JP3941085B2 - 給油装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車へ燃料油を供給する給油装置で、特に流量計の検査機能を有するに給油装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
給油所に設置されている給油装置は、公正な商取引を保つために5年毎の流量検定が義務付けられ、流量計の器差が±0.5%以内であることが要求されている。流量計の検査機能を有する給油装置は、本出願人が特開平7−33197号で提案している。このものは有効であるが、流量計の器差の善し悪しを判定し、その結果を報知するだけであるので、熟練した作業員が相当の時間を掛けて流量計の器差調整を行う必要がある。また、器差の調整は作業員により微妙に異なり、正確な器差の調整は困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した様な従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、流量計の器差の判定及び調整を自動的にするようにした給油装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、給油管(3)にポンプ(6)及び流量計(8)を介装し、給油管(3)を給油ホース(10)を介して給油ノズル(11)に接続し、流量計(8)に設けたパルス発信器(7)からの流量パルスと記憶手段(24c)に記憶されている器差係数とより給油量を演算する給油制御装置(24)と、給油制御装置(24)で演算された給油量を表示する表示計(23)とをハウジング(2)内に設けた給油装置(1)において、ハウジング(2)内に切替えスイッチ(22a)、報知器(22c)を具備する操作盤(22)が設けられ、前記操作盤(22)はハウジング(2)の凹部(25)内に設けられその蓋(26)には封印(27)がされており、さらにハウジング(2)内に液面計(18)を具備する計量枡(17)が設けられ、計量枡(17)の上部は給油管(3)から分岐する分岐管(14)が制御弁(15)を介して接続され、計量枡(17)の底部は開閉弁(19)及び流出管(20)を介して貯油タンク(4)に接続され、前記給油制御装置(24)に検査モード実行手段(24a)が設けられ、前記検査モード実行手段(24a)は、前記切替えスイッチ(22a)の切替えで作動開始され、開閉弁(9)を閉じ(ST4)、制御弁(15)を開いてポンプ(6)を起動し、計量枡(17)が油でほぼ満たされる一定時間T1が経過すると制御弁(15)を閉じてポンプを停止し、計量枡(17)の液面計(18)による計量値及び制御弁(15)を開いてから閉じるまでに流量計(8)で計量された計量値をそれぞれ記憶手段(24c)に記憶し、液面計(18)及び流量計(8)でそれぞれ計量された計量値により器差計数を演算し、演算された器差係数を記憶手段(24c)に更新記憶し、器差係数が一定範囲以内であるかどうかを前記報知器(22c)により報知させる機能を有している。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1に示す様に、給油装置1のハウジング2内の給油管3は貯油タンク4に接続され、給油管3にはモータ5で駆動されるポンプ6、流量パルス発信器7を有する流量計8、及び開閉弁9が介装されている。そして、給油管3に接続された給油ホース10の先端には給油ノズル11が接続され、給油ノズル11を掛けるノズル掛け12にはノズルスイッチ13が設けられている。
【0008】
流量計8の吐出側の給油管3に接続された分岐管14は、制御弁15を介して検査用流量計16に接続されている。この検査用流量計16の本体は底がロート状をした計量枡17で、液面計18が設けられている。計量枡17の下端は開閉弁19及び流出管20を介して貯油タンク4に接続され、計量枡17の上部はエア−管21を介して貯油タンク4に接続されている。
【0009】
ハウジング2には操作盤22、表示計23、及び上述した各機器に信号線で接続された給油制御装置24が設けられている。そして、操作盤22には、切替えスイッチ22a、検査スイッチ22b、及び報知器22c等が設けられている。
【0010】
図2に示すように、操作盤22はハウジング2に設けられた凹部25内に設けられている。そして、凹部25の蓋26には封印27がされ、権限のある特定の人だけが操作できるようになっている。
【0011】
図3に示すように、給油制御装置24は検査モード実行手段24aと給油モード実行手段24bとを具備し、これらは操作盤22の切替えスイッチ22aで切り換えられるようになっている。検査モード実行手段24aは、操作盤22の検査スイッチ22bから検査信号を受けて器差係数を演算し、器差係数を記憶手段24cに記憶する。給油モード実行手段24bは、ノズルスイッチ13からノズル外し信号を受けて給油状態にし、記憶手段24cに記憶されている器差係数に基づいて給油量を演算して表示計23に表示する。
【0012】
次に図4および図5のフロー図に基づいて、本発明の給油装置1の動作を説明する。まず前提条件として、10ml計量する毎にパルス発信器7から1パルスが出力されるように流量計8が設計され、計量枡17の容量が1000mlで、制御弁15は全開で45l/minの流量で、少開で8l/minの流量であるとする。
【0013】
給油装置1を工場から出荷する前に、給油管3、流出管20、及びエア−管21を貯油タンク4に接続する。そして、操作盤22の切替スイッチ22aを検査モードにすると(ST1)、給油制御装置24の検査モード実行手段24aが働き(ST2)、検査スイッチ22bが押されて検査信号が入力すると(ST3)、給油制御装置24は開閉弁9を閉じ(ST4)、制御弁15を全開(45l/min)にし、モータ5を起動してポンプ6を駆動して(ST5)、大流量での検査が開始される。貯油タンク4内の油はポンプ6で給油管3内に送られ、流量計8、分岐管14、及び制御弁15を介して検査用流量計16の計量枡17内へ流れ込み、計量枡17内の空気はエア−管21から流出する。
【0014】
計量枡17が油でほぼ満たされる一定時間T1が経過すると(ST6)、給油制御装置24は制御弁15を閉じ、モータ5を停止する(ST7)。
【0015】
そして、給油制御装置24は制御弁15を開いてから制御弁15を閉じるまでに流量計8のパルス発信器7から入力したパルス数に基づく計量値を記憶手段24cに記憶し、制御弁15を閉じた後の検査用流量計16の液面計18の計量値を記憶手段24cに記憶する(ST8)。
【0016】
そして、給油制御装置24は戻し弁19を開いて(ST9)、計量枡17内の油を戻し弁19及び流出管20を介して貯油タンク4へ流出する。計量枡17内の油が流出するに要する一定時間T2が経過すると(ST10)、戻し弁19を閉じ、制御弁15を少開(8l/min)にし、モータ5を起動してポンプ6を駆動して(ST11)、少流量での検査が開始される。
【0017】
計量枡17が油でほぼ満たされる一定時間T3が経過すると(ST12)、給油制御装置24は制御弁15を閉じ、モータ5を停止する(ST13)。
【0018】
そして、大流量での検査と同様に、給油制御装置24は制御弁15を開いてから制御弁15を閉じるまでの流量計8の計量値及び制御弁15を閉じた後の検査用流量計16の計量値を記憶手段24cに記憶し(ST14)、戻し弁19を開いて(ST15)、計量枡17内の油を流出する。
【0019】
そして、計量枡17内の油が流出するに要する一定時間T2が経過すると(ST17)、戻し弁19を閉じ、制御弁15を全開(45l/min)にし、モータ5を起動して(ST5)、再び大流量での検査が開始される。このようにして大流量及び少流量での検査がM回、例えば2回おこなわれると(ST16)、給油制御装置24は器差係数を演算し、器差係数を記憶手段24cに更新記憶する(ST18)。
【0020】
例えば、大流量での1回目の流量計8の計量値が978mlで、2回目が966mlで、少流量での1回目が989mlで、2回目が983mlであり、大流量での1回目の検査用流量計16の計量値が985mlで、2回目が969mlで、少流量での1回目が994mlで、2回目が987mlであると、(978+966+989+983=3916、985+969+994+987=3935、3935/3916=1.005)、1.005が器差係数として記憶手段24cに更新記憶される。
【0021】
そして、この器差係数が一定範囲以内、例えば1.010>器差係数>0.990であるかどうかが判断され(ST19)、一定範囲以内であれば報知器22cで正常が報知され(ST20)、一定範囲以外であれば報知器22cで異常が報知され(ST21)、流量計8の検査が終了する。このようにして検査が終わったならば、切替スイッチ22aを給油モードにすると(ST22)、給油制御装置24の給油モード実行手段24bが働き(ST23)、開閉弁9を開く(ST24)。そして、蓋26を閉じて封印27し、給油装置1を出荷する。
【0022】
給油所に設置された給油装置1で給油をするには、給油ノズル11をノズル掛け12から外してノズルスイッチ13からオン信号が入力すると(ST25)、給油制御装置24はモータ5を起動してポンプ6を駆動し(ST26)、貯油タンク4内の油は給油ノズル11から給油される。
【0023】
そして、給油制御装置24は流量計8のパルス発信器7から流量パルスが入力する毎に(ST27)、記憶手段24cに記憶されている器差係数(1.005)に基づいて給油量を演算し、表示計23に表示する(ST28)。すなわち、流量パルスを受ける毎に、10(ml)×1.005=10.05(ml)を積算して給油量を演算する。このように、流量計8の流量は器差係数で補正されるので、正確な流量表示となる。
【0024】
給油が終わり、給油ノズル11をノズル掛け12に掛けてノズルスイッチ13からオフ信号が入力すると(ST29)、給油制御装置24はモータ5を停止する(ST30)。そして、次の給油では、ステップST25以下が繰り返される。
【0025】
そして、5年に一度の検定のとき又は計量精度に疑問を感じたときに、権限を有する人が封印27を解き、操作盤22の切替スイッチ22aを検査モードにして流量計8の検査をする。
【0026】
なお、上述した実施例では、ハウジング2内にポンプ6を設けたが、貯油タンク4内に設けるサブマ−ジブルポンプを使用してもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明は、給油管にポンプ及び流量計を介装し、給油管を給油ホースを介して給油ノズルに接続し、流量計に設けたパルス発信器からの流量パルスと記憶手段に記憶されている器差係数とより給油量を演算する給油制御装置と、給油制御装置で演算された給油量を表示する表示計とを設けた給油装置において、前記流量計の吐出口は制御弁を介して検査用流量計に接続され、前記給油制御装置は制御弁を開いて流量計の計量値と検査用流量計の計量値とより器差係数を演算し、演算された器差係数を記憶手段に更新記憶する検査モード実行手段を具備しているので、流量計の器差の判定だけでなく調整も自動的にでき、熟練していない人でも短時間に正確に器差調整を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給油装置の構成図である。
【図2】本発明の給油装置の操作盤の部分の断面図である。
【図3】本発明の給油装置のブロック図である。
【図4】給油制御装置のフロー図である。
【図5】図4に続く給油制御装置のフロー図である。
【符号の説明】
1・・・給油装置
2・・・ハウジング
3・・・給油管
4・・・貯油タンク
5・・・モータ
6・・・ポンプ
7・・・パルス発信器
8・・・流量計
9・・・開閉弁
10・・・給油ホース
11・・・給油ノズル
12・・・ノズル掛け
13・・・ノズルスイッチ
14・・・分岐管
15・・・制御弁
16・・・検査用流量計
17・・・計量枡
18・・・液面計
19・・・戻し弁
20・・・流出管
21・・・エアー管
22・・・操作盤
22a・・・切替えスイッチ
22b・・・検査スイッチ
22c・・・報知器
23・・・表示計
24・・・給油制御装置
24a・・・検査モード実行手段
24b・・・給油モード実行手段
24c・・・記憶手段
25・・・凹部
26・・・蓋
27・・・封印

Claims (1)

  1. 給油管(3)にポンプ(6)及び流量計(8)を介装し、給油管(3)を給油ホース(10)を介して給油ノズル(11)に接続し、流量計(8)に設けたパルス発信器(7)からの流量パルスと記憶手段(24c)に記憶されている器差係数とより給油量を演算する給油制御装置(24)と、給油制御装置(24)で演算された給油量を表示する表示計(23)とをハウジング(2)内に設けた給油装置(1)において、ハウジング(2)内に切替えスイッチ(22a)、報知器(22c)を具備する操作盤(22)が設けられ、前記操作盤(22)はハウジング(2)の凹部(25)内に設けられその蓋(26)には封印(27)がされており、さらにハウジング(2)内に液面計(18)を具備する計量枡(17)が設けられ、計量枡(17)の上部は給油管(3)から分岐する分岐管(14)が制御弁(15)を介して接続され、計量枡(17)の底部は開閉弁(19)及び流出管(20)を介して貯油タンク(4)に接続され、前記給油制御装置(24)に検査モード実行手段(24a)が設けられ、前記検査モード実行手段(24a)は、前記切替えスイッチ(22a)の切替えで作動開始され、開閉弁(9)を閉じ(ST4)、制御弁(15)を開いてポンプ(6)を起動し、計量枡(17)が油でほぼ満たされる一定時間T1が経過すると制御弁(15)を閉じてポンプを停止し、計量枡(17)の液面計(18)による計量値及び制御弁(15)を開いてから閉じるまでに流量計(8)で計量された計量値をそれぞれ記憶手段(24c)に記憶し、液面計(18)及び流量計(8)でそれぞれ計量された計量値により器差計数を演算し、演算された器差係数を記憶手段(24c)に更新記憶し、器差係数が一定範囲以内であるかどうかを前記報知器(22c)により報知させる機能を有していることを特徴とした給油装置。
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