JP3945319B2 - 洗濯乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯物を収容する内槽内に給水管を通して給水して洗濯するとともに、温風供給手段により温風を送り込み乾燥する洗濯乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の洗濯乾燥機は図2に示すような構成が提案されている。以下、その構成について説明する。
【0003】
図2に示すように、外枠1は、内部に複数のサスペンション2によって弾性的に吊り下げた外槽3を設け、脱水時の振動を吸収する構成としている。外槽3の内部に、洗濯物を収容する内槽4を脱水軸5を中心に回転可能に配設し、内槽4の内底部に洗濯物(以下、衣類という)を撹拌する回転翼6を洗濯軸7を中心に回転自在に配設している。内槽4の内部周壁に小孔(図示せず)を多数設けるとともに、上方には流体バランサー8を設けている。回転翼6は、外周部に傾斜面9を有する略皿状の基盤の上面に撹拌用突出部10を形成することで、乾燥行程においては、衣類を回転翼6の回転による遠心力で傾斜面9に沿って上方へと舞い上がりやすくしている。
【0004】
外槽3の底部にモータ11を配設し、その回転力を洗濯時は洗濯軸7に伝達し、脱水時は脱水軸5に切り換えて伝達するクラッチ12を介して、内槽4または回転翼6に連結している。
【0005】
外枠1内の後方に熱交換器13を配設し、一端は伸縮自在の下部蛇腹状ホース14を介して外槽3の下部に接続し、他端は循環する温風に含まれるリントを回収するリントフィルター15を介して循環用送風機16の一端に接続している。循環用送風機16の他端は、加熱手段であるヒータ17を有する温風供給路18に接続し、送風蛇腹ホース19を通って内槽4へ繋がり、循環する温風循環経路20を構成している。
【0006】
略ドーナツ状の外槽カバー21は外槽3の上方開口側に配設し、送風蛇腹ホース19から温風を供給する温風供給口22を設けている。また、この外槽カバー21に内蓋23を開閉自在に設け、閉時は外槽カバー21の開口部を気密的に覆い、開時は衣類を出し入れ可能にしている。
【0007】
外枠1の上部に開口部を有する外枠カバー24を配設し、その開口部を開閉自在に覆う外蓋25、操作表示手段26、内槽4に給水する給水弁27などを設けている。外槽3の底部には外槽3外に水を排水する排水弁28を設けている。外枠1の後面に、送風によって外槽3、熱交換器13等を冷却する冷却用送風機29を配設している。
【0008】
制御装置30は、外枠1の下部に配設してマイクロコンピュータを具備し、モータ11、クラッチ12、循環用送風機16、ヒータ17、給水弁27、排水弁28、冷却用送風機29などの動作を制御し、例えば、外槽3の温度を検知するサーミスタ31、熱交換器13の出口の循環風温度を検知するサーミスタ32の検知出力をモニターし、乾燥終了を判定する等、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御する。
【0009】
上記構成において動作を説明する。洗い行程では、外蓋25と内蓋23を開けて、内槽4に衣類を投入し運転を開始すると、給水弁27が開き、外槽カバー21に接続された給水管33を通り、給水部34を介して所定の水位まで給水された後、モータ11を駆動する。伝達機構部のクラッチ12によりモータ11の動力が洗濯軸7を介して回転翼6に伝達されて回転し、撹拌用突出部10により衣類が撹拌され、衣類同士または内槽4や回転翼6との接触により作用する機械力と水流により衣類の洗浄が行われる。
【0010】
脱水行程では、洗濯終了後、排水弁28を開いて内槽4内の水を排水した後、クラッチ12を脱水側に切り換えて、モータ11の動力を脱水軸5に伝達し内槽4を回転させ、遠心力により衣類から水分を分離する。
【0011】
乾燥行程では、脱水終了後、排水弁28を閉じ、クラッチ12を洗濯側に切り換え、モータ11の回転を回転翼6に伝達し、正転、反転させて撹拌用突出部10で衣類を撹拌する。同時にヒータ17によって加熱された温風を循環用送風機16によって送風蛇腹ホース19を通って温風供給口22に送り、内槽4内に吹き込まれた温風は、衣類から水分を蒸発させながら下部蛇腹状ホース14を通過し熱交換器13へ送られる。
【0012】
このとき、内槽4内に吹き込まれた温風の一部は、給水管33から滴下し、給水部34に設けられた残水溜め部35に溜まった洗濯給水時の残水を乾燥させるのに用いる。
【0013】
また、衣類の水分を奪って湿気を含んだ温風が、冷却送風機29による外部空気の流入で冷却された外槽3の内壁や熱交換器13内を通過するとき、水分の結露が起こり、湿った温風は除湿されて循環用送風機16に戻る。この温風循環経路20で温風を循環させ、内槽4内の衣類を乾燥させる。さらに、温風に含まれるリントを、温風循環経路20に着脱可能に設けられたリントフィルター15で回収することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の構成では、衣類を乾燥させるために内槽4に送り込まれた温風の一部を残水の乾燥に用いているため、乾燥能力が低下しまうという問題を有していた。
【0015】
本発明は上記課題を解決するもので、乾燥性能を低下させることなく、給水時の残水を乾燥させ、乾燥時の衣類への水の滴下を防止することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、洗濯物を収容する内槽を外槽に内包し、外槽の上方開口側に外槽カバーを配し、内槽内に温風供給手段により温風を送り込み、外槽カバーに内槽内に給水する給水管と連通した給水部を配設し、給水部に給水管からの残水を受け止めるように残水溜め部を設け、残水溜め部の近傍を温風の排気で乾燥するように構成したものである。
【0017】
これにより、乾燥性能を低下させることなく、給水時の残水を乾燥させ、乾燥時の衣類への水の滴下を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、洗濯物を収容する内槽と、この内槽を内包した外槽と、前記外槽の上方開口側に配した外槽カバーと、前記内槽内に温風を送り込む温風供給手段と、前記外槽カバーに配設し前記内槽内に給水する給水管と連通した給水部と、前記給水部に前記給水管からの残水を受け止めるように設けた残水溜め部とを備え、前記残水溜め部の近傍を温風の排気で乾燥するように構成したものであり、乾燥性能を低下させることなく、給水時の残水を乾燥させ、乾燥時の衣類への水の滴下を防止することができる。
【0019】
請求項2に記載の発明は、洗濯物を収容する内槽と、この内槽を内包した外槽と、前記外槽の上方開口側に配した外槽カバーと、前記内槽内に温風を送り込む温風供給手段と、前記外槽カバーに配設し前記内槽内に給水する給水管と連通した給水部と、前記給水部に前記給水管からの残水を受け止めるように設けた残水溜め部とを備え、前記給水部は、外槽カバー外に連通する排気口の一部を兼用したものであり、給水時の残水を乾燥させ、乾燥時の衣類への水の滴下を防止することができるとともに、乾燥時の給水部や残水溜め部等へのリントの付着を給水時に洗い流すことができる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、洗濯物を収容する内槽と、この内槽を内包した外槽と、前記外槽の上方開口側に配した外槽カバーと、前記内槽内に温風を送り込む温風供給手段と、前記外槽カバーに配設し前記内槽内に給水する給水管と連通した給水部と、前記給水部に前記給水管からの残水を受け止めるように設けた残水溜め部とを備え、前記残水溜め部は、前記内槽に送り込まれた温風の排気経路途中に位置するものであり、給水時の残水を乾燥させ、乾燥時の衣類への水の滴下を防止することができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0022】
図1に示すように、外槽カバー36は、略ドーナツ状に形成して外槽3の上方開口側に配設し、この外槽カバー36の内方開口部を開閉自在に覆うように内蓋37を配設している。外枠38の上部に外枠カバー39を配設し、この外枠カバー39の後方内部に、乾燥用送風機40を配設し、その一端は吸気フィルター41を介して機体外に通じており、他端はヒータ42を有する温風供給路43に接続し、温風供給手段44を構成している。温風供給路43は送風蛇腹ホース45につながり、外槽カバー36に設けた温風供給口46から内槽4内へ温風を供給するよう構成している。
【0023】
外槽カバー36には、給水弁47に接続し、内槽4内に給水する給水管48と連通した給水部49を配設し、給水部49に給水管48からの残水を受け止めるように残水溜め部50を設けている。
【0024】
また、外槽カバー36には、温風供給口46から内槽4内に供給された温風を排気する排気口51を形成し、残水溜め部50の近傍を温風の排気で乾燥するように構成している。ここで、給水部49は、外槽カバー36外に連通する排気口51の一部を兼用するとともに、残水溜め部50は、内槽4に送り込まれた温風の排気経路途中に位置するよう構成している。
【0025】
また、排気口51の近傍には支持部材52を固定し、排気フィルター53を排気口51を覆うように支持部材52に着脱自在に取り付けている。
【0026】
上記構成において動作を説明する。なお、洗い行程から脱水行程までの動作は従来例の動作と同じであるので説明を省略する。
【0027】
乾燥行程に入ると、排水弁28を閉じるとともにクラッチ12を洗濯側に切り換える。そして、モータ11を駆動して回転翼6に伝達し、回転翼6を正転、反転させて撹拌用突出部10で衣類を引っかけて撹拌する。また、乾燥用送風機40とヒータ42に通電し、吸気フィルター41を通して吸入した外気を温風に変え、温風供給口46から、矢印で示すように、内槽4内に温風を吹き込む。この温風が撹拌中の衣類を暖め、衣類から水分を蒸発させた後、内槽4の上方に向かって上昇し、排気口51から排出される。
【0028】
したがって、乾燥時に、洗濯時に給水管48に残水した残水が給水部49に設けた残水溜め部50に滴下する恐れがあるが、残水溜め部50に滴下し、溜まった残水は排気の温風にて乾燥するので、乾燥中もしくは乾燥終了時に残水が衣類に滴下して衣類を濡らすのを防止することができる。
【0029】
また、給水部49は、外槽カバー36外に連通する排気口51の一部を兼用しているので、給水時に給水管48に残水した残水を乾燥させることができ、乾燥時の衣類への水の滴下を防止することができるとともに、乾燥時には、リントが給水部49や残水溜め部50等へ付着する可能性もあるが、洗濯時に給水されるので、給水部49や残水溜め部50等へ付着したリントを洗い流すことができる。
【0030】
また、残水溜め部50は、内槽4に送り込まれた温風の排気経路途中に位置するので、給水時に給水管48に残水した残水を乾燥させることができ、乾燥時の衣類への水の滴下を防止することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、洗濯物を収容する内槽と、この内槽を内包した外槽と、前記外槽の上方開口側に配した外槽カバーと、前記内槽内に温風を送り込む温風供給手段と、前記外槽カバーに配設し前記内槽内に給水する給水管と連通した給水部と、前記給水部に前記給水管からの残水を受け止めるように設けた残水溜め部とを備え、前記残水溜め部の近傍を温風の排気で乾燥するように構成したから、乾燥性能を低下させることなく、給水時の残水を乾燥させ、乾燥時の衣類への水の滴下を防止することができる。
【0032】
また、請求項2に記載の発明によれば、洗濯物を収容する内槽と、この内槽を内包した外槽と、前記外槽の上方開口側に配した外槽カバーと、前記内槽内に温風を送り込む温風供給手段と、前記外槽カバーに配設し前記内槽内に給水する給水管と連通した給水部と、前記給水部に前記給水管からの残水を受け止めるように設けた残水溜め部とを備え、前記給水部は、外槽カバー外に連通する排気口の一部を兼用したから、乾燥性能を低下させることなく、給水時の残水を乾燥させ、乾燥時の衣類への水の滴下を防止することができるとともに、乾燥時の給水部や残水溜め部等へのリントの付着を給水時に洗い流すことができる。
【0033】
また、請求項3に記載の発明によれば、洗濯物を収容する内槽と、この内槽を内包した外槽と、前記外槽の上方開口側に配した外槽カバーと、前記内槽内に温風を送り込む温風供給手段と、前記外槽カバーに配設し前記内槽内に給水する給水管と連通した給水部と、前記給水部に前記給水管からの残水を受け止めるように設けた残水溜め部とを備え、前記残水溜め部は、前記内槽に送り込まれた温風の排気経路途中に位置するから、乾燥性能を低下させることなく、給水時の残水を乾燥させ、乾燥時の衣類への水の滴下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の洗濯乾燥機の縦断面図
【図2】従来の洗濯乾燥機の縦断面図
【符号の説明】
3 外槽
4 内槽
36 外槽カバー
44 温風供給手段
48 給水管
49 給水部
50 残水溜め部
Claims (3)
- 洗濯物を収容する内槽と、この内槽を内包した外槽と、前記外槽の上方開口側に配した外槽カバーと、前記内槽内に温風を送り込む温風供給手段と、前記外槽カバーに配設し前記内槽内に給水する給水管と連通した給水部と、前記給水部に前記給水管からの残水を受け止めるように設けた残水溜め部とを備え、前記残水溜め部の近傍を温風の排気で乾燥するように構成した洗濯乾燥機。
- 洗濯物を収容する内槽と、この内槽を内包した外槽と、前記外槽の上方開口側に配した外槽カバーと、前記内槽内に温風を送り込む温風供給手段と、前記外槽カバーに配設し前記内槽内に給水する給水管と連通した給水部と、前記給水部に前記給水管からの残水を受け止めるように設けた残水溜め部とを備え、前記給水部は、外槽カバー外に連通する排気口の一部を兼用した洗濯乾燥機。
- 洗濯物を収容する内槽と、この内槽を内包した外槽と、前記外槽の上方開口側に配した外槽カバーと、前記内槽内に温風を送り込む温風供給手段と、前記外槽カバーに配設し前記内槽内に給水する給水管と連通した給水部と、前記給水部に前記給水管からの残水を受け止めるように設けた残水溜め部とを備え、前記残水溜め部は、前記内槽に送り込まれた温風の排気経路途中に位置する洗濯乾燥機。
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