JP3774452B2 - 電子写真装置および潜像保持体上のトナーを除去する方法 - Google Patents
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Description
この発明は、液体現像剤を用いて画像を形成する画像形成装置に係り、特にキャリア液とトナー粒子とを含む現像剤により現像された画像を記録媒体に転写した後に残るトナー粒子をクリーニングするクリーニング方法およびクリーニング機構に関する。
液体現像剤を用いた電子写真記録方法や静電記録方法は、乾式では実現できない利点を有しており、近年その価値が見直されつつある。
特に、微細なトナーを溶媒に分散させた液体トナー(現像剤)を用いたイメージ−オン−イメージ(Image-On-Image,以下IOIと略称する)カラー電子写真プロセスは、サブミクロンサイズの極めて微細なトナーを用いることで高画質を実現できること、少量のトナーで十分な画像濃度が得られるため経済的であるうえにオフセット印刷並みの質感を実現できること、比較的低温でトナーを用紙に定着できるため省エネルギーを実現できることなどの利点で、乾式電子写真プロセスより安いランニングコストと、印刷並みの画質のカラー記録が期待される。
液体トナーを用いた電子写真プロセスでは、現像直後の感光体上のトナー画像は、多量の余剰現像液を含むことから、用紙へのトナー画像の転写の前に乾燥工程を設けて、余剰現像液を除去することが既に実用化されている。
しかしながら、乾燥工程により乾燥されたトナー画像のうち被転写媒体に転写された後に、感光体または中間転写体に残ったトナーは、乾燥工程(または中間転写体への転写)において提供される熱により、感光体または中間転写体に強固に固着(フィルム化)することが知られている。また、フィルム化したトナーは、感光体または中間転写体に、通常のブレードクリーニングでは除去できないほど強固に付着している。
なお、液体現像剤を用いる画像形成装置においては、上述の乾燥工程または中間転写体への転写を伴わない従来からの方式においても感光体または中間転写体に付着したトナーを除去することが必要であり、これまでにも、クリーニング装置に大量の液体溶媒を導入し、ローラやブレードを用いてこの液体溶媒を除去することで、液体溶媒中に分散させたトナー粒子をクリーニングする例が提案されている(例えば特許文献1)。
また、クリーニング装置として、スポンジローラとその下流にブレードとを配し、スポンジローラにクリーニング液を定期的に供給することにより固着したトナーを膨潤させてブレードで掻き落とす方法も提案されている(例えば特許文献2)。
また、本願発明の発明者を含む研究グループによる提案として、ウエブを用いたクリーニング装置も提案されている(例えば特許文献3)。
特公昭63−4177号公報
特開平3−185479号公報
特開2002−23577公報
しかしながら、特許文献1に記載されたクリーニング装置では、良好なクリーニング結果を得ようとすると、装置が複雑になり、その結果装置が大型化し、また故障の原因になるなどの問題が顕著である。特に、液体溶媒の供給、回収機構が複雑で、コストが高くなるなどの問題がある。
また、特許文献2に開示された方法では、クリーニング液として、現像液槽から供給管を介して現像液がスポンジローラに供給され、クリーニング装置の底に流れた現像液が、掻き取った廃液も含め、回収管を介して現像液槽に戻される。しかしながら、ブレードを長時間連続使用することにより、ブレードで掻き取った転写残りは、ブレードの当接面に次第に付着していく。なお、掻き取った廃液に含まれる転写残りトナーは、フィルム化により、圧縮・凝集された形状を呈し、クリーニング液を常時供給した場合でさえブレード上で堆積して、トナー凝集体の塊状となる。
この現象は、高速プロセスを達成するための乾燥工程(または中間転写)を含み、感光体表面温度を室温よりも高い温度に設定した画像形成装置において、一層加速される傾向にある。また、ブレード上にトナー凝集体の塊状の堆積物が生じると、ブレードの感光体表面への均一な圧接が困難になり、トナーの掻き取り残りが生じやすくなる問題がある。なお、ブレードによる掻き取り残りが生じると、感光体表面に付着物が残ったままの状態で次の画像形成工程が実行されることから、連続して高画質な画像を得ることができないという欠点が生じる。
一方、特許文献3に記載された提案では、画質を維持する点で秀でるものの、消耗品としてのウエブが必要となる。
この発明の目的は、感光体表面に残ったトナーを掻き取るクリーニングブレード表面にトナー凝集体が堆積することを防止し、クリーニングブレードによる掻き取り残りが発生した場合でも、次の画像形成工程で画質が低下することを低減でき、長時間に亘って高いクリーニング効率を得ることが可能なクリーニング機構を提供することである。
この発明は、像担持体にクリーニング液を供給するクリーニング液供給手段と、前記像担持体表面に所定の圧力で接触され、前記像担持体表面に残存した液体現像剤を前記クリーニング液とともに除去する第一クリーニング手段と、前記第一クリーニング手段を、前記像担持体表面への接触から解放する解放手段と、前記第一クリーニング手段が前記像担持体との接触から解放された後に、前記像担持体表面の前記クリーニング液を除去する第二クリーニング手段と、前記第一クリーニング手段に付着した付着物を除去する第三クリーニング手段と、を有することを特徴とする電子写真装置を提供するものである。
またこの発明は、像担持体にクリーニング液を供給するクリーニング液供給手段と、前記像担持体表面に所定の圧力で接触され、前記像担持体表面に残存した液体現像剤を前記クリーニング液とともに除去する第一クリーニング手段と、前記第一クリーニング手段を、前記像担持体表面への接触から解放する解放手段と、前記第一クリーニング手段が前記像担持体との接触から解放された後に、前記像担持体表面の前記クリーニング液を除去する第二クリーニング手段と、前記第一クリーニング手段に付着した付着物を除去する第三クリーニング手段と、を有することを特徴とする電子写真装置において、
前記クリーニング液は、前記液体現像剤に用いられ、前記第一クリーニング手段および前記像担持体に付着する付着物となりうるトナーが分散されるキャリア液を含み、前記第一クリーニング手段および前記像担持体に付着した前記トナーを軟化させるものであり、前記第二クリーニング手段は、前記第一クリーニング手段よりも前記像担持体の周面が移動される方向の下流側で前記像担持体の周面に接触され、前記像担持体表面に存在する前記クリーニング液および前記像担持体表面に残存する前記トナーを掻き取って除去するものであり、前記第三クリーニング手段は、前記第一クリーニング手段が前記像担持体表面との接触から解放されている状態で、前記第一クリーニング手段と接触されることで前記第一クリーニング手段に付着した前記トナーを除去するものであることを特徴とする。
前記クリーニング液は、前記液体現像剤に用いられ、前記第一クリーニング手段および前記像担持体に付着する付着物となりうるトナーが分散されるキャリア液を含み、前記第一クリーニング手段および前記像担持体に付着した前記トナーを軟化させるものであり、前記第二クリーニング手段は、前記第一クリーニング手段よりも前記像担持体の周面が移動される方向の下流側で前記像担持体の周面に接触され、前記像担持体表面に存在する前記クリーニング液および前記像担持体表面に残存する前記トナーを掻き取って除去するものであり、前記第三クリーニング手段は、前記第一クリーニング手段が前記像担持体表面との接触から解放されている状態で、前記第一クリーニング手段と接触されることで前記第一クリーニング手段に付着した前記トナーを除去するものであることを特徴とする。
さらにこの発明は、潜像保持体および潜像保持体上の転写残りトナーにキャリア液が主成分のクリーニング液を塗布し、潜像保持体表面の転写残りトナーをブレードによりクリーニング液とともに除去し、ブレードを潜像保持体から離間させ、ブレードが潜像保持体から離間された後に、潜像保持体表面に残ったクリーニング液を除去することを特徴とする潜像保持体上のトナーを除去する方法を提供するものである。
またさらにこの発明は、潜像保持体および潜像保持体上の転写残りトナーにキャリア液が主成分のクリーニング液を塗布し、潜像保持体表面の転写残りトナーをブレードによりクリーニング液とともに除去し、ブレードを潜像保持体から離間させ、ブレードが潜像保持体から離間された後に、潜像保持体表面に残ったクリーニング液を除去することを特徴とする潜像保持体上のトナーを除去する方法において、
潜像保持体から現像された像が被記録媒体へ転写された後、画像形成装置の動作が停止される時点で、クリーニング液を塗布する塗布ローラ、潜像保持体表面のクリーニング液を除去する第一のクリーニングローラのそれぞれが、潜像保持体から離間されることを特徴とする。
潜像保持体から現像された像が被記録媒体へ転写された後、画像形成装置の動作が停止される時点で、クリーニング液を塗布する塗布ローラ、潜像保持体表面のクリーニング液を除去する第一のクリーニングローラのそれぞれが、潜像保持体から離間されることを特徴とする。
本発明は、トナー像を記録媒体に転写した後に感光体表面に残る転写残りトナーを除去するクリーニング機構として、キャリア液を主成分としたクリーニング液を感光体表面に塗布する塗布ローラと、塗布ローラ下流に感光体表面に接触配置され、転写残りトナーをクリーニング液とともに掻き取るクリーニングブレードと、クリーニングブレードの下流側に感光体表面に接触配置され、感光体表面に残ったクリーニング液および残存トナーを回収する第一のクリーニングローラと、クリーニングブレードをクリーニングする第2のクリーニングローラと、クリーニングブレードを感光体から離間させる離間機構とを有し、画像形成終了後にクリーニングブレードが感光体表面から離間された後、塗布ローラによって塗布されたクリーニング液を第一のクリーニングローラによって除去する。なお、クリーニングブレードに付着した汚れは、離間された状態において、第二のクリーニングローラが当接されることにより除去される。また、クリーニングブレードによる掻き取り残りが生じた場合でも、第一のクリーニングローラにより掻き取り残りが除去されることから、クリーニング不良が生じることが防止できる。なお、感光体表面からクリーニングブレードを離間することによりクリーニング液の液だれが生じたとしても、第一のクリーニングローラにより除去可能であり、感光体表面を清浄な状態に保つことができる。
一方、クリーニング液は、キャリア液を主成分としたものであり、第一のクリーニングローラのみで感光体表面をクリーニングした場合に、感光体表面にクリーニング液が薄く残ったとしても、キャリア液が乾燥することにより、画質が低下することもない。
なお、クリーニングブレードは、画像形成終了後、装置が停止される場合などにおいて、感光体から離間(感光体との接触から解放)されるので、ウレタンゴム等が主成分であるクリーニングブレードが劣化することもない。また、画像形成装置の動作が停止した時点で塗布ローラ、および第一のクリーニングローラは感光体表面から離間されるため、ウレタン樹脂等を主成分とするスポンジ層からなるクリーニングローラが劣化することもない。
以上説明したように、本発明によれば、湿式電子写真装置等の液体現像剤を用いた画像形成装置において、潜像保持体である感光体のクリーニングをより確実に簡便に行うことができ、ライフ寿命の長い画像形成装置を実現できる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
我々は、前に説明した電界転写においてエア吹きつけによる画像の乱れを抑えるとともに、トナー画像のフィルム化を防ぎ、しかも電界転写とは異なる主にゴムの弾性力と摩擦力の作用を使う方法であるシアリング転写を開発し、良好な転写を実現した。
図1に、我々が開発したIOIカラー電子写真プロセスの概略図を示す。
像担持体すなわち感光体ドラム(潜像保持体)1の周囲には、減法混色に従う任意の色成分ごとに、帯電、露光、現像で構成されるY(Yellow、すなわち黄色)、M(Magenta、すなわち深紅)、C(Cyan、すなわち青紫)および黒を補強するためと黒一色の画像の形成に利用されるK(Kuro)の4色の画像形成ユニット(少なくとも帯電器2と現像器4のそれぞれを含む、識別のために、1色毎に添え字「−1」〜「−4」を付記する)2−1および4−1、2−2および4−2、2−3および4−3、ならびに2−4および4−4、が並んでいる。なお、各画像形成ユニットにおいて、帯電器2と現像器4との間に、任意の方法により感光体ドラム1に静電潜像を形成する画像光、例えばレーザ光3−1〜3−4が照射される。すなわち、レーザ露光により、感光体ドラム1の各画像形成ユニットの現像器4の上流側に、静電潜像が形成される。
感光体ドラム1は、例えば円筒(ドラム)状の導電性基体の上に、有機系またはアモルファスシリコン系等の感光層を設けたもので、図示しないモータ等により、外周面の軸線と平行に定義される任意の一点が所定の移動速度(以下ドラム周速と呼称する)で移動される。なお、感光体ドラム1は、表面温度が38〜42℃の範囲になるように制御されている。また、詳述しないが、感光体ドラム1に代えて、円筒状の支持体に感光層が形成された導電性フィルムを巻き付けてドラム状としても良い。また、導電性フィルムをベルト状としても良い。
帯電器2(2−1〜2−4)は、詳述しないが、例えば、周知のコロナ帯電器もしくはスコロトロン帯電器である。
現像器4(4−1〜4−4)は、詳述しないが、現像ローラを含み、周知の石油系絶縁性溶媒すなわちキャリア液(商品名アイソパーL、エクソン社製)に、任意の色に着色された樹脂粒子であるトナーが分散された液体現像剤(液体トナー)を用いる湿式現像器である。なお、トナーに用いる樹脂粒子は、ガラス転移点が45℃の熱可塑性樹脂に、顔料と帯電制御剤を添加して、例えば重合法により平均粒径が0.6μm程度の概ね球形としている。
感光体ドラム1が回転される方向に関し、第4の画像形成ユニット(この例は、現像器4−4)の下流の所定位置には、感光体ドラム1上で積層された状態である4色のトナー画像を乾燥させる乾燥機構5と乾燥機構5により発生する溶媒蒸気を回収する溶媒回収部6が設けられており、感光体ドラム1上のトナー画像は、溶媒の残存量が所定の量になるまで乾燥された後、一次転写(中間転写)ローラ7に一旦転写され、引き続いて二次転写ローラ8と一次転写ローラ7との間に供給される用紙(記録媒体)9に転写される。
なお、一次転写ローラ7は、例えば外径100mmに形成されたステンレス鋼製の中空ローラの表面に弾性層が形成されたものである。また、弾性層は、図示しないが、厚さ0.1mmの下地樹脂層(PETすなわちpolyethylene terephthalate層)に、厚さ0.03mmのシリコーン系樹脂接着層を介して、硬度が(JIS−A、これ以降硬度の表記としてJIS−Aを省略、度数のみ示す)50°で、厚さ0.2mmのシリコーン層を積層させた弾性体フィルムとして、ステンレス鋼製のローラの表面に配置される。
一方、二次転写ローラ8は、例えば外径50mmのステンレス鋼製の中空ローラ内部に図示しないヒータが内蔵され、一次転写ローラ7との間を通過する用紙9を所定の温度に加熱できる。また、二次転写ローラ8には、一次転写ローラ7に向かう方向に、例えば100kgの荷重が付与されている。
このようなIOIカラー電子写真プロセスにおいては、第1のレーザ露光3−1により感光体ドラム1上に第1色の静電潜像が形成され、第1の色のトナーを含む液体現像剤を保持した第1の現像器4−1によって第1色の静電潜像の可視像化が行われる。第1色の静電潜像に付着した液体現像剤すなわちトナーおよび溶媒は、そのまま乾燥機構5からなる乾燥工程を経て、一次転写ローラ7および二次転写ローラ8により用紙9に転写されても良いが、図1に示した例では、引き続き第2帯電器2−2と第2レーザ露光3−2で第2の静電潜像を形成し、第1の現像器4−1に収納されている液体現像剤のトナーとは異なる色の第2色の現像剤を保持した第2現像器4−2によって、さらに現像する。
従って、第2現像器4−2により第2の現像が終了した時点で、潜像保持体1上には、2色のトナー像が形成されている。同様に、第3色の現像剤を保持した第3現像器4−3と第4色の現像剤を保持した第4現像器とにより、第3および第4の現像が行われ、感光体ドラム1には、4色のトナーによりフルカラーのトナー像が形成される。
感光体ドラム1上に形成された4色のトナー画像は、本願発明者らにより提案され、特開2000−347520号公報等により既に公開されたシアリング転写(非電界転写)により、一次転写ローラ7に一括転写され、用紙9に二次転写される。なお、本願発明者らによるシアリング転写は、一次転写体ローラ7の表面の軸線に沿った任意の位置が移動される速度(以下ローラ周速と呼称する)を、感光体ドラム1のドラム周速と異なる速度とすることで、一次転写ローラ7と感光体ドラム1との間のニップ領域において転写ローラ7側に生じるニップ(弾性層の弾性変形領域)で、積層された状態の4色のトナー画像を一括して移し取る転写方法である。また、一次転写体ローラ7のローラ周速と感光体ドラム1のドラム周速との速度差は3%とし、ドラム周速をローラ周速よりも速めている。
[実施例1] 図1ないし図4に従って本発明の実施例その1を示す。
図2は、クリーニング機構10の構成を模式的に示した断面図である。
図2に示される通り、クリーニング機構10は、キャリア液である石油系絶縁性溶媒を主成分とするクリーニング液10−8を感光体1表面に塗布する塗布ローラ10−1と、転写残りトナーをクリーニング液10−8とともに掻き取るクリーニングブレード10−2と、クリーニングブレード10−2の下流側に、感光体1表面に接触配置された第一のクリーニングローラ10−3からなる。
塗布ローラ10−1は、金属シャフトにウレタンスポンジ層を形成した直径20mmのスポンジローラで、図示しないモータ(あるいは駆動伝達機構)により、感光体1に対してアゲインスト(感光体1の外周面と接触される位置で、感光体1の外周面が移動される方向と逆の方向に自身の外周面が移動される)に、所定の速度で回転される。
クリーニングブレード10−2は、例えば厚さ3mmのウレタン系ゴム製で、所定の圧力で感光体1表面に接触されることで、転写残りトナーをクリーニング液10−8とともに掻き取る。
第一のクリーニングローラ10−3は、金属シャフトにウレタンスポンジ層を形成した直径20mmのスポンジローラで、図示しないモータ(あるいは駆動伝達機構)により、感光体1に対してアゲインスト(感光体1の外周面と接触される位置で、感光体1の外周面が移動される方向と逆の方向に自身の外周面が移動される)で回転される。
クリーニングブレード10−2の下流側には、クリーニングブレード10−2により掻き取られた廃液を受ける廃液トレイ10−10が設けられている。廃液トレイ10−10内には、常時感光体1表面に接触しない第二のクリーニングローラ10−4が配置されている。なお、クリーニングブレード10−2により掻き取った廃液は、感光体1当接面とは反対側に設置した図示しない孔(または隙間)を介して、廃液トレイ10−10に流れ落ちる。また、第二のクリーニングローラ10−4は、例えば金属シャフトにウレタンスポンジ層を形成した直径15mmのスポンジローラで、図示しないモータ(あるいは駆動伝達機構)により、時計回り(CW)または反時計回り(CCW)に任意の方向に、選択的に回転可能である。
塗布ローラ10−1と第二のクリーニングローラ10−4には、液供給シャフト10−5と液供給管10−9とを介して、それぞれクリーニング液槽10−7からクリーニング液10−8が供給される。なお、液供給シャフト10−5は、外径6mm、内径5mmのアルミパイプで、塗布ローラ10−1側に対峙した部分に直径1mmの孔が20mm間隔で開けられ、塗布ローラ10−1の駆動に同期して所定の流量で、クリーニング液10−8を供給する。
塗布ローラ10−1および第二のクリーニングローラ10−4の周面には、塗布ローラ10−1および第二のクリーニングローラ10−4に付着するトナーや感光体1の回転に伴って搬送される被転写材すなわち記録用紙の粉等の異物を除去するスクレーパ10−6が、所定の圧力で接触されている。スクレーパ10−6は、厚さが、例えば1mmの金属板からなり、ローラ10−1および10−4との当接面とは反対側に設置した孔(または隙間)を介して、掻き取った汚れを廃液トレイ10−10に案内する。
図3は、図2に示したクリーニング機構10の動作の一例を説明する概略図である。なお、図3(a)は、連続画像形成時のクリーニング機構10の動作を、図3(b)は、画像形成終了時のクリーニング機構10の動作を、図3(c)は、画像形成装置の電源オフ時(装置立ち下げ直前)のクリーニング機構10の動作を、それぞれ示している。
図3(a)に示される通り、通常の画像形成動作時においては、クリーニング機構10の塗布ローラ10−1の駆動に同期し、液供給シャフト10−5を介して、例えば5cc/分程度の流量でクリーニング液10−8が供給される。
スクレーパ10−6は、塗布ローラ10−1の外周面に所定の圧力で接触されているので、塗布ローラ10−1に付着したトナーや感光体1の回転に伴って搬送される被転写材すなわち記録用紙の粉等の異物は、クリーニングブレード10−2に流れ落ちる。また、クリーニングブレード10−2は感光体1表面に所定の圧力で接触されているので、塗布ロータ10−1に供給されたクリーニング液10−8および感光体1表面でクリーング液により溶かされた残存トナーは、廃液トレイ10−10から廃液回収管10−11を経由して図示しない廃液槽に運ばれる。
なお、クリーニングブレード10−2により除去できなかったクリーニング液10−8および溶かされたトナーが液だれしたとしても、第一クリーニングローラ10−3により除去されるために、次の画像形成において画質の低下を防ぐことが可能となった。
一方、塗布ローラ10−1の役目は、主に感光体1の表面にクリーニング液10−8を塗布することであるが、感光体1に接触配置されていることにより転写残りトナーの一部が付着することは避けられず、スクレーパ10−6により付着したトナーや異物を除去することにより、より均一に感光体1表面にクリーニング液10−8を塗布できる。
図3(b)は、画像形成終了時のクリーニング機構10の動作状態である。
図示しない操作パネルあるいは外部装置から設定された所定回数の画像形成が終了すると、図示しない駆動機構によりクリーニングブレード10−2が感光体1から離間され、塗布ローラ10−1と第一クリーニングローラ10−3のみが感光体1に当接される。
従って、クリーニングブレード10−2により一部堰き止められていたクリーニング液およびトナーすなわち掻き取り液(廃液)が「液だれ」となって感光体1下方に流れでるが、第一クリーニングローラ10−3により除去される。ただし、「液だれ」を除去した後に感光体1表面に薄い汚れが残ったため、塗布ローラ10−1により、感光体1表面に所定量のクリーニング液10−8を塗布し、それを第一のクリーニングローラ10−3によって除去しながら、感光体1を余分に2〜3回転させることが好ましい。これにより、感光体1表面の廃液および残存トナーが完全に除去できた。
図3(c)は、装置立ち下げ(画像形成装置の電源オフ)直前のクリーニング機構10の動作状態である。
図3(b)により説明した感光体1表面のクリーニング終了後、図示しない駆動機構によりクリーニング機構10全体が感光体1表面から離間されることで、塗布ローラ10−1および第一のクリーニングローラ10−3も、感光体1表面との接触から解放される。
続いて、クリーニングブレード10−2の先端(感光体1と接する側)に、図示しない駆動機構により第二のクリーニングローラ10−4を当接させる。
次に、クリーニング液10−8が第二のクリーニングローラ10−4の駆動に同期して、例えば5cc/分程度の流量で、液供給シャフト10−5を介して第二のクリーニングローラ10−4に供給される。なお、第二のクリーニングローラ10−4は、図示しない駆動機構(またはモータ)により、所定のタイミングで時計回りまたは反時計回りまたは両方向に回転される。このとき、クリーニングブレード10−2は、図示しない駆動機構により、第二のクリーニングローラ10−4への当接角度が、適宜、変化される。これにより、クリーニングブレード10−2の感光体1当接面と先端部に堆積したトナー凝集体が除去される。なお、図3(c)に示した工程は、セルフクリーニングと呼称される。また、クリーニング機構全体が感光体表面から離間した状態において、それぞれ塗布ローラ10−1、および第二クリーニングローラ10−4にクリーニング液を供給しながら各ローラを回転させ、スクレーパによってローラ表面の付着物を除去する工程を加えても良い。
上記の動作手順に従い、図3(a)の状態でA4フォーマットに対して100000枚印字した後、画像形成を終了し、図3(b)の状態で感光体1表面をクリーニングし、さらに図3(c)の状態でブレードクリーニングを行った。
この時、感光体表面は初期状態と同様の清浄な面を保持し、ブレードにも塊状堆積物は見られなかった。また、印字画像も、初期画像と同様に高画質の画像を得ていることが確認された。
なお、図2に示した本実施例その1では、塗布ローラ10−1へのクリーニング液10−8の供給手段として、塗布ローラに近接した液供給シャフト10−6を用いたが、図4に示すように、液供給ノズル10−12により塗布ローラ10−1と感光体1との間に、直接クリーニング液10−8を供給しても同様の効果が得られる。また、クリーニング液10−8を感光体1表面に直接供給しても良い。なお、ノズル10−12から供給されるクリーニング液10−8は、液体に限らず霧状でも良い。
以上説明したように、本発明の実施例その1のクリーニング機構により、クリーニングブレードによる掻き取り残りが感光体表面に生じた場合でも、下流側に配置された第一のクリーニングローラが掻き取り残りを除去することから、クリーニング不良の発生が防止できる。
また、画像形成終了後、クリーニングブレードを感光体表面との接触から解放することで、廃液の液だれ生じるが、感光体表面に塗布ローラでクリーニング液を塗布し、感光体を回転させて第一のクリーニングローラで除去することにより良好なクリーニングが完了した。なお、クリーニング液として現像液を利用し、感光体表面のクリーニング後にクリーニング液が薄く残った状態から乾燥した場合でも、感光体上にほとんど『トナー粒子』は存在せず、次の画像形成における画質の低下を防ぐことができる。
一方、クリーニングブレードに固着した塊状のトナー(トナー凝集体)は、第二のクリーニングローラにより除去することにより、長時間の使用でもクリーニングブレード単体のクリーニング能力が維持でき、良好なクリーニングが可能となる。
また、画像形成終了後、装置を停止する場合などには、クリーニングブレード及び、クリーニングローラはともに感光体との接触から解放(離間)されるので、ウレタンゴム等を主成分としたクリーニングブレードや、ウレタン樹脂等を主成分としたスポンジ層からなるクリーニングローラが劣化することが防止される。
これらの構成により、常に良好なクリーニング効果を保つことができ、高品質の画像を長時間連続形成することが可能となった。
[実施例2] 図5に従って本発明の実施例その2を示す。
図5は、本発明のクリーニング機構の第2の実施形態の構成を模式的に示した断面図である。なお、図2を用いて既に説明した構成と同じ構成には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図5に示されるクリーニング機構10は、塗布ローラ10−1、クリーニングブレード10−2、およびクリーニングブレード10−2の下流側に、感光体1表面に接触して配されたウェブクリーナ(第一のクリーニングローラに相当)10−14からなる。なお、ウェブクリーナ10−14は、詳述しないゴムローラの外周面に沿って、例えばポリエステル製の不織布が供給され、ゴムローラを介して不織布が感光体1表面に所定圧力で接触される構成である。また、不織布は、図示しない供給ローラに所定長さ巻き付けられ、所定時間または所定回数の画像出力毎に、図示しない巻き取りローラにより巻き取られる。従って、感光体1表面と接する不織布は、適度な張力と送り速度を与えられ、感光体1表面のクリーニングブレードによる残留トナーの掻き取り残りや液だれ、および余剰のキャリア液を感光体1表面から除去できる。
また、ブラシローラ10−13は、例えば金属シャフトに、直径0.5mmのポリエステル繊維あるいは人工毛をループ状に埋め込んだ層を形成した外径が15mmのローラで、図示しないモータ等により、時計回りあるいは反時計回りのいずれか一方または両方の方向に、選択的に回転される。なお、ブラシローラ10−13には、スクレーパ10−6が当接され、ブラシローラ10−13表面に付着した汚れが除去される。
図5に示したクリーニング機構においては、図1を用いて、実施例その1で説明したと同様にして感光体1表面に形成された静電潜像は、現像液中のトナー粒子の選択的付着により現像される。感光体1表面に形成されたトナー画像は、乾燥機構5と対向される乾燥工程を経て、残存キャリア液が所定量除去され、110℃に設定された一次転写ローラ7表面に一次転写され、二次転写ローラ8を介して用紙9に、二次転写される。
用紙9にトナー画像を転写した後の感光体1表面は、感光体1が回転されることによりクリーニング機構10と対向するクリーニング領域を通過されてクリーニングされ、次の画像形成に供される。
なお、クリーニング機構10における感光体1表面のクリーニング工程は、第二のクリーニングローラ10−13がブラシローラであって、第一のクリーニングローラ10−14が感光体1表面と接する領域が、所定時間もしくは所定回数の画像形成毎に移動され、または所定の速度で逐次変位されることにより、除去された残留トナーが固着される際の絶対量が制御される点を除いて、前に説明した実施例その1と実質的に同一であるから、詳細な説明を省略する。
上述した実施例その2のクリーニング機構においては、実施例その1と同様の動作手順に従い、図3(a)の状態でA4フォーマットに対して100000枚印字した後、画像形成を終了し、図3(b)の状態で感光体1表面をクリーニングし、さらに図3(c)の状態でクリーニングブレードをクリーニングしたところ、感光体表面は初期状態と同様の清浄な面を保持し、クリーニングブレードにも塊状堆積物は見られなかった。また、印字画像も、初期画像と同様に高画質の画像を得ていることが確認された。
[実施例3] 図6に本発明の実施例その3を示す。
図6は、本発明のクリーニング機構の第2の実施形態の構成を模式的に示した断面図である。なお、図2を用いて既に説明した構成と同じ構成には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図6に示されるクリーニング機構10は、塗布ローラ10−1、クリーニングブレード10−2、およびクリーニングブレード10−2の下流側に感光体1表面に接触して配置された吸引スポンジローラ(第一のクリーニングローラに相当)10−15からなる。
吸引スポンジローラ10−15は、多孔質シャフト10−16の外周に、連続孔または複数の微細なスリット等に代表される吸引用の開口が設けられたウレタン系スポンジ層が形成されたローラである。なお、吸引スポンジローラ10−15は、感光体1表面に所定の圧力で接触される。また、吸引スポンジローラ10−15の多孔質シャフト10−16の一端には、例えばフィルタ10−17を介して吸引ポンプ10−18が接続され、回収された廃液およびトナー粒子が吸引される。なお、フィルタ10−17によりトナー粒子等が除去されたキャリア液を主成分としたクリーニング液は、回収管10−19を介してクリーニング液槽10−19に戻される。
図6に示したクリーニング機構においては、図1を用いて、実施例その1で説明したと同様に感光体1表面に形成されたトナー像は、一次転写ローラ7および二次転写ローラ8を介して用紙9に、二次転写される。
用紙9にトナー画像を転写した後の感光体1表面は、感光体1が回転されることによりクリーニング機構10と対向するクリーニング領域を通過されてクリーニングされ、次の画像形成に供される。
なお、吸引ポンプ10−18からの吸引力により吸引スポンジローラ10−15に吸着した感光体1表面のクリーニングブレード10−2による掻き取り残りや、感光体1表面に生じる液だれ、あるいは余剰のクリーニング液10−8等は、フィルタ10−17を介して固形物が除去されて、クリーニング液槽10−19に戻される。
上述した実施例その3のクリーニング機構において、実施例その1と同様の動作手順に従って、図3(a)の状態でA4フォーマットで100000枚印字し、画像形成を終了した後、図3(b)の状態で感光体1表面をクリーニングし、さらに図3(c)の状態でクリーニングブレードをクリーニングしたところ、感光体表面は、初期状態と同様の清浄な面を保持し、クリーニングブレードにも塊状堆積物は見られなかった。また、印字画像も、初期画像と同様に高画質の画像を得ていることが確認された。さらに、クリーニング液は、循環して使用できることから省資源が実現できた。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…感光体ドラム(潜像保持体)、2(2−1〜2−4)…帯電器、3(3−1〜3−4)…レーザ露光、4(4−1〜4−4)…現像器、5…乾燥機構、6−1…溶媒回収装置、6−2…溶媒回収管、7…一次転写ローラ、8…二次転写ローラ、9…用紙、10…感光体クリーナ、10−1…塗布ローラ、10−2…クリーニングブレード、10−3…第二クリーニングローラ、10−4…第三クリーニングローラ、10−5…液供給シャフト、10−6…スクレーパ、10−7…クリーニング液槽、10−8…クリーニング液、10−9…液供給管、10−10…廃液トレイ、10−11…廃液回収管、10−12…液供給ノズル、10−13…ブラシローラ、10−14…ウェブクリーナ、10−15…吸引スポンジローラ、10−16…多孔質シャフト、10−17…フィルタ、10−18…吸引ポンプ、10−19…回収管。
Claims (4)
- 像担持体にクリーニング液を供給するクリーニング液供給手段と、
前記像担持体表面に所定の圧力で接触され、前記像担持体表面に残存した液体現像剤を前記クリーニング液とともに除去する第一クリーニング手段と、
前記第一クリーニング手段を、前記像担持体表面への接触から解放する解放手段と、
前記第一クリーニング手段が前記像担持体との接触から解放された後に、前記像担持体表面の前記クリーニング液を除去する第二クリーニング手段と、
前記第一クリーニング手段に付着した付着物を除去する第三クリーニング手段と、
を有することを特徴とする電子写真装置。 - 前記クリーニング液は、前記液体現像剤に用いられ、前記第一クリーニング手段および前記像担持体に付着する付着物となりうるトナーが分散されるキャリア液を含み、前記第一クリーニング手段および前記像担持体に付着した前記トナーを軟化させるものであり、
前記第二クリーニング手段は、前記第一クリーニング手段よりも前記像担持体の周面が移動される方向の下流側で前記像担持体の周面に接触され、前記像担持体表面に存在する前記クリーニング液および前記像担持体表面に残存する前記トナーを掻き取って除去するものであり、
前記第三クリーニング手段は、前記第一クリーニング手段が前記像担持体表面との接触から解放されている状態で、前記第一クリーニング手段と接触されることで前記第一クリーニング手段に付着した前記トナーを除去するものである
ことを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。 - 潜像保持体および潜像保持体上の転写残りトナーにキャリア液が主成分のクリーニング液を塗布し、
潜像保持体表面の転写残りトナーをブレードによりクリーニング液とともに除去し、
ブレードを潜像保持体から離間させ、
ブレードが潜像保持体から離間された後に、潜像保持体表面に残ったクリーニング液を除去することを特徴とする潜像保持体上のトナーを除去する方法。 - 潜像保持体から現像された像が被記録媒体へ転写された後、画像形成装置の動作が停止される時点で、クリーニング液を塗布する塗布ローラ、潜像保持体表面のクリーニング液を除去する第一のクリーニングローラのそれぞれが、潜像保持体から離間されることを特徴とする請求項3記載の潜像保持体上のトナーを除去する方法。
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