JP3943577B2 - 水分含有率の高い米粉、米粉の製造及び保存方法、及び所望の水分含有率を有する米粉の製造方法 - Google Patents

水分含有率の高い米粉、米粉の製造及び保存方法、及び所望の水分含有率を有する米粉の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、従来の米粉に比べて水分含有率の高い新規な米粉、そのような米粉の製造及び保存方法、及び所望の水分含有率を有する米粉の製造方法に関する。
従来、生新粉は、寒の井水を用い、寒晒し工程を経て製造されてきた。その理由は、生新粉には水分が14乃至15重量%程度含有されているが、寒の、即ち冬季の井水は細菌数が少なく、また寒晒し工程も経て製造されることもあって、従来の方法を採用すると、生新粉に細菌やカビが繁殖し難いためである。
このように、生新粉は季節商品であり、したがって、生新粉を用いて製造する和菓子等も、冬季にしか供給することができなかった。しかし、近年においては、冷暖房設備の発達等により、従来は冬季にのみ供給されていた商品を、他の季節においても供給することが求められている。
そのような要望に応えるためには、一年中実施可能な、細菌やカビの繁殖し難い生新粉を提供出来る方法を開発する必要がある。また、新たな方法で製造された生新粉は、それを使用して和菓子等の加工食品を製造した場合に、従来の生新粉を使用して製造された加工食品と同等以上の食感を有する加工食品を提供出来るものでなければならない。
特許文献1には、米や豆類から耐熱性菌を除去、低減する方法が開示されている。特許文献1に開示された方法は、米や豆類をマグネシウム含有溶液に浸漬し、次いで、その米や豆類を、マグネシウムを溶解できる有機酸溶液で洗浄し、さらに水洗するというものである。特許文献1の実施例6には、このような処理を経た米を原料として製造された米粉においては、生菌数が著しく少ないことが、また、実施例7には、実施例6で調製した米粉を用いて製造した団子では、製造から2週間後においても安定であったことが記載されている。しかし、特許文献1には、特許文献1に係る発明の方法を経て製造された米粉から製造された団子の食味に関する記載はない。
また、特許文献2には、夏季における米の品質劣化、具体的には香りや食感あるいは味覚の劣化を生じさせない、玄米の保管方法が開示されている。特許文献2に開示された方法は、玄米を冷凍庫(−25〜−10℃)内で一週間以上保管した後、その冷凍庫の冷凍動作を停止させ、自然の温度上昇によって15℃前後まで昇温させ、次いでその玄米を15℃前後に温度制御された保管庫で保管するというものである。特許文献2の実施例によれば、特許文献2に係る発明の方法で保管された玄米を精米して炊飯した米飯は、おいしいという評価がなされている。しかし、特許文献2に開示された発明は、玄米の保管方法に関するものであり、また、特許文献2には、この保管方法が玄米における細菌やカビの繁殖に与える影響については、全く言及されていない。
特開平9−182564号公報 特開2004−187611号公報
本発明は、現在市販されている米粉を使用して製造された加工食品よりも優れた食感を有する加工食品を提供出来る新規な米粉を、季節にかかわらず提供することを目的とする。
より具体的には、現在市販されている生新粉を使用して製造された加工食品よりも優れた食感を有する加工食品を提供出来る新規な生新粉、即ち水分含有率の高い粳米粉を、季節にかかわらず提供する、及び、現在市販されている餅米粉を使用して製造された加工食品よりも優れた食感を有する加工食品を提供出来る新規な水分含有率の高い餅米粉を、季節にかかわらず提供することを目的とする。
また、本発明は、一年中いつでも実施可能な水分含有率の高い米粉の製造及び保存方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、現在市販されている米粉を使用して製造された加工食品よりも優れた食感を有する加工食品を提供出来る米粉の製造及び保存方法を提供することを目的とする。
加えて、本発明は、所望の水分含有率を有する米粉の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究し、本発明を完成させた。
即ち、第一の発明は、水分含有率が16.0重量%乃至23.5重量%であり、品温が10℃以下であることを特徴とする水分含有率の高い米粉、好ましくは粳米粉又は餅米粉、更に好ましくは粳米粉に関する。
このような米粉は、その品温が−20℃以下であることが好ましい。
また、このような米粉は、その水分含有率が19.0重量%超且つ23.5重量%以下であることが好ましい。
第二の発明は、米を水に浸漬し、水切りし、必要に応じてエージングさせて米の水分含有率を23.5重量%乃至26.5重量%とする工程(a)と、工程(a)を経た米を粉砕機にて粉砕し、得られる米粉の水分含有率を16.0重量%乃至23.5重量%とする工程(b)と、得られた米粉をその使用直前まで冷蔵又は冷凍する工程(c)とを含む、米粉の製造及び保存方法に関する。
この米粉の製造及び保存方法は、以下の構成(1)乃至(6)の中の一つ以上を有する態様を包含する。
(1)工程(a)で得られる米の水分含有率が24.5重量%乃至26.5重量%である、
(2)工程(b)で得られる米粉の水分含有率が17.5重量%乃至23.5重量%である、
(3)工程(c)が、米粉を、その製造後30日間以上冷蔵する工程である、
(4)工程(c)が、米粉を、その製造後20日間以上冷凍する工程である、
(5)工程(a)を連続法で行う、及び
(6)工程(a)が、(a−1)米及び水を水槽に注入して米/水混合物を得、(a−2)得られた米/水混合物を、横置きされた回転式スパイラル・ドラム内を当該ドラムをその円周方向に回転させつつ通過させ、(a−3)(a−1)及び(a−2)工程を経た含水した米をワイヤー・メッシュ・ベルトで移動させ、次いで、(a−4)(a−3)工程を経た含水した米を反転式多段ベルトで移動させることを含み、工程(b)が、(b−1)含水した米を空気圧送すること及び(b−2)気流粉砕機で粉砕することを含む。
第三の発明は、下記工程を含む、所望の水分含有率を有する米粉の製造方法に関する:
(a−1)米及び水を水槽に注入して米/水混合物を得る、
(a−2)得られた米/水混合物を、横置きされた回転式スパイラル・ドラム内を当該ドラムをその円周方向に回転させつつ通過させる、
(a−3)(a−1)及び(a−2)工程を経た含水した米をワイヤー・メッシュ・ベルトで移動させる、
(a−4)(a−3)工程を経た含水した米を反転式多段ベルトで移動させる、
(b−1)(a−1)乃至(a−4)工程を経た含水した米を空気圧送する、及び
(b−2)(b−2)工程を経た含水した米を気流粉砕機で粉砕する。
第三の発明では、工程(a−1)乃至(a−4)を、工程(a−4)終了時の米の水分含有率が、製造される米粉の所望の水分含有率+2乃至8重量%となるような条件で行うことが好ましい。
本発明により、細菌やカビが繁殖し難い米粉を、一年中いつでも提供することが可能となる。
本発明により、食感に優れる加工食品を提供出来る、水分含有率の高い米粉が提供される。
本発明により、製造される米粉の水分含有率の制御が可能となる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明において、米又は米粉の水分含有率の測定方法は、以下のとおりである。
(1)測定対象が米の場合は、米20〜30gをミル・ミキサーで30秒間粉砕し、米粉とする。
(2)米粉約5gを精秤し(xg)、試料皿に載せる。
(3)試料皿上の米粉を、赤外線含水率測定機にて、130℃で17分間、加熱乾燥させる。
(4)乾燥後の試料重量を精秤し(yg)、下記式にしたがって水分含有率を算出する:
水分含有率(%)=100(x−y)/x
第一の発明は、水分含有率が16.0重量%乃至23.5重量%であり、品温が10℃以下である水分含有率の高い米粉である。
米の品種は、野生種も含むと5万種とも10万種ともいわれている。栽培種の主要品種は、インディカ種とジャポニカ種である。また、別の分類として、米を、粳米、餅米、着色米、香り米、酒米、及び特殊形質米に分けることもできる。本発明において、米の品種又は種類は特に限定されないが、粳米又は餅米であることが好ましく、粳米であることが特に好ましい。
従来公知の粳米粉の中で最も水分含有率の高いものは、生新粉であり、その水分含有率は14乃至15重量%程度であった。また、従来公知の餅米粉の代表例は、白玉粉及び餅粉であるが、それらの水分含有率は10乃至13重量%程度であった。
第一の発明の米粉は、その水分含有率が16.0重量%乃至23.5重量%であるが、17.0重量%乃至23.5重量%であることが好ましく、18.0重量%乃至23.5重量%であることがより好ましく、18.5重量%乃至23.5重量%であることがさらに好ましく、19.0重量%超且つ23.5重量%以下であることがさらにより好ましく、19.5重量%乃至22.8重量%であることが特に好ましく、20.0重量%乃至22.5重量%であることが最も好ましい。実施例4、6及び8に示すように、水分含有率が高い方がその米粉を使用する加工食品の食味に優れるが、実施例1乃至3、5及び7に示すように、細菌やカビ等の繁殖の観点から、水分含有率の上限は上記のように規定される。
第一の発明において、品温、即ち米粉の温度が10℃以下であるとは、米粉が冷蔵又は冷凍保存されているか、又は冷凍庫等から出されて常温雰囲気中に置かれているが、未だ品温は低い(10℃以下である)状態にあることを意味する。
第一の発明の米粉は、従来品に比べて水分含有率が高い。そのため、第一の発明の米粉、より具体的には粳米粉や餅米粉を用いると、従来の米粉を用いて製造される加工食品(和菓子等)と比べて、より優れた食感を有する加工食品を製造することができる。実施例の欄に具体例を示すが、生新粉と水からなる生地を捏ねて蒸したもの(団子)のテキスチャーについて述べると、従来の生新粉を使用した場合に比べて、本発明の生新粉(粳米粉)を用いると、硬さ及び粘りが小さい傾向にある。
第一の発明の粳米粉は、例えば団子、柏餅、すあま等の製造に使用することができる。また、第一の発明の餅米粉は、大福等の製造に使用することができる。
第一の発明の米粉は、JIS Z8801−1(2000)に規定されている標準篩を使用して測定したときに、200メッシュ通過が、通常は60乃至70%であるような粒度であることが好ましい。
第一の発明の米粉は、後記の本願第二の発明又は第三の発明に係る方法によって製造することができ、そのように製造された後は、第二の発明の工程(c)によって保存される。
次に、第二の発明及び第三の発明を、当該発明を実施するのに好適な装置を示す図1を参照しながら、具体的に説明する。この装置は、原料タンク1a、加水槽2、回転式スパイラル・ドラム4、ワイヤー・メッシュ・ベルト5、三段ベルト6及びKV気流粉砕機11等を含む。なお、図1には、三方弁14以外の弁は図示していない。
図1において、原料である米(以下、「原料米」ということがある)は、原料タンク1aに充填されている。この原料米と、パイプ1bによって供給される水とが、加水槽2に注入される。加水槽2において、原料米と水との混合物が生じる。原料米と水との量比は、原料米が加水槽2を通過する際に、常に水に浸漬された状態となるような割合であれば、換言すれば、水の量がある程度以上であればよい。
原料米と水との混合物は、加水槽2の底2aに設けられた出口2bから出て、パイプ又はホース2cを経て回転式スパイラル・ドラム4に流れ込み、そしてその出口4bから流れ出る。加水槽2の出口2b及び回転式スパイラル・ドラム4の出口4bは開放されているので、これらの工程は連続的に行われる。
加水槽2において、原料米と水との混合物が生じた時点から、回転式スパイラル・ドラム4の出口4bに到達するまでの間、原料米は水に浸漬されていることになる。このドラム4内のスパイラル状部分の段数と、その何番目の段にパイプ又はホース2cの出口を配するか、及びこのドラムの円周方向(図1中、矢印xで示されている方向)の回転速度により、原料米が回転式スパイラル・ドラム4を通過する時間、ひいては原料米の水への浸漬時間が決定されることになる。ここまでが、工程(a−1)及び(a−2)である。
なお、回転式スパイラル・ドラム4とは、回転式ドラムの内部に送り羽が螺旋状に形成されているものである。送り羽が螺旋状に形成されているので、ドラムをその円周方向に回転させることにより、ドラム内部に注入された原料米と水との混合物がドラム出口まで送られる。
このドラム4の直径、螺旋の数(段数)及び回転速度(一回転に要する時間)により、ドラム内部に注入された原料米と水との混合物がドラム4内を通過する際の速度及び通過に要する時間が決定される。ドラム4内を通過する際の速度(m/分)は、(ドラムの直径(m)×3.14)×(60(秒)/回転速度(秒))で算出され、通過に要する時間(秒)は、回転速度(秒)×(原料米と水との混合物が通過する螺旋の数)で算出される。なお、原料米と水との混合物が通過する螺旋の数は、回転式スパイラル・ドラム4に形成された送り羽の段数とは異なる。原料米と水との混合物が実際に通過する螺旋の数であるので、ドラム4の入り口から何段目に当該混合物の注入口を配置するかにより、当該混合物が実際に通過する螺旋の数は変わる。当該混合物が実際に通過する螺旋の数は、(ドラムの段数−(開始点の段数−1))である。例えば、ドラム4の段数が10段の場合、注入口を1段目(螺旋の開始点)に配すれば、前記混合物が通過するのは10段であり、3段目の開始点に配すれば8段である。
回転式スパイラル・ドラム4は、例えば図1に示すように、モーター3を駆動力として回転するタイヤ4aに載置されて回転される。タイヤ4aの回転速度、ひいてはドラム4の回転速度は、例えば、モーター3としてインバーター制御モーターを使用することによって制御され得る。
回転式スパイラル・ドラム4の出口4bに到達した含水した米(以下、含水した米を「含水米」ということがある)は、ワイヤー・メッシュ・ベルト5で運搬され(工程(a−3))、その後三段ベルト6で運搬される(工程(a−4))。ワイヤー・メッシュ・ベルト5で運搬される間に、含水米の表面に残っている水が除去される。また、三段ベルト6で運搬される間には、工程(a−3)で除去されずに含水米の表面に残った水の大部分が、更に米に吸収される。この工程(a−4)を、エージング工程と呼ぶこともある。なお、本願第二の発明では、このエージング工程は必須ではなく、必要に応じて行われる任意の工程である。
三段ベルト6のような多段ベルトを使用すると、含水米が第一のベルトから第二のベルトに移動する際に、含水米の表(ベルトに接触していない側)と裏(ベルトに接触している側)とが反転するため、米の部分毎の含水率に差異が生じにくい、換言すれば、均等な含水状態が得られ易い。
以上の工程を経て、米の水分含有率を23.5重量%乃至26.5重量%とするのが、第二の発明の工程(a)である。工程(a)終了時の米の水分含有率は、24.5重量%乃至26.5重量%が好ましく、25.1重量%乃至26.0重量%がさらに好ましい。
また、第三の発明では、工程(a)終了時の米の水分含有率は、特に限定されず、製造される米粉の所望の水分含有率に応じて変わるが、製造される米粉の所望の水分含有率+2乃至8重量%であることが好ましく、製造される米粉の所望の水分含有率+2.5乃至7.5重量%であることがさらに好ましく、製造される米粉の所望の水分含有率+3乃至7重量%であることがさらに好ましい。
なお、工程(a)終了時の米の水分含有率は、使用する水の温度(温度が高いほど含水されやすい)、浸漬時間(主として回転式スパイラル・ドラム4の通過時間、長いほど含水が進む)、環境温度(気温等)、水切り時間及び任意に存在してもよいエージング工程の時間を調整することにより、所望の値とされ得る。
工程(a)を経て調製された含水米は、圧送用リング・ブロー7にて含水米捕集用サイクロン8に送られ(工程(b−1))、次いで含水米用タンク9に充填される。
含水米用タンク9内の含水米は、KV気流粉砕機11にて粉砕され(工程(b−2))、粉捕集用サイクロン12に集められる。工程(a)の終了から粉捕集用サイクロン12に集められるまでの間に、含水米から水の一部が蒸発する。
なお、含水米用タンク9内の含水米は、一般的には定量供給装置10で連続的にKV気流粉砕機11に送られる。また、定量供給装置10からの含水米供給速度、気流粉砕機11の主軸回転速度(周速)及び粉砕された米粉を取り出すための吸引力(例えば、吸引ファン13の吸引力)により、製造される米粉の粒度が調整され得る。このような気流粉砕機の運転条件は、使用する気流粉砕機の説明書の記載を参照して決定すればよい。
第二の発明では、粉砕工程である工程(b)終了時、換言すれば米粉製造直後の米粉の水分含有率は、16.0重量%乃至23.5重量%である。工程(b)終了時の水分含有率は、工程(a)終了時の水分含有率、環境温度(気温等)及び粉砕条件等を調整することにより、上記の値とされる。
第三の発明では、工程(b)終了時の米粉の水分含有率は、所望の値、即ち設定値にほぼ一致する。なお、製造後に保存されることにより、米粉の水分含有率は低下する傾向にあるので、所望の値は、出荷時あるいは使用時の米粉の水分含有量よりも、若干(例えば0.5乃至2.0重量%)高い値とするのがよい。
第二の発明では、例えば吸引ファン13の吸引力によって粉捕集用サイクロン12に集められた米粉は、袋Aに充填され、使用直前まで、冷蔵庫にて冷蔵保存又は冷凍庫にて冷凍保存される(工程(c))。
なお、製造された米粉の状態(品温、水分含有率、一般細菌やカビ・酵母の数)の測定は、粉捕集用サイクロン12中の米粉を袋Aに送る途中で、三方弁14でサンプリングした試料Bを用いて行えばよい。
工程(a)において使用する水は、上水であれば、井水に限らず、水道水等も使用することができる。本発明では、従来のように、寒の井水のような低温の水を使用しなければならないという制約はない。水温は、米に含有されているタンパク質が変性しないような温度であればよいが、2乃至20℃が好ましく、2乃至15℃がさらに好ましく、2乃至10℃が特に好ましく、2乃至6℃が最も好ましい。
原料米の水への浸漬時間は、回転式スパイラル・ドラム4を使用する場合には、一般的には2乃至6分間程度、好ましくは3乃至5分間程度である。
また、ワイヤー・メッシュ・ベルト5による水切り時間は、通常は3乃至6分間程度、三段ベルト6でのエージング時間は、通常は20乃至30分間程度である。また、この際の環境温度は、通常は5乃至35℃、好ましくは5乃至20℃、より好ましくは10乃至15℃である。
第二の発明では、粉砕終了後、即ち工程(b)終了時の米粉の水分含有率は16.0重量%乃至23.5重量%であるが、好ましくは17.0重量%乃至23.5重量%でありより好ましくは18.0重量%乃至23.5重量%であり、さらに好ましくは18.5重量%乃至23.5重量%であり、さらにより好ましくは19.0重量%超且つ23.5重量%以下であり、特に好ましくは19.5重量%乃至22.8重量%であり、最も好ましくは20.0重量%乃至22.5重量%である。
第二の発明では、上記工程(a)及び工程(b)を経て製造された米粉は、その使用直前まで、冷蔵又は冷凍保存される(工程(c))。ここで、冷蔵とは、0乃至10℃、好ましくは0乃至5℃であり、冷凍とは、−10℃以下、好ましくは−20℃以下、さらに好ましくは−30℃以下、特に好ましくは−40℃以下である。
菌類の中には、特に冷凍保存の場合には、菌体内構造物が損傷して死滅してしまうものもあるが、低温でも生存出来るものや、ある程度は損傷するが、時間が経過したり栄養条件が整うことで損傷が修復され、再び増殖することができるようになるものもある。したがって、本発明においては、製造された米粉は、使用直前まで低温に、即ち冷蔵又は冷凍保存される。
なお、一般生菌数及びカビ・酵母の数は、低温に保存されることにより、一般的には減少する。一旦は、一般生菌数及びカビ・酵母の数が、製造直後におけるそれらの数よりも増える場合があるが、さらに低温に保存され続けることにより、それらの数は減少する。このような観点から、冷蔵の場合には30日間以上保存されることが好ましく、50日間以上保存されることがより好ましい。また、冷凍の場合には、20日間以上保存されることが好ましく、30日間以上保存されることがより好ましい。
本発明に係る米粉は、品温が10度以下であり、あるいは冷蔵又は冷凍保存されている。使用に際しては、そのまま、即ち、品温が低いままで使用されてもよく、あるいは、使用直前に常温環境下に放置され、それによって常温まで昇温された後に使用されてもよい。
以上、第二の発明に係る米粉の製造及び保存方法及び第三の発明に係る米粉の製造方法を、図1に示す装置を使用する場合を例に説明したが、第二の発明については、このような装置を使用して実施される場合に限定されるわけではない。
工程(a)中、原料米の水への浸漬工程は、連続式に限定されない。バッチ式で、より具体的には、水槽を用いて静置で、または、水槽内で例えば攪拌によって振動を与えながら、行ってもよい。しかし、工程(a)終了時の米の水分含有率の調整は、連続式(但し、回転式スパイラル・ドラムを使用する方式に限定されない)の方が、より精度よく行うことができる。
水切りは、例えばザルや遠心分離器を用いて行うこともできる。
また、工程(b)において必要に応じて採用されるエージング工程を、水切り後の含水米の貯蔵によって行うこともできる。
工程(b)で使用される粉砕機の他の例としては、ターボ式粉砕機、スタンプ・ミル、ロール・ミル(但し、粉砕後に分級が必要となる場合がある)等が挙げられる。
以下に、実施例に基づき、本発明を具体的に説明する。
生新粉の製造及び保存
図1に示す装置を用い、生新粉の製造を行った。具体的には、以下のとおりである。
(生新粉の製造及び保存方法)
(1)粳米を原料タンク1aから、また、水温14℃の井水をパイプ1bで、それぞれ加水槽2に注入した。この加水槽2は、底面2aが傾斜してその最も低いところに出口2bが形成されており、その出口2bから延びるパイプ又はホース2cは、横置きされた回転式スパイラル・ドラム4(直径70cm;スパイラルの段数:21)の左から4番目のピッチの位置に開口していた(使用段数:18)。井水の注入量は、加水槽2中において米が完全に水中に浸漬されるような量、また、粳米の注入量は、9kg/分とした。
(2)モーター3によるドラム4の回転速度を26秒/回転とし、ドラム4をその円周方向、即ち図1中に矢印xで示す方向に回転させた。粳米は、約7分48秒(26秒×(21−3)ピッチ=468秒=7分48秒)でドラム4を通過した。また、粳米のドラム通過速度は、約5.07m/分(0.7m×3.14×60秒/26秒=5.07m/分)であった。
(3)次いで、ドラム4から出てきた含水粳米を、ドラム4の出口から上方に向かって傾斜角約28乃至30度で延び、1.2m/分の速度で動くワイヤー・メッシュ・ベルト5(長さ:5.2m)の下端付近に流下させ、その上端まで運んだ。含水した粳米がワイヤー・メッシュ・ベルト5で運ばれるのに要する時間は4分20秒であった。この工程で、含水粳米の周囲にあった水の多くが除去された。
(4)上記工程3で水が除去された粳米を、ワイヤー・メッシュ・ベルトの上端から反転式三段ベルト6の上段ベルトの左端に落下させ、三段ベルト6で運搬した。具体的には、図1において、上段のベルトで左端から右端まで運搬し、中段のベルト上に落下させ、その右端から左端まで運搬し、次いで、下段のベルト上に落下させ、その左端から右端まで運搬した。三段ベルト6上での米の総移動距離は約12m(約4m×3)であり、移動時間は約22分35秒であった。三段ベルト6での移動の間に、米表面に残留していた水の大部分が、粳米内部に浸透した。
(5)三段ベルト6の下段ベルトから落下させた米を、圧送用リング・ブロー7で含水米捕集用サイクロン8に送り、次いで、含水米用タンク9に充填した。また、圧送直前の米20乃至30gをサンプリングし、品温を測定すると共に、下記の方法で水分含有率を測定した。その結果は、表1に示すとおりであった。
(6)タンク9内の米を、定量供給装置10で連続的にKV気流粉砕機11(躍進機械社製ミクロジェット)に投入し、粉砕した。この際の米供給速度は5kg/分、粉砕機10の主軸の回転速度は2,950rpmとした。
(7)このようにして製造された生新粉は、KV気流粉砕機11の発生風圧と、粉捕集用サイクロン12の後方にある吸引ファン13による吸引力とにより、粉捕集用サイクロン12に充填された。
(8)生新粉約5gを三方弁14にてサンプリングし(図1中、B)、残部は袋A乃至Aに約20kgずつ充填した。
(9)サンプリングした米粉の品温を測定すると共に、下記の方法で水分含有率を測定した。その結果は、表1に示すとおりであった。また、袋A乃至Aの各々を、3乃至7℃の冷蔵庫に保存した。
(10)使用した井水の水温、回転式スパイラル・ドラム4におけるドラム回転速度等の諸条件を表1に示すように変更した以外は、同様にして、全部で4種類の生新粉を製造した。
(米の水分含有率の測定方法)
(1)測定対象が米の場合は、米20〜30gをミル・ミキサーで30秒間粉砕し、米粉とする。
(2)米粉約5gを精秤し(xg)、試料皿に載せる。
(3)試料皿上の米粉を、赤外線含水率測定機にて、130℃で17分間、加熱乾燥させる。
(4)乾燥後の試料重量を精秤し(yg)、下記式にしたがって水分含有率を算出する:
水分含有率(%)=100(x−y)/x
Figure 0003943577
生新粉の一般生菌数、カビ・酵母の数の測定
実施例1にて製造した4種類の生新粉について、製造直後、製造後13日目、26日目及び54日目(保存条件:冷蔵)に、下記の方法で、一般生菌数とカビ・酵母の数の測定を行った。結果は表2に示す。
(一般生菌数の測定方法)
食品衛生検査指針に基づき、以下の方法で一般生菌数の測定を行った。
(1)米粉10gを滅菌リン酸緩衝生理食塩水90mlに加え、常温にてストマッカーで30秒間振とうする。
(2)振とう後の生理食塩水(以下、「原液試料」ということがある)1mlをとり、適宜希釈する(10倍希釈、100倍希釈等)。
(3)原液試料又は希釈した試料1mlを、滅菌したペトリ皿(蓋付き)に入れ、次いで、予め高圧滅菌後45乃至50℃に保温しておいた標準寒天培地15乃至20mlを、無菌的にペトリ皿に注ぎ入れ、試料と混合させる。
(4)標準寒天培地が完全に凝固したら、ペトリ皿を倒置し、35±1℃にて48±3時間培養する。
(5)一平板に30乃至300個の集落があるもの(原液試料又はx倍に希釈した試料を使用したもの)について、集落数を数え、それが希釈した試料を使用したものである場合には、その数に希釈倍率を乗じて集落数とする。3検体の集落数の平均値を求める。
(カビ・酵母の数の測定方法)
(1)一般生菌数の測定方法の工程(1)及び(2)と同様に、原液試料及び希釈した試料を調製する。
(2)原液試料又は希釈した試料1mlを、滅菌したペトリ皿(蓋付き)に入れる。一試料につき、3検体の試験を行う。
(3)予め滅菌し、その後45乃至50℃に保温しておいたポテト・デキストロース寒天培地15乃至20mlを、試料の入ったペトリ皿に無菌的に注ぎ入れ、試料と混合させる。
(4)ポテト・デキストロース寒天培地が完全に凝固したら、ペトリ皿を倒置し、23±2℃にて5日間(120時間)培養する。
(5)一平板に10乃至100個の集落があるもの(原液試料又はx倍に希釈した試料を使用したもの)について、集落数を数え、それが希釈した試料を使用したものである場合には、その数に希釈倍率を乗じて集落数とする。3検体の集落数の平均値を求める。
Figure 0003943577
表1及び表2から明らかなように、粳米の水漬工程を、ドラム4の回転速度を15秒/回転(ドラム通過時間:約4分30秒)又は11秒/回転(ドラム通過時間:約3分18秒)として実行して製造した生新粉は、製造直後及び冷蔵保存後の一般生菌数及びカビ・酵母の数が少なかった(但し、粳米の水漬工程を、ドラム回転速度を11秒/回転として実行して製造した生新粉の冷蔵保存26日後における一般生菌数を除く)。
生新粉の製造及び保存と、一般生菌数、カビ・酵母の数の測定
実施例1と同様の方法により、但し、使用した井水の水温等の諸条件は表3に示すとおりとして、全部で4種類の生新粉を製造した。
三段ベルト6の下段ベルトから落下させたところでサンプリングした米の水分含有率と、製造、即ち粉砕直後の生新粉の水分含有率を、実施例1に記載の方法で測定した。結果を表3に示す。
また、製造された生新粉の粒度を、JIS Z8801−1(2000)に規定されている標準篩を用いて測定した。その結果を表4に示す。
さらに、製造直後と、製造後13日目及び21日目(保存条件:冷蔵)に、実施例2に記載の方法で生新粉の一般生菌数及びカビ・酵母の数を測定した。その結果を表5に示す。
Figure 0003943577
Figure 0003943577
Figure 0003943577
表3及び表5から明らかなように、粳米の水漬工程を、ドラム4の回転速度を15秒/回転(ドラム通過時間:約4分30秒)又は11秒/回転(ドラム通過時間:約3分18秒)として実行して製造した生新粉は、製造直後及び冷蔵保存後の一般生菌数及びカビ・酵母の数が少なかった
生新粉と水からなる生地を捏ねて蒸したもののテクスチャーの測定
実施例3で製造し、38日間冷蔵又は冷凍保存された生新粉を用い、粉対水=10:7(重量比)で混合し、捏ね、100℃にて25分間蒸し、その後40回手で捏ね、生地を調製した。この生地を、テクスチュロメーター(米国ゼネラルフーズ社製)での測定に供し、付着性、凝集性、硬さ、粘り及び角度を算出した。結果を表6に示す。なお、表6中のテクスチャーの定義は、次のとおりである。
付着性: 試料の表面と他の物体(舌、歯、口腔)の表面とを付着させている引力に打ち勝って庁舎を引き離すのに必要な力。
凝集性: 食品の形態を形成している内部結合力の大きさを表す。
硬さ: 付着力が最大の時に、物質を変形するのに必要な力の最大値。
粘り: 付着力の最大値
Figure 0003943577
表6から明らかなように、付着性、凝集性、硬さ及び粘りに関し、生新粉調製時の水漬条件(回転ドラムの回転速度)、ひいては生新粉の水分含有率と、相関があることがわかった。このテクスチャーの観点からは、水分含有率の高い生新粉が好ましい。
なお、従来の粳米粉を用いた場合のテクスチャーの一例を示すと、付着性は3.6BU程度、凝集性は0.9BU程度、硬さは1.7kg程度、粘りは0.7kg程度、角度は120程度である。
また、保存条件(冷蔵か冷凍か)や使用時の品温によるテクスチャーの差異は、明確ではなかった。しかし、手捏ねは、冷凍保存品の方が容易であった。
生新粉の製造及び保存と、一般生菌数、カビ・酵母の数の測定
実施例1と同様の方法により、但し、使用した井水の水温等の諸条件は、表7示すとおりとして、2種類の生新粉を製造した。
三段ベルト6の下段ベルトから落下させたところでサンプリングした米の水分含有率と、製造直後の生新粉の水分含有率を、実施例1に記載の方法で測定した。結果を表7に示す。
また、製造された生新粉の粒度を、JISZ8801−1(2000)の標準篩を用いて測した。その結果を表8に示す。
さらに、製造直後と、製造後14日目及び30日目(保存条件:冷蔵、冷凍)に、実施例2に記載の方法で生新粉の一般生菌数及びカビ・酵母の数を測定した。その結果を表9に示す。
Figure 0003943577
Figure 0003943577
Figure 0003943577
表7及び表9から明らかなように、粳米の水漬工程を、ドラム4の回転速度を14秒/回転(ドラム通過時間:約4分12秒)又は10秒/回転(ドラム通過時間:約3分)として実行して製造した生新粉は、製造直後及び冷蔵保存後の一般生菌数及びカビ・酵母の数が少なかった(但し、粳米の水漬工程を、ドラム回転速度を10秒/回転として実行して製造した生新粉の冷蔵保存14日後における一般生菌数及びカビ・酵母の数を除く)。
生新粉と水からなる生地を捏ねて蒸したもののテクスチャーの測定
実施例5で製造し、16日間冷蔵又は冷凍保存された生新粉を用い、粉対水=10:7(重量比)で混合し、捏ね、100℃にて25分間蒸し、その後40回手で捏ね、生地を調製した。この生地を、テクスチュロメーター(米国ゼネラルフーズ社製)での測定に供し、付着性、凝集性、硬さ、粘り及び角度を算出した。結果を表10に示す。
Figure 0003943577
表10から明らかなように、今回実施したような生新粉調製時の水漬条件(回転ドラムの回転速度が14秒/回転又は10秒/回転)においては、テクスチャーに大きな差は見られなかった。しかし、従来の生新粉を用いた場合と比べると、いずれの項目も小さい値であった。
また、保存条件(冷蔵か冷凍か)による差異も、明確ではなかった。
本発明の生新粉の一般生菌数、カビ・酵母の数、耐熱性菌数、大腸菌群の数及びセレウス菌の数の測定
実施例1と同様の方法により、但し、使用した井水の水温等の諸条件は、表11に示すとおりとして、1種類の生新粉を製造した。
三段ベルト6の下段ベルトから落下させたところでサンプリングした米の水分含有率と、製造直後の生新粉の水分含有率を、実施例1に記載の方法で測定した。結果を表11に示す。
また、製造直後と、製造後2ヶ月後及び7ヶ月後(保存条件:冷蔵)に、実施例2に記載の方法で生新粉の一般生菌数及びカビ・酵母の数を測定した。その結果を表12に示す。
さらに、製造直後と、製造後2ヶ月後及び7ヶ月後(保存条件:冷蔵)に、以下の方法で、耐熱性菌、大腸菌群及びセレウス菌の検査も行った。その結果を表12に示す。
(耐熱性菌の検査方法)
(1)米粉10gを滅菌蒸留水90mlに加え、常温にてストマッカーで30秒間振とうする。
(2)振とう後の蒸留水(以下、「原液試料」ということがある)1mlをとり、適宜希釈する(10倍希釈、100倍希釈等)。
(3)原液試料又は希釈した試料5mlを、滅菌した試験管に入れ、滅菌したシリコーン栓で蓋をする。
(4)沸騰水の入ったビーカーに(3)の試験管を入れ、10分間加熱する。
(5)以下、一般生菌数の測定方法の工程(3)乃至(5)を行う。
(大腸菌群の検査方法)
(1)一般生菌数の測定方法の工程(1)及び(2)と同様に、原液試料及び希釈した試料を調製する。
(2)原液試料又は希釈した試料1mlを、滅菌したペトリ皿(蓋付き)に入れる。
(3)予め滅菌し、その後45乃至50℃に保温しておいたデソキシコーレート寒天培地10乃至15mlを、試料の入ったペトリ皿に無菌的に注ぎ入れ、試料と混合させる。
(4)デソキシコーレート寒天培地が完全に凝固したら、更に同培地10mlを加え、重層する。
(5)重層した培地が完全に凝固したら、ペトリ皿を倒置し、35±1℃にて20±2時間培養する。
(6)一平板に30乃至300個の集落があるもの(原液試料又はx倍に希釈した試料を使用したもの)について、集落数を数え、それが希釈した試料を使用したものである場合には、その数に希釈倍率を乗じて集落数とする。3検体の集落数の平均値を求める。
(セレウス菌の検査方法)
(1)一般生菌数の測定方法の工程(1)及び(2)と同様に、原液試料及び希釈した試料を調製する。
(2)滅菌したペトリ皿(蓋付き)内に、NGKG培地を平板状に凝固させておく。
(3)NGKG平板培地に、原液試料又は希釈した試料0.1mlを塗抹する。
(4)ペトリ皿を倒置し、32乃至35℃にて18乃至24時間培養する。
(5)発育した集落中、卵黄反応(+)、マンニット分解(−)、灰白色ワックス状又は粗造が確認されるという3条件を充足するものをセレウス菌の集落とし、それらの集落数を数え、それが希釈した試料を使用したものである場合には、その数に希釈倍率を乗じて集落数とする。3検体の集落数の平均値を求める。
Figure 0003943577
Figure 0003943577
表11及び表12から明らかなように、粳米の水漬工程を、ドラム回転駆動装置3のドラム回転速度を11秒/回転(ドラム通過時間:約3分18秒)として実行して製造された生新粉は、製造直後及び長期冷蔵保存後の一般生菌数及びカビ・酵母の数が少なかった。また、耐熱性菌、大腸菌群及びセレウス菌に関しては、製造直後も長期保存後も、陰性であった。
以下の方法で、4種類の米粉を使用して団子(たれなし)を製造し、6名のパネラーによる食味試験を行った。
(使用した米粉)
表1に示された、水分含有率が、24.2重量%のもの(a)、22.9重量%のもの(b)、17.9重量%のもの(c)、及び市販の上新粉(d)(水分含有率:11.8重量%)を使用した。
(団子の製造方法)
(1)米粉と水とを計量する。この際、水の量は、米粉に含有されている水分も含めて、全量(米粉+水)中の70重量%となる量とする。
(2)ボウルに水と米粉とを入れ、よく混練する。
(3)蒸し器に濡れ布巾を敷き、(1)の種を小さくちぎって並べ、強めの蒸気で約40分間蒸す。
(4)蒸し上がった生地を、熱いうちによく捏ねる。
(5)生地を10g前後に分割して丸める。
(食味試験方法)
6名のパネラー各々が、各団子について、食味を5点法で採点した。5点が最もよく、1点が最も悪い。
結果を表13に示す。
Figure 0003943577
表13から明らかなように、米粉の水分含有率と団子の食味との間に相関があり、水分含有率の高い米粉を使用するほど、食味について高い評価が得られた。
製造方法に係る本件発明を実施するための装置の一例を示す模式的線図である。
符号の説明
1a 原料タンク
1b パイプ
2 加水槽
3 モーター
4 回転式スパイラル・ドラム
5 ワイヤー・メッシュ・ベルト
6 三段ベルト
7 圧送用リング・ブロー
8 含水米捕集用サイクロン
9 含水米用タンク
10 定量供給装置
11 KV気流粉砕機
12 粉捕集用サイクロン
13 吸引ファン
14 三方弁

Claims (7)

  1. 米を水に浸漬し、水切りし、エージングさせて米の水分含有率を23.5重量%乃至26.5重量%とする工程(a)と、工程(a)を経た含水、未粉砕米を気流粉砕機にて粉砕し、得られる米粉の水分含有率を16.0重量%乃至23.5重量%とする工程(b)と、得られた米粉をその使用直前まで冷蔵又は冷凍する工程(c)とを含む、米粉の製造及び保存方法。
  2. 工程(a)で得られる米の水分含有率が25.1重量%乃至26.0重量%であり、工程(b)で得られる米粉の水分含有率が19.5重量%乃至22.8重量%である、請求項に記載の米粉の製造及び保存方法。
  3. 工程(b)における粉砕が、JIS Z8801−1(2000)に規定されている標準篩を使用して測定したときに、200メッシュ通過が60乃至70%であるという粒度の米粉を提供する粉砕である、請求項1又は2に記載の米粉の製造及び保存方法
  4. 工程(c)が、米粉を、その製造後30日間以上冷蔵する工程である、請求項乃至のいずれか一項に記載の米粉の製造及び保存方法。
  5. 工程(c)が、米粉を、その製造後20日間以上冷凍する工程である、請求項乃至のいずれか一項に記載の米粉の製造及び保存方法。
  6. 工程(a)を連続法で行う、請求項乃至のいずれか一項に記載の米粉の製造及び保存方法。
  7. 工程(a)が、(a−1)米及び水を水槽に注入して米/水混合物を得、(a−2)得られた米/水混合物を、横置きされた回転式スパイラル・ドラム内を当該ドラムをその円周方向に回転させつつ通過させ、(a−3)(a−1)及び(a−2)工程を経た含水した米をワイヤー・メッシュ・ベルトで移動させ、次いで、(a−4)(a−3)工程を経た含水した米を反転式多段ベルトで移動させることを含み、工程(b)が、(b−1)含水した米を空気圧送すること及び(b−2)気流粉砕機で粉砕することを含む、請求項乃至のいずれか一項に記載の米粉の製造及び保存方法。
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