと、前記キャリア12を出力軸2と接
続および切断させる第2クラッチB−C/Lと、前記遊
星歯車PGSのサンギヤ11を入力軸1と接続および切
断させる第3クラッチC−C/Lと、前記サンギヤ11
と一体的な回転体であるサンギヤ接続円管36との間で
電力の授受を行う発電電動機MGと、前記遊星歯車PG
Sの固定要素であるリングギヤ13を固定および固定解
除させるブレーキBRKとを備えている。なお、各クラ
ッチA−C/L、B−C/L、C−C/Lは、湿式電磁
多板クラッチが用いられ、これら各クラッチA−C/
L、B−C/L、C−C/Lの作動やブレーキBRKの
作動および発電電動機MGの作動は、コントローラ10
0により行われる。また、発電電動機MGは、インバー
タ101を介してバッテリ102と双方向に電力供給可
能に構成されている。
【0028】次に、図4の断面図に基づいて、実施の形
態1の動力伝達ユニットMGUについて詳細に説明す
る。前記入力軸1は、一端がエンジンEGのクランク軸
6に振動吸収手段5を介して連結されている。
【0029】図においてHは実施の形態1の動力伝達ユ
ニットMGUを収容するハウジングで、このハウジング
Hは、中央に穴が開いた円盤41,42,43と、円管
45,46により円筒状に形成され、前記円盤41,4
3の内周に、軸受49,49を介して入力軸1および出
力軸2を回転自在に支持している。なお、両軸受49,
49の隣にはシール部材50,50が設けられ、ハウジ
ングHに形成された油室ORをシールしている。また、
両軸受49,49により軸方向の寸法が管理されてい
る。また、ハウジングHの最も大径部分の円管45の外
周には、空冷フィン48が放射状に形成されている。
【0030】前記入力軸1の外周には、非磁性体により
中央に穴の開いた円盤状に形成された磁路形成リング3
1が結合されている。なお、この磁路形成リング31を
非磁性体により構成することで、後述するコイル653
a,653cの磁路短絡を防止している。
【0031】この磁路形成リング31の外周近傍には、
入力円管32の一端が結合され、さらに、入力円管32
の他端(図中右側)には、磁路形成リング31の外周部
と対向して円盤32bが設けられている。なお、前記遊
星歯車PGSは、ハウジングHの図中右隅部において前
記円盤32bとハウジングHの円盤43との間に配置さ
れている。また、前記磁路形成リング31は、スラスト
ローラ51によりハウジングHに軸方向を支持されてい
る。
【0032】前記入力円管32と出力軸2との間に、前
記遊星歯車PGSのキャリア12に結合されたキャリア
接続円管34が設けられ、また、入力円管32の外径方
向に間隔を空けて前記遊星歯車PGSのサンギヤ11に
結合されたサンギヤ接続円管36が設けられている。な
お、サンギヤ接続円管36の外周は、ハウジングHに支
持されている軸受53,53により軸方向両端部を支持
されている。また、軸受53の隣には、発電電動機MG
が設置された気室ARと前述した油室ORとを分離する
シール部材55,55が設けられている。
【0033】そして、出力軸2と、これら内外3重の各
円管34,32,36との間に、内側から順に、第2ク
ラッチB−C/L、第1クラッチ、A−C/L、第3ク
ラッチC−C/Lが設けられている。すなわち、前記第
2クラッチB−C/Lは、前記出力軸2とキャリア接続
円管34との間に設けられ、前記第1クラッチA−C/
Lが、前記キャリア接続円管34と入力円管32との間
に設けられ、前記第3クラッチC−C/Lが、前記入力
円管32とサンギヤ接続円管36との間に設けられてい
る。また、遊星歯車PGSとハウジングHの円管46と
の間には、ブレーキBRKが設けられている。さらに、
前記サンギヤ接続円管3の外周には、前記発電電動機M
Gのロータ16が装着され、さらに、このサンギヤ接続
円管36の外周が、軸受53,53により支持され、そ
の隣には、発電電動機MGを収容する気室ARと前記油
室ORとを液密に区画するシール部材55,55が設け
られている。なお、ロータ16に対向して設けられたス
テータ17は、ハウジングHに取り付けられている。
【0034】次に、各クラッチA−C/L,B−C/
L,C−C/Lについて説明する。まず、第2クラッチ
B−C/Lは、前述したように、出力軸2とキャリア接
続円管34との間に設けられているもので、メインクラ
ッチ60B、第1回転体61B、第2回転体62B、カ
ム機構63B、サブクラッチ64B、締結機構65Bを
備えている。
【0035】前記メインクラッチ60Bは、出力軸2の
外周とキャリア接続円管34の内周とにそれぞれスプラ
イン結合により軸方向に相対移動可能で回転方向には相
対移動不可能に装着されたものが交互に配置されてい
る。また、メインクラッチ60Bは、その一端側(図中
左側)がキャリア接続円管34と一体に設けられた円盤
201によって軸方向の移動が規制され、その他端側に
は、前記第1回転体61Bが隣設されている。
【0036】この第1回転体61Bは、前記出力軸2に
対してスプライン結合により軸方向に相対移動可能であ
るが回転方向に相対移動不可能に装着されている。ま
た、第1回転体61Bに対向して第2回転体62Bが設
けられている。この第2回転体62Bは、図示のように
円盤621とこの円盤621の内周に固定された円管6
22とにより断面L字環形状に形成され、前記出力軸2
とキャリア接続円管34との間にフローティングされて
いる。すなわち、図5に示すように、第2回転体62B
の内周と出力軸2との間には、オイルoilが充填され
ており、これにより第2回転体62Bは出力軸2にフロ
ーティング状態で支持される。
【0037】前記第1回転体61Bと第2回転体62B
との間には、カム機構63Bが設けられている。このカ
ム機構63Bは、第1回転体61Bに放射状に配置され
ている(図5参照)とともに図6に示すように、保持板
631により軸心を中心に回転自在に装着されたスラス
トローラ632と、第2回転体62Bにおいてスラスト
ローラ632に対向する位置に図5に示すように放射状
に形成されたカム溝633とを備えている。
【0038】また、前記第2回転体62Bは、図示は省
略するが、出力軸2との間に設けられた例えば板ばね状
のリターンスプリングにより、図6(a)に示すよう
に、第1回転体61Bに当接する方向に付勢されてい
る。したがって、カム機構63Bは、第2回転体62B
が第1回転体61Bと共に回転している状態では、図6
(a)に示す初期状態となって、カム溝633の略中央
に配置され、軸方向に力が発生していない。それに対し
て、同図(b)に示すように両回転体61B,62Bに
相対回転が生じると、第2回転体62Bのカム溝633
がスラストローラ632に乗り上げ、これにより図示の
ように第2回転体62Bに軸方向の相対変位shが生
じ、押圧力FPが発生する。
【0039】前記第2回転体62Bの円管622と、前
記キャリア接続円管34において円管622の外周に対
向する部位には、多板のサブクラッチ64Bがそれぞれ
に対して軸方向に相対移動可能かつ回転方向に相対移動
不可能に装着され、締結状態で第2回転体62Bとキャ
リア接続円管34との相対回転を規制し、締結解除状態
でこれらの相対回転を許すよう設けられている。
【0040】このサブクラッチ64Bの締結および締結
解除を行う締結機構65Bは、アマチュア651bと、
コイル653bとを備えている。前記アマチュア651
bは、第2回転体62Bとサブクラッチ64Bとの間に
配置されてキャリア接続円管34にスプライン結合によ
り軸方向に相対移動可能かつ回転方向に相対移動不可能
に結合されてサブクラッチ64Bを押圧可能に装着され
ている。
【0041】前記コイル653bは、ハウジングHに設
けられ、通電時には、図において点線で示す磁路を形成
して、前記アマチュア651bをサブクラッチ64Bの
方向に吸引させてサブクラッチ64Bを締結させる。し
たがって、締結機構65Bは、コイル653bへの通電
すると、アマチュア651bが吸引されてサブクラッチ
64Bを押圧して締結させる。よって、キャリア接続円
管34と出力軸2とが相対回転している状態では、第2
回転体62Bと第1回転体61Bとの間に相対回転が生
じ、カム機構63Bがカム作動を行って倍力出力するこ
とでメインクラッチ60Bが結合され、第2クラッチB
−C/Lが締結状態となり、この場合、カム機構63B
の倍力出力によりメインクラッチ60Bを強く締結して
大きなトルクを伝達可能とする。一方、コイル653b
への非通電時には、サブクラッチ64Bが解放され、第
2回転体62Bは、第1回転体61Bに連れ回り、カム
機構63Bにおいてカム作動が成されず、メインクラッ
チ60Bが解放され、第2クラッチB−C/Lは締結解
除状態となる。なお、この第2クラッチB−C/Lのメ
インクラッチ60Bは、最も内径側に配置されており、
面積当たりのトルク伝達容量が大きいため、後述する他
のメインクラッチ60A,60Cに比べて、板厚が厚く
形成されている。
【0042】次に、第1クラッチA−C/Lおよび第3
クラッチC−C/Lついて説明するが、これらの基本的
な構成は第2クラッチB−C/Lと共通しているので、
簡単に説明する。この第1クラッチA−C/Lは、前述
したように、キャリア接続円管34と入力円管32との
間に設けられ、メインクラッチ60A、第1回転体61
A、第2回転体62A、カム機構63A、サブクラッチ
64A、締結機構65Aを備えている。
【0043】前記メインクラッチ60Aは、入力円管3
2とキャリア接続円管34とのそれぞれに軸方向に相対
移動可能かつ相対回転不可能に設けられたものが交互に
配置されている。
【0044】前記第1回転体61Aは、キャリア接続円
管34に軸方向に相対移動可能かつ相対回転不可能に装
着されている。前記第2回転体62Aは、入力円管32
とキャリア接続円管34との間にフローティング支持さ
れている。前記カム機構63Aは、第2クラッチB−C
/Lと同様に第1回転体61Aに保持されたスラストロ
ーラと第2回転体62Aに形成されたカム溝(図示省
略)を備えている。
【0045】前記サブクラッチ64Aは、第2回転体6
2Aの円管622と入力円管32のそれぞれに軸方向に
相対移動可能かつ相対回転不可能に設けられたものが交
互に配置されている。前記締結機構65Aは、サブクラ
ッチ64Aを押圧可能に入力円管32に装着されたアマ
チュア651aと、ハウジングHに設けられて通電時に
アマチュア651aを吸引するコイル653aとを備え
ている。
【0046】したがって、締結機構65Aのコイル65
3aに通電した際には、サブクラッチ64Aが締結さ
れ、これにより第1回転体61Aと第2回転体62Aと
の間で相対回転が発生してカム機構63Aが倍力出力を
行ってメインクラッチ60Aが締結され、これにより入
力円管32とキャリア接続円管34とが結合される。ま
た、締結機構65Aのコイル653aへの非通電時に
は、サブクラッチ64Aの締結が解除されるとともにメ
インクラッチ60Aの締結が解除され、入力円管32と
キャリア接続円管34との結合が解除される。
【0047】前記第3クラッチC−C/Lは、前述した
ように、入力円管32とサンギヤ接続円管36との間に
設けられ、メインクラッチ60C、第1回転体61C、
第2回転体62C、カム機構63C、サブクラッチ64
C、締結機構65Cを備えている。
【0048】前記メインクラッチ60Cは、入力円管3
2とサンギヤ接続円管36とのそれぞれに軸方向に相対
移動可能かつ相対回転不可能に設けられたものが交互に
配置されている。
【0049】前記第1回転体61Cは、入力円管32に
軸方向に相対移動可能かつ相対回転不可能に装着されて
いる。前記第2回転体62Cは、入力円管32とサンギ
ヤ接続円管36との間にフローティング支持されてい
る。前記カム機構63Cは、第2クラッチB−C/Lと
同様に第1回転体61Cに保持されたスラストローラと
第2回転体62Cに形成されたカム溝(図示省略)を備
えている。
【0050】前記サブクラッチ64Cは、第2回転体6
2Cの円管622とサンギヤ接続円管36のそれぞれに
軸方向に相対移動可能かつ相対回転不可能に設けられた
ものが交互に配置されている。前記締結機構65Cは、
サブクラッチ64Cを押圧可能にサンギヤ接続円管36
に装着されたアマチュア651cと、ハウジングHに設
けられて通電時にアマチュア651cを吸引するコイル
653cとを備えている。
【0051】したがって、締結機構65Cのコイル65
3cに通電した際には、サブクラッチ64Cが締結さ
れ、これにより第1回転体61Cと第2回転体62Cと
の間で相対回転が発生してカム機構63Cが倍力出力を
行ってメインクラッチ60Cが締結され、これにより入
力円管32とサンギヤ接続円管36とが結合される。ま
た、締結機構65Cのコイル653cへの非通電時に
は、サブクラッチ64Cの締結が解除されるとともにメ
インクラッチ60Cの締結が解除され、入力円管32と
サンギヤ接続円管36との結合が解除される。
【0052】次に、ブレーキBRKについて説明する。
前記ブレーキBRKは、いわゆるバンドブレーキであっ
て、遊星歯車PGSのリングギヤ13の外周に結合され
たリングギヤ接続円管338を固定および固定解除可能
に構成されている。すなわち、このブレーキBRKは、
図7に示すようにリングギヤ接続円管338の外周に設
けられたブレーキシュー24と、このブレーキシュー2
4に対向して装着されたブレーキ用バンド25とを備
え、さらに、このブレーキ用バンド25は、両端をスプ
リング26,27により締結方向に付勢されている一
方、ブレーキ用バンド25の一端が油圧アクチュエータ
28によりスプリング26の付勢力とは反対方向に移動
可能な構成となっている。したがって、このブレーキB
RKは、油圧アクチュエータ28の非作動時にはスプリ
ング26,27の付勢力により締結されてリングギヤ接
続円管338を固定し、油圧アクチュエータ28を作動
させると、締結が解除されてリングギヤ接続円管338
の固定が解除されて回転可能となる。
【0053】なお、図4において18は発電電動機MG
に電力を供給し、また、発電電動機MGで発電した電力
をインバータ101に向けて出力する電力配線である。
また、図において19は、各クラッチA−C/L,B−
C/L,C−C/LおよびブレーキBRKのコイル65
3に電力を供給する電力配線である。
【0054】次に、動力伝達ユニットMGUの作動を図
8の作動説明図に基づき説明する。(エンジン始動時)
エンジンを始動させる際には、第1クラッチA−C/L
を締結(ON)させ、かつ、第2・第3クラッチB−C
/L,C−C/Lを解放(OFF)させ、ブレーキBR
Kを締結作動(ON)させた状態とし、発電電動機MG
をモータとして駆動させる。したがって、発電電動機M
Gの回転が、遊星歯車PGSにおいて、サンギヤ11に
入力され、リングギヤ13が固定されていることから、
キャリア12から減速して出力される。さらに、キャリ
ア12の回転は、第1クラッチA−C/Lから入力円管
32に伝達されて、入力軸1およびクランク軸6が回転
して、エンジンEGが始動される。この場合、発電電動
機MGのトルクが遊星歯車PGSにおいて増大されてエ
ンジンEGに出力される。ちなみに、遊星歯車PGSの
減速比Ns/Ncは、Ns/Nc=(ns+nr)/n
sで表すことができ(ただし、ns;サンギヤの歯数、
nr;リングギヤの歯数である)、本実施の形態にあっ
ては、Ns/Nc=1/2.4となる設定としている。
よって、発電電動機MGにおいてエンジンEGを始動さ
せるのに必要な駆動トルクを、減速比が得られない場合
に比べて低くすることができ、発電電動機MGを小型に
することができる。すなわち、本実施の形態にあって
は、従来、自動変速機においてトルクコンバータが設置
されている限られたスペースに動力伝達ユニットMGU
を設置しようとしており、このため、発電電動機MGを
外側に配置させた構造でありながら、全体としてできる
限りコンパクトな構成とすることを目指しており、この
ような構造において、発電電動機MGの必要駆動トルク
を低減させることは、コンパクト化の上で非常に有効な
ものとなる。
【0055】(発進時・クリープ・ヒルホールド時)エ
ンジンEGを始動させた後の発進時、アクセルを踏まな
い状態でじわじわと前進あるいは後進させるクリープ走
行時、車両を上り坂で車速0km/hに保たせるヒルホ
ールド時には、第2クラッチB−C/Lならびに第3ク
ラッチC−C/Lを締結させて、第1クラッチA−C/
Lを解放させ、さらに、ブレーキBRKを締結させる。
【0056】したがって、エンジンEGの回転が入力軸
1から第3クラッチC−C/Lを介してサンギヤ11に
入力され、キャリア12から減速して第2クラッチB−
C/Lを介して出力軸2に出力される。このように、エ
ンジンEGの駆動力が入力軸1から出力軸2に伝達され
る途中で遊星歯車PGSにおいてトルクが増大される。
よって、発進をスムーズに行うことができるとともに、
クリープ走行およびヒルホールドも行うことができる。
この時、第2クラッチB−C/Lならびに第3クラッチ
C−C/Lは、締結させるだけで滑らせることがないた
め、発熱を招くことがないものであり、トルクコンバー
タを有しないクラッチを用いた構造でありながら、クラ
ッチにおいて大きな発熱を招くことなく、高トルクによ
る発進や、クリープや、ヒルホールドが可能である。
【0057】さらに、上述の状態において、発電電動機
MGをモータとして駆動させると、発電電動機MGで発
生した駆動トルクがエンジントルクと共に遊星歯車PG
Sで減速されてトランスミッションTMに伝達されるた
め、エンジンEGのトルクをアシストすることができ
る。一方、上述の状態において、発電電動機MGを発電
機として作動させると、エンジンEGの駆動トルクの一
部が発電電動機MGにおいて消費され、トランスミッシ
ョンTMへ入力されるトルクが減少する。このように、
発電電動機MGをモータとして作動させたり、発電機と
して作動させたりすることで、トランスミッションTM
に入力されるトルクを増減させることができ、より細か
な制御が可能となる。この制御は、特に、ヒルホールド
において有効である。
【0058】加えて、上述したように、遊星歯車PGS
において、減速比を得ることができるため、第2クラッ
チB−C/Lのみを締結させて発電電動機MGを電動機
として駆動させた場合、発電電動機MGの回転が遊星歯
車PGSで減速されて出力軸2およびトランスミッショ
ンTMに出力されるものであり、発電電動機MGのみの
駆動力で発進やクリープ走行を行うことも可能となるも
のであり、図外のバッテリに十分な蓄電が成されている
場合、発電電動機MGにより発進やクリープ走行を行っ
て燃費の向上を図ることも可能となる。
【0059】(定常走行時・加速時)定常走行時および
加速時には、エンジンEGを駆動させている状態で、全
クラッチA−C/L、B−C/L、C−C/Lを締結さ
せ、かつ、ブレーキBRKを解放作動させる。したがっ
て、エンジンEGの回転は、入力軸1から第1クラッチ
A−C/L、キャリア接続円管34,第2クラッチB−
C/Lを経て、出力軸2に出力される。この場合、エン
ジントルクはそのまま出力軸2に出力されるため、1:
1の減速比となる。
【0060】また、この時、入力軸1の回転は、遊星歯
車PGSにおいて、第3クラッチC−C/Lを介してサ
ンギヤ接続円管36に入力され、発電電動機MGのロー
タ16が回転するため、発電することができる。あるい
は、発電電動機MGをモータとして駆動させれば、その
駆動トルクは、入力軸1に入力されるため、加速時など
において、トルクが必要なときには、このようにモータ
として駆動させてもよい。なお、上述した定常走行・加
速時は、遊星歯車PGSにおいて、入力軸1の回転が第
3クラッチC−C/Lを介してサンギヤ11に入力され
るのと同時に、第1クラッチA−C/Lを介してキャリ
ア12に入力されるが、ブレーキBRKの解放によりリ
ングギヤ13がフリー状態となっているため、連れ回り
状態となっている。
【0061】(減速回生)減速時に回生を行う場合、エ
ンジンEGの駆動を停止あるいはアイドル回転させて発
電電動機MGの充電に伴う回生制動力を得る場合(減速
回生I)と、エンジンEGを連れ回りさせてエンジンブ
レーキを得るのと同時に回生制動力を得る場合(減速回
生II)とがあり、本実施の形態では、基本的には、前者
は低速走行時、後者は中・高速走行時に行うものとす
る。
【0062】エンジンEGを停止あるいはアイドル回転
させて回生を行う場合は、第2クラッチB−C/Lを締
結させ、第1クラッチA−C/Lおよび第3クラッチC
−C/Lを解放させ、かつ、ブレーキBRKを締結させ
る。したがって、第1クラッチA−C/Lおよび第3ク
ラッチC−C/Lの解放により遊星歯車PGSと入力軸
1との接続が完全に絶たれ、この状態で、駆動輪から出
力軸2に入力されたトルクは、第2クラッチB−C/L
を介してキャリア12に入力されてサンギヤ11から増
速して出力される。したがって、サンギヤ接続円管36
に連結された円管36cに装着されたロータ16が増速
(2.4倍)回転されて、発電電動機MGにおいて発電
される。このように発電電動機MGは、3倍に増速され
て回転して発電されるため、高い発電効率を得ることが
できる。また、この場合、発電電動機MGの回生発電に
よる制動力のみの小さな制動力が得られる。
【0063】一方、エンジンEGを連れ回りさせて回生
を行う場合には、全てのクラッチA−C/L,B−C/
L,C−C/Lを締結させるとともに、ブレーキBRK
は解放させる。この場合、出力軸2に入力された駆動輪
側のトルクは、第2クラッチB−C/Lを介してキャリ
ア12に入力され、さらに、第1クラッチA−C/Lを
介してエンジンEGに伝達され、エンジンEGを連れ回
りさせることによりいわゆるエンジンブレーキを得るこ
とができ、かつ、入力軸1の回転が第3クラッチC−C
/Lを介してサンギヤ接続円管36に入力されて発電電
動機MGにおいて発電が成される。なお、この時、ブレ
ーキBRKを解放させていることにより、遊星歯車PG
Sでは変速作動が成されない。
【0064】次に、実施の形態1の要部の構成および作
用効果について説明する。すなわち、本発明は、内外二
重に配置されている第1クラッチA−C/Lと第3クラ
ッチC−C/Lとに適用されている。図1および図2
は、第1クラッチA−C/Lと第3クラッチC−C/L
のコイル653a,653cが設けられている部位を示
す拡大断面図である。この図に示すように、コイル65
3aと653cとの間には、従来設定されていた非磁性
体が設けられておらず、この間には、磁性体による共通
ヨーク部67が設けられている。この共通ヨーク部67
は、各コイル653a,653cに通電したときに、図
において矢印で示す磁路Aおよび磁路Cが形成される。
この共通ヨーク部67は、その幅寸法Lが、内側のコイ
ル653aを単独で設置したときに、その外側に必要な
ヨークの厚さ寸法をaとし、また、外側のコイル653
cを単独で設置したときに、その内側に必要なヨーク厚
さ寸法をcとしたときに、a<L<a+cとなる関係に
設定されている。
【0065】さらに、本実施の形態1では、外側の第3
クラッチC−C/Lのコイル653cは、駆動回路20
に接続されている。この駆動回路20は、コントローラ
100に設けられ、通電方向を正逆2方向に切替可能に
構成されている。この駆動回路20を示すのが、図9の
回路図であって、4つの常開のスイッチ素子SwA,S
wB,SwC,SwDが設けられており、スイッチ素子
SwA,SwDを駆動(閉成)させた場合には、図にお
いて矢印A−Dで示す方向に電流が流れるもので、これ
が図1に示す通電方向であるとする。それに対して、ス
イッチ素子SwB,SwCを駆動(閉成)させた場合に
は、図において矢印B−Cで示す方向に電流が流れるも
ので、これが図2に示す通電方向であるとする。このよ
うに、本実施の形態1にあっては、第3クラッチC−C
/Lのコイル653cに対して、状況に応じて通電方向
が正逆切り替えられる。
【0066】ここで図8に戻り説明すると、本実施の形
態1にあっては、加速・定常時および減速回生IIの時に
は、内外に設けられた第1クラッチA−C/Lと第3ク
ラッチC−C/Lとを同時に駆動させる。このように、
両クラッチA−C/L,C−C/Lを同時に駆動させる
ときには、図2に示すように、両コイル653a,65
3cにより形成される磁束At,Ctが、共通ヨーク部
67においてその向きが同じとなるようにスイッチ素子
SwB,SwCに通電させる。なお、これは請求項4に
記載の発明に対応している。この場合、共通ヨーク部6
7において形成される磁束At,Ctの向きが同じであ
ることから、各磁束At,Ctに漏れが生じたとして
も、その漏れ分は他方の磁束に加わることになり、実質
的には漏れによる吸引力の低下はない。このように、コ
イル653a,653cの間に、非磁性体を設けていな
い構成にも関わらず、磁束の漏れによる吸引力低下が生
じることが無く、作動頻度の高い加速・定常時および減
速回生IIの場合には、上述のように高い吸引力を得るこ
とができる。
【0067】ここで、共通ヨーク部67の厚さ寸法Lに
ついて説明を加えると、本実施の形態1を構成するのに
先立ち、本願発明者は、共通ヨーク部67の厚さ寸法L
を色々替えて吸引力を調べる実験を行った。図10およ
び図11はその結果を示すものであり、寸法Lを、6m
m(これは、コイル653aとして必要な厚さ)、1
3.5mm(これは、両コイル653a,653cとし
て必要な寸法を足し合わせた値)、およびその間の値
9.5mm、11.5mmの4つの値によりそれぞれ実
験を行った。図10はそのときの磁束密度の状態を示す
ものであり、図11はその吸引力を示すものである。こ
れらの図に示すように、厚さ寸法Lが小さ過ぎると、磁
束密度が高くなりすぎて十分な吸引力が得られない。一
方、厚さ寸法Lが大きくても、磁束密度が低くなり漏れ
が生じて吸引力が低下する。すなわち、寸法Lは、前述
の一方のコイル653aにおいて必要な厚さよりは大き
な値であり、かつ、両コイル653a,653cのそれ
ぞれで必要な寸法を足し合わせた寸法よりも小さな値に
おいて、最大の吸引力が得られる。本実施の形態1にあ
っては、寸法Lを、図11において最大の吸引力が得ら
れた寸法に設定している。
【0068】さらに、本実施の形態1にあっては、始動
から発進・クリープに移行するにあたって、図8に示す
ように、第1クラッチA−C/Lと第3クラッチC−C
/Lとが、ON−OFFの状態から、OFF−ONの状
態に切り替えるが、このときに、第3クラッチC−C/
LをONとすべく通電させる際には、図1に示すよう
に、共通ヨーク部67において第3クラッチC−C/L
のコイル653cにより形成される磁束Csの向きが、
その直前の始動時に第1クラッチA−C/Lのコイル6
53aにより形成されていた磁束Atの向きと、逆にな
るように通電させる。なお、これは請求項3に記載の発
明に対応している。このように通電させた場合、その直
前において第1クラッチA−C/LをONからOFFに
切り替えたときに発生していた残留磁束(At)が、こ
の新たに形成された第3クラッチC−C/Lにより形成
された磁束Csによりうち消され、この残留磁束による
第1クラッチA−C/Lのコイル653aの吸引力が即
座に消滅し、第1クラッチA−C/Lは、従来よりも短
時間に解放される。したがって、制御応答性が向上す
る。
【0069】加えて、本実施の形態1にあっては、上述
の第1クラッチをOFF、第3クラッチをONとした発
進・クリープ・ヒルホールド状態から、おなじく上述の
第1クラッチをON、第3クラッチをONとした加速・
定常状態に移行する際に、第3クラッチの通電方向を発
進・クリープ・ヒルホールド時に逆転させた状態から元
の状態に戻す、通電方向切替制御を実行する。
【0070】図12は、上述の通電方向切替制御を実行
するときの駆動回路20に対する出力切替状態を示すタ
イムチャートであり、図においてt1〜t2は、発進・
クリープ・ヒルホールドを行うにあたり、図1に示すよ
うに磁束の向きを逆転させるべくスイッチ素子SwA,
SwDを駆動させたときの出力を示している。この状態
から、通電方向を通常の方向にすべく、図においてt4
以降に示すように、スイッチ素子SwB,SwCを駆動
させるが、この場合、図示のように、駆動状態を瞬時に
切り替えるのではなく、t2〜t4に示すように、ま
ず、スイッチ素子SwAの駆動を停止させて、コイル6
53cを電源側と切り離し、それから僅かの時間が経過
してからスイッチ素子SwDの駆動を停止させ、さらに
僅かな時間が経過してから、両スイッチSwB,SwC
を駆動させるようにしている。これにより、ショートを
確実に防止している。
【0071】以上説明してきたように、本実施の形態1
にあっては、トルクコンバータを使用せずに遊星歯車P
GSおよび各クラッチA−C/L,B−C/L,C−C
/Lを用いてトルク伝達を行うため、トルク伝達効率に
優れる。しかも、このように遊星歯車PGSおよび各ク
ラッチA−C/L,B−C/L,C−C/Lを用いた手
段でありながら、遊星歯車PGSにおいて減速してトル
ク伝達を行うようにしたため、クラッチを滑らせるよう
な発熱を伴う手段を用いることなく、低速・高トルク出
力を可能とすることができる。したがって、車両に適用
した本実施の形態1にあっては、発進・クリープ走行や
ヒルホールドを行うことが可能となる。
【0072】さらに、本実施の形態1にあっては、全ク
ラッチA−C/L,B−C/L,C−C/Lとブレーキ
BRKおよび発電電動機MGを、入力軸1および出力軸
2を中心として、その外周に重ねて配置した構成とした
ため、ユニットの軸方向寸法を抑えることができ、エン
ジンEGとトランスミッションTMとの間に設置するの
に有利であり、車両搭載性に優れる。加えて、本実施の
形態1にあっては、内外二重に配置された第1クラッチ
A−C/Lと第3クラッチC−C/Lの各コイル653
a,653cの間に、従来設けていた非磁性体を廃止す
るとともに、さらに、両コイル653a,653cの間
に形成した共通ヨーク部67の厚さ寸法を、各コイル6
53a,653cにヨーク部を設けた場合にそれぞれ必
要なヨーク部の厚さ(すなわちクラッチ単体での最適寸
法)を合計した寸法よりも小さく形成したため、この部
分の外径寸法を小さく抑えることができ、これによりユ
ニット全体の外径寸法も低く抑えてコンパクトに形成す
ることができるという効果を得ることができる。
【0073】(他の実施の形態)以下に、他の実施の形
態について説明するが、既に説明した構成と同じ構成に
は同じ符号を付けることで説明を省略し、既述の実施の
形態との相違点について説明する。
【0074】(実施の形態2)図13は、実施の形態2
の電磁クラッチ装置を適用した動力伝達ユニットMGU
を示すもので、この実施の形態2は、第2クラッチB−
C/Lのコイル653bを、第1クラッチA−C/Lお
よび第3クラッチC−C/Lのコイル653a,653
cと径方向に重ねて内外三重に配置した例である。
【0075】この実施の形態2において、基本的構成
は、実施の形態1と同じであるので、実施の形態1と同
じ符号を付けて、詳細な説明は省略するが、その相違点
について説明すると、第2クラッチB−C/Lのメイン
クラッチ60Bは、締結時に第1回転体61Bから押さ
れたときに出力軸2に形成されたストッパ面2sに押し
当てられる。
【0076】また、ブレーキBRKとして、電磁多板ク
ラッチが用いられている。このブレーキBRKは、他の
クラッチと同様に、メインクラッチ60K、第1回転体
61K、第2回転体62K、カム機構63K、サブクラ
ッチ64K、締結機構65Kを備えている。
【0077】さらに、サンギヤ接続円管36は、ブレー
キBRKの外周に配置された円管36cに円盤36bを
介して結合されており、この円管36cに発電電動機M
Gのロータ16が取り付けられている。
【0078】図14は、コイル653a,653b,6
53cの部分の拡大図であって、この図に示すように、
コイル653aの内外に共通ヨーク部67a,67bが
形成されている。なお、これらの厚さ寸法Lは、実施の
形態1と同様に、各コイル653a,653b,653
cが、ヨークとして単独で必要な厚さよりは厚く、ま
た、単独で必要な厚さを足し合わせた寸法よりは薄くな
るように形成している。
【0079】また、本実施の形態2では、真ん中に位置
する第1クラッチA−C/Lのコイル653aに駆動回
路20を接続して通電方向を切り替えるように構成して
いる。そして、全てのコイル653a,653b,65
3cをONさせる加速・定常時には、図14に示すよう
に、各共通ヨーク部67a,67bにおいて、磁束の向
きが同じになるようにコイル653aに通電する。これ
は、請求項4に記載の発明に対応している。
【0080】また、この実施の形態2にあっては、始動
時に第1クラッチA−C/Lに対する通電方向を、加速
・定常時とは逆方向にしている。したがって、発進・ク
リープ・ヒルホールド時に、第1クラッチA−C/Lを
OFFとして、第2クラッチB−C/Lおよび第3クラ
ッチC−C/LをONとする際に、図15に示すよう
に、第1クラッチA−C/LをOFFとして流れる残留
磁束が、第2クラッチB−C/Lおよび第3クラッチC
−C/Lの磁束で生じされる。よって、第1クラッチA
−C/Lの解放応答性が高くなる。なお、これは請求項
3に記載の発明に対応している。
【0081】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られ
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におけ
る設計の変更などがあっても本発明に含まれる。実施の
形態1において、第1クラッチA−C/Lのコイル65
3aにも通電方向を切り替える駆動回路20を接続さ
せ、例えば、発進・クリープから、加速・定常に移行す
るにあたり、第1クラッチA−C/LをOFFからON
に切り替えて、第1および第3クラッチA−C/L,C
−C/LをON,ONとする際に、図1に示すように、
共通ヨーク部67における磁束の方向を逆向きに形成す
るようにしてもよい。この場合、第1クラッチA−C/
Lの磁束が立ち上がる際に、第3クラッチC−C/Lの
磁束が第1クラッチA−C/Lの磁束に加わり、クラッ
チが締結に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の電磁クラッチ装置における作動
を示す説明図である。
【図2】実施の形態1の電磁クラッチ装置における作動
を示す説明図である。
【図3】実施の形態1を適用した動力伝達ユニットMG
Uを示す概略図である。
【図4】実施の形態1を適用した動力伝達ユニットMG
Uを示す断面図である。
【図5】動力伝達ユニットMGUの要部を示す断面図で
ある。
【図6】動力伝達ユニットMGUの要部の作動説明図で
ある。
【図7】動力伝達ユニットMGUのブレーキを示す断面
図である。
【図8】動力伝達ユニットMGUの作動特性図である。
【図9】駆動回路の回路図である。
【図10】実施の形態1の性能特性図である。
【図11】実施の形態1の吸引力特性図である。
【図12】実施の形態1の通電切替制御時のタイムチャ
ートである。
【図13】実施の形態2を適用した動力伝達ユニットM
GUを示す断面図である。
【図14】実施の形態2の電磁クラッチ装置における作
動を示す説明図である。
【図15】実施の形態2の電磁クラッチ装置における作
動を示す説明図である。
【図16】従来技術を示す断面図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2s ストッパ面 2 出力軸 5 振動吸収手段 6 クランク軸 11 サンギヤ 12 キャリア 13 リングギヤ 16 ロータ 17 ステータ 18,19 電力配線 20 駆動回路 24 ブレーキシュー 25 ブレーキ用バンド 26,27 スプリング 28 油圧アクチュエータ 31 磁路形成リング 32 入力円管 32b 円盤 34 キャリア接続円管 36 サンギヤ接続円管 36b 円盤 36c 円管 41,42,43 円盤 45,46 円管 48 空冷フィン 49 軸受 50 シール部材 51 スラストローラ 53 軸受 55 シール部材 60A メインクラッチ 60B メインクラッチ 60C メインクラッチ 60K メインクラッチ 61A 回転体 61B 回転体 61C 回転体 61K 回転体 62A 回転体 62B 回転体 62C 回転体 62K 回転体 63A カム機構 63B カム機構 63C カム機構 63K カム機構 64A サブクラッチ 64B サブクラッチ 64C サブクラッチ 64K サブクラッチ 65A 締結機構 65B 締結機構 65C 締結機構 65K 締結機構 67 共通ヨーク部 67a,67b 共通ヨーク部 100 コントローラ 101 インバータ 102バッテリ 201 円盤 338 リングギヤ接続円管 621 円盤 622 円管 631 保持板 632 スラストローラ 633 カム溝 651a,651b,651c アマチュア 653a,653b,653c コイル AR 気室 BRK ブレーキ EG エンジン H ハウジング MG 発電電動機 OR 油室 A−C/L 第1クラッチ B−C/L 第2クラッチ C−C/L 第3クラッチ PGS 遊星歯車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D039 AA01 AA02 AA03 AB01 AB27 AC03 AC06 AC07 AC15 AC21 AC32 AD06 AD11 5H607 AA02 BB01 BB05 BB14 BB26 CC03 DD07 EE03 EE07 EE10 EE33 FF22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸に内外二重に配置された電磁クラッ
    チを有し、 各電磁クラッチは、コイルに通電することによりコイル
    の外側に設けられたヨークを巡る磁束が形成され、この
    磁束によりアマチュアが作動してクラッチが締結される
    構成であり、 各コイルが径方向に重なって配置されている電磁クラッ
    チ装置であって、 内側のコイルと外側のコイルとの間に、それぞれの磁束
    が共に形成される共通ヨーク部(67)を設けたことを
    特徴とする電磁クラッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記共通ヨーク部の厚さ寸法(L)は、
    内側のコイルにおいて本来必要なヨーク部の厚さ寸法
    (a)および外側のコイルにおいて本来必要なヨーク部
    の厚さ寸法(c)よりも大きく、両者を足し合わせた寸
    法(a+c)よりも小さく設定されていることを特徴と
    する請求項1に記載の電磁クラッチ装置。
  3. 【請求項3】 内外のコイルの一方をOFFとして、他
    方をONとするときに、他方のコイルに対して、共通ヨ
    ーク部において形成される磁束の向きが、一方のコイル
    により形成されていた磁束を打ち消す方向となるように
    通電させる通電手段が設けられていることを特徴とする
    請求項2に記載の電磁クラッチ装置。
  4. 【請求項4】 内外のコイルの一方がONであるとき、
    あるいはONからOFFに切り替わったときに、他方を
    OFFからONにする際には、他方のコイルに対して共
    通ヨーク部において形成される磁束の向きが一方のコイ
    ルにより形成される磁束の向きと同じになるように通電
    させる通電手段が設けられていることを特徴とする請求
    項2または3に記載の電磁クラッチ装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜4のいずれかに記載の電
    磁クラッチが、 エンジンと変速機とのトルク伝達系路に設けられ、エン
    ジンからトルク伝達される入力軸、および、この入力軸
    と同軸に設けられて変速機にトルク出力する出力軸と、 これら入力軸と出力軸と同軸に設けられて入力軸と出力
    軸との間で回転を伝達する遊星歯車と、 この遊星歯車のキャリアと前記駆動軸との間に設けられ
    た第1クラッチと、 前記キャリアと出力軸との間に設けられた第2クラッチ
    と、 前記遊星歯車のサンギヤと駆動軸との間に設けられた第
    3クラッチと、 前記遊星歯車のリングギヤをハウジングに固定するブレ
    ーキと、 前記サンギヤと一体的に回転する回転体とハウジングと
    の間に設けられて、モータとして回転体を回転させるこ
    とが可能であるとともに、回転体の回転により発電可能
    な発電電動機と、を備えた動力伝達ユニットにおける前
    記第1〜第3クラッチの少なくとも2つに適用されてい
    ることを特徴とする電磁クラッチ装置。
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