JP3946254B2 - オイルポンプを備えたオイルシール式回転ベーン真空ポンプ - Google Patents
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Description
請求項1の上位概念に記載した特徴を有する回転ベーン真空ポンプはドイツ連邦共和国特許出願公開第3922417号明細書から公知である。従来技術にもとづくオイルポンプの吐出室内へのガス及びオイルのための供給部は、オイルポンプがまず始めに空気だけを、次いでオイルだけを吸込むように配置されている。このことは、後続のベーンが、回転する吐出容積室を空気吸込開口から既に遮断し終えて初めてオイルのための吸込開口が開放されるように、空気のための吸込開口とオイルのための吸込開口との間隔の大きさが決定されることにより達成される。空気とオイルとを同時に吸込むことは不可能である。それゆえ、公知の解決手段では、均一に周方向に分配された少なくとも3つのベーンを備えたオイルポンプの使用が前提される。このようにすることによってのみ、ポンプの始動状態中でもオイルを吸込むことが保証される。しかし、オイルの供給なしでは、オイルポンプ並びにオイルを供給すべき回転ベーン真空ポンプが比較的短時間で損傷を被る。しかも、3つのベーンを備えた回転ベーンポンプとして形成されたオイルポンプは高価であり、ひいてはコスト増大を招く。その上、吸込まれる空気もしくは吸込まれるオイルの量はノズルによって影響されるのみであり、ノズルでは閉塞の恐れが生じる。
ヨーロッパ特許公開第474066号明細書からは、同様に回転ベーンポンプとして形成されたオイルポンプに供給されるガス及びオイルをオイルポンプ内への流入に先立って混合することが公知である。このことのために、ベンチュリノズルが使用される。このベンチュリノズルの領域内では空気流及びオイル流が平行に向けられる。このことにより圧力低下が生じ、その結果、連れ込まれたガスによりオイルがローディングされる。この解決手段も、特にベンチュリノズルを使用するため、技術的に比較的高価である。
本発明の課題とするところは、オイルシール式真空ポンプへのガス・オイル混合物の供給が特別簡単であるような、冒頭に記載した形式のオイルシール式真空ポンプを形成することにある。
本発明によればこの課題は請求項1に記載の特徴により解決される。本発明にもとづく真空ポンプでは、回転ベーンポンプとして形成されたオイルポンプや、オイルポンプとは無関係な、オイルと空気との混合のための手段をもはや使用する必要がない。まず始めにオイルを、次いで空気とオイルとを同時に吸込むことにより、既にオイルポンプ内でガスとオイルとの有効な混合が生じる。まず始めにオイル、次いでオイルと空気との吸込は同一の吐出容積室内で行われる。吐出容積室が空気の吸込開口とオイルの吸込開口とを常時分離していなければならない形式の、回転ベーンを備えたオイルポンプはもはや不必要である。さらに、特別な利点とするところは、吸込まれる空気の分量が空気のための吸込開口の角度位置を介して規定できることにある。吐出される混合物の空気/オイル分量に影響を与える目的のためのノズルの使用が省かれる。
次に、本発明のその他の利点及び詳細を、第1図及び第2図に示された実施例につき詳細に説明する。
第1図は本発明に基づく回転ベーン真空ポンプのための1実施例の縦断面図、及び
第2図はオイルポンプが挿入されている軸受部材の端面図である。
図示のポンプ1は、主として、外側の壁5と、カバー6と、ポンプ室8,9及び軸受孔11を備えた内部分7と、ポンプ室8,9を端面側で閉鎖する端板12及び軸受部材13とを備えている。軸受孔11の軸線は符号14で示されている。外側の壁5と内部分7との間にはオイル室17が設けられており、オイル室はポンプの運転中に部分的にオイルにより充填されている。オイルレベルのコントロールのためにカバー6に2つのオイルアイ18,19(最大、最小のオイルレベル)が設けられている。オイル充填接続部及びオイル排出接続部は図示されていない。符号20でオイルパンが示されている。
内部分7の内部にはロータ3が配置されている。ロータ3は一体に形成されており、かつ端面に配置された2つの回転子部分21,22と、これら回転子部分の間に配置された軸受部分23とを備えている。回転子部分21,22は2つのベーン26,27のためのスリット24,25を備えている。第1図にもとづく図示は、それぞれのベーン中間室28,29が図平面内に位置するように行われている。ベーンスリット24,25はそれぞれロータの対応する端面を起点として切削されており、その結果、簡単にスリット寸法を得ることができる。軸受部分23は回転子部分21,22の間に位置しており、かつ、軸受孔11はロータの唯一の支承部を形成している。
回転子部分22及び対応するポンプ室9は、ポンプ室8を備えた回転子部分21に比して大きな直径を有している。回転子部分22及びポンプ室9は高真空段を形成している。この高真空段9,22の入口は運転中に吸込接続部30に連通する。高真空段9,22の出口と予備真空段8,21の入口とはポンプ室8,9の軸線に平行に延びているハウジング孔31を介して連通している。予備真空段8,21の出口はオイル室17内に開口している。オイルを含有したガスはオイル室内で鎮静し、かつ出口接続部33を介してポンプから流出する。図面を見やすくするため、両方のポンプ段の入口開口及び出口開口は第1図には図示されていない。ポンプのハウジング2は効果的に、可能な限り少ない部品点数で構成されている。少なくとも、両方のポンプ室8,9及びオイル室17を囲む壁部分5,7は一体に形成されていることが望ましい。
軸受部材13は軸受孔11の軸線14と同軸的にロータ駆動軸のための孔35を備えている。この軸は直に駆動モータ4の駆動軸36から成ることができる。第1図に示す実施例では、駆動軸36の自由な端面とロータ3との間に連結部材37が設けられている。駆動軸36とロータとの連結の種類と仕方は詳細には図示されていない。この連結の種類と仕方はドイツ連邦共和国特許出願公開第4325285号明細書に詳細に説明されている。
図示のポンプはオイルポンプを備えている。オイルポンプは軸受部材13内へモータ側から形成されたポンプ室45と、このポンプ室内で回転する楕円形の偏心体46とから成る。偏心体には、スパイラルばね48の圧力を受けている遮断ベーン47が当接している。オイルポンプの偏心体46は連結部材37の構成部分である。偏心体は固定的に又は形状係合的に−軸方向の遊びだけを有して−連結部材37に結合されている。
オイルポンプ45,46を備えた図示の実施例では、軸受部材13はモータ4に面した側に円形の切欠58を備えており、この切欠内にディスク59が配置されている。ディスクは駆動モータ4のハウジング61によりその位置に保持されている。ディスクは中央の孔62を備えており、この孔は駆動モータ4の駆動軸36により貫通されている。さらに、ディスク59はオイルポンプ45,46のポンプ室45を制限する役目を有している。
オイルポンプ45,46は第1の通路64を介してオイル室17から空気を、かつ第2の通路65を介してオイルパン20からオイルを供給される。オイルポンプから吐出された空気・オイル・混合物は、軸受孔11内へ開口(開口67)した通路66内へ流入する。開口67の高さのところに軸受ジャーナル23が一貫して延びる半径方向孔68を備えており、この半径方向孔からは、ノズル70を備えた軸方向孔69がベーン中間室28へ向かって分岐している。通路66の開口67と軸受ジャーナル23内の半径方向孔68の開口との位置は、ベーン26がそのT−位置を占めている場合にのみ短時間だけ通路66から孔68内にオイルが流入することができるように選択されている。半径方向孔68が軸受ジャーナル23を完全に貫通しているため2つの開口が存在しており、その結果、ベーンがそのT−位置を占めた場合にはいつでもオイルポンプ45,46への接続が生じる。ロータ3のそれぞれの1回転ごとに、ベーン26は2度このT−位置を占める。この位置でベーン中間室28は最小の容積を有している。ノズルを介してそのつど短時間だけベーン中間室28内へ噴入されるオイル・空気・混合物はベーン中間室28を貫流して無圧でポンプ室8内に達する。そのことのために、カバー12の内側はベーン中間室28からポンプ室8まで延びている溝71を備えている。ベーン中間室28が常時ポンプ室8に連通するのを保証するために、回転子部分21の自由な端面は付加的に中央の旋削部72を備えている。
本発明にもとづくポンプが1段のポンプである場合には、オイル・空気・混合物の規定の分量は孔66,68,69及びベーン中間室28を通ってポンプ室8内に流入し、ポンプ室からオイル室17へ戻される。極めて少ないオイル量だけが軸受孔11と軸受ジャーナル23との間の軸受隙間内に達し、この支承部に潤滑オイルを供給する。潤滑オイルは軸受隙間を貫流し、次いで同様にポンプ室8内に達する。真空ポンプが、第1図に示す実施例でのように、2段に形成されている場合には、第3のオイル・空気・部分流が支承部11,23の軸受隙間内へ高真空ポンプ段9,22へ向かって流入する。オイル・空気・混合物が高真空段内へ達してしまうと、オイルを含んだ空気が真空ポンプの最終圧の特性を損なう。それゆえ、通路66の開口67から高真空段のポンプ室9に至るまでの間に、脱気ステップが設けられる。そのことのために、軸受ジャーナル23は環状の溝74を備えており、この環状の溝の高さのところに、中間真空(孔31)に連通した孔75が開口している。
第2図は軸受部材13の端面図を示す。この軸受部材13内にはオイルポンプの円形のポンプ室45が設けられている。ポンプ室内には楕円形に形成されたロータ46が配置されており、このロータに遮断ベーン47が下から当接している。回転方向が矢印で示されている。その容積を増大しつつある吐出容積室(遮断ベーン47の右側)内にはまず最初にオイル供給部81が開口している。このオイル供給部は軸受部材13の表面に溝として形成されており、かつオイル供給通路65(第1図)の開口部からポンプ室45まで延びている。この溝は側方へ分岐した溝82を介して遮断ベーン47の背面に連通していて、この遮断ベーンに潤滑オイルを供給し、かつ遮断ベーンスリット内の圧力負荷軽減を生ぜしめる。
角度αだけずれて空気供給部83がポンプ室45内に開口している。この空気供給部も溝として形成されており、かつ空気供給通路64(第1図)に連通している。
吸い込まれたオイル・空気・混合物はそのつどの吐出容積室から出口84へ搬送される。出口は溝により形成されており、この溝は通路66(第1図)に連通している。
オイル・空気・混合物内の空気分量は角度α(オイル供給部から空気供給部までの方位角)の大きさに依存している。角度αの変化により、この分量に影響を与えることができる。角度αの大きさは5°と90°との間、有利には30〜40の間に位置している。規定の吸込位相部分中にオイル並びに空気が吸い込まれることが重要であり、このことは図示のロータとは別のロータにもあてはまる。
Claims (7)
- ロータ(3)とオイルポンプ(45,46)とを備えたオイルシール式回転ベーン真空ポンプ(1)であって、オイルポンプのポンプ室がガスのための供給部(64)とオイルのための供給部(65)とを備えている形式のものにおいて、オイルポンプ(45,46)の回転する吐出容積室内へまず最初にオイルだけが、次いでオイルと空気とが吸込まれるように、ガスのための供給部(64)とオイルのための供給部(65)との配置が選択されており、オイルポンプ(45,46)がロータ(46)と、このロータに当接した遮断ベーン(47)とを有していることを特徴とするオイルポンプを備えたオイルシール式回転ベーン真空ポンプ。
- ロータ(46)が楕円の形状を有していることを特徴とする請求項1記載の回転ベーン真空ポンプ。
- オイルポンプ(45,46)が回転ベーンポンプ内に統合されており、かつ、オイルポンプがロータ(3)のための駆動軸(36)に連結されていることを特徴とする請求項1又は2記載の回転ベーン真空ポンプ。
- オイルポンプ(45,46)のポンプ室(45)が駆動側で軸受部材(13)内に設けられており、かつ、軸受部材(13)に当接したディスク(59)が一方のポンプ室壁を形成していることを特徴とする請求項3記載の回転ベーン真空ポンプ。
- 軸受部材(13)及び/又はディスク(59)が溝(81〜84)を備えており、これらの溝がオイルポンプ(45,46)のポンプ室(45)内に開口していることを特徴とする請求項4記載の回転ベーン真空ポンプ。
- オイルを案内する溝(81)が分岐(82)を介して遮断ベーンスリットに連通していることを特徴とする請求項1又は5記載の回転ベーン真空ポンプ。
- オイルポンプ(45,46)の出口(84)がハウジング内及び軸受部材(23)内の通路(66,68,69)を介してベーン中間室(28)に連通していることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項記載の回転ベーン真空ポンプ。
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