JP3944312B2 - シート状物搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送ベルトとこれを挟持する複数対の押えローラとの間に、紙幣その他の一定の形状を有するシート状物を挟持して所定位置まで搬送するシート状物搬送装置に係り、とくに前面側から紙幣を投入される紙幣受入機を備えた遊技設備における紙幣搬送装置に適用して好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
図18ないし図20に基づいて、従来技術について説明する。
図18は従来の紙幣搬送装置を備えた遊技設備の一部の平面図、図19は図18の楕円Y部分、すなわち、導入部Jの拡大断面図、図20は紙幣搬送装置の一部を示す平面図である。
図18に示すように、パチンコ台やスロットマシンなどの複数の遊技台Pを横方向に並設してなる遊技台列に、その遊技台列の前面側から紙幣を受入れて一定の姿勢で前記遊技台列の背面側に送り出す紙幣受入機Sを前記遊技台列に沿って間隔をもって設けるとともに、前記遊技台列の背面側に、前記紙幣受入機Sから送り出される紙幣を受取って、前記遊技台列に沿って所定位置まで挟持搬送する紙幣搬送装置BCを設け、前記紙幣受入機と前記紙幣搬送装置との間に前記紙幣受入機から送り出される紙幣を前記紙幣搬送装置の搬送路に案内導入させる導入部Jを備えた遊技設備がある。
【0003】
上記遊技台列には、通常、紙幣の投入により作動する台間玉貸機や台間メダル貸機が設置されるが、紙幣受入機Sはその玉貸機又はメダル貸機に組込まれ、紙幣受入機に投入された紙幣は、遊技台列の背面側に設置された紙幣搬送装置BCにより遊技台列の所定位置に設けられた収納部CTまで搬送され、収納されるようにしてある。
従来の紙幣搬送装置BCは、搬送路が、紙幣受入機Sから送り出される紙幣を搬送路に導入させる位置に設けられる導入部Jと、隣接する導入部Jの間、及び、最下流の導入部から収納部CTまで搬送する搬送部Uとに分割して構成されている。そして、一つの遊技台列は、遊技台Pと、隣合う2台の遊技台ごとの間に設置される台間玉貸機又は台間メダル貸機とから構成され、一つの遊技設備には、2列の遊技台列が背中合わせに設置されている。
【0004】
このような背中合わせの配置構成に対応して、紙幣搬送装置BCには、遊技台列の両端部に設けた水平軸回りに回転されるプーリ(図示省略)の間に巻回された1本の無端丸ベルトからなる搬送ベルト101 と、遊技台列の一端部のプーリを介して搬送ベルトを回転駆動するモータなどの駆動源Mと、各遊技台列の紙幣受入機Sに対応する位置に設けられ、搬送ベルト101 を互いに反対側から挟持して垂直軸回りに従動回転される複数対の押えローラ105 を備え、紙幣受入機から送出される紙幣を搬送路に導入させる導入部J1,J2と、各導入部の間及び最下流側の導入部と収納部CTの間に設置されて、それぞれ搬送ベルト101 にその互いに反対側から接触して垂直軸回りに従動回転される複数の押えローラ111 を備え、各導入部から導入される紙幣を所定位置まで搬送する搬送部U1,U2とを有して、搬送ベルト101 とそれぞれの側の押えローラ105,107;111 の間に搬送路p1,p2が形成され、いずれの側の遊技台列の紙幣受入機Sから投入された紙幣も、遊技台列の同じ端部まで搬送ベルト101 と押えローラ105,107,111 に挟持して搬送され、収納部CTに収納されるようにしたものがある。
【0005】
一方、従来は、図18に例示するように、一つの遊技台列を構成する遊技台Pと紙幣受入機Sを組み込んだ台間玉貸機又は台間メダル貸機とが、遊技台列に沿って規則的な順序及び一定距離をもって、換言すると、一様の配置パターンで配置され、かつ、一方側の遊技台列の構成要素(P,S)と他方側の遊技台列の構成要素(P,S)とが対向状態に設置されていた。
【0006】
そのため、紙幣搬送装置の組立て、設置を簡便にするため、導入部J1,J2は、図19に示すように、同一の構成で対称形に作られ、基板102 の背面側に、遊技台列に沿って延長する搬送路p1,p2と、紙幣受入機側に先端開口を有し、搬送路に斜めに結合する案内路103 が形成され、案内路の中間部に外周の一部が突出するように取付けられた推進ホイル104 と、案内路105 が搬送路p1,p2と結合する位置の下流側において、押えローラ105 がその外周の一部を搬送路p1,p2に突出するように基板102 に設けてあり、推進ホイル104 はその回転軸に固着されたプーリと押えローラ105 の軸に固着されたプーリの間に伝動ベルト106 が巻回されて、回転されるようになっている。107 は基板104 の上流側に、搬送ベルト101 に接触する位置に設けられた補助押えローラである。また、108,109 は、搬送路p1,p2に紙幣のジャムが起きたか否かを検知するジャム検知器を構成する投光素子及び受光素子である。
【0007】
また、搬送部U1,U2は、図20に示すように、基板110 に、搬送ベルト101 に接触されて垂直軸回りに従動回転される押えローラ111 を取付けて、対称形に作られ、搬送部U1を搬送ベルト101 の一方側に設置して、搬送ベルト101 と押えローラ111 及び基板110 の間に搬送路p3を形成するとともに、搬送部U2を搬送ベルト101 の反対側に設置して、搬送ベルト101 と押えローラ111 及び基板110 の間に搬送路p4を形成している。
そして、隣接する導入部J1,J1の間に搬送部U1を、隣接する導入部J2,J2の間に搬送部U2をそれぞれ設け、導入部の搬送路p1,p2と搬送部の搬送路p3,p4をそれぞれ連続させて、各遊技台列の紙幣受入機Sから送出される紙幣を案内路103 を経て搬送路p1又はp2に導入させるようになっている。
【0008】
ところで、図18及び図19に示すように、両側の遊技台列に対応する導入部J1,J2は、一体的に結合された一体型構造とされており、また、搬送部U1,U2も、両側の遊技台列の構成に対応する一定長Laの搬送部を一体的に結合した一体型構造とされていて、それぞれ紙幣搬送装置上方に設けられた棒状又は板状の支持フレームに釘打ち又はネジ込みにより固定されていた。
【0009】
最近、遊技設備の一つの遊技台列に、遊技台P、玉貸機やメダル貸機Sのほか、テレビジョンその他の画像情報提供装置V、タバコや飲食物などを販売する自動販売機やサービス供給機を、遊技客にゆとり感を与える狙いから、任意の位置に任意の組合わせで(ランダムに)設置する要望が出てきた(図1及び図2参照)。しかし、従来は上記のように、両側の遊技台列の導入部J1,J2が一体的に結合された一体型構造を有し、また、両側の遊技台列の搬送部U1,U2も一体的に結合された一体型構造を有して、釘打ち又はネジ込みにより固着されているので、それぞれの遊技台列にランダムな配置を採用することが困難であるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その課題は、導入部が搬送方向の任意の位置に設置されて、隣接する導入部間の距離が種々異なっても、これに対応した搬送路を容易に構成することができるシート状物搬送装置を提供することにある。
また、シート状物搬送装置が遊技設備の紙幣搬送装置に適用される場合に、遊技台列の構成要素の組合わせ及び配置を任意に設定することを可能にすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、水平軸回りに回転されるプーリ間に巻回され、駆動源により一方向に回転される無端搬送ベルトと、その搬送ベルトを互いに反対側から挟持する複数対の押えローラとを有し、シート状物送込み機から送込まれるシート状物を前記搬送ベルトの両側にその搬送ベルトに沿って形成されている搬送路に導入させ、前記搬送路の末端に設けられた収納部まで搬送するシート状物搬送装置において、(a)前記搬送ベルトの両側の搬送路は、それぞれ、前記シート状物送込み機に対応して設けられる導入部ユニットと、その導入部ユニットが設けられる部分以外の部分に設けられる搬送部ユニットとにより形成され、(b)一方側の搬送路を形成する導入部ユニット及び搬送部ユニットと、他方側の搬送路を形成する導入部ユニット及び搬送部ユニットとは互いに他から分離された独立構造物であり、(c)前記各導入部ユニットは、前記各搬送路の一部となる部分搬送路と前記シート状物送込み機から送込まれるシート状物を前記部分搬送路に案内導入させる案内路とを有する搬送路形成部材と、前記案内路に外周の一部を臨ませて取付けられた推進ホイルと、前記部分搬送路に外周の一部を臨ませて取付けられた前記押えローラとを備え、(d)前記各搬送部ユニットは、それぞれ前記各搬送路の一部となる部分搬送路を有する、前記シート状物の長さよりも長くかつ複数個の押えローラが設けられた搬送路形成部材と、前記シート状物とほぼ等しい長さを有しかつ1個の押えローラが設けられた搬送路形成部材と、前記シート状物よりも短く、押えローラが設けられていない搬送路形成部材との3種の搬送路形成部材のいずれか1種又は2種以上を、前記シート状物送込み機の間に配置される機器の組合わせに応じて任意に組合わせて結合してなり、(e)前記導入部ユニットの搬送路形成部材及び前記搬送部ユニットの搬送路形成部材は、それぞれ平板部と、その平板部の片面上下に対向して開口して前記部分搬送路を形成する溝とを有するとともに、上下端部に係止部材が装着されているものであり、(f)前記導入部ユニット及び前記搬送部ユニットは、前記係止部材を前記シート状物の搬送方向に沿って設けられた上下一対のレールに着脱自在に係止して取付けられていることを特徴としている。
【0012】
上記構成により、搬送ベルトの両側の搬送路を各別に形成する導入部ユニット及び搬送部ユニットは、それぞれの搬送路形成部材の上端部の係止部材を上下一対のレールに着脱自在に係止することにより、搬送ベルトの両側にそれぞれ搬送方向に連続する搬送路を簡単に構成することができる。そして、導入部ユニット及び搬送部ユニットはレールに着脱自在に係止されるので、導入部ユニット及び搬送部ユニットの位置決めが容易であり、また、搬送されるシート状物がジャムした場合は、各搬送路形成部材をレールから離間し、部分搬送路を開放して、ジャムしたシート状物を容易迅速に取除くことが可能である。
また、搬送部ユニットは、シート状物よりも長い搬送路形成部材に複数個の押えローラが設けられもの、シート状物とほぼ等しい長さの搬送路形成部材に1個の押えローラが設けられたもの、シート状物よりも短い搬送路形成部材で押えローラが設けられていないものの、長さの異なる3種類の中から、シート状物送込み機の間に配置される機器の組合わせに応じていずれか1種又は2種以上を任意に組合わせて結合することができるので、いずれの側の搬送部ユニットも、各種の長さを有することが可能である。
すなわち、搬送方向に隣接する導入部ユニット間の距離に応じて、長さが異なる複数種類の搬送路形成部材を任意に組合わせて連結することにより、前記導入部ユニット間距離に合致する搬送部ユニットを容易に構成することができる。従って、搬送ベルトの両側においてそれぞれ導入部ユニットの設置位置を複数種類の搬送路形成部材の任意な組合せの範囲で任意に設定することができる。
【0013】
また、上記シート状物搬送装置を、遊技台列の前面側から投入される紙幣を受入れる紙幣受入機が設けられている遊技設備において、紙幣受入機から送出される紙幣を遊技台列に沿って所定位置まで搬送する紙幣搬送装置として用いる場合は、一つの遊技台列が遊技台、台間玉貸機やメダル貸機のほか、画像情報提供装置や自動販売機等で構成される際に、遊技台列に沿って隣接する導入部ユニット間の距離が種々異なっても、長さが異なる複数種類の搬送路形成部材を組合わせて連結することにより、前記各種の導入部ユニット間距離に対応することができる。
【0014】
搬送路形成部材の係止部材は、少なくとも前記搬送路形成部材の上端部に形成された孔に装着され、レールの溝に押込み可能な押込み拡大リベットであることを特徴としている。
上記構成により、搬送路形成位置の上下に、遊技台列に沿って延長する上下一対のレールを取付け、そのレールの溝に前記押込み拡大リベットを押し込むことにより、搬送路形成部材をレールの延長方向の任意の位置に固定することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るシート状物搬送装置を備えた遊技設備の一例の一部の平面図、図2は同じく遊技設備の他例の一部の平面図である。図3は図1の楕円X部分の拡大断面図、図4は同部分の正面図である。
図5〜図9は、導入部ユニットを示すものであり、図5は正面図、図6は平面図、図7は図5のA−A断面図、図8は側面図、図9は図7のB−B線断面図である。図11はシート状物搬送装置を支持するレールの端面図、図12はそのレールにシート状物搬送装置を支持した状態を示す断面図である。
【0016】
本発明によるシート状物搬送装置は、とくに、図1に例示するように、一つの遊技台列に、遊技機P、紙幣受入機Sを組込んだ玉貸機やメダル貸機のほか、画像情報提供装置V、自動販売機やサービス供給機等(図示省略)が、ランダムに設置される遊技設備において、紙幣受入機Sから送り出される紙幣を遊技台列の一端部に搬送する紙幣搬送装置BCとして用いるのに好適である。以下には、上記紙幣搬送装置BCについて、説明する。
【0017】
紙幣搬送装置BCが、遊技台列の両端部に設けた水平軸回りに回転されるプーリ(図示省略)の間に巻回された1本の無端丸ベルトからなる搬送ベルト101 と、遊技台列の一端部のプーリを介して搬送ベルトを回転駆動するモータなどの駆動源Mと、各遊技台列の紙幣受入機Sに対応する位置に設けられ、搬送ベルト101 に接触して垂直軸回りに従動回転される押えローラ106,107 を備え、紙幣受入機Sから送出される紙幣を搬送路p1,p2に導入させる導入部ユニットJ1,J2と、搬送ベルト101 にその互いに反対側から接触して垂直軸回りに従動回転される複数の押えローラ111 を備え、各導入部ユニットの間及び最下流側の導入部ユニットと収納部CTとの間に設けられ、導入される紙幣を所定位置まで搬送する搬送部ユニットU1,U2とを有して、搬送ベルト101 とそれぞれの側の押えローラ105,107;111 の間に搬送路p1,p2;p3,p4が形成され、いずれの側の遊技台列の紙幣受入機Sから投入された紙幣も、遊技台列の同じ端部まで搬送ベルト101 と押えローラ105,107;111 とに挟持して搬送され、収納部CTに収納されるように構成されている点は、従来と同様である。
【0018】
しかしながら、本発明においては、図1,図2及び図3に示すように、導入部ユニットJ1,J2は、従来と異なり、互いに独立した構成を有して、遊技台列に沿ってそれぞれ任意の位置に取付け可能とされており、また、各搬送部ユニットU1,U2も、それぞれ独立した構成を有して、遊技台列に沿った任意の位置に取付け可能とされている。
【0019】
以下に、まず、導入部ユニットJ1について図5〜図12を参照して詳述する。導入部ユニットJ2は導入部ユニットJ1と対称形に作られているので、説明を省略する。導入部ユニットJ1は、搬送路形成部材1を有している。搬送路形成部材1のほぼ矩形の平板部2の上下背面側に形成された又は固着された案内縁3a,3bにより、上下対向して開口する溝3c,3dが形成してあり、これらの溝とその間の空隙により、搬送路形成部材の長手方向に貫通して紙幣を横長の姿勢で案内する搬送路p1が構成されている。また、平板部2の正面の中央寄りやや右又は左に寄った位置に、手前方向に突出して先端が開口し、紙幣受入機Sから送出される紙幣を搬送路p1に導入案内する案内路103 が形成されている。その案内路103 は先端開口から紙幣搬送方向に向かって前記搬送路p1に斜めに導入している。搬送路形成部材1は、搬送路p1の紙幣の存否を視認できるように、透明樹脂材料で成形されている。
搬送路形成部材1には、推進ホイル104 、押えローラ105 及び押えローラの回転力を推進ホイル104 に伝達させる伝動ベルト106 、並びに補助ローラ107 が従来と同様に備えられ、かつ、ジャム検知器4が取付けられている。押えローラ105 はゴムローラで作られていて、後述される搬送ベルト101 に接触し、その搬送ベルト101 と押えローラ105 の間に紙幣を挟持して搬送するように作用する。
【0020】
ジャム検知器4には、導入部ユニットJ1がJ2と互いに独立して取付け可能にするため、アクチュエータ型センサが用いられ、一例として、図10に示すように、部分搬送路p1の溝3c内に先端が突出され、支点4aで揺動自在に支持されたアクチュエータ4bと、そのアクチュエータが溝3cを搬送される紙幣により揺動されたとき、そのアクチュエータ4bにより光を遮断されるフォトセンサ4cからなる周知のものを用いることができる。しかし、フォトセンサの代りに、アクチュエータにより作動されるマイクロスイッチその他のセンサを用いることもできる。このジャム検知器4が出力する紙幣検知信号は導線5を介して判定部(図示せず)に与えられ、紙幣検知信号の出力が所定時間以上継続した場合は、前記判定部はジャムが発生したと判断するようになっている。
【0021】
さらに、搬送路形成部材1は、紙幣搬送方向の上流側端部と下流側端部に、櫛歯状の連結部6,7を有している。この連結部は、図4に示すように、搬送方向に沿って隣接する導入部ユニットJ1,J1間;J2,J2間にそれぞれ設けられて両導入部ユニットの搬送路p1を連続させる、後述の搬送部ユニットU1,U1;U2,U2と連結する際に、導入部ユニットと搬送部ユニットの間に、搬送される紙幣をジャムさせるような縦直線状のエッジが生じないように、滑らかに連結するためのものである。
【0022】
すなわち、連結部6は、後述される上流側の搬送部ユニットU1の下流側端部の連結部22と互いに嵌め継ぎが可能な形状を有し、下流側の連結部7は、後述される下流側の搬送部ユニットU1′の上流側端部の連結部21と互いに嵌め継ぎが可能な形状を有している。そして、搬送路形成部材1の上流側の連結部6と搬送部ユニットU1の上流側端部の連結部21、搬送路形成部材1の下流側の連結部7と搬送部ユニットU1の下流側端部の連結部22は、それぞれ等しい形状を有している。
【0023】
上記のように、搬送路形成部材1に搬送路p1と案内路103 を形成し、推進ホイル104 と押えローラ105 を取付け、ジャム検知器4を取付けて、独立した構成を有する導入部ユニットJ1も、好ましい実施の形態では、遊技台列に沿って任意の位置に容易に取付ることを可能にするため、搬送路形成部材1の上端部と下端部の内、少なくとも上端部に、紙幣搬送方向に間隔をおいて複数個の貫通孔8(図9参照)が形成してあり、各貫通孔に係止部材の一例として、押込み拡大リベット9が挿通して装着されている。また、搬送路形成部材1の下端部には、同様の押込み拡大型のリベットを装着しても良いが、係止部材の他の例として、係止縁10が形成してある。
【0024】
図16及び図17は、本発明によるシート状物搬送装置の一部の取付状態の一例を示すものであり、図16は正面図、図17は同じく平面図である。図16に示すように、両側の遊技台列の間の各紙幣受入機とほぼ等しい高さ位置において、上下一対のレールUR,LRが紙幣搬送装置の高さとほぼ等しい間隔をもって遊技台列に沿って平行に延設されている。上レールUR及び下レールLRは、それぞれその上端部及び下端部をクランプCL1,CL2で挟持され、そのクランプCL1,CL2を2列の遊技台列の間に立設された支柱又は紙幣受入機Sに固定することにより、所定の高さ位置に平行状態で取付けられている。
上レールURは、図11,図12に示すように、上方に開口するあり溝11を有するとともに、そのあり溝の下側において前後方向に開口する2条のあり溝12を有している。上側のあり溝11は、遊技台列に沿って隣接する上レールURの端部同志を連結するためのものである。図12に示すように、短冊状の鋼製の連結板13の長さの半分を一方の上レールのあり溝11に、他の半分を他方の上レールのあり溝11に押入することにより、レールURは簡単に連結可能とされている(図17参照)。また、下レールLRは、下方に開口するあり溝14と、上方に開口する2条のあり溝15を有している。下レールLRの端部同志も、あり溝14に同様の連結板13を同様に押入して、簡単に連結することができる。
【0025】
そして、導入部ユニットJ1を所定位置に取付ける際は、まず、導入部ユニットJ1の搬送路形成部材1をその下部を、上下2本のレールUR,LRのうち、下レールLRに接近させてやや斜めにした状態で下レールLRに接近し、係止縁8を下レールLRの上側のあり溝11に嵌合し、その搬送路形成部材1を紙幣受入機Sに対応する所定位置まで摺動し、その後に、搬送路形成部材1の上端部を上レールURに接近して、前記リベット9を上レールURの側面のあり溝12に押し込むことにより、導入部ユニットJ1を上下両レールUR,LRに固定する。
【0026】
図12は、図3のC−C線に沿った断面図であり、上レールUR及び下レールLRの図において右側に、一方側の遊技台列に対応する導入部ユニットJ1を上述の方法により取付けた状態が示されている。
【0027】
導入部ユニットJ1、J2は、図1及び図2に例示するように、それぞれ紙幣受入機Sに対応する位置に取付けられるが、同一側に設けられる導入部ユニットJ1,J1間距離、及びJ2,J2間距離は、遊技台列が遊技台P、台間玉貸機や台間メダル貸機(S)、画像情報提供機Vなどをどのように組合わせるかにより種々異なる。
本発明では、このような導入部ユニット間距離が種々異なる場合にも、その導入部ユニット間を連結する搬送部ユニットの長さを当該導入部ユニット間距離に対応するように容易に設定することができるような構成とした。
【0028】
続いて、その搬送部ユニットU1,U2の構成について説明する。図13は、搬送部ユニットU1の構成要素の一例を示す正面図、図14は図13の構成要素Uaの側面図、図15は図13のD−D線断面図である。搬送部ユニットU1は、いずれの場合も、基本的に、複数種類のユニットの単一又は組合わせからなっており、同一の組合わせの場合と、異なる組合わせの場合とがある。搬送部ユニットU2も同様に複数種類のユニットの単一又は組合わせからなるが、搬送部ユニットU2の各ユニットは、搬送部ユニットU1の各ユニットと対称形に作られているので、説明を省略する。
図示の例では、搬送部ユニットU1は、図13の(a),(b),(c)に示すように、サイズが大中小3種類のユニットUa,Ub,Ucを構成要素としている。ユニットUa,Ub,Ucはいずれも共通の構成部材として、それぞれ長さが異なる搬送路形成部材16a,16b,16cを有する。どの搬送路形成部材も、搬送路pの紙幣の存否を視認できるように、透明樹脂材料で成形されている。そして、大ユニットUaは、搬送路形成部材16aに複数個の押えローラ111 が等間隔をもって取付けられ、中ユニットUbは、搬送路形成部材16bに1個の押えローラ111 が取付けられている。しかし、小ユニットUcは、搬送路形成部材16cのみからなり、押えローラを有していない。
【0029】
大ユニットUaの搬送路形成部材16aは、導入部ユニットJの搬送路形成部材1の平板部2と等しい高さの矩形の平板部17aを有し、図15に示すように、その上下端部に、導入部ユニットJの溝3c,3dと同様に、上下の案内縁18a,18bにより形成された、上下対向して開口し、搬送路形成部材の長手方向に貫通する溝18c,18dを有して、その溝と平板部17の背面とによって搬送路p1が形成されている。各押えローラ111 は、その外周の一部が搬送路p1に臨むように取付けられている。
上記大ユニットUaは、これを上記上下のレールUR,LRの任意の位置に取付けることを可能にするため、搬送路形成部材16aの平板部17aの上端部に導入部ユニットの場合と同様に貫通孔19(図15参照)が設けられ、その貫通孔に導入部ユニットの場合と同様の押込み拡大リベット9が挿通して装着されている。また、搬送路形成部材16aの下端部に、下方に突出する係止縁20が設けられている。
さらに、搬送路形成部材16aの長手方向両端部には、導入部ユニットJの搬送方向上流部と下流部のそれぞれの櫛歯状連結部6,7と嵌め継ぎ可能な補完的形状を有する櫛歯状連結部21,22が形成されている。
【0030】
中ユニットUbの搬送路形成部材16bは、大ユニットUaの搬送路形成部材16aとほぼ同一の縦断面形状を有し、平板部17bの背面に同様に搬送路を有しているほか、上端部に同様の構造により押込み拡大リベット9が2個装着され、下端部に下方に突出する係止縁20が設けられている。そして、長手方向両端部に、大ユニットUaの両端部の連結部21,22と同一形状の連結部21,22を有している。
小ユニットUcの搬送路形成部材16cは、中ユニットUbの平板部17bの三分の一程度の長さの平板部17cの両端部に中ユニットUbの両端部の連結部21,22とほぼ同一形状の連結部21,22を備えた構造を有しており、上端部に既述された押込み拡大リベットと同一の押込み拡大リベット9が1個のみ装着され、下端部に下方に突出する係止縁20が設けられている。
【0031】
上記構成により、各ユニットUa,Ub,Ucは、それぞれ同様に、搬送路形成部材の下端部の係止縁20を上記下レールLRのあり溝15に係止するとともに、上端部の押込み拡大リベット9を上記上レールURのあり溝12に押し込んで、任意の位置に取付けることができ、その際に、隣接するユニットの櫛歯状連結部21,22を互いに嵌め継ぎして、各搬送路形成部材を一体状に連続させることができる。また、搬送部ユニットの両端部に位置する櫛歯状連結部21,22は導入部ユニットJの連結部6,7と嵌め継ぎされる。
図12の左側に、他方側の遊技台列に対応する搬送部ユニットU2を上述の方法により取付けた状態が示されている。また、図4には、上下のレールUR,LRに導入部ユニットJを取付けた後に、その上流側に搬送部ユニットU1を取付け、下流側に搬送部ユニットU1を取付けて、櫛歯構造を利用して円滑に連結して構成された紙幣搬送装置の一部が示されている。
【0032】
搬送部ユニットU1の上記構成により、大ユニットUa、中ユニットUb及び小ユニットUcは、これらの任意の組合わせにより、それぞれ異なる長さを有する搬送部ユニットを構成することができる。すなわち、各ユニットを符号Ua,Ub,Ucのみで表すと、例えば、Ua単体,Ua+Uc,Ua+Ub,Ua+Ub+Uc,Ua+Ub+Ub,Ua+Ub+Ub+Ucなどの各種の組合わせが可能であり、各ユニットの配置順序及び長さについて、複数種類のパターンを容易に作ることができる。
従って、図1及び図2の各遊技台列が遊技機、台間玉貸機又は台間メダル貸機、情報提供機などが任意の順序又は組合わせ、あるいは、それらのサイズの相違により、紙幣受入機の間隔、従って、導入部ユニット間距離がそれぞれ異なる場合には、上記の搬送部ユニットU1,U2の構成要素であるユニットUa,Ub,Ucを任意に組合わせることにより、導入部ユニット間距離に合致する搬送部ユニットを組立てて設置することができる。
【0033】
上記紙幣搬送装置において、紙幣が搬送路のいずれかの位置でジャムした場合は、前記ジャム検知器4が出力するジャム検知信号に基づき、当該導入機Jが組込まれている台間玉貸機又は台間メダル貸機の前面にランプ表示される。その表示に対応する遊技台の前面扉を開放し、紙幣の所在を確認して、前記導入部ユニット又は搬送部ユニットの搬送路形成部材の上端部の係止部材9を上レールURから引出し、下端部の係止縁10又は20を中心に回転して搬送路形成部材の上端部を上レールから離間して部分搬送路を開放することにより、そのジャムした紙幣を取り除き、同搬送路形成部材の上端部を上レールまで接近させて、係止部材9で再び上レールに容易に固定することができる。
【0034】
以上の実施の形態によれば、搬送ベルトの両側の各搬送路は複数の導入部ユニットJと各導入部ユニットの間及び最下流の導入部ユニットと収納部の間に設けられる搬送部ユニットUとに分割構成され、導入部ユニットは搬送路形成部材と押えローラとを有し、搬送部ユニットはそれぞれ異なる長さを有する搬送路形成部材と、異なる数の押えローラとからなる複数種類のユニットを任意に組合わせて構成され、さらに、各搬送路形成部材は、その上端部に備えられた係止部材を上下一対のレールのうち、少なくとも上レールに摺動自在に係止して固定されるので、紙幣受入機に対応する位置に設置される導入部ユニットの間の距離が各遊技台列によって異なる場合にも、搬送部ユニットの長さを容易に同距離に適合する長さとすることができるから、遊技台列が遊技機、紙幣受入機が組込まれた台間玉貸機又は台間メダル貸機、情報提供機などで構成される場合に、任意の配置、組合わせとすることが可能である。
【0035】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、搬送ベルトの一方側の搬送路を形成する導入部ユニット及び搬送部ユニットと、搬送ベルトの他方側の搬送路を形成する導入部ユニット及び搬送部ユニットとは、互いに他から分離された独立構造物とされ、搬送部ユニットは、シート状物よりも長い搬送路形成部材に複数個の押えローラが設けられもの、シート状物とほぼ等しい長さの搬送路形成部材に1個の押えローラが設けられたもの、シート状物よりも短い搬送路形成部材で押えローラが設けられていないものの3種類の内、1種又は2種以上が、搬送方向に隣接する導入部ユニット間距離に応じて、任意に組合わせて連結することが可能であるので、搬送ベルトの両側のそれぞれにおいて、導入部ユニットの設置位置を任意の位置に定めることができるとともに、導入部ユニット間の距離に応じた所要の長さの搬送部ユニットを容易に構成することができる。
【0036】
そして、それぞれの搬送路形成部材の係止部材を上下一対のレールに係止することにより、搬送方向に連続する搬送路を簡単に構成することができ、導入部ユニット及び搬送部ユニットはレールの長手方向に着脱自在であるので、導入部ユニット及び搬送部ユニットの位置決めが容易である。従って、本発明に係るシート状物搬送装置が、紙幣受入れ機又はこれを組み込んだ台間玉貸機又は台間メダル貸機、その他の付属機が備えられる遊技設備において、紙幣搬送装置として用いられる場合は、それらの構成要素を任意の組合わせ及び任意の位置に配置することが可能になる。
【0037】
また、シート状物搬送装置を、遊技台列の前面側から投入される紙幣を受入れる紙幣受入機が設けられている遊技設備において、紙幣受入機から送出される紙幣を遊技台列に沿って所定位置まで搬送する紙幣搬送装置として用いる場合は、両側の遊技台列が遊技台、台間玉貸機やメダル貸機のほか、画像情報提供装置や自動販売機等で構成される際に、各遊技台列の構成要素の組合わせにより導入部ユニット間の距離が種々異なっても、複数種類の搬送路形成部材を組合わせて連結することにより、前記導入部ユニット間距離に容易に対応することができる。
【0038】
請求項2の発明によれば、搬送路形成部材の係止部材を、少なくとも搬送路形成部材の上端部に形成された孔に装着され、レールの溝に押込み可能な押込み拡大リベットで構成したので、搬送路形成位置の上下に搬送方向に延設されたレールの上レールの溝に前記押込み拡大リベットを押し込むことにより、搬送路形成部材をレールの延長方向の任意の位置に容易に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るシート状物搬送装置を紙幣搬送装置として用いる遊技設備の一例の平面図である。
【図2】 同じく他例の平面図である。
【図3】 図1の楕円X部分の横断面図である。
【図4】 図1の楕円X部分の付近の正面図である。
【図5】 導入部ユニットの正面図である。
【図6】 同じく平面図である。
【図7】 図5のA−A線断面図である。
【図8】 同じく側面図である。
【図9】 図7のB−B線断面図である。
【図10】 ジャム検知器の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は一部抽出平面図、(c)は同じく側面図である。
【図11】 紙幣搬送装置を取付ける上下一対のレールの一例を示す端面図である。
【図12】 図3のC−C線に沿った断面図である。
【図13】 搬送部ユニットの構成要素である各種ユニットの正面図である。
【図14】 一つのユニットの側面図である。
【図15】 図13のD−D線断面図である。
【図16】 上下のレールに取付けられた紙幣搬送装置の一部の正面図である。
【図17】 同じく平面図である。
【図18】 従来の紙幣搬送装置を備えた遊技設備の平面図である。
【図19】 図18の楕円Y部分、すなわち、導入部ユニットの横断面図である。
【図20】 従来のユニット搬送体の構成を説明する平面図である。
【符号の説明】
P 遊技台
S 紙幣受入機
V 画像情報提供機
BC 紙幣搬送装置
1 搬送ベルト
J,J1,J2 導入部ユニット
1 搬送路形成部材
103 案内路
104 推進ホイル
105 押えローラ
9 係止部材(押込み拡大リベット)
10 係止部材(係止縁)
U,U1,U2 搬送部ユニット
16a,16b,16c 搬送路形成部材
111 押えローラ
21,22 櫛歯状の連結部
UR,LR 上下の取付レール
Claims (2)
- 水平軸回りに回転されるプーリ間に巻回され、駆動源により一方向に回転される無端搬送ベルトと、その搬送ベルトを互いに反対側から挟持する複数対の押えローラとを有し、シート状物送込み機から送込まれるシート状物を前記搬送ベルトの両側にその搬送ベルトに沿って形成されている搬送路に導入させ、前記搬送路の末端に設けられた収納部まで搬送するシート状物搬送装置において、
前記搬送ベルトの両側の搬送路は、それぞれ、前記シート状物送込み機に対応して設けられる導入部ユニットと、その導入部ユニットが設けられる部分以外の部分に設けられる搬送部ユニットとにより形成され、
一方側の搬送路を形成する導入部ユニット及び搬送部ユニットと、他方側の搬送路を形成する導入部ユニット及び搬送部ユニットとは互いに他から分離された独立構造物であり、
前記各導入部ユニットは、前記各搬送路の一部となる部分搬送路と前記シート状物送込み機から送込まれるシート状物を前記部分搬送路に案内導入させる案内路とを有する搬送路形成部材と、前記案内路に外周の一部を臨ませて取付けられた推進ホイルと、前記部分搬送路に外周の一部を臨ませて取付けられた前記押えローラとを備え、
前記各搬送部ユニットは、それぞれ前記各搬送路の一部となる部分搬送路を有する、前記シート状物の長さよりも長くかつ複数個の押えローラが設けられた搬送路形成部材と、
前記シート状物とほぼ等しい長さを有しかつ1個の押えローラが設けられた搬送路形成部材と、前記シート状物よりも短く、押えローラが設けられていない搬送路形成部材との3種の搬送路形成部材のいずれか1種又は2種以上を、前記シート状物送込み機の間に配置される機器の組合わせに応じて任意に組合わせて結合してなり、
前記導入部ユニットの搬送路形成部材及び前記搬送部ユニットの搬送路形成部材は、それぞれ平板部と、その平板部の片面上下に対向して開口して前記部分搬送路を形成する溝とを有するとともに、上下端部に係止部材が装着されているものであり、
前記導入部ユニット及び前記搬送部ユニットは、前記係止部材を前記シート状物の搬送方向に沿って設けられた上下一対のレールに着脱自在に係止して取付けられていることを特徴とするシート状物搬送装置。 - 搬送路形成部材の係止部材は、少なくとも前記搬送路形成部材の上端部に形成された孔に装着され、レールの溝に押込み可能な押込み拡大リベットであることを特徴とする請求項1に記載されたシート状物搬送装置。
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