JP3940024B2 - 定着装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザプリンタ、ファクシミリあるいは静電複写機などの電子写真を利用した画像形成機に備えられている定着装置、特に、加熱ローラなどの加熱回転体と、金属製の軸受支持板部材と、軸受支持板部材の各々に転がり軸受を介して回転自在に支持され加圧ローラとを備えている定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の画像形成機に備えられている定着装置においては、一般的には普通紙からなる用紙上に転写された未定着のトナー画像を、用紙が、加熱ローラや加熱ベルトなどの加熱回転体、一般的には加熱ローラと加圧ローラとのニップ部を通過する間に熱圧して用紙上に融着させるようにしたものが多く使用されている。このような定着装置の加熱ローラ及び加圧ローラは、一般的に次のように構成されている。すなわち、加熱ローラは、芯金である金属製のパイプと、パイプの周表面に配設された非粘着層とを備えている。非粘着層は、溶融トナーの付着を防止するために配設されているものであって、フッ素樹脂などから形成されている。また、加圧ローラは、芯金である金属製のパイプと、パイプの周表面に配設された耐熱性の弾性層とを備えている。耐熱性の弾性層は、シリコンゴムなどから形成されている。
【0003】
上記した形態の定着装置は、画像形成機の画像形成速度の高速化に伴い、用紙が、加熱ローラと加圧ローラとのニップ部を通過する短時間の間に確実に用紙上のトナーを融着させる必要があり、このために加圧ローラの、加熱ローラに対する圧接力を高圧化する傾向が著しくなってきている。加圧ローラの、加熱ローラに対する圧接力が高圧化することにより、加圧ローラを支持する軸受には高強度化や低トルク化への要望が強まり、軸受として、小型のすべり軸受に代えて、それよりも大型の転がり軸受(典型的にはボールベアリング)を使用することが一般的になってきている。他方、近年のカラー画像形成機においては、加圧ローラにもヒータを内蔵することにより、より安定した定着品質を確保しようとする傾向が高くなってきている。加圧ローラの内部にヒータを配設した場合には、必然的に加圧ローラ端部の直径は大径化されることになり、これに付随して、軸受及び軸受を支持する部材の形状も更に大型化することを余儀無くされている。また、上記した部材の大型化は、定着装置の大型化、ひいては画像形成機の大型化及びコストアップを招くことになる。
【0004】
このような技術的拝啓において、従来の定着装置が具体的にどの様に構成されているか、以下、二つの典型例について説明する。
【0005】
先ず、図4及び図5を参照して、定着装置の第1の従来例について説明する。図示の定着装置は、静止枠体10を備えている。静止枠体10は、底壁11と、底壁11の長手方向(図4において紙面の表裏方向)両側に配設された両側壁12(図4においては片方の側壁12のみが図示されている)と、天壁13を備えている。静止枠体10の両側壁12間には、ハロゲンランプからなるヒータ20Hを内蔵した加熱回転体である加熱ローラ20が、転がり軸受であるボールベアリングB1を介して回転自在に支持されている。加熱ローラ20は、芯金である金属製のパイプを含み、このパイプの両端部は、絞り加工により両端部間の中間領域よりも小径に形成されている。加熱ローラ20のパイプの中間領域の周表面には非粘着層が配設されている。この非粘着層は、溶融トナーの付着を防止するために配設されているものであって、フッ素樹脂などから形成されている。加熱ローラ20のパイプの両端部には上記ボールベアリングB1が圧入されている。なお、図4において、実線の断面で示されている加熱ローラ20は、加熱ローラ20の小径一端部を示し、また、2点鎖線で示されている、加熱ローラ20の軸心O1と同心の円は、加熱ローラ20の中間領域の周表面を示している。
【0006】
静止枠体10の両側壁12には、金属製の軸受支持板部材30の一端部が旋回軸Sまわりに旋回可能に支持されている。軸受支持板部材30の各々には、ハロゲンランプからなるヒータ40Hを内蔵した加圧ローラ40が転がり軸受であるボールベアリングB2を介して回転自在に支持されている。加圧ローラ40は、芯金である金属製のパイプを含み、このパイプの両端部は、絞り加工により両端部間の中間領域よりも小径に形成されている。加圧ローラ40のパイプの中間領域の周表面には耐熱性の弾性層が配設されている。この弾性層は、シリコンゴムなどから形成されている。加熱ローラ20のパイプの両端部には転がり軸受であるボールベアリングB2が圧入されている。軸受支持板部材30の各々の他端部と、対応する側壁12との間には、引張コイルばね15が配設されている。軸受支持板部材30の各々は、引張コイルばね15によって、旋回方向の一方(図4において反時計方向)に付勢されることにより、加圧ローラ40は加熱ローラ20に圧接されている。
【0007】
平面形状が概ねフック形状をなす軸受支持板部材30の各々は、平板状をなす本体31と、本体31の、加圧ローラ40の軸心O2、したがってボールベアリングB2の軸心O2に対して半径方向内側に位置する内側周縁31aの一部領域から本体31に対し直角に延び出すよう本体31と一体に絞り曲げ加工により円弧状に形成された軸受支持フランジ32とを備えている。円弧状の軸受支持フランジ32は、加圧ローラ40と同心であって、対応するボールベアリングB2の外周面の一部領域に整合しうる円弧状内周面32aを有している。加圧ローラ40のボールベアリングB2の各々の外周面の一部領域は、対応する軸受支持板部材30の、軸受支持フランジ32の円弧状内周面32aに支持されている。なお、図5において、符号Lは加圧ローラ40の軸心O2、したがってボールベアリングB2の軸心O2を通る軸線を示している。
【0008】
次に、図6及び図7を参照して、定着装置の第2の従来例について説明する。図示の定着装置が、図4及び図5を参照して説明した定着装置と相違するところは、金属製の軸受支持板部材50の構成のみであって、その他の構成は実質的に同じであるので、同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。平面形状が概ねL形状をなす軸受支持板部材50の各々は、平板状をなす本体51と、本体51の、加圧ローラ40の軸心O2、したがってボールベアリングB2の軸心O2に対して半径方向外側に位置する外側周縁51aの一部領域であって、ボールベアリングB2の外周面の接線方向に直線状に延在する一部領域から本体51に対し直角に延び出すよう本体51と一体に折曲加工により形成された軸受支持フランジ52とを備えている。軸受支持フランジ52はボールベアリングB2の外周面に対し接線方向に直線状に延在している。軸受支持フランジ52の、加圧ローラ40の軸心O2、したがってボールベアリングB2の軸心O2に対して半径方向内側に位置する内側面52aは、ボールベアリングB2の外周面の接線方向に直線状に延在する。加圧ローラ40のボールベアリングB2の各々の外周面は、対応する軸受支持板部材50の、軸受支持フランジ52の内側面52aに実質的に線接触により支持されている。なおボールベアリングB2の各々はまた、対応する側壁12に配設された図示しない長孔に嵌合されて、旋回軸Sまわりに所定の角度範囲だけ旋回方向に移動しうるよう支持されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記定着装置の第1の従来例においては、軸受支持板部材30の各々の本体31における内側周縁31aの一部領域に円弧状の軸受支持フランジ32が形成され、加圧ローラ40のボールベアリングB2の各々は、対応する軸受支持板部材30の、軸受支持フランジ32の円弧状内周面32aにほぼ密着して支持されている。加圧ローラ40が加熱ローラ20に圧接された状態で、軸受支持板部材30の各々の本体31における外側周縁31bの下方領域は、軸受支持フランジ32から、加圧ローラ40の軸心O2に対し半径方向外方にかつ静止枠体13の底壁11に接近するよう延び出している。そして軸受支持板部材30の各々に十分な強度を持たせるためには、軸受支持フランジ32の円弧状内周面32aの最下部から本体31における外側周縁31bの最下面までの寸法a1を十分に大きくする必要がある。寸法a1を十分に大きくすると、静止枠体13の底壁11も下方に下げなければならない。すなわち、上記第1の従来例においては、加圧ローラ40の軸受として、すべり軸受よりも大型の転がり軸受であるボールベアリングB2を使用することにより軸受の外径が大きくなるので、軸受支持板部材30の各々が大きくなる。それに付随して静止枠体13の底壁11の位置を下げなければならないので、結果として定着装置の大型化、ひいては画像形成機の大型化及びコストアップを招いていた。
【0010】
他方、上記定着装置の第2の従来例においては、軸受支持板部材50の各々の本体51における外側周縁51aの一部領域に軸受支持フランジ52が直線状に延在するよう形成され、加圧ローラ40のボールベアリングB2の各々は、対応する軸受支持板部材50の、軸受支持フランジ52の内周面52a及び側壁12に配設された図示しない長孔に支持されている。軸受支持板部材50の各々において、ボールベアリングB2の下方に必要なスペースは、ほぼ軸受支持フランジ52の厚さ、すなわちほぼ軸受支持板部材50の厚さa2に等しい。この寸法a2は、上記第1の従来例における寸法a1と比較すると非常に小さいので、第1の従来例と比較して定着装置の大型化を抑制することができる。しかしながら、軸受支持板部材50の各々の軸受支持フランジ52は、本体51における外側周縁51aの一部領域において本体51に直角にかつ直線状に延在するよう折曲加工により形成されているので、ボールベアリングB2を支持する荷重による応力は軸受支持フランジ52の折曲基端に集中する。このため、軸受支持フランジ52の各々の曲げ剛性を十分に確保するためには、軸受支持板部材50の各々の板厚を十分に厚くしたり、軸受支持フランジ52の各々の折曲基端にVノッチを形成するなどの対策を施す必要があり、コストアップを招いていた。
【0011】
本発明の目的は、加圧ローラを軸受支持板部材の各々に、すべり軸受よりも大型の転がり軸受を介して支持するにもかかわらず、軸受支持板部材の各々の大型化を最小限に抑えると共に十分な強度を確保しながらコストダウンを可能にする、新規な定着装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、静止枠体の両側壁間に回転自在に支持されかつヒータを内蔵した加熱回転体と、静止枠体の両側壁に旋回可能に支持された、金属製の軸受支持板部材と、軸受支持板部材の各々に転がり軸受を介して回転自在に支持された加圧ローラとを備え、軸受支持板部材の各々が、静止枠体との間に配設されたばね手段によって旋回方向の一方に付勢されることにより、加圧ローラは加熱回転体に圧接される定着装置において、
軸受支持板部材の各々は、実質的に平板状をなす本体と、該本体の、加圧ローラの軸心に対して半径方向外側に位置する外側周縁の一部領域から該本体に対し直角に延び出すよう該本体と一体に形成されたフランジとを備え、フランジは、少なくとも、加圧ローラと同心であって、対応する該軸受の外周面の一部領域に整合しうる円弧状内周面を有する軸受支持フランジ部を備え、加圧ローラの該軸受の各々の外周面の一部領域は、対応する軸受支持板部材の軸受支持フランジ部の円弧状内周面に支持される、
ことを特徴とする定着装置、が提供される。
軸受支持板部材の各々における該本体のフランジは、軸受支持フランジ部に連続する補強フランジ部を備えている、ことが好ましい。
軸受支持板部材の各々の軸受支持フランジ部の円弧状内周面は、絞り曲げ加工により形成されると共に優弧又は劣弧からなる、ことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された定着装置の好適な実施形態を図1〜図3を参照して説明する。図示の定着装置は、静止枠体100を備えている。静止枠体100は、底壁101と、底壁101の長手方向両側に配設された両側壁102と、天壁103を備えている。静止枠体100の両側壁102間には、ハロゲンランプからなるヒータ120Hを内蔵した加熱回転体である加熱ローラ120が、転がり軸受であるボールベアリングB1を介して回転自在に支持されている。加熱ローラ120は、芯金である金属製のパイプを含み、このパイプの両端部121は、絞り加工により両端部間の中間領域122よりも小径に形成されている。加熱ローラ120のパイプの中間領域122の周表面には、フッ素樹脂などから非粘着層が配設されている。加熱ローラ120のパイプの両端部121には上記ボールベアリングB1が圧入されている。
【0014】
このように構成された加熱ローラ120は、ボールベアリングB1の各々が、対応する側壁102に形成されている貫通孔110の上端部111に嵌合支持されている。貫通孔110の各々の上端部111は、半円よりも大きな円弧、すなわち優弧からなり、下端部112は、加熱ローラ120を支持するボールベアリングB2の直径よりも大きな幅を有している。加熱ローラ120のパイプの一端部121は、側壁102の外方に突出し、この突出部には駆動ギヤ123が装着されている。駆動ギヤ123は、動力伝達機構を介して電動モータでよい駆動源に駆動結合されている(図示せず)。なお、図1において、2点鎖線で示されている、加熱ローラ120の軸心O1と同心の円は、加熱ローラ120の中間領域122の周表面(より正確には、非粘着層の外周面)を示している。ヒータ120Hの両端部は、加熱ローラ120の両端から突出し、突出した両端部は、それぞれ側壁102に配設されたホルダ124により保持されている。このようにしてヒータ120Hは、加熱ローラ120に接触することなく加熱ローラ120内を貫通して、両端部がホルダ124に保持される。
【0015】
静止枠体100の両側壁102の内側には、金属製の軸受支持板部材130の一端部が旋回軸Sまわりに旋回可能に支持されている。軸受支持板部材130の各々には、ハロゲンランプからなるヒータ140Hを内蔵した加圧ローラ140が転がり軸受であるボールベアリングB2を介して回転自在に支持されている。加圧ローラ140は、芯金である金属製のパイプを含み、このパイプの両端部141は、絞り加工により両端部間の中間領域142よりも小径に形成されている。加圧ローラ140のパイプの中間領域142の周表面には、シリコンゴムなどからなる耐熱性の弾性層が配設されている。加熱ローラ140のパイプの両端部141には上記ボールベアリングB2が圧入されている。軸受支持板部材130の各々の他端部と、対応する側壁102との間には、ばね手段である引張コイルばね115が配設されている。軸受支持板部材130の各々は、引張コイルばね115によって、旋回方向の一方(図1において反時計方向)に付勢されることにより、加圧ローラ140は加熱ローラ120に圧接される。
【0016】
所定の厚さを有する金属板から板金加工により形成することができ、かつ、全体として平面形状が概ねL形状をなす軸受支持板部材130の各々は、実質的に平板状をなす本体131を備えている。本体131は、所定の幅でほぼ直線状に延びる直線状部分131Aと、直線状部分131Aの下端部から一側方向に膨出する膨出部分131Bとからなる。膨出部分131Bには加圧ローラ140の小径の端部141の外径よりも大きい内径を有する貫通孔132が形成されている。本体131の先端部には、膨出部分131Bと同じ一側方向に延び出す突出部が形成され、該突出部に、引張コイルばね115用の係止孔130aが形成されている。、また膨出部分131Bの先端には、一側方向に延び出す突出部が形成され、該突出部に、旋回軸Sに嵌合される旋回孔130bが形成されている。
【0017】
本体131はまた、本体131の、加圧ローラ140の軸心O2に対して半径方向外側に位置する外側周縁131aの一部領域から本体131に対し直角に延び出すよう本体131と一体に形成されたフランジ133を備えている。実施形態において、フランジ133は、本体131の、L形状の外側周縁131aに沿って延在するよう形成されている。このフランジ133は、少なくとも、加圧ローラ140と同心であって、対応するボールベアリングB2の外周面の一部領域に整合しうる円弧状内周面133aを有する軸受支持フランジ部133Aを備えている。実施形態において、フランジ133は、軸受支持フランジ部133Aに連続して形成された補強フランジ部133Bを含んでいる。軸受支持フランジ部133Aは、ほぼ、本体131の膨出部分131Bの外側周縁131aに沿って形成され、補強フランジ部133Bは、ほぼ、本体131の直線状部分131Aの外側周縁131aに沿って形成されている。フランジ133は、絞り曲げ加工(円弧状の直線状部分131A)及び曲げ加工(補強フランジ部133B)により本体131と一体に形成されている。なお、図3において、符号Lは加圧ローラ140の軸心O2、したがってボールベアリングB2の軸心O2を通る軸線を示している。
【0018】
加圧ローラ140のボールベアリングB2の各々の外周面の一部領域、実施形態においては、ボールベアリングB2の各々の軸心Oを通る水平線よりも下方における外周面領域であってほぼ半円に近い外周面領域は、対応する軸受支持板部材130の軸受支持フランジ部133Aの円弧状内周面133aにほぼ密着した状態で支持される。軸受支持板部材130の各々は、引張コイルばね132によって、旋回軸Sまわりに旋回方向の一方向、図1において反時計方向に旋回させられるよう付勢される。その結果、軸受支持板部材130の各々の軸受支持フランジ部133Aは、対応するボールベアリングB2を上方に向かって押し上げるので、加圧ローラ140は、その中間領域142の外周面(より正確には、弾性層の外周面)が、加熱ローラ120の中間領域122の外周面(より正確には、非粘着層の外周面)に圧接される。この状態で、ボールベアリングB2の各々の外周面の軸方向の一部領域は、対応する側壁102の貫通孔110の下端部112内に隙間をおいて位置付けられて、旋回軸Sまわりに若干の旋回移動が許容されるよう構成されている。また、ボールベアリングB2の各々の外周面は、対応する側壁102の貫通孔110の、半円形状をなす下端113に対し隙間をおいて位置付けられている。更にはまた、ヒータ140Hの両端部は、加圧ローラ140の両端から突出し、突出した両端部は、それぞれ側壁102に配設されたホルダ144により保持されている。ヒータ140Hは、加圧ローラ140に接触することなく加圧ローラ140内を貫通して、両端部がホルダ144に保持される。なお、図1において、2点鎖線で示されている、加圧ローラ140の軸心O2と同心の円は、加圧ローラ140の中間領域142の周表面(より正確には、耐熱性の弾性層の外周面)を示している。
【0019】
軸受支持板部材130の各々において、ボールベアリングB2の下方に必要なスペースは、ほぼ軸受支持フランジ133Aの厚さ(すなわちほぼ軸受支持板部材130の厚さ)a3に等しい。この寸法a3は、上記第1の従来例における寸法a1と比較すると非常に小さいので、第1の従来例と比較して定着装置の大型化を大幅に抑制することができる。この寸法a3はまた、上記第2の従来例における寸法a2と比較すると、実質的に同じである。しかしながら、本発明においては、ボールベアリングB2の外周面を支持する軸受支持フランジ部133Aは、本体131の、加圧ローラ140の軸心O2に対して半径方向外側に位置する外側周縁の一部領域から本体131に対し直角に延び出すよう本体131と一体に形成され、かつ加圧ローラ140と同心であって、対応するボールベアリングB2のの外周面の一部領域に整合しうる円弧状内周面133a(円弧状の曲げ絞り面)を有する円弧状に形成されているので、対応するボールベアリングB2から受ける反力によって生ずる曲げ面(円弧状内周面133a)が変形しにくい強い構造となっている。したがって上記第2の従来例と比較して、ボールベアリングB2を受ける軸受支持フランジ部133Aの剛性は非常に高くなるので、軸受支持板部材130の各々の板厚を、上記第2の従来例における軸受支持板部材50の各々の板厚よりも薄くすることが可能になり、コストダウンが可能になる。また、上記第2の従来例における如く、曲げ剛性確保のために軸受支持フランジ52の各々の折曲基端にVノッチを形成する必要もないので、プレス加工工数も低減され、この面においてもコストダウンを図ることができる。また上記実施形態においては、軸受支持板部材130の各々における本体131の上記外側周縁に、軸受支持フランジ部133Aに連続する補強フランジ部133Bが形成されているので、軸受支持フランジ部133Aと共に軸受支持板部材130全体の剛性が向上する。
【0020】
本発明による上記実施形態において、軸受支持板部材130の各々の軸受支持フランジ部133Aは、円弧の長さが半円より短い、いわゆる劣弧から構成されているが、円弧の長さが半円より長い、いわゆる優弧から構成する実施形態であってもよい。また、軸受支持板部材130の各々の上記外側周縁131aには、軸受支持フランジ部133Aと補強フランジ部133Bとが連続してなるフランジ133が形成されているが、フランジとして軸受支持フランジ部133Aのみを形成する他の実施形態もある。更にはまた、上記実施形態において、加圧ローラ140はヒータ140Hを内蔵しているが、ヒータ140Hを内蔵しない他の実施形態もある。更にはまた、加圧ローラ140が圧接される加熱回転体としてヒータ120Hを内蔵した加熱ローラ120が使用されているが、これに代えて、それ自体の構成は周知である図示しない加熱べルト体から構成する他の実施形態もある。加熱べルト体は、一方にヒータを内蔵した一対のローラ及び該両ローラ間に巻き掛けられた無端ベルトから構成される。
【0021】
【発明の効果】
本発明による定着装置によれば、加圧ローラを軸受支持板部材の各々に、すべり軸受よりも大型の転がり軸受を介して支持するにもかかわらず、軸受支持板部材の各々の大型化を最小限に抑えると共に十分な強度を確保しながらコストダウンを可能にする。その結果、本発明による定着装置は、特にカラー用の画像形成機に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された定着装置の構成を簡略に示す横断面図であって、図2のA−A矢視断面図。
【図2】図1に示されている定着装置の縦断面概略図。
【図3】図1に示されている軸受支持板部材の斜視図。
【図4】従来の定着装置の一例の構成を簡略に示す横断面図であって、図2のA−A矢視断面図に相当する断面図。
【図5】図4に示されている軸受支持板部材の斜視図。
【図6】従来の定着装置の他の一例の構成を簡略に示す横断面図であって、図2のA−A矢視断面図に相当する断面図。
【図7】図6に示されている軸受支持板部材の斜視図。
【符号の説明】
100 静止枠体
101 底壁
102 側壁
120 加熱ローラ
120H ヒータ
130 軸受支持板部材
131 本体
133A 軸受支持フランジ部
133a 円弧状内周面
140 加圧ローラ
140H ヒータ
B1、B2 ボールベアリング
S 旋回軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザプリンタ、ファクシミリあるいは静電複写機などの電子写真を利用した画像形成機に備えられている定着装置、特に、加熱ローラなどの加熱回転体と、金属製の軸受支持板部材と、軸受支持板部材の各々に転がり軸受を介して回転自在に支持され加圧ローラとを備えている定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の画像形成機に備えられている定着装置においては、一般的には普通紙からなる用紙上に転写された未定着のトナー画像を、用紙が、加熱ローラや加熱ベルトなどの加熱回転体、一般的には加熱ローラと加圧ローラとのニップ部を通過する間に熱圧して用紙上に融着させるようにしたものが多く使用されている。このような定着装置の加熱ローラ及び加圧ローラは、一般的に次のように構成されている。すなわち、加熱ローラは、芯金である金属製のパイプと、パイプの周表面に配設された非粘着層とを備えている。非粘着層は、溶融トナーの付着を防止するために配設されているものであって、フッ素樹脂などから形成されている。また、加圧ローラは、芯金である金属製のパイプと、パイプの周表面に配設された耐熱性の弾性層とを備えている。耐熱性の弾性層は、シリコンゴムなどから形成されている。
【0003】
上記した形態の定着装置は、画像形成機の画像形成速度の高速化に伴い、用紙が、加熱ローラと加圧ローラとのニップ部を通過する短時間の間に確実に用紙上のトナーを融着させる必要があり、このために加圧ローラの、加熱ローラに対する圧接力を高圧化する傾向が著しくなってきている。加圧ローラの、加熱ローラに対する圧接力が高圧化することにより、加圧ローラを支持する軸受には高強度化や低トルク化への要望が強まり、軸受として、小型のすべり軸受に代えて、それよりも大型の転がり軸受(典型的にはボールベアリング)を使用することが一般的になってきている。他方、近年のカラー画像形成機においては、加圧ローラにもヒータを内蔵することにより、より安定した定着品質を確保しようとする傾向が高くなってきている。加圧ローラの内部にヒータを配設した場合には、必然的に加圧ローラ端部の直径は大径化されることになり、これに付随して、軸受及び軸受を支持する部材の形状も更に大型化することを余儀無くされている。また、上記した部材の大型化は、定着装置の大型化、ひいては画像形成機の大型化及びコストアップを招くことになる。
【0004】
このような技術的拝啓において、従来の定着装置が具体的にどの様に構成されているか、以下、二つの典型例について説明する。
【0005】
先ず、図4及び図5を参照して、定着装置の第1の従来例について説明する。図示の定着装置は、静止枠体10を備えている。静止枠体10は、底壁11と、底壁11の長手方向(図4において紙面の表裏方向)両側に配設された両側壁12(図4においては片方の側壁12のみが図示されている)と、天壁13を備えている。静止枠体10の両側壁12間には、ハロゲンランプからなるヒータ20Hを内蔵した加熱回転体である加熱ローラ20が、転がり軸受であるボールベアリングB1を介して回転自在に支持されている。加熱ローラ20は、芯金である金属製のパイプを含み、このパイプの両端部は、絞り加工により両端部間の中間領域よりも小径に形成されている。加熱ローラ20のパイプの中間領域の周表面には非粘着層が配設されている。この非粘着層は、溶融トナーの付着を防止するために配設されているものであって、フッ素樹脂などから形成されている。加熱ローラ20のパイプの両端部には上記ボールベアリングB1が圧入されている。なお、図4において、実線の断面で示されている加熱ローラ20は、加熱ローラ20の小径一端部を示し、また、2点鎖線で示されている、加熱ローラ20の軸心O1と同心の円は、加熱ローラ20の中間領域の周表面を示している。
【0006】
静止枠体10の両側壁12には、金属製の軸受支持板部材30の一端部が旋回軸Sまわりに旋回可能に支持されている。軸受支持板部材30の各々には、ハロゲンランプからなるヒータ40Hを内蔵した加圧ローラ40が転がり軸受であるボールベアリングB2を介して回転自在に支持されている。加圧ローラ40は、芯金である金属製のパイプを含み、このパイプの両端部は、絞り加工により両端部間の中間領域よりも小径に形成されている。加圧ローラ40のパイプの中間領域の周表面には耐熱性の弾性層が配設されている。この弾性層は、シリコンゴムなどから形成されている。加熱ローラ20のパイプの両端部には転がり軸受であるボールベアリングB2が圧入されている。軸受支持板部材30の各々の他端部と、対応する側壁12との間には、引張コイルばね15が配設されている。軸受支持板部材30の各々は、引張コイルばね15によって、旋回方向の一方(図4において反時計方向)に付勢されることにより、加圧ローラ40は加熱ローラ20に圧接されている。
【0007】
平面形状が概ねフック形状をなす軸受支持板部材30の各々は、平板状をなす本体31と、本体31の、加圧ローラ40の軸心O2、したがってボールベアリングB2の軸心O2に対して半径方向内側に位置する内側周縁31aの一部領域から本体31に対し直角に延び出すよう本体31と一体に絞り曲げ加工により円弧状に形成された軸受支持フランジ32とを備えている。円弧状の軸受支持フランジ32は、加圧ローラ40と同心であって、対応するボールベアリングB2の外周面の一部領域に整合しうる円弧状内周面32aを有している。加圧ローラ40のボールベアリングB2の各々の外周面の一部領域は、対応する軸受支持板部材30の、軸受支持フランジ32の円弧状内周面32aに支持されている。なお、図5において、符号Lは加圧ローラ40の軸心O2、したがってボールベアリングB2の軸心O2を通る軸線を示している。
【0008】
次に、図6及び図7を参照して、定着装置の第2の従来例について説明する。図示の定着装置が、図4及び図5を参照して説明した定着装置と相違するところは、金属製の軸受支持板部材50の構成のみであって、その他の構成は実質的に同じであるので、同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。平面形状が概ねL形状をなす軸受支持板部材50の各々は、平板状をなす本体51と、本体51の、加圧ローラ40の軸心O2、したがってボールベアリングB2の軸心O2に対して半径方向外側に位置する外側周縁51aの一部領域であって、ボールベアリングB2の外周面の接線方向に直線状に延在する一部領域から本体51に対し直角に延び出すよう本体51と一体に折曲加工により形成された軸受支持フランジ52とを備えている。軸受支持フランジ52はボールベアリングB2の外周面に対し接線方向に直線状に延在している。軸受支持フランジ52の、加圧ローラ40の軸心O2、したがってボールベアリングB2の軸心O2に対して半径方向内側に位置する内側面52aは、ボールベアリングB2の外周面の接線方向に直線状に延在する。加圧ローラ40のボールベアリングB2の各々の外周面は、対応する軸受支持板部材50の、軸受支持フランジ52の内側面52aに実質的に線接触により支持されている。なおボールベアリングB2の各々はまた、対応する側壁12に配設された図示しない長孔に嵌合されて、旋回軸Sまわりに所定の角度範囲だけ旋回方向に移動しうるよう支持されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記定着装置の第1の従来例においては、軸受支持板部材30の各々の本体31における内側周縁31aの一部領域に円弧状の軸受支持フランジ32が形成され、加圧ローラ40のボールベアリングB2の各々は、対応する軸受支持板部材30の、軸受支持フランジ32の円弧状内周面32aにほぼ密着して支持されている。加圧ローラ40が加熱ローラ20に圧接された状態で、軸受支持板部材30の各々の本体31における外側周縁31bの下方領域は、軸受支持フランジ32から、加圧ローラ40の軸心O2に対し半径方向外方にかつ静止枠体13の底壁11に接近するよう延び出している。そして軸受支持板部材30の各々に十分な強度を持たせるためには、軸受支持フランジ32の円弧状内周面32aの最下部から本体31における外側周縁31bの最下面までの寸法a1を十分に大きくする必要がある。寸法a1を十分に大きくすると、静止枠体13の底壁11も下方に下げなければならない。すなわち、上記第1の従来例においては、加圧ローラ40の軸受として、すべり軸受よりも大型の転がり軸受であるボールベアリングB2を使用することにより軸受の外径が大きくなるので、軸受支持板部材30の各々が大きくなる。それに付随して静止枠体13の底壁11の位置を下げなければならないので、結果として定着装置の大型化、ひいては画像形成機の大型化及びコストアップを招いていた。
【0010】
他方、上記定着装置の第2の従来例においては、軸受支持板部材50の各々の本体51における外側周縁51aの一部領域に軸受支持フランジ52が直線状に延在するよう形成され、加圧ローラ40のボールベアリングB2の各々は、対応する軸受支持板部材50の、軸受支持フランジ52の内周面52a及び側壁12に配設された図示しない長孔に支持されている。軸受支持板部材50の各々において、ボールベアリングB2の下方に必要なスペースは、ほぼ軸受支持フランジ52の厚さ、すなわちほぼ軸受支持板部材50の厚さa2に等しい。この寸法a2は、上記第1の従来例における寸法a1と比較すると非常に小さいので、第1の従来例と比較して定着装置の大型化を抑制することができる。しかしながら、軸受支持板部材50の各々の軸受支持フランジ52は、本体51における外側周縁51aの一部領域において本体51に直角にかつ直線状に延在するよう折曲加工により形成されているので、ボールベアリングB2を支持する荷重による応力は軸受支持フランジ52の折曲基端に集中する。このため、軸受支持フランジ52の各々の曲げ剛性を十分に確保するためには、軸受支持板部材50の各々の板厚を十分に厚くしたり、軸受支持フランジ52の各々の折曲基端にVノッチを形成するなどの対策を施す必要があり、コストアップを招いていた。
【0011】
本発明の目的は、加圧ローラを軸受支持板部材の各々に、すべり軸受よりも大型の転がり軸受を介して支持するにもかかわらず、軸受支持板部材の各々の大型化を最小限に抑えると共に十分な強度を確保しながらコストダウンを可能にする、新規な定着装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、静止枠体の両側壁間に回転自在に支持されかつヒータを内蔵した加熱回転体と、静止枠体の両側壁に旋回可能に支持された、金属製の軸受支持板部材と、軸受支持板部材の各々に転がり軸受を介して回転自在に支持された加圧ローラとを備え、軸受支持板部材の各々が、静止枠体との間に配設されたばね手段によって旋回方向の一方に付勢されることにより、加圧ローラは加熱回転体に圧接される定着装置において、
軸受支持板部材の各々は、実質的に平板状をなす本体と、該本体の、加圧ローラの軸心に対して半径方向外側に位置する外側周縁の一部領域から該本体に対し直角に延び出すよう該本体と一体に形成されたフランジとを備え、フランジは、少なくとも、加圧ローラと同心であって、対応する該軸受の外周面の一部領域に整合しうる円弧状内周面を有する軸受支持フランジ部を備え、加圧ローラの該軸受の各々の外周面の一部領域は、対応する軸受支持板部材の軸受支持フランジ部の円弧状内周面に支持される、
ことを特徴とする定着装置、が提供される。
軸受支持板部材の各々における該本体のフランジは、軸受支持フランジ部に連続する補強フランジ部を備えている、ことが好ましい。
軸受支持板部材の各々の軸受支持フランジ部の円弧状内周面は、絞り曲げ加工により形成されると共に優弧又は劣弧からなる、ことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された定着装置の好適な実施形態を図1〜図3を参照して説明する。図示の定着装置は、静止枠体100を備えている。静止枠体100は、底壁101と、底壁101の長手方向両側に配設された両側壁102と、天壁103を備えている。静止枠体100の両側壁102間には、ハロゲンランプからなるヒータ120Hを内蔵した加熱回転体である加熱ローラ120が、転がり軸受であるボールベアリングB1を介して回転自在に支持されている。加熱ローラ120は、芯金である金属製のパイプを含み、このパイプの両端部121は、絞り加工により両端部間の中間領域122よりも小径に形成されている。加熱ローラ120のパイプの中間領域122の周表面には、フッ素樹脂などから非粘着層が配設されている。加熱ローラ120のパイプの両端部121には上記ボールベアリングB1が圧入されている。
【0014】
このように構成された加熱ローラ120は、ボールベアリングB1の各々が、対応する側壁102に形成されている貫通孔110の上端部111に嵌合支持されている。貫通孔110の各々の上端部111は、半円よりも大きな円弧、すなわち優弧からなり、下端部112は、加熱ローラ120を支持するボールベアリングB2の直径よりも大きな幅を有している。加熱ローラ120のパイプの一端部121は、側壁102の外方に突出し、この突出部には駆動ギヤ123が装着されている。駆動ギヤ123は、動力伝達機構を介して電動モータでよい駆動源に駆動結合されている(図示せず)。なお、図1において、2点鎖線で示されている、加熱ローラ120の軸心O1と同心の円は、加熱ローラ120の中間領域122の周表面(より正確には、非粘着層の外周面)を示している。ヒータ120Hの両端部は、加熱ローラ120の両端から突出し、突出した両端部は、それぞれ側壁102に配設されたホルダ124により保持されている。このようにしてヒータ120Hは、加熱ローラ120に接触することなく加熱ローラ120内を貫通して、両端部がホルダ124に保持される。
【0015】
静止枠体100の両側壁102の内側には、金属製の軸受支持板部材130の一端部が旋回軸Sまわりに旋回可能に支持されている。軸受支持板部材130の各々には、ハロゲンランプからなるヒータ140Hを内蔵した加圧ローラ140が転がり軸受であるボールベアリングB2を介して回転自在に支持されている。加圧ローラ140は、芯金である金属製のパイプを含み、このパイプの両端部141は、絞り加工により両端部間の中間領域142よりも小径に形成されている。加圧ローラ140のパイプの中間領域142の周表面には、シリコンゴムなどからなる耐熱性の弾性層が配設されている。加熱ローラ140のパイプの両端部141には上記ボールベアリングB2が圧入されている。軸受支持板部材130の各々の他端部と、対応する側壁102との間には、ばね手段である引張コイルばね115が配設されている。軸受支持板部材130の各々は、引張コイルばね115によって、旋回方向の一方(図1において反時計方向)に付勢されることにより、加圧ローラ140は加熱ローラ120に圧接される。
【0016】
所定の厚さを有する金属板から板金加工により形成することができ、かつ、全体として平面形状が概ねL形状をなす軸受支持板部材130の各々は、実質的に平板状をなす本体131を備えている。本体131は、所定の幅でほぼ直線状に延びる直線状部分131Aと、直線状部分131Aの下端部から一側方向に膨出する膨出部分131Bとからなる。膨出部分131Bには加圧ローラ140の小径の端部141の外径よりも大きい内径を有する貫通孔132が形成されている。本体131の先端部には、膨出部分131Bと同じ一側方向に延び出す突出部が形成され、該突出部に、引張コイルばね115用の係止孔130aが形成されている。、また膨出部分131Bの先端には、一側方向に延び出す突出部が形成され、該突出部に、旋回軸Sに嵌合される旋回孔130bが形成されている。
【0017】
本体131はまた、本体131の、加圧ローラ140の軸心O2に対して半径方向外側に位置する外側周縁131aの一部領域から本体131に対し直角に延び出すよう本体131と一体に形成されたフランジ133を備えている。実施形態において、フランジ133は、本体131の、L形状の外側周縁131aに沿って延在するよう形成されている。このフランジ133は、少なくとも、加圧ローラ140と同心であって、対応するボールベアリングB2の外周面の一部領域に整合しうる円弧状内周面133aを有する軸受支持フランジ部133Aを備えている。実施形態において、フランジ133は、軸受支持フランジ部133Aに連続して形成された補強フランジ部133Bを含んでいる。軸受支持フランジ部133Aは、ほぼ、本体131の膨出部分131Bの外側周縁131aに沿って形成され、補強フランジ部133Bは、ほぼ、本体131の直線状部分131Aの外側周縁131aに沿って形成されている。フランジ133は、絞り曲げ加工(円弧状の直線状部分131A)及び曲げ加工(補強フランジ部133B)により本体131と一体に形成されている。なお、図3において、符号Lは加圧ローラ140の軸心O2、したがってボールベアリングB2の軸心O2を通る軸線を示している。
【0018】
加圧ローラ140のボールベアリングB2の各々の外周面の一部領域、実施形態においては、ボールベアリングB2の各々の軸心Oを通る水平線よりも下方における外周面領域であってほぼ半円に近い外周面領域は、対応する軸受支持板部材130の軸受支持フランジ部133Aの円弧状内周面133aにほぼ密着した状態で支持される。軸受支持板部材130の各々は、引張コイルばね132によって、旋回軸Sまわりに旋回方向の一方向、図1において反時計方向に旋回させられるよう付勢される。その結果、軸受支持板部材130の各々の軸受支持フランジ部133Aは、対応するボールベアリングB2を上方に向かって押し上げるので、加圧ローラ140は、その中間領域142の外周面(より正確には、弾性層の外周面)が、加熱ローラ120の中間領域122の外周面(より正確には、非粘着層の外周面)に圧接される。この状態で、ボールベアリングB2の各々の外周面の軸方向の一部領域は、対応する側壁102の貫通孔110の下端部112内に隙間をおいて位置付けられて、旋回軸Sまわりに若干の旋回移動が許容されるよう構成されている。また、ボールベアリングB2の各々の外周面は、対応する側壁102の貫通孔110の、半円形状をなす下端113に対し隙間をおいて位置付けられている。更にはまた、ヒータ140Hの両端部は、加圧ローラ140の両端から突出し、突出した両端部は、それぞれ側壁102に配設されたホルダ144により保持されている。ヒータ140Hは、加圧ローラ140に接触することなく加圧ローラ140内を貫通して、両端部がホルダ144に保持される。なお、図1において、2点鎖線で示されている、加圧ローラ140の軸心O2と同心の円は、加圧ローラ140の中間領域142の周表面(より正確には、耐熱性の弾性層の外周面)を示している。
【0019】
軸受支持板部材130の各々において、ボールベアリングB2の下方に必要なスペースは、ほぼ軸受支持フランジ133Aの厚さ(すなわちほぼ軸受支持板部材130の厚さ)a3に等しい。この寸法a3は、上記第1の従来例における寸法a1と比較すると非常に小さいので、第1の従来例と比較して定着装置の大型化を大幅に抑制することができる。この寸法a3はまた、上記第2の従来例における寸法a2と比較すると、実質的に同じである。しかしながら、本発明においては、ボールベアリングB2の外周面を支持する軸受支持フランジ部133Aは、本体131の、加圧ローラ140の軸心O2に対して半径方向外側に位置する外側周縁の一部領域から本体131に対し直角に延び出すよう本体131と一体に形成され、かつ加圧ローラ140と同心であって、対応するボールベアリングB2のの外周面の一部領域に整合しうる円弧状内周面133a(円弧状の曲げ絞り面)を有する円弧状に形成されているので、対応するボールベアリングB2から受ける反力によって生ずる曲げ面(円弧状内周面133a)が変形しにくい強い構造となっている。したがって上記第2の従来例と比較して、ボールベアリングB2を受ける軸受支持フランジ部133Aの剛性は非常に高くなるので、軸受支持板部材130の各々の板厚を、上記第2の従来例における軸受支持板部材50の各々の板厚よりも薄くすることが可能になり、コストダウンが可能になる。また、上記第2の従来例における如く、曲げ剛性確保のために軸受支持フランジ52の各々の折曲基端にVノッチを形成する必要もないので、プレス加工工数も低減され、この面においてもコストダウンを図ることができる。また上記実施形態においては、軸受支持板部材130の各々における本体131の上記外側周縁に、軸受支持フランジ部133Aに連続する補強フランジ部133Bが形成されているので、軸受支持フランジ部133Aと共に軸受支持板部材130全体の剛性が向上する。
【0020】
本発明による上記実施形態において、軸受支持板部材130の各々の軸受支持フランジ部133Aは、円弧の長さが半円より短い、いわゆる劣弧から構成されているが、円弧の長さが半円より長い、いわゆる優弧から構成する実施形態であってもよい。また、軸受支持板部材130の各々の上記外側周縁131aには、軸受支持フランジ部133Aと補強フランジ部133Bとが連続してなるフランジ133が形成されているが、フランジとして軸受支持フランジ部133Aのみを形成する他の実施形態もある。更にはまた、上記実施形態において、加圧ローラ140はヒータ140Hを内蔵しているが、ヒータ140Hを内蔵しない他の実施形態もある。更にはまた、加圧ローラ140が圧接される加熱回転体としてヒータ120Hを内蔵した加熱ローラ120が使用されているが、これに代えて、それ自体の構成は周知である図示しない加熱べルト体から構成する他の実施形態もある。加熱べルト体は、一方にヒータを内蔵した一対のローラ及び該両ローラ間に巻き掛けられた無端ベルトから構成される。
【0021】
【発明の効果】
本発明による定着装置によれば、加圧ローラを軸受支持板部材の各々に、すべり軸受よりも大型の転がり軸受を介して支持するにもかかわらず、軸受支持板部材の各々の大型化を最小限に抑えると共に十分な強度を確保しながらコストダウンを可能にする。その結果、本発明による定着装置は、特にカラー用の画像形成機に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された定着装置の構成を簡略に示す横断面図であって、図2のA−A矢視断面図。
【図2】図1に示されている定着装置の縦断面概略図。
【図3】図1に示されている軸受支持板部材の斜視図。
【図4】従来の定着装置の一例の構成を簡略に示す横断面図であって、図2のA−A矢視断面図に相当する断面図。
【図5】図4に示されている軸受支持板部材の斜視図。
【図6】従来の定着装置の他の一例の構成を簡略に示す横断面図であって、図2のA−A矢視断面図に相当する断面図。
【図7】図6に示されている軸受支持板部材の斜視図。
【符号の説明】
100 静止枠体
101 底壁
102 側壁
120 加熱ローラ
120H ヒータ
130 軸受支持板部材
131 本体
133A 軸受支持フランジ部
133a 円弧状内周面
140 加圧ローラ
140H ヒータ
B1、B2 ボールベアリング
S 旋回軸
Claims (3)
- 静止枠体の両側壁間に回転自在に支持されかつヒータを内蔵した加熱回転体と、静止枠体の両側壁に旋回可能に支持された、金属製の軸受支持板部材と、軸受支持板部材の各々に転がり軸受を介して回転自在に支持された加圧ローラとを備え、軸受支持板部材の各々が、静止枠体との間に配設されたばね手段によって旋回方向の一方に付勢されることにより、加圧ローラは加熱回転体に圧接される定着装置において、
軸受支持板部材の各々は、実質的に平板状をなす本体と、該本体の、加圧ローラの軸心に対して半径方向外側に位置する外側周縁の一部領域から該本体に対し直角に延び出すよう該本体と一体に形成されたフランジとを備え、フランジは、少なくとも、加圧ローラと同心であって、対応する該軸受の外周面の一部領域に整合しうる円弧状内周面を有する軸受支持フランジ部を備え、加圧ローラの該軸受の各々の外周面の一部領域は、対応する軸受支持板部材の軸受支持フランジ部の円弧状内周面に支持される、
ことを特徴とする定着装置。 - 軸受支持板部材の各々における該本体のフランジは、軸受支持フランジ部に連続する補強フランジ部を備えている、請求項1記載の定着装置。
- 軸受支持板部材の各々の軸受支持フランジ部の円弧状内周面は、絞り曲げ加工により形成されると共に優弧又は劣弧からなる、請求項1又は請求項2記載の定着装置。
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