JP3941663B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般家庭で使用する誘導加熱調理器に関し、特に加熱コイルの温度上昇を抑えて加熱調理するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の誘導加熱調理器としては、加熱コイルの出力増加に伴って、冷却ファンの速度を可変し発熱部品の温度上昇を抑えるというものがあった。例えば、図6は従来の誘導加熱調理器の断面図を示したもので、1は調理用の鍋、2は鍋1を載置するトッププレートであり、3はトッププレートの下部に設けた鍋1に高周波磁界を与えるための円盤状の加熱コイルである。4は加熱コイルに高周波電流を供給するためのインバータであり、5はインバータの構成部品であるパワースイッチング素子で、発熱した熱を放熱するためのアルミニウム製の放熱器6が取り付けられている。7は加熱コイル3やインバータ5を収納するケース、8は冷却ファンで、ケース7内の発熱部品を冷却するファンであり、9は冷却ファンの速度を制御する冷却ファン速度制御手段である。冷却ファン速度制御手段9は放熱器6に取り付けた温度検知手段10であるサーミスタの検知温度情報によって作動するようになっている。そして、この構成において、パワースイッチング素子5の温度が低い場合には、冷却ファン8の速度を低下させ、冷却能力を低下させ、同時に冷却ファン8から発生する騒音の大きさを低く抑えるというものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、冷却風の流れを良くし発熱部品の温度上昇を抑えるというものがあった。例えば、図7は誘導加熱調理器を流し台に組込んだときの断面図を示したもので、本体11の底面の吸気孔12から冷却ファン13により冷却風を取入れて発熱部品を搭載した回路基盤14を冷却した後、本体上面の排気孔15より排出することにより、冷却風の流れを良くし効率よく回路基盤14を冷却することができるというものであった(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−45058号公報
【特許文献2】
特開平11−354263号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、誘導加熱調理器の多用途化によりいろいろの形態の誘導加熱調理器が望まれるようになってきた。例えば、見栄えを良くするために給排気口を本体の上面に設けたくないという要望がある。
【0006】
また、給排気が十分に確保しにくい、例えば、吸気口が本体の底面にある器体をシステムキッチンのキャビネットの上に設けたり、給排気口が側面にある器体を壁面に近接して設けたりするとき給排気を確保するために特別の工事をしたくない等の要望がある。
【0007】
しかしながら、これらの要望に対応した場合、従来の構成では十分な冷却風を確保することができず、発熱部品の温度が上昇し安全装置が働くまで使用者が設定した加熱出力が続き、発熱部品を保護する安全装置が突然動作して電源が切断され調理が中断されてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、発熱部品の冷却を良くするための冷却風が十分得られなくても、加熱コイルの出力を低減して発熱部品の温度上昇を防ぎ、連続加熱時間を長くして調理ができる使い勝手のよい誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、外郭を構成する本体と、前記本体の上面に設けたトッププレートと、前記トッププレートに載置した鍋等の被加熱物を誘導加熱する少なくとも1つの加熱コイルと、前記加熱コイルの出力を制御する出力制御手段と、前記出力制御手段の発熱部品の温度を検知する温度検知手段とを備え、前記出力制御手段は、前記温度検知手段の検知温度に対して所定の範囲以内に複数の検知設定値を設け、前記検知温度が前記検知設定値に到達すると前記加熱コイルの出力を低減しかつ前記検知設定値間で前記検知温度の温度上昇速度を検知し、前記温度上昇速度が前記検知設定値間で予め決められた所定値を越えるときは、前記温度上昇速度が前記検知設定値間で予め決められた所定値を越えないときよりも高温側の次の前記検知設定値に到達したときの前記加熱コイルの出力の低減幅を大きくするように変更する構成とした。この構成により、発熱部品の温度が停止設定値以上になるのを防ぎ加熱動作が停止されにくくしたり、火力が弱いため温度上昇が遅く調理に時間がかかりすぎたりするのを防いだりすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、外郭を構成する本体と、前記本体の上面に設けたトッププレートと、前記トッププレートに載置した鍋等の被加熱物を誘導加熱する少なくとも1つの加熱コイルと、前記加熱コイルの出力を制御する出力制御手段と、前記出力制御手段の発熱部品の温度を検知する温度検知手段とを備え、前記出力制御手段は、前記温度検知手段の検知温度に対して所定の範囲以内に複数の検知設定値を設け、前記検知温度が前記検知設定値に到達すると前記加熱コイルの出力を低減しかつ前記検知設定値間で前記検知温度の温度上昇速度を検知し、前記温度上昇速度が前記検知設定値間で予め決められた所定値を越えるときは、前記温度上昇速度が前記検知設定値間で予め決められた所定値を越えないときよりも高温側の次の前記検知設定値に到達したときの前記加熱コイルの出力の低減幅を大きくするように変更する構成とした。この構成により、出力制御手段は発熱部品の温度上昇が高くなると加熱コイルの出力を低減してその温度上昇を抑え、安全装置の動作を遅らせることができるため長時間加熱することができる。
【0011】
したがって、発熱部品の信頼性を確保し、かつ調理中に調理に付き添って電源がoffになるごとに電源を再投入したりしなければならないという煩わしさがなくなり利便性のよいものにすることができる。また、加熱が途中で中断されないので調理に必要な最小限の温度を確保できるので、仕上がりのよい調理ができる。
【0012】
また、出力制御手段は、前記温度検知手段に対して検知温度の所定の範囲以内に複数の検知設定値を設け、前記検知温度が前記検知設定値に到達すると前記加熱コイルの出力を低減しかつ前記検知設定値間で前記検知温度の温度上昇速度を検知し、前記温度上昇速度が前記検知設定値間で予め決められた所定値を越えるときは、前記温度上昇速度が前記検知設定値間で予め決められた所定値を越えないときよりも高温側の次の前記検知設定値に到達したときの前記加熱コイルの出力の低減幅を大きくするように変更する構成としたことにより、発熱部品の温度が停止設定値以上になるのを防ぎ加熱動作が停止されにくくしたり、火力が弱いため温度上昇が遅く調理に時間がかかりすぎたりするのを防いだりする ことが可能となる。
【0013】
請求項に記載の発明は、外郭を構成する本体と、前記本体の上面に設けたトッププレートと、前記トッププレートに載置した鍋等の被加熱物を誘導加熱する少なくとも1つの加熱コイルと、前記加熱コイルの出力を制御する出力制御手段と、前記出力制御手段の発熱部品の温度を検知する温度検知手段とを備え、前記出力制御手段は、前記温度検知手段の検知温度に対して所定の範囲以内に複数の検知設定値を設け、前記検知温度が前記検知設定値に到達すると出力を低減するとともに、前記温度検知手段の検知温度が前記加熱コイルの出力の制御を開始する最初の前記検知設定値に到達すると前記加熱コイルの出力を低減しかつ前記検知温度が前記最初の検知設定に到達するまでの前記検知温度の温度上昇速度を検知し、前記温度上昇速度が基準値より早い場合には、前記基準値より遅い場合よりも前記最初の検知設定値に到達したときの前記加熱コイルの出力低減幅を大きくするように変更する構成とした。この構成により、より確実に加熱コイルの出力の停止を防ぎ長時間加熱が可能となる。
【0014】
請求項に記載の発明は、特に、請求項1または2に記載の構成において、複数の加熱コイルを有し、夫々の前記加熱コイルは個別に出力制御手段と温度検知手段とを有する構成としたことにより、どの加熱部でも長時間加熱をできるようにすることができる。
【0015】
また、夫々の加熱コイルの出力を制御する出力制御手段を統括する統括制御手段を有し、前記統括制御手段は夫々の温度検知手段からの検知出力に基づいて、特定の加熱コイルの出力を制御する特定加熱コイル出力制御手段の温度を検知する温度検知手段の検知温度である特定検知温度が検知設定値に達して前記特定加熱コイル出力制御手段による前記加熱コイルの出力低減動作が行われても前記特定検知温度が上昇を続ける場合に前記特定加熱コイル以外の加熱コイルの出力を低減するように前記特定加熱コイル出力制御手段以外の出力制御手段を制御する構成としたことにより、同時に調理を進行してもむやみに加熱コイルの出力が停止することがなく利便性が良くなる。
【0016】
請求項に記載の発明は、特に請求項1または2に記載の構成において、夫々の加熱コイルの出力を制御する出力制御手段を統括する統括制御手段を有し、前記統括制御手段は、複数の加熱コイルを同時に使用しているときで、前記複数の加熱コイルに対応する発熱部品の温度が高くなり、前記加熱コイルの出力制御をする必要が生じた場合は、最大定格値の高い加熱コイルより順に優先して出力を低減する構成としたことにより出力低減後の出力を他の加熱コイルの出力と同程度の出力を確保することができるとともに、発熱の大きい加熱コイルの出力を下げるので他の加熱コイルに対応する発熱部品の温度低減効果が大きく他の加熱コイルの出力を低減する頻度を少なくできる。
【0017】
請求項に記載の発明は、特に請求項に記載の構成において、最大定格値の高い加熱コイルより順に優先して出力を低減することに代え、実出力値の高い加熱コイルより順に優先して出力を低減する構成としたことにより、出力低減余裕のある加熱部の出力を優先して低減するので、他のいずれかの加熱部がそれ以上に出力を低減して停止する可能性が低くなる。
【0018】
請求項に記載の発明は、特に請求項に記載の構成において、最大定格値の高い加熱コイルより順に優先して出力を低減することに代え、最大定格値の小さい加熱コイルより順に優先して停止する構成とした。これにより、補助加熱部として一般的に使用される加熱部を停止させるので、実用上の影響が小さく利便性をよくすることができる。
【0019】
請求項に記載の発明は、特に、請求項に記載の構成において、複数の加熱コイルの配置が本体の前後関係にあるときは、最大定格値の高い加熱コイルより順に優先して出力 を低減することに代え、後方に配置した加熱コイルから順に優先して低減または/および停止する構成とした。これにより、補助加熱部として一般的に使用される後方の加熱部を停止させるので、実用上の影響が小さく利便性をよくすることができる。
【0020】
請求項に記載の発明は、特に、請求項のいずれか1項に記載の構成において、トッププレートの裏面温度を検知し各加熱コイルが加熱する被加熱物の温度を間接的に検知するため前記各加熱コイルに対応して設けられたトッププレート温度検知手段を備え、夫々の加熱コイルの出力を制御する出力制御手段を統括する統括制御手段を有し、前記統括制御手段は、複数の加熱コイルを同時に使用しているときで、前記加熱コイルの出力制御をする必要が生じた場合は、前記トッププレート温度検知手段検知する検知温度が低いトッププレートに対応する加熱コイルから順次出力を優先して低減する構成としたことにより、高温調理をしている可能性が高い加熱部での加熱を優先させることができるので、高温調理を継続させることができ実用性が高いものにすることができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び参考例について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施例及び参考例の説明に当たっては4個の誘導加熱による加熱部を有する場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、本発明の意図にかなうものであれば加熱部は何個あっても良い。
【0022】
参考例1)
図1は本発明の参考例1における誘導加熱調理器の動作特性図、図2は同誘導加熱調理器を流し台に組み込んだときの外観斜視図、図3は同誘導加熱調理器の縦断面図である。
【0023】
図2および図3において、流し台21に誘導加熱調理器が組み込まれている。22は誘導加熱調理器の外郭を構成する本体、23は本体22の上面に載置したトッププレート、24は加熱部で、トッププレート23上に設けた調理物を収納し高周波磁界により渦電流を発生し発熱することにより被調理物を加熱調理する鍋を載置する部分、いわゆるコンロ部である。図2では誘導加熱を行う誘導加熱部(以下加熱部と記す)が4個あるいわゆる4口のコンロを有する場合を示している。
【0024】
なお、本参考例では誘導加熱部は少なくとも1個あればよく、他は抵抗加熱を行ういわゆるラジェント加熱部やハロゲン加熱部など他の熱源を含んでいても何ら差し支えはない。25は操作部で、加熱部24a、24b、24c、24dに対応して、操作部25a、25b、25c、25dを設けている。26は鍋を高周波加熱する加熱コイルで、加熱部24a、24bに対応して26a、26bを設けている。
【0025】
なお、加熱部24c、24dに対応する加熱コイル26c、26dは図示していない。27は出力制御手段で加熱コイル26を駆動する駆動部と温度検知手段からの信号により加熱コイル26の出力を制御する制御部とより構成している。27a、27bは加熱コイル26a、26bにそれぞれ対応して設けた出力制御手段である。
【0026】
なお、加熱コイル26c、26dに対応する出力制御手段27c、27dは図示していない。28は発熱部品の温度を検知する温度検知手段である。なお、この温度検知手段の取り付け位置は発熱部品に限定されるものでなく、出力制御手段で最も温度の影響を受けやすい位置、またはその位置の温度を相関的に検知可能な位置であってもよい。28a、28bは出力制御手段27a、27bに対応して設けた温度検知手段である。
【0027】
なお、出力制御手段27c、27dに対応して設けた温度検知手段28c、28dは図示していない。また、29はファンからなる冷却手段で本体の底面に設けた吸気口30から吸気し、出力制御手段27を冷却しながら排気口31より外部に排気する。
【0028】
前記構成の誘導加熱調理器について、以下、その動作作用について説明する。なお、説明に当たっては、本発明の基本的機能である温度上昇緩和機能について説明するため1つの加熱コイル、すなわち1口のコンロについて説明する。
【0029】
トッププレート23上の加熱部24に誘導加熱により発熱する被調理物を収納した鍋(図示せず)を載置し、操作部25を操作し電源をonにすると、加熱コイル26には鍋の温度が低いため高出力(定格出力)が印加され加熱動作を開始する。動作時間の経過とともに鍋は高周波により発生した渦電流により発熱し内部に収納した被調理物を加熱調理する。
【0030】
また、出力制御手段27はその構成部品の損失により発熱し温度は上昇する。特に、インバータ回路に用いられるパワースイッチング素子の損失が大きく、高温になり熱的に破壊する恐れが生じる。そのため、温度検知手段28により温度を検知し、あらかじめ定めた温度より高い温度になったとき、安全装置が働き電源がoffになるように設計してある。
【0031】
図1は出力制御手段27の発熱部品であるパワースイッチング素子に連動した温度検知手段の検知温度を示している。検知温度が予め実験により定めた第1の確認温度である検知設定値T1に達すると、出力制御手段27はその駆動部を駆動して加熱コイル26の出力をH0より低いH1に低減する。これにより発熱部品の温度上昇が早い場合の温度上昇度合いを低減できる。このとき、もし加熱コイルの出力を制御しなかったら図中点線で示したような温度上昇をする。そして、発熱部品などの安全性および信頼性を確保するために設けた停止設定値Tsに到達し電源が切断され、調理が中断される。
【0032】
しかるに、本参考例では、図中実線で示したように加熱コイル26の出力を低減し発熱部品などの温度上昇を抑制しているので、発熱部品の温度は停止設定値Tsに到達しにくくなり、従って、調理は中断しない。
【0033】
さらに出力H1で加熱を続けると、発熱部品の温度は上昇を続け第2の確認温度である検知設定値T2に達する。このまま出力H1で加熱し続けると発熱部品の温度は停止設定値に達してしまう恐れがあるので、加熱コイルの出力をH1よりさらに低いH2に低減する。この状態では発熱部品は時間の経過とともにさらに温度が上昇し第3の確認温度である検知設定値T3に達する。
【0034】
そして、先に述べたと同じ理由により加熱コイルの出力をさらに低いH3に低減する。この段階では加熱コイルに電力を供給することによる発熱部品の発熱よりも周囲への放熱のほうが多くなるため発熱部品の温度は最高点に到達して後漸減する。そして、温度が検知設定値T2に到達すると、加熱コイルの出力はH3からH2に増加する。以降加熱コイルの出力は出力H2とH3とを繰り返しながら調理が進行する。勿論出力H3でも検知温度が増加するならばさらに出力を低下しH4とすればよく、また、出力を増加した後でもさらに温度が減少し続けるなら次の温度確認点である検知設定値でさらに出力を増加すればよい。
【0035】
参考例では、温度検知手段28はパワースイッチング素子の温度を検出するように配されているが、パワースイッチング素子に限るものでなくインバータ共振回路を構成する例えばコンデンサの温度を検出してもよいし、パワースイッチング素子とコンデンサなど複数の発熱部品の温度を同時に検出し、それぞれに設けた検知設定値で動作させてもよい。
【0036】
また、従来トッププレート温度検知手段32により、なべや油など調理対象物の温度を間接的に検知し、空炊き時の温度低減や調理温度コントロールするものがあるが、本参考例では内部発熱部品を直接的に検知するものであり、また加熱コイルの出力を段階的に下げるので、温度検知手段28の発熱部品に対する温度追従性が向上し、発熱部品が温度限度を超えて破損することを低減できる。
【0037】
なお、本参考例における加熱コイルの出力の最低値H4は、その調理を行うための必要な最低温度を確保できる出力とすることが実用的である。これにより、調理時間は長くなるが調理に必要な温度を確保でき、調理の仕上がりをよくすることができる。
【0038】
また、本参考例では発熱部品の温度を確認する検知設定値は種々の条件を考慮し実験的に求めればよい。要は本発明の主旨である加熱が中断されないように定めればよい。さらに検知設定時間の間隔は本参考例では等間隔であるがこれに限定されるものではなく本発明の主旨にかなうものであればよい。
【0039】
また、本参考例では温度検知手段による検知温度の所定の範囲は加熱コイルの制御を最初に開始する温度と加熱コイルの出力を停止する温度との間に設けているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、本発明の主旨にかなうものであればどのように定めてもよい。
【0040】
また、本参考例では発熱部品の温度を確認する検知設定値をT1ないしT4の4段階、出力をH1ないしH4の4段階の場合について説明したがこれに限定されるものではなく何段階であってもよいのは勿論である。
【0041】
また、前記説明では1個の誘導加熱部に対応して、発熱部品の温度を確認しながら加熱コイルの出力を制御する温度上昇緩和機能を設けた場合について説明しているが、この温度上昇緩和機能を4個の誘導加熱部に夫々対応して設けてもよいのは勿論である。
【0042】
以上述べたように本参考例では発熱部品の温度情報に応じて、その温度を確認しながら加熱コイルの出力を制御する温度上昇緩和機能を設けることにより、加熱コイルの電源を切断、すなわち、調理の中断をすることなく調理を仕上げることができる。したがって、調理中に調理に付き添っていたり、電源がoffになるごとに電源を再投入したりしなければならないという煩わしさがなくなり使い勝手のよいものにすることができる。
【0043】
なお、本参考例の場合、やや弱めの火力で加熱することになるが、従来のように中断再加熱という時間の損失がないため実質的な調理時間をほとんど同じにすることができる。また、調理が途中で中断されないので、良好な調理結果を得ることができる。
【0044】
なお、前記説明では加熱コイルの出力の低減を基準値を段階的に設け段階的に低減した場合について説明したが、これに限定されるものではなく段階を限りなく多くした場合、すなわち連続的に低減するようにしてもよいのは勿論である。
【0045】
(実施例
図4は本発明の実施例における誘導加熱調理器の動作特性図である。なお、本実施例の基本構成は参考例1と同じなので異なる点を中心に説明する。
【0046】
本実施例が参考例1と異なる点は参考例1が温度の上昇値に応じて加熱コイルの出力を変えるのに対して、本実施例は温度の上昇速度に応じて加熱コイルの出力を変える点である。以下、図4を用いて説明する。なお、本実施例の説明に当たっては参考例1と同様1つの加熱部について説明する。
【0047】
調理開始後、第1の確認温度である検知設定値T1において加熱コイルの出力を低減するのは参考例1と同じであるが、出力低減後の温度上昇速度が予め実験により求めた基準温度上昇線Aより上側にある場合、すなわち温度上昇速度が基準より速い場合、第2の確認温度である検知設定値T2での加熱コイルの出力を温度上昇速度が基準より遅い場合より大きくする。もちろん基準温度上昇線Aは直線であっても曲線であってもよい。
【0048】
例えば、実施例における経過時間と検知温度との関係を示す太い実線からなる曲線を基準とすると、基準温度上昇線Aは検知設定値T1と第2番目の検知設定値T2とを実験により設定した時間で結んだ直線である。検知温度が検知設定値T1に達すると、加熱コイルの出力はH0より低いH1に低減される。検知温度がT1からT2に達する経過の曲線が基準温度上昇線Aよりも上にある場合、すなわち、T1からT2に達する時間が基準温度上昇線Aで設定した時間よりも短い場合は、温度上昇が速いため検知設定値T2での出力の低減をH2に設定する。
【0049】
逆に、検知設定値T1とT2との間における温度上昇が基準温度上昇線Aよりも下側、すなわち温度上昇が遅い場合は、検知設定値T2での出力を基準の出力H1からH2ではなく、より低減幅の小さい出力H1とH2との間にあるH12に設定する。これにより発熱部品の温度上昇が遅い場合の温度上昇度合いを低減できる。このとき、もし加熱コイルの出力を制御しなかったら図中点線で示したような温度上昇をする。そして、発熱部品などの安全性および信頼性を確保するために設けた停止設定値Tsに到達し電源が切断され、調理が中断される。
【0050】
しかるに、本実施例では、図中実線で示したように加熱コイル26の出力を低減し発熱部品などの温度上昇を抑制しているので、発熱部品の温度は停止設定値Tsに到達しにくくなり、従って、調理は中断しない。さらに出力H2で加熱を続けると、発熱部品の温度は上昇を続け第3の確認温度である検知設定値T3に達する。
【0051】
さらに、検知設定値T2と検知設定値T3との間にも基準温度上昇線Bが設けられており、検知温度がT2からT3に達する経過の曲線が基準温度上昇線Bよりも上にある場合は、前述と同様に温度上昇は速いと判断し、検知基準値T3での出力の低減をH2からH3に設定する。
【0052】
逆に、検知設定値T2とT3との間における温度上昇が基準温度上昇線Bよりも下側、すなわち温度上昇が遅い場合は、検知設定値T3での出力を基準の出力H2からH3ではなく、より低減幅の小さい出力H2とH3との間にあるH23に設定する。この段階では加熱コイルに電力を供給することによる発熱部品の発熱よりも周囲への放熱のほうが多くなるため発熱部品の温度は最高点に到達して後漸減する。そして、温度が検知設定値T2に到達すると、加熱コイルの出力はH3からH2にまたはH23からH2に増加する。以降加熱コイルの出力は基準温度上昇線Bと比較し、出力を設定する動作を繰り返しながら調理が進行する。勿論出力H3でも検知温度が増加するならば検知設定値T3と次の検知設定値T4との間の基準温度上昇線と実際の検知温度の経過曲線とを比較してH4またはH34に変更すればよく、また、出力を増加した後でもさらに温度が減少し続けるなら次の温度確認点である検知設定値でさらに出力を増加すればよい。なお、最終段階で低下させる出力H4の値は、実用的な調理ができる値までにとどめる。
【0053】
このように温度緩和機能を設けることにより発熱部品の温度が停止設定値以上になるのを防ぎ電源が切断されにくくしたり、火力が弱いため温度上昇が遅く調理に時間がかかりすぎたりするのを防いだりすることができる。
【0054】
なお、前述したようにこのような出力の変更は一回に限らずそれ以降の段階においても同様にしてもよいのはもちろんである。また、基準温度上昇線との差異が大きくなるほど変更する出力の巾を大きくすればよいのは勿論である。
【0055】
また、前記説明では1個の誘導加熱部に対応して、発熱部品の温度を確認しながら加熱コイルの出力を制御する温度上昇緩和機能を設けた場合について説明しているが、この温度上昇緩和機能を4個の誘導加熱部に夫々対応して設けてもよいのは勿論である。
【0056】
(実施例
図5は本発明の実施例における誘導加熱調理器の動作特性図である。なお、本実施例の基本構成は参考例1および実施例と同じなので異なる点を中心に説明する。
【0057】
本実施例が参考例1と異なる点は参考例1が温度の上昇値に応じて加熱コイルの出力を変えるのに対して、本実施例は温度の上昇速度に応じて加熱コイルの出力を変える点であり、実施例と異なる点は実施例が最初の検知設定値T1以降の温度上昇速度により次の検知設定値以降の出力を変更するのに対し、本実施例では加熱開始から最初の検知設定値T1間での温度上昇速度により、出力低減巾を変更する点である。以下、図5を用いて説明する。なお、本実施例の説明に当たっては参考例1と同様1つの加熱部について説明する。
【0058】
調理開始後、検知設定値T1までの基準温度立ち上がり時間t0よりも短い時間、すなわち発熱部品の温度上昇値が基準値より大きい場合は、検知設定値T1での出力変更を大きくし、発熱部品の冷却が比較的良いため、基準温度立ち上がり時間t0よりも長い時間、すなわち発熱部品の温度上昇値が基準値より小さい場合は、検知設定値T1での出力変更を小さくする。
【0059】
例えば、図5において、太い実線で示す曲線は検知設定値T1に到達するまでの時間が基準温度立ち上がり時間t0よりも短い。そのため検知設定値T1における出力の変更をH0からH1に設定する。
【0060】
逆に点線で示す曲線は検知設定値T1に到達するまでの時間が基準温度立ち上がり時間t0よりも長い。そのため検知設定値T1における出力の変更を小さくし、出力H0とH1との間のH01に設定する。このようにすることにより発熱部品の温度が停止設定値以上に速くなるのを防ぎ電源が切断されにくくしたり、火力が弱いため温度上昇が遅く調理に時間がかかりすぎたりするのを防いだりすることができる。
【0061】
なお、基準温度上昇線との差異が大きくなるほど変更する出力の巾を大きくすればよいのは勿論である。
【0062】
また、前記説明では1個の誘導加熱部に対応して、発熱部品の温度を確認しながら加熱コイルの出力を制御する温度上昇緩和機能を設けた場合について説明しているが、この温度上昇緩和機能を4個の誘導加熱部に夫々対応して設けてもよいのは勿論である。
【0063】
(実施例
本実施例では誘導加熱により加熱する加熱部を4口有し、かつそれぞれの加熱部は参考例1、実施例1及び2で示した発熱部品の温度上昇により加熱コイルの出力を出力制御手段によって変えることができる温度上昇緩和機能を有する誘導加熱調理器に関する。なお、本実施例の基本構成は参考例1、実施例1及び2と同じなので異なる点を中心に説明する。また、参考例1と同じ機能には同じ符号を付しその説明は省略する。以下本発明の実施例について説明する。
【0064】
本実施例が参考例1、実施例1及び2と異なる点は、参考例1、実施例1及び2では、4個の誘導加熱部を用いた場合、夫々の加熱部は夫々独立した温度上昇緩和機能を有する出力制御手段を有する事になるが、本実施例では夫々独立した温度上昇緩和機能を有する出力制御手段を統括する統括制御手段を設け、この統括制御手段により夫々の出力制御手段を制御するようにした点である。
【0065】
本実施例では吸気口および排気口がそれらの機能が十分に発揮されるように設置されていないため各加熱部に対応する発熱部品の温度上昇は、吸気口および排気口の機能が十分に働くように設けられている場合に比べ参考例1および実施例1に示すように高くなる。参考例1および実施例1では加熱コイルが1個しか使用されていないため温度上昇緩和機能を設けることにより十分対応することができる。
【0066】
しかるに本実施例では誘導加熱部が4個あり、それに対応して4個の加熱コイルが使用されるため、それぞれ冷却ファンの送風で冷却しあう加熱コイルおよび出力制御手段はお互いに影響を及ぼし合う。基本的には各加熱コイルに設けた温度上昇緩和機能により対応できるようにしているが、設計上または施工上それだけでは対応できない場合がある。以下、本実施例はこのような場合に対応し、使用者の利便性を良くした構成を示したもので、各構成は原則とした独立したものである。
【0067】
以下、4個の誘導加熱する加熱部を有する誘導加熱調理器について説明する。なお、加熱コイルにはすべて温度上昇値緩和機能を有する出力制御手段を設けるとともに、これらの出力制御手段を統括する統括制御手段(図示せず)を設けている。
【0068】
本実施例では4個の加熱部のうち2個以上が使用されている場合について説明する。例えば、図2において加熱部24aに対応する加熱コイル26aの出力を温度上昇緩和機能にしたがって出力低減動作を行っても、なお、加熱コイル26aに対応する出力制御手段27aの発熱部品が温度上昇を続ける場合がある。このとき、統括制御手段は同時に使用している他の加熱部に対応する出力制御手段を制御し、必要とする加熱コイルの出力を低減する。例えば加熱部として、24a、24b、24cの3個を使用している場合は加熱部24bに対応する加熱コイル26bの出力を低減する。それでもまだ発熱部品が温度上昇を続ける場合は、さらに加熱部24cに対応する加熱コイル26cの出力を低減する。これにより加熱コイル26aがoffになりにくくすることができる。このように多数の加熱部を利用する場合、他の使用している加熱部の動作を利用することで、当該加熱部、この場合は加熱部24aが停止するのを防ぐことができ、使用しているすべての加熱部で同時に調理を進行させる事ができる。
【0069】
また、複数の加熱部を同時に使用しているときで、複数の加熱コイルに対応する発熱部品の温度が高くなり、出力制御をする必要が生じた場合、統括制御手段は最大定格の高い加熱コイルの出力を優先して低減するように出力制御手段を制御する。これにより出力低減後の出力を他の加熱コイルの出力と同程度の出力を確保することができるとともに、発熱の大きい加熱コイルの出力を下げるので他の加熱コイルに対応する発熱部品の温度低減効果が大きく他の加熱コイルの出力を低減する頻度を少なくできる。
【0070】
例えば、加熱コイル26aの出力が一番高い場合、加熱コイル26aの出力を低減することで加熱コイル26aの出力よりも出力の小さい加熱コイル26b、26c、26dへの熱の影響を小さくできる。また、加熱部26aの出力は大きいため低減しても他の加熱部と同程度の出力にすることができる。そのため同時に調理を進行することができる。
【0071】
また、複数の加熱部を同時に使用しているときで、複数の加熱部に対応する発熱部品の温度が高くなり、出力制御をする必要が生じた場合、統括制御手段は現在の実出力値の高い加熱部の出力を優先して低減するように出力制御手段を制御する。これにより、出力低減余裕のある加熱部の出力を優先して低減するので、他のいずれかの加熱部がそれ以上に出力を低減して停止する可能性が低くなる。また、出力低減値も大きくなるので、他の加熱部へ与える熱影響も低減でき、他の加熱部も連続使用できる可能性も高くなる。
【0072】
また、複数の加熱部を同時に使用しているときで、加熱コイルの出力を停止する必要があるときは、統括制御手段は最大定格値の小さい順に停止するようにそれぞれの出力制御手段を制御する。これは一般的には最大定格の小さい加熱部は補助加熱部として使われることが多く、この加熱部を停止させた方が実用上の影響が小さい場合が多いからである。
【0073】
また、複数の加熱コイルの配置が本体の前後関係にあり、かつ、同時に使用するときは、後方に配置した加熱コイルから順に低減または/および停止するようにする。例えば、加熱部24a、24b、24c、24dを使用しているときは、後方に配置した加熱部24b、または24dより順に低減または/および停止するようにする。これは、一般的には最大定格の小さい加熱部は補助加熱部として使われることが多く、この加熱部を停止させた方が実用上の影響が小さい場合が多いからである。
【0074】
また、トッププレート23の温度を検知するトッププレート温度検知手段32を備え、トッププレート23の検知温度を優先させる場合、統括制御手段はトッププレート23の温度が低い部分に対応する加熱コイルから順次出力を低減するように夫々の出力制御手段を制御する。これは、トッププレート23の温度が高いときは、高温調理をしている可能性が高いので、トッププレート23の温度が低い加熱コイルから出力を低下させるほうが、高温調理を継続させることができ実用性が高いからである。
【0075】
以上述べたように本実施例では、発熱部品の冷却のための冷却風が充分確保されない状態で複数個の加熱部を使用した場合で、出力制御手段の発熱部品を熱的に保護するために加熱部の出力低減または/および停止をする必要が生じたときは、それを実行する優先順位を定めて行うことにより、調理の進行を同時に行ったり、必要な調理を優先させて調理を行ったりすることができ、調理時間が長くなるのを最小限にとどめるとともに調理の仕上がりを低下させることがないので利便性がよくなる。
【0076】
なお、本実施例では加熱部を4個使用した場合について説明したがこれに限定されるものではなく2個または3個の仕様でもよいのはいうまでもない。また、加熱部が4個よりも多い場合でも本実施例の方法によれば長時間加熱するようにすることができる。
【0077】
また、参考例1、実施例1及び2の構成は、器体の設置場所により冷却風が十分に得られない場合特に有効であるが、その他器体の構成が複雑のため発熱部品を充分に冷却できない場合や、多くの加熱コイルを同時に使用したときで発熱部品を充分に冷却すると高価になる場合などに有効である。
【0078】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜に記載の発明によれば、発熱部品を冷却をするための冷却風が十分得られなくても、加熱コイルの出力を低減して発熱部品の温度上昇を防ぎ、連続加熱時間を長くして調理することができる使い勝手のよいものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1における誘導加熱調理器の動作特性図
【図2】 同誘導加熱調理器を流し台に組み込んだときの外観斜視図
【図3】 同誘導加熱調理器の縦断面図
【図4】 本発明の実施例における誘導加熱調理器の動作特性図
【図5】 本発明の実施例における誘導加熱調理器の動作特性図
【図6】 従来の誘導加熱調理器の断面図
【図7】 同誘導加熱調理器を流し台に組み込んだときの断面図
【符号の説明】
22 本体
23 トッププレート
26 加熱コイル
27 出力制御手段
28 温度検知手段
32 トッププレート温度検知手段

Claims (8)

  1. 外郭を構成する本体と、前記本体の上面に設けたトッププレートと、前記トッププレートに載置した鍋等の被加熱物を誘導加熱する少なくとも1つの加熱コイルと、前記加熱コイルの出力を制御する出力制御手段と、前記出力制御手段の発熱部品の温度を検知する温度検知手段とを備え、前記出力制御手段は、前記温度検知手段の検知温度に対して所定の範囲以内に複数の検知設定値を設け、前記検知温度が前記検知設定値に到達すると前記加熱コイルの出力を低減しかつ前記検知設定値間で前記検知温度の温度上昇速度を検知し、前記温度上昇速度が前記検知設定値間で予め決められた所定値を越えるときは、前記温度上昇速度が前記検知設定値間で予め決められた所定値を越えないときよりも高温側の次の前記検知設定値に到達したときの前記加熱コイルの出力の低減幅を大きくするように変更する構成とした誘導加熱調理器。
  2. 外郭を構成する本体と、前記本体の上面に設けたトッププレートと、前記トッププレートに載置した鍋等の被加熱物を誘導加熱する少なくとも1つの加熱コイルと、前記加熱コイルの出力を制御する出力制御手段と、前記出力制御手段の発熱部品の温度を検知する温度検知手段とを備え、前記出力制御手段は、前記温度検知手段の検知温度に対して所定の範囲以内に複数の検知設定値を設け、前記検知温度が前記検知設定値に到達すると前記加熱コイルの出力を低減するとともに、前記温度検知手段の検知温度が前記加熱コイルの出力の制御を開始する最初の前記検知設定値に到達すると前記加熱コイルの出力を低減しかつ前記検知温度が前記最初の検知設定に到達するまでの前記検知温度の温度上昇速度を検知し、前記温度上昇速度が基準値より早い場合には、前記基準値より遅い場合よりも前記最初の検知設定値に到達したときの前記加熱コイルの出力低減幅を大きくするように変更する構成とした誘導加熱調理器。
  3. 複数の加熱コイルと、夫々の前記加熱コイルに個別に設けられた出力制御手段及び温度検知手段と、前記夫々の加熱コイルの出力を制御する出力制御手段を統括する統括制御手段備え、前記統括制御手段は夫々の温度検知手段からの検知出力に基づいて、特定の加熱コイルの出力を制御する特定加熱コイル出力制御手段の温度を検知する温度検知手段の検知温度である特定検知温度が検知設定値に達して前記特定加熱コイル出力制御手段による出力低減動作が行われても前記特定検知温度が上昇を続ける場合に、同時に使用している前記特定加熱コイル以外の加熱コイルの出力を低減するように前記特定加熱コイル出力制御手段以外の出力制御手段を制御する構成とした請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 複数の加熱コイルと、夫々の前記加熱コイルに個別に設けられた出力制御手段及び温度検知手段と、前記夫々の加熱コイルの出力を制御する出力制御手段を統括する統括制御手段を備え、前記統括制御手段は、複数の加熱コイルを同時に使用しているときで、前記複数の加熱コイルに対応する発熱部品の温度が高くなり、前記発熱部品を熱的に保護するために前記加熱コイルの出力制御をする必要が生じた場合は、最大定格値の高い加熱コイルより順に優先して出力を低減する構成とした請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  5. 最大定格値の高い加熱コイルより順に優先して出力を低減することに代え、実出力値の高い加熱コイルより順に優先して出力を低減する構成とした請求項記載の誘導加熱調理器。
  6. 最大定格値の高い加熱コイルより順に優先して出力を低減することに代え、最大定格値の小さい加熱コイルより順に優先して停止する構成とした請求項記載の誘導加熱調理器。
  7. 複数の加熱コイルの配置が本体の前後関係にあるときは、最大定格値の高い加熱コイルより順に優先して出力を低減することに代え、後方に配置した加熱コイルから順に優先して低減または/および停止する構成とした請求項記載の誘導加熱調理器。
  8. トッププレート裏面の温度を検知し各加熱コイルが加熱する被加熱物の温度を間接的に検知するため前記各加熱コイルに対応して設けられたトッププレート温度検知手段を備え、最大定格値の高い加熱コイルより順に優先して出力を低減することに代え、前記トッププレート温度検知手段検知する検知温度が低いトッププレートに対応する加熱コイルから順に優先して出力を低減する構成とした請求項に記載の誘導加熱調理器。
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