JP3939886B2 - 研削盤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、円形ワークの加工の他、カムやクランク等に代表されるワークの加工に用いて好適な研削盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のカムシャフトやクランクピンの円筒研削盤においては、ワークの加工精度の向上を目的として加工中のワークを測定したり、あるいは、加工後のワークを測定することが行われる。これに基づき、砥石車の磨耗とアンバランス状況、あるいは、ワークレストシューの磨耗状況を検査して、砥石車のバランスを取り直したり、ドレッシングしたり、砥石車を交換したり、あるいは、ワークレストを調整したりしている。このように実際にワークの寸法を測定して、磨耗があればその部分に対して修正したり、交換したりすることで安定的な加工精度を保持している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した修正や交換が十分に行われない場合には、ワーク支持の変化や研削盤を構成している各部位の変化により機械振動が発生し、この振動が研削対象としてのワークに伝播し、ワークの加工精度を低下させる要因となる。このため、従来、研削盤においては、加工中において頻繁にワークの寸法を測定し、それらの砥石の交換時期や修正時期、バランス調整あるいはワークレストの調整時期を見極める工程が必要となる問題点を有する。また、これらの交換時期や修正時期等の見極めや、その修正作業には、熟練した技術や経験が必要で、その熟練をもってしても、ワークの加工精度を測定して機械振動の発生源を特定するような作業を行うことは、作業効率を低下させる問題点を有する。
【0004】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ワークの加工精度が低下して加工不良になる前に機械振動の発生箇所を自動的に特定してそれを表示することができ、振動の発生源部位を調査して、ワークに与える振動を軽減して高精度加工を可能にする研削盤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、ワークを回転可能に保持する主軸と、その主軸上のワークに対して研削加工を施すための砥石車と、ワーク形状を表すカムプロファイルデータを記憶するためのカムプロファイルデータ記憶部と、そのカムプロファイルデータからワークを研削するためのプロファイルデータを生成するプロファイルデータ生成手段を備えた研削盤において、前記カムプロファイルデータと加工済みワークの実測値との間の形状誤差を記憶する誤差データ記憶部と、前記誤差データ記憶部の誤差データが許容値内か否かを判別する誤差データ判別手段と、前記誤差データの許容値を設定する設定手段と、前記誤差データに基づき上記カムプロファイルデータを補正してカムプロファイルデータを書き換えるための自動調整が可能か否かを判別する調整判別手段とを備え、上記調整判別手段により自動調整が不可能と判断された場合には、研削盤の砥石車、ワークレスト又は砥石台の異常箇所として警告表示を行うように構成したことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、前記誤差データの一部分を抽出するデータ抽出手段と、前記データ抽出手段において抽出された誤差データを周波数分析する周波数分析手段と、前記周波数分析手段における分析結果から特定の周波数を抽出する周波数抽出手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項2における研削盤の各部位の固有振動数を記憶する振動数記憶手段と、前記周波数抽出手段により抽出された特定の周波数と、前記振動数記憶手段に記憶されている固有振動数とを比較して、振動発生源部位を特定する振動発生源特定手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明がカム研削盤に適用された第1の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1及び図2に示すように、ワーク支持台1は基台2の一側上面に図2の矢印Zにて示す水平方向へ移動可能に支持されている。主軸台3は、ワーク支持台1の上面に配設され、カムシャフトWの一端を着脱可能に支持するための主軸4及び主軸4を回転させるためのサーボモータよりなる主軸用モータ5を備えている。心押台6は、主軸4との間隔を調整自在にワーク支持台1の上面に配設され、ワークとしてのカムシャフトWが主軸4とこの心押台6との間においてZ方向へ延びるように着脱可能に支持される。
【0012】
前記カムシャフトWには、複数の非円形カムWaが軸方向に所定の間隔で形成され、これらカムWaの外周面が被研削面Wbとなっている。非円形カムWaの具体的な形状は、図6に示すように、ベース円部(等径部)B、リフト部R、トップ部Tを有するほぼ卵形とされている。そして、カムシャフトWは、前記主軸4と心押台6との間に支持された状態で、主軸用モータ5の駆動にともなう主軸4により自身の軸線を中心に回転される。
【0013】
パルスジェネレータ7は、主軸用モータ5に取り付けられ、このパルスジェネレータ7は主軸用モータ5の回転にともない回転検出パルスを発生する。
砥石台8は、基台2上にカムシャフトWの軸線と直交する水平方向(図中矢印Xにて示す)へ移動可能に支持されている。サーボモータよりなる砥石台モータ9は、基台2の側部に取り付けられ、この砥石台モータ9によりボールスクリュー10が回転されて、砥石台8がカムシャフトWと近接または離間する矢印X方向へ移動される。パルスジェネレータ11は、砥石台モータ9に取り付けられ、このパルスジェネレータ11は砥石台モータ9の回転にともない回転検出パルスを発生する。
【0014】
砥石車12は、カムシャフトWと対向するように砥石台8の一端に支軸13により回転可能に支持されている。砥石回転用モータ14は、砥石台8上に配設され、この砥石回転用モータ14によりプーリ15,16およびベルト17を介して砥石車12が一方向に回転される。なお、砥石台8には、図示しない加工液の供給機構が配設されており、カムシャフトWの被研削面Wb及び砥石車12の研削面に対して加工液が供給される。
【0015】
図9に示すように、一対のワークレスト53はワーク支持台1上に設けられ、砥石車12により加工されるカムシャフトWの背面を支持するように先端にワークレストシュー50を備え、ワークレストシュー50はカムシャフトWにと接する支持位置が調整可能である。
【0016】
図3は、この発明の一実施形態における制御装置18の構成を示す。なお、図1及び図2と同一の部材には、同一の参照符号が付されている。制御装置18は、マイクロコンピュータ(図示しない)及びメモリ31を中心に構成された制御部23を備えている。前記パルスジェネレータ7,11、リニア測定器19及び形状測定装置41からの信号が制御部23に入力される。そして、制御部23は駆動回路24を介して前記主軸用モータ5、砥石台モータ9及び砥石回転用モータ14の回転を制御する。
【0017】
表示手段としての表示部27は、液晶表示板を有し、制御部23から制御情報に応じて表示出力を生成して液晶表示板上に所定の表示を行う。なお、表示部27には、液晶表示板以外に警告ランプや発音体等が設けられている。操作入力部28は、設定スイッチ及びテンキー等の操作部材を有し、これらの操作部材の状態に応じた操作情報を生成して制御部23に供給する。
【0018】
さらに、制御部23は、プロファイルデータ発生手段としてのプロファイルデータ生成部32,データ抽出手段としてのデータ抽出部61、記憶手段としての記憶部31、周波数抽出手段としての周波数抽出部64、誤差データ判別手段及び振動源特定手段としての誤差データ判定部33、調整判別手段としての調整判別部34、周波数分析手段としての周波数分析部62をそれぞれ備えている。また、記憶部31は、カムプロファイルデータ記憶部31a、誤差データ記憶部31b、許容値データ記憶部31c、固有振動数データ記憶部31dをそれぞれ備えている。
【0019】
操作入力部28により操作されることにより加工に先立ってカムプロファイルデータと、許容値データと、固有振動数データとがそれぞれメモリ31のカムプロファイルデータ記憶部31a、許容値データ記憶部31c、固有振動数データ記憶部31dに登録される。
【0020】
カムプロファイルデータは、図4(a)に示されている。このカムプロファイルデータは、カムWaの仕上がり寸法を示す情報で、カムWaの回転角度に応じたカムWaの回転中心からの外周面までの距離(半径)との関係を規定する。すなわち、図4(a)は、ほぼ卵形をなすカムのカムプロファイルデータを示す。図4(a)における横軸がカムWaの回転角度であり、縦軸がカム中心とカム面との間の距離(半径)である。
【0021】
図4(a)及び図6(b)に示すようにカムWaのベース円部Bの中央を回転角度の0度に対応させ、トップ部Tの中央を回転角度の180度に対応させた場合には、カムプロファイルデータは、当然のことながらトップ部Tの中央で最大値となる。なお、以下、この説明においては、便宜上トップ部Tの中央を回転角度の180度に対応させ、ベース円部Bの中央を回転角度の0度に対応させているものとして説明する。
【0022】
許容値データ及び固有振動数データは、後述する誤差データ判定部33においてなされる判定処理に用いられる情報である。具体的には、誤差データは、図6(a)の上部に示すように、カムWaの表面の仕上げ精度を示すものであり、言い換えれば、理想の仕上がりに対する誤差を示すものである。許容値データは、複数の情報からなり、その一つは、前記誤差データに対する上限値を示す情報であり、その値は、例えばカムWaの仕上がり不良となる範囲に対して上限に任意に設定される。また、許容値データには、図7に示すように、周波数分析結果に対する上限値51を示す情報も含まれる。周波数分析に関しては後述する。さらに、固有振動数データは、研削盤各部を構成する部位の通常状態で発生する固有振動数を示す情報である。
【0023】
実際にカムシャフトWに対して加工を実施する場合には、メモリ31に格納されている図4(a)に示すカムプロファイルデータが読み出され、プロファイルデータ生成手段32に供給される。そして、プロファイルデータ生成手段において、カムプロファイルデータに基づいて図4(b)に示す主軸速度プロファイルデータが生成される。プロファイルデータは、主軸用モータ5と、砥石台モータ9を制御するための情報であり、カムWaの回転角度と主軸モータ5の回転速度の関係を規定するとともに、カムWaの回転角度と砥石台8の移動量とを規定する。
図4(b)は、卵形カムのプロファイルデータの主軸モータ5の回転速度を示す。図4(b)における横軸が回転角度であり、縦軸が回転速度である。図4(b)に示すようにカムWaのリフト部Rとリフト部R以外の部分とにおいて主軸モータ5の回転速度が異なるようにプロファイルデータが生成される。具体的には、リフト部R以外の部分の回転速度が60rpm とされ、リフト部Rの回転速度が30rpm とされ、リフト部Rの回転速度がリフト部R以外の部分に比べて1/2程度の速度とされる。
【0024】
そして、制御部23は、2個のパルスジェネレータ7,11からの回転検出パルスと、前記プロファイルデータとに基づいて3個の駆動回路24にそれぞれに制御信号を出力する。そして、駆動回路24のそれぞれにおいてモータ駆動出力が生成される。その結果、研削加工時には、主軸4がカムWaの回転角度に応じた速度で回転されるとともに、砥石台8がカムWaの回転角度に応じて進退移動されて、カムWaが所定形状に研削される。
【0025】
形状測定装置41は、加工が実施された加工済みのカムWaをその軸心を中心に回転させてカムWaの外周を定期的に測定し、そのカムWaの回転角度に応じた外周の測定結果を制御部23に供給する。制御部23において、形状測定装置41からのカムWaの回転角度に応じた測定結果と、カムプロファイルデータとの差を算出することにより、回転角度に応じた図6(a)に示す誤差データが生成される。この誤差データが逐次メモリ31の該当領域に蓄積される。
【0026】
誤差データ判定部33は、形状測定装置41から測定結果が供給されて誤差データがメモリ31に蓄積される度に振動源検出処理を実施する。また、それと共に、調整判別部34は、誤差データ判定部33からの検出情報に応じたデータ修正もしくは調整警告処理を実施する。
【0027】
すなわち、誤差データ判定部33においては加工状態検出処理が行われる。この加工状態検出処理においては、先ず、現誤差データと、各部位が許容値内に調整を必要とする許容値データとがメモリ31から読み出され、回転角度ごとに現誤差データと許容値データとが比較され、誤差データが許容値内かどうかが判定される。そして、判定により誤差データが許容値を外れている部分があると判定される場合には、誤差データ判定部33において、許容値を越えた部分とその大きさを示す検出情報とが生成される。そして、誤差データ判定部33において生成された情報が調整判別部34に供給される。
【0028】
調整判別部34は、誤差データ判定部33からの検出情報に応じて、先ず、カムプロファイルデータの調整可能かどうかを判定する。つまり、あらかじめ定められた範囲内で主軸回転速度や砥石台送りの加減速時定数をどちらかと言えば低めに調整可能であると判定される場合には、検出情報が示す許容値を越えた部分とその大きさに応じた分だけカムプロファイルデータを修正して書き換える。このデータを書き換えることにより、機械振動を低くできる。このカムプロファイルデータの書き換えは、加工精度を実質的に低下させない範囲内で行われる。また、誤差量が大きいために、自動調整が不可能と判断される場合には、警告表示を行うための制御情報が形成され、この制御情報が表示部27に供給される。従って、この場合においては、表示部27において許容値を越えた部分、すなわち、異常箇所と、その大きさを示す警告表示がなされると共に、警告音が発せられる。
【0029】
すなわち、この警告が行われる場合は、カムWaのベース円部Bの誤差データが許容値より大きくなったと検出された場合で、この場合には「砥石車を調整して下さい」と表示されると共に、警告音が発せられる。このため、作業者は、表示を確認することで砥石車12の摩耗確認やバランス調整をすること、あるいは交換作業を行うことができ、加工不良の発生する前の段階で適切に対処することができる。
【0030】
次に、誤差データ判定手段33においてなされる振動源検出処理の手順について説明する。図5は、振動源検出処理の処理手順を示す。
加工傾向検出処理においては、先ず、蓄積されている誤差データと、許容値データと、固有振動数データとがメモリ31から読み出される(ステップS1)。そして、カムWaの全周の誤差データのうち、ベース円部Bの部分に対応する誤差データのみが抽出される(ステップS2)。
【0031】
図6は、誤差データとカムWaの関係を示す。図6(b)において45で示されるのが回転角度0度〜90度までのベース円部Bであり、図6(b)において46で示されるのが回転角度270度〜360度(0度)までのベース円部Bである。これらのベース円部B(45,46)は、カムWaの回転中心47から等距離にあり、主軸4の回転速度が一定に制御される部分である。このため、ベース円部B(45,46)に対応する誤差データのみを抽出することで、次の周波数分析後に行われる異常振動数の識別を容易にする。
【0032】
誤差データの抽出処理が完了すると、ステップS3において、次に周波数分析が実施される。具体的には、誤差データに対してフーリエ変換FT(Fourier Transform) 処理を所定アルゴリズムで実施することにより、各周波数帯域におけるパワースペクトルを得ることができる。図7は、周波数分析により得られる周波数特性を示す。図7における横軸が周波数であり、縦軸が強度(振幅)を示す。
【0033】
そして、ステップS4において、周波数分析の各周波数帯域の結果に対してその数値が許容値内かどうかが判定され、許容値内であると判定される場合には、一連の振動源検出処理が終了される。また、ステップS4において、周波数分析の結果が許容値から外れていると判定される場合には、ステップ5に移行し、異常振動数の抽出がなされる。例えば、図7において51で示されるように許容値が50Hz〜200Hzの周波数帯域において一定強度に設定されているものとすると、この場合には、52で示されるピークが異常振動数の抽出対象とされる。そして、ピーク52に対応した53で示される周波数(=143Hz)が異常振動数fとして抽出される。
【0034】
異常振動数の抽出処理が完了すると、次にステップ6において、固有振動数データと異常振動数の値とが照合され、異常振動数の値が含まれる固有振動数帯が存在するかどうかが判定され、含まれると判定される場合には、ステップS7に移行する。ステップS7においては、異常振動数の値が含まれる固有振動数帯に対応する部位名が特定される。図8は、固有振動数データと異常振動数の値との照合処理の一例を概念的に示す。図8において55で示される部分には、部品名(砥石車,ワークレスト,砥石台,主軸,テーブル,ベース)が格納され、56で示される部分には、部品名に対応する固有振動数帯(F1,F2,F3,F4,F5,F6)が格納されている。そして、F1〜F6の固有振動数帯に対して異常振動数がどの振動数帯に属するかが順次判定される。例えば、前述した図7に示す場合には、異常振動数fが143Hzとされているため、F1(140〜150Hz)に該当すると判定され、F1に対応する「砥石台」が特定される。
【0035】
このようにステップS7において振動源の部位が特定されると、ステップS8に進行して、振動発生源を示す表示が行われる。また、ステップS6において、異常振動数の値が含まれる固有振動数帯が存在しないと判定される場合には、ステップS9に移行し、通常の表示が行われる。
【0036】
すなわち、許容値を越える異常振動数が発生している場合には、調整判別部34において、警告表示を行うための情報が形成され、この情報が表示部27に供給される。従って、表示部27において振動発生源を示す警告表示がなされると共に、警告音が発せられる。具体的には、「砥石車を調整して下さい。」と表示されると共に、警告音が発せられる。
【0037】
このため、作業者は、表示を確認することで、砥石車12の摩耗確認と調整あるいはバランスを調整したりすることで、加工不良の発生する前の段階で適切に対処することができる。
【0038】
以上のように、この実施形態においては以下の効果を発揮する。
・ カムWaの加工に際して、加工精度が許容値から外れた場合には、その部分を示す表示がなされる。このため、作業者は、表示を確認することで容易にその不調箇所を調整したり、あるいは部品交換したりする作業を行うことができる。従って、加工精度の許容値を加工不良レベル以下に設定しておけば、加工不良の発生を未然に防止でき、高精度加工を維持できる。しかも、回転速度が一定で加工されたベース部分Bの誤差データのみが抽出され、この抽出された誤差データに対して周波数分析が実施され、許容値を越える周波数が抽出される。このため、容易に不要振動を発生させる振動発生源を容易に特定することが可能となり、その部分の交換時期や修正時期等の見極めを誤りなく行うことができる。
【0039】
・ 誤差データ判定部33の判定処理に用いられる許容値を任意に設定することができる。このため、加工対象や設置環境、あるいは要求される加工精度のレベル等に対して柔軟に対応することができる。
【0040】
(第2の実施形態)
次に、この発明の第2の実施形態を図10に基づいて説明する。
この第2の実施形態においては、形状測定装置41においてプロファイルデータから誤差データを生成し、得られた誤差データを制御部23に供給するようにし、そのままメモリ31に蓄積するように構成したものである。
【0041】
このため、この第2の実施形態においては、前記第1の実施形態における調整判別部34,誤差データ判定部33,周波数分析部62,周波数抽出部64,データ抽出部61,メモリ31を形状測定装置41に設けている。そして、これらの調整判別部34,誤差データ判定部33,周波数分析部62,周波数抽出部64,データ抽出部61,メモリ31による前述した各種機能を形状測定装置41側で処理するようになっている。
【0042】
従って、この第2の実施形態においても前記第1の実施形態と同様な効果を期待できる。
(その他の実施形態)
なお、この発明は、前記第1,第2の実施形態に限定されるものではなく、以下のような態様で具体化することができる。
【0043】
・ 上述したこの発明の一実施形態においては、カム研削盤にこの発明を適用したが、円筒研削盤あるいはクランクピン研削盤に対して適用することができる。
【0044】
・ 上述したこの発明の一実施形態においては、液晶表示器による表示により警告を通知する場合について説明したが、音声により警告を通知するようにしても良い。この場合には、音声合成回路を設けて調整判別部34からの情報に応じて警告を通知する音声信号を生成し、スピーカを介して音声を出力するように構成する。
【0045】
・ 上述したこの発明の一実施形態においては、振動源を特定して自動的に警告表示する場合について説明したが、振動源を特定する前の段階で得られる周波数分析結果を表やグラフにして液晶表示器において表示するようにしても良い。この場合には、作業者自身が許容値との対比や、振動源を特定するために固有振動数データとの照合を行い、振動源を特定することができ、現状認識が容易かつ確実になる。
【0046】
・ 上述した判定処理に代えて、現誤差データと、旧誤差データとの差を算出し、この差が許容値内かどうかが判定して、誤差データの変化が許容値を越えて大きく変化したと判定される場合に、判定結果に応じて振動発生源を特定するようにしても良い。
【0047】
・ 現誤差データと、旧誤差データとに対して所定の演算処理を行って統計的数値を得、この統計的数値が許容値内かどうか判定して、判定結果に応じて不良個所情報を生成するようにしても良い。さらに、これら複数の判定方法を組み合わせて総合的に装置の不調を判定するようにしても良い。
【0048】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明では、ワーク加工にともなって生成される誤差データが許容値内か否かが判定されて、表示されるため、加工精度の低下を確実に認識でき、加工不良を未然に防止できる。
【0049】
請求項1に記載の発明では、誤差データ判定手段の判定処理に用いられる許容値が任意に設定されため、加工対象や設置環境等に対して柔軟に対応することができる。
【0050】
請求項1に記載の発明では、自動調整可能な場合には、誤差データに応じて研削盤を構成する各部位のカムプロファイルデータを修正して書き換えるように調整されるため、機械振動を低減して、加工精度を安定的に保持することができる。さらに、請求項1記載の発明は、調整判別手段により自動調整が不可能と判断された場合には、研削盤を構成する砥石車、ワークレスト又は砥石台の異常箇所として警告表示を行うようにしたので、加工不良が発生する前の段階で適切に対処することができる。
【0051】
請求項2の発明では、判定に好適な所定部分の誤差データのみが抽出され、この抽出された誤差データに対して周波数分析が実施され、許容値を越える周波数が抽出される。このため、容易に不要振動を発生させる振動発生源を容易に特定することが可能となる。
【0052】
請求項3の発明では、不要振動の発生源が特定されるため、その特定された部位の交換等を適切に行うことができ、高精度加工を確実に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】研削盤の第1の実施形態の構成を示す一部破断側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】研削盤の電気的構成を示すブロック図。
【図4】カムプロファイルデータ及びプロファイルデータを示すグラフ。
【図5】動作を示すフローチャート。
【図6】(a)はカムの誤差データを示し、(b)はカムを示す説明図。
【図7】周波数分析されたデータを示すグラフ。
【図8】振動発生源特定のデータを示す説明図。
【図9】ワークレストを示す一部平面図。
【図10】第2の実施形態を示すブロック図。
【符号の説明】
5…主軸用モータ、8…砥石台、9…移動用モータ、12…砥石車、14…砥石回転用モータ、23…制御部、24…駆動回路、27…表示手段としての表示部、28…操作入力部、31…カムプロファイルデータ記憶部,誤差データ記憶部を構成するメモリ、32…プロファイルデータ生成手段としてのプロファイルデータ生成部、33…誤差データ判定手段としての誤差データ判定部、34…調整手段としての調整判別部、61…データ抽出手段としてのデータ抽出部、62…周波数分析手段としての周波数分析部、64…周波数抽出手段としての周波数抽出部。
Claims (3)
- ワークを回転可能に保持する主軸と、
その主軸上のワークに対して研削加工を施すための砥石車と、
ワーク形状を表すカムプロファイルデータを記憶するためのカムプロファイルデータ記憶部と、
そのカムプロファイルデータからワークを研削するためのプロファイルデータを生成するプロファイルデータ生成手段とを備えた研削盤において、
前記カムプロファイルデータと加工済みワークの実測値との間の形状誤差を記憶する誤差データ記憶部と、
前記誤差データ記憶部の誤差データが許容値内か否かを判別する誤差データ判別手段と、
前記誤差データの許容値を設定する設定手段と、
前記誤差データに基づき上記カムプロファイルデータを補正してカムプロファイルデータを書き換えるための自動調整が可能か否かを判別する調整判別手段と
を備え、
上記調整判別手段により自動調整が不可能と判断された場合には、研削盤を構成する砥石車、ワークレスト又は砥石台の異常箇所として警告表示を行うように構成したことを特徴とする研削盤。 - 請求項1において、
前記誤差データの所定部分を抽出するデータ抽出手段と、
前記データ抽出手段において抽出された誤差データを周波数分析する周波数分析手段と、
前記周波数分析手段における分析結果から特定の周波数を抽出する周波数抽出手段とを備えたことを特徴とする研削盤。 - 請求項2において、研削盤の各部位の固有振動数を記憶する振動数記憶手段と、
前記周波数抽出手段により抽出された特定の周波数と前記振動数記憶手段に記憶されている固有振動数とを比較して、振動発生源部位を特定する振動発生源特定手段とを備えたことを特徴とする研削盤。
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