JP3940303B2 - 保冷容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被収容物と共に氷を収容して使用する保冷容器に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
容器に被収容物を氷とともに収容し、氷により被収容物を冷却して輸送できる保冷容器としては、特開2001−278280号公報等が知られている。この公報には、発泡合成樹脂製の容器が記載されてあり、この容器には氷の融解水を排出するための排出孔を設けたものが記載されている。
従来の排水孔は魚の鱗、分離した肉の一部、異物混入等で排水孔が詰まり被収容物が氷融解水で浸かる事を防ぐ為、氷融解量からすれば必要以上に大きな開口面積を設けていた。
【0003】
しかしながら、このように容器に必要以上に大きな開口の排水孔を設けると排水孔を通じて内部と外部とが連通して空気の流通が生じ、氷の融解が促進され保冷性が低下する問題を生じる。例えば、特開2001−278280号公報のような容器の場合、仮に容器の内寸が485×280×80mmで内面積3490cm2に対し、開口面積8×20mmの排水孔が4箇所設けられるとすると、その開口面積率は0.162%となる。このような容器では、図6のグラフに示したように、約13時間で容器内の氷が溶けて保冷できなくなる。
【0004】
この開口面積率0.1%以下の具体例として、特に0.05%以下とした場合には、保冷時間を約20時間程度にまで向上することができる(図6のグラフ参照)ことがわかった。しかし、このように開口面積率を小さくすると、前述したように、例えば魚類や貝類を収容した場合に、その鱗、貝殻片等が排水孔に詰まり、排水することができなくなる場合があり、容器内に氷の融解水が溜まり、収容した商品の鮮度がかえって低下することとなる。
【0005】
そこで、本発明においては、上記従来技術の課題を解消できるような保冷容器を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の目的を達成できるようにした保冷容器については、請求項1に記載したように、容器に被収容物と共に氷を収容し、氷によって被収容物を冷却するようにした容器であって、容器の底面または側面には氷が溶けた水を排水するための排水孔が設けられてあると共に、当該排水孔に連通した導水溝が設けられてあり、この導水溝の幅が、排水孔の最小幅と等しいかそれより小さく形成され、また導水溝の長さは導水溝の幅の2倍以上の長さに形成され、導水溝のうち、排水孔側に近い途中位置に堰を設けてあることを特徴とするものである。
【0007】
上記構成による本発明の保冷容器にあっては、排水孔の最小幅と等しいかそれよりも小さい幅に形成された導水溝が排水孔に連通しており、しかも導水溝はその幅の2倍以上の長さを有しているので、容器内部と外部との空気の連通を抑制できると共に魚類の鱗、貝類の貝殻片等による排水孔の目詰まりをも抑制することができ、容器内の氷の融解水を円滑に排水でき、容器内に融解水が溜まることを防ぎ、収容物に対する保冷を良好にして鮮度保持性の高い輸送を実現できることになる。また、導水溝のうち、排水孔に近い途中位置に堰を設けておくと、小さく導水溝に嵌った魚や上記した鱗や貝殻片が堰の手前で止められ、排水孔方向へ流れるのを確実に阻止されることになり、一層のこと氷の融解水に対する排水作用が円滑に行われることになる。
【0008】
次いで、請求項1に従属する請求項2の発明は、導水溝の形状が容器の開口部上方から見て排水孔側をやや広くした略T字形状に形成されていることを特徴としているので、導水溝は排水孔に近い側がやや広くなったものゆえ、略T字形状のうち長い方が狭く形成されているので、中程度の大きさの魚は入り難く、長いこの部分にて鱗や貝殻片等を収容保持して排水孔への目詰まりを抑制でき、氷の融解水だけが排水孔を通じて排出し易いことになる。
【0009】
また、請求項1または2に従属する請求項3の発明によると、排水孔の最小開口面積が容器の内面積の0.1%以下であることを特徴としており、上記したような発明による効果を保有しながら、保冷時間を長く維持できる効果をも具有できることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次いで、本発明の実施態様について、図を参照しながら以下に順次説明する。
図1は、保冷容器を積み重ねた状態を示し、図2は要部を示しており、図3は第1の変更例、図4および図5はさらに第2の変更例を示している。そして、本発明による保冷容器の場合、容器10に被収容物(図示せず)と共に氷(図示せず)を収容し、氷によって被収容物を冷却するようにしてある。20は蓋体を示している。
【0011】
容器10の底面11側に近い側壁12側の好ましくは4ヶ所程度に氷が溶けた水(融解水)を排水するための排水孔13が設けられてあり、図1および図2に示す場合の排水孔13は開口側から排口側へと斜め上方に向かうようにして後述する貫通孔15と連通するよう形成されてある。図4の場合は側壁12の下方からそのまま開放する形状に形成されてある。
何れの場合も、底面11には上記排水孔13に連通した導水溝14が設けられてあり、この導水溝14の幅は、排水孔13の最小幅と等しいかそれよりも小さく形成されてあり、導水溝14の長さLは、導水溝14の幅bの2倍以上、図の場合、約6倍の長さに形成されてあり、細くて長い導水溝14となる。
【0012】
このような構成にて容器10内部と外部との空気連通を抑制でき、しかも排水孔13における目詰まりをも抑制できることになる。特に図1および図2の場合、融解水を排水孔13から容器10の側壁の上端面から下方に向かって貫通形成した貫通孔15を経て外部へと排水されることになる。
特に実施上、上記導水溝14の形状としては、容器10の開口部上方から見て排水孔13側の部分14aをやや広くした略T字形状に形成されているのが好ましいものであり、略T字形状のうち長い方が狭く形成されているので、導入溝14の幅よりも大きな中程度の大きさの魚等は導水溝に入り難く、鱗や貝殻片等は長い溝内にて収容保持しやすく、排水孔への目詰まりを抑制できることになる。
【0013】
さらに小さい魚を多く収容するのに適した容器10とするには、上記導水溝14の一部、具体的には導水溝14のうち、排水孔13側にやや近い途中位置に図3のように堰16を設けて実施するのが好ましく、導水溝14の幅より小さくて導水溝14に嵌った小魚や、鱗および貝殻片を堰16の部分で止めることができ、排水孔13への融解水の流通を阻害しないように実施できることになる。
また、本発明では実施上、排水孔13について、その最小開口面積が容器10の内面積の0.1%以下、特に0.05%以下になるように実施する場合、図6のグラフに示してあるように、保冷時間を約20時間程度の長時間にわたって維持でき、魚介類の保冷輸送に好適となる。
【0014】
例えば、従来(特開2001−278280号公報)の容器と、本発明の実施態様に示す容器とを内面積と排水孔数を同一にして、排水孔の開口面積を異にした場合を、排水孔開口面積率で比較すると以下のようになり、本発明では0.1%以下の排水孔開口面積率を維持して実施するのが好ましい。
【0015】
【表1】
【0016】
さらに、本発明では、上記排水孔について、排水孔の開口高さが導水溝の深さよりも浅く形成されてあると、導水溝に氷の融解水が溜まった場合、その水位よりも排水孔の開口高さが低くなって、外気の容器内への侵入を防止でき、氷の融解を早めたりするおそれを解消でき、保冷効果の持続上好適となる。
また、容器10には側壁に貫通して設けた貫通孔15と合致する位置に貫通孔25を設けた蓋体20を容器10に被蓋できるよう組合せ得るものであり、容器10を積み重ねるとき、蓋体20は必要とする個々の容器10に被蓋させる場合(図1参照)や、積み重ねた最上段の容器10に被蓋させる場合(図示せず)等任意に使用できる。蓋体20を用いても排水処理を円滑にできるようにしてある。
【0017】
なお、容器10および蓋体20としては、合成樹脂特に合成樹脂発泡体製のものが好適であって、容器10および蓋体20を形成する発泡合成樹脂としては、原料となる予備発泡粒子を用いて型内発泡成形した成形品が適しているもので、例えば発泡ポリスチレンその他既知の発泡合成樹脂を用いて実施することができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明の保冷容器によると、被収容物に対する保冷効果の向上に適する以下のような効果を奏する。
(1)請求項1の発明によると、排水孔を連通した導水溝の特徴により、容器内部と外部との空気の連通を抑制できると共に鱗や貝殻片等による排水孔の目詰まりを抑制でき、円滑に氷の融解水を排水できる。また、導水溝のうち、排水孔に近い途中位置に設けた堰によって、小さい魚のほか、鱗や貝殻片が堰止められて、排水孔方向へ流れるのを阻止できる。
(2)請求項2の発明によると、導水溝の形状が上記した排水孔の目詰まり抑制を一層助長できることになる。
(3)請求項3の発明によると、容器の内面積に対する排水孔の開口面積率を、0.1%以下にすることによって、保冷時間を長く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】容器を積み重ねた状態の断面図である。
【図2】要部の平面図である。
【図3】堰を導水溝途中に設けた変更例の断面図である。
【図4】排水孔形状を変えた変更例の断面図である。
【図5】図4の要部斜視図である。
【図6】保冷時間の比較グラフである。
【符号の説明】
10 容器
11 底面
12 側壁
13 排水孔
14 導水溝
14a 広くなった導水溝部分
15 貫通孔
20 蓋体
Claims (3)
- 容器に被収容物と共に氷を収容し、氷によって被収容物を冷却するようにした容器であって、容器の底面または側面には氷が溶けた水を排水するための排水孔が設けられてあると共に、当該排水孔に連通した導水溝が設けられてあり、この導水溝の幅が、排水孔の最小幅と等しいかそれより小さく形成され、また導水溝の長さは導水溝の幅の2倍以上の長さに形成され、導水溝のうち、排水孔側に近い途中位置に堰を設けてあることを特徴とする保冷容器。
- 導水溝の形状が容器の開口部上方から見て排水孔側をやや広くした略T字形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の保冷用器。
- 排水孔の最小開口面積が容器の内面積の0.1%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の保冷容器。
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2002
- 2002-03-07 JP JP2002062245A patent/JP3940303B2/ja not_active Expired - Lifetime
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