以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、コードレス電話装置(子機1b,1c)と親機1aとが無線通信により接続されている電話装置1の外観斜視図である。
親機1aは、電話回線26を介して接続される相手先装置との間で、電話動作、ファクシミリ動作や電子メールの送受信を行う通信装置である。親機1aは、また、電話回線26を介して接続される発呼された相手先装置(以後「発呼先装置」と称す)からの入来メッセージを記憶し、記憶した入来メッセージをその出力要求に応じて出力するように構成されている。
この親機1aの本体2の側部には、受話器3が取り付けられている。受話器3は、非通話時には本体2に設けられた図示しないフック上に置かれ、通話時にはフックから取り上げられて使用される。前者をオンフック状態、後者をオフフック状態と称している。
本体2の上面前部には、数値や文字などを入力する入力キーやコマンドを入力するコマンド入力キーなどの複数のキーを備えた操作パネル4が設けられている。この操作パネル4の左端部にはコマンド入力キーの一つである親機1aと発呼先装置との接続を保留状態にする保留キー4aと、子機1b,1cと内線を行うために操作される内線キー4cとが設けられ、操作パネル4の中央部には、液晶表示器(以後「LCD」と称す)5が設けられている。このLCD5は、コマンド入力キーやテンキー4b等のキー操作による操作状況及び操作手順や親機1aにより実行される処理、親機1a又は子機1b,1cと電話回線26を介して接続されている相手側装置との通信状態を表示する表示器であり、タッチパネルで構成されている。
操作パネル4及びLCD5の後部には原稿挿入口6が設けられている。ファクシミリ送信される原稿は、この原稿挿入口6に原稿面を下向きにして挿入され、読み取りが行われた後に、本体2の前面であって操作パネル4の下方に設けられた原稿排出口7から排出される。原稿挿入口6の後部には記録紙ホルダ装着部9が設けられており、この記録紙ホルダ装着部9には、複数枚の記録紙を積層収納可能な記録紙ホルダ10が着脱可能に取り付けられている。記録紙ホルダ10から供給され印刷に使用された記録紙は、原稿排出口7の下方に設けられた記録紙排出口8から排出される。
また、本体2には、子機1b,1cと各種信号やデータの送受信を行うための接続手段としてアンテナ18(図2参照)が内蔵されている。親機1aは、このアンテナ18を介して、子機1b,1cと無線通信により接続される。親機1aと子機1b,1cとの間で送受信されるデータの媒体としては、電波が用いられる。なお、親機1aと子機1b,1cとの接続は、必ずしも無線通信に限られるものではなく、ケーブルなどを介して接続することもできる。
このアンテナ18を介して親機1aと無線により接続されている子機1b,1cは、親機1aとの間でデータの送受信を行うためのアンテナ33(図2参照)を備えた通信装置であり、この子機1b,1cは、操作パネル37とLCD38とを備えている。操作パネル37の中央部には、数値や文字などを入力する複数のテンキー37aが設けられている。テンキー37aの上方には、電話回線26の閉結を実行するための外線キー44と、子機1b,1c間の内線通話の送話モードと受話モードとを切り替える通話切替キー45と、内線通話を切断すると共に電話回線26の開放を実行する切断キー46とが設けられている。尚、内線通話は、送話状態と受話状態とを通話切替キー45を操作することにより通話切り換えを行うトランシーバ通話である。さらに、テンキー37aの下方には、後述するタイムアウト報知音の音量を調整するための左カーソルキー60と右カーソルキー61と、内線通話を開始する内線キー62と、発呼先装置との接続を保留状態にする保留キー(図示せず)とが設けられている。LCD38は、子機1b,1cに設けられた各種キー操作による操作状況及び操作手順や、親機1aとの接続状態、電話回線26を介して接続されている相手側装置との通信状態などを表示する表示器である。
子機1b,1cの筐体の下方には、音声信号(使用者の発話)を電気信号に変換するマイク35が設けられ、また子機1b,1cの筐体の上方には電気信号を音声信号に変換するスピーカ36が設けられている。これにより子機1b,1cは、子機1b,1c間又は、親機1a、電話回線26を介して発呼先装置と通話ができるように構成されている。
上記のように構成された子機1b,1cは、充電台50に着脱可能に設置されている。子機1b,1cは、充電台に設置された状態で、コネクタ49(図2参照)を介して充電台50に接続される。また、子機1b,1cは、コネクタ49により充電台に接続されるとオンフック状態となる。充電台50から取り上げられる(コネクタ49が充電台から外れる)ことによりオフフック状態となる。つまり、子機1b,1cが充電台50から取り上げられると、回線閉結状態が形成されるのである。
充電台50は、接続された子機1b,1cを所定の電圧で充電するものである。この充電台50は、図示しない外部電源に接続されており、外部電源から供給された電源を子機1b,1cに供給している。
図2は、親機1aおよび子機1b,1cの電気的構成を示したブロック図である。親機1aには、CPU11、ROM12、RAM13、音声LSI17、ネットワーク・コントロール・ユニット(以後「NCU」と称す)19、インターフェイス51、モデム20、バッファ21、スキャナ22、符号化部23、復号化部24、プリンタ25、操作パネル4、LCD5およびアンプ27が設けられ、これらはバスライン29を介して互いに接続されている。
NCU19は回線制御を行うためのものであり、親機1aはこのNCU19を介して電話回線26に接続されている。NCU19は、交換機から送信される呼出信号や各種信号を受信するとともに、操作パネル4上又は操作パネル37上の入力キーの操作に応じた発信時のダイヤル信号を交換機へ送信したり、電話回線26の閉結時において、アナログ音声信号の送受信などのデータ通信を行うものである。また、NCU19は受話器3と接続されている。
CPU11は、NCU19を介して送受信される各種信号に従って、バスライン29により接続された各部を制御し、ファクシミリ動作や電話動作などのデータ通信を実行するものである。ROM12は、この親機1aで実行される制御プログラム等を格納した書換不能なメモリである。この制御プログラムにより、親機1aで実行されるファクシミリ動作や電話動作が実行される。
RAM13は、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、留守番電話メモリ13aと、ポーリング監視タイマ13bとを備えている。留守番電話メモリ13aは、発呼先装置から送信された入来メッセージを記憶するためのメモリである。電話回線26を介して送信される入来メッセージはアナログ音声信号であるので、後述の音声LSI17によりデジタル音声信号に変換されて留守番電話メモリ13aに記憶される。尚、記憶される入来メッセージには、その受信時間が付加され、受信時間と共にこの留守番電話メモリ13aに記憶される。尚、留守番電話メモリ13aに記憶された入来メッセージは、所定の操作が実行されることにより消去される。
ポーリング監視タイマ13bは、後述する親機1a側のCPU11によって実行される送話権ポーリング親子間接続状況監視処理において、両子機1b,1cの操作状況を監視するタイマであり、両子機1b,1cが操作されていない状態で所定時間毎にカウントアップされた値が記憶され、子機1b,1cのどちらか一方が操作されるとその値はリセットされる。
また、このRAM13の所定のエリアには、復号化されたファクシミリデータが一時的に記憶される。記憶されたファクシミリデータは、その後、プリンタ25に出力される。出力されたファクシミリデータは、プリンタ25によって記録紙に印刷された後に、RAM13から消去される。ファクシミリデータが画像データである場合、一般に、そのデータ量は大容量であるが、ファクシミリデータが印刷されることを条件にそのファクシミリデータを消去しているので、RAM13を有効に使用することができる。
音声LSI17は、NCU19によって受信されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換すると共に、この親機1aの内部で生成されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換してNCU19に出力するものである。また、留守番電話メモリ13aに記憶される入来メッセージの出力(再生)時には、音声LSI17は、留守番電話メモリ13aに記憶されるデジタル化された入来メッセージ(音声信号)をアナログ音声信号に変換する。アナログ変換された入来メッセージは、親機1aのスピーカ28或いは子機1b,1cのスピーカ36から出力される。
インターフェイス51は、異なる装置間でのデータ通信における接点の規定であり、各装置を接続するための電気的規格である。インターフェイス51は子機1b,1cとの間でデータの送受信を行うためのものであり、親機1aから子機1b,1cへ送信される各種信号は、このインターフェイス51に接続されるアンテナ18を介して送信され、一方、子機1b,1cから親機1aへ送信される各種信号は、アンテナ18に受信された後、インターフェイス51を介してCPU11に入力される。
モデム20は、画像データや電子メールデータの変調および復調を実行するものであると共に、伝送制御用の各種手順信号を送受信するものである。バッファ21は、他のファクシミリ装置との間で送受信される符号化されたファクシミリデータやスキャナ22により読み取られた原稿の画像データを一時的に格納するものである。
スキャナ22は原稿挿入口6に挿入された原稿の画像を読み取るためのものであり、符号化部23はスキャナ22により読み取られた原稿画像の符号化を行うものである。復号化部24は、バッファ21に記憶された受信したファクシミリデータを読み出して、これを復号化するものであり、復号化されたデータは、RAM13に一旦記憶された後、プリンタ25により記録用紙に順次印刷される。
操作パネル4は、上記したように使用者がこの親機1aの設定等の各種の操作を行うためのものである。アンプ27は、そのアンプ27に接続されたスピーカ28を鳴動して、呼出音や音声メッセージである入来メッセージなどを出力するためのものである。
次に、子機1b,1cにおける電気的構成について子機1bを用いて説明する。尚、子機1cは、子機1bと同様に構成されるのでその説明は省略する。子機1bは、CPU30、ROM31、RAM32、EEPROM39、インターフェイス34、操作パネル37、LCD38が設けられ、これらは互いに接続されている。
CPU30は、使用者により入力された信号や、インターフェイス34を介して親機1aから送信される各種信号などに従って各部を制御し、電話動作や内線電話動作などを実行するものである。ROM31は、この子機1bで実行される制御プログラム等を格納した書換不能なメモリである。RAM32は、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。
EEPROM39は、書換可能な不揮発性のメモリであり、このEEPROM39へ記憶されたデータは電源オフ後も保持される。このEEPROM39は、使用者によって設定或いは登録される各種のデータや設定値を不揮発に記憶しておくために設けられており、音量カウンタ39aを備えている。音量カウンタ39aは、子機1bの呼出音及び、後述する親機1aと発呼先装置との接続が所定時間以上保留状態であることを報知する報知音の音量の値を記憶するためのカウンタである。なお、呼出音と報知音とは異なる音で構成されており、報知音はブザー音である。
アンテナ33は、子機1bと親機1aとの間でのデータの送受信を行うものであり、インターフェイス34、マイク35、スピーカ36と接続されている。親機1aから送信されたアナログ音声信号は、アンテナ33に受信された後、スピーカ36に出力され、マイク35から入力されたアナログ音声信号(使用者の発話)は、アンテナ33から親機1aへ送信される。
インターフェイス34は、異なる装置間でのデータ通信における接点の規定であり、各装置を接続するための電気的規格である。インターフェイス34は親機1aとの間でデータの送受信を行うためのものであり、子機1bから親機1aへと送信される各種信号は、このインターフェイス34からアンテナ33を介して送信され、一方、親機1aから子機1bへ送信される各種信号は、アンテナ33に受信された後、インターフェイス34を介してCPU30に入力される。
この子機1bは、コネクタ49を介して充電台50と接続されるように構成されている。そして、コネクタ49で充電台50と接続されることにより、子機1bは、外部電源からの電源供給を受ける。供給された電源は、コネクタ49を経由して子機1bに内蔵される電源ユニット48へ供給される。電源ユニット48には2次電池が備えられており、供給された電源により該2次電池は充電される。子機1bは、この電源ユニット48から電源供給を受けるので、充電台50から取り上げて操作する場合においても、(電源ユニットに備えられた2次電池により)電源が保証される。
このコネクタ49と充電台50との接続状態をCPU30は監視しており、CPU30は、コネクタ49が充電台50から外れたことを認識した場合には電話回線26を閉結状態にする(オフフック状態)。一方、脱着していたコネクタ49が充電台50に装着されたことを認識した場合には、CPU30は、電話回線26を開放状態にする(オンフック状態)。
ここで、親機1aと発呼先装置との接続を保留状態として、子機1b,1c間で親機1aを介して行われる内線通話について説明する。電話回線26を介して親機1aと発呼先装置とが接続された状態で、保留キー4aが操作されると、親機と発呼先装置との接続が保留状態となる。その後内線キー4cを操作して呼び出したい子機に対応した番号をテンキー4bで操作する。子機1bを呼び出したいときにはテンキー4bの「1」を操作し、子機1cを呼び出したいときにはテンキー4bの「2」を操作する。ここでは、子機1bが呼び出された場合を説明する。なお、子機1b,1cにも内線キー62は設けられており、親機1aを呼び出したいときにはテンキー37aの「0」を操作することにより呼び出しが行える。
呼び出された子機1bは、呼出音が鳴動されると共にLCD38に親機1aからの内線であることが表示され、ユーザーは、親機1aからの内線であることを認識できる。その後、子機1bを充電台50から外すこととにより親機1aと通話可能となる。
親機1aと子機1bとの内線通話が終わり、子機1b,1c間の内線通話を行う場合には、通話切替キー45を操作し子機1cを呼び出す。この時子機1cは呼び出し音が鳴動すると共にLCD38に子機1bからの内線電話であることが表示される。子機1cが充電台50から外されると、子機1bと内線通話することができる。なお、子機1b,1c間の内線通話はトランシーバ通話で行われるため、一方の子機で通話切替キー45を操作して送話状態を維持している間は送話することができ、他方の子機は受話することしかできない。子機1cから送話する場合には、子機1cの通話切替キー45を操作して子機1cから送話することができる。子機1b,1c間の内線通話は、お互いに送話と受話とが切り替えられて交互に通話が行われる。
なお、子機1b,1c間の内線通話が終わり、どちらか一方の子機で外線と接続する場合には、外線キー44を操作して発呼先装置と外線キー44が操作された子機とが親機1aを介して接続され、通話可能となる。
次に、図3と図4を参照して、上記のように構成された電話装置1の子機1b,1cの状態が遷移するのを監視する処理について説明する。図3は、親機1aのCPU11において実行される送話権ポーリング親子間接続状況監視処理(以後「親機側監視処理」と略す)を示すフローチャートであり、図4は、子機1b,1cのCPU30で実行される送話権ポーリング親子間接続状況監視処理(以後「子機側監視処理」と略す)を示すフローチャートである。
尚、本実施例では、発呼先装置から呼出があった場合に、子機1bのユーザーがこの呼出に応答し、子機1cのユーザーを呼び出すために、この発呼先装置との接続を保留状態にした後、子機1b,1cの間で内線通話が行われる場合を例として説明する。この場合、子機1bのユーザーが発呼先装置との接続に対して保留キーを操作すると言った所定の保留操作を行っているため、保留指示が親機1aに対して送信され、親機1aと発呼先装置との接続が保留状態となっている。そして、この状態で、子機1bのユーザーが子機1cとの内線通話を開始するために内線キー62を操作することで、親機側監視処理及び子機側監視処理が実行される。
親機側監視処理が実行されると、ポーリング監視タイマ13bをカウントアップをする(S10)。ポーリング監視タイマ13bは、子機1b,1cで内線キー62が操作され子機1b,1c間で内線通話が開始されてからの経過時間を監視するためのタイマであり、所定時間が経過する毎に1ずつカウントアップされ、RAM13に記憶される。
S10の処理によりポーリング監視タイマ13bのカウントアップが開始されると、子機1b,1cからコマンドを受信したか確認され(S11)、子機1b,1cからコマンドの受信があったら(S11:Yes)、S12の処理へ進む。S12以降の処理は、子機1b,1cから送信されるコマンドを判別する処理であり、そのコマンドは、子機側監視処理によって送信が指示される。以下に子機側監視処理について説明するが、子機1b,1cは同じ子機側監視処理が実行されるため、子機1bにおいて実行される子機側監視処理を説明し、子機1cについてはその説明を省略する。
図4に示した子機側監視処理が子機1bにおいて実行されると、まず、タイムアウトタイマをリセットする(S40)。タイムアウトタイマは、子機1bが操作されない時間を計測するタイマであり、何らかのキーが操作されるとタイムアウトタイマがリセットされ、再度「0」から加算して計測される。
S40の処理において、タイムアウトタイマがリセットされると、親機1aからコマンドを受信したか確認され(S41)、親機1aからコマンドの受信がなければ(S41:No)、その親機1aからの電波が途絶えたか否かが確認される(S42)。子機1bが通話圏外となったり、親機1aと子機1bとの接続が解除されている状態では、親機1aからの電波が途絶えるので(S42:Yes)、親子間の接続状態の監視処理が行えないため子機1bを待機状態に遷移させる(S43)。待機状態とは、子機1b,1cで何らかの操作がされるまで待機している状態である。
S42の処理において確認した結果、子機1bが親機1aとコマンドの送受信が行える状態であれば(S42:No)、キー入力があったか否かが確認され(S44)、キー入力があった場合には(S44:Yes)、子機1bが操作されたのでタイムアウトタイマをリセットする(S45)。
S45の処理においてタイムアウトタイマがリセットされたら、どのキーが入力されたかを判別する。子機1bにおいて切断キー46が押された場合(S46:Yes)、切断キー46は、電話回線26を介して接続されている発呼先装置と子機とが通話を行った場合に、その通話を終了して電話回線26を切断する際に操作されるキーであり、通話終了(回線切断)を要求するための「終了要求コマンド」を親機1aに送信し(S47)、通話切替キー45が押された場合(S48:Yes)、通話切替キー45は、内線通話において送話状態を選択するために操作されるキーであり、送話状態を要求するための「送話権要求コマンド」を親機1aに送信する(S49)。また、子機1bにおいて、左カーソルキー60又は右カーソルキー61が押された場合(S50:Yes)、後述するタイムアウト報知音音量切替処理(S51)を実行する。また、外線キー44が押された場合(S52:Yes)、外線キー44は、親機1aの処理により発呼先装置との接続が保留状態とされている場合に、子機1bにおいて保留を解除して発呼先装置との通話を開始する際に操作されるキーであり、通話を要求するための「外線要求コマンド」を親機1aに送信する(S53)。その他のキーが操作された場合には(S46:No、S48:No、S50:No、S52:No)、子機1bの通話状態が変化するキー操作でないので、親機1aにコマンドを送信せずに、S41の処理へ戻る。
ここで、子機1bが子機1cに対して内線通話を希望して内線キー62を操作した場合、引き続き、子機1bのユーザーは通話を行うために通話切替キー45を操作する。これによりタイムアウトタイマがリセットされ、送話権要求コマンドが親機1aに送信されることになる。
図5を参照して、上述したS51で実行されるタイムアウト報知音音量切替処理(以後「音量切替処理」と略す)を説明する。この処理は、後述するタイムアウト報知処理において発音される報知音の音量を調整する処理である。図5は、子機1b,1cのCPU30において実行される音量切替処理を示したフローチャートである。
音量切替処理が実行されると、入力されたキーが左カーソルキー60か右カーソルキー61かが確認され(S70)、音量を小さくする左カーソルキー60であれば、EEPROM39に記憶された音量カウンタ39aの値が「0」か否かが確認され(S71)、音量カウンタ39aの値が「0」でなければ(S71:No)、音量カウンタ39aの値を「1」減算し(S72)、音量カウンタ39aの値が既に「0」であれば(S71:Yes)、それ以上音量を下げられないため、本処理ルーチンを終了して図4に示した子機側監視処理へ戻る。
また、S70の処理で確認した結果、入力されたキーが音量を大きくする右カーソルキー61であれば、音量カウンタ39aの値が最大音量値以上であるか否かが確認され(S73)、最大音量値より小さければ(S73:No)、音量カウンタ39aの値に「1」を加算し(S74)、最大音量値以上であれば(S73:Yes)、音量カウンタ39aの値を最大音量値に設定し(S75)、本処理ルーチンを終了して図4に示した子機側監視処理へ戻る。なお、S75の処理で最大音量値を設定しているのは、音量カウンタ39aの値が最大音量値を超えていた場合に、それ以上音量カウンタ39aの値が大きくなることを防止するために、S73の処理で最大音量値以上か確認し、S75の処理で最大音量値を設定している。
図4に示した子機側監視処理へ戻って説明する。S44の処理で確認した結果、キー入力が無く子機1bが何も操作されていない場合には(S44:No)、タイムアウトタイマの値が予め設定されたタイムアウト値より大きい値となったか否かが確認され(S54)、タイムアウト値に達していなければ(S54:No)、S41の処理へ戻り、タイムアウト値を超えていれば(S54:Yes)、子機1bにおいて何も操作がされていない状態が一定時間以上経過したと判断され、後述する報知処理(S69)を行うために「切断コマンド」を親機1aに送信する(S55)。これは、例えば、子機1bと子機1cとの間で内線通話を開始したにも関わらず、いずれの子機においても通話切替キー45や外線キー44といった操作がなく、何のキー操作もないまま放置され、タイムアウト値を超えた場合等が考えられる。
以上の子機側監視処理(S40〜S55)により子機1bからコマンドが送信され、その送信コマンドは、親機側監視処理のS12の処理以降で確認される。
ここで、図3に示した親機側監視処理に戻って説明する。図4に示した子機側監視処理において子機側から送信されたコマンドが「送話権要求コマンド」であれば(S12:Yes)、子機1b,1cのどちらの子機からのコマンドか確認され(S13)、子機1bからのコマンドであれば、子機1bのユーザーが送話状態を希望しているため、子機1bを送話モードに設定するためのコマンドを両子機1b,1cに送信し(S14)、子機1cからのコマンドであれば、子機1cのユーザーが送話状態を希望しているため、子機1cを送話モードに設定するためのコマンドを両子機1b,1cに送信し(S15)、内線通話モードへ遷移する(S16)。尚、内線通話モードとは、子機1b,1c間での音声の送信、受信を切り替えて行うモードである。
また、受信したコマンドが「終了要求コマンド」であれば(S12:No、S20:Yes)、子機が電話回線26を介して接続されている発呼先装置との接続を切断することを指示しているため、両子機1b,1cに対して「終了要求コマンド」に応答したことを示す「終了コマンド」を送信すると共に、発呼先装置との回線接続を切断して待機状態へ遷移する(S22)。受信したコマンドが「外線要求コマンド」であれば(S20:No、S23:Yes)、そのコマンドを送信してきた子機に対して「外線指示コマンド」を送信すると共に、発呼先装置との接続を行う。そして、残りの子機との接続を解除し(S24)、親機1aは外線通話モードへ遷移する(S25)。尚、外線通話モードとは、いずれかの子機で発呼先装置と通話するモードである。
S23の処理で確認した結果、受信したコマンドが「外線要求コマンド」でもなければ(S23:No)、子機1b,1cから「切断コマンド」を受信したか否かを確認し(S26)、受信したコマンドが切断コマンドでなければ(S26:No)、その他に受信したコマンドに対応した処理を実行し(S29)、S11の処理へ戻る。一方、S26の処理において確認した結果、「切断コマンド」を受信していれば(S26:Yes)、両子機1b,1cに「報知処理コマンド」を送信し(S27)、その後、両子機1b,1cを保留状態に遷移する(S28)。「報知処理コマンド」は、子機において音による報知を行うよう指示をするコマンドである。そのため、両子機1b,1cにおいて報知を行うため、一旦両子機1b,1cを保留状態とし、子機のLCD38に保留状態であることを表示し、親機側監視処理を終了する。
一方、S11の処理で確認された結果、子機1b,1cからコマンドの受信がない場合には(S11:No)、子機1b,1cからの電波がないか否かが確認され(S30)、電波無しであれば(S30:Yes)、子機1b,1cとの接続が解除されている状態なので、後述する子機1b,1cを再接続する処理を実行する(S31)。両子機1b,1cからの電波がない状態とは、子機が親機1aとの通信圏外となってコマンドの送受信が行えない状態等が考えられ、この場合は、再度接続状態に戻す必要があることから、後述する再接続処理を行う。この間、発呼先装置との通話はそのまま保留状態とされる。
S30の処理で確認した結果、子機1b,1cからの電波が有り親機1aと子機1b,1cとの接続が維持されていたら(S30:No)、ポーリング監視タイマ13bがオーバーフローしているか否かが確認され(S32)、ポーリング監視タイマ13bがオーバーフローしていなければ(S32:No)、両子機1b,1cの監視を継続するためS11の処理へ戻る。一方、S32の処理において確認した結果、ポーリング監視タイマ13bがオーバーフローしたと判断された場合(S32:Yes)、両子機1b,1cに対して「報知処理コマンド」を送信する(S33)。これは、例えば、子機1bが子機1cを呼び出し、内線通話を開始したにも関わらず、どちらの子機からも外線接続の指示がなく、外線保留状態が長くなっているような場合や、内線通話が長引いて外線保留状態が長くなっているような場合に、それを子機において報知させるためのコマンド処理である。子機側で実行される報知処理については後で詳述する。「報知処理コマンド」の送出後は、S11の処理へ戻る。
このように、親機1a側からは、子機側監視処理において子機側から送出されるコマンドに応答して、各種コマンドが子機に対して送出され、また、親機1aに備えられるポーリング監視タイマ13bのカウント状況に応じて「報知コマンド」が送出される。
ここで、図4に示した子機側監視処理に戻って説明する。親機側監視処理によって各種コマンドが両子機1b,1cに送信され、その親機1aからの各種コマンドを受信する子機1bの処理について以下に説明する。
S41の処理で確認した結果、親機1aからコマンドを受信すると(S41:Yes)、そのコマンドの種別が判断される。受信したコマンドが「終了コマンド」であれば(S60:Yes)、先の切断キー46の操作により子機側から送出した「終了要求コマンド」に親機1aが応答したと判断され、両子機1b,1cを待機状態へ遷移させ(S61)、「他局宛ての送話モードコマンド」であれば(S62:Yes)、内線通話を行う相手側の子機が通話(送話モード)を希望しており、本子機は音声を受け取る側に設定する必要があるため、受話モードに遷移させる(S63)。また、受信したコマンドが「自局宛ての送話モードコマンド」であれば(S64:Yes)、本子機からの内線通話(送話)が許可されることになるため、送話モードに遷移させる(S65)。受信したコマンドが「外線指示コマンド」であれば(S66:Yes)、先の外線キー44の操作により子機側から送出した「外線要求コマンド」に親機1aが応答したと判断され、電話回線26を介して接続されている発呼先装置と子機との通話を開始するために、子機を外線通話モードに遷移させる(S67)。また、「報知処理コマンド」を受信した場合は(S68:Yes)、後述する図6に示す報知処理を実行し(S69)、S41の処理へ戻る。また、その他のコマンドを受信した場合は、(S60:No、S62:No、S64:No、S66:No、S68:No)、特に処理を行わずにS41の処理へ戻る。
従って、例えば、子機1bから呼出を受けた子機1cのユーザーが、子機1bからの送話に応答するために通話切替キー45を操作すると、「送話権要求コマンド」が親機1aに送信され、これを受信した親機1aにおいて、子機1cからの要求であることが認識され、子機1cを送話モードに設定するためのコマンドが両子機1b,1cの送信され、子機1cからの送話が可能となる。また、そこで、子機1cのユーザーが保留中の発呼先装置との通話を希望する場合に外線キー44を操作すると、「外線要求コマンド」が親機1aに送信され、これを受信した親機1aにおいて、子機1cが外線接続を要求していることが認識され、親機1aから子機1cに対して「外線指示コマンド」が送信され、子機1cと発呼先装置との接続が行われる。また、内線キー62が操作されたにも関わらず、実際には内線通話が行われず、子機の操作が何も行われていないような場合、発呼先装置に対しての保留状態が長くなるが、報知処理が実行されることで、子機1b,1cのユーザーにその状態を報せることができる。
ここで、図6を参照して、S69の処理で実行される報知処理について説明する。図6は、子機1b,1cのCPU30において実行される報知処理を示したフローチャートである。報知処理は、親機1aの処理によりポーリング監視タイマ13aがオーバーフローした場合と、子機1b,1cの処理によりタイムアウトした場合とに実行される処理である。即ち、外線が保留された状態で、子機1b,1cの操作が所定時間行われていない場合に、ユーザーに電話回線26を介して発呼先装置と通話を行わせるための処理である。
S69の処理において報知処理の実行が指示されると、子機1b,1cのLEDを点灯させ(S140)、画面表示処理が実行される(S141)。このLEDは、各種キーを光らせる表示灯であり、少なくとも外線キー44を点灯させ、外線キー44を操作するよう示唆し、画面表示処理では、LCD38に保留状態が所定時間以上経過していることを示唆する表示を行うと共に外線キー44の操作を示唆する表示が行われる。そのため、ユーザーは、音による聴覚的な効果と表示による視覚的な効果とにより、外線が保留された状態であることを確実に認識することができる。
S140とS141の処理によりLEDの点灯とLCD38の画面による表示が行われると、音量カウンタ39aで設定された値に基づいて呼出音とは異なる報知音を鳴動し(S142)、発呼先装置と親機1aとの接続が保留状態であることをユーザーに報せてる。その後、ユーザーによりいずれかのキー操作が行われたか否かを確認し(S143)、いずれかのキー操作を行うまでS140〜S142の処理により音と表示とによる報知を繰り返し実行する(S143:No)。また、いずれかのキー操作が行われたら(S143:Yes)、そのキーが外線キー44の操作であるか否かが確認され(S144)、外線キー44でなければ(S144:No)、外線キー44の操作が行われるまで再度S140〜S142の処理により同様に報知が行われ、外線キー44が操作されたら(S144:Yes)、その子機1bと発呼先装置との通話を行うために、外線通話モードへ遷移して本処理ルーチンを終了する。尚、鳴動される報知音は、通常の呼出音とは異なるため、ユーザーは、内線通話の呼出であるか外線が保留状態であることを示唆する報知であるかを容易に判別することができる。
なお、報知処理が実行されると、外線キー44が操作されるまで、音と表示とによる報知を繰り返し行うため、外線キー44が操作されるまで報知が続けられる。そのため、この際に親機1aにおいて、タイムアウト処理として所定時間以上外線キー44が操作されない場合は、後述する図7に示したS105の処理と同様となる留守番電話処理が実行され、その留守番電話処理が実行される前に、S140〜S142による報知を止めると共に本処理ルーチンが終了する。
次に、図7及び図8を参照して、S31の処理で実行される両子機1b,1cを再接続する処理について説明する。図7は、親機1aのCPU11において実行される再接続処理を示したフローチャートであり、図8は、子機1b,1cのCPU30において実行される再接続処理を示したフローチャートである。
図7に示した親機1aの再接続処理が実行されると、両子機1b,1cへ「再接続コマンド」を送信し(S90)、両子機1b,1cと通話可能な通話チャンネルが有るか否かが確認され(S91)、通話可能な通話チャンネルが有った場合は(S91:Yes)、両子機1b,1cへ通話可能な通話チャンネルの指定として「通話チャンネル指定コマンド」を送信する(S92)。S92の処理を実行したら、後述する子機側からの「NAKコマンド」と「ACKコマンド」のどちらか一方を受信するまでS93とS94との処理を繰り返し実行する(S93:No、S94:No)。「NAKコマンド」を受信した場合は(S93:Yes)、「通話チャンネル指定コマンド」で指定した通話チャンネルが通話不可能と判断されるので、別の通話チャンネルを指定し(S95)、S91の処理へ戻り、通話可能な通話チャンネルが指定されるまで、異なる通話チャンネルを指定した「通話チャンネル指定コマンド」を繰り返し送信する。また、「ACKコマンド」を受信した場合には(S94:Yes)、指定した通話チャンネルが通話可能となるので、S96へ進み以降の処理を実行する。
一方、S91の処理で確認した結果、全ての通話チャンネルが通話不可能と判断されると(S91:No)、子機1b,1cとの接続ができないことになるので、発呼先装置にメッセージを流し発呼先装置からの入来メッセージを記録可能な状態に設定する留守番電話処理が実行され(S105)、その後所定時間が経過したら外線を遮断する(S106)。従って、電話回線26を介して接続された相手先は、留守番電話処理により必要な入来メッセージを記録することができ、保留状態が解除されるまで長い時間待つこともなく、再度電話回線26を介して接続し直すこともないので、相手先に不快感を与えることがない。
S96の処理では、通話可能となる通話チャンネルが指定されたので、両子機1b,1cをその通話チャンネルで接続するために、「通話チャンネル指定コマンド」の送信を停止し(S96)、どちらの子機で外線キー44が押されたかを確認する(S97、S100)。子機1bで外線キー44が押されて子機1bから「外線要求コマンド」を受信すると(S97:Yes)、子機1cとの接続を切断し(S98)、子機1bへ「外線指示コマンド」を送信し(S99)、子機1cから「外線要求コマンド」を受信すると(S100:Yes)、子機1bとの接続を切断し(S101)、子機1cへ「外線指示コマンド」を送信して(S102)、外線通話モードへ遷移する(S103)。
S96の処理によって「通話チャンネル指定コマンド」の送信を停止した後は、所定時間の間、子機1b,1cから「外線要求コマンド」を受信するまで待機し(S97:No、S100:No、S104:No)、所定時間経過しても「外線要求コマンド」が受信されなけらば(S104:Yes)、子機1b,1cによって外線との通話ができない状態となるので、上述した処理と同様に留守番電話処理を実行して(S105)、外線を遮断する(S106)。
次に、図8に示した子機1bで実行される再接続処理について説明する。再接続処置が実行されると、親機1aからコマンドを受信するまで待機し(S111:No)、親機1aからコマンドの受信が確認されると(S111:Yes)、そのコマンドが通話チャンネルが指定された「通話チャンネル指定コマンド」か確認され(S112)、「通話チャンネル指定コマンド」であれば(S112:Yes)、「通話チャンネル指定コマンド」で指定された通話チャンネルが使用可能であるか否かが判断され(S113)、通話不可能であれば(S113:No)、「NAKコマンド」を親機1aに送信し(S115)、使用可能であれば(S113:Yes)、「ACKコマンド」を親機1aへ送信して(S114)、S111の処理へ戻り、「通話チャンネル指定コマンド」の受信がなくなるまで(S112:No)、S111〜S115の処理を繰り返し実行する。尚、「NAKコマンド」と「ACKコマンド」とは、何かの処理を指示するためのコマンドではなく、親機1aから送信されるコマンドに応答して返信するためのコマンドである。
使用可能な通話チャンネルがあり「ACKコマンド」を親機1aに送信すると(S114)、S96の処理によって親機1aから「通話チャンネル指定コマンド」の送信が停止されるので(S112:No)、子機1bが「再接続コマンド」を受信したか否かが確認される(S116)。S116で確認した結果、「再接続コマンド」を受信していれば(S116:Yes)、タイムアウト報知処理が実行され(S117)、「再接続コマンド」を受信していなければ(S116:No)、親機1aから再接続処理の終了が指示されたことになるので、再接続処理を終了して、その他の処理を実行する(S121)。その他の処理としては、子機1b,1cが操作されて待機状態から状態が遷移するのを監視する処理などである。
ここで、図9を参照して、S117の処理において実行されるタイムアウト報知処理について説明する。図9は、子機1b,1cのCPU30において実行されるタイムアウト報知処理を示すフローチャートである。タイムアウト報知処理は、発呼先装置と親機1aとの接続が保留された状態で且つ子機1b,1cが所定時間以上操作されずに、且つ親機1aと子機1b,1cとが再接続された場合に子機1b,1cにおいて報知音が鳴動される処理である。
S117の処理においてタイムアウト報知処理の実行が指示されると、子機1b,1cのLEDを点灯させ(S130)、画面表示処理が実行される(S131)。このLEDとは、各種キーを光らせる表示灯であり、少なくとも外線キー44を点灯させ、外線キー44を操作するよう示唆し、画面表示処理では、LCD38に保留状態が所定時間以上経過していることを示唆する表示を行うと共に外線キー44を操作するよう示唆する表示が行われる。
S130とS131の処理によりLEDの点灯とLCD38の画面による表示が行われると、音量カウンタ39aで設定された値に基づいて報知音を鳴動し(S132)、発呼先装置と親機1aとの接続が保留状態であることをユーザーに報せて本処理ルーチンを終了し、子機1bの再接続処理へ戻る。なお、この報知音による鳴動も同様に、呼出音とは異なるため、ユーザーは、内線通話の呼出と外線の保留状態が所定時間経過したことを示唆する報知かを容易に判別できる。
図8に示した再接続処理へ戻って説明する。S117のタイムアウト報知処理が終了すると、何らかのキー入力が有るか確認され(S118)、キー入力が無ければ(S118:No)、キー入力が有るまでS117のタイムアウト報知処理を繰り返し実行し、キー入力が有れば(S118:Yes)、そのキーが外線キー44か確認され(S119)、外線キー44でなければ(S119:No)、外線キー44が操作されるまでS117のタイムアウト報知処理を繰り返し実行する。
一方、外線キー44が操作された場合は(S119:Yes)、「外線要求コマンド」を親機1aへ送信すると共に外線通話モードへ遷移し(S120)、再接続処理を終了する。
以上、説明したように、本実施例の電話装置1によれば、発呼先装置と親機1aとの接続が保留状態で、子機1b,1c間で内線通話が行われ、子機1b,1cが所定時間以上操作されない場合には、発呼先装置と親機1aとの接続が保留状態であることを内線通話を行っていた子機において報知音を鳴動して報知するので、子機を使用していたユーザーに発呼先装置との接続が保留状態であることを認識させることができ、長時間保留状態となることを防止することができる。また、報知は、表示によって視覚的に認識できるだけでなく、音によって聴覚でも認識できるため、確実にユーザーに認識させることができる。
さらに、両子機1b,1cからの電波が無い場合には、通話可能な通話チャンネルを選択し、その通話チャンネルで再接続してから報知を行うので、いずれかの子機と親機1aとを確実に接続してから報知を行うことができ、発呼先装置と子機とを確実に接続して通話することができる。また、通話可能な通話チャンネルが存在しない場合は、発呼先装置にメッセージを流し入来メッセージを記憶する状態に設定するので、発呼先から何度も連絡することをなくし、不快感を与えることを防止できる。
次に、第2実施例の電話装置1について説明する。上述した第1実施例は、外線が保留された状態で且つ子機間1b,1c間で内線通話が開始され、その後、子機1b,1cの操作がされていない状態が所定時間経過(タイムアウト)した場合に、子機から親機1aに対して「切断コマンド」を送信し報知処理を実行して、いずれかの子機において外線キー44が操作されることを示唆するものとしたが、第2実施例では、タイムアウトした時点で子機側の処理によって、タイムアウト報知処理が実行される。
この第2実施例の処理について図10〜図12を参照して説明する。図10は、第2実施例の親機1aのCPU11において実行される親子側監視処理を示すフローチャートであり、図11は、子機1bのCPU30で実行される子機側監視処理を示すフローチャートであり、図12は、子機1b,1cのCPU30において実行されるタイムアウト報知処理を示したフローチャートである。以下、第2実施例の説明にあたり、上述した第1実施例と同一部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
尚、第2実施例では、「切断コマンド」の送信が行われないため、S26〜S28の処理において行われる「切断コマンド」の確認と、両子機1b,1cへの「報知処理コマンド」の送信、両子機1b,1cを保留状態に遷移する処理がなくなる。そのため、図10に示した親機側監視処理は、「外線要求コマンド」を受信しなかった場合は(S23:No)、即座に、その他に受信したコマンドに対応した処理を行う(S29)。親機側監視処理におけるその他の処理は第1実施例と同様であるため、その説明は省略する。
図11に示す子機側監視処理が実行されて、子機1bの操作が行われていない状態が所定時間経過してタイムアウトとなると(S54:Yes)、「切断コマンド」を送信する代わりにタイムアウト報知処理が実行される(S217)。
図12を参照して、S217の処理で実行されるタイムアウト報知処理について説明する。このタイムアウト報知処理は、第1実施例と同様に、LEDの点灯が行われ(S230)、画面表示処理が実行される(S231)。第2実施例のLEDの点灯は、少なくとも外線キー44と通話切替キー45とを点灯させ、外線キー44の操作と通話切替キー45の操作を示唆し、画面表示処理は、LCD38に外線の保留状態が所定時間以上経過しているので外線キー44を操作するよう示唆する表示と、その他に内線通話も選択可能であることを示唆する表示とが行われる。
S230とS231との処理によりLEDの点灯とLCD38の画面による表示が行われると、音量カウンタ39aで設定された値に基づいて報知音を鳴動し(S132)、発呼先装置との接続が保留状態であることをユーザーに報せる。
この第2実施例においても、第1実施例と同様に、保留状態が所定時間経過したらLEDの点灯と報知音を鳴動して報知を行うので、子機を使用していたユーザーに発呼先装置との接続が保留状態であることを認識させることができる。さらに、その報知の際に、外線通話と内線通話とのどちらか一方を選択することができるので、報知が行われた後に内線通話を行う必要がある場合に、外線通話しかできなく使い勝手が悪くなることを防止している。この場合、ユーザーは、発呼先装置との接続が所定時間以上保留であることを認識した上で、内線通話を行うので、保留状態がそれ以上長くなることも防止することができる。
また、両子機1b,1cにおいて、タイムアウトとなったら、子機側の処理においてタイムアウト報知処理が行われるので、一旦親機1aを介して親機1aからの指示により報知動作を行う場合と比較して、親機1a側の処理を軽減することができ、効率良く制御が行われる。
尚、本実施例において、請求項1記載の計測手段としては図4のS40の処理が該当し、請求項1記載の報知手段としては図7のS69,S117,S217の処理が該当し、請求項7又は8に記載の設定手段としては図6のS105の処理が該当し、請求項7又は8に記載の切断手段は図6のS106の処理が該当し、請求項10記載の状態検出手段としては図4のS44のNoへの分岐する処理が該当し、請求項12記載の調整手段としては図4のS51の処理が該当する。
以上実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例では、報知を行うために子機1b,1cの操作がされない時間を計測するタイムアウトタイマは、子機1b,1cで操作が行われる毎に初期値に戻すものとしたが、子機1b,1cの操作に関わらず内線通話が開始されてから所定時間経過した場合に報知を行うものとしても良い。
また、上記実施例では、両子機1b,1cからの電波が無い場合に再接続処理を行うものとしたが、報知処理(S69)および第2実施例のタイムアウト報知処理(S217)を行う前に、一旦親機1aと子機1b,1cとの接続を解除し、再接続した後に子機1b,1cにおいて報知を行うものとしても良い。こうすれば、報知が行われる前に必ず再接続が行われるため、報知動作を確実に行うことができる。
また、上記実施例では、図6のS105の処理で、留守番電話処理を行うものとしたが、ユーザーが電話にでることができないことを示唆するメッセージのみを流すものとしても良い。
また、上記実施例では、発呼先装置と親機1aとの接続が保留状態で、子機1b,1cの操作が所定時間以上行われない場合は必ずタイムアウトの報知を行うものとしたが、タイムアウトの報知を行うか否かを切り替え可能に構成するものとしても良い。この場合、単にスイッチで切り替えるものとしても良いし、設定モードにおいて各種キーで設定し、親機1aのRAM13や子機1b,1cのRAM32及びEEPROM39等に記憶するものとしても良い。このように、タイムアウトの報知を行うか否かを切り替え可能とすれば、無駄な報知を行うことがなく、ユーザーの使用環境などに対応して切り替えができ、使い勝手が向上する。
また、上記実施例では、タイムアウトの報知は、LEDの点灯やLCD38からなる表示による報知と、報知音による鳴動とを併用して報知を行うものとしたが、表示のみの報知とするものとしても良いし、報知音のみの報知とするものとしても良い。また、表示による報知又は、報知音による報知、表示と報知音との両方による報知とを切り替え可能に構成するものとしても良い。なお、報知音のみによる報知が行われるように設定されている場合に、音量カウンタ39aの値が「0」に調整されている場合には、強制的に表示による報知を行うようにするものとしても良い。
また、上記実施例では、子機1b,1c間の内線通話を送話モードと受話モードとを切り換えて通話するトランシーバ通話に対応して各種処理を行うものとしたが、送話モードと受話モードとを並行して子機同士で同時に通話が可能な電話装置に対応するものとしても良い。
また、上記実施例では、実施例の説明上、親機1aでタイムアウトをカウントする場合と子機1b,1cでタイムアウトをカウントする場合との両方を備えた構成及びフローチャートとなっているが、どちらか一方が備えられていれば良い。