JP2513130Y2 - 画像読み取り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、合成画像を形成する場合等に好適な画像
読み取り装置に関する。

［従来の技術］ 従来の画像読み取り装置の一例を、第４図に示す。装
置本体１の上面に透明な原稿台２を持ち、内部にレンズ
３、イメージセンサ４からなる画像読み取り部５および
これと一体に移動する蛍光灯等の光源６を備え、原稿７
を裏返しにして原稿台２上に乗せ、原稿押さえ８を閉
じ、読み取り部５および光源６を矢印方向に移動させて
原稿７の下面の画像を読み取る。この場合の原稿７は、
原稿画像面の反射光で画像が読み取られる反射原稿であ
る。

また、フィルム原稿等の透過原稿の場合には、図示は
省略するが、原稿台の上方に光源を置いて透過原稿を上
から照明し、その透過光を装置本体内部の画像読み取り
部で読み取る構造である。いずれにしても、従来の画像
読み取り装置は原稿台は単なる透明な平板である。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来の画像読み取り装置のように、原稿を裏返し
に置いて画像読み取りを行うものでは、原稿の位置設定
が容易でない。例えば、パソコン、ワープロ、イメージ
スキャナ、プリンタその他の、入出力機器を構成機器と
して文章、画像の編集、レイアウト、印刷等を行ういわ
ゆるDTP（デスクトップパブリッシング）機能を持たせ
たシステムにおいて、既に入力されている画像の一部に
別の新たな画像をはめ込んで合成画像を作成したい場
合、裏返しにした原稿の画像は見えないので、はめ込ま
れた時のイメージ（合成画像のイメージ）が湧かないと
いう欠点がある。

なお、原稿が透過原稿であれば原稿画像は見ることが
できるが、被合成画像に原稿画像の合成された合成画像
をイメージすることは必ずしも容易でないといった問題
があった。

また、特開昭62-237863号「原稿固定型イメージ入力
装置」には、原稿固定型のイメージ入力装置に、原稿読
み取り面の全体或いは一部に光透過性を変化させる液晶
表示器を組み込み、必要に応じて原稿の載置位置を示す
マーカや罫線等が表示できるようにした画像読み取り装
置が開示されている。

しかしながら、このものは、液晶表示器によって表示
されるマーカや罫線を指標として原稿を載置することに
より、原稿が簡単に載置できるようにしただけでのもの
であり、原稿を伏せてすなわちその読み取り面を下にし
てイメージ入力装置に載置するため、原稿の画枠に関し
てはマーカや罫線を指標にして位置決めできるが、原稿
の画像内容自体が原稿に対して斜めに傾いていたりした
場合、原稿を意図的に斜めにずらしてイメージ入力装置
に載置するといった細かな位置修正まではできないもの
であった。

また、液晶表示器は、マーカや罫線は表示できるが、
被合成映像は表示できないため、既に入力済みの原稿に
別の原稿を合成する場合に、被合成画像と合成画像とを
イメージ入力前に事前に確認できず、合成画像をイメー
ジデータとして取り込んだ後、被合成画像に合成して別
のディスプレイ装置等に表示して初めて全体像が確認さ
れるというように、画像合成の手順が複雑かつ面倒であ
る等の問題を抱えるものであった。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、既に入力
されている画像に別の新たな原稿画像をはめ込み合成し
たい場合等に、はめ込んだ画像をイメージして読み取り
を行うことができる画像読み取り装置を提供することを
目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案は、表示画面が原稿
台とされるディスプレイ装置と、該ディスプレイ装置の
水平走査方向を主走査方向とし、かつ垂直走査方向を副
走査方向として前記表示画面上に移動可能に配設され、
前記表示画面に表示された被合成画像を背景に、随意選
択可能な合成位置に読み取り面を上に向けて載置された
原稿を、前記ディスプレイ装置の表示を前記被合成画像
から原稿との識別が可能な原稿外画像に切り替えた状態
で、該原稿外画像とともに主副二次元走査により読み取
る画像読み取り部とを具備することを特徴とするもので
ある。

また、本考案は、前記ディスプレイ装置が、前記原稿
が透過原稿であるときに、前記画像読み取り部による前
記主副二次元走査時に、前記原稿外画像として光源とな
る単色映像を表示すること、さらには前記画像読み取り
部が、前記ディスプレイ装置の水平走査に同期して主走
査を行うこと等を特徴とするものである。

［作用］ 上記構成において、既に入力されている画像に新たな
原稿画像をはめ込み合成する場合、ディスプレイ装置の
表示画面に既に入力されている被合成画像を表示し、こ
の被合成画像を背景に随意選択可能な合成位置に読み取
り面を上に向けて原稿を載置し、ディスプレイ装置の表
示を被合成画像から原稿との識別が可能な原稿外画像に
切り替えた状態で、主副二次元走査により原稿を原稿外
画像とともに読み取ることとにより、的確な画像合成を
可能にする。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を第１図ないし第３図を参照し
て説明する。第１図は、本考案の画像読み取り装置の一
実施例の使用状態を示す斜視図、第２図は、第１図に示
した画像読み取り装置の断面図、第３図（イ）は、合成
画像イメージ認識時の表示画面を示す図、第３図（ロ）
は、読み取り時の表示画面を示す図である。

第１図中、符号10はパソコン、11は画像読み取り装置
を指す。画像読み取り装置11は、第２図にも示すよう
に、パソコン10から送られた画像データを表示する液晶
ディスプレイ装置12の表示両面12aを光源兼原稿台と
し、この表示画面12aの上方にレンズ13及びイメージセ
ンサ14等からなる画像読み取り部15を、矢印ａで示す副
走査方向に移動可能に備え、さらに内部に印刷部16を備
えている。

なお、画像読み取り部15の主走査方向は、液晶ディス
プレイ装置12の水平走査方向に一致させてあり、また画
像読み取り部15の副走査方向は、液晶ディスプレイ装置
12の垂直走査方向に一致させてある。また、画像読み取
り部15のイメージセンサによる主走査は、液晶ディスプ
レイ装置12の水平走査に同期させて行われる。符号18
は、パソコン10と画像読み取り装置11とを接続するイン
ターフェースケーブルである。

次に上記の画像読み取り装置11の操作について説明す
る。

第１図の液晶ディスプレイ装置12の表示画面12aに図
示した画像は、パソコン10に既に入力されており、この
既入力画像に新たな透過原稿17の画像をはめ込みたいと
する。まず、図示の通り表示両面12aに既入力画像を出
力し、次いで、新たにはめ込もうとする透過原稿17を液
晶ディスプレイ装置12の表示画面12a上の所定の位置に
表示画面12aの画像を見ながら位置合わせする。この状
態で透過原稿17が合成された画像全体のイメージを確認
する。イメージ確認時の表示画面12aは、第３図（イ）
のごとくなっている。

ここで、図示略のボタンを操作すると、液晶ディスプ
レイ装置12に表示されていた既入力画像は消え、表示画
面12aには、第３図（ロ）に示すように、原稿外画像と
して識別可能な原稿判別パターンとして白黒のストライ
プ19が表示される。ここで図示略のスタートボタンを押
すと、画像読み取り部15が矢印ａ方向（副走査方向）に
走行して原稿17の画像を読み取る。この時ｘ座標の各位
置において、ｙ方向の白黒ストライプ19の一定パターン
が読み取られた時は、パソコン10はこれを不要な原稿外
画像と見なすため、イメージセンサ14に受光出力が生じ
ても、これを画像データとして取り込むことはない。

ただし、白黒ストライプではない不規則なパターンが
読み取れた箇所の画像に関しては、パソコン10は読み取
るべき画像と判断して、そこの画像分（図示例ではｘ座
標のx₁−x₂間とｙ座標のy₁−y₂間の画像分）だけを読み
取り、この読み取った画像を先に表示画面12aに出力さ
れていた既入力画像（被合成画像）に合成する。

最終的に合成された画像は、内蔵プリンタ16によって
出力される。符号20は、プリント出力された用紙を示
す。なお、合成画像のプリント出力は、パソコン10に直
接接続したプリンタ（図示略）から出力させることも可
能である。

また、画像はめ込みではなく、原稿画像を所望の色に
着色して読み取りたい場合には、表示画面12aに所望の
色で全面を単色表示させ、この状態で画像読み取りを行
うとよい。この場合、ディスプレイ装置12の表示画面12
aが光源兼原稿台となるため、原稿17は表示両面12aの色
に着色されて読み取られる。

また、透過原稿17を単純にそのまま読み取りたい場合
には、表示画面12a全面に白一色を表示させて読み取る
とよい。

さらに、画像読み取り部15のイメージセンサ14の出力
特性（感度等）が読み取りライン方向の箇所によりばら
つきがある場合、光源である表示面面12aの光量を水平
走査方向についてコントロールすることにより、イメー
ジセンサ14の出力特性を補正することができ、品質のよ
い画像読み取りを行うことができる。なお、この場合、
実際の画像読み取りに先立ち、全面が一様な原稿例えば
白色原稿を読み取らせ、プリントアウトした結果により
イメージセンサ14の出力特性のばらつきを推定し、表示
両面12aの光量の強弱を水平走査方向について調整する
とよい。

なお、実施例では透過原稿の画像読み取りを行う場合
として説明したが、本考案は反射原稿の画像読み取りを
行う画像読み取り装置に適用することもできる。その場
合に、読み取り部15内に反射原稿用光源を設けるとよ
い。そして、前記と同様に表示両面に出力した既入力画
像に合わせて反射原稿を位置決めし、反射原稿用光源を
点灯させた読み取り部を走行させて反射原稿の画像読み
取りを行い、パソコンに入力して画像合成を行う。この
場合、原稿外画像を前記と同様に白黒パターンとした場
合には、読み取り部側の反射原稿用光源により白黒パタ
ーンが識別されなくなることのないように配慮する必要
がある。

なお、ディスプレイ装置としては、液晶ディスプレイ
装置に限らず、CRTディスプレイ装置やエレクトロルミ
ネセンスディスプレイ装置、その他の方式のディスプレ
イ装置を用いることもできる。また、パソコン10のディ
スプレイ10aに画像読み取り部を移動可能に取り付け、
本考案の画像読み取り装置を構成することも可能であ
る。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、既に入力され
ている画像に新たな原稿画像をはめ込み合成する場合、
ディスプレイ装置の表示画面に既に入力されている被合
成画像を表示し、この被合成画像を背景に随意選択可能
な合成位置に読み取り面を上に向けて原稿を載置し、デ
ィスプレイ装置の表示を被合成画像から原稿との識別が
可能な原稿外画像に切り替えた状態で、主副二次元走査
により原稿を原稿外画像とともに読み取る構成としたか
ら、原稿をはめ込み合成した時の合成画像を、直接表示
画面上でイメージしながら読み取りを行うことができ、
従って事前に確認した通りの合成画像をイメージデータ
として正確に読み取ることができ、またはめ込み合成画
像が読み取り面を上にして表示画面上に載置できるた
め、はめ込み合成画像の画枠を合わせるのではなく、画
像内容に応じて原稿の上下或いは左右の傾きを随意調整
し、原稿の位置合わせと最適レイアウトが容易に可能で
あり、さらにまた被合成画像は、原稿のはめ込み位置を
決定するときにだけ使用し、実際の読み取り時には、被
合成画像ではなく原稿外画像として原稿とは識別が可能
な画像を表示するため、はめ込み位置に載置された原稿
だけを選択的に読み取ることができ、これにより既入力
済みの被合成画像に必要な原稿画像だけを取り込んで、
適切かつ正確なはめ込み合成が可能である等の優れた効
果を奏する。

また、本考案は、ディスプレイ装置が、原稿が透過原
稿であるときに、画像読み取り部による主副二次元走査
時に、原稿外画像として光源となる単色映像を表示する
ようにしたから、透過原稿を合成する場合に、表示画面
の全面に好みの単色を表示し、この状態で画像読み取り
を行うことにより、原稿画像を所望の色に着色して読み
取ることができ、また表示画面を全面白色とすれば、表
示画面は単なる白色光源となり、透過原稿から通常の画
像読み取りを行うことができる等の効果を奏する。

また、画像読み取り部は、ディスプレイ装置の水平走
査に同期して主走査を行う構成としたから、画像読み取
り部の出力特性が主走査方向の走査位置によってばらつ
きがある場合に、画像合成に先立って例えば白紙の原稿
を読み取らせ、そのプリントアウト結果等に応じて画像
読み取り部の出力特性のばらつきを事前に明らかにし、
実際の画像読み取りにさいしては、光源である表示画面
の光量を、水平走査方向に沿ってばらつきとは逆の特性
に従って補正することにより、原稿読み取り部の出力特
性に合わせた的確な画像読み取りが可能である等の効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の画像読み取り装置の一実施例の使用
状態を示す斜視図、第２図は、第１図に示した画像読み
取り装置の断面図、第３図（イ）は、合成画像イメージ
確認時の表示両面を示す図、第３図（ロ）は、読み取り
時の表示両面を示す図、第４図は、従来の画像読み取り
装置の一例を示す斜視図である。 11……画像読み取り装置 12……ディスプレイ装置 12a……表示両面 13……レンズ 14……イメージセンサ 15……画像読み取り部 17……透過原稿

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表示画面が原稿台とされるディスプレイ装
   置と、該ディスプレイ装置の水平走査方向を主走査方向
   とし、かつ垂直走査方向を副走査方向として前記表示画
   面上に移動可能に配設され、前記表示画面に表示された
   被合成画像を背景に、随意選択可能な合成位置に読み取
   り面を上に向けて載置された原稿を、前記ディスプレイ
   装置の表示を前記被合成画像から原稿との識別が可能な
   原稿外画像に切り替えた状態で、該原稿外画像とともに
   主副二次元走査により読み取る画像読み取り部とを具備
   することを特徴とする画像読み取り装置。
2. 【請求項２】前記ディスプレイ装置は、前記原稿が透過
   原稿であるときに、前記画像読み取り部による前記主副
   二次元走査時に、前記原稿外画像として光源となる単色
   映像を表示することを特徴とする請求項１記載の画像読
   み取り装置。
3. 【請求項３】前記画像読み取り部は、前記ディスプレイ
   装置の水平走査に同期して主走査を行うことを特徴とす
   る請求項１記載の画像読み取り装置。