JPH06348316A - 数値制御非真円形加工物加工方法及びその装置 - Google Patents

数値制御非真円形加工物加工方法及びその装置

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JPH06348316A
JPH06348316A JP5158000A JP15800093A JPH06348316A JP H06348316 A JPH06348316 A JP H06348316A JP 5158000 A JP5158000 A JP 5158000A JP 15800093 A JP15800093 A JP 15800093A JP H06348316 A JPH06348316 A JP H06348316A
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JP
Japan
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data
input position
movement amount
target input
fourier transform
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Application number
JP5158000A
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English (en)
Inventor
Takanori Yoneda
隆則 米田
Mitsuru Nukui
満 温井
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Nippei Toyama Corp
Original Assignee
Nippei Toyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御指令と制御対象の動作間の入出力特性を
精度良く求めて制御指令を決定し制御対象に希望する動
作を確実に実行させることができる数値制御非真円形加
工物加工方法及びその装置を提供する。 【構成】 図1に示すように、初めに既知の入力と応答
から求めた伝達関数H1を用いて、希望する応答Oから
入力1を計算し、目標入力位置データとして位置決め装
置に教示する。このとき、得られた応答1が希望する許
容値内に誤差が収束していなければ、式(Hi+1(j
ω)=Oi(jω)/Ii(jω))によって周波数領域
の応答Oiを用いて伝達関数H2を計算する。この伝達関
数H2を用いて希望する応答より新たな入力2を算出し
て目標入力位置データとする。この操作を誤差が収束す
るまで繰り返し、伝達関数を修正しながら所定の制御結
果が得られるまで繰り返すことにより、高精度な位置決
めが実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カム研削盤等に適用さ
れる数値制御非真円形加工物加工方法及びその装置に関
するものであり、例えばカム研削盤の主軸若しくは工具
の位置決めを効率的に精度良く行うことができる数値制
御非真円形加工物加工方法及びその装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】知られるようにカム研削盤等はコンピュ
ータの発達に伴い飛躍的に機能の向上や動作速度の向上
を遂げており、特にカム研削盤の場合、カムを加工する
工具の位置決め動作速度が生産性向上の為よりいっそう
高速になる傾向にある。
【0003】しかし、工具の動作速度を上げると、位置
決め時にオーバシュートや残留振動が発生し、この問題
を解決するために、例えば機械剛性をあげるという対策
を採る場合、結果的に重量増加となり、より大きなサー
ボモータを採用しなければならないという悪循環を生じ
る。
【0004】そこで特開平2−217904号には、工
作物を加工するためのプロファイルデータに基づいた位
置指令データにより制御運転し得られる実際の移動量に
よる実移動量データと理想的な移動量を与える理想位置
指令データとから周波数応答の比を算出し、その周波数
応答の比で位置指令データの周波数特性を補正すること
により位置決めサーボシステムの追従精度を向上させる
数値制御非真円形加工物加工方法、いわゆる繰り返し伝
達関数補正制御方法を適用した制御装置が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし以上の従来の数
値制御非真円形加工物加工方法すなわち繰り返し伝達関
数補正による制御方法には次のような問題があった。す
なわち特開平2−217904号に示される従来の位置
決め制御装置は実際の移動量による実移動量データと理
想的な移動量を与える理想位置指令データとから周波数
応答の比すなわち伝達関数を算出するものであり、かか
る伝達関数では最初の位置補正以後は実際の位置指令デ
ータと実移動量との差が伝達関数として示されなくな
り、得られる伝達関数は実際の機械系に起因する誤差を
反映しなくなる。例えば実際の位置決め装置においては
目標入力位置データの入力は最小設定単位の制限を受け
る。このため最小設定単位が1μmの場合では、それ以
下の桁が目標入力位置データの入力として教示できなく
なる。その結果、目標入力位置データの入力自体に誤差
を含むことになり、結果的に位置決め精度が悪化する。
一方従来の繰り返し伝達関数補正制御方法による場合に
は、前述するように最初の位置補正以後は実際の位置指
令データと実移動量との差が伝達関数として示されない
ことから、以上の事情により生じる位置決め誤差を伝達
関数として正確に捕らえることはできない。
【0006】本発明は以上の従来技術における問題に鑑
みてなされたものであって、制御指令と、その制御指令
に対する制御対象の動作との間に生じる入出力特性を精
度良く求めて制御指令を決定することにより、制御対象
ができるだけ高速でオーバーシュートすることなく希望
する動作を実現することができるようにする数値制御非
真円形加工物加工方法及びその装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を達成するた
めに本発明者らは種々検討し、以上の課題を解決するた
めの手法として、繰り返し伝達関数補正による制御方法
に伝達関数の補正精度を向上させる改良を加えることが
有効であることを見出し本発明に想到した。
【0008】すなわち本発明の数値制御非真円形加工物
加工方法は、制御対象を位置決め制御運転するための目
標入力位置データをフーリエ変換して目標入力位置フー
リエ変換データを求め、制御対象を位置決め制御運転し
て得られる実際の移動量を実移動量データとして検出
し、検出される実移動量データをフーリエ変換して実移
動量フーリエ変換データを求め、前記目標入力位置フー
リエ変換データと前記実移動量フーリエ変換データとの
比である伝達関数を算出し、前記伝達関数により前記目
標入力位置フーリエ変換データを補正した補正目標入力
位置フーリエ変換データを算出する数値制御非真円形加
工物加工方法において、前記伝達関数が(1)式により
定義されることを特徴とする。 Hi+1(jω)=Oi(jω)/Ii(jω)・・・・・・・・・・・(1) ここで、H(jω):周波数伝達関数 I(jω):目標入力位置データ(周波数領域) O(jω):制御対象の実移動量データ(周波数領域)
【0009】したがってかかる本発明の数値制御非真円
形加工物加工方法によれば、制御対象を位置決め制御運
転するための目標入力位置データをフーリエ変換して目
標入力位置フーリエ変換データを求め、制御対象を位置
決め制御運転して得られる実際の移動量を実移動量デー
タとして検出し、検出される実移動量データをフーリエ
変換して実移動量フーリエ変換データを求め、前記目標
入力位置フーリエ変換データと前記実移動量フーリエ変
換データとの比である伝達関数を算出し、前記伝達関数
により前記目標入力位置フーリエ変換データを補正した
補正目標入力位置フーリエ変換データを算出し、前記補
正目標入力位置フーリエ変換データを逆フーリエ変換し
て得られた補正目標入力位置データにより制御対象を位
置決め制御運転して得られる実際の移動量を補正後実移
動量データとして検出し、検出される補正後実移動量デ
ータをフーリエ変換して補正後実移動量フーリエ変換デ
ータを求め、前記補正目標入力位置フーリエ変換データ
と、前記補正後実移動量フーリエ変換データに基づき補
正後伝達関数を演算し、 前記補正後伝達関数により前
記補正目標入力位置フーリエ変換データを補正した第2
次補正目標入力位置フーリエ変換データを算出し、前記
第2次補正目標入力位置フーリエ変換データを逆フーリ
エ変換して得られた第2次補正目標入力位置データによ
り制御対象が位置決め制御運転される。
【0010】また本発明の位置決め制御装置は、制御対
象を位置決め制御運転するための目標入力位置データを
フーリエ変換して目標入力位置フーリエ変換データを求
める第1フーリエ変換処理手段と、制御対象を位置決め
制御運転して得られる実際の移動量を実移動量データと
して検出する移動量検出器と、前記移動量検出器により
検出される実移動量データをフーリエ変換して実移動量
フーリエ変換データを求める第2フーリエ変換処理手段
と、前記目標入力位置フーリエ変換データと前記第2フ
ーリエ変換処理手段で求められた実移動量フーリエ変換
データとの比である伝達関数を算出する伝達関数演算手
段とを有してなる位置決め制御装置において、前記伝達
関数演算手段が、(1)式により伝達関数を演算するこ
とを特徴とする。 Hi+1(jω)=Oi(jω)/Ii(jω)・・・・・・・・・・・(1) ここで、H(jω):周波数伝達関数 I(jω):目標入力位置データ(周波数領域) O(jω):制御対象の動作速度(周波数領域) 前記制御対象を位置決め制御運転して得られる実際の移
動量を検出して得られた前記実移動量データと、制御対
象を位置決め制御運転するための目標入力位置データと
を比較し、その相互間の誤差の程度を判別する判別手段
を設け、その判別手段により判別された誤差が一定以上
である場合に前記伝達関数演算手段により伝達関数の算
出が行われるようにすることができ、その場合、判別手
段により判別された誤差が一定以上である場合が予め定
められた所定回数を越える場合に前記伝達関数演算手段
により伝達関数の算出が行われるようにすることができ
る。その様にすることにより、判別手段により判別され
た誤差が一定以上である場合が予め定められた所定回数
を越えない場合には現在用いられている入力データを継
続して用いることができ、その様に現在用いられている
入力データを継続して用いても加工精度上の問題は生じ
ない。一方、その様に現在用いられている入力データを
継続して用いることにより新たに伝達関数の算出及び新
入力データの算出を行うのに要する時間を節約して、生
産効率を向上することができる。またここにいう数値制
御非真円形加工物加工装置には例えば数値制御カム研削
盤があり、その場合前記制御対象を非真円形加工物を装
架して回転する主軸とすることができると共に、前記主
軸に対して相対的に移動して主軸に装架された非真円形
加工物を加工する工具とすることができる。
【0011】
【作用】以上の本発明の数値制御非真円形加工物加工方
法およびその装置の理論的メカニズムにつき以下説明す
る。繰り返し伝達関数補正による制御方法によれば、目
標入力位置データ算出に実測伝達関数を用いるので、制
御の良否は伝達関数の測定に依存し、位置決め装置にお
いて目標入力位置データに対する制御対象の動作応答に
より求められる伝達関数は、(1)式で表される。 H(jω)=O(jω)/I(jω)・・・・・・・・・・・(1) ここで、H(jω):周波数伝達関数 I(jω):目標入力位置データ(周波数領域) O(jω):制御対象の動作速度(周波数領域)
【0012】この式によれば、伝達関数が既知で、位置
決めを行う時間領域データを作成できれば、(2)式に
よって目標入力位置データを算出することができる。 i(t)=∫0 t{F-1〔X(jω)/H(jω)〕}dt・・・・(2) ここで、F-1〔〕は〔〕内のフーリエ逆変換を表す。 i(t) ;逆伝達関数補償法で求める目標入力位置デ
ータ入力 X(jω);希望する位置決め装置の応答
【0013】この目標入力位置データ算出方法は、逆伝
達関数補償法として公知の手法である。この手法は、伝
達関数が一定と見なせる場合、精度良く一定の目標入力
位置データ入力が得られる。しかし、実際の位置決め装
置において目標入力位置データ入力を教示する場合、最
小設定単位の制限を受ける。このため例えば最小設定単
位が1μmの場合では、それ以下の桁が目標入力位置デ
ータ入力として教示できなくなるため、目標入力位置デ
ータ入力自体に誤差を含むことになり、結果的に位置決
め精度が悪化することさえ生じる。このため最小設定単
位の制限から目標入力位置データ入力が変化して伝達関
数が一定とならなくなる。そこで、本発明の位置決め方
法を実施して、(3)式に示すように伝達関数を繰り返
し修正しながら位置決め制御を行うようにすることによ
り効率的かつ高精度に目標入力位置データの設定を行う
ことができるようになる。 Hi+1(jω)=Oi(jω)/Ii(jω)・・・・・・・・・・・(3)
【0014】式(1)から図1に示すように、初めに既
知の入力と応答から求めた伝達関数H1を計算する。こ
の伝達関数H1を用いて、希望する応答Oから式(2)
にしたがって入力1を計算し、目標入力位置データとし
て位置決め装置に教示する。このとき、得られた応答1
が希望する許容値内に誤差が収束していなければ、式
(3)によって周波数領域の応答Oiを用いて伝達関数
2を計算する。この伝達関数H2を用いて希望する応答
より式(2)によって新たな入力2を算出して目標入力
位置データとする。この操作を誤差が収束するまで繰り
返し、伝達関数を修正しながら所定の制御結果が得られ
るまで繰り返すことにより、高精度な位置決めが実現さ
れる。
【0015】
【実施例】次に本発明の数値制御非真円形加工物加工方
法及びその装置をカム研削盤に適用した実施例を図面を
参照して説明する。図2は本発明の数値制御非真円形加
工物加工方法を適用したカム研削盤の概略構成を示す。
図2において主軸用サーボモータ11はテーブル12上
の主軸台13に固設され、かかる主軸用サーボモータ1
1によって被加工物14を装着する主軸15が回転駆動
される。かかる主軸用サーボモータ11の回転速度はパ
ルスジェネレータ16、そのパルスジェネレータ16の
位置検出パルスが与えられるコントロールユニット17
及び主軸用サーボモータ11によって形成される閉ルー
プによってフィードバック制御される。
【0016】砥石車18はモータ19によって回転駆動
され、かかる砥石車18を取り付けた砥石台20は砥石
車送り用サーボモータ21によって前記主軸15の回転
軸線に直交するX方向に進退動せしめられる。前記砥石
車送り用サーボモータ21は、この砥石車送り用サーボ
モータ21に取り付けたパルスジェネレータ22とパル
スジェネレータ22の位置検出パルスが与えられるコン
トロールユニット23及び砥石車送り用サーボモータ2
1とによって形成される閉ループによってフィードバッ
ク制御される。
【0017】図3に前記主軸用サーボモータ11のコン
トロールユニット17における制御ブロック図を示す。
図に示すように先ず、コントロールユニット17にプロ
ファイルデータを入力し、そのプロファイルデータに基
づいてコントロールユニット17において目標入力位置
指令データを算出し、その目標入力位置指令データによ
り前記主軸用サーボモータ11を運転する。またそれと
共にその目標入力位置指令データをフーリエ変換する。
【0018】一方前記主軸用サーボモータ11によって
被加工物14を装着する主軸15をコントロールユニッ
ト17等により形成される閉ループによってフィードバ
ック制御して回転駆動し、また、モータ19によって砥
石車18を回転駆動し、かかる砥石車18を取り付けた
砥石台20を前記砥石車送り用サーボモータ21によっ
て前記主軸15の回転軸線に直交するX方向に進退動せ
しめる過程で前記被加工物14を所定に加工する。
【0019】次に以上の被加工物14の加工過程におけ
る主軸15の実移動量をサンプリングして、最初のプロ
ファイルデータに基づく目標入力位置指令データとの誤
差により、精度を判定する。その判定結果が問題なけれ
ば、前記目標入力位置指令データをそのまま用いて主軸
用サーボモータ11を駆動し、図に示すカム研削盤によ
る加工を継続する。また、その判定結果が限界値を越え
るものである場合には、前記実移動量データをフーリエ
変換して前記目標入力位置指令データのフーリエ変換デ
ータと前記実移動量データのフーリエ変換データとから
伝達関数を算出する。
【0020】次いでその伝達関数と目標入力位置指令デ
ータのフーリエ変換データとから新目標入力位置データ
を算出し、その新目標入力位置データをフーリエ逆変換
し、それにより得られた新目標入力位置データにより前
記主軸用サーボモータ11を運転する。またそれと共に
その目標入力位置データをフーリエ変換する。次に新目
標入力位置データにより前記主軸用サーボモータ11を
運転して行われた被加工物14の加工過程における主軸
15の実移動量を再度サンプリングして、前記新目標入
力位置データとの誤差により、精度を判定する。その判
定結果が問題なければ、前記新目標入力位置データをそ
のまま用いて主軸用サーボモータ11の駆動を行い、そ
れにより図に示すカム研削盤による加工を継続する。ま
た、その判定結果が限界値を越えるものである場合に
は、前記実移動量データをフーリエ変換して前記新目標
入力位置データのフーリエ変換データと前記実移動量デ
ータのフーリエ変換データとから再度伝達関数を算出す
る。
【0021】次いでその伝達関数と前記新目標入力位置
指令データのフーリエ変換データとから再度新たに目標
入力位置データを算出し、その再度新たに算出された目
標入力位置データをフーリエ逆変換し、それにより再度
新たに算出して得られた目標入力位置データにより前記
主軸用サーボモータ11を運転する。またそれと共にそ
の目標入力位置データをフーリエ変換する。
【0022】次に以上の再度新たに算出して得られた目
標入力位置データにより前記主軸用サーボモータ11を
運転して行われた被加工物14の加工過程における主軸
15の実移動量を更に再度サンプリングして、再度新た
に算出して得られた前記目標入力位置データとの誤差に
より、精度を判定する。その判定結果が問題なければ、
再度新たに算出して得られた前記目標入力位置データを
そのまま用いて主軸用サーボモータ11の駆動を行い、
それにより図に示すカム研削盤による加工を継続する。
また、その判定結果が限界値を越えるものである場合に
は、前記実移動量データをフーリエ変換し、再度新たに
算出して得られた前記目標入力位置データのフーリエ変
換データと前記実移動量データのフーリエ変換データと
から再度伝達関数を算出する。以上のプロセスを反復
し、実移動量とその実移動量を得るに当たって用いられ
た目標入力位置データとの誤差が所定の許容範囲に収束
するまで伝達関数補正が反復される。
【0023】図5に前記砥石車送り用サーボモータ21
のコントロールユニット23における制御ブロック図を
示す。図に示すように先ず、コントロールユニット23
にプロファイルデータを入力し、そのプロファイルデー
タに基づいてコントロールユニット23において目標入
力位置指令データを算出し、その目標入力位置指令デー
タにより前記砥石車送り用サーボモータ21を運転す
る。またそれと共にその目標入力位置指令データをフー
リエ変換する。
【0024】一方前記主軸用サーボモータ11によって
被加工物14を装着する主軸15をコントロールユニッ
ト17等により形成される閉ループによってフィードバ
ック制御して回転駆動し、また、モータ19によって砥
石車18を回転駆動し、かかる砥石車18を取り付けた
砥石台20を前記砥石車送り用サーボモータ21によっ
て前記主軸15の回転軸線に直交するX方向に進退動せ
しめる過程で前記被加工物14を所定に加工する。
【0025】次に以上の被加工物14の加工過程におけ
る砥石台20の実移動量をサンプリングして、判別手段
によりその実移動量と最初のプロファイルデータに基づ
く目標入力位置指令データとの誤差により、精度を判定
する。その判定結果によって以下の各プロセスが進行す
る。
【0026】判定結果が「−OK」→カウンタがワン
アップ 判定結果が許容範囲内において限界値を越えるものであ
る場合には、カウンタがワンアップされ、さらにカウン
タ数が「予め定められた所定回数」すなわちカウンタセ
ット値に達しているか否か判別される。達していない場
合には前記目標入力位置指令データをそのまま用いて砥
石車送り用サーボモータ21を駆動し、図に示すカム研
削盤による加工を継続する。
【0027】判定結果がOK→現目標入力位置データ
により継続運転 すなわちその判定結果が問題なければ、前記目標入力位
置指令データをそのまま用いて砥石車送り用サーボモー
タ21を駆動し、図に示すカム研削盤による加工を継続
する。また同時に前記におけるカウンタがリセットさ
れる。
【0028】判定結果がNG→非常停止 すなわち判定結果が許容範囲を越えた誤差を示す場合に
は、前記主軸用サーボモータ11による被加工物14を
装着する主軸15の回転駆動及び前記砥石車送り用サー
ボモータ21による砥石台20の進退動を停止し、前記
被加工物14の加工を非常停止する。また同時に前記
におけるカウンタがリセットされる。
【0029】以上において、判定結果が「−OK」の
場合におけるカウンタ数が「予め定められた所定回数」
すなわちカウンタセット値に達している場合には、前記
実移動量データをフーリエ変換して前記目標入力位置指
令データのフーリエ変換データと前記実移動量データの
フーリエ変換データとから伝達関数を算出する。
【0030】次いでその伝達関数と目標入力位置指令デ
ータのフーリエ変換データとから新目標入力位置データ
を算出し、その新目標入力位置データをフーリエ逆変換
し、それにより得られた新目標入力位置データにより前
記砥石車送り用サーボモータ21を運転する。またそれ
と共にその目標入力位置データをフーリエ変換する。
【0031】次に新目標入力位置データにより前記砥石
車送り用サーボモータ21を運転して行われた被加工物
14の加工過程における砥石台20の実移動量を再度サ
ンプリングして、前記新目標入力位置データとの誤差に
より、精度を判定する。その判定結果が問題なければ、
前記新目標入力位置データをそのまま用いて砥石車送り
用サーボモータ21の駆動を行い、それにより図に示す
カム研削盤による加工を継続する。また、その判定結果
が前記判定結果が「−OK」の場合におけるカウンタ
数が「予め定められた所定回数」すなわちカウンタセッ
ト値に達している場合には、前記実移動量データをフー
リエ変換して前記新目標入力位置データのフーリエ変換
データと前記実移動量データのフーリエ変換データとか
ら再度伝達関数を算出する。
【0032】次いでその伝達関数と前記新目標入力位置
指令データのフーリエ変換データとから再度新たに目標
入力位置データを算出し、その再度新たに算出された目
標入力位置データをフーリエ逆変換し、それにより再度
新たに算出して得られた目標入力位置データにより前記
砥石車送り用サーボモータ21を運転する。またそれと
共にその目標入力位置データをフーリエ変換する。
【0033】次に以上の再度新たに算出して得られた目
標入力位置データにより前記砥石車送り用サーボモータ
21を運転して行われた被加工物14の加工過程におけ
る砥石台20の実移動量を更に再度サンプリングして、
再度新たに算出して得られた前記目標入力位置データと
の誤差により、精度を判定する。その判定結果が問題な
ければ、再度新たに算出して得られた前記目標入力位置
データをそのまま用いて砥石車送り用サーボモータ21
の駆動を行い、それにより図に示すカム研削盤による加
工を継続する。また、その判定結果が前記判定結果が
「−OK」の場合におけるカウンタ数が「予め定められ
た所定回数」すなわちカウンタセット値に達している場
合には、前記実移動量データをフーリエ変換し、再度新
たに算出して得られた前記目標入力位置データのフーリ
エ変換データと前記実移動量データのフーリエ変換デー
タとから再度伝達関数を算出する。
【0034】以上のプロセスを反復し、実移動量とその
実移動量を得るに当たって用いられた目標入力位置デー
タとの誤差が所定の許容範囲に収束するまで伝達関数補
正が反復される。その場合以上の実施例では砥石台20
の実移動量をサンプリングして判別手段により砥石台2
0の実移動量と目標入力位置データとの誤差を判別しそ
の精度を判定する際に、判別手段により判別された誤差
が一定以上である場合が予め定められた所定回数を連続
して越える場合に前記伝達関数演算手段により伝達関数
の算出が行われるようにすることにより、伝達関数の算
出及び新入力データの算出に要する時間を節約して、生
産効率が向上される。
【0035】以上の実施例のように本発明の数値制御非
真円形加工物加工方法をカム研削盤に適用する場合に
も、コントロールユニット23から砥石車送り用サーボ
モータ21への目標入力位置データの入力の最小設定単
位は一定値に制限されざるを得ず、プロファイルデータ
に基づいて算出された最初の目標入力位置指令データ入
力の一定値未満の周波数成分が結果として得られる砥石
台20及び砥石車18の実移動量に反映しない。したが
って砥石台20及び砥石車18の実移動量を実測し、プ
ロファイルデータに基づいて算出された最初の目標入力
位置指令データと砥石台20及び砥石車18の実移動量
とに基づいて算出された伝達関数も正確なものではなく
なり、この伝達関数を用いた入力の算出結果も妥当なも
のとはならない。しかし、本発明の数値制御非真円形加
工物加工方法では、上述するように実移動量とその実移
動量を得るに当たって用いられた目標入力位置データと
の誤差が所定の許容範囲に収束するまで伝達関数補正が
反復され、その際、伝達関数の算出は常に最新の目標入
力位置データとその最新の目標入力位置データにより得
られた最新の実移動量に基づいて行われるので、実移動
量とその実移動量を得るに当たって用いられた目標入力
位置データとの誤差が所定の許容範囲に極めて短時間で
収束する。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明の数値制御非真円形
加工物加工方法及びその装置によれば、Hi+1(jω)
=Oi(jω)/Ii(jω)として定義される伝達関数
により伝達関数を演算する伝達関数演算手段を備えた位
置決め制御装置を用いて位置決め制御を行うようにした
ことにより、伝達関数が制御対象となる装置の動作特性
を最も良く反映するように常に算出され、制御上最良の
追従精度を得ることができる。したがって、本発明の数
値制御非真円形加工物加工方法及びその装置によれば、
オーバーシュート、残留振動を著しく抑制し現状の制御
装置を改造することなくその位置決め精度を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の数値制御非真円形加工物加工方法で
行われる伝達関数を繰り返し修正しながら制御を行う方
法を説明した模式図である。
【図2】 本発明の数値制御非真円形加工物加工方法を
適用したカム研削盤の概略構成を示す図である。
【図3】 図2に示すカム研削盤の主軸のコントロール
ユニットにおける制御ブロック図を示す。
【図4】 図2に示すカム研削盤の砥石台のコントロー
ルユニットにおける制御ブロック図を示す。
【符号の説明】
11・・・主軸用サーボモータ、14・・・被加工物、
15・・・主軸、16・・・パルスジェネレータ、17
・・・コントロールユニット、18・・・砥石車、20
・・・砥石台、21・・・砥石車送り用サーボモータ、
23・・・コントロールユニット。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象を位置決め制御運転するための
    目標入力位置データをフーリエ変換して目標入力位置フ
    ーリエ変換データを求め、 制御対象を位置決め制御運転して得られる実際の移動量
    を実移動量データとして検出し、 検出される実移動量データをフーリエ変換して実移動量
    フーリエ変換データを求め、 前記目標入力位置フーリエ変換データと前記実移動量フ
    ーリエ変換データとの比である伝達関数を算出し、 前記伝達関数により前記目標入力位置フーリエ変換デー
    タを補正した補正目標入力位置フーリエ変換データを算
    出する位置決め制御方法において、前記伝達関数が
    (1)式により定義されることを特徴とする数値制御非
    真円形加工物加工方法。 Hi+1(jω)=Oi(jω)/Ii(jω)・・・・・・・・・・・(1) ここで、H(jω):周波数伝達関数 I(jω):目標入力位置データ(周波数領域) O(jω):制御対象の実移動量データ(周波数領域)
  2. 【請求項2】 制御対象を位置決め制御運転するための
    目標入力位置データをフーリエ変換して目標入力位置フ
    ーリエ変換データを求める第1フーリエ変換処理手段
    と、 制御対象を位置決め制御運転して得られる実際の移動量
    を実移動量データとして検出する移動量検出器と、 前記移動量検出器により検出される実移動量データをフ
    ーリエ変換して実移動量フーリエ変換データを求める第
    2フーリエ変換処理手段と、 前記目標入力位置フーリエ変換データと前記第2フーリ
    エ変換処理手段で求められた実移動量フーリエ変換デー
    タとの比である伝達関数を算出する伝達関数演算手段と
    を有してなる位置決め制御装置において、 前記伝達関数演算手段が、(1)式により伝達関数を演
    算することを特徴とする数値制御非真円形加工物加工装
    置。 Hi+1(jω)=Oi(jω)/Ii(jω)・・・・・・・・・・・(1) ここで、H(jω):周波数伝達関数 I(jω):目標入力位置データ(周波数領域) O(jω):制御対象の実移動量データ(周波数領域)
  3. 【請求項3】 前記制御対象を位置決め制御運転して得
    られる実際の移動量を検出して得られた前記実移動量デ
    ータと、制御対象を位置決め制御運転するための目標入
    力位置データとを比較し、その相互間の誤差の程度を判
    別する判別手段を有し、その判別手段により判別された
    誤差が一定以上である場合に前記伝達関数演算手段によ
    り伝達関数の算出を行う請求項2記載の数値制御非真円
    形加工物加工装置。
  4. 【請求項4】 前記制御対象を位置決め制御運転して得
    られる実際の移動量を検出して得られた前記実移動量デ
    ータと、制御対象を位置決め制御運転するための目標入
    力位置データとを比較し、その相互間の誤差の程度を判
    別する判別手段を有し、その判別手段により判別された
    誤差が一定以上である場合が予め定められた所定回数を
    越える場合に前記伝達関数演算手段により伝達関数の算
    出を行う請求項2記載の数値制御非真円形加工物加工装
    置。
  5. 【請求項5】 制御対象を位置決め制御運転するための
    目標入力位置データをフーリエ変換して目標入力位置フ
    ーリエ変換データを求め、 制御対象を位置決め制御運転して得られる実際の移動量
    を実移動量データとして検出し、 検出される実移動量データをフーリエ変換して実移動量
    フーリエ変換データを求め、 前記目標入力位置フーリエ変換データと前記実移動量フ
    ーリエ変換データとの比である伝達関数を算出し、 前記伝達関数により前記目標入力位置フーリエ変換デー
    タを補正した補正目標入力位置フーリエ変換データを算
    出し、 前記補正目標入力位置フーリエ変換データを逆フーリエ
    変換して得られた補正目標入力位置データにより制御対
    象を位置決め制御運転して得られる実際の移動量を補正
    後実移動量データとして検出し、 検出される補正後実移動量データをフーリエ変換して補
    正後実移動量フーリエ変換データを求め、 前記補正目標入力位置フーリエ変換データと、前記補正
    後実移動量フーリエ変換データに基づき補正後伝達関数
    を演算し、 前記補正後伝達関数により前記補正目標入力位置フーリ
    エ変換データを補正した第2次補正目標入力位置フーリ
    エ変換データを算出し、前記第2次補正目標入力位置フ
    ーリエ変換データを逆フーリエ変換して得られた第2次
    補正目標入力位置データにより制御対象を位置決め制御
    運転することを特徴とする数値制御非真円形加工物加工
    方法。
  6. 【請求項6】 前記制御対象を位置決め制御運転して得
    られる実際の移動量を検出して得られた前記実移動量デ
    ータと、制御対象を位置決め制御運転するための目標入
    力位置データとを比較し、その相互間の誤差の程度を判
    別し、判別された誤差が一定以上である場合に前記伝達
    関数の算出を行う請求項1又は請求項5記載の数値制御
    非真円形加工物加工方法。
  7. 【請求項7】 前記制御対象を位置決め制御運転して得
    られる実際の移動量を検出して得られた前記実移動量デ
    ータと、制御対象を位置決め制御運転するための目標入
    力位置データとを比較し、その相互間の誤差の程度を判
    別し、判別された誤差が一定以上である場合が予め定め
    られた所定回数を越える場合に前記伝達関数の算出を行
    う請求項1又は請求項5記載の数値制御非真円形加工物
    加工方法。
  8. 【請求項8】 前記制御対象が非真円形加工物を装架し
    て回転する主軸である請求項1又は請求項5又は請求項
    6又は請求項7記載の数値制御非真円形加工物加工方
    法。
  9. 【請求項9】 前記制御対象が非真円形加工物を装架し
    て回転する主軸である請求項2又は請求項3又は請求項
    4記載の数値制御非真円形加工物加工装置。
  10. 【請求項10】 前記制御対象が前記主軸に対して相対
    的に移動して主軸に装架された非真円形加工物を加工す
    る工具である請求項1又は請求項5又は請求項6又は請
    求項7又は請求項8記載の数値制御真円形加工物加工方
    法。
  11. 【請求項11】 前記制御対象が前記主軸に対して相対
    的に移動して主軸に装架された非真円形加工物を加工す
    る工具である請求項2又は請求項3又は請求項4又は請
    求項9記載の数値制御真円形加工物加工装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001179620A (ja) * 1999-12-24 2001-07-03 Nippei Toyama Corp 研削盤
JP2018094677A (ja) * 2016-12-13 2018-06-21 ファナック株式会社 学習を容易化する機能を備えたロボット制御装置、及びロボット制御方法
US10139803B2 (en) 2014-04-16 2018-11-27 Mitsubishi Electric Corporation Instruction value generation device

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