JP2005155843A - ハイブリッド車両の駆動装置 - Google Patents

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Michiyuki Haniyu
倫之 羽二生
Kazuhiro Takeda
和宏 竹田
Shinobu Kamata
忍 釜田
Hiroshi Oba
大羽  拓
Hiroshi Iwano
岩野  浩
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    • F16HGEARING
    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/02Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion without gears having orbital motion
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    • F16H3/087Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion without gears having orbital motion exclusively or essentially with continuously meshing gears, that can be disengaged from their shafts characterised by the disposition of the gears
    • F16H3/089Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion without gears having orbital motion exclusively or essentially with continuously meshing gears, that can be disengaged from their shafts characterised by the disposition of the gears all of the meshing gears being supported by a pair of parallel shafts, one being the input shaft and the other the output shaft, there being no countershaft involved

Abstract

【課題】コスト低下及び小型化を図るハイブリッド車両の駆動装置を提供する。
【解決手段】エンジン11に接続する第1入力軸21と、モータ13に接続する第2入力軸22と、共通の出力軸23と、第1入力軸に入力するエンジントルクを選択的に伝達する第1摩擦係合手段61と、第1入力軸と出力軸との間に構成された変速段R2〜R6と、前記第2入力軸と前記出力軸との間に構成されたモータ駆動用変速段と、エンジン駆動用変速段とモータ用変速段とを選択的に接続して、第1入力軸または第2入力軸と出力軸を接続するとともに、解放した場合には第1入力軸と第2入力軸とを接続するように構成した係合手段群62〜64と、各係合手段の動作を制御する摩擦係合制御手段80と、を備え、エンジンとモータを用いてバッテリを充電する時に、係合手段群を解放し、第1摩擦係合手段61の締結力をモータ13の発電トルクとなるように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動源としてエンジンとモータとを備えるハイブリッド車両の駆動装置に関する。
近年、低公害性と航続距離、およびエネルギ補給のインフラ等の観点から、駆動源としてエンジンと発電機能を備えたモータを組合せて搭載したハイブリッド車両(HEV)の実用化が進められている。
特にHEVのシステム構成のうち、伝達効率の高い手動変速機の変速動作を自動化した変速装置(以下、AMTという。)をベースとしたシステムが注目されている(特許文献1参照)。この従来技術では、AMTを構成する2つの軸の双方にそれぞれモータを配した構成が開示されている。
この構成では、車両アイドル停止時の発電方式に関しては、AMTの噛合い式クラッチを全て解放し、AMTの入力軸側にエンジンと乾式クラッチを介して接続したモータを用いて発電制御ができる。かつ、その場合での発進要求に関しては、常に出力軸に接続されているAMTの出力軸側のモータを用いて発進することができる。
このように、車両アイドル停止時の発電に用いるモータと、同発進に用いるモータとを各々独立させることにより、出力軸側のモータは出力軸に常に接続することが可能であり変速制御を行うことなく発進を行うことができる。
特開2000−272360号公報
しかしながら、車両アイドル停止時の発電状態からの発進性能確保のために2組のモータを用いるためコスト高となるという問題があった。また、発電用のモータと発進用のモータとを共用して1個として、かつ車両走行時にモータ駆動による走行を行う場合には、充電から走行に移行する際にモータまたはエンジンの出力を出力軸に接続する変速の為の時間が必要となり発進の応答性が低下することになる。
以上の問題に鑑みて、本発明の目的は、発電を行うアイドル停止状態からの発進性を確保しつつ、コスト低下及び小型化を図る駆動装置を提供することを目的とする。
本発明は、エンジンの回転軸と同軸に接続する第1入力軸と、モータの回転軸に接続する第2入力軸と、前記第1入力軸、第2入力軸に対する共通の出力軸と、前記第1入力軸に前記エンジンからのトルクを選択的に伝達する第1摩擦係合手段と、前記第1入力軸と前記出力軸との間に構成された複数のエンジン駆動用変速段と、前記第2入力軸と前記出力軸との間に構成されたモータ駆動用変速段と、前記エンジン駆動用変速段と前記モータ用変速段とを選択的に接続して、前記第1入力軸または前記第2入力軸と前記出力軸を接続するとともに、すべてを解放した場合には前記第1入力軸と前記第2入力軸とを接続するように構成した係合手段群と、前記係合手段群の各係合手段と前記第1摩擦係合手段の動作を制御する係合制御手段と、を備えた車両の駆動装置において、前記モータが発電した電力を蓄電するバッテリを備え、アイドル状態で停止中に前記モータの発電電力を前記バッテリに充電する時に、前記係合手段群を全て解放し、前記第1摩擦係合手段の締結力を前記モータの発電トルクとなるように制御する。
また、本発明は、エンジンの回転軸と同軸に接続する第1入力軸と、モータの回転軸に接続する第2入力軸と、前記第1入力軸、第2入力軸に対する共通の出力軸と、前記第1入力軸に前記エンジンからのトルクを選択的に伝達する第1摩擦係合手段と、前記第1及び第2入力軸と前記出力軸との間に構成された複数の変速段と、前記エンジン駆動用変速段と前記モータ用変速段とを選択的に接続して、前記第1入力軸または前記第2入力軸と前記出力軸を接続するとともに、すべてを解放した場合には前記第1入力軸と前記第2入力軸とを接続するように構成した係合手段群と、前記第1入力軸に入力する駆動力を第2入力軸に選択的に伝達する第2摩擦係合手段と、前記摩擦係合手段と前記係合手段群の各係合手段の動作を制御する係合制御手段80と、を備えた車両の駆動装置において、前記モータが発電した電力を蓄電するバッテリを備え、アイドル状態での停止中に前記モータの発電電力を前記バッテリに充電する時に、前記係合手段群を全て解放し、前記第2摩擦係合手段の締結力を前記モータの発電量が目標発電量となるように制御する。
本発明においては、アイドル充電状態でのモータの目標発電量に対応する発電トルクと第1摩擦係合手段の締結トルクがほぼ一定であり、かつモータの発電トルクはモータの最大発電トルクよりも小さくなる。
したがって、アイドル充電を可能とすることができるとともに、モータの発電トルクを増せば、第1摩擦係合手段を容易にすべらせることができる。このようなモータの発電トルク制御により所定の発進変速段の回転数を0として、この変速段の係合手段を接続し、アイドル充電状態から発進することができるので摩擦係合手段の締結力解除により行う場合に比べて変速段の係合手段の接続までの応答性を向上することができる。
図1は、本発明の変速装置100を備えたハイブリッド車両の駆動システムを説明する構成図である。
この駆動システムは、エンジン11と、エンジン11の駆動力をAMT式変速装置100の第1入力軸21に伝達する摩擦式の第1クラッチ(第1摩擦係合手段)61と、変速装置100の第2入力軸22に接続されるモータ13と、変速装置100の出力軸23に接続され、出力軸23の回転トルクを左右の駆動輪14に伝達する差動装置15とを備える。なお、モータ13は、インバータ16を介してバッテリ17に接続されており、バッテリ17の電力を消費して駆動力を発揮する。また、第2入力軸22に伝達される回転トルクでモータ13を発電駆動することも可能であり、得られた電力はバッテリ17に蓄えられる。
前述のように変速機100には、第1入力軸21、第2入力軸22、出力軸23とが備えられる。第1入力軸21は、エンジン11のクランクシャフトと同軸に配置され、乾式単板型の第1クラッチ61を介して接続する。第2入力軸22と出力軸23は、第1入力軸21と平行に設置される。第2入力軸22の一端には、前述のモータ13が接続される。出力軸23は、第1、第2入力軸21、22の中間に設置される。
第1、第2入力軸21、22と出力軸23の軸上には複数の歯車が設置され、第1入力軸21の歯車は出力軸23上の歯車と噛合し、出力軸23上の歯車は、第2入力軸22上の歯車と噛合する。
以下、変速装置100の構成について詳細を説明する。
第1入力軸21上には、第1入力軸21に固定される第1、第2歯車31、32と、第1入力軸21に回転自在に支持される第3〜第6歯車33〜36と、第3歯車33または第4歯車34を選択的に第1入力軸21に固定する第2クラッチ62と、第5歯車35または第6歯車36を選択的に第1入力軸21に固定する第3クラッチ63とが設けられる。ここで、第2、第3クラッチ62、63は、噛み合いクラッチ、いわゆるドッグクラッチで構成される。
第2入力軸22には、第1入力軸21に支持される第7歯車41が設けられる。
出力軸23上には、出力軸23に回転自在に支持される第8、第9歯車51、52と、出力軸23に固定される第10〜第14歯車53〜57と、第8歯車51または第9歯車52を選択的に出力軸23に固定する第4クラッチ64とが設けられる。第4クラッチ64は、ドッグクラッチで構成される。
第1入力軸21の第1歯車31は、カウンタギア58と噛合し、カウンタギア58は出力軸23の第10歯車51に噛合し、この歯車列は、後進用の変速ギアとして機能する。
第2歯車32は第9歯車52と、第3歯車33は第10歯車53と、第4歯車34は第11歯車54と、第5歯車35は第12歯車55と、第6歯車36は第13歯車56とそれぞれ噛合し、これらの歯車列は前進用の変速ギア(変速段)として機能し、それぞれの歯車列のギア比(変速比)は、第2歯車32と第9歯車52のギア比をR2、第3歯車32と第10歯車53のギア比をR3、第4歯車34と第11歯車54のギア比をR4、第5歯車35と第12歯車55のギア比をR5、第6歯車36と第13歯車56のギア比をR6とすると、以下の関係で表される。
R2>R3>R4>R5>R6
つまりR2が最も低いギア比(第1最大ギア比)となり、これらのギア比は具体的には、通常のマニュアル式変速装置の1速ギアのギア比から5速ギアのギア比に相当するギア比である。
例えば、ギア比R2の変速ギア(変速ギアR2のように表記する)を選択する場合には、第1クラッチ61を介してエンジン11と第1入力軸21とを接続し、出力軸23の第6クラッチ66の作用により第9歯車52を出力軸23に固定し、第2クラッチ62と第3クラッチ63を中立状態(歯車を軸に固定しない状態)にする。このとき、エンジン11の動力は第1入力軸21の第2歯車32から出力軸23の第9歯車52に伝達される。同様にして、各クラッチの締結状態を制御して、各速ギアを選択する。各ギア比での各クラッチの締結状態を図2に示す。
各クラッチの締結状態を制御するためにアクチュエータ71〜76が設置される。第1クラッチ61には第1アクチュエータ71、第2クラッチ62には第2アクチュエータ72、第3クラッチ63には第3アクチュエータ73、第4クラッチ64には第4アクチュエータ74がそれぞれ設けられて、各アクチュエータ71〜74は、コントローラ80の指示により各クラッチの締結状態を制御する。
なお、これまで説明した、第1入力軸21と出力軸23の構成と作用は、従来のマニュアル式変速装置とほぼ同様である。
図1の構成は、既存のAMTにモータ13を併設した構成であり、シンプルで低コストな構成である。モータ13は出力軸23上の第9歯車52を介して、第1入力軸21と接続している。第9歯車52は、第1クラッチ61を締結し、第4クラッチ64が中立状態であるとき、モータ13はエンジン11と直結状態となる。そのため、エンジン11が駆動中に充電およびアシストが自在である。また、第4クラッチ64が第9歯車52と結合しているときは、第1クラッチ61を解放することにより、モータ13で走行することが可能である。
但し、第4クラッチ64を締結させるためには、第9歯車52の回転数と出力軸23の回転数がほぼ一致する必要がある。そのため、車両停止状態での充電制御(以下、アイドル充電)時では第9歯車52が回転状態であり、出力軸23が停止状態であるため、発進要求に対して、即座に第4クラッチ64を締結することが不可能であった。
このため、従来技術のように、AMTを構成する2つの軸の双方にモータを配した構成が提案されるが、この構成ではコスト高を招いてしまう。
そこで、本発明は、第1クラッチ61とモータ13を制御し、さらに、第4クラッチ64の締結力を活用して、図1の構成でも運転者に違和感の無いアイドル充電からの発進性能を提供する。また本発明では通常蓄電装置の蓄電容量が低下しているときに行われるアイドル充電状態からの発進であるので、蓄電容量が低下しており、且つエンジンが既に運転されていることを鑑みて主にエンジン出力を利用して発進を行うようにしている。
まずはじめに、発進要求に即応できるためのアイドル充電状態について図3のフローチャートを用いて説明する。
図3は本発明によるハイブリッド車両のアイドル充電状態における制御フローの一例である。この制御はコントローラ80により実施される。
車両停止時は、燃費向上のためにエンジン11を停止し、第1クラッチ61を解放している。また、運転者の発進要求に即応できるように、第4クラッチ64を第9歯車52に締結し、モータ13での発進が可能な状態で待機している。
ここで車両停止時のバッテリ17の残存量を検出して、バッテリ17の残存量が所定量より少なく、アイドル充電の必要性が生じた場合、ステップ1においてアイドル充電制御を開始する。
続くステップ2で、第2クラッチから第4クラッチ62〜64を解放する。通常の場合は前述のように第4クラッチ64が締結状態であるが、ヒルホールドのためにこれらのうち複数のクラッチが締結している場合も想定されため、ここでは第2クラッチから第4クラッチ62〜64を解放している。
ステップ3、4では第1クラッチ61を締結し、エンジン11を始動する。第1クラッチ61を締結することにより、モータ13がエンジンスタータとして機能し、モータ13の駆動トルクでエンジン11を始動することができる。なお、図示していないが、エンジン11には小型の始動用のスタータモータを備えているが、より大きいモータ13のほうが高効率で滑らかな始動が可能である。
ステップ5ではエンジン11とモータ13を速度制御する。つまり、はじめに、モータ13の発電トルクと回転数を設定して速度制御し、モータ13が目標発電状態となるようにエンジン11をトルク制御する。または、エンジンの効率を優先してエンジン13の発するエネルギーとモータ13が発電するエネルギーを釣り合わせるために目標発電量を設定し、当該エネルギーを効率よく発生しえエンジン11の運転点(速度)を選択し、エンジンの運転点に合わせてモータ13の発電トルク(エンジン負荷)を制御する。
続くステップ6で、第1クラッチ61の締結力をモータ13が目標発電量に対応する発電トルクを維持できる程度まで低下させる。エンジン11およびモータ13が目標の発電状態で、かつ、回転数変動も少なく安定した状態で、第1クラッチ61の締結力を低下させる。モータ13の発電電流を用いて発電トルクを比較的正確に推定できるため、その推定値に応じて第1クラッチ61の締結力を制御する。
ステップ7ではエンジン11とモータ13との回転数差を演算して所定許容値と比較する。許容値より大きい場合にはステップ8に進む。これは、第1クラッチ61の締結力を下げ過ぎると、スリップが生じてしまい、発電効率の低下や第1クラッチの摩耗を招いてしまう。そのため、エンジン11とモータ13の回転数差が所定値以下となるように、第1クラッチ61の締結力を制御する。回転数差の許容値は1rpm程度である。
ステップ8ではエンジン11とモータ13の回転数差が所定値以上の場合に第1クラッチ61の締結力を上げる。
回転数差が許容値以下であれば、ステップ9に進み、発進要求に即座に対応できるアイドル充電状態とする。
次に、バッテリ17の蓄電量が所定蓄電量以下のアイドル充電状態からの発進時の制御について述べる。
図4は本発明によるハイブリッド車両のアイドル充電状態から発進する場合における制御フローの一例である。
ステップ11ではアイドル充電状態において、運転者が発進要求を判定する。発進要求がない場合には発進要求を待ち、発進要求がある場合にステップ12に進む。
ステップ12でモータ13のアイドル充電時の回転数における発電トルク余裕を下記のように比較する。
本制御方式は、モータ13の発電トルクで強制的に第1クラッチ61を滑らせ、第9歯車52の回転数をゼロとして第4クラッチ64を締結し、発進可能状態とする。そのため、モータ13はアイドル充電状態のクラッチ締結力と各歯車および軸の慣性に打ち勝つ発電トルクを発生する必要がある。
第7歯車41と第9歯車52のギア比をRmとし、モータ13および第2入力軸23の慣性をJm、第9歯車52の慣性をJ52、第2歯車32および第1入力軸12と第1入力軸12のクラッチや第1クラッチ61の出力側などの慣性をJ12とすると、第9歯車52の回転数をゼロにするために必要なモータ13の目標発電トルクは以下のように定義される。
ここで、Δtは発進要求が発せられてからドッグクラッチである第2〜第4クラッチ締結までの目標時間、Nmgはモータ13の回転数である。
この目標トルクに対し、モータ13の発電トルク余裕Tm_max×Hが、
を満たすとき、ステップ13へ移行し、満たさない場合はステップ18へ移行する。ここで、Tm_maxはモータ13の最大発電トルクで、Hは安全率である。
アイドル充電時のモータ13の動作点が、式(2)の発電トルク余裕より小さい動作点となることにより、モータ13のトルク制御で第1クラッチ61を滑らせ、容易に、かつ、迅速に発進のための準備ができる。
ステップ13ではモータ13の回転数がゼロとなるようにモータ13の発電トルクを制御する。
続くステップ14ではエンジン11の回転数を読み込み、読み込んだ回転数が所定回転数以上かどうかを判定する。ステップ13によるモータのゼロ速度制御により、第1クラッチ61は締結力を維持したまま、強制的に滑らされる。このとき、エンジン11は第1クラッチ61の入力側の締結力に釣合うトルクを発生しているため、理想的には回転数変動は生じない。しかし、実際には、第1クラッチ61の滑りに起因する締結力の変化などにより、エンジン11の回転数も変動してしまう。そこで、エンジン11の回転数が所定値以上かを判断し、所定値未満の場合はステップ15へ、所定値以上の場合はステップ18へ移行する。
ステップ15では、第1クラッチ61の締結力を低下させる。第1クラッチ61の締結力の低下により、エンジン11の負荷が下がるため、エンジン11の回転数低下を防ぐことができる。
続くステップ16では、エンジン11のトルクを増やす。エンジン11の回転数が低下し過ぎた場合は、エンジン11自らトルクを増やし、回転数を上昇させる。このとき、エンジン11の負荷は非常に小さいため、少しの燃料増量で容易に回転数を上昇させることができる。
ステップ17では、第9歯車52の回転数がゼロであるかを判定する。ほぼゼロの場合はステップ19へ、ゼロよりも大きい場合はステップ18へ移行する。
ステップ18では第4クラッチ64の同期力を上げる。第4クラッチに用いられるドッグクラッチは、ドッグクラッチを締結させるために、ドッグクラッチの回転方向とは垂直に働く力(以下、シフト力)により、同期動作を行う。そのため、第4クラッチ64にシフト力を与えて、同期力を発生させることにより、第9歯車52の回転数をゼロに近づけることができる。
モータ13のトルクに加え、第4クラッチ64のシフト力を併用することにより、容易に、かつ、迅速に発進のための準備ができる。
そしてステップ19では第4クラッチ64を第9歯車52に締結する。このとき、第9歯車52と第4クラッチ64の回転数はほぼ同じであるため、締結ショックは発生しない。続くステップ20で、モータ13の発電トルクを減少させエンジン11のトルク及び第1クラッチ61の締結力を増加して、ステップ21で車両を発進する。
図5は本発明のハイブリッド車両におけるアイドル充電状態から発進へ移行する際の動作を時系列的に示す図である。ここでは、モータ13のトルクのみで第9歯車52の回転数をゼロにする場合について説明する。
アイドル充電状態ではエンジン11、モータ13の発電トルク、および、第1クラッチ61の締結トルクがほぼ一定となるように制御されている。
時刻t1で運転者の発進要求に対し(S11)、モータ13の充電時の動作点が十分発電トルク余裕のある動作点であると判断されると(S12)、モータ13はゼロ速度制御させる(S13)。このとき、エンジン11の回転数が所定値以上となるように制御する(S14)。
モータ13及び第9歯車52の回転数がゼロ程度となったとき(時刻t2)、第9歯車52と出力軸23の回転数が略0となり(S14)、第4クラッチ64を締結する(S17)。その後、第4クラッチ64が完全に締結すると、モータ13の発電トルクを減らす(時刻t3)。
モータ13の発電トルクの減少に応じて、第1クラッチ61の伝達トルクが出力軸13に伝達され、車両は徐々に前進する。さらに、第1クラッチ61の締結力を上げるとともに、エンジン11のトルクも上昇させ(時刻t4)、車両速度が所定値を越えると、第1クラッチ61を完全締結状態にする(S20、時刻t5)。
図6は第4クラッチ64に用いられる一般的なドッグクラッチの構成概要図である。
シフトフォーク80はドッグクラッチアクチュエータにより制御され、アクチュエータのシフト力をドッグクラッチに伝える。ドッグクラッチはスリーブ81、キー82、バネ83、ハブ84、メインドライブギア85、クラッチギア86、シンクロナイザー87、コーンギア88から構成されている。スリーブ81がシンクロナイザー87とクラッチギア86と噛合うことにより、メインシャフト89のトルクを、メインドライブギア85を介して、他方の軸へ伝達することが可能となる。
ここで、コーンギア88の形状は、メインシャフト89に対して仰角φを有したものである。そのため、シフト力Fはコーンギア88の摩擦係数をμC、半径をRcとすると、
上式で表される同期トルクを発生する。この同期トルクにより、メインシャフト88とメインドライブギア85の回転数差がゼロとなる。
また、この同期トルクはコーンギア88がシンクロナイザー87に押されて、メインドライブギア85と接触することにより発生する。ドッグクラッチが中立状態ではシフト力Fが無く、シンクロナイザー87はコーンギア88を押していないため、式(1)の同期トルクは発生しない。シフト力Fにより、シンクロナイザー87が移動することで、式(1)の同期トルクが発生する。
図7は本発明のハイブリッド車両におけるアイドル充電状態から発進へ移行する際の動作を時系列的に示す図である。ここでは、モータ13の発電トルクと式(3)の同期トルクを併用して第9歯車52の回転数をゼロにする場合について説明する。
アイドル充電状態ではエンジン11、モータ13の発電トルク、および、第1クラッチ61の締結トルクがほぼ一定となるように制御されている。
運転者の発進要求に対し、モータ13の充電時の動作点が十分発電トルク余裕のある動作点であると判断されると、発電トルクを増大させモータ13をゼロ速度制御する(時刻t1)。同時に、第4クラッチ64にシフト力を与え、シンクロナイザー87を動かすことで、コーンギア88に同期トルクを発生させて、素早くモータ13の回転数(=第9歯車52の回転数)をゼロにする(時刻t3)。
モータ13の回転数がゼロ程度となると同時に、第4クラッチ64は締結される(時刻t4)。その後、モータ13の発電トルクを減らす。
モータ13の発電トルクの減少に応じて、第1クラッチ61の伝達トルクが出力軸13に伝達され、車両は徐々に前進する。さらに、第1クラッチ61の締結力を上げるとともに、エンジン11のトルクも上昇させ、車両速度が所定値を越えると、第1クラッチ61を完全締結状態にする(時刻t6)。
本制御方式のほうが、図5の方式よりも素早く第4クラッチ64を締結することができるが、第4クラッチ64の負担が大きいため、運転者の発進要求が急速な場合のみ用いることが望ましい。
以上が、アイドル充電からの発進までの動作の概要であり、他にも、発進要求とともにエンジン11のトルクと第1クラッチ61の締結力を下げてから、モータ13による速度ゼロ制御を行う方式などもある。
したがって、本発明では、エンジン11の回転軸と同軸に接続する第1入力軸21と、モータ13の回転軸に接続する第2入力軸22と、前記第1入力軸、第2入力軸に対する共通の出力軸23と、前記第1入力軸に前記エンジンからのトルクを選択的に伝達する第1摩擦係合手段61と、前記第1入力軸と前記出力軸との間に構成された複数のエンジン駆動用変速段R2〜R6と、前記第2入力軸と前記出力軸との間に構成されたモータ駆動用変速段(第7歯車41、第9歯車52)と、前記エンジン駆動用変速段と前記モータ用変速段とを選択的に接続して、前記第1入力軸21または前記第2入力軸22と前記出力軸23を接続するとともに、すべてを解放した場合には前記第1入力軸21と前記第2入力軸22とを接続するように構成した係合手段群62〜64と、前記係合手段群の各係合手段及び第1摩擦係合手段の動作を制御する係合制御手段80と、を備えた車両の駆動装置において、前記モータ13が発電した電力を蓄電するバッテリ17を備え、アイドル状態での停止中に前記モータ13の発電電力を前記バッテリ17に充電する時に、前記係合手段群を全て解放し、前記第1摩擦係合手段の締結力を前記モータの発電量が目標発電量となるように制御する。
このようにして、アイドル充電状態でのモータ13の目標発電量に対応する発電トルクと第1クラッチ61の締結トルクがほぼ一定であり、かつモータ13の発電トルクはモータ13の最大発電トルクよりも小さくなる。
したがってアイドル充電を可能とすることができるとともに、モータ13の発電トルクを増せば、第1クラッチ61を容易にすべらせることができる。このようなモータ13のトルク制御により所定の発進変速段(実施例ではR2)の回転数を0として、この変速段のクラッチ(実施例では第4クラッチ64)を接続することができる。また、エンジン駆動時の変速機とモータ駆動時の変速機との一部を共用するように構成したので、変速機を小型化することができる。
また、アイドル充電時のモータ13の発電トルクを最大発電トルクより小さい所定値(例えば、目標発電量に対応する発電トルク)に制御するため、第2摩擦係合手段64締結時に行う変速段をゼロ回転数にするモータのゼロ回転数制御時に容易にクラッチを滑らせることができる。
また、アイドル充電時に、運転者の発進要求があった場合、モータの回転数をゼロとするように制御するため、モータがゼロ回転数となるように最大発電トルクを発生して、容易に第1クラッチ61を滑らせることができる。これにより、締結する第2摩擦係合手段(第4クラッチ64)を締結することができる。また、エンジン11はクラッチ反力相当のトルクを出しているため、急激な回転数の上昇もしくは低下を抑制できる。
またモータ13の回転数をゼロ制御するとともに、選択する変速段の摩擦係合手段64を解放状態から締結状態へと移行させるシフト力を増やすため、モータ13の発電量が大きく、モータ13が最大発電トルクを発揮してもゼロ回転数とするのが困難な場合でも、シフト力に起因するシンクロナイザの同期動作による力を併用できる。そのため、発進性能を損なうことなくアイドル充電時のモータの発電力を大きくすることが可能である。
図8は、本発明の第2の実施形態のハイブリッド車両の駆動システムを説明する構成図である。
この駆動システムは、第1の実施形態と同様に、エンジン11と、エンジン11の駆動力をAMT式変速装置100の第1入力軸21に伝達する摩擦式の第1クラッチ61と、変速装置100の第2入力軸22に接続されるモータ13と、変速装置100の出力軸23に接続され、出力軸23の回転トルクを左右の駆動輪14に伝達する差動装置15とを備える。なお、モータ13は、インバータ16を介してバッテリ17に接続されており、バッテリ17の電力を消費して駆動力を発揮する。また、第2入力軸22に伝達される回転トルクでモータ13を発電駆動することも可能であり、得られた電力はバッテリ17に蓄えられる。
前述のように変速機100には、第1入力軸21、第2入力軸22、出力軸23とが備えられる。第1入力軸21は、エンジン11のクランクシャフトと同軸に配置され、乾式単板型の第1クラッチ61を介して接続する。第2入力軸22と出力軸23は、第1入力軸21と平行に設置される。第2入力軸22の一端には、前述のモータ13が接続される。出力軸23は、第1、第2入力軸21、22の中間に設置される。
第1、第2入力軸21、22と出力軸23の軸上には複数の歯車が設置され、第1入力軸21の歯車は出力軸23上の歯車と噛合し、出力軸23上の歯車は、第2入力軸22上の歯車と噛合する。
以下、変速装置100の構成について詳細を説明する。
第1入力軸21上には、第1入力軸21に固定される第1、第2歯車31、32と、第1入力軸21に回転自在に支持される第3〜第6歯車33〜36と、第3歯車33または第4歯車34を選択的に第1入力軸21に固定する第2クラッチ62と、第5歯車35または第6歯車36を選択的に第1入力軸21に固定する第3クラッチ63とが設けられる。ここで、第2、第3クラッチ62、63は、噛み合いクラッチ、いわゆるドッグクラッチで構成される。
第2入力軸22上には、第1入力軸21に回転自在に支持される第7、第15、第16歯車41〜43と、第7歯車41を第2入力軸22に固定する第5クラッチ(第2摩擦係合手段)65と、第15歯車42または第16歯車43を選択的に第2入力軸22に固定する第6クラッチ66とが設けられる。ここで、第5クラッチ65は、トルク伝達率の制御性に優れた多板式クラッチで構成され、第6クラッチ66は、第2、第3クラッチ62、63と同様にドッグクラッチで構成される。
出力軸23上には、出力軸23に回転自在に支持される第8、第9歯車51、52と、出力軸23に固定される第10〜第14歯車53〜57と、第8歯車51または第9歯車52を選択的に出力軸23に固定する第4クラッチ64とが設けられる。第4クラッチ64は、ドッグクラッチで構成される。
第1入力軸21の第1歯車31は、カウンタギア58と噛合し、カウンタギア58は出力軸23の第8歯車51に噛合し、この歯車列は、後進用の変速ギアとして機能する。
第2歯車32は第9歯車52と、第3歯車32は第10歯車53と、第4歯車34は第11歯車54と、第5歯車35は第12歯車55と、第6歯車36は第13歯車56とそれぞれ噛合し、これらの歯車列は前進用の変速ギア(変速段)として機能し、それぞれの歯車列のギア比(変速比)は、第2歯車32と第9歯車52のギア比をR2、第3歯車32と第10歯車53のギア比をR3、第4歯車34と第11歯車54のギア比をR4、第5歯車35と第12歯車55のギア比をR5、第6歯車36と第13歯車56のギア比をR6とすると、以下の関係で表される。
R2>R3>R4>R5>R6
つまりR2が最も低いギア比(第1最大ギア比)となり、これらのギア比は具体的には、通常のマニュアル式変速装置の2速ギアのギア比から6速ギアのギア比に相当するギア比である。
例えば、ギア比R2の変速ギア(変速ギアR2のように表記する)を選択する場合には、第1クラッチ61を介してエンジン11と第1入力軸21とを接続し、出力軸23の第4クラッチ64の作用により第9歯車52を出力軸23に固定し、第2クラッチ62と第3クラッチ63を中立状態(歯車を軸に固定しない状態)にする。このとき、エンジン11の動力は第1入力軸21の第2歯車32から出力軸23の第9歯車52に伝達される。同様にして、各クラッチの締結状態を制御して、各速ギアを選択する。各ギア比での各クラッチの締結状態を図9に示す。
各クラッチの締結状態を制御するためにアクチュエータ71〜76が設置される。第1クラッチ61には第1アクチュエータ71、第2クラッチ62には第2アクチュエータ72、第3クラッチ63には第3アクチュエータ73、第4クラッチ64には第4アクチュエータ74、第5クラッチ65には第5アクチュエータ75、第6クラッチ66には第6アクチュエータ76がそれぞれ設けられて、各アクチュエータ71〜76は、コントローラ80の指示により各クラッチの締結状態を制御する。
なお、これまで説明した、第1入力軸21と出力軸23の構成と作用は、従来のマニュアル式変速装置とほぼ同様である。
次に第2入力軸22側の構成について説明する。第7歯車41は第9歯車52と、第8歯車42は第10歯車53と、第9歯車43は第11歯車54とそれぞれ噛合し、これらの歯車列も前進用の変速ギア(変速段)として機能する。
このように、第1入力軸21と第2入力軸22上の歯車が出力軸23上の歯車を共用することにより、歯車の点数を削減し、低コスト化を図ることができる。
第2入力軸22を使用する変速段としては、例えば、第1クラッチ61を介してエンジン11と第1入力軸21とを接続し、第5クラッチ65を介して第7歯車41を第2入力軸22に固定し、第6クラッチ66を介して第15歯車42を出力軸23に固定し、第2クラッチ62と第3クラッチ63と第4クラッチ64とを中立状態にする変速ギアや、第1クラッチ61を介してエンジン11と第1入力軸21とを接続し、第5クラッチ65を介して第7歯車41を第2入力軸22に固定し、第6クラッチ66を介して第19歯車43を出力軸23に固定し、第2クラッチ62と第3クラッチ63と第4クラッチ64とを中立状態にする変速ギアを選択可能である。
なお、第1クラッチ61を介してエンジン11と第1入力軸21とを接続し、第5クラッチ65を介して第7歯車41を第2入力軸22に固定したときのエンジン11の回転速度とモータ13の回転速度の比をRemとした場合、本実施形態ではRem<1となるように第2歯車32と第7歯車41の歯数を設定(すなわち、第2歯車32の歯数>第7歯車41の歯数)している。
また、第15歯車42と第10歯車53のギア比をRmg_low、第16歯車43と第11歯車54のギア比をRmg_highとした場合に、これらのギア比が以下の関係を満たすようにしている。
Rmg_low(第2最大ギア比)>R2(第1最大ギア比)
R2>Rmg_high>R5
コントローラ80は、運転者の意図に応じた要求駆動力を最良燃費で出力するようにエンジン11と変速機100を制御する。さらにコントローラ80は、これら入力信号や車両の運転条件に基づいて、車両走行時の駆動源の選択(つまり、エンジン11による走行、モータ13による走行、エンジン11とモータ13との併用による走行)や、エンジン11の始動、モータ13の発電及び回生制動の制御を行う。
図10は本発明によるハイブリッド車両のアイドル充電状態における制御フローの一例である。この制御はコントローラ80により実施される。
車両停止時は、燃費向上のためにエンジン11を停止し、第1クラッチ61を解放している。また、運転者の発進要求に即応できるように、第4クラッチ64を第9歯車52に締結し、モータ13での発進が可能な状態で待機している。
ここで車両停止時のバッテリ17の残存量を検出して、バッテリ17の残存量が所定量より少なく、アイドル充電の必要性が生じた場合、ステップ31においてアイドル充電制御を開始する。
続くステップ32で、第2クラッチから第4クラッチ62〜64、第6クラッチ66を解放する。通常の場合は前述のように第6クラッチ66が締結状態であるが、ヒルホールドのためにこれらのうち複数のクラッチが締結している場合も想定される。
ステップ33、34では第1クラッチ61、第5クラッチ65を締結し、エンジン11を始動する。第1クラッチ61、第5クラッチ65を締結することにより、モータ13がエンジンスタータとして機能し、モータ13の駆動トルクでエンジン11を始動することができる。なお、図示していないが、エンジン11には小型の始動用のスタータモータを備えているが、より大きいモータ13のほうが高効率で滑らかな始動が可能である。
ステップ35ではエンジン11とモータ13を速度制御する。はじめに、モータ13を速度制御し、モータ13が目標発電状態となるようにエンジン11をトルク制御する。
続くステップ36で、第5クラッチ65の締結力をモータ13が目標発電量に対応する発電トルクを維持できる程度まで低下させる。エンジン11およびモータ13が目標の発電状態で、かつ、回転数変動も少なく安定した状態で、第5クラッチ65の締結力を低下させる。モータ13の発電電流を用いて発電トルクを比較的正確に推定できるため、その推定値に応じて第1クラッチ61の締結力を制御する。
ステップ37ではエンジン11とモータ13との回転数差を演算して所定許容値と比較する。許容値より大きい場合にはステップ38に進む。これは、第5クラッチ65の締結力を下げ過ぎると、スリップが生じてしまい、発電効率の低下や第1クラッチの摩耗を招いてしまう。そのため、エンジン11とモータ13の回転数差が所定値以下となるように、第1クラッチ61の締結力を制御する。回転数差の許容値は1rpm程度である。
ステップ38ではエンジン11とモータ13の回転数差が所定値以上の場合に第5クラッチ65の締結力を上げる。
回転数差が許容値以下であれば、ステップ39に進み、発進要求に即座に対応できるアイドル充電状態とする。
図11は本発明のハイブリッド車両におけるアイドル充電状態から発進へ移行する際の動作を時系列的に示す図である。ここでは、モータ13の発電トルクのみで第9歯車52の回転数をゼロにする場合について説明する。
アイドル充電状態ではエンジン11、モータ13の発電トルク、および、第1クラッチ61の締結トルクがほぼ一定となるように制御されている。
時刻t1で運転者の発進要求に対し、モータ13の充電時の動作点が十分発電トルク余裕のある動作点であると判断されると、モータ13はゼロ速度制御させる。このとき、エンジン11の回転数が所定値以上となるように制御する。
モータ13及び第9歯車52の回転数がゼロ程度となったとき(時刻t2)、第9歯車52と出力軸23の回転数が略0となり、第6クラッチ66を締結する。その後、第6クラッチ66が完全に締結すると、モータ13の発電トルクを減らす(時刻t3)。
モータ13の発電トルクの減少に応じて、第4クラッチ64の伝達トルクが出力軸13に伝達され、車両は徐々に前進する。さらに、第4クラッチ64の締結力を上げるとともに、エンジン11のトルクも上昇させ(時刻t4)、車両速度が所定値を越えると、第4クラッチ64を完全締結状態にする(時刻t5)。
以上が、アイドル充電からの発進までの動作の概要であり、他にも、発進要求とともに第1クラッチ61の締結力を制御して、モータ13による速度ゼロ制御を行う方式などもある。
したがって本実施形態は、エンジンの回転軸と同軸に接続する第1入力軸21と、モータの回転軸に接続する第2入力軸22と、前記第1入力軸、第2入力軸に対する共通の出力軸23と、前記第1入力軸に前記エンジンからのトルクを選択的に伝達する第1摩擦係合手段と、前記第1及び第2入力軸と前記出力軸との間に構成された複数の変速段R2〜R6と、前記エンジン駆動用変速段と前記モータ用変速段とを選択的に接続して、前記第1入力軸21または前記第2入力軸22と前記出力軸23を接続するとともに、すべてを解放した場合には前記第1入力軸21と前記第2入力軸22とを接続するように構成した係合手段群(62〜64、66)と、前記第1入力軸に入力する駆動力を第2入力軸に選択的に伝達する第2摩擦係合手段65と、前記各摩擦係合手段及び前記係合手段群の各係合手段の動作を制御する摩擦係合制御手段80とを備えた車両の駆動装置において、前記モータ13が発電した電力を蓄電するバッテリ17を備え、アイドル状態での停止中に前記モータの発電電力を前記バッテリ17に充電する時に、前記係合手段群を全て解放し、前記第2摩擦係合手段65の締結力を前記モータの発電トルクとなるように制御するため、第1の実施形態の効果に加えて、第1摩擦係合手段が乾式クラッチのときに、完全締結にできるため伝達効率に優れる。また、エンジン変速機がフライホイールの役目を果たすため、発進要求に対するモータのゼロ回転数制御時に生じるエンジンの回転数変動を抑制することができる。
本発明は、駆動源としてエンジンとモータとを備えたハイブリッド車両に有用である。
ハイブリッド車両の駆動システムの構成図である。 各ギア比でのクラッチの締結状態を説明する図である。 本発明によるハイブリッド車両の駆動装置のアイドル充電制御方式の一実施例である。 本発明によるハイブリッド車両の駆動装置のアイドル充電からの発進制御方式の一実施例である。 本発明によるハイブリッド車両の駆動装置のアイドル充電状態から発進する際の動作概要例である。 本発明によるハイブリッド車両の駆動装置の第4クラッチの同期トルク発生原理の概要例である 本発明によるハイブリッド車両の駆動装置のアイドル充電状態から発進する際の動作例である 本発明によるハイブリッド車両の駆動システムの第2の実施形態である 同じく各ギア比でのクラッチの締結状態を説明する図である。 本発明によるハイブリッド車両の駆動装置のアイドル充電制御方式の一実施例である 本発明によるハイブリッド車両の駆動装置のアイドル充電状態から発進する際の動作例である。
符号の説明
11 エンジン
13 モータ
14 駆動輪
15 差動装置
16 インバータ
17 バッテリ
21 第1入力軸
22 第2入力軸
23 出力軸
31〜36 第1〜第6歯車
41〜43 第7、第15、第16歯車
51〜57 第8〜第14歯車
58 カウンタ歯車
61〜66 第1〜第6クラッチ
71〜76 アクチュエータ
80 コントローラ
81〜84 回転速度センサ
100 変速装置

Claims (7)

  1. エンジンの回転軸と同軸に接続する第1入力軸と、
    モータの回転軸に接続する第2入力軸と、
    前記第1入力軸、第2入力軸に対する共通の出力軸と、
    前記第1入力軸に前記エンジンからのトルクを選択的に伝達する第1摩擦係合手段と、
    前記第1入力軸と前記出力軸との間に構成された複数のエンジン駆動用変速段と、
    前記第2入力軸と前記出力軸との間に構成されたモータ駆動用変速段と、
    前記エンジン駆動用変速段と前記モータ用変速段とを選択的に接続して、前記第1入力軸または前記第2入力軸と前記出力軸を接続するとともに、すべてを解放した場合には前記第1入力軸と前記第2入力軸とを接続するように構成した係合手段群と、
    前記係合手段群の各係合手段と前記第1摩擦係合手段の動作を制御する係合制御手段と、
    を備えたハイブリッド車両の駆動装置において、
    前記モータが発電した電力を蓄電するバッテリを備え、
    アイドル状態で停止中に前記モータの発電電力を前記バッテリに充電する時に、前記係合手段群を全て解放し、前記第1摩擦係合手段の締結力を前記モータの発電トルクとなるように制御することを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。
  2. 前記アイドル充電時の前記モータの発電トルクを前記モータの最大トルクより小さい所定値に制御することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
  3. 前記アイドル充電時に、運転者の発進要求があった場合、前記モータの回転数をゼロとするように制御することを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
  4. 前記モータの回転数をゼロに制御するとともに、選択する前記変速段の係合手段を解放状態から締結状態へと移行させるシフト力を増やすことを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
  5. 前記係合手段群の各係合手段はドッグクラッチからなることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
  6. エンジンの回転軸と同軸に接続する第1入力軸と、
    モータの回転軸に接続する第2入力軸と、
    前記第1入力軸、第2入力軸に対する共通の出力軸と、
    前記第1入力軸に前記エンジンからのトルクを選択的に伝達する第1摩擦係合手段と、
    前記第1及び第2入力軸と前記出力軸との間に構成された複数の変速段と、
    前記エンジン駆動用変速段と前記モータ用変速段とを選択的に接続して、前記第1入力軸または前記第2入力軸と前記出力軸を接続するとともに、すべてを解放した場合には前記第1入力軸と前記第2入力軸とを接続するように構成した係合手段群と、
    前記第1入力軸に入力する駆動力を第2入力軸に選択的に伝達する第2摩擦係合手段と、
    前記摩擦係合手段と前記係合手段群の各係合手段の動作を制御する係合制御手段80と、
    を備えたハイブリッド車両の駆動装置において、
    前記モータが発電した電力を蓄電するバッテリを備え、
    アイドル状態での停止中に前記モータの発電電力を前記バッテリに充電する時に、前記係合手段群を全て解放し、前記第2摩擦係合手段の締結力を前記モータの発電トルクとなるように制御することを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。
  7. 前記係合手段群の各係合手段はドッグクラッチからなることを特徴とする請求項6に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
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