JP3945416B2 - フィルムホルダおよび画像読み取り制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過原稿を読み取り可能なフラットベッド方式の画像読み取り装置を制御する画像読み取り制御装置と、画像読み取り装置で透過原稿を読み取るためのフィルムホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】
原稿台に載せられた原稿に対して、読み取り機構を動作させることでデータを読み取る、いわゆるフラットベッド方式の画像読み取り装置が広く普及している。フラットベッド方式の画像読み取り装置は、読み取り機構として一次元の撮像素子(ラインセンサ)を備え、撮像素子と光源とを搭載したキャリッジを原稿に対して移動(副走査)させながら原稿からの反射光を読み取ることで2次元の画像情報を取得するようになっている。
【0003】
ネガフィルムまたはポジフィルムなどの透過原稿は光を通してしまうため、反射光を読み取るフラットベッド方式の画像読み取り装置では、読み取りに適さない。
【0004】
そこで、原稿台のカバーに別の光源を設け、フィルムからの透過光を読み取ることで透過原稿を読みとれるようにしたフラットベッド方式の画像読み取り装置が実用化されている。
【0005】
図12は、このようなフラットベッド方式の画像読み取り装置の外観を示す図である。
【0006】
本図に示すように、原稿台カバー115に設けられた光源115aは面光源であり、フィルムの大きさに合わせて、原稿台の一部、例えば、中央部の副走査方向に伸びた矩形部分(図中の破線領域)を照らすようになっている。この部分が読み取り領域となるため、透過原稿を読みとれるようにしたフラットベッド方式の画像読み取り装置では、読み取り対象のフィルムが読み取り領域内に位置するためのガイドとなるフィルムホルダを用いるようにしている。
【0007】
図13は、従来のフィルムホルダの外観の概要を示す図である。従来のフィルムホルダ150は、35mmのストリップフィルムを1本保持するストリップフィルムホルダ部151と、マウントされた35mmのスライドフィルムを最大4個保持するスライドフィルムホルダ部152とを備えている。
【0008】
ストリップフィルムを読み取る場合には、本図に示すように、このフィルムホルダ150の右上の角部を、原稿台の右上の角部に一致させた状態で原稿台に置くことで、破線で示した透過原稿読み取り領域内にストリップフィルムホルダ部151が位置するようになっている。
【0009】
一方、スライドフィルムを読み取る場合には、図14に示すように、フィルムホルダ150を上下反転させ、右上となった角部(図13における左下の角部)を原稿台の右上の角部に一致させた状態で原稿台に置くことで、破線で示した透過原稿読み取り領域内にスライドフィルムホルダ部152が位置するようになっている。
【0010】
画像読み取り装置における画像読み取り処理は、実際の画像読み取り処理である本スキャン処理とプレスキャン処理とに分けられる。画像読み取り装置を制御するホストコンピュータ等の画像読み取り制御装置は、プレスキャン処理で読み取った画像をプレビュー表示して、読み取り範囲の指定を受け付けたり、読み取り解像度の設定等を受け付けるようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
近年、画像読み取り装置のコストダウン化およびデザイン上の制約等から、図15に示すように、光源125aの大きさを従来の半分として、原稿台カバー125の奥側に設ける機種が提案されている。
【0012】
このような機種では、6コマが連なったストリップフィルムのうち、3コマ分しか読み取り領域内に収まらない。このため、1コマ〜3コマ目と、4コマ〜6コマ目を読み取る場合とでは、ストリップフィルム反転させて別々に処理を行なう必要がある。
【0013】
一方、画像読み取り制御装置では、1コマ〜3コマ目を読み込んだ場合には、1コマ〜3コマの順でプレビュー表示し、4コマ〜6コマ目を読み込んだ場合には、4コマ〜6コマの順でプレビュー表示する必要がある。
【0014】
しかし、1コマ〜3コマ目を読み込む場合(図17参照)と、4コマ〜6コマ目を読み込む場合(図16参照)とでは、ストリップフィルムの向きが逆になるため、1コマ〜3コマ目と4コマ〜6コマ目とでは、読み込む順番と表示させる順番とを逆にしなければならない。また、天地を正すために90度回転させる方向も逆になる。
【0015】
ところが、プレスキャン処理で読み込んだストリップフィルムのコマが、1コマ〜3コマ目であるのか4コマ〜6コマ目であるのかは、読み取った画像からは判断することができない。このため、ストリップフィルムのコマ順に正常な向きでのプレビュー表示が困難であるという問題が生じる。
【0016】
本発明の目的は、ストリップフィルム1本のコマ数のうち半分のコマ数に対応した読み取り領域を備える透過原稿の読み取り可能な画像読み取り装置を制御する画像読み取り制御装置において、読み取り対象のコマを認識可能とすることにある。
【0017】
また、本発明の別目的は、ストリップフィルム1本のコマ数のうち半分のコマ数に対応した読み取り領域を備える透過原稿の読み取り可能な画像読み取り装置を制御する画像読み取り制御装置において、ストリップフィルムのコマ順に正常な向きでプレビュー表示を行なえるようにすることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様によれば、
ストリップフィルム1本のコマ数のうち半分のコマ数に対応した読み取り領域を備える、透過原稿を読み取り可能なフラットベッド方式の画像読み取り装置で、透過原稿を読み取るためのフィルムホルダであって、
ストリップフィルムを保持するストリップフィルムホルダ機構と識別孔とを備え、
前記ストリップフィルムホルダ機構は、
フィルムホルダの一の角部(角部H1)を、前記画像読み取り装置の原稿台の同じ位置関係にある角部(角部B1)に一致させた場合に、ストリップフィルム1本のコマのうち半分のコマ(第1のコマ群)が前記読み取り領域に含まれ、
フィルムホルダの前記角部(角部H1)の縦辺方向の反対側の角部(角部H2)を、前記画像読み取り装置の原稿台の前記角部(角部B1)の横辺方向の反対側の角部(角部B2)に一致させた場合に、ストリップフィルムの前記半分のコマ以外のコマ(第2のコマ群)が前記読み取り領域に含まれる位置に設けられ、
前記識別孔は、
前記ストリップフィルムホルダ機構の近傍であって、
フィルムホルダの一の角部(角部H1)を、前記画像読み取り装置の原稿台の同じ位置関係にある角部(角部B1)に一致させた場合に前記読み取り領域に含まれる位置、あるいは、フィルムホルダの前記角部(角部H1)の縦辺方向の反対側の角部(角部H2)を、前記画像読み取り装置の原稿台の前記角部(角部B1)の横辺方向の反対側の角部(角部B2)に一致させた場合に前記読み取り領域に含まれる位置に設けられたことを特徴とするフィルムホルダが提供される。
【0019】
フィルムホルダに識別孔を設けたことにより、画像読み取り制御装置では、識別孔の有無を認識することで、読み取り対象のコマを認識することができるようになる。
【0020】
また、上記課題を解決するため、本発明の第2の態様によれば、
ストリップフィルム1本のコマ数のうち半分のコマ数に対応した読み取り領域を備える、透過原稿を読み取り可能なフラットベッド方式の画像読み取り装置を制御する画像読み取り制御装置であって、
前記画像読み取り装置が読み取ったストリップフィルムの画像の、前記読み取り領域内の所定の位置に対応する箇所に、識別孔の画像があるかどうかを判別する判別手段と、
判別の結果に応じて、読み取ったストリップフィルムのコマ群の表示順と回転方向とを変えてプレビュー表示を行なうプレビュー手段とを備えることを特徴とする画像読み取り制御装置が提供される。
【0021】
識別孔の有無を認識し、有無に応じてプレビューの表示態様を変えることにより、ストリップフィルムのコマ順に正常な向きでプレビュー表示を行なえるようになる。
【0022】
具体的には、前記プレビュー手段は、読み取った順に90度回転させてのプレビュー表示と、読み取った順と逆順で−90度回転させてのプレビュー表示とを、判別の結果に応じて行なうようにする。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、画像読み取りシステムの構成を示すブロック図である。本図に示すように画像読み取りシステム1は、画像読み取り装置10と、画像読み取り装置10の制御および画像処理を行なうホストコンピュータ20とを備えて構成される。画像読み取り装置10とホストコンピュータ20とは、双方向通信が可能なそれぞれのインタフェース11、21を介して接続される。
【0025】
画像読み取り装置10は、原稿台に載せた反射原稿を読み込むフラットベッド方式の画像読み取り装置であるが、後述するように透過原稿を読み込むための機構も備えている。
【0026】
画像読み取り装置10は、箱形の筐体の上面に原稿を載せるための透明な原稿台12と、原稿台12に載せられた原稿に光を照射しながら図中の矢印方向(副走査方向)に移動して、原稿からの反射光を読み取るキャリッジ13と、キャリッジ13が読み取った反射光信号をデジタル変換し、補正等の処理を施した上で画像データに変換する画像処理部14と、原稿台を覆うための原稿台カバー15とを備えている。
【0027】
キャリッジ13は、ライン光源と、反射鏡と、レンズと、ラインセンサとを備えており、図示しない駆動機構により副走査方向の往復動作を行なう。
【0028】
原稿台カバー15の一部(図15参照)には、白色の面光源15aが備えられている。この面光源15aから光を照射することで、原稿台12に置かれたフィルム等の透過原稿をキャリッジ13で読み取ることができるようになっている。このとき、フィルムは、読み取り位置が固定されるようにフィルムフォルダに収められた状態で原稿台12に置かれる。
【0029】
ホストコンピュータ20は、CPU22、RAM23、ROM24、補助記憶装置25等を備えた汎用的なパーソナルコンピュータを用いて構成することができる。ホストコンピュータ20には、画像を表示するためのモニタ30、ユーザからの指示を受け付けるための入力装置40等が接続される。
【0030】
また、ホストコンピュータ20には、画像読み取り装置用の制御プログラムがインストールされている。CPU22がこのプログラムを実行することにより、ホストコンピュータ20上に画像読み取り制御部が構築され、ホストコンピュータ20は画像読み取り制御装置として機能する。
【0031】
図2は、ホストコンピュータ20上に構築される画像読み取り制御部200の機能構成を示すブロック図である。
【0032】
本図に示すように、画像読み取り制御部200は、画像読み取り装置10との通信を行なう通信部201と、画像読み取り装置10における画像読み取り処理を制御する読み取り処理制御部202と、ユーザからの指示を受け付けたり、画像読み取り処理に関する情報を提示するユーザインタフェース部203とを備えている。
【0033】
なお、画像読み取り装置10における画像読み取り処理は、実際の画像読み取り処理である本スキャン処理とプレスキャン処理とに分けられる。プレスキャン処理は、本スキャン処理に先立ち、解像度を落として短時間で原稿台12に置かれた原稿の画像を読み取る処理である。読み取り処理制御部202は、プレスキャン処理で読み取った画像をプレビュー表示して、読み取り範囲の指定を受け付けたり、読み取り解像度の設定等を受け付ける。
【0034】
この処理のため、読み取り処理制御部202は、プレスキャン処理で読み取った原稿の画像をプレビュー表示するための処理を行なうプレビュー処理部202aを備えている。
【0035】
プレビュー処理部202aは、読み取り対象が透過原稿の場合には、読み取ったフィルムの画像から、各コマを切り出してプレビュー表示を行なう。
【0036】
図3は、本発明を適用したフィルムホルダ50の外観を示す図である。図4は、本発明を適用した画像読み取り装置10の原稿台12の周辺部の外観を示す図である。フィルムホルダ50は、通常、画像読み取り装置10の付属品として頒布される。
【0037】
本図に示すように、フィルムホルダ50は、6コマ(1〜6コマ)が連なったストリップフィルム1本を保持するストリップフィルムホルダ51と、スライドフィルムを最大2個(Aコマ、Bコマ)を保持するスライドフィルムホルダ部52とを備えている。フィルムホルダ50は、フィルムを確実に保持し、かつ、強度および耐久性を備えるために、ある程度、例えば、数ミリ程度の厚さを有しており、それぞれのフィルムホルダ部51、52の側面側の縁には、フィルムのカーリングを抑え、また、フィルムのズレを防ぐためのフィルム抑え機構が付されている。
【0038】
また、フィルムホルダ50の縁部分の3箇所には原稿台12に置く際のガイドとなるガイド部53a、53b、53cが設けられ、ストリップフィルムホルダ部51の近傍に識別孔54が設けられている。ガイド部53a、53b、53cには、それぞれ「123」「456」「AB」が表示されている。
【0039】
本実施例において、「123」「456」は、ストリップフィルムのコマ番号を示し、「AB」は、スライドフィルムのそれぞれのコマを示している。もちろんコマの表記方法はこれらに限られない。
【0040】
なお、フィルムホルダ50のガイド部53は、本図のように耳状に外側に設けるのではなく、図11に示すように、内側に表示するようにしてもよい。
【0041】
「123」と表示されたガイド部53aは、ストリップフィルムホルダ部51の反対側の縁の、1〜3コマ目との対応関係が明確になる位置に設け、「456」と表示されたガイド部53bは、ストリップフィルムホルダ部51の反対側の縁の、4〜6コマ目との対応関係が明確になる位置に設け、「AB」と表示されたガイド部53cは、スライドフィルムホルダ部52の反対側の縁の、スライドフィルムホルダ部52との対応関係が明確になる位置に設けるようにする。
【0042】
画像読み取り装置10の原稿台12付近の3箇所には、フィルムホルダ50を置く際のガイドとなるガイド表示部60a、60b、60cが設けられている。ガイド表示部60a、60b、60cには、それぞれ「123」「456」「AB」が表示されている。それぞれのガイド表示60を設ける位置については、図5〜図7を参照して以下に説明する。なお、原稿台12の左下角部をB1とし右下角部をB2とする。
【0043】
なお、図4中の破線で示された矩形は、面光源15aによる照射範囲であり、画像読み取り装置10における透過原稿の読み取り領域である。本領域は、ストリップフィルムが3コマ読み取れる大きさより少し大きく設定されている。
【0044】
図5は、フィルムホルダ50を用いて、6コマ連なったストリップフィルムのうち、1〜3コマ目までを読み取る場合の状態を示す図である。
【0045】
すなわち、図3に示した向きから、フィルムホルダ50を反転させ、フィルムホルダ50の左下角部(H1)と原稿台12の左下角部(B1)とをあわせることにより、ストリップフィルムの1〜3コマ目が読み取り領域に含まれるようになっている。
【0046】
ここで、原稿台12の周辺に設けられた「123」と表示されたガイド表示部60aは、フィルムホルダ50に設けられた「123」と表示されたガイド部53aとの対応関係が明確になるような位置関係、例えば、重なる位置、あるいは、並ぶ位置等に配置する。
【0047】
図6は、フィルムホルダ50を用いて、6コマ連なったストリップフィルムのうち、4〜6コマ目までを読み取る場合の状態を示す図である。
【0048】
すなわち、図3に示した向きで、フィルムホルダ50の右下角部(H2)と原稿台12の右下角部(B2)とをあわせることにより、ストリップフィルムの4〜6コマ目が読み取り領域に含まれるようになっている。
【0049】
ここで、原稿台12の周辺に設けられた「456」と表示されたガイド表示部60bは、フィルムホルダ50に設けられた「456」と表示されたガイド部53bとの対応関係が明確になるような位置関係、例えば、重なる位置、あるいは、並ぶ位置等に配置する。
【0050】
なお、図5、図6の場合とも、読み取り面は同一であり、図5における反転とは、半回転させ、上下を入れ替えることを意味している。
【0051】
このように、反転させたフィルムホルダ50の左下角部(H1)と原稿台12の左下角部(B1)とをあわせることにより、ストリップフィルムの1〜3コマ目が読み取り領域に含まれるようにし、フィルムホルダ50の右下角部(H2)と原稿台12の右下角部(B2)とをあわせることにより、ストリップフィルムの4〜6コマ目が読み取り領域に含まれるようにするため、フィルムホルダ50のストリップフィルムホルダ部51は、以下に示すような位置に設けるものとする。
【0052】
まず、図4に示すように、透過原稿読み取り領域が、横幅Lの原稿台12の横辺方向について、左右の辺からBXの位置(すなわち、横辺方向については中央に位置する)で、縦辺方向について、その上端が下辺からBY、下端が下辺からBY0の範囲に設けられているとする。
【0053】
そして、図3に示すように、ストリップフィルムホルダ部51の、フィルムホルダ50の横辺方向について、遠い方の辺からの距離をHX1とし、縦辺方向について、その両端が、それぞれの遠い方の辺からの距離をHY1、HY2とした場合に、BX=HX1、および、BY=HY1=HY2をほぼ満たすものとする。ここで、「ほぼ満たす」としたのは、透過原稿読み取り領域は、ストリップフィルム3コマ分より若干大きめに設けられるためである。このため、実際には、BX<HX1、BY>HY1=HY2(すなわち、ストリップフィルムホルダ部51は、縦辺方向については中央に位置する)となる。
【0054】
また、スライドフィルホルダ部52のフィルムホルダ50の横辺方向について、遠い方の辺からの距離をHX2とすると、スライドフィルム読み取り時に、スライドフィルムホルダ部52が透過原稿読み取り領域に含まれるように、BX=HX2をほぼ満たすものとする。
【0055】
より詳しく説明すると、フィルムホルダ50の横幅mは、(L/2<m)を満たし、フィルムホルダ50の両側面から(2m−L/2)の位置が、それぞれのフィルムホルダ部51、52の横方向の中央位置となる。また、縦方向では、BYからBY0の範囲に、それぞれのフィルムホルダ部51、52の読み取り対象領域が含まれるようにする。
【0056】
図7は、フィルムホルダ50を用いて、スライドフィルムを読み取る場合の状態を示す図である。
【0057】
すなわち、図3に示した向きで、フィルムホルダ50の左下角部(H3)と原稿台12の左下角部(B1)とをあわせることにより、スライドフィルムのAコマとBコマとが読み取り領域に含まれるようになっている。なお、スライドフィルムホルダ部52を、フィルムホルダ50の図面上の下半分に設けた場合には、フィルムホルダ50を反転させ、フィルムホルダ50の右下角部(H4)と原稿台12の右下角部(B2)とをあわせるようにする。
【0058】
ここで、原稿台12の周辺に設けられた「AB」と表示されたガイド表示部60cは、フィルムホルダ50に設けられた「AB」と表示されたガイド部53cとの対応関係が明確になるような位置関係、例えば、重なる位置、あるいは、並ぶ位置等に配置する。
【0059】
つぎに、読み取り処理制御部202のプレビュー処理部202aが、プレスキャンでストリップフィルムを読み込んだ際のプレビュー表示を行なう際の処理について説明する。
【0060】
一般に、ストリップフィルムのコマは横長で、左から順番に並ぶようになっている。したがって、フィルムホルダ50により縦方向で読み込んだストリップフィルムの各コマは、ユーザが見やすいように、90度回転させてプレビュー表示する必要がある。
【0061】
また、図8に示すように、ストリップフィルムの1〜3コマ目を読み取る場合には、副走査方向の関係上、3コマ目、2コマ目、1コマ目の順序で画像が読み取られる。
【0062】
このため、プレビュー処理部202aは、ストリップフィルムの1〜3コマ目を読み取る場合には、読み取った逆の順番で、かつ、各コマを−90度回転させてプレビュー表示させることになる。なお、副走査方向、あるいは、ストリップフィルムの装填向きが逆の場合には、当然読み取り順序および画像の回転方向は逆になる。
【0063】
一方、図9に示すように、ストリップフィルムの4〜6コマ目を読み取る場合には、1コマ目、2コマ目、3コマ目の順序で画像が読み取られる。
【0064】
このため、プレビュー処理部202aは、ストリップフィルムの4〜6コマ目を読み取る場合には、読み取った順番で、かつ、各コマを90度回転させてプレビュー表示させることになる。なお、副走査方向、あるいは、ストリップフィルムの装填向きが逆の場合には、当然読み取り順序および画像の回転方向は逆になる。
【0065】
ところが、プレビュー処理部202aは、読み取ったストリップフィルムの画像からは、読み取ったコマが、1〜3コマ目なのか4〜6コマ目なのかの判別をすることができない。
【0066】
そこで、本実施例では、フィルムホルダ50のストリップフィルムホルダ部51の近傍には識別孔54が設けられている。識別孔54は、例えば、1コマ目〜3コマ目の側の読み取り領域内に含まれる位置に設けるようにする。識別孔54は、光を透過させるため、読み取り領域内に識別孔54が含まれていれば、読み取った画像中から識別孔54を認識することができる。
【0067】
プレビュー処理部202aは、図10のフロー図に示すように、ストリップフィルムのプレビュー表示の際に、読み取った画像中に識別孔54を認識した場合(S101:Y)には、読み取り対象がストリップフィルムの1コマ目〜3コマ目であると判断して、読み取った各コマの画像の順序を逆にして、かつ、−90度回転させてプレビュー表示するようにする(S102)。そして、本スキャン時には、読み取った逆の順番で読み取りを行なうようにしてもよい。
【0068】
一方、読み取った画像中に識別孔54を認識した場合(S101:N)には、読み取り対象がストリップフィルムの4コマ目〜6コマ目であると判断して、読み取った各コマの画像を、順序通りに90度回転させてプレビュー表示するようにする(S103)。そして、本スキャン時には、読み取った順番で読み取りを行なうようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像読み取りシステムの構成を示すブロック図。
【図2】画像読み取り制御部の機能構成を示すブロック図。
【図3】本発明を適用したフィルムホルダの外観を示す図。
【図4】本発明を適用した画像読み取り装置の原稿台周辺部の外観を示す図。
【図5】1〜3コマ目を読み取る場合の状態を示す図。
【図6】4〜6コマ目を読み取る場合の状態を示す図。
【図7】スライドフィルムを読み取る場合の状態を示す図。
【図8】1〜3コマ目のプレビュー表示処理を示す図。
【図9】4〜6コマ目のプレビュー表示処理を示す図。
【図10】プレビュー表示処理を説明するフロー図。
【図11】フィルムホルダのガイド部の別例を示す図。
【図12】従来の画像読み取り装置を示す図。
【図13】従来のフィルムホルダを示す図。
【図14】従来のフィルムホルダを示す図。
【図15】透過原稿の読み取り領域の狭い画像読み取り装置を示す図。
【図16】4〜6コマ目の読み取りを示す図。
【図17】1〜3コマ目の読み取りを示す図。
【符号の説明】
1 画像読み取りシステムシステム、10 画像読み取り装置、11 インタフェース、12 原稿台、13 キャリッジ、14 画像処理部、15 原稿台カバー、15a 面光源、20 ホストコンピュータ、21 インタフェース、22 CPU、23 RAM、24 ROM、25 補助記憶装置、30 モニタ、40 入力装置、50 フィルムホルダ、51 ストリップフィルムホルダ部、52 スライドフィルムホルダ部、53 ガイド部、54 識別孔、60 ガイド表示部
Claims (3)
- ストリップフィルム1本のコマ数のうち半分のコマ数に対応した読み取り領域を備える、透過原稿を読み取り可能なフラットベッド方式の画像読み取り装置を制御する画像読み取り制御装置であって、
前記画像読み取り装置が読み取ったストリップフィルムの画像の、前記読み取り領域内の所定の位置に対応する箇所に、識別孔の画像があるかどうかを判別する判別手段と、
判別の結果に応じて、読み取ったストリップフィルムのコマ群の表示順と回転方向とを変えてプレビュー表示を行なうプレビュー手段とを備えることを特徴とする画像読み取り制御装置。 - 請求項1に記載の画像読み取り制御装置において、
前記プレビュー手段は、読み取った順に90度回転させてのプレビュー表示と、読み取った順と逆順で−90度回転させてのプレビュー表示とを、判別の結果に応じて行なうことを特徴とする画像読み取り制御装置。 - ストリップフィルム1本のコマ数のうち半分のコマ数に対応した読み取り領域を備える、透過原稿を読み取り可能なフラットベッド方式の画像読み取り装置を制御する画像読み取り制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記画像読み取り装置が読み取ったストリップフィルムの画像の、前記読み取り領域内の所定の位置に対応する箇所に、識別孔の画像があるかどうかを判別する判別処理と、
判別の結果に応じて、読み取ったストリップフィルムのコマ群の表示順と回転方向とを変えてプレビュー表示を行なうプレビュー処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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