JP3943821B2 - 食缶用フィルム被覆鋼板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性に優れ、開缶時に内容物が映える食缶に供する鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食缶に用いられる金属缶用素材であるブリキ、ティンフリースチールなどの鋼板には、一回あるいは複数回の塗装が施されていた。この塗装を施すことは、塗料の焼付工程が煩雑であるばかりでなく、多大な焼付時間を必要とし、さらに多量の溶剤を排出するため、公害面からも排出溶剤を特別な焼却炉に導き焼却しなければならないという問題を有していた。これらの問題を解決するため、熱可塑性樹脂フィルムを加熱した鋼板に被覆することが検討され、例えば飲料缶や食缶の一部に素材として使用されている。飲料缶の素材に使用されているフィルム被覆鋼板は、印刷下地として鋼板の色を隠蔽する目的で缶外面側にあたる面に白色の顔料を含んだフィルムを被覆し、缶内面にあたる面には白色の顔料を含まないフィルムを被覆している。
【0003】
一方、食缶の場合は製缶後に印刷した紙を缶外面に被覆することが多いのとコスト面から必ずしも白色の顔料を含んだフィルムが被覆されているわけではない。また、食缶は飲料缶とは異なり、開缶はフルオープンとなることが多いので、内容物が良く映えるようにする目的で白色の顔料を含んだフィルムを被覆した面を缶内面側にする要求が高まっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、鋼板に被覆された白色の顔料を含んだフィルムは白色の顔料が欠陥の起点となりフィルムの強度や伸びが低下するため、成形加工時に白色の顔料を含んだフィルムは削れたり疵付きやすく、かつ微細な亀裂を生じる問題がある。その結果、腐食が進行したり、黒変(FeS、SnS)が発生し、内容物のフレーバー性の低下や保存性の低下をきたし、特にレトルト処理を施すと更に悪化して商品価値を失ってしまう。
本発明の目的は、鋼板に被覆された白色の顔料を含んだフィルムが成形加工時やレトルト処理時に欠陥を生じることなく、耐食性に優れ、開缶時に内容物が映える食缶用フィルム被覆鋼板を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明は以下の手段を用いている。
(1)本発明は、白色顔料を0以上5重量%以下含有した表層、白色顔料を5以上30重量%以下含有した中間層、白色顔料を0以上5重量%以下含有した鋼板接着面層の3層からなるポリエステルフィルムを缶内面側となる面に被覆した鋼板であって、該3層ポリエステルフィルムは、式
R=I/I
式中、Iはポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約0.34nmの回折 面によるX線回折強度、Iはポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約0.39nmの回折面によるX線回折強度、
で定義されるX線回折強度比が1.2以上2.0以下の範囲にあることを特徴とする食缶用フィルム被覆鋼板である。
(2)本発明は、白色顔料が二酸化チタン、硫酸バリウムであることを特徴とする上記(1)記載の食缶用フィルム被覆鋼板である。
(3)本発明は、3層ポリエステルフィルムの樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の食缶用フィルム被覆鋼板である。
(4)本発明は、3層ポリエステルフィルムの樹脂がポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート共重合体であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の食缶用フィルム被覆鋼板である。
(5)食缶の外面側になる面にポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートがブレンドされた樹脂、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体とポリブチレンテレフタレートがブレンドされた樹脂からなるポリエステルフィルムを被覆したことを特徴とする上記(1)または(2)または(3)または(4)記載の食缶用フィルム被覆鋼板である。
(6)ポリエステルフィルムの鋼板接着面側に着色した熱硬化性樹脂をコーティングしたポリエステルフィルムを食缶の外面側になる面に被覆したことを特徴とする上記(5)記載の食缶用フィルム被覆鋼板である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係る食缶用フィルム被覆鋼板の基本となる構成は、例えば、図1に示した鋼板4の缶内面側となる面のみをポリエステルフィルム5で被覆した場合を示す部分拡大断面図、および、図2に示すような鋼板4の缶内面側となる面にポリエステルフィルム5で被覆するとともに反対面に別のポリエステルフィルムなどの缶外面用フィルム6を被覆した場合を示す部分拡大断面図の通りである。なお、前記したポリエステルフィルム5は、白色顔料を含有しないか、5重量%以下含有するポリエステル樹脂からなる表層1と、白色顔料を5〜30重量%含有するポリエステル樹脂からなる中間層2と、及び白色顔料を含有しないか、5重量%以下含有するポリエステル樹脂からなる鋼板接着面層3の3層からなるものとしてこれを加熱圧着により鋼板4の缶内面側となる面に被覆すればよい。また、図2に示すように鋼板4の他面に缶外面用フィルム6を被覆する場合も前記した被覆工程で或いは別工程で加熱圧着により被覆できる。
【0007】
本発明によれば、加工時に被覆したフィルム表層の白色顔料は欠陥の起点となりやすいため、表層1の白色顔料の含有量を0以上5重量%以下とすることで、被覆したポリエステルフィルムの加工による欠陥を減少させることが可能である。また、被覆したフィルムの鋼板接着面層3は白色顔料の含有量を0以上5重量%以下とすることで、鋼板との接着面に白色顔料が露出する確率が低く、ポリエステル樹脂と鋼板表面が直接接触することでその密着性が高く、加工時に剥離せずに耐食性が維持される。さらに、中間層には白色顔料を5〜30重量%含有させることで隠蔽性と被覆したフィルムの加工性の両立が可能である。
【0008】
本発明によれば、前記(1)式のX線回折強度比Rが1.2以上2.0以下の範囲にすることで、被覆したフィルムの加工性を維持し、欠陥の起点を生じさせないことによるレトルト処理時の欠陥発生の抑制と経時劣化の抑制が可能である。X線回折強度比Rが2.0より大きい場合、被覆したフィルムの伸びが不十分なため、加工により欠陥を生じる上、レトルト処理時に被覆したフィルムの収縮応力で欠陥や欠陥の起点が拡大する。また、X線回折強度比Rが1.2未満の場合、フィルムの伸びが確保されて、加工により欠陥を生じることはなく、欠陥の起点がないためにレトルト処理時に欠陥が拡大することはないが、ポリエステル樹脂の配向結晶がほとんど消失しているので、数ヶ月以上経時とポリエステル樹脂の脆化の原因となる球晶成長や体積収縮が起こり、ミクロクラックが発生して、衝撃を受けると被覆したフィルムが破断して鋼板が腐食する。
【0009】
本発明において、3層ポリエステルフィルムのX線回折強度比R=I/Iは次のようにして求められる。3層ポリエステルフィルムを被覆した鋼板の3層ポリエステルフィルム被覆面をX線回折装置を用い、次のように測定する。測定条件として、X線管球(ターゲット)は銅(波長λ=0.1542nm)を使用して、電圧40kV、管電流20mA程度で、面間隔約0.34nm(2Θが26°付近)の回折面と面間隔約0.39nm(2Θが22.5°付近)の回折面の二つの回折ピークが分離できるようにスリット幅が角度にして0.1°以下の受光スリットを選択し、回折角2Θに対しX線の入射角と反射角がそれぞれΘであり、かつ、入射X線と回折X線がフィルム面法線に対して対称となるように試料を取り付け、入射角Θと反射角Θが常に等しくなるように保ちながら、回折角2Θを15〜30°間走査し、X線回折スペクトルを測定する。
【0010】
測定した例を図3に示す。2Θ=15°の強度と2Θ=30°の強度のところを直線で結びバックグラウンドとし、バックグラウンドを引いた面間隔約0.34nmの回折面の回折強度I(ピーク高さ、または2Θ=26°付近の最も高い値)と面間隔約0.39nmの回折面の回折強度I(ピーク高さ、または2Θ=22.5°付近の最も高い値)を求め、X線回折強度比R=I/Iの値を計算する。
【0011】
本発明の食缶用フィルム被覆鋼板は、ポリエステル樹脂をTダイ製膜法やインフレーション製膜法で3層ポリエステルフィルムに成形し、逐次二軸延伸あるいは同時二軸延伸し、熱固定することにより製造した二軸延伸3層ポリエステルフィルムを鋼板に被覆される。ここで、二軸延伸製膜方法やフィルムを鋼板に被覆する方法は特に限定されるものではない。フィルムを鋼板に被覆する方法は、例えば3層ポリエステルフィルムを加熱した鋼帯に圧着ロールを用いて熱圧着後に水冷させる方法等の公知の加熱圧着方法に従って行えばよい。X線回折強度比Rはポリエステル樹脂組成、3層ポリエステルフィルム構成、製膜時の延伸倍率、延伸後の熱固定温度条件、3層ポリエステルフィルムを鋼板に被覆する時の熱圧着条件(鋼帯の加熱温度、ラミネートロール温度、熱圧着時間、熱圧着圧力、熱圧着後の冷却条件等)、3層ポリエステルフィルム被覆鋼板の被覆後の熱処理等によって制御することができる。
【0012】
例えば、X線回折強度比Rは3層ポリエステルフィルムの製膜時の延伸倍率を大きくすると大きくなり、3層ポリエステルフィルムを鋼板に被覆する時の鋼帯の加熱温度を高くすると小さくすることができる。本発明では上述の各種条件を制御することにより、最終的に加工前の3層ポリエステル被覆鋼板の被覆した3層ポリエステルフィルムのX線回折強度比Rを1.2以上2.0以下の範囲に制御することが重要である。
【0013】
本発明に用いる白色顔料は様々なものが使用可能である。例えば、ルチル型またはアナターゼ型の二酸化チタン、硫酸バリウム、パーライト、炭酸カルシウム、タルク、炭酸バリウム、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム、マイカなどが挙げられ、特にルチル型またはアナターゼ型の二酸化チタンと硫酸バリウムが特に好ましい。これらの白色顔料の粒径は、0.05〜2μm の範囲にあることが好ましく、0.1〜0.5μm の範囲にあることがより好ましい。白色顔料の粒径が0.05μm 未満の場合、体積当たりの表面積が大きくなり水分の吸着が多くなり、ポリエステル樹脂の加水分解を生じたり、また、白色顔料同士の凝集が生じて隠蔽性の斑や欠陥の起点となる可能性が高くなる。また、白色顔料の粒径が2μm 超の場合、フィルムの伸びの低下による加工性の低下を生じたり、加工時に被覆したフィルムの欠陥を生じ易くなる。
【0014】
本発明の3層からなるポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂は特に限定されるものではないが、加工性、加工後密着性、フィルムコストの点から、ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体樹脂が好ましい。また、耐疵付性が良好で薄膜化が可能となるポリエチレンナフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート/ナフタレート共重合体樹脂が好ましい。また、2種類以上のホモポリマーまたは共重合ポリマーをブレンドしたポリエステル樹脂や加工性や耐衝撃性を向上させる目的で各種エラストマーを1種類または2種類以上ブレンドしたポリエステル系樹脂を使用しても良い。また、表層1、中間層2、鋼板接着面層3のポリエステル樹脂として、それぞれ異なるポリエステル樹脂を使用しても良い。3層ポリエステルフィルムの総厚さは10〜30μm が好ましい。また、表層1、中間層2、鋼板接着面層3の厚さは特に限定されるものではなく、同じ厚さの組み合わせでも、異なる厚さの組み合わせでもよいが、隠蔽性を向上させるために中間層2の厚さは9〜28μm の範囲とし、表層1及び鋼板接着面層3の厚さは0.5〜10μm の範囲とすることが好ましい。さらに、ポリエステル系樹脂は必要に応じて、各種添加剤を加えても良い。また、3層ポリエステルフィルムと鋼板の接着力を高める目的で、3層ポリエステルフィルムの鋼板接着面にコロナ放電処理等を行ってもよく、接着プライマーを使用してもよい。
【0015】
本発明によれば、食缶外面のレトルト処理等により生じる白化現象を抑制する目的で、結晶化速度が早く、かつ微細結晶となることで白化現象が抑制されるポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートがブレンドされた樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体とポリブチレンテレフタレートがブレンドされた樹脂フィルムを食缶の外面側になる面に被覆したものが好ましい。また、食缶外面に意匠性を付与する目的で、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートがブレンドされた樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体とポリブチレンテレフタレートがブレンドされた前記ポリエステルフィルムの表面側または鋼板接着面側に着色した熱硬化性樹脂をコーティングしたポリエステルフィルムを食缶の外面側になる面に被覆したものが特に好ましい。
【0016】
熱硬化性樹脂は特に限定されるものではなく、ポリエステル・アミノ系、エポキシ・アミノ系、アクリル・アミノ系、アクリル・エポキシ系、エポキシエステル系等の1種類または2種類以上のブレンドでもよく、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。熱硬化性樹脂のコーティング面を鋼板接着面側とする場合、加工後、レトルト処理後の鋼板との接着性が十分に確保できるような熱硬化性樹脂を選択することが好ましく、鋼板の表面処理の種類や被覆方法と条件により適した選択がされる。
【0017】
熱硬化性樹脂の着色方法は特に限定されるものではなく、顔料の添加、染色等の従来方法を使用でき、色の組み合わせも限定されるものではない。顔料、染料は様々なものが使用可能であるが、高級感のあるゴールド色となる黄鉛、亜鉛黄などの黄色系顔料が特に好ましい。また、熱硬化性樹脂のコーティング方法も特に限定されるものではなく、従来方法を使用できる。
【0018】
本発明の食缶用フィルム被覆鋼板は缶内面側となる面に3層ポリエステルフィルムが被覆されており、食缶の外面側になる面に3層ポリエステルフィルム、3層ポリエステルフィルム以外の本発明のポリエステルフィルムが被覆されてもよく、または食缶の外面側になる面に本発明以外のフィルムが被覆されてもよく、本発明以外のフィルムは単層または二層以上でもよく、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。また、食缶の外面側になる面に各種の樹脂塗料を塗装しても良い。さらに、加工時の潤滑性を高める目的で、食缶用フィルム被覆鋼板にグラマーワックス等の潤滑剤を塗布してもよい。
【0019】
本発明に用いる鋼板は各種表面処理鋼板、例えば冷間圧延鋼板を焼鈍後二次冷間圧延し、亜鉛系めっき、錫めっき、ニッケルめっき、クロムめっき、錫/クロム二層めっき、電解クロム酸処理、クロム酸処理、リン酸処理等の一種または二種以上行ったものを用いることができる。
本発明の食缶用フィルム被覆鋼板を用いた缶は、被覆後のX線回折強度比Rが1.2以上2.0以下の範囲である3層ポリエステルフィルムを被覆した面が、缶の内面(内容物)側となるように加工される。
【0020】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により、本発明を具体的に説明する。
表1に示す構成となる缶内面用3層ポリエステルフィルムと缶外面用フィルムを表1に示す温度に加熱した厚さ0.18mmの鋼帯に圧着ロールを用いて熱圧着後に水冷させて、表1の構成となる食缶用フィルム被覆鋼板を製造した。また、両面被覆された鋼板は同時に熱圧着して製造した。得られた食缶用フィルム被覆鋼板は直径158mmの円板を打抜き、常法に従い3層フィルム被覆面を缶内面とした浅い絞りカップを得た。この絞り工程における絞り比は1.56であった。次いで、この絞りカップを再絞り成形を行った。この再絞り工程における絞り比は1.23であった。このようにして、カップ径82mm、カップ高さ52mmのDRD缶を得た。このDRD缶の缶底を常法に従い、エキスパンションリング加工した。この缶底加工したDRD缶の缶内面の3層フィルムの健全性を評価した。また、缶底加工したDRD缶を125℃で90分間のレトルト処理を行い、缶内面の3層フィルムの健全性を評価した。
実施例1〜5の缶内面フィルムの健全性は、缶底加工後もレトルト処理後も非常に良好であった。一方、比較例1、2の缶内面フィルムの健全性は、缶底加工後もレトルト処理後も不十分であった。
【0021】
【表1】
Figure 0003943821
【0022】
注)
PET/IA11:ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート11モル% 共重合体(融点226℃)
PETIA/PBT:ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート3モル% 共重合体とポリブチレンテレフタレートを50/50の 比率でブレンドしたアロイ(融点213℃)
PET/NDCA:ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート11モル%共 重合体(融点226℃)
TiO =X%:二酸化チタン=含有量(X重量%)
BaSO=X%:硫酸バリウム=含有量(X重量%)
顔料=白色顔料
黄色コーティング:黄色顔料を添加したメラミン・ポリエステル系熱硬化性樹 脂をコーティング
【0023】
【表2】
Figure 0003943821
注)
缶内面フィルムの健全性の評価
缶に1%食塩水を充填し、缶を陽極として、+6Vの電圧をかけた時に流れる電流値を測定した。
◎:0.01mA未満
○:0.01mA以上1.0mA未満
△:1.0mA以上10.0mA未満
×:10.0mA以上
【0024】
【発明の効果】
本発明により得られた食缶用フィルム被覆鋼板は、開缶時に内容物が映える白色を有し、耐食性に優れており、食缶の安価な素材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 片面をポリエステルフィルムで被覆した食缶用フィルム被覆鋼板を示す部分拡大断面図である。
【図2】 片面をポリエステルフィルムで被覆し、他面を缶外面用フィルムで被覆した食缶用フィルム被覆鋼板を示す部分拡大断面図である。
【図3】 白色顔料として二酸化チタンを使用した3層ポリエステルフィルムのX線回折図の一例である。
【符号の説明】
1 表層
2 中間層
3 鋼板接着面層
4 鋼板
5 ポリエステルフィルム
6 缶外面用フィルム
面間隔約0.34nmの回折面の回折強度
面間隔約0.39nmの回折面の回折強度

Claims (6)

  1. 白色顔料を0以上5重量%以下含有した表層、白色顔料を5以上30重量%以下含有した中間層、白色顔料を0以上5重量%以下含有した鋼板接着面層の3層からなるポリエステルフィルムを缶内面側となる面に被覆した鋼板であって、該3層ポリエステルフィルムは、式
    R=I/I
    式中、Iはポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約0.34nmの回折面によるX線回折強度、Iはポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約0.39nmの回折面によるX線回折強度、
    で定義されるX線回折強度比が1.2以上2.0以下の範囲にあることを特徴とする食缶用フィルム被覆鋼板。
  2. 白色顔料が二酸化チタン、硫酸バリウムであることを特徴とする請求項1記載の食缶用フィルム被覆鋼板。
  3. 3層ポリエステルフィルムの樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体であることを特徴とする請求項1または2記載の食缶用フィルム被覆鋼板。
  4. 3層ポリエステルフィルムの樹脂がポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート共重合体であることを特徴とする請求項1または2記載の食缶用フィルム被覆鋼板。
  5. 食缶の外面側になる面にポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートがブレンドされた樹脂、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体とポリブチレンテレフタレートがブレンドされた樹脂からなるポリエステルフィルムを被覆したことを特徴とする請求項1または2または3または4記載の食缶用フィルム被覆鋼板。
  6. ポリエステルフィルムの鋼板接着面側に着色した熱硬化性樹脂をコーティングしたポリエステルフィルムを食缶の外面側になる面に被覆したことを特徴とする請求項5記載の食缶用フィルム被覆鋼板。
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