JP3940916B2 - 木造建造物の軸組構造 - Google Patents

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    • E04BUILDING
    • E04BGENERAL BUILDING CONSTRUCTIONS; WALLS, e.g. PARTITIONS; ROOFS; FLOORS; CEILINGS; INSULATION OR OTHER PROTECTION OF BUILDINGS
    • E04B1/00Constructions in general; Structures which are not restricted either to walls, e.g. partitions, or floors or ceilings or roofs
    • E04B1/18Structures comprising elongated load-supporting parts, e.g. columns, girders, skeletons
    • E04B1/26Structures comprising elongated load-supporting parts, e.g. columns, girders, skeletons the supporting parts consisting of wood
    • E04B2001/2696Shear bracing

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  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンクリート製の基礎の上面に、土台を介さず直接に、柱を立設して、強度を高めた木造建造物の軸組構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木造建造物では、コンクリート製の基礎の上面に土台を架設し、土台とは基礎に埋設したアンカーボルトに固定していた。そして、基礎と土台とを各種金物で固定していた。あるいは、基礎に埋設したアンカーボルトを、土台を貫通させて、柱に固定したホールダウン金物と称する金物に固定することもなされていた。
【0003】
いずれしても、基礎上の土台に柱の上面を載せていた。また、柱脚部の基礎への固定方法は種々提案させているが、いずれも土台を必須の部材としてとらえていた(例えば、特許文献1、2)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−25832
【0005】
【特許文献2】
特開2001−146792
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
土台は、個々の柱を基礎に固定すると共に並列する柱脚部を相互に固定する機能を有し、更には、床を構築する際に架設する根太の端部を固定する機能を有すると考えられる。
【0007】
前記従来の技術では、柱は、最終的に基礎に固定されれば、構造的には十分であるにも関わらず、土台を介して基礎に固定されるので、基礎−土台、土台−基礎の夫々で、固定金物類を要し、筋かい固定の金物も必要とされていた。従って、各金物類自体が納まらず、また各金物類の取付用のボルト、ピン、釘等が干渉すると共に、金物に応じた各木造部材の断面欠損も生じ、接合部の強度を充分に発揮できない問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
然るにこの発明では、根太用の横架材を別途架設し、土台を省略して基礎と柱を直接に接合したので、前記問題点を解決し、合理的な接合構造が実現した。
【0009】
即ち、この発明は、コンクリート製の基礎の上面に、横方向に所定間隔を空けて並列して立設した柱の下面を固定し、前記隣接する柱の下端部間に第一下部横架材を架設固定し、前記隣接する柱の上端部を上部横架材で固定し、前記柱及び各横架材で囲まれた面の1つ又は複数に、筋かいを固定し、あるいは壁パネルを固定してなり、前記柱と基礎との固定は、下部を基礎に埋設した柱脚固定金物を前記柱の側面に固定してなり、前記第一下部横架材の両端を前記柱脚固定金物に固定してなり、前記柱脚固定金物は、前記柱の側面に固定するフランジと、該フランジの中央部に直交して補強リブを連設して断面T字状の基部を形成し、該基部の上部を基礎から突出し、前記基部の下部を前記基礎内に埋設して構成すると共に、前記フランジの下部の一部分を補強リブとは反対側に屈曲し、前記下部に前記基礎用の鉄筋を貫通する開口を形成して、前記基部の上部に前記第一下部横架材の受け材を水平方向に取り付けて構成したことを特徴とする木造建造物の軸組構造である。
【0010】
また、他の発明は、コンクリート製の基礎の上面に、横方向に所定間隔を空けて並列して立設した柱の下面を固定し、前記隣接する柱の下端部間に第一下部横架材を架設固定し、前記隣接する柱の下端部間で、該第一下部横架材から上方に所定間隔を空けて、第二下部横架材を架設し、前記隣接する柱の上端部を上部横架材で固定し、前記柱と各横架材とで囲まれた面の1つ又は複数に、筋かいを固定し、あるいは壁パネルを固定し、前記柱と第一下部横架材及び第二下部横架材とで囲まれた面の1つ又は複数に、筋かいを固定し、あるいは壁パネルを固定し、前記柱と基礎との固定は、下部を基礎に埋設した柱脚固定金物を前記柱の側面に固定してなり、前記第一下部横架材の両端を前記柱脚固定金物に固定してなり、前記柱脚固定金物は、前記柱の側面に固定するフランジと、該フランジの中央部に直交して補強リブを連設して断面T字状の基部を形成し、該断面T字状の基部の上部を前記基礎から突出し、前記断面T字状の下部を前記基礎内に埋設すると共に、前記第二下部横架材上に1階床を構築したことを特徴とする木造建造物の軸組構造である。
【0011】
前記において、柱の側面に固定するフランジと、該フランジの中央部に直交して補強リブを連設して断面T字状の基部を形成し、該基部の上部を基礎から突出し、下部を基礎内に埋設して構成し、前記フランジの下部の一部分を補強リブとは反対側に屈曲し、前記下部に基礎用の鉄筋を貫通する開口を形成して、前記基部の上部に第一下部横架材の受け材を水平方向に取り付けて柱脚固定金物を構成したことを特徴とする木造建造物の軸組構造である。更に、フランジと、該フランジの中央部に直交して補強リブを連設して断面T字状の基部を形成して固定金物を構成し、フランジを柱の側面に固定し、前記補強リブを、上部横架材に形成した接合切欠きに嵌挿し、補強リブと上部横架材とを固定したことを特徴とする木造建造物の軸組構造である。
【0012】
前記における上部横架材は、主に梁を指すが、柱の上面(上端部)に固定し、あるいは柱の上端部側面(上端部)に固定される横架材で、隣接する柱の上端部を連結する機能を有すれば、その名称は問わない。
【0013】
【発明の実施の形態】
(1) 図5に基づいて、この発明の実施形態を説明する。
【0014】
この発明で使用する柱脚固定金物30、固定金物32は、柱に固定するフランジ6の軸方向中央に補強リブ7を連設してなる断面T字状に形成された基部1に、接合に必要な、透孔18、19を穿設して構成される(図1)。柱脚固定金物30で、基礎37内に埋設される下部2には、コンクリートとの定着を増し、基礎用の鉄筋35との干渉を未然に防止する為に、開口8、9、10、透孔18、16が穿設されている(図1)。
【0015】
コンクリート製の基礎37の上面38から、柱40、40の構築位置で、柱脚固定金物30の上部3を突出させ、柱脚固定金物30、30のフランジ6に柱40の側面41を当接して、木ねじ又はスクリューボルト等で固定する。
【0016】
基礎37の上面38から所定距離(床下の通気を確保するのに必要な高さ。例えば5cm)を空けて根固め用横架材(第一下部横架材)45を架設して、根固め用横架材45の両端部を柱脚固定金物30の補強リブ7に固定する。また、根固め用横架材45の上方(地面38から140cm以下)に根太受け用横架材54を架設して、予め柱40に固定された固定金物32、32の補強リブ7に固定する。
【0017】
両側の柱40、40の上端部に固定金物32を固定し、柱40、40間に梁(上部横架材)47を架設し、固定金物32の補強フランジ7に固定する。中間部の柱40、40の上面は、梁47の下面に当接し、接合部に補強金物51、51を固定する。
【0018】
柱40、40と根固め用横架材45、根太受け用横架材54で囲まれた壁の内、両側の壁55A、55Bに筋かい52を固定する。また、柱40、40と根太受け用横架材54、梁47で囲まれた壁の内、両側の壁55C、55Dに筋かい52を固定する。筋かい52、52は、筋かい52の両端部を柱脚固定金物30又は固定金物32の補強リブに固定され、必要ならば補助鋼板(筋かいプレート)53を使用する。この際、新たな筋かい固定金物(主に立体構造)が不要であるので、隅部の納まりが良い。
【0019】
以上のようにして、軸組構造50を構築する(図5)。図中56は間柱である。
【0020】
(2)従来の軸組工法では、布基礎の地面からの立ち上がりは24cm以上と定められており(土間コンクリート床の場合は、地面から30cm)、これにより、基礎37の上面38は通常地面から30〜45cmとなっていた。前記軸組構造50では、基礎37上に土台を廃止して、直接に柱40を立て、根固め用横架材45を基礎37の上面38から5cm程度浮かせると共に、根太受け用横架材54を架設固定した。
【0021】
このように形成した軸組構造50では、柱脚固定金物30で、柱40の柱脚が基礎37に完全に固定され、隣接する柱40も同様に固定されるので、安全に固定される。また、根太受け用横架材54、根固め用横架材45間は、筋かい52で格子を保つので、根太受け用横架材54、根固め用横架材45間全体で、柱40の柱脚を強固に接合する。また、根太受け用横架材54上に、根太を張り、1階床を構築すれば、高床式の木造建造物とすることができ、根太受け用横架材54の下方を利用価値のある床下とすることができる。
【0022】
即ち、
○窓の位置が高く、日当たりが良くなり日照問題の改善に役立つ。
○窓からの眺望が良くなる。
○開口部の位置が高くなるので、外から覗かれない。
○防犯効果やプライバシーの保護が期待できる。
○床下の通気が良くなり、防腐、防蟻に有効である。
○配管・配線等の床下での設備のメンテナンスが容易となる。
○床下が多目的に活用できる。
○耐震性の向上が期待できる。
等の利点がある。また、床下の活用として、以下の事項が考えられる。
○納戸の仕様(断熱、結露対策、内装仕上げ)とすれば、衣類、電気製品等の季節物の収容室としての利用、衣類、布団等の乾燥室としての利用、趣味の部屋(音楽、映画、アトリエ、ワインセラー等)としての利用が可能である。
○物置き程度の利用も可能である。例えば、エアコンの室外機、大型冷蔵庫の置き場、自転車・バイク・乳母車等の置き場、園芸、家庭大工等の作業場として利用できる。
○また、蓄熱層、空調調節室名祖への利用も可能である。
【0023】
(3)以上のように構成した軸組構造50の耐力を試験した。
【0024】
○柱40:集成材120×120mm
梁47:集成材120×300mm
根固め用横架材45:集成材 120×120mm
根太受け用横架材54:集成材 120×120mm
筋かい52:45×90mm
○柱40、40の間隔:910mm
根固め用横架材45と根太受け用横架材54の間隔:910mm
根固め用横架材45と梁47の間隔:2730mm
の仕様で、梁47の高さで水平荷重Pを繰り返し作用させた場合(図6。試験体HF−S−1)、最大で、
P=27.6kN
の耐荷重が認められた(図7)。
【0025】
(4)また、前記実施態様(図5)で、壁55A、55Bの筋かい52、52をクロス状に2本づつ取り付け、更に壁55Eにもクロス状に筋かい52、52を取り付けて、軸組構造50を構成することもできる(図8)。この場合、前記と同様の仕様で、梁の高さで水平荷重Pを作用させた場合(図9。試験体HF−W−1)、最大で、
P=32.3kN
の耐力が認められた(図10)。
【0026】
【実施例1】
図1〜図4、図11に基づきこの発明の実施例を説明する。
【0027】
[1]柱脚固定金物30の構成
【0028】
(1) 柱脚固定金物30は、フランジ6の中央部に軸方向の補強リブ7を突設してなる断面略T字状の基部1を形成する。基部1で、埋設予定のコンクリート製の基礎37の上面38に位置する線を横中心線4とし、基礎37内に埋設される部分を下部2、基礎の上方に突出する部分を上部3とする(図1(b)、図4(a))。また、柱脚固定金物30は防錆処理(例えば亜鉛メッキ)を施してしてある。
【0029】
また、上部3のフランジ6に、横中心線4の目印となる開口8がフランジ6の両側縁から中間部まで形成されている。また、上部3のフランジ6に、柱40と固定するための透孔18、18が、縦方向に並列してかつ左右で高さを違えると共に、上下に位置する透孔18、18でも位置を違えて形成されている(図1(b))。また、上部3の補強リブ7に、横架材と接合する為の透孔19が夫々形成されている。また、筋かいを固定する場合には、上部3が3aまで延長され、フランジ6に筋かいと固定する為の透孔20が穿設される(図1(c)鎖線図示3a、20)。各透孔18、19、20は、ボルト、ピン、釘等の挿通する固定手段の形状に合わせて形成してある。
【0030】
また、下部2の中間部、及び下端部にフランジ6の全部を切り欠いた開口9、10が夫々形成されている。開口8、9、10により、フランジ6の下部2は、フランジ部材11、12、13に分割され、フランジ部材11、12は、中間部の縦線14から約45度の角度で、外方(補強リブ7の反対側)に折り曲げられている。ここで、フランジ部材11、12の折り曲げは基礎コンクリートにクラックが生じるおそれを排除し、基礎の側面部分でのコンクリートのかぶり厚を充分に確保するためになされ、折り曲げ角度は、30度〜90度(より良くは45度〜90度)で上記目的を達するように調節される。尚、最も下に位置するフランジ片13は小片であり、クラック等に与える影響が少ないと考えられ、柱脚固定金物30を設置する際の作業性を優先して、折り曲げ加工をしない。
【0031】
また、フランジ部材12の折り曲げ線14に沿って、円形の透孔15、15が縦に並列して穿設されている。また、下部2の補強リブ7で、フランジ部材12に相当する高さに透孔16、16を穿設する。
【0032】
前記開口8、9、10及び透孔16により、該部でコンクリートがつながり、コンクリート製の基礎37内での付着力が増す。また、開口9、10内を利用して、基礎用の鉄筋35、を挿通させることができ、基礎用の鉄筋35の配筋に支障が無い(図1(b)(c)鎖線図示35)。
【0033】
(2) 以上のような構成の柱脚固定金物30は、予め所定の透孔15、16、18、19等、開口8、9、10等が穿設された所定形状の板材を形成し、縦中心線(補強リブ7の稜線)5の両側を補強リブ片7a、7a、補強リブ片7aの外側に夫々フランジ片を形成してある(図1(a)参照)。板材をプレスにより、補強リブ片6aとフランジ片7aの境界を90度に屈曲し、その後、縦中心線5に沿って補強リブ片7a、7aを90度の角度で屈曲し、更に両補強リブ片7a、7aが重ねるようにプレス作業をして形成する。従って、重ねた補強リブ片7a、7aから補強リブ7を形成し、補強リブ7a、7aを挟んで分離されたフランジ片6a、6aからフランジ6を構成する。尚、屈曲する前の板材の状態で防錆処理を完了させておくことが望ましい。
【0034】
(3) また、柱脚固定金物30で、根固め用横架材(第一下部横架材)の下面位置に合わせて、フランジ6の上部3及び補強リブ6の上部2に切欠き22、23を夫々形成し、切欠き22、23に受け板24を取付ける。受け板24は、差込側の縁で、中央部にフランジ6の切欠き22に嵌合する切り欠き25、補強リブ6の切り欠き23に嵌挿する突起26、26が夫々形成されている。
【0035】
[2]固定金物32
【0036】
固定金物32も柱脚固定金物30と同様で、フランジ6の中央部に軸方向の補強リブ7を突設してなる断面略T字状の基部1を形成する。基部1の長さは、上端を梁の上面に留める場合、梁から突出させる場合により異なる仕様となる。
【0037】
通し柱の中央高さで側面に梁(上部横架材)を接合する場合に使用する固定金物では、基部1の補強リブ7の中央部に梁と固定する為の透孔が穿設され、その上下のフランジ6には、柱40と固定する為の透孔が穿設されている。また、柱40の上端部側面に梁47を接合する場合に使用する固定金物32では、基部1の補強リブ7の上端部に梁47と固定する為の透孔が穿設され、その下方のフランジ7には、柱40と固定する為の透孔が夫々穿設されている。各透孔は、ボルト、ピン、釘等の挿通する固定手段の形状に合わせて形成してある(図示していない)。
【0038】
尚、固定金物32も柱脚固定金物30と同様で、透孔を穿設した板材をプレスにより折り曲げて形成する(図示していない)。
【0039】
[3]軸組構造50
【0040】
(1) 基礎37の構築位置に合わせて、基礎用の型枠34、34を立設し、基礎用の型枠34、34に柱脚固定金物30の位置(柱40の位置等)に対応させて墨出しし、墨出し位置に合わせて、柱脚固定金物30を仮止めした設置用治具(図示していない)を基礎用型枠34、34の上端部に仮止めする。通常は1つの柱40に対して2つの柱脚固定金物30、30で挟むように配置する。従って、直線部分では、柱40の対向する側面41、41に配置し(図3(a))、隅部では、柱40の隣接する側面41、41に配置する(図示していない)。
【0041】
柱脚固定金物40を仮止めした設置用治具の設置に並行して、あるいはその前又は後に、型枠34、34内に基礎用鉄筋35、35を配筋する。この際、必要ならば柱脚固定金物30の開口9、10に鉄筋を挿通すれば、基礎用鉄筋35と柱脚固定金物30の下部3との干渉を防止できる。
【0042】
その後、型枠34、34内にコンクリートを打設して、固化発現後、型枠34、設置用治具を取り外せば、基礎37の構築が完了し、基礎の上面から、柱脚固定金物の上部3が突出する(図3(b)、図4(a))。また、必要ならば、基礎37の上面38を整える処理を施す。
【0043】
尚、前記において、設置用治具は、型枠34に固定される型枠取付具に、柱脚固定金物30を支持した支持具を取付けて構成することもできる(図示していない)。
【0044】
(2) 続いて、柱脚固定金物30に受け板24を差し込み取り付ける(図3(b)、図4(a))。受け板24は、基礎の上面から5mm程度の位置に配置される。
【0045】
続いて、下面42に銅板を添えた柱40を、基礎37の上面38に直接載置し、柱40の側面41と柱脚固定金物30のフランジ6が当接するので、フランジ6の透孔18、18から木ねじ(ビス)類又はスクリューボルト等を打ち込み、柱脚固定金物30、30と柱40とを接合する(図3(c)、図4(b))。柱40は、集成材から構成し、柱脚部には、切欠きやほぞ穴等を形成しないので、断面欠損が生じていない。
【0046】
前記において、隣接する柱40、40間が長い部分では、短柱43を立設するので、短柱43の位置に対応する位置に、予め同様に柱脚固定金物30、30を設置してあり、柱脚固定金物30に短柱43を固定する。
【0047】
また、前記において柱40の下面と基礎37の上面38の間に銅板が挟まれているので、柱40がこ口(下面42)から水分を吸うことを防止できる。また、銅板に小凹凸を形成して隙間が空くように形成されている。尚、銅板を下面を含む下端部全体に巻くこともでき、銅板に代えて他の材料を採用することもできる。
【0048】
(3) 続いて、柱40又は短柱43間に、柱脚固定金物30に合わせて両接合端に切り欠き46を形成した根固め用横架材(第一下部横架材)45、45を架設し、切欠き46を柱脚固定金物30に嵌合させる。続いて、根固め用横架材45の側面からピンを打ち込み、補強リブ7の透孔19を貫通させる。短柱43の上面は根固め用横架材45の上面と面一に形成される。短柱43を使用したので、根固め用横架材45、45は、短い長さ(例えば90mm)程度で済むので、作業が容易であり、コストも抑えられる。
【0049】
(4) 続いて、柱40の中間部に梁用の固定金物32、32を固定し、柱40、40間に接合面に切欠き(切欠き46と同一形状)を形成した梁47を架設し、梁47の側面からピンを打ち込み、固定金物32の透孔19を貫通させて、柱40に梁47、47を接合する。同様に、柱40の上端部に2階用の梁47、47を固定金物32を介して、架設固定する。
【0050】
(5) 続いて、壁を強化する部分では(構造上必要な壁剛性の確保が必要な部分)、柱40、40と根固め用横架材45、梁47で囲まれた部分、柱40、40と梁47、47で囲まれた部分に、壁パネル49を固定する。
【0051】
以上のようにして、この発明の軸組構造50を構築する(図11)。この軸組構造50は、2階建て建造物を形成する(図14)。
【0052】
(6)前記軸組構造を、前記と同様の部材仕様で、
○構造パネル:構造用合板、厚さ9mm
○中央の柱40、40間の間隔:3640mm
○根固め用横架材45から2階の梁47間での高さ:5370mm
として、2階梁に水平荷重Qを作用させた場合(図12)、最大で、
Q=41.0kN
の耐荷重が得られた(図13)。
【0053】
(7)前記において、壁パネル49に代えて又は壁パネル49と共に、筋かい52を固定する場合には、補強リブ7に筋かい49の透孔と補強リブの透孔20とにボルトを挿入して固定する(図5、9参照)。透孔の形状・大きさは、使用する固定手段(釘、ビス、ボルト等)により適したものとする。
【0054】
[3]他の実施例
【0055】
(1) 前記実施例において、柱脚固定金物は板材を屈曲して形成したが、断面T字状に形成できれば、フランジ6と補強リブ7とを別部材として、溶接して一体に構成することもできる(図示していない)。
【0056】
(2) また前記実施例において、図5のように、根太受け用横架材54、54を架設して、高床式とすることもできる(図14)。また、ここで、高床部分を筋かい52をクロスに入れることもできる(図8参照)。また、高床部分に、筋かい52に代えて、壁パネル49を固定することもできる(図16)。
【0057】
(3) また、前記実施例において、柱脚固定金物30を使用することが望ましいが、柱脚を基礎37に同等又はそれ以上の強度で固定できれば、他の金物を使用することもできる(図示していない)。また、固定金物32も同様に他の構造のものを採用することもできる(図示していない)。
【0058】
【発明の効果】
この発明は、柱の下面を基礎に当接し、柱脚固定金物で互いに固定したので、土台を省略して、簡易な柱脚固定金物で強固な軸組構造を構築できる効果がある。
【0059】
また、第一下部横架材の上方に第二下部横架材を架設した場合には、第二下部横架材に根太を架設して、1階床を構築できるので、高床式構造として、両横架材間で、柱脚部を更に強固に基礎に固定でき、第二下部横架材の下方を床下スペースとしてを有効活用できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に使用する柱脚固定金物で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図である。
【図2】(a)は図1のA−A線における断面図、(b)は同じくB−B線における断面図、(b)は同じくC−C線における断面図である。
【図3】この発明の柱脚の固定を説明する平面図で、(a)は基礎の構築前、(b)は基礎の構築後、(c)は柱の立設後、(d)は根固め用横架材の構築後を夫々表す。
【図4】同じく正面図で、(a)は基礎の構築後、(b)は柱の立設後を夫々表す。
【図5】この発明の実施例の正面図である。
【図6】この実施例を適用した試験体の正面図
【図7】この試験体により荷重−変位包絡線及び完全弾塑性モデルのグラフである
【図8】この発明の他の実施例の正面図である。
【図9】この実施例を適用した試験体の正面図
【図10】この試験体により荷重−変位包絡線及び完全弾塑性モデルのグラフである
【図11】この発明の他の実施例の正面図である。
【図12】この実施例を適用した試験体の正面図
【図13】この実施例を試験体にして試験をした層せん断力−層間変位曲線のグラフである。
【図14】この発明の実施例で構築した木造建造物の概略図である。
【図15】同じく他の実施例で構築した木造建造物の概略図である。
【図16】また、他の実施例の正面図である。
【符号の説明】
1 基部
2 基部の下部
3 基部の上部
4 横中心線
5 縦中心線
6 フランジ
6a フランジ片
7 補強リブ
7a 補強リブ片
8 開口(下部、フランジ)
9 開口(下部、フランジ)
10 開口(下部、フランジ)
11 フランジ部材
12 フランジ部材
13 フランジ部材
14 縦線(フランジ部材)
15 透孔(下部、フランジ)
16 透孔(下部、補強リブ)
18 透孔(上部、フランジ)
19 透孔(上部、補強リブ)
20 透孔(上部、補強リブ)
22 切欠き(フランジ)
23 切欠き(補強リブ)
24 受け板
25 切欠き(受け板)
26 突起(受け板)
30 柱脚固定金物
32 固定金物
34 型枠
35 基礎用鉄筋
37 コンクリート製の基礎
38 基礎の上面
40 柱
41 柱の側面
42 柱の下面
43 短柱
45 根固め用横架材(第一下部横架材)
46 切欠き
47 梁(上部横架材)
49 壁パネル
50 軸組構造
51 補強金物
52 筋かい
53 補助鋼板
54 根太受け用横架材(第二下部横架材)
55A〜55E 壁
56 間柱

Claims (4)

  1. コンクリート製の基礎の上面に、横方向に所定間隔を空けて並列して立設した柱の下面を固定し、
    前記隣接する柱の下端部間に第一下部横架材を架設固定し、前記隣接する柱の上端部を上部横架材で固定し、
    前記柱及び各横架材で囲まれた面の1つ又は複数に、筋かいを固定し、あるいは壁パネルを固定してなり、
    前記柱と基礎との固定は、下部を基礎に埋設した柱脚固定金物を前記柱の側面に固定してなり、前記第一下部横架材の両端を前記柱脚固定金物に固定してなり、
    前記柱脚固定金物は、前記柱の側面に固定するフランジと、該フランジの中央部に直交して補強リブを連設して断面T字状の基部を形成し、該基部の上部を基礎から突出し、前記基部の下部を前記基礎内に埋設して構成すると共に、
    前記フランジの下部の一部分を補強リブとは反対側に屈曲し、前記下部に前記基礎用の鉄筋を貫通する開口を形成して、前記基部の上部に前記第一下部横架材の受け材を水平方向に取り付けて構成したことを特徴とする木造建造物の軸組構造。
  2. コンクリート製の基礎の上面に、横方向に所定間隔を空けて並列して立設した柱の下面を固定し、
    前記隣接する柱の下端部間に第一下部横架材を架設固定し、
    前記隣接する柱の下端部間で、該第一下部横架材から上方に所定間隔を空けて、第二下部横架材を架設し、
    前記隣接する柱の上端部を上部横架材で固定し、
    前記柱と各横架材とで囲まれた面の1つ又は複数に、筋かいを固定し、あるいは壁パネルを固定し、
    前記柱と第一下部横架材及び第二下部横架材とで囲まれた面の1つ又は複数に、筋かいを固定し、あるいは壁パネルを固定し、
    前記柱と基礎との固定は、下部を基礎に埋設した柱脚固定金物を前記柱の側面に固定してなり、前記第一下部横架材の両端を前記柱脚固定金物に固定してなり、
    前記柱脚固定金物は、前記柱の側面に固定するフランジと、該フランジの中央部に直交して補強リブを連設して断面T字状の基部を形成し、該断面T字状の基部の上部を前記基礎から突出し、前記断面T字状の下部を前記基礎内に埋設すると共に、
    前記第二下部横架材上に1階床を構築したことを特徴とする木造建造物の軸組構造。
  3. 柱の側面に固定するフランジと、該フランジの中央部に直交して補強リブを連設して断面T字状の基部を形成し、該基部の上部を基礎から突出し、下部を基礎内に埋設して構成し、
    前記フランジの下部の一部分を補強リブとは反対側に屈曲し、前記下部に基礎用の鉄筋を貫通する開口を形成して、
    前記基部の上部に第一下部横架材の受け材を水平方向に取り付けて柱脚固定金物を構成したことを特徴とする請求項記載の木造建造物の軸組構造。
  4. フランジと、該フランジの中央部に直交して補強リブを連設して断面T字状の基部を形成して固定金物を構成し、
    フランジを柱の側面に固定し、前記補強リブを、上部横架材に形成した接合切欠きに嵌挿し、補強リブと上部横架材とを固定したことを特徴とする請求項1又は2記載の木造建造物の軸組構造。
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