JPH1124465A - 定着装置及び画像形成方法 - Google Patents

定着装置及び画像形成方法

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JPH1124465A
JPH1124465A JP17787297A JP17787297A JPH1124465A JP H1124465 A JPH1124465 A JP H1124465A JP 17787297 A JP17787297 A JP 17787297A JP 17787297 A JP17787297 A JP 17787297A JP H1124465 A JPH1124465 A JP H1124465A
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JP
Japan
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fixing
roll
image
heat
fixing roll
Prior art date
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JP17787297A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Fujita
徹也 藤田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真法によるカラー画像形成に際して、
高速で画像出力することと、予備加熱時間を短くして消
費電力を少なくすることと、高画質の画像形成をするこ
とを同時に達成し、また定着ロールへのオフセットの少
ない定着装置、およびそれを用いた画像形成方法を提供
する。 【解決手段】 定着装置は、定着ロール1、複数の支持
ロールと該支持ロールに張設されたエンドレスベルト4
とを有する圧力部材、および熱源を有する外部加熱ロー
ル5とからなり、定着ロール1は表面に熱伝導率1.7
×10-3Cal/cm・sec・℃以上の熱伝導層を有
するものであり、支持ロールのうちの2つはベルトを定
着ロール表面に圧接して定着ニップを形成するための圧
力ロール2,3であり、外部加熱ロール5は定着ロール
表面に接触して従動するように設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体トナーを用い
た電子写真複写装置、電子写真プリンタ等のカラー画像
形成装置に用いる定着装置に関し、さらに詳細には、少
なくとも2つの支持ロールに張設されたエンドレスベル
トを有し、その支持ロールのうちの2つが圧力ロールと
してエンドレスベルトを定着ロール表面に圧接して定着
ニップを形成する構成を有する定着装置、およびそれを
用いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題の一つとして消費電力の
低減が強く望まれており、電子写真画像形成装置も例外
ではない。現状では、定着装置は電子写真画像形成装置
の約半分の電力を消費している。また特にカラー画像の
場合、高画質であることが従来より強く求められてお
り、また生産性向上のため高速での画像出力が望まれて
いる。従来よりカラー画像の定着装置としては、種々の
タイプのものが知られ、実用化されているが、消費電力
の低減と、高速での画像出力とに関する要求に対処する
ために種々の改善が試みられている。
【0003】画像出力の高速性を重視したものとしてベ
ルト定着装置が知られ、実用化されている。例えば、定
着ロールが直接未定着トナー像に接触するものとして
は、発熱体を内部に有する定着ロールに対して、2個以
上の回転ロールに掛け渡した耐熱性ベルトを圧接させ、
定着ロールと耐熱ベルトとの間で定着を行うタイプの定
着装置(例えば、特開平5−72931等)が知られ、
また、ベルトが直接未定着トナー像に接触するものとし
ては、エンドレスベルトが掛け渡されたロールのうち1
つを加熱ロールとし、エンドレスベルトの外側にエンド
レスベルトの加熱ロール巻付部と張設部とにわたってエ
ンドレスベルトを押圧する圧力ロールを設けたタイプの
ベルト定着装置が知られている。しかしながら、これら
のベルト定着装置は、高速でのカラー画像出力が可能で
あるが、予備加熱時間が長くなり消費電力が多くなると
いう問題点を有している。
【0004】また、消費電力の低減を重視し、画像形成
時前の予備加熱時間を短くするため、熱容量の小さい定
着フィルム方式を採用した定着装置が実用化されてい
る。例えば、厚さが薄く熱容量の低い定着フィルムを、
フィルムの内側より固定された発熱体を有する加熱部材
で加熱し、定着フィルムの外側を、それと対向するロー
ルに加圧密着させて定着ニップを形成するタイプの定着
装置(例えば特開昭63−313182、特開平4−4
4074等)が知られている。しかしながら、このタイ
プの定着装置は、短い予備加熱時間で高画質な画像が得
ることが可能であるが、薄い定着フィルムには機械的な
負荷が掛かるため、定着フィルムの磨耗や破損が生じや
すくなり、定着フィルムの寿命が短くなり、特に高速で
の対処が困難であるという問題点を有している。
【0005】また特に高速での画像出力と消費電力の低
減を重視し、ベルトに抵抗発熱体層を有するタイプの定
着装置が提案されている。例えば、2個以上の支持ロー
ルに掛け渡したエンドレスの定着ベルトを対向するロー
ル部材ないしはエンドレスのベルト部材に圧接し、長い
定着ニップを形成するとともに、定着ベルトに電気抵抗
を有する発熱抵抗体層を設けて定着ニップ部分のみに電
流を流すことにより定着ニップ部分のみを加熱する定着
装置(例えば、特開平7−210020等)が提案され
ている。しかしながらこのタイプの定着装置は、発熱抵
抗体層の抵抗値のムラ、厚さムラ、および保護層の厚さ
のムラを極力へらす必要があり、また、発熱抵抗体層を
弾性に富む材料で形成しなければならず、定着ベルトの
コストが高くなるという問題がある。
【0006】また、特に予備加熱時間を短くすることに
より消費電力の低減を重視し、定着ロールを外部より加
熱する外部加熱手段を設けたタイプの定着装置が提案さ
れている。このタイプの定着装置には、外部加熱手段が
定着ロールと接触状態にあるものと、非接触状態である
ものとの2つに大別される。
【0007】外部加熱手段が定着ロールまたは定着ベル
トと非接触状態にある定着装置としては、例えば、特開
昭61−262771号公報、特開平5−188805
号公報、特開平7−152271号公報に開示されたも
のが知られている。これらの定着装置は、圧接対向した
一対のロールのうち直接未定着像に接触する定着ロール
または複数の支持ロールにより張設された定着ベルトの
一部を、ハロゲンランプ、ニクロム線等のヒータで外部
より加熱する手段を設けた構成を有している。そして、
例えば、特開昭61−262771号公報、特開平7−
152271号公報に記載の定着装置においては、ハロ
ゲンランプ等の加熱源から発生する輻射熱を集光するた
めの反射鏡が設けられている。しかしながら、反射鏡に
よって100%の反射率で定着ロールまたは定着ベルト
部分のみに集光することは難しく、輻射熱の一部は反射
鏡内で何度も反射することとなる。その結果、反射鏡お
よびこれを保持する部材も加熱され、また、定着ベルト
を用いた場合には、定着ベルトを張設する支持ロールま
で加熱される。したがって上記タイプの定着装置では、
予備加熱時間を短くできるものの、予備加熱時間以外の
画像形成時にも反射鏡およびこれを保持する部材等の加
熱と放熱のために消費電力が消費され、画像形成時の消
費電力の低減はあまり望めない。
【0008】また特開平5−188805号公報に開示
されている定着装置は、圧接対向した一対のロールのう
ち直接未定着トナー像に接触する定着ロールの内部に加
熱源を有し、定着ロールを囲むようにして定着ロールと
の間に僅かな間隙をもって反射板を設けた構成を有して
いる。また定着ロールと圧力ロールの両方に反射板とそ
の表面に透明の予備加熱ヒータを有しているものも例示
されている。しかしながら、この定着装置においては、
定着ロールと反射板との間に僅かな間隙しかなく、反射
板が定着ロールの周囲を囲んでいるため、定着ロールに
オフセットしたトナーや紙紛をとり除くクリーニング部
材やトナーのオフセットを少なくするためのオイルを供
給する部材を配置することができない。したがって、特
にトナーを十分溶融する必要があり、オフセットが生じ
やすいカラー画像形成には使用できないという問題があ
る。
【0009】次に外部加熱手段が定着ロールに接触状態
で設けた定着装置としては、特開平5−107961号
公報、特開平6−118825号公報に開示されている
ように、圧接対向した一対のロールのうち直接未定着ト
ナー像に接触する定着ロールの外周の一部に、定着ロー
ルに摺擦する固定された発熱抵抗体を配置した定着装置
が知られている。
【0010】このタイプの定着装置では、発熱抵抗体に
より定着ロール表面を直接加熱するので、予備加熱時間
が短縮され、消費電力が低減できるが、定着ロールと加
熱部材である発熱抵抗体が摺擦するので、定着ロールと
発熱抵抗体の磨耗やキズ等が生じやすく、したがって、
高速での画像形成が困難であるという短所を持ってい
る。
【0011】また特公昭59−34312号公報には、
低熱伝導性の離型性被覆を有する定着ロールと圧接対向
した圧力ロールの間で定着する装置であって、定着ロー
ルの外周の一部に、内部に加熱源を有する熱伝導性のエ
ンドレスベルトを面接触させて定着ロールを加熱する構
成の定着装置が開示されている。しかしながら、この定
着装置では、熱伝導性のエンドレスベルトを張設してい
る支持ロールまで加熱されるので、その分の電力が消費
される。また定着ロール表面が低熱伝導性であるため加
熱されたエンドレスベルトからの定着ロールへの熱伝導
の時間が遅く、オフセットが生じやすいカラー画像形成
の場合、問題が生じる。したがって、この定着装置は、
全体として消費電力の低減はあまり望めない。
【0012】また、特開平8−314323号公報に
は、一対の圧接されたロールの間で定着を行う定着装置
において、直接未定着トナー像に接触する定着ロール内
部に加熱源を設け、さらにその定着ロールを外部より加
熱する手段を設けたものが記載され、そして、その外部
加熱手段が内部にヒータを有する接触型円筒ロールであ
ることが開示されている。この定着装置においては、定
着ロールの外部から定着ロール表面を加熱できるので、
定着ロール表面をトナー溶融に必要な所定の温度に加熱
するため、予備加熱時間を短くすることができるが、未
だ十分短いものではなく、また、高速でカラー画像を形
成するものとしては不十分である。すなわち、前述した
ようにカラー画像の場合、高画質画像を得るためには未
定着トナー像の凹凸や用紙の凹凸に沿って密着して定着
され、平坦な定着画像を得る必要があるため、未定着ト
ナー像に接触する定着ロールはある程度の厚さを有する
弾性体層を設ける必要があるが、このような弾性体層を
設けた場合、次のような問題がある。
【0013】定着を行う画像形成時においては、定着ロ
ールと接触型円筒ロールとの温度差が少なくなるため、
熱伝導により定着ロールに時間当たりの伝達される熱が
少なくなり、周囲の空気中への放熱の割合が大きくな
る。放熱の割合は定着ロールと接触型円筒ロールの熱伝
導率に依り変化し、熱伝導率が高いほど少なくなる。定
着ロールの表面層はトナーの離型性や高画質を得るため
に材料がシリコーンゴム、フッ素含有樹脂等に限定さ
れ、外部加熱手段である接触型円筒ロールのように熱伝
導率の高い金属材料を使用することができない。したが
って、一般に放熱の割合は定着ロールの表面層の熱伝導
率により決まってくる。通常、定着ロールの表面層は
0.5×10-3Cal/cm・sec・℃程度の熱伝導
率の層を有している。このような定着ロールを用いた場
合、画像形成時の消費電力の低減は望めない。
【0014】以上、これまで述べた定着ロールを外部よ
り加熱する外部加熱手段を設けたタイプの定着装置にお
いて、一対のロールを用いた場合には、定着ニップがロ
ール対の圧接部であるため、高速でのカラー画像形成に
必要な長い定着ニップを得るためには、ロール対の径を
きわめて大きくする必要があるが、ロール対の径を大き
くすると熱容量も大きくなり、予備加熱時間を短くする
ことができなくなる。また、特開平7−152271号
公報に記載の定着ベルトを用いた場合についても、高速
のカラー画像形成に必要な長い定着ニップを形成するも
のではなく、高速のカラー画像形成は困難である。いず
れにしても、従来の定着ロールを外部より加熱する外部
加熱手段を設けたタイプの定着装置では、高速でのカラ
ー画像の出力は困難であるという問題点を有している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の定着装置は、カラー画像形成において高速で画像出
力することと、予備加熱時間を短くし消費電力を少なく
することと、高画質の画像形成をすることを同時に達成
するものではなかった。
【0016】本発明は、前述した従来技術の事情を鑑み
てなされたものであって、その目的は、カラー画像形成
に際して、高速で画像出力することと、予備加熱時間を
短くし消費電力を少なくすることと、高画質の画像形成
をすることを同時に達成し、また定着ロールへのオフセ
ットの少ない定着装置、およびそれを用いた画像形成方
法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の定着装置は、定
着ロール、複数の支持ロールと該支持ロールに張設され
たベルトとを有する圧力部材、および熱源を有する加熱
部材とからなり、該定着ロールは表面に熱伝導率1.7
×10-3Cal/cm・sec・℃以上の熱伝導層を有
するものであり、該支持ロールのうちの2つはベルトを
定着ロール表面に圧接して定着ニップを形成する圧力ロ
ールであり、該加熱部材は定着ロール表面に接触して従
動するように設けてなることを特徴とする。
【0018】本発明において、加熱部材としては、中空
の金属ロールであることが好ましい。また、定着ロール
が、金属コア層の上に耐熱弾性体層を設け、その上に熱
伝導率1.7×10-3Cal/cm・sec・℃以上の
耐熱弾性熱伝導層を設けたものが好ましい。また、2個
の圧力ロールのうち、画像形成過程の下流側にある圧力
ロールの直径が、定着ロールの直径の1/2以下であ
り、かつ上流側にある圧力ロールの直径より小さいこと
が好ましい。
【0019】本発明の画像形成方法は、現像剤担持体上
の現像剤層を用いて静電潜像担持体上の静電潜像を現像
する現像工程、トナー画像を画像支持体上に転写する転
写工程、該トナー画像を画像支持体上に加熱定着する定
着工程を有するものであって、上記定着工程が、上記の
定着装置を用い、転写されたトナー画像を有する画像支
持体を加熱部材の接触によって加熱された定着ロールと
該定着ロール表面に圧接されたベルトの間に形成された
定着ニップを通過させることによって定着を行うことを
特徴とする。
【0020】また、本発明の画像形成装置は、現像剤担
持体上の現像剤層を用いて、静電潜像担持体上の静電潜
像を現像する現像手段、トナー画像を画像支持体上に転
写する転写手段、トナー画像を画像支持体上に加熱定着
する定着手段を有するものであって、上記定着手段が上
記の定着装置より構成されたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、本発明の定着装置の構成つ
いて図1および図2を用いて説明する。図1は、本発明
の定着装置の基本構成を示す図であり、図2は、定着ロ
ールの断面図である。定着ロール1は、図2に示すよう
に、金属コア層102の上に耐熱弾性体層103、さら
にその表面に耐熱弾性熱伝導層104を設けた構造を有
している。定着ロール1に対向して第1の圧力ロール2
と第2の圧力ロール3が設けられ、それらにエンドレス
ベルト4が張設されている。エンドレスベルト4は、第
1の圧力ロール2と第2の圧力ロール3によって定着ロ
ール1表面に圧接され、第1の圧力ロール2と第2の圧
力ロール3との間の部分で定着ニップを形成している。
未定着トナー像7が形成された画像支持体6は、第1の
圧力ロール2側から上記定着ニップ内に未定着トナー像
7が直接定着ロール1に接触するようにして、搬送され
るように構成されている。
【0022】また、定着ロール1の外周の一部には、加
熱手段として、発熱体502を内包し、定着ロール1に
加圧接触した外部加熱ロール5が設けられている。外部
加熱ロール5は、定着ロール1の回転に従動して回転す
るように構成されている。したがって、定着ロール1
は、外部加熱ロール5から定着ロール1の表面の耐熱弾
性熱伝導層104への熱伝導により、加熱されることに
なる。また、定着ロール1の外周の一部には、温度セン
サー10が設置され、エンドレスベルト4の外周の一部
には温度センサー11が設置され、外部加熱ロール5の
外周の一部には温度センサー503が配置されている。
【0023】次に本発明の定着装置を構成している各部
材について説明する。定着ロールの金属コア層102
は、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル等の金属の中空ロ
ールであればよく、特に限定されるものではない。耐熱
弾性体層103は、200℃以上の耐熱性があり、弾性
に富み、かつ熱伝導性が小さい材料であればよく、特に
限定されるものではないが、定着ロール1の表面をトナ
ー溶融に必要な所定の温度に加熱するための予備加熱時
間を短くするために、耐熱弾性熱伝導層104から耐熱
弾性体層103への熱伝達を遅くし、定着ロール1の表
面の耐熱弾性熱伝導層104を急速に加熱する観点か
ら、耐熱弾性体層103の熱伝導率性は、0.5×10
-3Cal/cm・sec・℃以下のものが好ましい。ま
た、定着ロール表面がトナー画像及び画像支持体6の凹
凸に追従して変形し、定着ロールとトナー画像および画
像支持体との密着性を十分よくする観点から、JIS
Aゴム硬度が60°以下ものが好ましい。具体的にはフ
ッ素含有ゴム、シリコーンゴム等があげられる。耐熱弾
性体層103の厚さは予備加熱時間を短くし熱容量を小
さくする観点からは薄い方が好ましく、上述の定着ロー
ルと未定着トナー像7及び画像支持体6との密着性の観
点からは厚い方が好ましい。本発明の場合、0.2mm
ないし2mmの範囲の厚さが好ましい。
【0024】耐熱弾性熱伝導層104は、200℃以上
の耐熱性があり、定着ニップでの耐熱弾性体層103の
変形に追従できるようJIS Aゴム硬度が60°以下
のものが好ましく、かつ熱伝導率が1.7×10-3Ca
l/cm・sec・℃以上の材料であれば特に限定され
るものではないが、具体的にはフッ素ゴムまたはシリコ
ーンゴムにカーボン微粒子または鉄、銅等の金属微粒子
を多く配合したものがあげられる。上記の熱伝導率は、
従来使用されている表面層におけるよりもフィラーの含
有量を多くすることにより得ることができ、特にカーボ
ンブラックを多くすることが好ましい。ただし配合量を
増やしすぎるとゴム硬度があがり、定着ロールとトナー
画像及び画像支持体6との密着性が悪くなり好ましくな
い。具体的には、例えば、特定のシリコーンゴムにカー
ボン微粒子を100重量部を配合すると熱伝導率は1.
7×10-3Cal/cm・sec・℃、JIS Aゴム
硬度は48°、140重量部配合すると熱伝導率は2.
4×10-3Cal/cm・sec・℃、JIS Aゴム
硬度は57°になり、本発明において好ましい値が得ら
れる。また、カーボン微粒子60重量部を配合すると、
熱伝導率は2.9×10-3Cal/cm・sec・℃に
なるが、JIS Aゴム硬度62°となり、定着ロール
とトナー画像及び画像支持体6との密着性が悪くなるの
で、上記の場合が好ましい。
【0025】耐熱弾性熱伝導層104の厚さは、予備加
熱時間を短くするために熱容量を小さくする観点からは
薄い方が好ましく、長期使用による磨耗等の観点からは
厚い方が好ましい。本発明の場合、耐熱弾性熱伝導層1
04の厚さは10μmないし100μmの範囲が好まし
い。
【0026】また、耐熱弾性熱伝導層104の上には、
トナーの離型性を向上する目的で、カーボン微粒子、金
属微粒子が配合されていないか、または配合量が少ない
シリコーンゴム層またはフッ素含有ゴム層を2〜10μ
mの厚さで設けてもよい。
【0027】定着ロール1の外径は特に限定されるもの
ではないが、定着装置の小型化の観点からは小さいもの
が好ましく、カラー画像形成を高速に行うために定着ニ
ップを長くするという観点からは、大きい方が好まし
い。したがって、本発明においては、定着ロール1の外
径は30mmないし50mmの範囲が好ましい。
【0028】第1の圧力ロール2は、中空の金属ロール
の上に耐熱弾性層を形成したもので、耐熱弾性層は18
0℃以上の耐熱性があり弾性に富み、かつ熱伝導率が小
さい材料であれば特に限定されるものではないが、上記
耐熱弾性層は、JIS Aゴム硬度が50°以下で、定
着ロール1を構成している耐熱弾性熱伝導層104より
低い硬度であることが好ましい。その理由は、定着ニッ
プにおける第1の圧力ロール2がエンドレスベルト4と
接触する部分での定着ロール1と第1の圧力ロール2と
の間に働く圧接力により、定着ロール1の変形が大きく
なりすぎると、定着ニップにおける第1の圧力ロール2
から離れる部分での定着ロール1の曲率の変化が大きく
なり、定着ロール1とエンドレスベルト4の間の定着中
のトナー画像に歪み力が働き画質が悪化するからであ
る。これを防ぐための1つの手段としては、第1の圧力
ロール2の硬度を下げて、第1の圧力ロール2の変形を
定着ロール1の変形より大きくし、上記の曲率の変化を
小さくすることがあげられる。また、予備加熱時間を短
くするために、耐熱弾性熱伝導層104からエンドレス
ベルト4を介して上記耐熱弾性層への熱伝達を遅くする
観点から、上記耐熱弾性層の熱伝導率は0.5×10-3
Cal/cm・sec・℃以下のものが好ましい。具体
的には、フッ素ゴム、シリコーンゴム等があげられる。
また第1の圧力ロール2の外径は、特に規定されるもの
ではないが、定着装置の小型化及び熱容量の観点からは
小さいものが好ましく、定着ニップ内での上述の定着ロ
ール1の曲率の変化を小さくする観点からは大きい方が
好ましい。したがって、本発明においては、第1の圧力
ロール2の外径は25mmないし45mmの範囲が好ま
しい。
【0029】第2の圧力ロール3は、中空または中実の
金属ロールの上に耐熱樹脂層または耐熱ゴム層を設けた
ものである。これらの耐熱断熱性樹脂層は、180℃以
上の耐熱性があり、熱伝導率が小さい材料であれば特に
限定されるものではないが、予備加熱時間を短くするた
めに耐熱弾性熱伝導層104からエンドレスベルト4を
介して上記耐熱断熱性樹脂層への熱伝達を遅くする観点
から、熱伝導率は0.5×10-3Cal/cm・sec
・℃以下のものが好ましい。具体的には、フッ素含有樹
脂、フッ素含有ゴム、シリコーンゴム等があげられる。
また第2の圧力ロール3の外径は、定着ロール1及び第
1の圧力ロール2より小さければ特に限定されるもので
はないが、定着装置の小型化と定着トナーのオフセット
防止の観点から、本発明の場合、第2の圧力ロール3の
外径は、定着ロール1の1/2以下であることが好まし
い。
【0030】エンドレスベルト4は、耐熱性のフレキシ
ブルなベルトであり、200℃以上の耐熱性があり、画
像支持体6の裏面に接触する表面層の熱伝導率が小さい
材料であれば特に限定されるものではない。しかしなが
ら、予備加熱時間を短くするために、耐熱弾性熱伝導層
104からエンドレスベルト4の上記表面層への熱伝達
を遅くする観点から、表面層の熱伝導率は0.5×10
-3Cal/cm・sec・℃以下のものが好ましい。具
体的にはポリイミドフィルム、ポリイミドフィルムを基
材として画像支持体6の裏面に接触する表面側にフッ素
含有樹脂層またはフッ素含有ゴム層を形成したもの、お
よびニッケル等の金属を基材として画像支持体6の裏面
に接触する表面側にフッ素含有樹脂層またはフッ素含有
ゴム層を形成したものがあげられる。またエンドレスベ
ルト4の厚さは、熱容量を小さくする観点からは薄い方
が好ましく、長期間の使用における磨耗の観点からは厚
い方が好ましい。具体的には、エンドレスベルト4を構
成する材料によっても異なるが、ポリイミドフィルムを
基材とし、その表面にフッ素含有樹脂層またはフッ素含
有ゴム層をコートした場合、ポリイミドフィルムの厚さ
は0.1mmないし0.5mmの範囲であり、フッ素含
有樹脂層またはフッ素含有ゴム層の厚さは20μmない
し100μmの範囲であり、エンドレスベルト4全体の
厚さは0.12mmないし0.5mmの範囲であること
が好ましい。
【0031】外部加熱ロール5を構成する発熱体502
は、その周囲を覆うロールを加熱できれば特に限定され
るものではないが、装置の簡略化及びコストの観点か
ら、ハロゲンランプが好ましい。
【0032】前記外部加熱ロールは、予備加熱時間を短
くするために発熱体502から発生する熱エネルギーを
速く定着ロール1表面に伝達する観点から、及びロール
の軸方向での撓みを小さくするために剛性を大きくし、
かつロールの熱容量を小さくするためにロールを薄肉化
する観点から、鉄、銅、SUS、ニッケル等の金属材料
であることが特に好ましい。また、前述と同様な観点か
ら外部加熱ロールの厚さは0.3mmないし1.2mm
の範囲にあることが好ましい。外部加熱ロールの外径は
特に限定されるものではないが、本発明においては10
mmないし20mmの範囲が好ましい。
【0033】次に、本発明の定着装置の作用について述
べる。図1に示すように、定着ロール1の外周の一部に
は、発熱体502を内包し、定着ロール1に加圧接触し
た外部加熱ロール5が定着ロール1に加圧接触してい
る。外部加熱ロール5は、定着ロール1に従動して回転
するようになっている。発熱体502から発生する熱
は、発熱体を覆っているロールを加熱して定着ロール表
面の耐熱弾性熱伝導層104に熱伝達される。
【0034】この際、発熱体502を覆っているロール
は、熱伝導率が高い材料で熱容量の小さなものであるた
め、極めて速く加熱される。定着ロール1を構成する耐
熱弾性体層103が弾性に富む材料であるため、前記定
着ロール1に加圧接触しているロールと定着ロール表面
の耐熱弾性熱伝導層104の接触幅を長くすることがで
き、また定着ロール表面の耐熱弾性熱伝導層104の熱
伝導率は、1.7×10-3Cal/cm・sec・℃以
上と高いため、前記発熱体502を覆っているロールか
ら耐熱弾性熱伝導層104への熱伝達が速くなる。
【0035】また、耐熱弾性熱伝導層104に接してい
る耐熱弾性体層103、及びエンドレスベルト4の表面
層の熱伝導率は低く、薄肉であるエンドレスベルト4を
張設している第1の圧力ロール2及び第2の圧力ロール
3の表面層の熱伝導率も低いため、耐熱弾性熱伝導層1
04からの前記の各部材への熱伝達が遅くなる。このた
め予備加熱時に定着ロール表面の耐熱弾性熱伝導層10
4は、外部加熱ロール5から集中的に加熱されるように
なり、短い予備加熱時間でトナー溶融に必要な温度に達
することができ、消費電力の低減が可能となる。また耐
熱弾性熱伝導層104は、熱伝導性が良いので表面全体
がほぼ均一な温度となる。外部加熱ロール5は、定着ロ
ール1に従動して回転するため、耐熱弾性熱伝導層10
4との摺擦が起こらず、その結果、高速の画像出力時に
おいても耐熱弾性熱伝導層104の磨耗やキズの発生が
起こりにくい。
【0036】予備加熱時の外部加熱ロール5の内部の発
熱体502の制御は、後述する予め定められたトナー溶
融に必要な設定温度と温度センサー10により測定され
る定着ロール1の表面温度との差により、多段階で外部
加熱ロール5の表面の目標温度を設定して行われ、それ
により定着ロール1の表面温度のオーバーシュートを少
なくしている。前記外部加熱ロール5の表面の目標温度
は、予め実験や計算などにより求めたものが使用され
る。
【0037】定着ロール1の表面温度を測定している温
度センサー10により、予め定められたトナー溶融に必
要な設定温度が検知されると画像形成が開始される。こ
こで前記設定温度は、エンドレスベルト4の表面温度に
よっても変える必要がある。その理由は、定着ロール1
の表面温度が一定でも、エンドレスベルト4の表面温度
が違えば、画像支持体6及び未定着トナー像7に与えら
れる熱エネルギーが異なってくるためである。特に本発
明の場合のように、定着ロール1の耐熱弾性熱伝導層1
04を集中的に加熱する場合、定着ロール1の表面温度
を一定値にしておくと、長時間オフの状態にした装置を
作動させる場合と、多数枚の連続画像形成を行い、その
後電源をオンオフした場合とでは、エンドレスベルト4
の表面温度が大きく異なってくるからである。そこで予
め実験により予備加熱開始時のエンドレスベルト4の表
面温度と、予備加熱時の定着ロール1の表面温度及びエ
ンドレスベルト4の表面温度の温度上昇の関係を求め、
常に同一の定着状態が得られるための定着ロール1の表
面温度を求めておき、それにより前記設定温度が定めら
れる。
【0038】未定着トナー像7が形成された画像支持体
6は、第1の圧力ロール2側から定着ニップ内に未定着
トナー像7が直接定着ロール1に接触するようにして搬
送される。ここで定着ロール1の耐熱弾性体層103が
弾性に富み、その変形に耐熱弾性熱伝導層104が追従
できるため、定着ロール1の表面は、未定着トナー像7
の凹凸や画像支持体6の凹凸に沿って密着して定着が行
われる。その結果、定着トナー像8に溶融ムラが生じな
い。第1の圧力ロール2と第2の圧力ロール3及びエン
ドレスベルト4には駆動力は与えられておらず、定着ロ
ール1のみに駆動力が与えられているので、エンドレス
ベルト4と画像支持体6は定着ロール1の回転に従動す
る。このため、上述の定着ニップ内で画像支持体6上に
余分な歪力が掛からないため定着画像の悪化が起こらな
い。その結果、高画質のカラー画像出力が可能となる。
【0039】また高速の画像出力時においても、エンド
レスベルト4が、定着ロール1との機械的な負荷が少な
くないため、エンドレスベルト4の磨耗が少ない。ま
た、定着ニップは、エンドレスベルト4が第1の圧力ロ
ール2と第2の圧力ロール2の間で定着ロール1に圧接
されている部分であるため、定着ニップを長く設定する
ことができる。その結果、未定着トナー像7は十分に溶
融し、高速でのカラー画像の出力が可能となる。
【0040】また、第2の圧力ロール3の表面層は耐熱
性樹脂ないし耐熱性ゴムで、定着ロール1の耐熱弾性体
層103より硬いものである。外径も定着ロール1の直
径の半分以下とかなり小さいため、第2の圧力ロール3
と定着ロール1が対向する部分で、定着ロール1が内側
にへこむように変形する。このためエンドレスベルト4
が定着ロール1から離れる部分での定着ロールの曲率が
大きくなり、画像支持体6の搬送方向の曲げに対する抗
力により画像支持体6は定着ロール1から離れようとす
る力が働き、画像支持体6の先端が定着ロール1から剥
離する。また定着ロールの曲率が大きくなると、画像支
持体6上の定着トナー像8と定着ロール1の間で歪力が
発生し画像支持体6上の定着トナー像8が剥離され易く
なる。その結果、定着トナー像8の定着ロール1へのオ
フセットを少なくしている。
【0041】連続して画像形成を行うと、エンドレスベ
ルト4及び耐熱弾性体層103にも熱エネルギーの伝達
が行われ続け、エンドレスベルト4および耐熱弾性体層
103の温度も上昇する。初期画像形成時よりもエンド
レスベルト4の温度が上がると、定着ニップ内で、定着
ロール1の表面の設定温度が同じでも、初期画像形成時
に比べ過剰な熱エネルギーが画像支持体6および未定着
トナー像7に与えられ、定着画像の画質が悪くなる。こ
れを防ぐため、エンドレスベルト4の外周の表面温度を
測定している温度センサー11が検知する温度によっ
て、段階的に定着ロール1の表面の設定温度を画像形成
開始時より下げるようにしてある。ここでの設定温度
は、前述と同様に予め実験により同一の定着状態が得ら
れるための定着ロール1の表面温度とエンドレスベルト
4表面温度の関係を求めて定めている。その結果、連続
した長時間の画像形成においても、画像形成開始時と同
様に高画質な定着画像が得られる。
【0042】画像形成時の外部加熱ロール5内の発熱体
502の制御は、時間的に細かく行っており、定着ロー
ル1の表面温度が前記定着ロール1の表面の設定温度よ
り低い場合には発熱体502の電源をオンにし、高い場
合には発熱体502の電源をオフにしている。
【0043】また、前述したように予備加熱時は、予め
定められたトナー溶融に必要な設定温度と温度センサー
10により測定される定着ロール1の表面温度との差に
より、多段階で外部加熱ロール5の表面の目標温度を設
定して、定着ロール1の表面温度のオーバーシュートを
少なくしており、画像形成時は外部加熱ロール5内の発
熱体502の制御は時間的に細かく行っているため、通
常の使用においては、外部加熱ロール5の表面温度が定
着ロール1の表面の耐熱弾性熱伝導層104の耐熱温度
以上になることはない。しかし何らかのトラブルで外部
加熱ロール表面温度が定着ロール1の表面の耐熱弾性熱
伝導層104の耐熱温度以上になった場合には、定着ロ
ール1が回転しているか否かにかかわらず、外部加熱ロ
ール5の表面温度を測定している温度センサー503に
より異常が検知されて、発熱体502の電源をオフにす
るようになっている。その結果、定着ロール1の回転が
止まった際も定着ロール1の表面の耐熱弾性熱伝導層1
04を傷めることはない。
【0044】また、外部加熱ロール5内の発熱体502
への電源は、定着ロール1が回転しない時はオフにする
ようになっている。具体的には、一枚のあるいは、複数
枚の連続した画像形成が終了して最後の画像支持体6が
図3に示す排紙ロール12を通過した時点で、または画
像形成装置内で紙ジャムをセンサーが検知した時点で、
または何らかのトラブルで定着ロール1の回転に異常が
生じた時点で、発熱体502への電源をオフにするよう
になっている。その結果、何らかのトラブルで定着ロー
ル1の回転が突然止まっても、定着ロール1表面の回転
方向での温度ムラが非常に少なくなり、次の画像形成時
に定着トナー像の溶融ムラが生じることがない。
【0045】本発明においては、図3に示すように、定
着ロール1の定着にニップの下流に、画像支持体6の定
着ロール1への巻付きを防止するために定着ロール1の
長さ方向に複数個の爪状の巻付き防止部材13を設けて
もよい。なお、図3ないし図5における符号は、特記し
ない限り、図1に示すものと同意義である。また巻付き
防止部材13のさらに下流側に定着ロールに付着したト
ナーなどの汚れを清掃するためのクリーニング部材9を
設けてもよい。
【0046】また図4に示すように、定着ロール1の内
部に発熱体101を設けてもよい。この際、画像形成開
始時から所定の枚数を定着後または所定の時間経過後、
定着ロール1の加熱手段を定着ロール1の内部の発熱体
101に切り替えるか、外部加熱ロール5内の発熱体5
02と定着ロール1内部の発熱体101を併用して定着
ロール1の加熱を行ってもよい。また、定着トナー像8
の定着ロール1からの離型性を良くするために、定着ロ
ール1表面に離型オイルを供給するためのオイル供給装
置を設けてもよい。
【0047】また図5に示すように、エンドレスベルト
4の回転軸方向へのよりを防止するために第1の圧力ロ
ール2と第2の圧力ロール3の間で、エンドレスベルト
4を張設する支持ロール14を設けてもよい。
【0048】本発明の画像形成方法は、現像剤担持体上
の現像剤層を用いて、静電潜像担持体上の静電潜像を現
像する現像工程、トナー画像を画像支持体上に転写する
転写工程、トナー画像を画像支持体上に加熱定着する定
着工程を有するが、現像工程および転写工程は、従来公
知の方法ならば如何なる方法を用いてもよい。定着工程
においては、上記の定着装置が使用される。転写された
トナー画像を有する画像支持体は、加熱された定着ロー
ルと定着ロール表面に圧接されたエンドレスベルトの間
に形成された定着ニップを通過することによって定着が
行われる。
【0049】図6は本発明の画像形成装置の一例の概略
の構成図であって、感光体60の周りに帯電器61、露
光装置62、トナー現像器63、転写器64、クリーニ
ングブレード65およびイレーズランプ66が設けられ
ている。更に、画像支持体6に転写されたトナー像を定
着するための定着装置67が設けられている。
【0050】感光体60としては、Se或いはSi系の
無機感光体、積層型または単層型の有機感光体等が用い
られる。帯電器61としては、スコロトロン等の非接触
型帯電器、ロール帯電器等の接触型帯電器が用いられ
る。露光装置62としては、公知のものならば如何なる
ものであってもよく、例えば、レーザーや発光ダイオー
ドアレイ等が使用される。また、トナー現像器63とし
ては、公知のものが使用され、また転写器64は、ワイ
ヤー放電によるスコロトロン方式や導電性ロールに電圧
印加する方式のものが用いられる。定着装置67として
は、上記したものが使用される。
【0051】
【実施例】本発明の実施例について、図2、図3、図
4、図5を用いて説明する。 実施例1 図2に示すように、定着ロール1として、金属コア層1
02の上に耐熱弾性体層103さらにその表面に耐熱弾
性熱伝導層104を設けたものを用いた。金属コア層1
02は、鉄製の中空ロールで厚さは3mmであった。耐
熱弾性体層103は、シリコーンゴムでJIS Aゴム
硬度50°であり、熱伝導率は0.3×10-3Cal/
cm・sec・℃であり、厚さは1.5mmであった。
耐熱弾性熱伝導層104は、シリコーンゴムにカーボン
微粒子を分散したものであり、熱伝導率は1.8×10
-3Cal/cm・sec・℃であり、JIS Aゴム硬
度50°で、厚さは50μmであった。図示していない
が、耐熱弾性熱伝導層104の上に厚さ5μmのフッ素
含有ゴム層が形成されていた。定着ロール1の外径は4
0mmであった。
【0052】図3に示すように定着ロール1には、対向
した第1の圧力ロール2と第2の圧力ロール3とに張設
されたエンドレスベルト4を介して定着ロール1に総荷
重100kgで圧接させた。第1の圧力ロール2は、図
示していないが厚さ3mmの鉄製の中空ロールの上に、
厚さ2mmのシリコーンゴム層を形成させたものであっ
た。シリコーンゴム層は、JIS Aゴム硬度40°で
熱伝導率は0.3×10-3Cal/cm・sec・℃で
あった。また、第1の圧力ロール2の外径は30mmで
あった。第2の圧力ロール3は、厚さ2mmの鉄製の中
空ロールの上にフッ素含有樹脂層を設けたものであり、
フッ素含有樹脂層の熱伝導率は0.2×10-3Cal/
cm・sec・℃であり、厚さ1mmであった。また、
第2の圧力ロール3の外径は16mmであった。
【0053】エンドレスベルト4はポリイミドフィルム
の上にフッ素含有ゴム層を形成したものであって、フッ
素含有ゴム層の熱伝導率は、0.3×10-3Cal/c
m・sec・℃で厚さは50μm、エンドレスベルト4
全体の厚さは0.25mmであった。
【0054】定着ロール1の外周の一部において、2つ
の外部加熱ロール5を定着ロール1に加圧接触させた。
外部加熱ロール5は、発熱体502とこれを内包してい
る金属ロール501と、金属ロールの外周の一部の温度
を測定する温度センサー503より構成されていた。金
属ロール501は、中空の鉄製のロールであって、厚さ
0.8mmであり、外径は18mmであった。金属ロー
ル501の表面は、定着ロール1表面にキズを付けない
ように鏡面仕上げとなっていた。発熱体502は400
Wのハロゲンランプであった。
【0055】定着ロール1の外周で外部加熱ロール5の
上流には、定着ロール1の表面温度を測定する温度セン
サー10が設けられ、エンドレスベルト4が第1の圧力
ロール2に接触している部位の一部には、エンドレスベ
ルトの表面温度を測定する温度センサー11が設けられ
ていた。
【0056】定着ロール1の定着ニップの下流に、画像
支持体6の定着ロール1への巻付きを防止する巻付き防
止部材13を設けた。また巻付き防止部材のさらに下流
に定着ロール1表面に付着したトナーなどの汚れを清掃
するためのクリーニング部材9を設けた。また図示して
いないが、クリーニング部材9のさらに下流に定着トナ
ーの定着ロール1からの離型性をよくするために、定着
ロール1表面に離型オイルを供給するオイル供給装置を
設けた。
【0057】トナーとしては、カラー電子写真装置A−
Color935(富士ゼロックス製)用のカラートナ
ーを用いた。このトナーはポリエステル樹脂のバインダ
ーに顔料、帯電制御剤、ワックスを分散したものを混練
粉砕法で作製した平均粒径7μmのものであって、粉体
流動性や帯電安定性を得るためにシリカ、酸化チタンが
外添されていた。上記トナーを用い、カラー電子写真装
置A−Color935(富士ゼロックス製)から定着
装置を取り外した装置によって、未定着のカラー画像
(以下、「未定着画像」という。)を作成した。
【0058】前述した定着装置の定着ロール1の周速を
300mm/sに設定し、定着ロール1とエンドレスベ
ルト4が接触する定着ニップの長さを変えて、定着ロー
ル1の表面温度が室温から165℃まで上昇する予備加
熱時間を調べた。ここで予備加熱時における発熱体50
2の電源の制御は、定着ロール1の表面温度が150℃
までは、外部加熱ロール表面の目標温度を200℃と
し、前記表面温度が160℃までは前記目標温度を19
0℃とし、前記表面温度が160℃以上では前記目標温
度を185℃として、かつ定着ロール1の表面温度が1
65℃以下では電源オンで165℃以上では電源オフに
なるように設定した。定着ロール1の表面温度が165
℃になった直後に、この定着装置に上記未定着画像を通
し、定着画像の定着強度、画質を調べた。
【0059】ここで、定着強度は、定着後の画像支持体
6の定着トナー画像のイエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)の3色を重ねたソリッド部分を折
り曲げた後、定着画像が剥がれる幅であるクリース幅を
みるクリース試験により行った。このクリース試験で、
クリース幅が約0.05mm以下であり、目視ではっき
り見えないものを良好な定着強度とした。画質は、定着
トナー画像のハーフトーン部分の光沢のムラが目視で判
別できるか否かと、未定着トナー像7の0.2mm幅の
細線部分の定着後の線幅の広がりが10%未満であるか
否かにより評価した。評価結果を表1に示す。
【0060】
【表1】 *1:クリース試験は、Y、M、Cの3色を重ねたソリ
ッド部分で評価した。 ×:クリース幅が目視で分かる。(約0.05mm以
上) ○:クリース幅が目視ではっきり見えない。(約0.0
5mm未満) *2:定着像の画質は、ハーフトーン部分の光沢ムラの
目視評価と、0.2mmの細線の広がりが10%未満で
あるかにより評価した。 ×:定着ムラが分かるか、または細線の広がりが10%
以上 ○:定着ムラが分からなく、かつ細線の広がりが10%
未満 表1に示すように、22mmないし28mmの定着ニッ
プで、予備加熱時間約1分以内という短い時間で、良好
な定着強度と高画質な定着画像を得ることができた。
【0061】次に定着ニップの長さを25mmに固定し
て、第2の圧力ロール3の外径を変化させて、定着ロー
ル1へのトナーのオフセットを評価した。オフセットの
評価は、幅30mm長さ150mmの縦帯のソリッドが
ある未定着画像を10枚定着した直後に白紙を1枚通し
て、白紙の汚れの有無を目視で調べた。評価結果を表2
に示す。
【0062】
【表2】 *3:オフセットの有無は、未定着画像を1枚通紙し、
白紙を通して白紙の汚れの有無を目視で評価した。 ○:白紙に汚れが全くない △:白紙に僅かに汚れが見える ×:白紙に汚れがはっきり見える 表2に示すように、圧力ロール2の外径が定着ロール1
の外周40mmの半分である20mm未満の場合、オフ
セットは全く発生しなかった。
【0063】次に定着ニップの長さを25mm、第2の
圧力ロール3の外径を16mmに固定して、初期の定着
ロール1の表面温度を165℃として、800枚の未定
着画像を定着させた。この際、エンドレスベルト4の表
面温度を測定している温度センサー11が2℃上昇する
ごとに、エンドレスベルト4の表面温度が120℃にな
るまで定着ロール1の表面温度の設定温度を0.5℃づ
つ下げるように設定した。その結果、800枚まで良好
な定着強度、高画質な定着画像を得ることができた。そ
の直後に白紙を通してみたが、オフセットの発生はなか
った。
【0064】実施例2 図4に示すように、定着ロール1に発熱体101が内包
されていること以外は、実施例1と同じ構成の定着装置
を用いた。発熱体101は、750Wのハロゲンランプ
であった。未定着画像は、実施例1と同様の方法で作成
した。定着ニップの長さは25mm、第2の圧力ロール
3の外径は16mmに固定した。実施例1と同様に定着
ロール1の表面温度を設定して、300枚の未定着画像
を定着した後、定着ロール1の加熱源を外部加熱ロール
5に設けられている発熱体502から、定着ロール1に
内包されている発熱体101に切り替えて、さらに50
0枚の未定着画像を定着した。その結果、計800枚ま
で良好な定着強度、高画質な定着画像を得ることができ
た。その直後に白紙を通してみたが、オフセットの発生
はなかった。
【0065】実施例3 図5に示すように第1の圧力ロール2と第2の圧力ロー
ル3の間で、エンドレスベルト4を張設するための支持
ロール14を設けた以外は、実施例1と同様な構成の定
着装置を用いた。支持ロール14は、厚さ1.5mmの
鉄製の中空ロールの上にフッ素含有樹脂層を設けたもの
であり、フッ素含有樹脂層の熱伝導率は0.2×10-3
Cal/cm・sec・℃であり厚さ1mmであった。
支持ロール14の外径は14mmであった。未定着画像
は、実施例1と同様の方法で作成した。定着ニップの長
さは25mm、第2の圧力ロール3の外径は16mmに
固定した。実施例1と同様な設定で予備加熱時間を測定
したところ、64秒であった。また実施例1と同様な定
着ロール1表面の温度設定を行い、2000枚の未定着
画像を定着した。その結果、2000枚まで良好な定着
強度、高画質な定着画像を得ることができた。その直後
に白紙を通してみたが、オフセットの発生はなかった。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の定着装置
は、表面に熱伝導率1.7×10-3Cal/cm・se
c・℃以上の熱伝導層を有する定着ロールを用い、その
表面に接触して従動するように加熱部材を設け、そして
複数の支持ロールと該支持ロールに張設されたベルトと
を、2つの圧力ロールによって定着ロール表面に圧接し
て定着ニップを形成する構造を有するから、カラー画像
形成において従来技術ではなし得なかった高速で画像出
力することと、予備加熱時間を短くし消費電力を少なく
することと、高画質の画像形成、特に高画質のフルカラ
ー画像を形成することを同時に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の定着装置の実施例の概略構成図であ
る。
【図2】 本発明に用いる定着ロールの断面図である。
【図3】 本発明の実施例1の定着装置の概略構成図で
ある。
【図4】 本発明の実施例2の定着装置の概略構成図で
ある。
【図5】 本発明の実施例3の定着装置の概略構成図で
ある。
【図6】 本発明の画像形成装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1…定着ロール、101…発熱体、102…金属コア
層、103…耐熱弾性体層、104…耐熱弾性熱伝導
層、2…第1の圧力ロール、3…第2の圧力ロール、4
…エンドレスベルト、5…外部加熱ロール、501…金
属ロール、502…発熱体、503…温度センサー、6
…画像支持体、7…未定着トナー像、8…定着トナー
像、9…クリーニング部材、10…温度センサー、11
…温度センサー、12…排紙ロール、13…巻付き防止
部材、14…支持ロール。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着ロール、複数の支持ロールと該支持
    ロールに張設されたベルトとを有する圧力部材、および
    熱源を有する加熱部材とからなり、該定着ロールは表面
    に熱伝導率1.7×10-3Cal/cm・sec・℃以
    上の熱伝導層を有するものであり、該支持ロールのうち
    の2つはベルトを定着ロール表面に圧接して定着ニップ
    を形成する圧力ロールであり、該加熱部材は定着ロール
    表面に接触して従動するように設けてなることを特徴と
    する定着装置。
  2. 【請求項2】 現像剤担持体上の現像剤層を用いて静電
    潜像担持体上の静電潜像を現像する現像工程、トナー画
    像を画像支持体上に転写する転写工程、該トナー画像を
    画像支持体上に加熱定着する定着工程を有する画像形成
    方法において、該定着工程が、請求項1に記載の定着装
    置を用い、転写されたトナー画像を有する画像支持体を
    加熱部材の接触によって加熱された定着ロールと該定着
    ロール表面に圧接されたベルトの間に形成された定着ニ
    ップを通過させることによって定着を行うことを特徴と
    する画像形成方法。
  3. 【請求項3】 現像剤担持体上の現像剤層を用いて、静
    電潜像担持体上の静電潜像を現像する現像手段、トナー
    画像を画像支持体上に転写する転写手段、トナー画像を
    画像支持体上に加熱定着する定着手段を有する画像形成
    装置において、該定着手段が請求項1に記載の定着装置
    よりなることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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