JP3945443B2 - ロッドクリップ - Google Patents

Description

【０００１】
発明の背景
１．発明の分野
本発明は、ロッドを作動レバーに接続するためのクリップに関する。特に、本発明は、自動車の装備品を操作するレバーにロッドの端部を接続する丈夫なクリップに関する。
【０００２】
２．従来技術
ロッドクリップを使用して作動ロッドをレバーに接続することは、自動車産業において良く知られている。この種の構成は、ドアロック機構およびキャブレターリンク装置に特に共通している。一般に、クリップは、プラスチック材料によって形成されており、ロッドの端部の周囲にスナップ結合される。この時、レバーは、保持リップまたはラッチをその両側に有するクリップの突出部にスナップ結合される。
【０００３】
ある典型的なクリップは、ブラウンらの米国特許第５，１７８，４７９号に示されている。このクリップは、ロッドの端部の周囲にスナップ留めされるＣ字形状のロッド保持部を有している。この場合、ラッチが突出部にスナップ留めされる。
【０００４】
Ｆｏｒｄ Ｍｏｔｏｒ社によって使用される他の装置は、折り畳んでロッドを囲む二つの側を有する２ピースクリップと、折り畳まれた二つの側にスナップ結合する第２の回動部品とを備えている。ロッドを囲むクリップの部分には、クリップを保持固定してクリップ取り付け後にロッドを細かく調整できるように、ネジが形成されている。このクリップは、丈夫であり、ロッドおよびレバーを良好に保持するようになっているが、製造コストが高く、組み立てに時間を要する。自動車産業で使用される他のクリップは、ワンピースクリップを備えている。この場合、クリップの二つの側は、折り重ねられて、ロッドの周囲にスナップ結合する。クリップのこれらの側には、ロッドを保持するためのネジが形成されている。このクリップは、クリップの二つの側を接続するヒンジがしばしば破損するという欠点を有している。
【０００５】
発明の概要
したがって、本発明の目的は、ロッドおよびレバーを保持固定する丈夫なロッドクリップであって、ロッドの調整が可能で且つ安価に製造できるとともに、組み立てが不要なロッドクリップを提供することである。
【０００６】
本発明のこれらの目的および他の目的は、第１の部分とこの第１の部分にヒンジ結合された第２の部分とを備えるロッドクリップによって達成される。第１の部分は、ロッドを保持するための凹部が形成された上面と、レバー保持装置とを有している。また、第２の部分も、ロッドを受けるための凹部が形成された上面を有しており、第２の部分を折り畳んで第１の部分上に重ね合わせることにより、ロッドを保持するためのチャンネルが形成されるようになっている。ロッドをクリップ内に保持固定するため、上側部分および下側部分の凹部には、ロッドのネジと螺合するネジが形成されている。また、これらのネジによって、ロッドの位置を細かく調整することができる。
【０００７】
第２の部分が第１の部分上に折り重ねられた後に第１の部分を第２の部分に対して固定するためのロックが設けられる。ロックは、一方の部分に設けられたラッチと、他方の部分に設けられた凹部とを備えていることが好ましい。ラッチが凹部にスナップ留めされることにより、クリップがロッドに対して固定される。ラッチを凹部から上方に向けて抜去することにより、クリップの固定状態を解除することができる。
【０００８】
第１の部分および第２の部分は二つの別個の部品から成る。一方の部分の両側に設けられた開口と、他方の部分に設けられた対応する突出部とによって、ヒンジが形成される。突出部が開口を通じて延びることにより、第１および第２の部分が互いに対して回動することができる。第１および第２の部分は、二つの別個の部品から成るが、一回の射出成形プロセスによって形成される。このように、クリップは、購入者が簡単に使用できるように、その完全に組み立てられた状態で成形される。クリップは、非常に丈夫であり、繰り返しの回動動作に耐えることができる。これは、薄くて弱い部分をもってヒンジを形成していないからである。
【０００９】
レバー保持装置は、第１および第２の部分の一方の下面から下側に延びる突出部であることが好ましい。突出部には、レバーがレバー保持装置にスナップ留めされる時にレバーと係合する複数のラッチが設けられている。
【００１０】
他の実施形態において、レバー保持装置の突出部は、外側に延びる二つの湾曲翼を有している。これらの湾曲翼は、レバーがレバー保持装置にスナップ留めされる時に、レバーと係合する。
【００１１】
更に他の実施形態において、レバー保持装置は、第１および第２の部分の一方の延在部によって形成されている。この延在部は、第１の脚部と、第１の脚部に対して回動可能に一体的に接続された第２の脚部と、端部とを備えている。端部は、各第１または第２の部分の凹部の一部を含んでおり、第２の脚部が折り畳まれて第１の脚部上に重ね合わされることにより、レバー保持装置が形成されるとともに、端部が各第１の部分または第２の部分の上面に当接して凹部が完全に形成されるようになっている。また、この実施形態のレバー保持装置は、レバーと係合する複数のラッチを有している。この実施形態において、クリップの一方の部分だけがロッドを受ける凹部を有している。他方の部分は、凹部の上端にスナップ留めされ、ロッドを保持する。
【００１２】
本発明の他の目的および特徴は、添付図面に関する以下の詳細な説明から明らかとなる。しかしながら、図面が単なる一例であって本発明を限定するものではないことは言うまでもない。
【００１３】
図面においては、複数の図面にわたって、同様の部材が同様の参照符号で示されている。
【００１４】
好ましい実施形態の詳細な説明
ここで、図面を詳細に参照すると、特に、図１〜図４は、本発明に係るロッドクリップ１０を示している。このロッドクリップ１０は、第１の部分２０と、第１の部分２０にヒンジ結合された第２の部分３０とを備えている。第１の部分２０は、ロッドを保持するためのネジ付きの凹部２２が形成された上面２１を有している。第１の部分２０の裏面にはレバー保持装置２３が配置されている。このレバー保持装置２３は、レバー５０を保持するための複数のキャッチ２８を有している。図４に示されるように、レバー５０は、レバー保持装置２３にスナップ留めされる。第２の部分３０は、ロッドを受けるためのネジ付きの凹部３２が形成された上面３１を有しており、これにより、第２の部分３０を折り畳んで第１の部分２０上に重ねると、図４に示されるように、ロッド４０を保持するチャンネルが形成される。上側部分および下側部分２０、３０の凹部２２、３２がそれぞれロッドのネジに螺合することにより、クリップ１０内にロッド４０が保持固定される。また、これらのネジにより、ロッド４０の位置を細かく調整することができる。
【００１５】
第２の部分３０が第１の部分２０上に折り重ねられた後に第１の部分２０を第２の部分３０に対して固定するためのロックが設けられている。ロックは、第１の部分２０に設けられたラッチ２４と、第２の部分３０に設けられた凹部３４とを備えていることが好ましく、あるいは、この逆であっても良い。ラッチ２４が凹部３４にスナップ留めされることにより、クリップ１０がロッド４０に対して固定される。ラッチ２４を凹部３４から上方に向けて抜去することにより、クリップ１０の固定状態を解除することができる。
【００１６】
第１の部分２０および第２の部分３０は二つの別個の部品から成る。第１の部分２０の両側に設けられた開口２６と、第２の部分３０の両側に設けられた対応する突出部３６とによって、あるいは、これと逆の形態によって、ヒンジが形成される。突出部３６が開口２６を通じて延びることにより、第１および第２の部分２０、３０が互いに対して回動することができる。第１および第２の部分２０、３０は、一回の射出成形プロセスによって形成されるが、結果的に二つの別個の部品となる。このように、クリップ１０は、購入者が簡単に使用できるように、その完全に組み立てられた状態で成形される。好ましい実施形態においては、出荷中に部品が移動しないように、ヒンジ領域で第１の部分と第２の部分とを接続する脆性部材が設けられる。第２の部分に対する第１の部分の回転はこの脆性部材に役立ち、これにより、使用中、二つの部分が分離されたままとなる。
【００１７】
突出部３６は、円形や六角形等を含む任意の形状またはデザインを成していても良い。好ましい形状は多角形状である。これは、多角形状であると、ヒンジの回転に対して抵抗を与えることができ、しっかりと嵌合するからである。また、ヒンジの回転に対して更に抵抗を付与するため、開口の内面に爪を設けても良い。
【００１８】
図５は、本発明の第１の部分２０の他の実施形態を示している。この実施形態において、レバー保持装置６０は、外側に延びる二つの湾曲翼６１を備えている。これらの湾曲翼６１は、レバーがレバー保持装置６０にスナップ留めされる時に、レバーを固定する。湾曲翼６１は、収縮することによりレバーを通過させ、その後、外側に延びて戻ることにより係合状態を維持する。湾曲翼６１は、レバーを保持できる任意の形状またはデザインを成していても良い。
【００１９】
図６および図７はロッドクリップ１０の他の実施形態を示している。この実施形態において、レバー保持装置は、第１の部分２０の延在部によって形成されている。この延在部は、第１の脚部７０と、第１の脚部７０に対して回動可能に一体的に接続された第２の脚部７１と、端部７２とを備えており、第２の脚部７１が折り畳まれて第１の脚部７０上に重ね合わされることにより、レバー保持装置が形成されるとともに、端部７２が第１の部分２０の上面２１に当接するようになっている。ラッチ７５は、第１および第２の脚部７１のそれぞれに配置されており、レバーをスナップ留めして保持する。この時、第２の部分３０は、図７に示されるように、端部７２上にスナップ留めされ、端部７２をロッドクリップ１０に対して固定する。
【００２０】
以上、本発明の幾つかの実施形態のみを図示して説明してきたが、本発明の思想および範囲から逸脱することなく、多くの変更や修正を成すことができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るロッドクリップの斜視図を示している。
【図２】ロッドクリップの側面図を示している。
【図３】ロッドクリップの上面図を示している。
【図４】ロッドおよびレバーが取り付けられたロッドクリップの正面図を示している。
【図５】本発明に係るロッドクリップの他の実施形態の一部の斜視図を示している。
【図６】開位置にある本発明に係るロッドクリップの更に他の実施形態の斜視図を示している。
【図７】閉位置にある図６の実施形態の側面図を示している。

Claims (4)

1. 上面および下面を有する第１の部分と、
   第１の部分にヒンジ結合されるとともに、上面および下面を有し、折り畳んで第１の部分上に重ね合わせることにより、その上面にロッドを保持するためのチャンネルを形成する第２の部分と、
   第１および第２の部分の一方に配置されたレバー保持装置と、
   第２の部分を折り畳んで第１の部分上に重ね合わせた後、第１の部分を第２の部分に対して固定する手段と、
   を備え、
   第１の部分および第２の部分が二つの別個の部品であり、第１および第２の部分の一方の両側に設けられた開口と、第１および第２の部分の他方に設けられた対応する突出部とによってヒンジが形成され、前記突出部が開口を通じて延びることにより、第１および第２の部分が互いに対して回動することができ、
   前記レバー保持装置は、第１および第２の部分の一方の延在部によって形成され、延在部は、第１の脚部と、第１の脚部に対して回動可能に一体的に接続される第２の脚部と、端部とを備え、第２の脚部を折り畳んで第１の脚部上に重ね合わせることにより、レバー保持装置が形成されるとともに、各第１または第２の部分の上面に端部が当接するようになっている、ロッドクリップ。
2. 第１および第２の部分の上面には、凹部が形成されるとともに、ネジ付きのロッドを保持固定するための対応するネジが形成されている、請求項１に記載のロッドクリップ。
3. 前記固定装置は、第１および第２の部分の一方に設けられたラッチと、前記第１および第２の部分の他方に設けられた凹部とを備え、前記ラッチが前記凹部にスナップ留めされることにより、第１および第２の部分同士が固定される、請求項１に記載のロッドクリップ。
4. 一工程の射出成形プロセスで既に組み立てられた状態で形成される、請求項１に記載のロッドクリップ。

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