JP3158224B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP3158224B2
JP3158224B2 JP11109392A JP11109392A JP3158224B2 JP 3158224 B2 JP3158224 B2 JP 3158224B2 JP 11109392 A JP11109392 A JP 11109392A JP 11109392 A JP11109392 A JP 11109392A JP 3158224 B2 JP3158224 B2 JP 3158224B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体としてトナー
を用いる静電記録装置に組み込まれる定着装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、静電記録装置の画像プロ
セスには、静電潜像形成プロセス,静電潜像現像プロセ
ス,転写プロセス,及び定着プロセスが含まれる。静電
潜像形成プロセスでは、感光体ドラムまたは感光体ベル
ト上に画像を光学的に投影することによって、あるいは
誘電体ドラム上に電荷を付与することによって、静電潜
像が形成される。
【0003】静電潜像現像プロセスでは、そのように形
成された静電潜像に記録媒体としてトナーを静電的に付
着することによって、静電潜像が現像される。現像に用
いたトナーは、転写プロセスで記録紙に転写され、次い
で転写されたトナーは定着プロセスで記録紙に定着され
る。
【0004】転写トナーの定着方式としては、圧力定着
方式,フラッシュ定着方式,熱定着方式が知られてお
り、いずれの方式を採用するかによってトナー定着機構
は異なる。ところで、プリンタや複写機等のOA機器で
は、省電力化,小型化,ウォームアップ時間の短縮化が
要求されているが、圧力定着方式及びフラッシュ定着方
式を採用するトナー定着機構の場合にはかかる要望に答
えることができない。
【0005】このことを具体的に説明すると、圧力定着
方式を採用するトナー定着機構では、消費電力が非常に
小さくまたウォームアップ時間も必要とされないという
利点を持っている。しかしながら、粉体トナーを圧力定
着方式で定着する際の欠点として、定着性の悪さと高い
印加圧力のために定着ローラを3本用いることで装置が
大型化する点や、軸方向の平行度をとるための機構を要
する点、さらに圧力に耐え得るローラを用いるために装
置の重量がかさむ等の欠点が指摘されている。
【0006】そこで、粉体トナーの定着性の悪さを改善
するために、圧力ローラ間の線圧を20〜40kg/c
mまで高める一方、記録紙としてコート紙を用い、粉体
トナーをそのコート剤中に押し込める方式が提案されて
いる。しかしながら、そのような方式は、高い定着圧力
のために記録紙にしわが発生したり、記録紙の繊維がつ
ぶれて光沢が生じたりする点、さらにコート紙が市場の
ニーズに合わないという点で採用できない。
【0007】また、フラッシュ定着方式を採用するトナ
ー定着機構の場合も、ウォームアップ時間は必要とされ
ないが、消費電力がきわめて大きく、しかも脱煙,脱臭
設備が必要なために大型化が避けられなくなる。
【0008】これに対し、熱定着方式を採用するトナー
定着機構の場合は、ヒータを内蔵した熱ローラが用いら
れ、そのヒータの暖まる待ち時間すなわちウォームアッ
プ時間が必要である。しかも該ヒータによる消費電力が
大きいという欠点を有している。しかし、上記2つの方
式に比べて、装置の小型,軽量化が可能なこと、装置構
成が簡素なことにより、この熱定着方式が広く用いられ
ている。
【0009】熱定着方式を採用する従来の熱ローラ定着
装置を図6に示す。図中、1は熱ローラ、2はバックア
ップローラ、3は熱ローラ1に内蔵されたハロゲンラン
プのヒータ、4はローラに付着したトナー及び塵を取り
除くためのクリーナ、5は熱電対(またはサーミス
タ)、6はローラから紙をはがす紙づめ、7はローラ間
に圧力を付与するばねである。
【0010】このような構成の定着装置の作用は次の通
りである。
【0011】トナー像8が形成された記録紙100は図
6の左方向から搬送されてくる。定着装置では、熱ロー
ラ1をヒータ3により加熱して、これを熱電対5で検知
しさらに図示しないコントローラを介すことにより熱ロ
ーラ1の表面温度を一定に保つ。そして、ローラ表面が
所望の温度になったのを検知した後に記録紙100は熱
ローラ1とバックアップローラ2の間に通される。これ
により、記録紙100上のトナー像8は、熱ローラ1か
らの熱とバックアップローラ2による加圧により溶解し
て、ローラ間通過後の温度低下により記録紙100上に
定着,固化する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構造では、熱
源とするハロゲンランプヒータより発せられた光が熱ロ
ーラ内壁に照射され、吸収された分だけ熱として消費さ
れる。しかし、熱ローラ内壁では光の反射等が起こり、
ハロゲンランプヒータに印加した電力の大体60%程度
しか定着の熱に利用されない。
【0013】また、ハロゲンランプの電圧印加部分(端
子部)は導電性を考慮して銅で形成されており、熱によ
る損傷を防ぐために発熱有効部より約40mm程度離し
て作られる。このため、全体のヒータ長さは定着する記
録紙よりも80mm(片側で40mm)以上長いものを
用いる必要があり、これに伴い定着装置の幅(熱ローラ
の軸線方向の寸法)も広くなる。
【0014】本発明は、消費電力を低下させることので
きる小型化に有利な定着装置を提供することを目的とし
ている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、加熱源を有し両端が回動自在に支持部
材によりそれぞれ支持される熱ローラを備え、記録媒体
としてトナーを用いる静電記録装置に組み込まれる定着
装置において、前記熱ローラはグラファイト線を巻き回
して焼結してローラ状にしたグラファイトローラにより
構成され、前記加熱源は、前記グラファイトローラの内
部に密着させたことを特徴とする構成(第1の構成)と
する。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】また、上記第の構成の定着装置におい
て、加熱源として、熱ローラの内壁に全周にわたり密
着,固定されるように巻き回して熱ローラ内に挿入され
て、熱ローラとともに回動するシート状ヒータを用いた
ことを特徴とする構成(第の構成)とする。
【0021】
【0022】
【作用】熱ローラ内壁に密着するシート状ヒータを用い
た場合は、ヒータが発した熱を直接熱ローラに付加する
ことができ、熱の損失を減少させるとともに、所望の熱
ローラ温度までの待ち時間を短縮することが可能とな
る。また、熱ローラにグラファイトを用いた場合も、ロ
ーラ肉厚を薄くすることで、熱伝導性を向上させると同
時に熱容量を低下させることができ、同様の効果が得ら
れる。さらに、熱ローラにグラファイトを用いるととも
に、加熱源としてシート状ヒータを用いた場合は、上記
効果は一層向上する。
【0023】
【実施例】以下、図1乃至図5を参照して本発明の実施
例を説明するが、それに先立って、図1乃至図3を参照
して本発明の前提となる第1の参考例を説明する。
【0024】図1乃至図3に本発明の前提となる第1の
参考例を示す。
【0025】図1は本例の定着装置の要部構造を示す分
解斜視図で、図中、11は加熱源として用いられるシー
ト状ヒータ、12はシート状ヒータ11に電圧を印加す
るためのリード線、13はNiチューブの熱ローラ、1
4はオフセット防止用にトナーとの離型性の高い材質を
付けたコート部、15は熱ローラ13を支持する耐熱樹
脂製の支持部材、16はシート状ヒータ11への電圧印
加用のリング状の電極、17は装置側からの電圧供給用
端子、18は定着装置の側板、19は熱ローラ13に圧
接するバックアップローラである。
【0026】熱ローラ13のNiチューブは厚さ150
μmで外径が20mmである。シート状ヒータ11は、
図2(A)に示す形状を有し、図2(B)に示すように
螺旋状に巻き回して熱ローラ13内に挿入される。該シ
ート状ヒータ11は、モリブデン合金,ニッケル合金,
ステンレス合金等で図3のような発熱抵抗体20を形成
し、これをシリコーンゴム,ふっ素樹脂,耐熱性不燃布
等の絶縁性耐熱材で挟み込んで1〜3mm厚のヒータと
したものである。本例では新日鉄(株)製のNR−ふっ
素樹脂プレートヒータを用いその厚さは1.5mmであ
る。
【0027】上記のように巻き回して挿入するために、
シート状ヒータ11の形状は、短辺11aの長さが熱ロ
ーラ13の内径で、長辺11bは巻き回しの角度に合わ
せ、螺旋状に巻き回した状態で定着幅となるようにす
る。本例では、60°と120°とで形成する平行四辺
形とした。巻き回して挿入されたシート状ヒータ11に
は、平板の状態に戻ろうとする反発力が働き、該シート
状ヒータ11は熱ローラ13の内壁に全周にわたり密着
する。従って、ヒータが発した熱を直接熱ローラ13に
付加することが可能になる。
【0028】耐熱樹脂製の支持部材15は、熱ローラ1
3をシート状ヒータ11とともに回転駆動するだけでな
く、シート状ヒータ11が熱ローラ13の外に出るのを
防ぐ働きも行う。このため、熱ローラ13の内側に入る
部分の端面はシート状ヒータ11の端面に接している。
また、支持部材15は熱ローラ13の軸の働きもするも
ので、熱ローラ13に挿入する側と反対側に、側板18
の穴21(熱ローラ13の軸受け部分)に嵌入する軸部
15aを有している。
【0029】支持部材15のギア部15bと軸部15a
の間には、シート状ヒータ11に電圧を印加するための
電極16嵌め込み用の溝15cが形成されている。電極
16はこの溝15cに嵌め込まれ、該電極16に一体に
形成されてリード線12が接続される突起16aは軸部
15aに形成された穴21に嵌入している。なお、熱ロ
ーラ13の反対側を支持する支持部材(図示省略)は図
1の支持部材15からギア部15bを除いたものであ
る。
【0030】各支持部材には、支持部材15について図
1に示したようにキー22が設けられ、該キー22は熱
ローラ13に設けられたキー溝23に係合している。従
って、図示しない駆動系によりギア部15bを駆動する
ことによって、熱ローラ13はシート状ヒータ11とと
もに回転する。
【0031】この熱ローラ13の回転時に電極16も回
転するが、該電極16に対する電圧供給は、側板18に
絶縁部材を介し取り付けられた電圧供給用端子17を介
し行われる。端子17の接点部17aは電極16に圧接
して相対的に摺動するようになっており、これにより、
リード線12を介するシート板ヒータ11への電圧印加
が行われる。
【0032】バックアップローラ19は、熱ローラ13
のコート部14に対応する長さを有しており、該コート
部14に圧接している。
【0033】上記構成の定着装置を静電記録装置内に装
着して印字出力を行った。用いたトナーのベースレンジ
はポリエステル系のものを用いたために、コート部14
のコート剤はPFA樹脂とした、また、シート状ヒータ
11の消費電力は約1.5w/cm2 であり、定着幅を
220mm(A4縦送り;紙幅210mm)としたた
め、シート状ヒータ11全体の消費電力は約200wと
なる。そして、電圧供給用端子17に100vを印加し
たところ、定着温度170℃に達するまでの時間は9.
8秒であった。この結果を各種比較例と比較すると次の
通りである。
【0034】(比較例1) 上記第1の参考例と同様の構成をとり、熱ローラを肉厚
1.5mmのアルミニウム管に代えて用いたところ、電
圧印加時より定着温度(170℃)に達するまでの時間
は19.2秒とNiチューブを用いた場合より2倍以上
必要とするため、装置内温度の上昇にも影響することが
分かる。
【0035】(比較例2) 第1の参考例と同様の構成(A4縦送り定着;紙幅21
0mm)で、加熱源をシート状ヒータ11からハロゲン
ランプに代えて定着装置を構成したところ、該ハロゲン
ランプ長は308mmとなり、さらに該ハロゲンランプ
への電圧印加用端子部分が片側で7mmとなるため、定
着装置の全長は322mmとなった。これは、シート状
ヒータを用いた全長264mmの定着装置より約60m
m長くなる。
【0036】上述の説明では平行四辺形のシート状ヒー
タを螺旋状に巻き回して熱ローラ内壁に密着させる例に
ついて述べたが、長方形のシート状ヒータを用い、これ
を円筒状に巻いて熱ローラに挿入しても良い。この場合
は、熱ローラの円周上の軸に沿った一箇所(シート状ヒ
ータの円筒の継目に対応する部分)が低温となり、この
ままで定着を行うと、記録紙上に部分的に定着不良が発
生する。
【0037】この問題を解決するためには、シート状ヒ
ータの継目に近い発熱抵抗体の発熱を他の部分より大き
くすれば良い。本例では、シート状ヒータの中央部の発
熱に対し継目近くの発熱を20%増とすることで、熱ロ
ーラ表面の部分的温度低下を防止して良好な定着を行え
るようになった。
【0038】以上の記載から明らかなように、本例の定
着装置では、加熱源にシート状ヒータを用いてこれを熱
ローラ内壁に密着させているため、熱伝導性が向上して
熱の損失が低減され、必要温度に上昇するまでの待ち時
間の短縮が可能となった。また、装置の長さも従来用い
ているハロゲンランプより短かくすることが可能となっ
た。さらに、熱ローラにNi等の高強度の材料を用いる
と、ローラの肉厚を薄くすることができ、より効果的で
ある。
【0039】図4及び図5に本発明の前提となる第2の
参考例を示す。
【0040】従来の熱ローラは、主にアルミニウム管が
用いられ、管内には加熱源であるハロゲンランプヒータ
が配置されている。そして、ハロゲンランプヒータから
発せられた光のうち、反射されずに管壁に吸収された分
だけ熱として定着に寄与される。しかし、熱ローラとし
てアルミニウムを用いた場合には、バックアップローラ
との圧力に対してローラに撓みが発生しないように、ロ
ーラの肉厚を厚くしなければならない。
【0041】このようにローラの肉厚を厚くするとロー
ラ温度上昇に費やすエネルギが必要なため、ウォームア
ップ時間が長くなる。この問題に対し、特開昭59−4
389では、熱ローラとしてNi電鋳製のものを用い、
また、特開昭54−21739ではローラを薄肉とする
ことで熱容量を低下させ、ウォームアップ時間の短縮化
とローラとしての剛性,量産性とを付与している。
【0042】このうち、前者の熱ローラにNi電鋳品を
用いたものは、ローラの肉厚も薄くなり、これに伴い熱
容量も低下することから、消費電力の低減に有効であ
る。しかし、装置の小型化,薄型化等に伴う定着装置の
小型化により熱ローラ自身もより小さい径のものが必要
とされる現状では、電鋳製のローラが、内径に相当する
型上にNiを積層した後に型から剥がす工程により成形
される際に変形しやすい。
【0043】また、他の金属で薄肉ローラを製造する後
者の場合には、シート状の金属を型に合わせて巻き回
し、継ぎ目を溶接することでパイプ状とするため、直径
15mm以下となるような小径のローラの場合には、製
造上の困難を伴うだけでなく、真円度も問題になる。
【0044】本例は、上記の問題を解決するもので、熱
ローラをグラファイトで形成することにより、熱ローラ
の径を小さくした場合でも強度のある熱ローラが得ら
れ、かつ省電力化を実現することができる。次に本例の
定着装置の構成,作用を図4,5により説明する。
【0045】図4は本例の定着装置の要部構造を示す分
解斜視図で、図中、31はグラファイトの熱ローラ、3
2はオフセット防止用にトナーとの離型性の高い材質を
付けたコート部、33は耐熱樹脂製の支持部材、34は
加熱源として熱ローラ31内に挿入されたハロゲンラン
プ、35は側板、36はハロゲンランプ34を固定する
ための固定部材、37はバックアップローラである。固
定部材36は側板35に固定され、ハロゲンランプ34
は、固定部材36に取り付けられた図示しない電極部に
より電圧印加を受ける。
【0046】熱ローラ31は、図5に示すようにグラフ
ァイト線40をローラ内径に相当する型に巻き回してロ
ーラ形状とし、1000〜3000℃の範囲において焼
結してローラ状としたもので、厚さ100μm,外径1
5mmである。このままではローラ表面にグラファイト
線の凹凸があるばかりでなく、トナーとの離型性が低い
ためにトナー画像にオフセットが発生する。このため
に、ふっ素樹脂等の離型性のあるものを塗布してコート
部32を形成し、ローラ表面平滑化とトナー離型性向上
を図っている。
【0047】この熱ローラ31は、薄肉であるにもかか
わらず十分な強度を有しており(引っ張り強さが、ニッ
ケルの5.0×108 Paに対しグラファイトは6.2
×108 Paである)、しかもグラファイトの熱伝導特
性はKaye & Laby,1973によると80〜
230w・m-1・k-1であり、ニッケルの94,アルミ
ニウムの236と比較しても、ローラ肉厚を考慮すると
良好であるといえる。
【0048】すなわち、グラファイト製の熱ローラ31
は、十分な強度を有しているため肉厚を薄くすることが
できる。また、ローラ肉厚を薄くすることで熱伝導性を
向上させると同時に、熱容量を低下したことにより熱損
失を低下させることができ、かつ、必要温度に上昇する
までの待ち時間の短縮が可能になる。
【0049】支持部材33は、前例の支持部材15から
電極16嵌合部分を省略したもので、側板35に嵌合,
支持される軸部33aと、ギア部33bと、熱ローラ3
1に嵌入すると支持部33cとを備えており、支持部3
3cにはキー38が設けられている。キー38は、支持
部33cを熱ローラ31に嵌入させて固定する際に、熱
ローラ31に設けられたキー溝39と係合して熱ローラ
31を回転方向に係止する。なお、図4では片側の支持
部材33のみを示したが、熱ローラ31の他方は同様の
支持部材(ギア部なし)に固定され、この状態で熱ロー
ラ31は両側板に支持される。
【0050】このように両支持部材により熱ローラ31
を固定することで回転軸の振れは抑えられるが、バック
アップローラ37からの圧力により熱ローラ31と支持
部材33の接続部分でき裂が発生しないようにするため
には、該接続部分である熱ローラ31の端部の厚さを大
きくすれば良い。この場合外径は全体にわたり一様と
し、内径を変化させれば、定着性能に影響を及ぼすこと
はない。
【0051】このような構成の定着装置を静電記録装置
に入れ、印字出力を行った。用いたトナーのベースレジ
ンはポリエステル系のものを用いたために、オフセット
防止用のコート部32はふっ素系のPFA樹脂とした。
ハロゲンランプ34は消費電力100wのものを用い
た。これに通電して定着を行ったところ、温度変化が急
激に起こったため、ハロゲンランプ34に印加する電力
を調整して温度を調節した。
【0052】これによると、定着温度である170℃で
の安定には約20wあれば良く、定着時でも50w以下
の電力印加で良い。
【0053】以上の記載から明らかなように、本例の定
着装置では、熱ローラとしてグラファイト製のものを用
い、ローラ肉厚を薄くすることで、熱伝導性を向上させ
ると同時に、熱容量低下により熱の損失を低減すること
ができ、かつ、必要温度に上昇するまでの待ち時間の短
縮が可能となる。
【0054】上記第1の参考例では加熱源として熱ロー
ラ内壁に密着するシート状ヒータを用いたものを示し、
第2の参考例では熱ローラをグラファイトで薄肉に形成
したものを示したが、本発明は、これらを組み合わせた
ものである。 即ち、熱ローラとしてグラファイト線を巻
き回して焼結してローラ形状にしたグラファイト製ロー
ラを用いるとともに、加熱源として図2及び図3に示し
たシート状ヒータをグラファイト製ローラの内部に密着
させたものであり、それによて、上記の第1及び第2の
参考例より優れた効果を得ることができる。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、
ローラをグラファイト線を巻き回して焼結してローラ状
にしたグラファイトローラで構成しているので、肉薄で
且つ小径に構成することができ、熱の損失を低下させて
消費電力を低下させることが可能になるとともに、必要
温度に上昇するまでの待ち時間を短縮することが可能に
なる。また、加熱源としてシート状ヒータを用い、熱ロ
ーラの内壁に全周にわたり密着,固定されるように巻き
回して熱ローラ内に挿入することによって熱ローラ表面
を均等に加熱することができるため、均等に記録紙を加
熱することができ、良好な定着が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提となる第1の参考例の定着装置
の要部構造を示す分解斜視図である。
【図2】 本発明の実施例に用いるシート状ヒータの形
状説明図で、図2(A)はシート状ヒータの斜視図、図
2(B)はシート状ヒータの巻き回し状態を示す斜視図
である。
【図3】 本発明の実施例に用いるシート状ヒータの発
熱抵抗体の形状説明図である。
【図4】 本発明の前提となる第2の参考例の定着装置
の要部構造を示す分解斜視図である。
【図5】 本発明の前提となる第2の参考例のグラファ
イト製熱ローラの形状を示す斜視図である。
【図6】従来の熱ローラ定着装置の構造を示す側面図で
ある。
【符号の説明】
11 シート状ヒータ(加熱源) 13,31 熱ローラ(加熱源) 15,33 支持部材 20 発熱抵抗体 34 ハロゲンランプ(加熱源) 40 グラファイト線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−142960(JP,A) 特開 平4−116677(JP,A) 特開 平3−201385(JP,A) 特開 昭50−66250(JP,A) 特開 昭60−87376(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱源を有し両端が回動自在に支持部材
    によりそれぞれ支持される熱ローラを備え、記録媒体と
    してトナーを用いる静電記録装置に組み込まれる定着装
    置において、前記熱ローラはグラファイト線を巻き回して焼結してロ
    ーラ状にしたグラファイトローラにより構成され、 前記加熱源は、前記グラファイトローラの内部に密着さ
    せた ことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 上記加熱源として、上記熱ローラの内壁
    に全周にわたり密着,固定されるように巻き回して熱ロ
    ーラ内に挿入されて、前記熱ローラとともに回動するシ
    ート状ヒータを用いたことを特徴とする請求項1記載の
    定着装置。
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