JP3942687B2 - 透明キャリアテープに好適な樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は透明性、剛性、耐衝撃性のバランスに優れ、且つ耐折り曲げ性に優れた透明キャリアテープに好適な新規なスチレン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からIC、LSIその他の電子部品を電子機器に実装するためのキャリアテープは塩化ビニル樹脂、ポリスチレン系樹脂などで成形されている。
【0003】
透明キャリアテープはその使用形態から透明性、剛性、耐衝撃性、耐折り曲げ性などのバランスが必要とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
塩化ビニル樹脂はこのいずれの性能にも優れているが塩化ビニル樹脂で成形したキャリアテープは使用後の廃棄物としての焼却処理の際、有害な塩素系のガスを発生し地球環境に悪影響を与える。また従来のポリスチレン系樹脂で成形したキャリアテープは剛性、耐衝撃性には優れているものの透明性、耐折り曲げ性では満足できるものではなかった。
【0005】
そこで従来のポリスチレン系樹脂製キャリアテープの持つ優れた剛性、耐衝撃性を維持しつつ透明性、耐折り曲げ性を大幅に改良した透明キャリアテープに好適な新規なスチレン系樹脂組成物を提供することが本発明の課題である。
【0006】
従来からポリスチレン系樹脂の物性を改良する方法が考案されている。
【0007】
特公昭60−10052によれば耐衝撃性は著しく改良される。透明性は改良されているがなお満足のいくものではない。特公昭62−31017によれば耐衝撃性はある程度改良されるが透明性を大幅に犠牲にしている。特公平3−12098では折り曲げ特性を改良しているがなお不十分である。
【0008】
近年電子機器の生産速度に合わせキャリアテープによる実装スピードは益々速くなっており、従来のポリスチレン系樹脂製のキャリアテープでは折り曲げ破断のトラブルを起こしがちである。また従来のポリスチレン系樹脂製のキャリアテープの透明性では中の状態がよく確認できない事があり透明性の改良が望まれている。このため従来のポリスチレン系樹脂製キャリアテープより透明性、耐折り曲げ性の優れたキャリアテープの出現が待たれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこの要求に応えるべく検討を進め、特定範囲のビニル芳香族炭化水素を含むビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体樹脂、ビニル芳香族炭化水素−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン樹脂よりなる組成物及びその組成範囲内で特定範囲のビニル芳香族炭化水素を含むビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体エラストマーを特定配合割合で加えた樹脂組成物がこの要求に合致することを見いだし本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は
[1](a)ビニル芳香族炭化水素含有量60重量%以上90重量%以下のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体樹脂、(b)ビニル芳香族炭化水素−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂及び(c)ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とからなる樹脂組成物であり、(a)が20重量部以上50重量部以下、(b)が40重量部以上70重量部以下、(c)が3重量部以上30重量部以下の配合割合でなり、必要に応じてさらに(d)ビニル芳香族炭化水素含有量50重量%以下のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体エラストマーを含むスチレン系樹脂組成物からなる透明キャリアテープ。
[2](a)ビニル芳香族炭化水素含有量60重量%以上90重量%以下のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体樹脂、(b)ビニル芳香族炭化水素−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂及び(c)ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂、(d)ビニル芳香族炭化水素含有量50重量%以下のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体エラストマーからなる樹脂組成物であり、(a)が20重量部以上50重量部以下、(b)が40重量部以上70重量部以下、(c)が3重量部以上30重量部以下、(d)が0.1重量部以上5重量部以下の配合割合でなるスチレン系樹脂組成物からなる透明キャリアテープ。
[3](a)成分のメルトフローインデックスが0.1〜50g/10minであることを特徴とする前記[1]または[2]に記載のスチレン系樹脂組成物からなる透明キャリアテープ。
[4](b)成分中のアクリル酸n−ブチル単位の含有量が10〜20重量%であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物からなる透明キャリアテープ。
[5](c)成分のゴム変性耐衝撃性ポリスチレンのゴム粒子の平均粒子径が1.5μm以上5.0μm以下であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物からなる透明キャリアテープ。
に関する。
【0011】
(a)成分がこの範囲にあるのは20重量部未満では十分な耐衝撃性を得られず50重量部を超えると十分な剛性が得られないためである。(b)成分がこの範囲にあるのは40重量部未満では十分な剛性が得られず70重量部を超えると十分な耐衝撃性が得られないためである。(c)成分がこの範囲にあるのは3重量部未満では十分な折り曲げ特性が得られず30重量部を超えると十分な透明性が得られないためである。(d)成分をこの範囲で添加するのは組成物の透明性を損なわずにより柔軟性を与え良好な耐折り曲げ性を得るためである。
【0012】
本発明で用いる(a)成分のブロック共重合体は、ポリマー構造が、
A−(B−A)n、B−(A−B)n−A、B−(A−B)n+1、
(上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体ブロックであり、AブロックとBブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。nは1以上の整数、一般的には1〜5である。)で表される線状ブロック共重合体、あるいは一般式
[(A−B)k]m+2−X、[(A−B)k−A]m+2−X
[(B−A)k]m+2−X、[(B−A)k−B]m+2−X
〔上式において、A、Bは前記と同じであり、k及びmは1以上の整数、一般的には1〜5である。Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、1,3ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどのカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。〕で表されるラジアルブロック共重合体、あるいはこれらのブロック共重合体の任意のポリマー構造の混合物が使用できる。
【0013】
ここでビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックとはビニル芳香族炭化水素を50重量%以上含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロック及び/又はビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックを示し、共役ジエンを主体とする重合体ブロックとは共役ジエンを50重量%を超える量で含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素共重合体ブロック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックを示す。
【0014】
ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックあるいは共役ジエンを主体とする重合体ブロック中にビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのランダム共重合体部分が存在する場合、共重合されているビニル芳香族炭化水素は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また、該共重合部分はビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分が複数個共存してもよい。
【0015】
本発明に用いられるビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1ジフェニルエチレンなどがあるが、特に好ましくはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0016】
共役ジエンとしては、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとしては1,3ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0017】
本発明で用いる(a)成分のビニル芳香族炭化水素含有量は60重量%以上90重量%以下であるが好ましい範囲はは65重量%以上85重量%以下である。ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量がこの範囲にあるのは60重量%未満では樹脂組成物成型品の透明性及び剛性が劣り、90重量%を超えると耐衝撃性が低下するからである。
【0018】
本発明で用いる(a)成分の分子量は、重合に使用する触媒量により任意に調整できるが成形加工性の点から、メルトフローインデックス(JIS K6870により測定。条件はG条件で温度200℃、荷重5kgf)が0.1〜50g/10min、好ましくは1〜20g/10minである。
【0019】
本発明で用いる(b)成分のビニル芳香族炭化水素−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を構成する単量体には以下のものを挙げることが出来る。ビニル芳香族炭化水素は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどであり、(メタ)アクリル酸エステルは、メタクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、n−ブチルエステル、i−ブチルエステル、tert−ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、n−ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステルなどの(メタ)アクリル酸と炭素数1〜8のアルコールとのエステルである。これらのうち好ましいのはアクリル酸n−ブチルエステルである。
【0020】
(b)成分中のアクリル酸n−ブチル単位の含有量は最終組成物の透明性、剛性を発現させるため10〜20重量%が好ましい。(b)成分には0.1〜2重量%の他の単量体単位を含んでいてもよい。
【0021】
本発明の(c)成分のゴム変性耐衝撃性ポリスチレンはブタジエン系ゴム状重合体をスチレンに溶解した後、スチレンの重合を開始し、ゴム状重合体にスチレンがグラフト重合する条件下で重合を行ったものであり、グラフトされたゴム状重合体が形成するゴム粒子の平均粒子径は1.5μm以上5.0μm以下のものが好ましく、1.8μm以上4.0μm以下のものが更に好ましい。
【0022】
ここでいう平均粒子径とはゴム変性耐衝撃性ポリスチレンの超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真を撮影し、写真中のゴム粒子500個の粒子径を測定して、次式により算出したものである。
【0023】
平均粒子径=ΣniDi4/ΣniDi3
(ここでniはゴム粒子の長径がDiである粒子の個数である)
これらのゴム粒子はその内部にポリスチレンを内蔵した、いわゆるサラミ構造のものや、コア・シェル構造のものを言う。
【0024】
平均粒子径がこの範囲にあるのは1.5μ未満では最終組成物の耐衝撃性改良効果が小さく、5.0μを超えると透明性を著しく悪化させるためである。
【0025】
本発明の(d)成分中のビニル芳香族炭化水素含有量がこの範囲にあるのは透明性を損なわずに耐衝撃性と耐折り曲げ性を有効に発現させるためである。
【0026】
本発明の組成物には以上に述べた(a)、(b)、(c)、(d)成分の他、本発明の目的を逸脱しない範囲で(d)成分以外の熱可塑性エラストマーその他のポリマー、酸化防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、流動性改良剤、着色剤その他の添加剤を用いることが出来る。
【0027】
本発明の処方による樹脂組成物は押出機等でシートを作成し、このシートを圧縮成型、真空成型、圧空成型その他の成型方法でエンボス加工を施し、内部に電子部品等を充填後カバーテープをヒートシール等の方法で接着してキャリアテープとして使用することが出来る。
【0028】
【実施例】
以下実施例によって更に詳しく述べるが本発明はこれらによって何ら制限を受けるものではない。
【0029】
樹脂組成物シートの特性測定は以下の方法にて実施した。透明性はJIS K7105−81のヘイズ値(単位%)を用いた。剛性はASTM D638−91により引張弾性率を用いた。耐衝撃性はASTM D1709−72のダート衝撃試験に依った。折り曲げ特性はASTM D2176に依り、荷重1.5kgf、回転速度175cpm、屈曲角度左右135度にて破断までの屈曲回数を用いた。
【0030】
実施例及び比較例における好適・不適の判定は透明性は日本電色工業株式会社製COLER AND COLOR DEFFERENCE METER Model 1001DPにて測定したヘイズ値7未満を好適とし○印を、7以上13未満に△を、13以上を不適とし×印を付した。剛性は新興通信工業株式会社製引張試験機 Model TCM−500Dにて測定した引張弾性率の値で15000kgf/cm2以上を好適とし○印を、10000kgf/cm2以上15000kgf/cm2未満に△を、10000kgf/cm2未満を不適とし×印を付した。耐衝撃性は株式会社東洋精機製作所製ダートインパクトテスターにて半径1/2インチの落錘を用いて測定し30kgf・cm以上を好適とし○印を、15kgf・cm以上30kgf・cm未満に△を、15kgf・cm未満を不適とし×印を付した。耐折り曲げ性は株式会社安田精機製のMIT耐折度試験機にて張力荷重1.5kgf下、破断までの屈曲回数500回以上を好適とし○印を、200回以上500回未満に△印を、200回未満を不適とし×印を付した。
【0031】
(a)成分の製造
表−1に(a)成分のブロック共重合体を示した。製造はシクロヘキサン溶媒中でn−ブチルリチウムを開始剤に用い、スチレン、スチレン・ブタジエン混合物、スチレンの順にモノマーのシクロヘキサン溶液を添加して重合し、メタノールで重合を停止したあと、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)−4−メチル−6−t−ブチルフェニルアクリレートとトリスノニルフェニルホスファイトをブロック共重合体100重量部に対しそれぞれ0.5部を安定剤として添加し、溶媒を留去して得た。なおブロック共重合体中のスチレン単位の含有量(重量%)はブロック共重合体をオスミウム酸で分解した後、メタノールに再沈殿して測定した。メルトフローレート(MI)はG条件で測定した。
【0032】
【表1】
【0033】
(b)成分の製造
表−2に(b)成分の共重合体を示した。製造は攪拌機付きオートクレーブにスチレンとアクリル酸n−ブチルの混合液を5kg添加し、同時にエチルベンゼン0.3kg、MI(G)を調整するため、1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンを所定量仕込み、110℃で2時間、130℃で3時間、150℃で2時間重合後、押出機で未反応スチレン、アクリル酸n−ブチル、エチルベンゼンを除いて得た。
【0034】
【表2】
【0035】
(c)成分としては下記のものを用いた。
【0036】
(c)成分の製造
表−3に(c)成分の耐衝撃性ポリスチレンを示した。製造はスチレン・ブタジエンゴムをスチレンに溶解し、これに有機過酸化物触媒とシクロヘキサンを加え撹拌機付きオートクレープで重合を行い、シクロヘキサン及び未反応スチレンを除いて得た。
【0037】
(d)成分の製造
(a)成分の製造と同様の方法でビニル芳香族炭化水素含有量40重量%のブロック共重合体エラストマーを得た。
【0038】
【表3】
【0039】
(実施例−1〜3)
(a)/(b)/(c)の配合割合が30重量部/55重量部/15重量部で表−4に示すように(a)成分をa−2、a−3、a−4として、(b)成分をb−3、(c)成分をc−3として3成分のポリマーを混合して40mm単軸押出機でペレタイズをし、40mmシート押出機にて厚さ0.3mmの樹脂組成物のシートを作成し、このシートより試験片を作成し、物性測定に供した。測定値を表−5に示す。
【0040】
(比較例−1〜2)
(a)成分をa−1、a−5とした以外は実施例−1〜3と同様にシートより試験片を作成し、物性測定を行った。測定値を表−5に示す。
【0041】
(実施例−4〜5)
(a)成分をa−3、(c)成分をc−3とし、(b)成分をb−2、b−4とした以外は実施例−2と同様にシートより試験片を作成し、物性測定を行った。測定値を表−5に示す。
【0042】
(実施例−6〜7)
(b)成分をb−1、b−5とした以外は実施例−4と同様にシートより試験片を作成し、物性測定を行った。測定値を表−5に示す。
【0043】
(実施例−8〜9)
(c)成分をc−2、c−4とした以外は実施例−2と同様にシートより試験片を作成し、物性測定を行った。測定値を表−5に示す。
【0044】
(実施例−10〜11)
(c)成分をc−1、c−5とした以外は実施例−6と同様にシートより試験片を作成し、物性測定を行った。測定値を表−5に示す。
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
(実施例−12〜19、比較例3〜6)
(a)成分としてa−3、(b)成分としてb−3、(c)成分としてc−3を用い(a)/(b)/(c)各成分を表−6に示す配合割合にした以外は実施例−2と同様の方法でシートより試験片を作成し、物性測定を行った。測定値を表−7に示す。
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
(比較例−7)
(a)成分としてa−3、(b)成分に代えてメルトフローレート5g/10minのポリスチレンを用い、(c)成分としてc−3を用いてそれぞれの配合割合を30/55/15として実施例−2と同様の方法でシートより試験片を作成し、物性測定を行った。測定値を表−8に示す。
【0051】
(比較例−8)
(a)成分、ポリスチレン、(c)成分の配合割合を30/67/3にした以外は比較例−7と同様の方法でシートより試験片を作成し、物性測定を行った。測定値を表−8に示す。
【0052】
(実施例−20)
(a)成分としてa−3、(b)成分としてb−3、(c)成分としてc−3を用い、ビニル芳香族炭化水素含有量40重量%のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体エラストマー〔(d)成分〕を添加して、それぞれの配合割合を30/54/15/1として実施例−2と同様の方法でシートより試験片を作成し、物性測定を行った。測定値を表−8に示す。
【0053】
(実施例−21)
(a)、(b)、(c)、(d)成分の配合割合を30/52/15/3にした以外は実施例−20と同様の方法でシートより試験片を作成し、物性測定を行った。測定値を表−8に示す。
【0054】
(実施例−22)
(b)成分として市販のスチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(新日鐵化学株式会社製、商品名「エスチレンMS−200」)を用いた他は実施例−2と同様にシートより試験片を作成し、物性測定を行った。測定値を表−8に示す。
【0055】
【表8】
【0056】
実施例−1〜22で得られたシートを設定温度400℃で3秒間予熱し、30℃の金型で真空成型して得られた幅10mmのキャリアテープ状の成型物は比較例−7、8で得られた成型物より透明性が良く、手で折り曲げても切断しなかった。
【0057】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物よりなるキャリアテープは従来のポリスチレン系樹脂製キャリアテープに比べ透明性、剛性、耐衝撃性のバランスが良く、且つ耐折り曲げ性の優れたものである。
Claims (5)
- (a)ビニル芳香族炭化水素含有量60重量%以上90重量%以下のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体樹脂、(b)ビニル芳香族炭化水素−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂及び(c)ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂とからなる樹脂組成物であり、(a)が20重量部以上50重量部以下、(b)が40重量部以上70重量部以下、(c)が3重量部以上30重量部以下の配合割合でなり、必要に応じてさらに(d)ビニル芳香族炭化水素含有量50重量%以下のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体エラストマーを含むスチレン系樹脂組成物からなる透明キャリアテープ。
- (a)ビニル芳香族炭化水素含有量60重量%以上90重量%以下のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体樹脂、(b)ビニル芳香族炭化水素−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂及び(c)ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂、(d)ビニル芳香族炭化水素含有量50重量%以下のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体エラストマーからなる樹脂組成物であり、(a)が20重量部以上50重量部以下、(b)が40重量部以上70重量部以下、(c)が3重量部以上30重量部以下、(d)が0.1重量部以上5重量部以下の配合割合でなるスチレン系樹脂組成物からなる透明キャリアテープ。
- (a)成分のメルトフローインデックスが0.1〜50g/10minであることを特徴とする請求項1または2に記載のスチレン系樹脂組成物からなる透明キャリアテープ。
- (b)成分中のアクリル酸n−ブチル単位の含有量が10〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物からなる透明キャリアテープ。
- (c)成分のゴム変性耐衝撃性ポリスチレンのゴム粒子の平均粒子径が1.5μm以上5.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスチレン系樹脂組成物からなる透明キャリアテープ。
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