JP3940529B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の制動装置として適用されるディスクブレーキ装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】
従来、ブレーキロータをその両側からブレーキパッドで強く挟んで制動力を発生させるディスクブレーキ装置は、周知である。
【0003】
このようなディスクブレーキ装置において、製品品質の向上を図るために、制動時に発生する異音、すなわちブレーキ鳴きを抑制することが望まれている。
【0004】
そこで、本願発明者がディスクブレーキ装置でブレーキ鳴きメカニズムの解析を行ったところ、ブレーキロータの固有振動周波数(共振周波数)と、トルクメンバの固有振動周波数(共振周波数)とが近接していると、制動時にブレーキロータとブレーキパッドとの摩擦係数によって連成し、自励振動となってブレーキ鳴きとなることが証明された。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、他の機能に影響を及ぼさないとともに簡便な構成により、低周波数域のブレーキ鳴きを有効に抑制するディスクブレーキ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決手段は、下記の通りである。
【0007】
請求項1に記載の発明は、ホイールに固定されてホイールと共に回転するブレーキロータと、このブレーキロータを挟むことが可能なブレーキパッドと、このブレーキパッドならびにピストンを支持するトルクメンバと、を備え、ブレーキ液圧によるホイールシリンダの作動時にブレーキパッドによりブレーキロータを挟んで制動力を発生させるディスクブレーキ装置において、前記トルクメンバのアウタビームにマス部材を追加することによりトルクメンバの固有振動周波数を低下させ、トルクメンバの固有振動周波数とブレーキロータの固有振動周波数との離間周波数を大きく設定したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のディスクブレーキ装置において、前記マス部材は、トルクメンバの固有振動周波数の振動モードにおける車幅方向の振幅の大きい位置に追加した第1マス部材であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のディスクブレーキ装置において、前記マス部材は、トルクメンバの固有振動周波数の振動モードにおけるブレーキロータ回転方向の振幅の大きい位置に追加した第2マス部材であることを特徴とする。
【0010】
【発明の作用および効果】
請求項1記載の発明にあっては、トルクメンバのアウタビームにマス部材を追加することによりトルクメンバの固有振動周波数を低下させることで、トルクメンバの固有振動周波数とブレーキロータの固有振動周波数との離間周波数を大きく設定することができる。
すなわち、固有振動周波数は、
固有振動周波数=(剛性/質量)1/2
という特性を有しており、マス部材を追加することにより、トルクメンバの剛性を変えることなく質量が増加されて固有振動周波数が低下される。
【0011】
よって、トルクメンバの固有振動周波数の低下によって、トルクメンバの固有振動周波数とブレーキロータの固有振動周波数との離間周波数が拡大されることになり、離間周波数が近接することによって連成することを原因とする低周波ブレーキ鳴きを有効に抑制することができる。また、このように連成を原因とするブレーキ鳴きを抑制するためのマス部材は、回転側のブレーキロータではなく固定側のトルクメンバのアウタビームに設けているため、偏心による振動やブレーキ機能などに悪影響を与えることがないとともに、マス部材を付加するだけであるので構成も簡単である。
【0012】
請求項2記載の発明にあっては、トルクメンバに追加するマス部材を、トルクメンバの固有振動周波数の振動モードにおける車幅方向の振幅の大きい位置に追加した第1マス部材とすることにより、トルクメンバの固有振動周波数を効果的に低減することができ、これにより効果的に離間周波数を大きく設定することができる。
【0013】
請求項3記載の発明にあっては、トルクメンバに追加するマス部材を、トルクメンバの固有振動周波数の振動モードにおけるブレーキロータ回転方向の振幅の大きい位置に追加した第2マス部材とすることにより、トルクメンバの固有振動周波数を効果的に低減することができ、これにより効果的に離間周波数を大きく設定することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は請求項1〜3に記載の発明に対応するディスクブレーキ装置である。まず、構成を説明する。
【0016】
図1は実施の形態1のディスクブレーキ装置を示す斜視図で、1はブレーキロータ、2はトルクメンバである。
【0017】
前記ブレーキロータ1は、図外のホイールに固定され、ホイールおよび車輪と共に回転する部材である。
【0018】
前記トルクメンバ2は、図2に示すようにアウタビーム2bとメインビーム2aとを備え、これらアウタビーム2bとメインビーム2aとの間に、図1に示すようにホイルシリンダ3が支持されている。なお、このホイルシリンダ3には、図示は省略するが、前記ブレーキロータ1を内外両側から挟むことが可能なブレーキパッドと、このブレーキパッドを支持するピストンが設けられている。
【0019】
さらに、前記トルクメンバ2には、直方体形状の第1マス部材21と第2マス部材22が、別部材を溶接するかあるいは一体成型により設けられている。
【0020】
次に、作用を説明する。
本実施の形態の作用を説明するにあたり、まず、トルクメンバ2に各マス部材21,22を設けていない構成の振動特性について説明する。
【0021】
図5は、両マス部材21,22を設けていないトルクメンバの振動特性図である。この図に示すように、幾つかの周波数帯に固有振動数を有する。この図において、Aはトルクメンバ2の固有振動周波数(=2540Hz),Bはトルクメンバ2の固有振動周波数(=2819Hz),aはブレーキロータ1の固有振動周波数(=2550Hz),bはブレーキロータ1の固有振動周波数(=2800Hz)である。この図に示すように、トルクメンバ2の固有振動周波数Aとブレーキロータ1の固有振動周波数aとの離間周波数、ならびにトルクメンバ2の固有振動周波数Bとブレーキロータ1の固有振動周波数bとの離間周波数が、前者が10Hz、後者が約20Hzと狭くなっていることから、制動時に振動した場合に連成が生じ、図4に示すように、低周波数において、75dB以上の鳴き発生率が高い。
【0022】
ここで、トルクメンバ2の固有振動周波数A,Bのモード図を、図6および図7に示しており、図においてSA,SBが振幅が大きい位置を示している。
【0023】
そこで、本実施の形態にあっては、トルクメンバ2において、固有振動周波数による振動時の車幅方向の振幅が大きい点SA,同様にブレーキロータ1の回転方向の振幅が大きい点SBにそれぞれ第1マス部材21および第2マス部材22を付加することにより、各固有振動周波数を低減させている。すなわち、固有振動周波数は、
固有振動周波数=(剛性/質量)1/2
の関係にあり、質量を増加させることにより固有振動周波数を低減させることができる。この実施の形態の特性を図3に示している。この図に示すように、両マス部材21,22を追加したことにより、固有振動周波数が低減されているもので、この低減した固有振動周波数をA’,B’で示している。具体的には、A’=2336Hz,B’=2708Hzである。このように固有振動周波数A’,B’が低下された結果、ブレーキロータ1の固有振動周波数a,bとの離間周波数が拡大されているもので、すなわち、従来は固有振動周波数Aとaとの離間周波数が10Hz程度であったのが、実施の形態の固有振動周波数A’とaの離間周波数が250Hzに広がるとともに、従来の固有振動周波数Bとbとの離間周波数が20Hz程度であったのが、実施の形態の固有振動周波数B’とbとの離間周波数が100Hz程度に広がっている。したがって、図4に示すように、両マス部材21,22を追加した本実施の形態では、両マス部材21,22が設けられていない構成に比べ、鳴きの発生率が低下している。
【0024】
次に、効果を説明する。
(1)トルクメンバ2において固有振動周波数の振幅が大きい箇所に第1・第2マス部材21,22を追加することにより固有振動周波数を低下させ、ブレーキロータ1の固有振動周波数との離間周波数を大きく設定したため、2つの固有値の近接を原因とするブレーキ鳴きを有効に抑制することができる。
【0025】
(2)上述のように、ブレーキ鳴きを抑制するにあたり、トルクメンバ2に各マス部21,22を追加するだけの簡単な構成であり、かつ、構成を非回転体に設けているため、製造時の加工は従来と比べて大きく変わるものではないし、回転アンバランスの問題も生じない。
【0026】
(3)トルクメンバ2の固有振動周波数とブレーキロータ1の固有振動周波数の離間周波数を100Hz以上に設定したため、高いブレーキ鳴き低減効果を得ることができる。
【0027】
(その他の実施の形態)
実施の形態1では、マス部材として、第1マス部材21と第2マス部材22とを設けた例を示したが、これらマス部材の数や形状や位置は、固有振動モードに応じて任意に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のディスクブレーキ装置を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1のディスクブレーキ装置のトルクメンバを示す斜視図である。
【図3】実施の形態1のディスクブレーキ装置の制動時の振動周波数特性図である。
【図4】実施の形態1の効果確認実験の結果を示す図である。
【図5】マス部材無しの制動時の振動周波数特性図である。
【図6】マス部材無しのトルクメンバの固有振動モード図である。
【図7】マス部材無しのトルクメンバの固有振動モード図である。
【符号の説明】
1 ブレーキロータ
2 トルクメンバ
2a メインビーム
2b アウタビーム
3 ホイルシリンダ
21 第1マス部材
22 第2マス部材
Claims (3)
- ホイールに固定されてホイールと共に回転するブレーキロータと、このブレーキロータを挟むことが可能なブレーキパッドと、このブレーキパッドならびにピストンを支持するトルクメンバと、を備え、ブレーキ液圧によるホイールシリンダの作動時にブレーキパッドによりブレーキロータを挟んで制動力を発生させるディスクブレーキ装置において、
前記トルクメンバのアウタビームにマス部材を追加することによりトルクメンバの固有振動周波数を低下させ、トルクメンバの固有振動周波数とブレーキロータの固有振動周波数との離間周波数を大きく設定したことを特徴とするディスクブレーキ装置。 - 請求項1記載のディスクブレーキ装置において、
前記マス部材は、トルクメンバの固有振動周波数の振動モードにおける車幅方向の振幅の大きい位置に追加した第1マス部材であることを特徴とするディスクブレーキ装置。 - 請求項1または2に記載のディスクブレーキ装置において、
前記マス部材は、トルクメンバの固有振動周波数の振動モードにおけるブレーキロータ回転方向の振幅の大きい位置に追加した第2マス部材であることを特徴とするディスクブレーキ装置。
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1999
- 1999-08-09 JP JP22522499A patent/JP3940529B2/ja not_active Expired - Fee Related
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