JP3942231B2 - 射出成形用金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子を精度良く生産することが可能な射出成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の鏡面入子を型組みし、鏡面同士の角度を設定して特定の角度を有する光学素子を射出成形する金型としては、図6に示すように、固定スリーブ70に対して当接可能な可動スリーブ71に矩形孔72を形成し、可動側のキャビティ73を形成する鏡面74,75を有する金型駒76,77を、金型駒76,77の当て付け面78,79を当て付けた状態で矩形孔72に挿入して構成されている。当て付け面78および当て付け面79は鏡面74および鏡面75とそれぞれ特定の角度をなして作製されており、当て付け面78,79同士を当て付けることにより鏡面74,75のなす角度が所望の角度になるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術によると、成形の際にキャビティ内に溶融樹脂が充填されると、溶融樹脂圧力により金型駒同士を当て付けている面に隙間を生じ、その隙間に溶融樹脂が入り込んでしまうため、成形品にバリが発生してしまう。
【0004】
上記従来技術の問題点に鑑み本発明は、バリの発生を防ぐことができる射出成形用金型を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成した。本発明に係る射出成形用金型は、複数の鏡面入子を当て付けてキャビティの一部を形成する光学素子の射出成形金型において、前記複数の鏡面入子の一方の鏡面入子の面であって鏡面入子同士の当て付け面に対向する側面に当接するクサビ状部材と、前記クサビ状部材を前記一方の鏡面入子の側面に対して平行に移動させる締め付け手段と、前記複数の鏡面入子及び前記クサビ状部材が挿入される矩形孔が形成されたスリーブと、を備え、前記スリーブは、前記複数の鏡面入子の他方の鏡面入子の面であって鏡面入子同士の当て付け面に対向する側面、及び前記クサビ状部材の前記一方の鏡面入子に当接する面と対向する側面に当接するように構成した。
【0006】
また、上記発明の射出成形用金型においては、前記締め付け手段は、前記クサビ状部材の内部に連通して前記一方の鏡面入子の側面に対して平行に設けられる構成としてもよい。
【0007】
また、上記発明の射出成形用金型においては、前記クサビ状部材は、前記クサビ状部材の内部に連通して前記一方の鏡面入子の側面に対して平行に形成された穴を有し、前記スリーブは、前記穴に対応する位置に設けられたネジ穴を有し、
前記締め付け手段は、前記穴に挿入されて前記ネジ穴へねじ込まれるボルトである構成としてもよい。
【0008】
本発明に係る請求項1記載の射出成形用金型にあっては、締め付け手段の締め付け力により、クサビ状部材がスリーブの矩形孔の側面に密着し、鏡面入子同士の当て付け面に対して直角な押圧力を付与して両鏡面入子の当て付け面を密着させる。さらに、締め付け手段が作用させうる締め付け力を調整することにより、鏡面入子同士の当て付け面に対する押圧力は、溶融樹脂がキャビティに充填される時の樹脂圧力よりも大きく設定可能となっている。これにより、射出充填時においても鏡面入子の当て付け面同士は密着状態を保ち、バリのない所望の形状の成形品が得られる。
【0009】
また、本発明に係る請求項2記載の射出成形用金型にあっては、クサビ状部材の内部に連通して一方の鏡面入子の側面に対して平行に設けられた締め付け手段の締め付け力により、クサビ状部材がスリーブの矩形孔の側面に密着し、鏡面入子同士の当て付け面に対して直角な押圧力を付与して両鏡面入子の当て付け面を密着させる。これにより、パーティング面を開くだけで、締め付け力を変更して押圧力の調整を行うことが可能である。
【0010】
さらに、本発明に係る請求項3記載の射出成形用金型にあっては、ボルトが、クサビ状部材の内部に連通して一方の鏡面入子の側面に対して平行に形成された穴に挿入され、スリーブに設けられたネジ穴にねじ込まれる。ここで、ボルトの締め付け力により、クサビ状部材がスリーブの矩形孔の側面に密着し、鏡面入子同士の当て付け面に対して直角な押圧力を付与して両鏡面入子の当て付け面を密着させる。これにより、ボルトの締め付け力を変更することにより、鏡面入子同士の当て付け面に対する押圧力の調整を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
参考例1]
参考例1を図1および図2に基づいて説明する。図1および図2は本参考例1の射出成形用金型を示し、図1は断面図、図2は射出成形用金型のキャビティ付近を示す拡大断面図である。
【0012】
図1に示す通り、本射出成形用金型は固定型1と可動型2とからなり、固定型1に固定スリーブ3が挿入されるとともに、可動型2に可動スリーブ4が挿入されている。固定スリーブ3と可動スリーブ4は対応する位置に配置されており、型締め時に当接するようになっている。可動スリーブ4には固定スリーブ3との当接面に開口した矩形孔5が設けられており、この矩形孔5はその側面が可動スリーブ4の当接面に直角、すなわちパーティングライン6に対して直角に形成されている。矩形孔5内には鏡面入子としての金型駒8と金型駒9が矩形孔5の側面および底面に密着するように挿入されており、型閉じ時に固定スリーブ3とで溶融樹脂を充填するキャビティ7を形成する。キャビティ7には、溶融樹脂の湯口となるスプル10およびランナー11が連通されている。
【0013】
上記金型駒8は、図2に示す通り、上端面に固定スリーブ3との当接面12が形成されるとともに、この当接面12から鏡面13が所定の角度を有して平面状に形成され、キャビティ壁の一部を形成している。鏡面13の下側は金型駒9との当て付け面14となっている。一方、金型駒9は上端面に固定スリーブ3との当接面15が形成されるとともに、この当接面15から鏡面16が所定の角度を有して形成され、キャビティ壁の一部を形成している。また、金型駒9には金型駒8の当て付け面14と密着する当て付け面17が鏡面16に対して正確な角度をなして形成されている。これにより、当て付け面14,17を密着させて金型駒8,9を当て付けることにより、可動側のキャビティ面を形成する鏡面13,16が正確な所望の角度aを形成するようになっている。
【0014】
また、金型駒9には、深ザクリ穴18が当て付け面17に対し直角に設けられている。この深ザグリ穴18は一端が当て付け面17に開口されるとともに、他端は逃げ穴19に連通されている。逃げ穴19は当て付け面17と反対側の面すなわち矩形孔5の側面と接する面に開口されている。一方、金型駒8には、深ザグリ穴18と対応する位置にネジ穴20が当て付け面14に対して直角に設けられており、逃げ穴19から深ザグリ穴18にボルト21を挿入し、ボルト21の先端をネジ穴20にねじ込むとともに、ボルト21の頭部を逃げ穴19の底面に係止することで、金型駒8と金型駒9とを密着させて所定の力で一体的に結合している。この金型駒8,9はボルト21により結合された状態で可動スリーブ4の矩形孔5内に配置される。本参考例1では、深ザグリ穴18、逃げ穴19、ネジ穴20およびボルト21により押圧手段および締め付け手段を構成している。ここで、キャビティ7に溶融樹脂を充填するときに当て付け面14,17を開こうとする樹脂圧力が500〜1500Kgf/cm2 なので、金型8,9を互いに押圧結合する力が2000Kgf/cm2
となるようにボルト21の締め付け力が設定されている。以上の構成の射出成形用金型は射出成形機(図示省略)に取り付けられる。
【0015】
次に、参考例1に係る射出成形用金型の作用を説明する。図1に示す固定型1と可動型2との型締めが完了した後、射出成形機から溶融樹脂をスプル10、ランナー11を通ってキャビティ7内に射出する。射出された溶融樹脂はキャビティ7内を徐々に充填していき、金型駒8の鏡面13と金型駒9の鏡面16との合わせ部にも充填作用を及ぼすことになる。このとき、充填された溶融樹脂の樹脂圧力により金型駒8,9も鏡面13,16と垂直方向に圧力を受け、当て付け面14,17を開く方向に力が加わる。しかし、金型駒8,9同士はボルト21により締め付けられ、当て付け面14,17を開く方向に作用する力よりも大きな押圧結合力が当て付け面14,17を密着させる方向に作用しているため、金型駒8,9の当て付け面14,17は密着状態を保つ。これにより、金型駒8,9の当て付け面14,17の間に溶融樹脂が入り込むのを防ぎ、バリの発生を防止する。
【0016】
参考例 1によれば、キャビティ7への溶融樹脂射出時においても、ボルト21の締め付け力により、金型駒8,9同士の当て付け面14,17を密着した状態を保つことができるので、当て付け面14,17の間に溶融樹脂が入り込まず、バリのない成形品を得ることができる。
【0017】
参考例2]
参考例2を図3に基づいて説明する。図3は参考例2に係る射出成形用金型のキャビティ付近を示す拡大断面図である。本参考例2の射出成形用金型は、金型駒の形状および押圧手段のみが参考例1の金型駒8,9および押圧手段(ボルト21等)と異なるので、参考例1と同一部分には同一番号を付し、以下、異なる部分のみを説明する。
【0018】
図3に示す通り、鏡面入子としての金型駒30には、上端面に形成した固定スリーブ3との当接面32から鏡面33が所定の角度を有して形成され、キャビティ壁の一部を形成するとともに、この鏡面33に対して所定の角度をなし且つ金型駒底面34に対して直角な当て付け面35が鏡面33と接して形成されている。また、鏡面入子としての金型駒31は金型駒30と同一形状に形成されており、当接面36および鏡面37が当て付け面38を中心にして金型駒30とは対称位置に設けられている。金型駒30,31は当て付け面35,38同士を当て付け、鏡面33,37を向かい合わせる形にして矩形孔5内に挿入されている。金型駒底面34と金型駒底面41(金型駒31の底面)とは互いに平面に形成され、矩形孔底面42に密着した状態で配置されている。矩形孔底面42は平面に形成されているので、当て付け面35,38同士が正確に全面で密着している。これにより、可動側のキャビティ面を形成する鏡面33と鏡面37のなす角は所望する正確な角度が形成されるようになっている。金型駒30の側面39(以下、金型駒側面39という)と矩形孔側面40との間には間隔を設けており、この間隔には、押圧手段としての弾性部材43が当て付け面35,38と対応する位置に配置されている。弾性部材43は、金型駒30を金型駒31の方向に押し付ける弾性回復力が当て付け面35,38に対して直角方向に常時作用するように圧縮した状態で設けられており、この弾性回復力により当て付け面35,38同士を密着させているとともに、金型駒31の側面を矩形孔5の側面に密着さた状態で配置される。このとき、弾性部材43が当て付け面35,38に及ぼす弾性回復力は、キャビティ7に溶融樹脂を充填するときに、当て付け面35,38を開こうとする樹脂圧力が500〜1500Kgf/cm2 なので、上記樹脂圧力よりも大きい2000Kgf/cm2 となるように弾性部材43の撓み量(圧縮量)が設定されている。
【0019】
次に、参考例2に係る射出成形用金型の作用を説明する。固定型1と可動型2の型締めが完了した後、参考例1と同様に、射出成形機から射出された溶融樹脂がキャビティ7内に充填される際、樹脂圧力により当て付け面35,38を開く方向に力が加わる。このとき、この力よりも大きな力が弾性部材43の弾性回復力により当て付け面14,17を密着させる方向に作用しているため、金型駒30,31の当て付け面35,38は密着状態を保つ。これにより、金型駒30,31の当て付け面35,38の間に溶融樹脂が入り込むのを防ぎ、バリの発生を防止する。
【0020】
参考例2によれば、キャビティ7への溶融樹脂射出時に、弾性部材43の弾性回復力により、金型駒30,31同士の当て付け面35,38を密着した状態に保つことができるので、当て付け面35,38の間に溶融樹脂が入り込まず、バリのない成形品を得ることができる。
【0021】
[実施の形態
本発明の実施の形態を図4および図5に基づいて説明する。図4は本実施の形態に係る射出成形用金型のキャビティ付近を示す拡大断面図、図5はクサビを示す断面図である。本実施の形態の射出成形用金型は、可動スリーブに設けた矩形孔の形状および押圧手段のみが、参考例2の矩形孔5および押圧手段(弾性部材43)と異なるので、参考例2と同一部分には同一番号を付し、以下、異なる部分のみを説明する。
【0022】
図4に示す通り可動スリーブ4には、金型駒30,31を参考例2と同様に配置する矩形孔50が形成されている。金型駒30の金型駒側面39に対向して形成された矩形孔50の矩形孔側面51は、矩形孔底面52に対して91°〜93°の角度bを設けて形成されており、矩形孔底面52に対して直角に形成した金型駒側面39と矩形孔側面51との間隔が、矩形孔50の開口側ほど広くなっている。
【0023】
金型駒側面39と矩形孔側面51との間には、クサビ53が金型駒側面39および矩形孔側面51と接するように挿入されている。クサビ53は、図5に示すように、上面54と下面55が平行に形成されており、クサビを挿入した際、上面54はパーティングライン6(図4参照)より突出せず、下面55は矩形孔底面52に当接しない形状に形成されている。このクサビ53は、金型駒30の金型駒側面39と接する金型駒30側の側面56(以下、金型駒側クサビ側面56という)が上下面54,55と直角に形成されるとともに、金型駒側クサビ側面56の反対側側面57(以下、矩形孔側クサビ側面57という)は下面55に対して前記角度bと同じ大きさで矩形孔側面51と同じ方向に傾斜して形成され、クサビ53を金型駒側面39と矩形孔側面51との間に挿入した際、金型駒側クサビ側面56と金型駒側面39および矩形孔側クサビ側面57と矩形孔側面51が面接触するようになっている。
【0024】
クサビ53内には、上下面54,55に対して直角な深ザグリ穴58が形成されている。深ザグリ穴58は一端が下面55に開口されるとともに、他端は上面54に開口した逃げ穴59に連通している。一方、矩形孔底面52には、金型駒側面39と矩形孔側面51との間にクサビ53を挿入した際、深ザグリ穴58と対応する位置に、ネジ穴60が矩形孔底面52に対して直角に設けられている。このクサビ53は、逃げ穴59から深ザグリ穴58にボルト61を挿入し、ネジ穴60へのボルト61のねじ込み量を調節することにより、ネジ穴60に設けた逃げ穴62を介し可動スリーブ4に対して型開閉方向へ摺動自在に連結されている。深ザグリ穴58はボルト61より大径に形成されるとともに、逃げ穴59はボルト61の頭部より大径に形成され、ボルト61をねじ込んだ際にクサビ53が金型駒30の方向へ移動可能となっている。これにより、ボルト61の頭部を逃げ穴59に係止した状態でボルト61をネジ穴21にねじ込むことにより、矩形孔側クサビ側面57と矩形孔側面51が密着し、金型駒側クサビ側面56と金型駒側面39が正確に密着するようになっている。本実施の形態では、深ザグリ穴58、逃げ穴59、ネジ穴60およびボルト61により押圧手段を構成している。このとき、クサビ53が当て付け面35,38に及ぼす圧力は、キャビティ7に溶融樹脂を充填するときの当て付け面35,38を開く方向に作用する樹脂圧力が500〜1500Kgf/cm2 なので、上記樹脂圧力よりも大きい2000Kgf/cm2 となるようにボルト61の締め付け量が設定されている。
【0025】
次に、実施の形態に係る射出成形用金型の作用を説明する。ボルト61を締め付けるとクサビ53は矩形孔底面52側に移動し、金型駒30を金型駒31の方向に押圧することで、金型駒30,31の当て付け面35,38同士が密着するように押圧される。さらに、ボルト61の締め付け力を増していくと、徐々に当て付け面35,38間の押圧力が増していくため、その押圧力はボルト締め付け力により調整可能にできる。このとき、樹脂射出時の樹脂圧力より大きな力で当て付け面35,38同士を押圧するように、ボルト61の締め付け力を調整することにより、参考例2と同様の作用により、当て付け面35,38の間に溶融樹脂が入り込むのを防ぎ、バリの発生を防止する。
【0026】
本実施の形態によれば、キャビティ7への溶融樹脂射出時に、クサビ53の押圧により、金型駒30,31同士の当て付け面35,38を密着した状態に保つことができるので、当て付け面35,38の間に溶融樹脂が入り込まず、バリのない成形品を得ることができる。また、射出成形用金型を分解することなく、すなわち金型駒30,31を矩形孔50から取り出すことなく、パーティング面を開くだけでボルト61の締め付け力を変更して押圧力の調整を行うことが可能であるので、比較的短時間で型組を行うことができ、生産性の向上を図ることができる。
【0027】
なお、前記発明の詳細な説明には、以下の構成の発明が含まれている。
(付記)
(1)複数の鏡面入子を当て付けてキャビティの一部を形成する光学素子の射出成形金型において、当て付け合う鏡面入子の一方に対して直角に締め付け力を付与する締め付け部材を設け、他方の鏡面入子に締め付け部材との係合部を設けたことを特徴する射出成形用金型。
【0028】
(2)複数の鏡面入子を当て付けてキャビティの一部を形成する光学素子の射出成形金型において、当て付け合う鏡面入子の一方の鏡面入子の側面に当接するクサビ状部材を設け、クサビ状部材を鏡面入子の側面に対して平行に移動させる締め付け部材を設けたことを特徴する射出成形用金型。
【0029】
付記(1)の射出成形用金型によれば、締め付け部材を係合部に係合し、当て付け面に対して直角な締め付け力で両鏡面入子の当て付け面を密着させ、バリのない成形品を得ることができる。
【0030】
付記(2)の射出成形用金型によれば、クサビ状部材を移動し、当て付け面に対して直角な押圧力を付与して両鏡面入子の当て付け面を密着させ、バリのない成形品をえることができる。さらに、クサビ状部材の移動量により押圧力の調整が行え、キャビティに充填する樹脂圧力に応じて当て付け面を密着させる押圧力を調整することができる。
【発明の効果】
【0031】
求項1の発明によれば、樹脂射出時においても当て付け面同士を密着した状態に維持でき、バリの発生を防ぐことができる。
【0032】
また、請求項2の発明によれば、鏡面入子をスリーブの矩形孔から取り出すことなく、鏡面入子同士の当て付け面に対する押圧力の調整を行い、樹脂射出時においても当て付け面同士を密着した状態に維持でき、バリの発生を防ぐことができる。
【0033】
さらに、請求項3の発明によれば、鏡面入子をスリーブの矩形孔から取り出すことなく、ボルトの締め付け力を変更することにより、鏡面入子同士の当て付け面に対する押圧力の調整を行い、樹脂射出時においても当て付け面同士を密着した状態に維持でき、バリの発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例1を示す断面図である。
【図2】本発明の参考例1のキャビティ付近を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の参考例2のキャビティ付近を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の形態のキャビティ付近を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の実施の形態のクサビを示す拡大断面図である。
【図6】従来技術を示す断面図である。
【符号の説明】
1 固定型
2 可動型
3 固定スリーブ
4 可動スリーブ
5,50 矩形孔
7 キャビティ
8,9,30,31 金型駒
13,16,33,37 鏡面
14,17,35,38 当て付け面
18,58 深ザグリ穴
19,59,62 逃げ穴
20,60 ネジ穴
21,61 ボルト
43 弾性部材
53 クサビ

Claims (3)

  1. 複数の鏡面入子を当て付けてキャビティの一部を形成する光学素子の射出成形金型において、
    前記複数の鏡面入子の一方の鏡面入子の面であって鏡面入子同士の当て付け面に対向する側面に当接するクサビ状部材と、
    前記クサビ状部材を前記一方の鏡面入子の側面に対して平行に移動させる締め付け手段と、
    前記複数の鏡面入子及び前記クサビ状部材が挿入される矩形孔が形成されたスリーブと、
    を備え、
    前記スリーブは、前記複数の鏡面入子の他方の鏡面入子の面であって鏡面入子同士の当て付け面に対向する側面、及び前記クサビ状部材の前記一方の鏡面入子に当接する面と対向する側面に当接することを特徴とする射出成形用金型。
  2. 前記締め付け手段は、前記クサビ状部材の内部に連通して前記一方の鏡面入子の側面に対して平行に設けられることを特徴とする請求項1記載の射出成形用金型。
  3. 前記クサビ状部材は、前記クサビ状部材の内部に連通して前記一方の鏡面入子の側面に対して平行に形成された穴を有し、
    前記スリーブは、前記穴に対応する位置に設けられたネジ穴を有し、
    前記締め付け手段は、前記穴に挿入されて前記ネジ穴へねじ込まれるボルトであることを特徴とする請求項2に記載の射出成形用金型。
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