JP3944107B2 - クリーニング部材及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着層によりトナーを除去するクリーニング部材及びこのクリーニング部材を用いてなる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体現像剤を用いて可視像を得る画像形成装置のうち、感光体に形成した現像画像を中間転写媒体を用いて用紙に二次転写する装置にあっては、転写工程で生じる転写残りのトナー残渣が中間転写媒体に付着し、画質低下を引き起こす要因となる汚れを生じてしまう。
【0003】
このため従来は、クリーニングローラ表面の粘着性を利用して中間転写媒体表面に残存するトナー等の付着物を除去する装置がある。(例えば、特許文献1参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開平11−352819号公報(第4〜6頁、図3)
ここで例えば(特許文献1)は、アルミニウムからなる芯金と、その上に積層されたシリコーンゴム弾性体層と、さらにその上に積層されたフッ素ゴム層と、さらにその上に積層された粘着樹脂層とからなるクリーニングローラを中間転写体に接触し、中間転写体上の付着物を粘着樹脂層側に付着させている。このクリーニングローラにおいては、長時間のクリーニングによりクリーニングローラ表面に多量の除去トナー等の付着物が堆積し、クリーニング能力が低下した場合には、クリーニングローラを新品に交換するか、クリーニングローラ表面に堆積した付着物を取り除いてやる必要がある。一方付着物を容易に除去する方法の1つとして、アセトンなどの溶剤で表面の付着物を拭きとる方法がある。
【0005】
しかしながら、この(特許文献1)では、溶剤でクリーニングローラ30表面の付着物を拭きとる際に、トナーと同種の熱可塑性樹脂である粘着樹脂層34も同時に除去されてしまい、そのままではクリーニングローラ30の繰り返し使用が不能であった。即ち資源の有効活用のために、(特許文献1)にてクリーニングローラ30の再生を図るには、メンテナンスにより付着物を除去した後、フッ素ゴム層33上に新たに粘着樹脂層34を形成しなければならないという問題を生じてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記課題を解決するものであり、メンテナンス時の付着物の除去後に、新たに粘着層を形成し直すことなく、クリーニング部材を容易に再生可能とする事により、メンテナンス性及び経済性に優れたクリーニング部材を提供し、このようなクリーニング部材を用いることによりトナー汚れの無い高画質を得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するための手段として、ベース基材と、前記ベース基材上に形成され、表面にカットオフ値λ=2.5mm、評価長さL=12.5mmにおける算術平均粗さRaが0.1〜5μmの範囲の凹部が形成された弾性体層と、前記弾性体層表面の凹部に埋め込まれ、80℃での粘性率ηが1×102〜1×105Pa・sの範囲である熱可塑性樹脂からなる粘着層とを設けるものである。
【0008】
又本発明は上記課題を解決するための手段として、ベース基材と、前記ベース基材上に形成され、表面にカットオフ値λ=2.5mm、評価長さL=12.5mmにおける算術平均粗さRaが0.1〜5μmの範囲の凹部が形成された弾性体層と、前記弾性体層表面の凹部に埋め込まれ、トナー除去時の粘性率ηが1×102〜1×105Pa・sの範囲である熱可塑性樹脂からなる粘着層とを設けるものである。
【0009】
又本発明は上記課題を解決するための手段として、ベース基材と、前記ベース基材上に形成され、フロロエチレンビニルエーテル系樹脂を熱硬化してなる接着層と、前記接着層表面に形成され、作動時の粘性率ηが1×102〜1×105Pa・sの範囲である熱可塑性樹脂からなる粘着層とを設けるものである。
【0010】
又本発明は上記課題を解決するための手段として、画像担持体と、前記画像担持体にトナー樹脂及びキャリア液を含む液体現像剤により現像画像を形成する現像画像形成機構と、前記画像担持体に接触して前記画像担持体上の前記現像画像が一次転写される一次転写位置及び用紙に接触して前記現像画像を前記用紙に二次転写する二次転写位置を有する中間転写媒体と、ベース基材及び、前記ベース基材上に形成され、表面にカットオフ値λ=2.5mm、評価長さL=12.5mmにおける算術平均粗さRaが0.1〜5μmの範囲の凹部が形成された弾性体層並びに、前記弾性体層表面の凹部に埋め込まれ、80℃での粘性率ηが1×102〜1×105Pa・sの範囲である熱可塑性樹脂からなる粘着層とを有してなり、前記中間転写媒体に接触して、前記中間転写媒体表面の付着物を粘着除去するクリーニング部材とを設けるものである。
【0011】
又本発明は上記課題を解決するための手段として、画像担持体と、前記画像担持体にトナー樹脂及びキャリア液を含む液体現像剤により現像画像を形成する現像画像形成機構と、前記画像担持体に接触して前記画像担持体上の前記現像画像が一次転写される一次転写位置及び用紙に接触して前記現像画像を前記用紙に二次転写する二次転写位置を有する中間転写媒体と、ベース基材及び、前記ベース基材上に形成され、表面にカットオフ値λ=2.5mm、評価長さL=12.5mmにおける算術平均粗さRaが0.1〜5μmの範囲の凹部が形成された弾性体層並びに、前記弾性体層表面の凹部に埋め込まれ、作動時の粘性率ηが1×102〜1×105Pa・sの範囲である熱可塑性樹脂からなる粘着層とを有してなり、前記中間転写媒体に接触して、前記中間転写媒体表面の付着物を粘着除去するクリーニング部材とを設けるものである。
【0012】
又本発明は上記課題を解決するための手段として、画像担持体と、前記画像担持体にトナー樹脂及びキャリア液を含む液体現像剤により現像画像を形成する現像画像形成機構と、前記画像担持体に接触して前記画像担持体上の前記現像画像が一次転写される一次転写位置及び用紙に接触して前記現像画像を前記用紙に二次転写する二次転写位置を有する中間転写媒体と、ベース基材及び前記ベース基材上に形成され、フロロエチレンビニルエーテル系樹脂を熱硬化してなる接着層並びに、前記接着層表面に形成され、作動時の粘性率ηが1×102〜1×105Pa・sの範囲である熱可塑性樹脂からなる粘着層とを有してなり、前記中間転写媒体に接触して、前記中間転写媒体表面の付着物を粘着除去するクリーニング部材とを設けるものである。
【0013】
上記構成により本発明は、中間転写クリーナの密着性を長時間にわたり良好に保持し、良好なクリーニングにより画質向上を得ると共に、メンテナンス性及び経済性に優れた画像形成装置を得るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図1乃至図3に示す第1の実施の形態を参照して詳細に説明する。図1は画像形成装置である電子写真装置の画像形成部10を示す。画像担持体である感光体ドラム11は、例えばアルミニウム素管などの導電性支持体上に、有機系もしくはアモルファスシリコン系の感光層を形成して成っている。感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11の矢印s方向の回転に沿って順次感光体ドラム11上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各液体現像剤を用いて現像画像であるトナー画像を形成する現像画像形成機構である第1乃至第4の画像形成ユニット12Y〜12Kが配列されている。
【0015】
各画像形成ユニット12Y〜12Kは、それぞれ用いる液体現像剤の色が異なるものの、それ以外は基本的に同様の構成であることから、感光体ドラム11の回転方向上流に配置されるイエロー(Y)の画像形成ユニット12Yを参照して説明し、他の画像形成ユニット12M〜12Kについては、同じ部分に同じ符号とそれぞれの色を示す添字を付してその説明を省略する。
【0016】
イエロー(Y)の画像形成ユニット12Yは、周知のコロナ帯電器もしくはスコロトロン帯電器などからなる帯電装置13Y、画像情報に応じて変調されたイエロー(Y)の光信号に対応する露光々14Yを感光体ドラム11の露光部16Yに選択的に照射して、露光された部分の電位を減衰させ静電潜像を形成する、図示しないレーザ照射装置や発光ダイオード(LED)等からなる露光装置、図示しない貯蔵部から供給されるイエロー(Y)の液体現像剤17Yを収容し、バイアス電圧が印加され、液体現像剤17Yを感光体ドラム11表面に供給する現像ローラ18Y及び、現像後感光体ドラム11上の余剰の液体現像剤17Yを薄層化するためのスクイズローラ20Yを有する現像装置21Yからなっている。
【0017】
液体現像剤17Y〜17Kは、キャリア液である周知の石油系絶縁性溶媒(商品名アイソパーL、エクソンモービル化学社製)に、イエロー、マゼンタ、シアン、あるいはブラックに着色されたトナー樹脂が分散されている物を用いた。トナー樹脂は、ガラス転移点が45℃の熱可塑性樹脂に着色用顔料と帯電制御剤を添加して、平均粒径を0.6μm程度とした。トナー樹脂はキャリア液中で帯電している。これにより現像装置21Y〜21Kは、現像ローラ18Y〜18Kと感光体ドラム11間に形成される電界に応じて、キャリア液中で帯電されるトナー樹脂を、感光体ドラム11表面に選択的に付着してトナー画像を形成する。
【0018】
感光体ドラム11周囲の画像形成ユニット12Y〜12Kの下流には、現像装置21Y〜21Kによる現像後、感光体ドラム11上の余剰キャリア液を除去する、感光体ドラム11と20μmの間隔で配置される液体除去ローラ22、感光体に近接配置され感光体ドラム11に風速0.4mm3/minの乾燥空気を吹き付けて強制的に余剰キャリア液を蒸発させる乾燥機構23及び蒸発された余剰キャリア液を補集する溶媒回収装置24が設けられている。
【0019】
感光体ドラム11周囲の溶媒回収装置24下流には、転写装置26が設けられている。転写装置26は、感光体ドラム11周囲の一次転写位置に接触する中間転写媒体である中間転写ローラ27、中間転写ローラ27周囲の二次転写位置に接触し中間転写ローラ27を感光体ドラム11に加圧接触させるバックアップローラ28を有している。
【0020】
中間転写ローラ27は外径100φのSUSの中空ローラ表面に、シームレスの弾性体フィルム27bが形成されている。弾性体フィルム27bは、厚さ0.03mmのシリコーン系樹脂接着層を介して、厚さ0.1mmの下地PET(ポリエチレン・テレフタレート)層、最表面に弾性体層として、硬度(JIS−A)(以下硬度と略称する。)50、厚さ0.2mmのシリコーンゴム層を有している。中間転写ローラ27の転写時の全荷重は100kgf、表面温度は80℃であり、感光体ドラム11との従動回転により周回速度220mm/sで回転する。バックアップローラ28はハロゲンランプヒータ28aを内蔵した外径50φのSUSの中空ローラからなる。転写時のバックアップローラ28の全荷重は100kgf、表面温度は100℃である。
【0021】
転写装置26は、感光体ドラム11上に形成されるトナー画像を、トナー樹脂の粘着力及び圧力を利用して中間転写ローラ27に一次転写した後、搬送ローラ系33により搬送される用紙Pに二次転写する。搬送ローラ系33は、用紙Pの中間転写ローラ27との接触面側に付着するダストを除去する用紙クリーニングローラ33aを有している。中間転写ローラ27周囲の二次転写位置下流には、用紙Pにトナー画像を転写終了後、中間転写ローラ27表面に残留される残留トナー等の付着物を除去する、クリーニング部材である中間体クリーニングローラ30が接触している。
【0022】
次に中間体クリーニングローラ30について詳述する。図2に示すように中間体クリーニングローラ30は、中空のアルミ製ローラからなるベース基材30a上に、シリコーンゴム層からなる弾性体層30bが形成されている。弾性体層30bは、硬度90のHTV( High Temperature Vulcanizing、以下HTVと称する。)のシリコーンゴムを厚み2mmで被覆して、表面を砥石で研磨してなる。弾性体層30bの断面形状粗さとして1994年度JIS規格B0601(2001年度一部改訂)による算術平均粗さを採用し、図3(a)におけるカットオフ値λ=2.5mm、評価長さL=12.5mmにおける算術平均粗さRaが5μmの断面形状を有するよう形成する。更に弾性体層30bの上に、図3(b)に示すように弾性体層30bの凹部31に埋め込むように熱可塑性樹脂の粘着層30cを形成する。
【0023】
粘着層30cは、中間転写ローラ27表面の付着物の主成分であるトナー樹脂と同種のTgが45℃であるスチレン−アクリル系樹脂を溶剤に溶かし、中間体クリーニングローラ30の、中間転写ローラ27の転写領域の幅よりも広い領域にディップコートし、乾燥させてなる。弾性体層30b表面にディップコートした粘着層30cは、局所的な液垂れが残った状態で乾燥しているため、表面を軽くアセトンで拭き取る。
【0024】
中間体クリーニングローラ30は、この状態でそのまま電子写真装置の画像形成部10に搭載し、中間転写ローラ27表面と接触してクリーニング動作させてもクリーニング効果を得られる。但し、粘着層30cをより十分に弾性体層30bの凹部31に埋め込み、粘着層30cと弾性体層30bとの付着強度を高めるには、100kgfの荷重をかけながら中間体クリーニングローラ30を100℃に設定した回転体表面(図示せず)に従動回転する埋め込みのための工程を加えてもよい。あるいは、新たな中間体クリーニングローラ30を電子写真装置の画像形成部10に搭載した際に、中間転写ローラ27を作動状態に設定して、この中間転写ローラ27に直接に接触回転することにより、粘着層30cを弾性体層30bの凹部31に埋め込む工程を実施してもよい。
【0025】
中間体クリーニングローラ30はそのクリーニング作動時に、80℃に設定された中間転写ローラ27表面に接した状態では、中間転写ローラ27との接触部分における表面温度は80℃に加熱される。この80℃においては、粘着層30cの粘性率ηは9.8×103Pa・sとなる。この状態で、荷重100kgfをかけて中間体クリーニングローラ30を中間転写ローラ27の回転に応じて従動させることにより、粘着層30cは中間転写ローラ27の表面に残った付着物に対して十分な粘着性を発現し、中間体クリーニングローラ30は、中間転写ローラ27表面の汚れを除去して中間転写ローラ27表面を清浄な状態に保持する。
【0026】
この時中間体クリーニングローラ30は中間転写ローラ27との間の荷重により弾性体層30bが適度に歪み、中間転写ローラ27との間にニップを生じることによりクリーニング効率が高められる。又、弾性体層30bの適度の歪みにより、弾性体層30bの凹部31に埋まっていた粘着層30cが表面に露出することによっても、クリーニング効率が高められる。
【0027】
更に感光体ドラム11周囲の転写装置26下流には、一次転写終了後に感光体ドラム11上に残留するトナー樹脂を除去する感光体クリーナ37及び残留電荷を除去する消去ランプ38が設けられている。
【0028】
次に作用について述べる。画像形成工程が開始されると、感光体ドラム11は矢印s方向に回転し、これと同時に各画像形成ユニット12Y〜12Kによるトナー画像形成操作が成される。各画像形成ユニット12Y〜12Kにあっては先ず、イエロー(Y)の画像形成ユニット12Yにて帯電装置13Yにより感光体ドラム11を所定電圧に均一に帯電し、次いで画像情報に対応して図示しない露光装置から照射されるイエローの画像情報に対応する露光々14Yを選択的に照射して、感光体ドラム11上にイエロー(Y)画像に対応する静電潜像を形成する。
【0029】
続いて現像バイアスが印加される現像ローラ18Yによりイエロー(Y)の液体現像剤17Yを用いて静電潜像を現像し、感光体ドラム11上にイエロー(Y)のトナー画像を形成する。この後感光体ドラム11上の液体現像剤17Yは、スクイズローラ20Yにより余剰分を除去され薄層化される。同様にして感光体ドラム11上には、後続の画像形成ユニット12M〜12Kにより順次マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー画像が、重ね合わされてフルカラーのトナー画像が形成される。
【0030】
この後感光体ドラム11上のトナー画像は液体除去ローラ22、乾燥機構23及び溶媒回収装置24を経て余剰キャリア液を除去・乾燥され転写装置26に到達する。そして感光体ドラム11上のトナー画像は、バックアップローラ28により感光体ドラム11側に圧接される中間転写ローラ27に一次転写され、更に中間転写ローラ27から矢印t方向に搬送される用紙Pに二次転写され、用紙P上にフルカラー画像を完成される。この間、中間体クリーニングローラ30は、80℃に加熱される中間転写ローラ27と接触回転して、粘着層30cの粘性率ηは9.8×103Pa・sとなり、粘着性を発現して、二次転写終了後中間転写ローラ27表面に残る付着物を粘着除去する。
【0031】
他方搬送ローラ系に搬送される用紙Pは、用紙クリーニングローラ33aに接触することで中間転写ローラ27との接触面側に付着するダストを除去される。従って、中間転写ローラ27上のトナー画像を用紙Pに二次転写する際、用紙Pから中間転写ローラ27側へのダストの付着を防止出来、二次転写終了後の中間転写ローラ27表面の付着物の低減を図っている。
【0032】
又トナー画像を中間転写ローラ27に一次転写した後、感光体ドラム11はクリーナ40により残留トナー画像を除去され、消去ランプ41により残留電荷を消去されて一連の画像形成プロセスを終了し次の画像形成プロセスに備える。
【0033】
この様に画像形成プロセスを行う間のメンテナンス時あるいは、中間体クリーニングローラ30の表面に多量の付着物が堆積し、クリーニング能力が低下した場合には、中間体クリーニングローラ30を画像形成部10から取り外し、アセトンで表面を拭き取り、堆積した付着物を除去する再生工程を実施する。この拭き取り工程時、付着物のみを除去するように拭き取り調整をするのは難しく、付着物と同種の樹脂からなる中間体クリーニングローラ30表面の粘着層30cが拭き取られてしまう箇所を生じてしまう。しかしながら中間体クリーニングローラ30表面の粘着層30cが拭き取られてしまったとしても、弾性体層30bの凹部31に埋め込まれた粘着層30cは、初期状態と同様に弾性体層30bの凹部31内に保持されている。従ってアセトンによる拭き取り工程後、中間体クリーニングローラ30は、初期状態と同じ粘着性を回復する。
【0034】
尚本実施の形態にて、A−4サイズの用紙Pを用いて、中間体クリーニングローラ30の耐久試験を実施した。その結果100k枚経過時においても良好なクリーニングを得られた。この時点で中間体クリーニングローラ30表面をアセトンで拭き取る再生工程を実施し、再度画像形成部10に装着して耐久試験を行ったところ、再度100k枚経過後も良好なクリーニングを得られた。その後も100k枚に1回程度で定期的に中間体クリーニングローラ30の表面の付着物をアセトンで拭き取るメンテナンスを行うことで、中間体クリーニングローラ30は繰り返し使用可能であることを確認した。
【0035】
以上の構成により、本実施の形態にあっては、中間体クリーニングローラ30表面の粘着層30cを弾性体層30bの凹部31に埋め込むように形成する事から、中間体クリーニングローラ30の表面をアセトンで拭き取る再生工程によっても、弾性体層30bの凹部31に埋め込まれた粘着層30cは初期状態のまま残る。従って中間体クリーニングローラ30は、再生工程後、初期状態と同じ粘着性を回復出来、この再生工程を行うことにより繰り返し使用が可能となる。この結果、中間体クリーニングローラ30の有効活用を図れ、メンテナンス性及び経済性に優れた中間体クリーニングローラ30を得られ、ひいては、転写汚れの無い高画質の形成画像を得られる。
【0036】
次に本発明を図4に示す第2の実施の形態を参照して説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態において中間転写ローラの温度設定が異なると共に、中間体クリーニングローラの特性が異なるものの他は第1の実施の形態と同じであることから、第1の実施と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。本実施の形態では中間転写ローラ27は、転写時の表面温度が100℃に設定される。
【0037】
中間体クリーニングローラ40は、中空のアルミ製ローラからなるベース基材40a内部にハロゲンランプヒータ42を有している。ベース基材40a上には、厚み2mmで硬度90のHTVシリコーンゴムを研磨し、図3(a)におけるカットオフ値λ=2.5mm、評価長さL=12.5mmにおける算術平均粗さRaが5μmの断面形状となる弾性体層40bを形成する。更に弾性体層40bの上に、弾性体層40bの凹部に埋め込むように熱可塑性樹脂の粘着層40cを形成する。なお、弾性体層40b表面の凹部は、図3と同様な状態である。
【0038】
粘着層40cは、Tgが55℃であるスチレン−アクリル系樹脂を溶剤に溶かし、中間体クリーニングローラ40の中間転写ローラ27の転写領域の幅よりも広い領域にディップコートし、乾燥させた後表面を軽くアセトンで拭き取り形成する。この中間体クリーニングローラ40は、そのクリーニング作動時に、ハロゲンランプ42により中間体クリーニングローラ40の表面温度を130℃に加熱すると、粘着層40cの粘性率ηが4.0×103Pa・sとなる。この状態で、表面温度100℃の中間転写ローラ27に荷重100kgfをかけて中間体クリーニングローラ30を中間転写ローラ27の回転に応じて従動させることにより、粘着層30cは中間転写ローラ27の表面に残った付着物に対して十分な粘着性を発現し、中間転写ローラ27表面の汚れを除去して中間転写ローラ27表面を清浄な状態に保持することが出来る。
【0039】
中間体クリーニングローラ40の表面に多量の付着物が堆積し、クリーニング能力が低下した場合には、中間体クリーニングローラ40を画像形成部10から取り外し、アセトンで表面を拭き取り、堆積した付着物を除去する再生工程を実施する。この再生工程時、弾性体層40bの凹部に埋め込まれた粘着層40cは、初期状態と同様に弾性体層40bの凹部内に保持されるので、中間体クリーニングローラ40は、初期状態と同じ粘着性を回復する。
【0040】
本実施の形態にて、試験的に、転写装置26にて正常な転写が行われず、トナー画像がそのまま中間転写ローラ27表面に残った状態を想定し、その状態で中間体クリーニングローラ40を中間転写ローラ27に接触回転させた。この結果、中間転写ローラ27表面に残ったトナー画像はほぼ完全に中間体クリーニングローラ40に除去され、良好なクリーニングが確認された。さらにこの転写異常状態のままトナー画像を50枚分、連続して中間転写ローラ27に形成し、転写を行わずに中間体クリーニングローラ40でトナー画像を除去するという加速試験を試みた。この結果、中間体クリーニングローラ40表面の付着トナーの堆積厚は200μmを越えたが、クリーニング能力は低下せず、この後も良好なクリーニングを得られた。この時点で中間体クリーニングローラ表面に堆積した付着物40をアセトンで拭き取る再生工程を実施し、再度画像形成部10に再び装着してクリーニング結果を調べたところ、初期状態と同様に良好なクリーニングを得られ、中間体クリーニングローラ40が繰り返し使用可能であることを確認した。
【0041】
尚、本実施の形態の中間体クリーニングローラ40を、転写時の表面温度が160℃に設定される中間転写ローラのクリーニングに使用したところ、粘着層40cの粘性率が1.0×102Pa・s以下に低下し、粘着層40cが中間転写ローラ側にオフセットしてしまいクリーニング不能となり使用出来なかった。更に本実施の形態の中間体クリーニングローラ40を、ハロゲンランプ42をオフした状態で、転写時の表面温度が80℃に設定される中間転写ローラのクリーニングに使用したところ、粘着層40cの粘性率が1.0×105Pa・s以上になり、粘着性の発現が不十分で、中間転写ローラに残留する付着物を粘着出来ず、クリーニング不能となり使用出来なかった。このことから、同じ中間体クリーニングローラ40であっても、動作時における粘着層40cの粘性率によっては使用不能となることが判明される。
【0042】
以上の構成により本実施の形態にあっては、第1の実施の形態と同様、中間体クリーニングローラ40の表面をアセトンで拭き取る再生工程によって、中間体クリーニングローラ40は初期状態と同じ粘着性を回復出来、この再生工程を行うことにより繰り返し使用が可能となる。この結果、中間体クリーニングローラ40の有効活用を図れ、メンテナンス性及び経済性に優れた中間体クリーニングローラ40を得られ、ひいては、転写汚れの無い高画質の形成画像を得られる。
【0043】
次に本発明を図5、図6に示す第3の実施の形態を参照して説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態において中間転写ローラの温度設定が異なると共に、中間体クリーニングローラに変えてクリーニングベルトを使用するものであり他は第1の実施の形態と同じであることから、第1の実施と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。本実施の形態では中間転写ローラ27は、転写時の表面温度が110℃に設定される。
【0044】
本実施の形態では、中間転写ローラ27表面に残留される残留トナー等の付着物を除去するクリーニング部材として、クリーニングユニット50を中間転写ローラ27に接触して設ける。クリーニングユニット50は、クリーニングベルト51を駆動ローラ52及びハロゲンランプヒータ53を有するテンションローラ54間にかけわたして成っている。
【0045】
クリーニングベルト51は、ステンレスやポリイミドなど耐熱性フィルムからなるベース基材51a上に、厚み1.5mmで硬度70のHTVシリコーンゴムを研磨し、図3(a)におけるカットオフ値λ=2.5mm、評価長さL=12.5mmにおける算術平均粗さRaが3μmの断面形状を有する弾性体層51bを形成する。更に、熱可塑性樹脂の粘着層51cをトルエン、キシレンなどの高揮発性の有機溶剤で溶解・希釈した液を弾性体層51b上にハケ塗りする。有機溶剤が揮発した後には、弾性体層51bの凹部(図示せず)に粘着層51cが埋め込まれた状態で粘着層51cが形成されている。ハケ塗り以外の手段として、例えば、有機溶剤で溶解・希釈した液を弾性体層51b上に垂らし、ドクターブレードと称される金属性のかきとり板で、弾性体層51bとかきとり板との間を適度なギャップを保持しながら溶解・希釈液の薄層を形成する、いわゆるドクターブレード法によっても良い。有機溶剤が揮発した後には、弾性体層51bの凹部(図示せず)に粘着層51cが埋め込まれた状態で粘着層51cが形成されている。粘着層51cは100℃の粘性率ηが3.5×103Pa・sのアクリル樹脂からなる。
【0046】
このクリーニングユニット51は、そのクリーニング作動時に、ハロゲンランプ53により中間転写ローラ27と接触する部分のクリーニングベルト51の表面温度を100℃になるように設定する。この状態で、表面温度110℃の中間転写ローラ27に荷重50kgfをかけて、同時に駆動ローラ52でクリーニングベルト51を回転させながら中間転写ローラ27表面のクリーニングを行った。粘着層51cは中間転写ローラ27の表面に残った付着物に対して十分な粘着性を発現し、中間転写ローラ27表面の汚れを除去して中間転写ローラ27表面を清浄な状態に保持することが出来る。
【0047】
クリーニングベルト51の表面に多量の付着物が堆積し、クリーニング能力が低下した場合には、クリーニングユニット50を画像形成部10から取り外し、クリーニングベルト51表面をアセトンで拭き取り、堆積した付着物を除去する再生工程を実施する。この再生工程時、弾性体層51bの凹部に埋め込まれた粘着層51cは、初期状態と同様に弾性体層51bの凹部内に保持されるので、クリーニングベルト51は、初期状態と同じ粘着性を回復する。
【0048】
尚本実施の形態にて、A−4サイズの用紙Pを用いて、中間体クリーニングローラ30の耐久試験を実施した。100k枚の印字に対して良好にクリーニングした時点で、クリーニングベルト51表面に堆積した付着物をアセトンによりベルト付着物を拭き取る再生工程を実施し、再度画像形成部10に装着したところ、初期状態と同様に良好なクリーニングを得られ、又その後100k枚まで良好なクリーニングを得られ、クリーニングユニット50が繰り返し使用可能であることを確認した。
【0049】
以上の構成により本実施の形態にあっては、クリーニングベルト51の表面をアセトンで拭き取る再生工程によっても、弾性体層51bの凹部に埋め込まれた粘着層51cは初期状態のまま残り、クリーニングベルト51は初期状態と同じ粘着性を回復出来、この再生工程を行うことにより繰り返し使用が可能となる。この結果、クリーニングユニット50の有効活用を図れ、メンテナンス性及び経済性に優れたクリーニングユニット50を得られ、ひいては、転写汚れの無い高画質の形成画像を得られる。
【0050】
次に本発明を図7に示す第4の実施の形態を参照して説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態において中間転写ローラの温度設定が異なると共に、中間体クリーニングローラの構造が異なるものであり他は第1の実施の形態と同じであることから、第1の実施と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。本実施の形態では中間転写ローラ27は、転写時の表面温度が100℃に設定される。
【0051】
中間体クリーニングローラ60は、中空のアルミ製ローラからなるベース基材60a上にフロロエチレンビニルエーテル系樹脂からなる熱硬化性樹脂層60bを形成する。更に熱硬化性樹脂層60bの上に熱可塑性樹脂からなる粘着層60cを電着法で形成する。
【0052】
フロロエチレンビニルエーテル系樹脂からなる熱硬化性樹脂として、例えば大日本塗料株式会社製の焼き付け型フッ素塗料Vフロンがある。Vフロン#2000をベース基材60a上に塗布し、160℃で20分焼き付け、50μmの厚さの熱硬化性樹脂層60bを形成する。粘着層60cは、トナー樹脂と同種のTgが55℃で、電着法で形成するため表面に電荷調整剤等を付加した粒子状のスチレン−アクリル系樹脂を電着法により2μmの厚さに付着形成する。
【0053】
中間体クリーニングローラ60はそのクリーニング作動時に、100℃に設定された中間転写ローラ27表面に接した状態では、中間転写ローラ27との接触部分における表面温度は100℃に加熱される。この100℃においては、粘着層60cの粘性率ηは6.2×103Pa・sとなる。この状態で、荷重100kgfをかけて中間体クリーニングローラ60を中間転写ローラ27の回転に応じて従動させることにより、粘着層60cは中間転写ローラ27の表面に残った付着物に対して十分な粘着性を発現し、中間体クリーニングローラ60は、中間転写ローラ27表面の汚れを除去して中間転写ローラ27表面を清浄な状態に保持する。
【0054】
中間体クリーニングローラ60の表面に多量の付着物が堆積し、クリーニング能力が低下した場合には、中間体クリーニングローラ60を画像形成部10から取り外し、アセトンで表面を拭き取り、堆積した付着物を除去する再生工程を実施する。フロロエチレンビニルエーテル系樹脂からなる熱硬化性樹脂層60b上に電着法で形成した粘着層60cは熱硬化性樹脂層60b表面に強固に付着し、再生工程後、厚み0.5〜1μm程度の粘着層60c下層は残ったままであり、中間体クリーニングローラ60は、初期状態と同じ粘着性を回復する。この結果再生工程後中間体クリーニングローラ60を再度画像形成部10に再び装着したところ、初期状態と同様に良好なクリーニングを得られ、中間体クリーニングローラ60が繰り返し使用可能であることを確認した。
【0055】
以上の構成により本実施の形態にあっては、中間体クリーニングローラ60表面の粘着層60cが熱硬化性樹脂層60b表面に強固に付着している事から、中間体クリーニングローラ60の表面をアセトンで拭き取る再生工程によっても、粘着層60cは初期状態と同じ粘着性を回復出来、この再生工程を行うことにより繰り返し使用が可能となる。この結果、中間体クリーニングローラ60の有効活用を図れ、メンテナンス性及び経済性に優れた中間体クリーニングローラ60を得られ、ひいては、転写汚れの無い高画質の形成画像を得られる。
【0056】
尚本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その趣旨を変えない範囲での変更は可能であって、画像形成装置の構造等限定されず、例えばクリーニング部材の加熱手段としてハロゲンランプヒータに換えて赤外線ランプや、セラミックヒータのような面ヒータ、ニクロム線やカンタル線などの合金ヒータを被覆したリボンヒータなどを用いても良い。また第4の実施の形態において、中間体クリーニングローラ60形成時に、フロロエチレンビニルエーテル系樹脂からなる熱硬化性樹脂層60bの下地層として、1μm厚程度の弾性層を設ける等しても良い。
【0057】
又中間転写媒体はローラ状で無くても良く、例えば図8に示す第1の変形例のように、金属等からなる第1及び第2の駆動ローラ70a、70b間に掛け渡される矢印x方向に回転される中間転写ベルト71であってもよい。この変形例にあっては中間転写ベルト71は、第1の駆動ローラ70aにより一次転写位置にて感光体ドラム11に加圧接触し、第2の駆動ローラ70bより支持される二次転写位置にて、バックアップローラ72により加圧される。
【0058】
これにより感光体ドラム11上のトナー画像は、第1の駆動ローラ70aに加圧される一次転写位置にて中間転写ベルト71に一次転写され、更に第2の駆動ローラ70bに支持される二次転写位置にて、中間転写ベルト71から用紙Pに二次転写され、用紙P上にフルカラー画像を完成される。2次転写終了後中間転写ベルト71は、前述の第2の実施の実施の形態で説明した、ハロゲンランプヒータ42を有する中間体クリーニングローラ40により表面に残留する付着物をクリーニングされる。中間転写ベルト71は、シリコーン樹脂のような弾性材料でのみ構成してもよいし,硬度の高い他の弾性材料や金属材料等を支持体として表面にシリコーン樹脂層を形成するというように2層以上の構成となっているものでも良い。
【0059】
又、クリーニング部材表面の付着物を除去する再生方法は任意であり、例えば図9に示す第2の変形例のように、ブレードクリーニング装置80を設け、常時中間体クリーニングローラ81に掻き取りブレード82を摺接して、中間体クリーニングローラ81表面の付着物を掻きとり廃トナーボックス83に回収して付着物の堆積を防止しても良い。中間体クリーニングローラ81が弾性体層を有するタイプであれば、掻き取りブレード82を摺接して、中間体クリーニングローラ82表面の粘着層を付着物と一緒に掻きとっても、弾性体層の凹部に粘着層が保持されているので中間体クリーニングローラ81は初期状態と同じ粘着性を回復する。又中間体クリーニングローラ81がフロロエチレンビニルエーテル系樹脂からなる熱硬化性樹脂層上に熱可塑性樹脂からなる粘着層を電着法で形成するタイプであれば、掻き取りブレード82を摺接しても中間体クリーニングローラ81表面の粘着層はかき取られることなく中間体クリーニングローラ81表面に残り、中間体クリーニングローラ81は初期状態と同じ粘着性を回復すこととなる。
【0060】
又、弾性体層の特性は限定されず、例えば弾性体層の断面形状粗さは、中間転写媒体表面の付着物を粘着可能な所望量の粘着層を凹部に埋め込み保持可能出来れば限定されない。但し、算術平均粗さRaが0.1μmより小さい場合は、粘着層の付着量が少なく、また凹部に接した面積も小さいため粘着層と弾性体層表面との付着強度が小さく、クリーニング中に粘着層が剥離して良好なクリーニング効果は得られなかった。また、算術平均粗さRaが5μmより大きい場合は、表面の凹凸が大きいため、転写体表面と熱可塑性樹脂との十分な接触が得られない領域が生じ、やはり良好なクリーニングは出来なかった。従って、弾性体層の断面形状粗さとして、カットオフ値λ=2.5mm、評価長さL=12.5mm、における算術平均粗さRaが0.1〜5μmの範囲であることがより望ましい。
【0061】
又弾性体層の硬度も、所定の荷重においてクリーニング部材と中間転写媒体間にニップを形成出来る範囲であれば限定されない。但し硬度が40度より小さい場合は弾性体層の変形が大きくなり、クリーニング部材と中間転写媒体間で所望の接触圧を得られず、所定の荷重をかけるのが困難になることから、硬度40度以上が望ましい範囲である。
又弾性体層の材質は、所望の耐熱性を有するものであれば、シリコーン変性フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエン−スチレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体ゴム等任意であり、その厚みも、表面に所望の凹部を保持出来、更にはクリーニング部材と中間転写媒体間で所望の接触圧を得られる範囲であれば良く、1mm〜3mm程度がより望ましい。
【0062】
更に弾性体層上に形成される粘着層の特性も限定されず、弾性体層の凹部に埋め込まれ且つ所定の動作時に所望の粘性率を有するものであれば良く、例えば、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等でも良い。又粘着層の粘性率も現像剤との相性等によっても異なってくるものの、具体的には80℃から160℃の温度範囲において、粘性率ηが1×102〜1×105Pa・sの範囲であれば良い。又、フロロエチレンビニルエーテル系樹脂からなる熱硬化性樹脂層上に電着法で形成される粘着層の粘性率も、80℃から160℃の温度範囲において、粘性率ηが1×102〜1×105Pa・sの範囲であれば良い。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、クリーニング部材表面の付着物の除去に関わらず、クリーニング部材表面に新たに粘着層を形成し直す必要がなく、クリーニング部材を容易に初期状態に再生する事が出来る。従ってクリーニング部材の繰り返し使用が可能となり、メンテナンス性及び経済性に優れたクリーニング部材を得られ、このようなクリーニング部材を用いることによりトナー汚れの無い高画質を実現出来る画像形成装置を容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電子写真装置の画像形成部を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の中間体クリーニングローラを示す概略断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の中間体クリーニングローラを示し(a)はその弾性体層のJIS規格による算術平均粗さを示す説明図、(b)はその表面構造を示す説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の中間体クリーニングローラを示す概略断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態のクリーニングベルトユニットを示す概略説明図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態のクリーニングベルトの表面構造を示す説明図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態の中間体クリーニングローラを示す概略断面図である。
【図8】本発明の第1の変形例の中間転写ベルトを示す概略説明図である。
【図9】本発明の第2の変形例のクリーニングブレード装置を示す概略説明図である。
【符号の説明】
10…画像形成部
11…感光体ドラム
12Y〜12K…画像形成ユニット
17Y〜17K…液体現像剤
22…液体除去ローラ
23…乾燥機構
24…溶媒回収装置
26…転写装置
27…中間転写ローラ
28…バックアップローラ
30…中間体クリーニングローラ
30a…ベース基材
30b…弾性体層
30c…粘着層
31…凹部
Claims (8)
- ベース基材と、
前記ベース基材上に形成され、表面にカットオフ値λ=2.5mm、評価長さL=12.5mmにおける算術平均粗さRaが0.1〜5μmの範囲の凹部が形成された弾性体層と、
前記弾性体層表面の凹部に埋め込まれ、80℃での粘性率ηが1×102〜1×105Pa・sの範囲である熱可塑性樹脂からなる粘着層とを具備することを特徴とするクリーニング部材。 - ベース基材と、
前記ベース基材上に形成され、表面にカットオフ値λ=2.5mm、評価長さL=12.5mmにおける算術平均粗さRaが0.1〜5μmの範囲の凹部が形成された弾性体層と、
前記弾性体層表面の凹部に埋め込まれ、トナー除去時の粘性率ηが1×102〜1×105Pa・sの範囲である熱可塑性樹脂からなる粘着層とを具備することを特徴とするクリーニング部材。 - 前記弾性体層が、JIS−A硬度40以上の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクリーニング部材。
- ベース基材と、
前記ベース基材上に形成され、フロロエチレンビニルエーテル系樹脂を熱硬化してなる接着層と、
前記接着層表面に形成され、作動時の粘性率ηが1×10 2 〜1×10 5 Pa・sの範囲である熱可塑性樹脂からなる粘着層とを具備することを特徴とするクリーニング部材。 - 画像担持体と、
前記画像担持体にトナー樹脂及びキャリア液を含む液体現像剤により現像画像を形成する現像画像形成機構と、
前記画像担持体に接触して前記画像担持体上の前記現像画像が一次転写される一次転写位置及び用紙に接触して前記現像画像を前記用紙に二次転写する二次転写位置を有する中間転写媒体と、
ベース基材及び、前記ベース基材上に形成され、表面にカットオフ値λ=2.5mm、評価長さL=12.5mmにおける算術平均粗さRaが0.1〜5μmの範囲の凹部が形成された弾性体層並びに、前記弾性体層表面の凹部に埋め込まれ、80℃での粘性率ηが1×10 2 〜1×10 5 Pa・sの範囲である熱可塑性樹脂からなる粘着層とを有してなり、前記中間転写媒体に接触して、前記中間転写媒体表面の付着物を粘着除去するクリーニング部材とを具備することを特徴とする画像形成装置。 - 画像担持体と、
前記画像担持体にトナー樹脂及びキャリア液を含む液体現像剤により現像画像を形成する現像画像形成機構と、
前記画像担持体に接触して前記画像担持体上の前記現像画像が一次転写される一次転写位置及び用紙に接触して前記現像画像を前記用紙に二次転写する二次転写位置を有する中間転写媒体と、
ベース基材及び、前記ベース基材上に形成され、表面にカットオフ値λ=2.5mm、評価長さL=12.5mmにおける算術平均粗さRaが0.1〜5μmの範囲の凹部が形成された弾性体層並びに、前記弾性体層表面の凹部に埋め込まれ、作動時の粘性率ηが1×10 2 〜1×10 5 Pa・sの範囲である熱可塑性樹脂からなる粘着層とを有してなり、前記中間転写媒体に接触して、前記中間転写媒体表面の付着物を粘着除去するクリーニング部材とを具備することを特徴とする画像形成装置。 - 前記弾性体層が、JIS−A硬度40以上の範囲であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の画像形成装置。
- 画像担持体と、
前記画像担持体にトナー樹脂及びキャリア液を含む液体現像剤により現像画像を形成す る現像画像形成機構と、
前記画像担持体に接触して前記画像担持体上の前記現像画像が一次転写される一次転写位置及び用紙に接触して前記現像画像を前記用紙に二次転写する二次転写位置を有する中間転写媒体と、
ベース基材及び前記ベース基材上に形成され、フロロエチレンビニルエーテル系樹脂を熱硬化してなる接着層並びに、前記接着層表面に形成され、作動時の粘性率ηが1×10 2 〜1×10 5 Pa・sの範囲である熱可塑性樹脂からなる粘着層とを有してなり、前記中間転写媒体に接触して、前記中間転写媒体表面の付着物を粘着除去するクリーニング部材とを具備することを特徴とする画像形成装置。
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