JP3945564B2 - 球タンク及び遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、賞球や貸し球として払出される遊技球を貯留する球タンク及び当該球タンクを備えた遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機には、その機内部に遊技球を賞球や貸し球として上球皿、若しくは、下球皿に払出すための球払出装置が装着されている。そして、前記球払出装置の上流側には前記遊技球を貯留する球タンクが配設されており、前記球払出装置には前記球タンクから球通路を介して前記遊技球が供給されるようになっている。
【0003】
ところで、従来の球タンクは、前記遊技球の出口側における球詰まりを抑制するために、複数列状態(例えば、2列,3列など)の遊技球を前記球通路側に排出するように構成されている。また、前記球通路は、前記球タンクから複数列状態の遊技球を受け入れ、当該遊技球をその状態で前記球通路の下流側に流下案内するように構成されている。
【0004】
一方、前記球払出装置は、前記遊技球の通過検出に係る構成を簡略化するために、通常、遊技球を一列状態で受け入れるように構成されている。そのため、従来、前記球通路の下流側には、球タンクから複数列状態で受け入れた遊技球を一列状態にするための各種手段が設けられている。このような手段としては、例えば、各列毎に歯車(スプロケット)を設け当該各歯車を互いに歯角度を異ならせて回転駆動させる手段(特開昭64−37980号公報)などが考え出されている。また、従来、球タンクや球通路での球詰まりを抑制するために、例えば、球通路などに振動を付与する手段(特開平11−226213号公報)を設けることなどが考え出されている。そして、これらの手段を採用することで球通路を複数列状態で流下案内された遊技球は、前記球通路の下流側において球詰まりが発生することなく一列状態とされて前記球払出装置の上流側に供給できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の球通路には、遊技球の球詰まりを抑制したり、複数列状態の遊技球を一列状態の遊技球とするために前述のような各種手段を設ける必要があった。そのため、前記球通路には、前記各種手段を装着するための手段が必要であると共に、前記各種手段が装着された後の球通路はその構成が複雑になっていた。また、前記球通路が複雑になることにより当該球通路を備えたパチンコ機などの遊技機の構成も複雑になっていた。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、遊技球の球詰まりを抑制しつつ、構成を簡略化することができる球タンク及び遊技機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、遊技機から払出す遊技球を貯留する球タンクにおいて、タンク底面は、該タンク底面に連設されて前記遊技球を下流側へ流下案内する球通路に向かって前記遊技球を一方向に流下案内し、前記球通路は、前記タンク底面に遊技球略1個分の段差を介して連設される通路底面を有するとともに前記遊技球の流下方向と直交する方向の通路幅が一列の遊技球の通過を許容するよう前記遊技球の球径と略同一に設定され、かつ最下流部に前記遊技球の通過を1個ずつ許容する排出口を形成した流下案内通路部と、前記流下案内通路部の上流側部位に付設されるとともに、受入面、及び誘導面並びに傾斜面からなる整流通路部と、から構成されており、前記整流通路部の前記受入面は前記流下案内通路の通路幅方向に並ぶよう前記タンク底面に対して略面一状に連設されるとともに前記遊技球の流下方向に沿って延設され、前記整流通路部の前記誘導面は前記受入面に対して前記遊技球の流下方向に沿って連設されるとともに前記流下方向に沿って上る円弧面又は傾斜面とされており、前記整流通路部の前記傾斜面は前記受入面及び前記誘導面と前記流下案内通路部との間に並設されるとともに前記流下案内通路部の通路底面よりも上方の前記流下案内通路部の開口端部に連設されて前記受入面及び前記誘導面から前記流下案内通路部に向かって下り勾配をなす斜状面とされており、前記タンク底面から前記流下案内通路部の通路底面に対し前記遊技球を直接案内するとともに、前記タンク底面から前記受入面へ流下した遊技球については該遊技球を前記受入面、前記誘導面及び前記傾斜面によって前記流下案内通路部側へ案内することで該流下案内通路部の通路底面を流下する遊技球に対して段状に積み、その段積みにより前記タンク底面から複数列で前記球通路が受け入れた遊技球を一列に整流し、前記流下案内通路の前記排出口へ流下案内することを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の球タンクにおいて、前記タンク底面の下流側には、前記遊技球を前記球通路側に誘導するための誘導部が形成されており、前記誘導部は、前記遊技球の流下方向に沿って上る円弧面又は傾斜面を有することを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の球タンクにおいて、前記流下案内通路部は、前記整流通路部によって段状に積まれた複段状態の遊技球を流下案内する第1通路と、当該第1通路の終端から屈曲して連設され、かつ、その最下流側に前記排出口が備えられた第2通路とから構成されており、前記第2通路では、前記排出口から遊技球が1個ずつ排出される毎に前記複段状態の遊技球に対し球崩しがなされることにより前記遊技球が単段状態で流下案内されることを要旨とする。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の球タンクを備えた遊技機を要旨とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る球タンクを備えた遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という。)に具体化した一実施形態を図1〜図8に基づき説明する。なお、以下の説明において、「上」「下」「左」「右」「前(表)」「後(裏)」は、特に断らない限りパチンコ機10を機裏側から見た場合の「上」「下」「左」「右」「前(表)」「後(裏)」を示すものとする。
【0015】
図1には、パチンコ機10の機裏側が概略的に示されており、同図において、前記パチンコ機10は機体の外郭をなす縦長方形の外枠11に各種の遊技用構成部材(例えば、何れも図示しない前枠、遊技盤、図柄表示装置、上球皿、下球皿など)をセットする縦長方形をなす中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。そして、前記中枠12の裏側には各種球通路及び処理部などを備えた機構セット盤13が着脱自在にセットされており、前記機構セット盤13には遊技盤の裏側と対応する位置に保護カバー14が開閉可能に装着されている
また、前記保護カバー14の上方には、前記パチンコ機10から払出される遊技球(賞球用や貸し球用)を貯留するための球タンク15が設けられている。そして、前記球タンク15の下流側には、当該球タンク15から受け入れた遊技球を流下案内する区分供給経路部16が前記機構セット盤13に対し取着セットされ、当該区分供給経路部16は前記保護カバー14の右方領域に上下方向へ延設されている。さらに、前記区分供給経路部16の下流側には、球払出装置17が前記機構セット盤13に対し取着セットされている。そして、前記区分供給経路部16において一列状態で流下案内された前記遊技球は、前記球払出装置17において1個毎に通過検出された後、図示しない排出経路を介して上球皿(又は下球皿)へ払出されるようになっている。
【0016】
次に、前記球タンク15について図2〜図6に基づきさらに詳細に説明すると、前記球タンク15は、前記遊技球を貯留するための球タンク本体18と、当該球タンク本体18の下流側に連設された球通路19を備えている。そして、前記球タンク本体18には、パチンコ機10の機台(所謂、「島」)に設置された図示しない球補給装置から遊技球が供給されるようになっている。また、前記球通路19は前記球タンク本体18から遊技球を受け入れ、当該遊技球を球タンク15の下流側(図1に示す区分供給経路部16の上流側)に流下案内するようになっている。
【0017】
最初に、前記球タンク本体18の具体的構成について説明する。
前記球タンク本体18は、図3に示すように平面視略長方形であって底面18aの四辺側に各側面18b〜18eが立設された箱型をなすように樹脂にて成形されている。そして、前記球タンク本体18の上方(図1に示すように機構セット盤13への装着時において)には開口部18fを有し、前記球タンク本体18の内部は前記遊技球を貯留するための貯留空間Sとされている。また、前記球タンク本体18の底面18aは、遊技球を出口方向へ流下案内するように斜状をなしている(図4参照)。
【0018】
そして、前記側面18bには、球タンク本体18に貯留された遊技球の出口としてのタンク排出口20が形成されている。なお、前記タンク排出口20は、球タンク本体18の短手方向(パチンコ機10の前後方向)に沿う横開口幅が複数個(複数列)の遊技球の通過を許容する大きさとされ、例えば、遊技球略3〜4個分(遊技球の流下方向に沿って横3〜4列)の大きさとなっている。そして、前記球タンク本体18の底面18aは、その傾斜方向が前記タンク排出口20に向かって下勾配とされ、前記タンク排出口20に向かう方向が遊技球の流下方向(出口方向)となっている。
【0019】
また、前記底面18aの下流側には、前記側面18b側(出口方向側)に向かって前記タンク排出口20と隣接するように誘導手段としての第1誘導面21が形成されている(図3及び図4参照)。そして、前記第1誘導面21は、図4に示すように側面視略円弧状をなすように形成されている。従って、前記底面18aによって前記側面18e側を前記第1誘導面21に向かって流下案内された遊技球は、前記第1誘導面21に到達すると当該第1誘導面21を形成する円弧面によってその球圧が吸収されると共に、前記タンク排出口20側(球通路19側)に誘導されるようになっている。
【0020】
次に、前記球通路19の具体的構成について説明する。
前記球通路19は、前記球タンク本体18の下流側(前記タンク排出口20と対応する位置)であって、前記球タンク本体18の長手方向に沿うように連設されている。なお、前記球タンク本体18の長手方向は、前記パチンコ機10の左右方向に相当している。また、前記球通路19は、前記球タンク本体18と同様に樹脂にて成形され、当該球タンク本体18に対し一体成形されている。そして、前記球通路19は、前記球タンク本体18の長手方向に沿うように延設された第1通路22と、当該第1通路22の終端から球タンク本体18の短手方向側に屈曲するように連設された第2通路23及び前記第1通路22の上流側に付設された整流手段としての整流通路24から構成されている。なお、本実施形態では、前記第1通路22及び第2通路23により流下案内手段が構成されている。
【0021】
最初に、前記第1通路22について説明すると、当該第1通路22は直線状に延設された通路形態とされ、前記遊技球の流下方向と直交する方向の通路幅(以下、「横幅」という。)が一列状態(横一列状態)の遊技球の通過を許容し得る幅に設定されている。即ち、前記第1通路22の横幅は、遊技球の球径と略同一となっている。なお、前記横一列状態とは、前記流下方向に直交する方向(球タンク本体18の短手方向に相当)に向かって遊技球が一列であることを意味する。また、前記第1通路22は、前記横幅方向に対応する断面形状が図5に示すように略L字状に形成されている。
【0022】
そして、前記第1通路22の底面22aは、前記球タンク本体18から受け入れた前記遊技球を下流側(第2通路23側)へ流下案内するように斜状をなしている。なお、前記第1通路22における遊技球の流下方向は、前記タンク排出口20から前記第2通路23に向かう方向とされ、前記底面22aは当該方向に沿うように下勾配をなしている。そして、前記底面22aの傾斜角度は、前記球タンク本体18の底面18aの傾斜角度と略同一角度、若しくは、大きい角度とされ、例えば、3〜5度の傾斜角度に設定されている。
【0023】
また、前記第1通路22は、前記球タンク本体18に形成された前記タンク排出口20の下端側に連設されている。そして、前記第1通路22の底面22aは、前記球タンク本体18の底面18aに対し遊技球略1個分の段差をなすように連設されている。即ち、前記第1通路22の底面22aは、前記球タンク本体18の底面18aの下流側に対し遊技球略1個分だけ下方側に配置されている。また、前記両底面18a,22aは、前記タンク排出口20を通過した遊技球を前記第1通路22側に転動案内するための案内面25を介して連設されている。そして、前記案内面25は、図4に示すように、前記遊技球の流下方向に沿って側面視略円弧状に形成されている。
【0024】
従って、このように構成された前記第1通路22では、前記タンク排出口20を通過した遊技球を前記案内面25を介して横一列状態で受け入れようになっている。そして、前記第1通路22は、前記球タンク本体18から受け入れた遊技球を前記下流方向へ横一列状態で流下案内するようになっている。
【0025】
次に、前記第2通路23について説明すると、当該第2通路23は図3において平面視略L字状の通路形態とされ、前記第2通路23の横幅は、前記第1通路22の横幅と略同一に設定されている。また、前記第2通路23は、前記横幅方向に対応する断面形状がチャンネル状に形成されている。そして、前記第2通路23の底面23aは、前記第1通路22から受け入れた前記遊技球を下流側(後述する通路排出口26側)へ流下案内するように斜状をなしている。なお、前記第2通路23における遊技球の流下方向は、前記第1通路22から前記通路排出口26に向かう方向とされ、前記底面23aは当該方向に沿うように下勾配をなしている。さらに、前記底面23aの傾斜角度は、前記第1通路22の底面22aの傾斜角度と略同一に設定されている。
【0026】
また、前記第2通路23の最下流部(即ち、球通路19の最下流部)には、前記球通路19で受け入れた遊技球を前記球タンク15の外部(本実施形態では、区分供給経路部16の最上流側)に排出するための通路排出口26が形成されている。そして、前記通路排出口26は、前記第1通路22及び第2通路23を横一列状態で流下案内された遊技球の通過を1個ずつ許容する大きさに設定されていると共に、前記第2通路23の底面23aを貫通した形態で形成されている。さらに、前記通路排出口26は、図1に示す区分供給経路部16の最上流側に対して整合配置されるようになっている。従って、前記第2通路23は、前記通路排出口26が前記区分供給経路部16の最上流側に対応するように前記第1通路22の終端から屈曲され、前記球タンク本体18(側面18b)側に向かって延設されている。
【0027】
また、図3に示すように、前記両通路22,23の切換部位に位置するコーナー部C1,C2は、前記球通路19を構成する外壁に沿うように円弧状に形成されている。なお、本実施形態では、前記第1通路22の底面22aと前記第2通路23の底面23aにより前記球通路19の底面が構成されていると共に、前記両通路22,23は一体成形されている。
【0028】
従って、このように構成された前記第2通路23では、前記第1通路22を流下案内された遊技球を横一列状態で受け入れようになっている。また、前記第2通路23は、前記第1通路22から受け入れた遊技球を前記通路排出口26へ横一列状態で流下案内するようになっている。そして、前記通路排出口26に到達した遊技球は、当該通路排出口26により1個ずつ排出されるようになっている。
【0029】
次に、前記整流通路24について説明すると、当該整流通路24は、前記球タンク本体18のタンク排出口20と連設するように前記第1通路22の上流側部位に付設されている。また、前記整流通路24は、前記球通路19の一部を構成するように通路形態をなしている。
【0030】
そして、前記整流通路24は、図4及び図6に示すように、前記球タンク本体18の底面18aと略面一状であって、前記第1通路22の底面22aと同一傾斜方向に斜状をなす受入面27を備えている。また、前記受入面27には前記球通路19の外壁をなす側面28が立設配置され、当該側面28の一端側は前記タンク排出口20の横開口幅方向の開口端部側に、他端側は前記第2通路23の端部側に連設されている。そして、前記側面28は、図3に示すように、前記球通路19(第1通路22)の下流側に向かうに連れて前記球通路19の横幅を前記タンク排出口20の横開口幅から前記第1通路22の横幅に漸減させるように斜状なしている。なお、前記球通路19の上流側における前記横幅は、前記球タンク本体18から複数列状態の遊技球を受け入れできるように設定(前記タンク排出口20の横開口幅と略同一)されている。
【0031】
また、前記受入面27の下流側には図4において側面視略円弧状の第2誘導面29が設けられている。従って、前記受入面27によって受け入れられた遊技球は、前記第2誘導面29に到達すると当該第2誘導面29を形成する円弧面によってその球圧が吸収されると共に、前記第1通路22側に誘導されるようになっている。また、前記受入面27には、前記第1通路22の開口端部側に向かって斜状をなす傾斜面30が遊技球の流下方向に沿って設けられている。そして、前記受入面27,側面28,第2誘導面29及び傾斜面30により前記整流通路24が通路形態で構成されると共に、前記各面27〜30により前記整流通路24が有する案内面を形成している。
【0032】
従って、前記整流通路24では、前記球タンク本体18から前記受入面27によって受け入れられた遊技球が前記側面28及び第2誘導面29により前記傾斜面30側に誘導(案内)される。そして、前記遊技球は、前記傾斜面30によって前記第1通路22側に案内されると共に、前記球タンク本体18から前記第1通路22が受け入れた遊技球に対し段状に積まれる。即ち、前記整流通路24は、前記第1通路22において遊技球を段状に積むことで球通路19が複数列状態で受け入れた遊技球を横一列状態に整流している。
【0033】
次に、本実施形態の球タンク15において遊技球が前記区分供給経路部16側に流下案内される態様を説明する。
前記球タンク本体18に貯留された遊技球は、前記底面18aによって前記タンク排出口20側(遊技球の出口方向)に向かって流下案内される。また、前記第1誘導面21に到達した遊技球は、当該第1誘導面21の円弧面により前記タンク排出口20側に誘導される。そして、前記タンク排出口20では複数列状態で遊技球が通過することで前記タンク排出口20付近での球詰まりが抑制されるようになっている。
【0034】
このとき、前記流下方向に沿って前記第1通路22に対して排出された遊技球は、前記案内面25により転動案内されて前記第1通路22で受け入れられる。そして、前記遊技球は、第1通路22により流下方向に沿って前記第2通路23側に流下案内される。一方、前記流下方向に沿って前記整流通路24に対して排出された遊技球は、前記整流通路24を構成する前記受入面27又は傾斜面30で受け入れられる。また、前記整流通路24(受入面27)で受け入れられた遊技球は、前記側面28又は第2誘導面29によって傾斜面30側に誘導される。そして、前記遊技球は、前記傾斜面30により前記第1通路22側に案内され、当該第1通路22で受け入れられた前記遊技球に対し段状に積み込まれる(図5参照)。その結果、前記第1通路22では、前記タンク排出口20から複数列状態で排出された遊技球が前記整流通路24で整流されることにより横一列状態で、かつ、上下複数段(例えば、2段)の状態とされる。
【0035】
そして、前記第1通路22では、図7に示すように、上下複数段に積まれた状態の遊技球が前記第2通路23側に流下案内される。このとき、前記整流通路24によって案内された遊技球Aは、前記第1通路22の底面22a上を転動している遊技球B,Cの間に段状に積まれている。そして、前記遊技球Aは、その自重により前記遊技球B及び遊技球Cに対して両遊技球B,Cを離間させるように球圧を付与している。なお、前記底面22a上には、前記遊技球B,Cに限らず遊技球が横一列状態で連続して流下案内されており、隣接する遊技球同士の間には前記整流通路24によって案内された遊技球が段状に積まれるようになっている。また、その段数は複数段であって、例えば、2段、3段などに積まれている。
【0036】
そして、前記第1通路22では、その終端側(図3に示すコーナー部C1付近)に前記球通路19の外壁が存在するため、前記底面22a上を流下案内されている遊技球は、前記外壁に対し球圧を付与すると共に当該球圧は前記外壁によって受け止められている。さらに、前記底面22a上には、遊技球が流下方向に向かって連続して流下案内されているため、前記両遊技球B,Cは前記遊技球Aから受けた球圧により相対的に離間する方向への移動が規制されている。即ち、前記第1通路22における前記両遊技球B,Cは、前記流下方向への移動のみが許容されており、前記遊技球Aから球圧を受けても互いが離間しないようになっている。
【0037】
そのため、前記第1通路22は、図7に示すように、横一列状態で、かつ、複段状態の遊技球が流下案内される通路となっている。なお、本実施形態の前記第1通路22は、前述したように通路構成の関係上、複段状態の遊技球が流下案内されるものであって必ずしも前記底面22a上を流下案内されている全ての遊技球同士の間に遊技球が段状に積まれている訳ではない。即ち、前記整流通路24で遊技球が前記第1通路22側に案内されるタイミングによっては隣接する遊技球同士の間に遊技球が積まれず単段状態の遊技球が流下案内される場合もある。
【0038】
一方、前記第2通路23では、前記第1通路22から横一列状態で、かつ、複段状態とされた遊技球が到達すると、当該遊技球が単段状態となるように球崩しがなされる。また、前記第2通路23には、その最下流部に前記通路排出口26が備えられており、当該通路排出口26に到達した遊技球が1個ずつ排出されるようになっている。即ち、前記第2通路23では、その終端側(最下流側)に前記第1通路22の終端側と異なり前記第2通路23の底面23a上を流下案内されている遊技球が付与する球圧を受け止める障害物が存在していない。
【0039】
そのため、図8(a)に示すように、前記第2通路23における前記両遊技球B,Cは、相対的に離間する方向への移動が許容されている。そして、前記通路排出口26から1個の遊技球が排出されると、前記遊技球Bは前記底面23a上を流下方向に向かって移動する。このとき、前記遊技球Aは、前記遊技球Bの移動に伴って移動する遊技球Cの移動を制止し、自らが前記遊技球Bと遊技球Cとの間に割り込むように移動する。即ち、前記遊技球Aは、前記通路排出口26から遊技球が排出されることにより前記両遊技球B,Cを球圧により離間させ、前記底面23a上に移動する(図8(b))。従って、前記第2通路23では、複段状態の遊技球が崩された単段状態の遊技球を横一列状態で前記通路排出口26に向かって流下案内する通路となっている。そして、前記通路排出口26から排出された遊技球は、前記区分供給経路部16によって前記球払出装置17に案内され、当該球払出装置17では前記遊技球の通過検出が行われる。
【0040】
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)前記球タンク本体18には、前記遊技球を一列状態で流下案内させる球通路19が連設され、前記球通路19(第2通路23)の最下流側には通路排出口26が形成されている。そのため、前記球通路19には複数列状態の遊技球を一列状態にするための各種手段を設ける必要がなく、前記球タンク15の構成を簡略化することができる。
【0041】
(2)また、前記第1通路22上を複段状態で流下案内された遊技球は、前記第2通路23において単段状態とされるため、前記通路排出口26付近での球詰まりが抑制される。従って、前記球タンク15での球詰まりを抑制することができる。さらに、本実施形態の球タンク15を備えたパチンコ機10の構成を簡略することができる。
【0042】
(3)前記球通路19は、前記球タンク本体18の長手方向に沿うように連設されている。そのため、前記球タンク15は、パチンコ機10の左右方向に延設された形態となり、パチンコ機10(機構セット盤13)への装着スペースを小さくすることができる。従って、球タンク本体18と球通路19を上下方向に配置する場合に比してパチンコ機10(機構セット盤13)のスペースを有効に活用することができる。
【0043】
(4)前記球通路19は、前記球タンク本体18に対し一体成形されている。そのため、前記球タンク本体18と球通路19は一体部品として扱うことができ、パチンコ機10の組み付け性を向上させると共に、製造工程を簡略化することができる。
【0044】
(5)前記球タンク本体18の底面18aと球通路19の底面(第1通路22の底面22a)は、遊技球略1個分の段差をなすように連設されている。そのため、前記球タンク本体18のタンク排出口20から複数列状態で遊技球が排出されても、前記第1通路22において遊技球を横一列状態で受け入れることができる。
【0045】
(6)前記球通路19(第1通路22)の上流側には整流通路24が付設されている。そのため、前記球タンク本体18から複数列状態で遊技球を排出しても前記整流通路24により遊技球を横一列状態に整流することができる。従って、前記タンク排出口20付近において遊技球の球詰まりなどを抑制することができる。また、前記整流通路24は、前記第1通路22が受け入れた遊技球に対し前記整流通路24が受け入れた遊技球を段状に積むことで遊技球を横一列状態に整流させている。従って、前記第1通路22の横幅が一列状態の遊技球の通過を許容し得る幅に設定されていても前記球通路19での球詰まりを抑制しつつ、前記第1通路22において遊技球を横一列状態で流下案内させることができる。
【0046】
(7)前記整流通路24は、前記各面27〜30により通路形態で構成され、前記各面27〜30は前記遊技球を前記第1通路22側に案内する案内面となっている。そのため、前記整流通路24は、前記球通路19の一部として構成することができる。また、球タンク本体18から球通路19側に流下案内された遊技球の流れに併せて整流させることができると共に、従来のように強制的に整流する場合に比して球詰まりなどを抑制することができる。また、通路形態で構成されているため、破損などを抑制することができると共に、前記球通路19(球タンク15)の構成を簡略化することができる。
【0047】
(8)前記球タンク本体18には、第1誘導面21が形成されている。そのため、前記球タンク本体18に貯留された遊技球を前記第1誘導面21によって前記タンク排出口20側に誘導することができる。従って、前記球タンク本体18内における球詰まりを抑制することができる。
【0048】
(9)前記整流通路24には、第2誘導面29が形成されている。そのため、球通路19で受け入れた遊技球を前記第1通路22側に誘導することができる。従って、前記整流通路24内における球詰まりを抑制することができる。
【0049】
(10)前記球タンク本体18の底面18aと第1通路22の底面22aは、円弧状の案内面25を介して連設されている。そのため、前記遊技球を前記第1通路22側に確実に、かつ、スムーズに案内することができ、第1通路22の上流側における球詰まりを抑制することができる。
【0050】
(11)前記コーナー部C1,C2は円弧状に形成されている。そのため、前記両通路22,23を流下案内されている遊技球が前記コーナー部C1,C2において滞ることなく、球通路19の下流側に向けて流下案内することができる。
【0051】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、前記整流通路24が受入面27,側面28,第2誘導面29及び傾斜面30から構成されているが、前記受入面27,第2誘導面29及び傾斜面30を一体化した一つの曲面(円弧面、斜面)によって整流通路24を構成しても良い。
【0052】
・前記実施形態では、前記球通路19が前記球タンク本体18に対し一体成形されているが、前記球タンク本体18と球通路19を別部材構成としても良い。そして、前記パチンコ機10(機構セット盤13)への装着時に前記球通路19が前記球タンク本体18の長手方向に沿うように配置しても良い。
【0053】
・前記実施形態では、前記球タンク本体18が平面視略長方形に形成されているが、平面視正方形などその他の形状で形成されていても良い。
・前記実施形態では、前記球タンク本体18の底面18aが斜状をなしているが、前記タンク排出口20付近の底面18aのみを斜状に形成しても良い。また、前記底面18aは、前記球タンク本体18が前記パチンコ機10(機構セット盤13)に装着された時に斜状をなすようにしても良い。
【0054】
・前記実施形態では、前記通路排出口26が前記第2通路23の底面23aを貫通して形成され、遊技球が前記球タンク15の下方側に排出されるように
ているが、遊技球が前記球タンク15の左右方向に排出されるように前記通路排出口26を形成しても良い。
【0055】
・前記実施形態では、前記第1誘導面21及び第2誘導面29が側面視略円弧状に形成されているが、傾斜面で形成されていても良い。
・前記実施形態では、前記案内面25が円弧状に形成されているが、傾斜面で形成されていても良い。
【0056】
・前記実施形態では、前記球通路19が第1通路22及び第2通路23から構成されているが、前記球タンク本体18の長手方向に沿うように1本の直線状の通路形態で構成し、当該通路の最下流側に前記通路排出口26を設けても良い。この場合、前記整流通路24によって遊技球が段状に積まれても当該遊技球の球圧により遊技球は単段状態で流下案内される。
【0057】
・前記実施形態では、前記球タンク15をパチンコ機10に適用しているが、その他の遊技機に前記球タンク15を適用しても良い。例えば、遊技球を遊技媒体として、スロットマシン(所謂、「パチスロ」)と同様な遊技を行うことができる遊技機にも本実施形態と同様に前記球タンク15を適用することができる。
【0058】
次に上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(イ)前記タク底面と前記流下案内通路部の通路底面は、前記遊技球を転動案内するための案内面を介して連設されている。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技球の球詰まりを抑制しつつ、構成が簡略化された球タンク及び遊技機とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ機の機裏側を示す背面図。
【図2】 球タンクの外観を示す斜視図。
【図3】 同じく、平面図。
【図4】 同じく、側面図。
【図5】 図3におけるA−A線断面図。
【図6】 整流通路を示す一部破断斜視図。
【図7】 第1通路22で遊技球が流下案内される様子を示す説明図。
【図8】 第2通路23で遊技球が流下案内される様子を示す説明図。
【符号の説明】
10…パチンコ機(遊技機)、15…球タンク、18…球タンク本体(球タンクを構成する)、18a…底面、19…球通路(球タンクを構成する)、21…第1誘導面(誘導手段)、22…第1通路(球通路を構成する,流下案内手段)、22a…底面(球通路の底面を構成する)、23…第2通路(球通路を構成する,流下案内手段)、23a…底面(球通路の底面を構成する)、24…整流通路(球通路を構成する,整流手段)、26…通路排出口(排出口)、27…受入面(整流手段が有する案内面を構成する)、28…側面(整流手段が有する案内面を構成する)、29…第2誘導面(整流手段が有する案内面を構成する)、30…傾斜面(整流手段が有する案内面を構成する)。

Claims (4)

  1. 遊技機から払出す遊技球を貯留する球タンクにおいて、
    タンク底面は、該タンク底面に連設されて前記遊技球を下流側へ流下案内する球通路に向かって前記遊技球を一方向に流下案内し、
    前記球通路は、
    前記タンク底面に遊技球略1個分の段差を介して連設される通路底面を有するとともに前記遊技球の流下方向と直交する方向の通路幅が一列の遊技球の通過を許容するよう前記遊技球の球径と略同一に設定され、かつ最下流部に前記遊技球の通過を1個ずつ許容する排出口を形成した流下案内通路部と、
    前記流下案内通路部の上流側部位に付設されるとともに、受入面、及び誘導面並びに傾斜面からなる整流通路部と、から構成されており、
    前記整流通路部の前記受入面は前記流下案内通路の通路幅方向に並ぶよう前記タンク底面に対して略面一状に連設されるとともに前記遊技球の流下方向に沿って延設され、前記整流通路部の前記誘導面は前記受入面に対して前記遊技球の流下方向に沿って連設されるとともに前記流下方向に沿って上る円弧面又は傾斜面とされており、前記整流通路部の前記傾斜面は前記受入面及び前記誘導面と前記流下案内通路部との間に並設されるとともに前記流下案内通路部の通路底面よりも上方の前記流下案内通路部の開口端部に連設されて前記受入面及び前記誘導面から前記流下案内通路部に向かって下り勾配をなす斜状面とされており、
    前記タンク底面から前記流下案内通路部の通路底面に対し前記遊技球を直接案内するとともに、前記タンク底面から前記受入面へ流下した遊技球については該遊技球を前記受入面、前記誘導面及び前記傾斜面によって前記流下案内通路部側へ案内することで該流下案内通路部の通路底面を流下する遊技球に対して段状に積み、その段積みにより前記タンク底面から複数列で前記球通路が受け入れた遊技球を一列に整流し、前記流下案内通路の前記排出口へ流下案内することを特徴とする球タンク。
  2. 前記タンク底面の下流側には、前記遊技球を前記球通路側に誘導するための誘導部が形成されており、前記誘導部は、前記遊技球の流下方向に沿って上る円弧面又は傾斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の球タンク。
  3. 前記流下案内通路部は、前記整流通路部によって段状に積まれた複段状態の遊技球を流下案内する第1通路と、当該第1通路の終端から屈曲して連設され、かつ、その最下流側に前記排出口が備えられた第2通路とから構成されており、
    前記第2通路では、前記排出口から遊技球が1個ずつ排出される毎に前記複段状態の遊技球に対し球崩しがなされることにより前記遊技球が単段状態で流下案内されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の球タンク。
  4. 請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の球タンクを備えた遊技機。
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