JP2004020768A - 加圧装置、定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】さらなるローラの薄肉化小型化を図っても、加圧ローラの圧接によって形成されるニップ領域の幅を、ローラの軸方向に沿って略均一な分布で形成できる加圧装置を実現する。
【解決手段】従動回転するパイプ状素管から形成される加圧ローラと、加圧ローラの素管円筒内部に挿入されるサポートローラと、サポートローラを圧接する押圧部材と、加圧ローラの両端部に設けられたガイド部材により、加圧ローラの姿勢が抑制され、押圧部材の押圧方向においては自在であるが、押圧方向に対して垂直方向においては抑制される構成であることを特徴とする加圧装置。
【選択図】 図1
【解決手段】従動回転するパイプ状素管から形成される加圧ローラと、加圧ローラの素管円筒内部に挿入されるサポートローラと、サポートローラを圧接する押圧部材と、加圧ローラの両端部に設けられたガイド部材により、加圧ローラの姿勢が抑制され、押圧部材の押圧方向においては自在であるが、押圧方向に対して垂直方向においては抑制される構成であることを特徴とする加圧装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ、プリンタなどのローラによる圧接が構成されている加圧装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザービームプリンタ等で転写材上に顕画化された未定着トナーを転写材に溶融圧着する定着装置等において、ヒータを内蔵した加熱ローラと弾性層を備えた加圧ローラを圧接させ、加熱ローラと加圧ローラとの間に転写材を通させる構成が一般的である。この従来の定着装置では加圧ローラを加熱ローラに対して圧接させることで、ローラに被覆された弾性層が変形しニップ領域が形成され、未定着トナーを有する転写材がニップ領域を通過する間に、ヒータの熱エネルギーによって溶融されると共に転写材上へ圧着される。
【0003】
しかし、加熱ローラと加圧ローラを軸方向において一様に圧接させる場合は、軸方向における両端部分では大きな加圧が得られるものの、軸方向における中心部分では両端部分よりも加圧が低くなり、ローラの軸方向に沿って均一なニップ領域を形成できなかった。このため、定着ムラが発生したり、ニップ領域を通過した転写材に皺が発生し易いという課題があった。さらに、近年ではプリンタ・複写機等のOA機器に対し、低価格化に加え省エネルギー化・高速化への市場要求が強くなってきている。これらの要求性能を達成するためには、プリンタや複写機等に用いられる定着装置の熱効率の改善が必要であり、加熱ローラの薄肉化して熱容量を低下させる方法がある。しかし、加熱ローラと加圧ローラを軸方向において一様に圧接させると、さらに加熱ローラが撓みやすいために、軸方向における中心部分の加圧力は両端部分よりもさらに低くなる。
【0004】
そこで、このような問題を解決するものとして、図8に示すように、圧力定着装置で用いられるような加圧ローラ20の構造改良が提案されている。加熱ローラ21は従来通りである。弾性層を被覆する加圧ローラ素管の両端部分ではスリーブ状に形成されており、その円筒内周面から加圧ローラ20を軸支するシャフトとは空間を設けている。また、加圧ローラ20の中心部分は中実形状となっていて、加熱ローラ21と加圧ローラ20を圧接させると、軸方向の中心部が最も曲げ強度が高いため加熱ローラ21が撓みを生じた場合でも略均一な加圧力が得られる。
【0005】
また、図9に示すように、加圧ローラ20が弾性層を被覆するスリーブ部材と軸方向の中心から両端にかけて徐々に細くなる円筒部を有し、その円筒部の外周面が前記スリーブ部材の内周面と接する押圧ローラ22から構成される手法も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、さらなる小型化や低消費電力化の要求に伴って、ローラ素管の厚みを薄肉化する必要がある。そのため、従来の加圧装置では、部品精度のバラツキや押圧力のバランスズレが生じると不均一な圧力分布になりやすい。また、押圧ローラの外周形状は、加熱ローラと加圧ローラとの間に目的とする均一な圧力分布が得られるような曲面に形成することが必要であるが、製造バラツキや押圧力のバランスズレが生じると圧力分布が不均一になると共に、精度を追求すると製造コストも高くなる。さらには、加圧ローラの軸方向における姿勢を維持することが困難となり、回転駆動が伝達されると、特に加圧ローラの端部の姿勢が暴れるため、圧接により形成されるニップ領域の幅が不均一になる。したがって、例えばニップ領域に転写材を挿通させ、転写材に顕画された未定着トナーを転写材に溶融圧着させる定着装置において、転写材の皺と共に定着不良も生じやすいという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の加圧装置は、従動回転するパイプ状素管から形成される加圧ローラと、加圧ローラの素管円筒内部に挿入されるサポートローラと、サポートローラを圧接する押圧部材と、加圧ローラの両端部に設けられたガイド部材により、加圧ローラの姿勢が抑制され、押圧部材の押圧方向においては自在であるが、押圧方向に対して垂直方向においては抑制される構成されることを特徴とするものである。
【0008】
このような技術的手段によれば、加圧ローラの姿勢を抑制できるため、圧接によって形成されるニップ領域の幅を均一にすることが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、従動回転するパイプ状素管から形成される加圧ローラと、前記加圧ローラの素管円筒内部に挿入されるサポートローラと、前記サポートローラを押圧する押圧部材と、前記加圧ローラの両端部に設けられ、前記加圧ローラを,前記押圧部材の押圧方向において自在とし、且つ、押圧方向に対して垂直方向においては抑制するガイド部材と、を有することを特徴とする。これにより、加圧ローラの姿勢を抑制することが可能になる。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、ガイド部材は、加圧ローラのたわみ線に対して垂直方向において自在となるように構成されていることを特徴とする。これにより、押圧力や加圧ローラ素管の薄肉化およびサポートローラの軸径に係らず、目的の押圧力を得ることができる。
【0011】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、ガイド部材の加圧ローラにおけるたわみ線に対して垂直方向への姿勢可動範囲は、加圧ローラの圧接によって形成されるニップ領域の幅の1割未満であることを特徴とする。これにより、加圧ローラの圧接によって形成されるニップ領域の幅は、ローラの軸方向に沿って略均一な分布が得られる。
【0012】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明において、ガイド部材に固持されたフランジ部材に対して摺動回転する栓部材が、加圧ローラの素管端部に設けられた溝部に接合することを特徴とする。これにより、加圧ローラの軸方向に対する姿勢を抑制するとともに、加圧ローラの回動を円滑に行える。
【0013】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1記載の発明において、押圧部材の回転支持軸に、前記ガイド部材の一部が同軸化されていることを特徴とする。これにより、押圧解除と同時に加圧ローラを回避させることができる。
【0014】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1記載の発明において、加圧ローラの最端部からサポートローラへの最短距離が、加圧ローラとサポートローラの撓み変位量よりも大きくなるようにサポートローラの軸径が構成されることを特徴とする。
【0015】
これにより、加圧ローラとサポートローラの撓みによる接触がなく、信頼性の高い加圧装置を提供できる。
【0016】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1〜6記載の発明を定着装置に適用したことを特徴とする。これにより、ニップ領域に転写材を挿通させ、転写材に顕画された未定着トナーを転写材に溶融圧着させる定着装置において、転写材の皺と共に定着不良を回避することが可能になる。
【0017】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項7記載の発明を画像形成装置に適用したことを特徴とする。これにより、加圧ローラの軸方向において均一な圧力分布を得ることができるので、均一な静電潜像が得られる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図1、図2、図3、図4、図5、図6、および図7に基づいて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を記しており、重複した説明は省略されている。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態である加圧装置を示す斜視図。図2は、本発明の一実施の形態である加圧装置を示す側面図。図3は、実施例に係るニップ幅のローラ軸方向における分布を示すグラフ。図4は、実施例に係る加圧ローラ端部を示す斜視図。図5は、押圧部材とガイド部材を示す正面図。図6は、圧接した場合のローラ端部を示す側面図。図7は、加圧ローラの最端部における素管内周とサポートローラへの最短距離とローラの中心における撓み変位量を示すグラフを示す。
【0020】
なお、本実施形態の加圧装置は、加圧ローラと圧接する加熱ローラを一体的に構成することにより、定着装置として適用される。そして、この定着装置は、定着装置に転写材を搬送・排出する搬送手段(搬送ローラや搬送ガイドなどにより構成)と、転写材にトナー像を形成する像形成手段(帯電装置、露光装置、現像装置などにより構成)と共に、画像形成装置を構成する。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態の加圧装置は、例えば相互に平行に配置された駆動ローラ10と加圧ローラ1とを有する。加圧ローラ素管の内周には、図2に示すように、加圧ローラ素管の内周面と接し、軸方向における中心部分の形状が両端部分よりも径が大きく形成されたサポートローラ3が挿入されていて、押圧部材7によりサポートローラ3の両端が押圧されると、加圧ローラ1が駆動ローラ10へ圧接され、ローラに被覆された弾性層等が変形しニップが形成される。
【0022】
サポートローラ3の加圧ローラ素管の内周面と接する円筒部4の軸方向における長さは、駆動ローラ10および加圧ローラ1の形状で定められる。この場合の軸方向のニップ幅は、図3に示すように略同一となる。ここで、サポートローラ3の中心部の円筒外周面は、耐熱性および耐磨耗性に優れた例えばフッ素のようなゴム部材を被覆させても良い。また、サポートローラ3の中心部の円筒部4は、加圧ローラ1の中心を軸に対称形状となっている。
【0023】
図4に示すように、加圧ローラ1の素管端部には溝部2が設けられていて、その溝部2に接合することで同期回転駆動する栓部材5が、加圧ローラ1と同軸になるよう挟持される。栓部材5とサポートローラ3の両端に設けられた軸受けとの間には、栓部材5と軸受けが接しないようにワッシャー部材9を設けている。これにより、加圧ローラ1とサポートローラ3の回転が同期してなくても円滑な回転を行うことができる。また加圧ローラ1の軸方向におけるズレも抑制される。
【0024】
栓部材5の外周には、加圧ローラ1と円滑に同期回転駆動するために設けられたフランジ部材が構成され、ガイド部材6に固持される。図5に示すように、ガイド部材6は、押圧部材7に設けられたシャフト8に対し回転自在に構成される。これにより、ジャム等により押圧を解除する場合、押圧部材7の回動と共に加圧ローラ1を軸支するガイド部材6も回動し、加圧ローラ1は駆動ローラ10から回避することも可能である。また、図5に示すように、押圧部材7のシャフト8を加圧ローラ1の上側に設ければ、加圧ローラ1の自重により位置が定めることも可能である。さらに、前記ガイド部材は、加圧ローラのたわみ線に対して垂直方向において自在となるように構成されているので、サポートローラ中心の円筒外周面は加圧ローラ内周へ確実に押圧され、目的に応じた圧力がサポートローラ3から加圧ローラ1を通じて駆動ローラ10へ圧接される。また、サポートローラ3と加圧ローラ1の撓みが逆方向であるにもかかわらず、加圧ローラ1と駆動ローラ10の軸平行度を保つことができる。
【0025】
図6および図7に示すように、加圧ローラ1の最端部における素管内周からサポートローラ3への最短距離が、加圧ローラ1とサポートローラ3の押圧による撓み変位量よりも大きくなるようにサポートローラ3の軸径が構成される。つまり、サポートローラ3は材質の弾性限度まで撓ませても良いが、サポートローラ3と加圧ローラ1の撓み方向が逆であるため、撓みが大きいと端部で接触する可能性がある。また、サポートローラ3の軸径が細すぎると顕著に接触する。そこで、サポートローラ両端部の軸径は、図7に示すように、加圧ローラ1の最端からサポートローラ3への最短距離(ギャップ)とサポートローラ3の撓み変位をグラフ化し、ギャップが部品間誤差を考慮しても確保でき、サポートローラ3の最大撓みが軸径誤差の影響をうけにくい領域を選定する。例えば図7は、駆動ローラ素管の外径φ25,厚みt0.3、加圧ローラ素管の外径φ15,厚みt0.5,長さ229、サポートローラの軸受け位置を加圧ローラ端から17.1とした場合の結果であるが、この場合、軸径8〜10が最適である。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、さらなるローラの薄肉化小型化を図っても、加圧ローラの圧接によって形成されるニップ領域の幅を、ローラの軸方向に沿って略均一な分布で形成できる。
【0027】
本発明による加圧装置を用いれば、例えば画像形成装置における定着装置においては、待機状態から定着可能な状態まで加熱ローラおよび加圧ローラの表面温度を上昇させるウォームアップタイムの短縮化、さらには低消費電力化に有利な定着装置を低価格で提供できることが可能になるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である加圧装置を示す斜視図
【図2】図1における側面図
【図3】同ローラ軸方向におけるニップ幅の分布を示すグラフ
【図4】同加圧ローラ端部を示す斜視図
【図5】同押圧部材とガイド部材を示す正面図
【図6】圧接した場合のローラ端部を示す側面図
【図7】加圧ローラの最端部における素管内周とサポートローラへの最短距離とローラの中心における撓み変位量を示すグラフ
【図8】従来の一実施例の形態である定着装置を示す側面図
【図9】従来の一実施例の形態である定着装置を示す側面図
【符号の説明】
1 本発明の一実施の形態である加圧ローラ
2 1の両端に設けられた溝部
3 サポートローラ
4 3の中心に位置する円筒部
5 栓部材
6 ガイド部材
7 押圧部材
8 7におけるシャフト
9 ワッシャー部材
10 駆動ローラ
20 従来の一実施の形態である加圧ローラ
21 同駆動ローラ
22 同押圧ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ、プリンタなどのローラによる圧接が構成されている加圧装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザービームプリンタ等で転写材上に顕画化された未定着トナーを転写材に溶融圧着する定着装置等において、ヒータを内蔵した加熱ローラと弾性層を備えた加圧ローラを圧接させ、加熱ローラと加圧ローラとの間に転写材を通させる構成が一般的である。この従来の定着装置では加圧ローラを加熱ローラに対して圧接させることで、ローラに被覆された弾性層が変形しニップ領域が形成され、未定着トナーを有する転写材がニップ領域を通過する間に、ヒータの熱エネルギーによって溶融されると共に転写材上へ圧着される。
【0003】
しかし、加熱ローラと加圧ローラを軸方向において一様に圧接させる場合は、軸方向における両端部分では大きな加圧が得られるものの、軸方向における中心部分では両端部分よりも加圧が低くなり、ローラの軸方向に沿って均一なニップ領域を形成できなかった。このため、定着ムラが発生したり、ニップ領域を通過した転写材に皺が発生し易いという課題があった。さらに、近年ではプリンタ・複写機等のOA機器に対し、低価格化に加え省エネルギー化・高速化への市場要求が強くなってきている。これらの要求性能を達成するためには、プリンタや複写機等に用いられる定着装置の熱効率の改善が必要であり、加熱ローラの薄肉化して熱容量を低下させる方法がある。しかし、加熱ローラと加圧ローラを軸方向において一様に圧接させると、さらに加熱ローラが撓みやすいために、軸方向における中心部分の加圧力は両端部分よりもさらに低くなる。
【0004】
そこで、このような問題を解決するものとして、図8に示すように、圧力定着装置で用いられるような加圧ローラ20の構造改良が提案されている。加熱ローラ21は従来通りである。弾性層を被覆する加圧ローラ素管の両端部分ではスリーブ状に形成されており、その円筒内周面から加圧ローラ20を軸支するシャフトとは空間を設けている。また、加圧ローラ20の中心部分は中実形状となっていて、加熱ローラ21と加圧ローラ20を圧接させると、軸方向の中心部が最も曲げ強度が高いため加熱ローラ21が撓みを生じた場合でも略均一な加圧力が得られる。
【0005】
また、図9に示すように、加圧ローラ20が弾性層を被覆するスリーブ部材と軸方向の中心から両端にかけて徐々に細くなる円筒部を有し、その円筒部の外周面が前記スリーブ部材の内周面と接する押圧ローラ22から構成される手法も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、さらなる小型化や低消費電力化の要求に伴って、ローラ素管の厚みを薄肉化する必要がある。そのため、従来の加圧装置では、部品精度のバラツキや押圧力のバランスズレが生じると不均一な圧力分布になりやすい。また、押圧ローラの外周形状は、加熱ローラと加圧ローラとの間に目的とする均一な圧力分布が得られるような曲面に形成することが必要であるが、製造バラツキや押圧力のバランスズレが生じると圧力分布が不均一になると共に、精度を追求すると製造コストも高くなる。さらには、加圧ローラの軸方向における姿勢を維持することが困難となり、回転駆動が伝達されると、特に加圧ローラの端部の姿勢が暴れるため、圧接により形成されるニップ領域の幅が不均一になる。したがって、例えばニップ領域に転写材を挿通させ、転写材に顕画された未定着トナーを転写材に溶融圧着させる定着装置において、転写材の皺と共に定着不良も生じやすいという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の加圧装置は、従動回転するパイプ状素管から形成される加圧ローラと、加圧ローラの素管円筒内部に挿入されるサポートローラと、サポートローラを圧接する押圧部材と、加圧ローラの両端部に設けられたガイド部材により、加圧ローラの姿勢が抑制され、押圧部材の押圧方向においては自在であるが、押圧方向に対して垂直方向においては抑制される構成されることを特徴とするものである。
【0008】
このような技術的手段によれば、加圧ローラの姿勢を抑制できるため、圧接によって形成されるニップ領域の幅を均一にすることが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、従動回転するパイプ状素管から形成される加圧ローラと、前記加圧ローラの素管円筒内部に挿入されるサポートローラと、前記サポートローラを押圧する押圧部材と、前記加圧ローラの両端部に設けられ、前記加圧ローラを,前記押圧部材の押圧方向において自在とし、且つ、押圧方向に対して垂直方向においては抑制するガイド部材と、を有することを特徴とする。これにより、加圧ローラの姿勢を抑制することが可能になる。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、ガイド部材は、加圧ローラのたわみ線に対して垂直方向において自在となるように構成されていることを特徴とする。これにより、押圧力や加圧ローラ素管の薄肉化およびサポートローラの軸径に係らず、目的の押圧力を得ることができる。
【0011】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、ガイド部材の加圧ローラにおけるたわみ線に対して垂直方向への姿勢可動範囲は、加圧ローラの圧接によって形成されるニップ領域の幅の1割未満であることを特徴とする。これにより、加圧ローラの圧接によって形成されるニップ領域の幅は、ローラの軸方向に沿って略均一な分布が得られる。
【0012】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明において、ガイド部材に固持されたフランジ部材に対して摺動回転する栓部材が、加圧ローラの素管端部に設けられた溝部に接合することを特徴とする。これにより、加圧ローラの軸方向に対する姿勢を抑制するとともに、加圧ローラの回動を円滑に行える。
【0013】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1記載の発明において、押圧部材の回転支持軸に、前記ガイド部材の一部が同軸化されていることを特徴とする。これにより、押圧解除と同時に加圧ローラを回避させることができる。
【0014】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1記載の発明において、加圧ローラの最端部からサポートローラへの最短距離が、加圧ローラとサポートローラの撓み変位量よりも大きくなるようにサポートローラの軸径が構成されることを特徴とする。
【0015】
これにより、加圧ローラとサポートローラの撓みによる接触がなく、信頼性の高い加圧装置を提供できる。
【0016】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1〜6記載の発明を定着装置に適用したことを特徴とする。これにより、ニップ領域に転写材を挿通させ、転写材に顕画された未定着トナーを転写材に溶融圧着させる定着装置において、転写材の皺と共に定着不良を回避することが可能になる。
【0017】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項7記載の発明を画像形成装置に適用したことを特徴とする。これにより、加圧ローラの軸方向において均一な圧力分布を得ることができるので、均一な静電潜像が得られる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図1、図2、図3、図4、図5、図6、および図7に基づいて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を記しており、重複した説明は省略されている。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態である加圧装置を示す斜視図。図2は、本発明の一実施の形態である加圧装置を示す側面図。図3は、実施例に係るニップ幅のローラ軸方向における分布を示すグラフ。図4は、実施例に係る加圧ローラ端部を示す斜視図。図5は、押圧部材とガイド部材を示す正面図。図6は、圧接した場合のローラ端部を示す側面図。図7は、加圧ローラの最端部における素管内周とサポートローラへの最短距離とローラの中心における撓み変位量を示すグラフを示す。
【0020】
なお、本実施形態の加圧装置は、加圧ローラと圧接する加熱ローラを一体的に構成することにより、定着装置として適用される。そして、この定着装置は、定着装置に転写材を搬送・排出する搬送手段(搬送ローラや搬送ガイドなどにより構成)と、転写材にトナー像を形成する像形成手段(帯電装置、露光装置、現像装置などにより構成)と共に、画像形成装置を構成する。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態の加圧装置は、例えば相互に平行に配置された駆動ローラ10と加圧ローラ1とを有する。加圧ローラ素管の内周には、図2に示すように、加圧ローラ素管の内周面と接し、軸方向における中心部分の形状が両端部分よりも径が大きく形成されたサポートローラ3が挿入されていて、押圧部材7によりサポートローラ3の両端が押圧されると、加圧ローラ1が駆動ローラ10へ圧接され、ローラに被覆された弾性層等が変形しニップが形成される。
【0022】
サポートローラ3の加圧ローラ素管の内周面と接する円筒部4の軸方向における長さは、駆動ローラ10および加圧ローラ1の形状で定められる。この場合の軸方向のニップ幅は、図3に示すように略同一となる。ここで、サポートローラ3の中心部の円筒外周面は、耐熱性および耐磨耗性に優れた例えばフッ素のようなゴム部材を被覆させても良い。また、サポートローラ3の中心部の円筒部4は、加圧ローラ1の中心を軸に対称形状となっている。
【0023】
図4に示すように、加圧ローラ1の素管端部には溝部2が設けられていて、その溝部2に接合することで同期回転駆動する栓部材5が、加圧ローラ1と同軸になるよう挟持される。栓部材5とサポートローラ3の両端に設けられた軸受けとの間には、栓部材5と軸受けが接しないようにワッシャー部材9を設けている。これにより、加圧ローラ1とサポートローラ3の回転が同期してなくても円滑な回転を行うことができる。また加圧ローラ1の軸方向におけるズレも抑制される。
【0024】
栓部材5の外周には、加圧ローラ1と円滑に同期回転駆動するために設けられたフランジ部材が構成され、ガイド部材6に固持される。図5に示すように、ガイド部材6は、押圧部材7に設けられたシャフト8に対し回転自在に構成される。これにより、ジャム等により押圧を解除する場合、押圧部材7の回動と共に加圧ローラ1を軸支するガイド部材6も回動し、加圧ローラ1は駆動ローラ10から回避することも可能である。また、図5に示すように、押圧部材7のシャフト8を加圧ローラ1の上側に設ければ、加圧ローラ1の自重により位置が定めることも可能である。さらに、前記ガイド部材は、加圧ローラのたわみ線に対して垂直方向において自在となるように構成されているので、サポートローラ中心の円筒外周面は加圧ローラ内周へ確実に押圧され、目的に応じた圧力がサポートローラ3から加圧ローラ1を通じて駆動ローラ10へ圧接される。また、サポートローラ3と加圧ローラ1の撓みが逆方向であるにもかかわらず、加圧ローラ1と駆動ローラ10の軸平行度を保つことができる。
【0025】
図6および図7に示すように、加圧ローラ1の最端部における素管内周からサポートローラ3への最短距離が、加圧ローラ1とサポートローラ3の押圧による撓み変位量よりも大きくなるようにサポートローラ3の軸径が構成される。つまり、サポートローラ3は材質の弾性限度まで撓ませても良いが、サポートローラ3と加圧ローラ1の撓み方向が逆であるため、撓みが大きいと端部で接触する可能性がある。また、サポートローラ3の軸径が細すぎると顕著に接触する。そこで、サポートローラ両端部の軸径は、図7に示すように、加圧ローラ1の最端からサポートローラ3への最短距離(ギャップ)とサポートローラ3の撓み変位をグラフ化し、ギャップが部品間誤差を考慮しても確保でき、サポートローラ3の最大撓みが軸径誤差の影響をうけにくい領域を選定する。例えば図7は、駆動ローラ素管の外径φ25,厚みt0.3、加圧ローラ素管の外径φ15,厚みt0.5,長さ229、サポートローラの軸受け位置を加圧ローラ端から17.1とした場合の結果であるが、この場合、軸径8〜10が最適である。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、さらなるローラの薄肉化小型化を図っても、加圧ローラの圧接によって形成されるニップ領域の幅を、ローラの軸方向に沿って略均一な分布で形成できる。
【0027】
本発明による加圧装置を用いれば、例えば画像形成装置における定着装置においては、待機状態から定着可能な状態まで加熱ローラおよび加圧ローラの表面温度を上昇させるウォームアップタイムの短縮化、さらには低消費電力化に有利な定着装置を低価格で提供できることが可能になるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である加圧装置を示す斜視図
【図2】図1における側面図
【図3】同ローラ軸方向におけるニップ幅の分布を示すグラフ
【図4】同加圧ローラ端部を示す斜視図
【図5】同押圧部材とガイド部材を示す正面図
【図6】圧接した場合のローラ端部を示す側面図
【図7】加圧ローラの最端部における素管内周とサポートローラへの最短距離とローラの中心における撓み変位量を示すグラフ
【図8】従来の一実施例の形態である定着装置を示す側面図
【図9】従来の一実施例の形態である定着装置を示す側面図
【符号の説明】
1 本発明の一実施の形態である加圧ローラ
2 1の両端に設けられた溝部
3 サポートローラ
4 3の中心に位置する円筒部
5 栓部材
6 ガイド部材
7 押圧部材
8 7におけるシャフト
9 ワッシャー部材
10 駆動ローラ
20 従来の一実施の形態である加圧ローラ
21 同駆動ローラ
22 同押圧ローラ
Claims (8)
- 従動回転するパイプ状素管から形成される加圧ローラと、
前記加圧ローラの素管円筒内部に挿入されるサポートローラと、
前記サポートローラを押圧する押圧部材と、
前記加圧ローラの両端部に設けられ、前記加圧ローラを,前記押圧部材の押圧方向において自在とし、且つ、押圧方向に対して垂直方向においては抑制するガイド部材と、
を有することを特徴とする加圧装置。 - 前記ガイド部材は、加圧ローラのたわみ線に対して垂直方向において自在となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の加圧装置。
- 前記ガイド部材において、加圧ローラのたわみ線に対して垂直方向への姿勢可動範囲は、加圧ローラの圧接によって形成されるニップ領域の幅の1割未満であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の加圧装置。
- 前記ガイド部材に固持されたフランジ部材に対して摺動回転する栓部材が、加圧ローラの素管端部に設けられた溝部に接合することを特徴とする請求項1記載の加圧装置。
- 前記押圧部材の回転支持軸に、前記ガイド部材の一部が同軸化されていることを特徴とする請求項1記載の加圧装置。
- 前記加圧ローラの最端部からサポートローラへの最短距離が、加圧ローラとサポートローラの撓み変位量よりも大きくなるようにサポートローラの軸径が構成されることを特徴とする請求項1記載の加圧装置。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の加圧装置と、加圧ローラと圧接する加熱ローラとを有することを特徴とする定着装置。
- 請求項7記載の定着装置と、前記定着装置に転写材を搬送・排出する搬送手段と、転写材にトナー像を形成する像形成手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002173743A JP2004020768A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 加圧装置、定着装置および画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002173743A JP2004020768A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 加圧装置、定着装置および画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004020768A true JP2004020768A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31172896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002173743A Pending JP2004020768A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 加圧装置、定着装置および画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004020768A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100778097B1 (ko) | 2006-09-12 | 2007-11-29 | 주식회사수성기술 | 필름 연신롤러 |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002173743A patent/JP2004020768A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100778097B1 (ko) | 2006-09-12 | 2007-11-29 | 주식회사수성기술 | 필름 연신롤러 |
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