JP3939881B2 - 画像読み書き一体ヘッドおよびこれを備えた画像処理装置 - Google Patents

画像読み書き一体ヘッドおよびこれを備えた画像処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、画像の読み取り機能とプリント機能とを併せ持つ画像読み書き一体ヘッドおよびこれを備えた画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像処理装置の具体例としては、ファクシミリ装置がある。ファクシミリ装置は、画像の読み取り機能とプリント機能とを併せもつ必要がある。この場合、画像の読み取りヘッドとプリントヘッドとを個別に設けたのでは、それら全体のサイズが嵩張る。そこで、従来では、画像の読み取り機能とプリント機能とを1つのヘッドに纏めた画像読み書き一体ヘッドがある。
【0003】
本願出願人は、画像読み書き一体ヘッドの一例として、国際公開WO98/05158号公報に記載のものを先に提案している。本願の図12に示すように、上記公報に記載の画像読み書き一体ヘッドXは、ケース1eの底面部に組み付けられた基板4eの下向きの表面に、主走査方向(紙面に直交する方向)にそれぞれ列状に並べられた複数の発熱素子7eと複数の受光素子60eとを設けたものである。ケース1eの一側面には、原稿Dをガイドするための透明板19eが設けられており、この透明板19eに対向する個所には、原稿Dを照明するための光源5eや主走査方向に列状に並べられた複数の結像用のレンズ21eが設けられている。各受光素子60eは、カバー体98により覆われており、このカバー体98の一部の面が各レンズ21eを通過してきた光を各受光素子60eに導く光反射面となっている。
【0004】
このような構成の画像読み書き一体ヘッドXにおいては、原稿Dが透明板19eの表面に密着するようにしてプラテンローラP1 により搬送される。この搬送過程において、原稿Dの表面が光源5eによって照明される。すると、原稿Dの表面によって反射された光は各レンズ21eによって集束され、カバー体98による反射によって各受光素子60eに到達する。これにより、複数の受光素子60eからは読み取り画像データが1ライン分ずつ出力される。一方、感熱タイプの記録紙Kは、各発熱素子7eに密着するようにしてプラテンローラP2 により搬送される。この搬送過程において、各発熱素子7eは選択的に発熱駆動し、記録紙Kには所望の画像が1ライン分ずつプリントされる。
【0005】
上記した画像読み書き一体ヘッドXにおいては、基板4eの同一表面に各受光素子60eや各発熱素子7eを搭載しているために、それらの搭載作業が容易である。また、各受光素子60eや各発熱素子7eに関連する配線パターンも、基板4eの表面に纏めて形成することができる。たとえば図13に示す画像読み書き一体ヘッドYのように、基板4eの表面40aと裏面40bとに複数の受光素子60eと複数の発熱素子7eとを別々に搭載したのでは、基板4eの表裏を反転させながら複数の受光素子60eや複数の発熱素子7eの搭載作業を行う必要があり、その作業が煩雑となる。さらには、それら複数の受光素子60eや複数の発熱素子7eに関連する配線パターンも基板4eの表裏両面に形成する必要がある。したがって、図12に示す画像読み書き一体ヘッドXは、図13に示す画像読み書き一体ヘッドYよりも製造が容易である。また、画像読み書き一体ヘッドXは、プラテンローラP1 がケース1eの側方に位置する構造となる。したがって、図13に示す画像読み書き一体ヘッドYのように、原稿Dおよび記録紙Kを搬送するための2つのプラテンローラP1 ,P2 がケース1eの全体をその厚み方向に挟むように配置とされるものと比較すると、ケース1eの厚み方向の全体のサイズを小さくすることもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像読み書き一体ヘッドXにおいては、各レンズ21eが基板4eの側方に配されているとともに、基板4eに対して斜めに交差する姿勢とされている。このため、従来においては、次に述べるように、未だ解決すべき課題があった。
【0007】
第1に、従来においては、各レンズ21eを通過した光を各受光素子60eに反射させるためのカバー体98については、基板4eの正面領域(図12においては基板4eよりも下方の領域)に設けねばならないのに対し、透明板19eについては、基板4eの背面領域(基板4eよりも上方の領域)に設けねばならない。このため、それらカバー体98、透明板19e、およびこれらを支持するケース1eの一部分が基板4eの正面領域と背面領域とに嵩張ったものとなってしまう。したがって、画像読み書き一体ヘッド全体の小型化を図る上で、未だ改善の余地があった。
【0008】
第2に、透明板19eが基板4eの背面領域に配置される従来の構造においては、透明板19eに向けて光を照射するための光源5eについても基板4eの背面領域に設ける必要が生じる。したがって、画像読み書き一体ヘッドXの構造が複雑なものとなっていた。
【0009】
第3に、従来においては、透明板19eに対向するプラテンローラP1 が基板4eの背面領域に配置されるのに対し、各発熱素子7eに対向するプラテンローラP2 は基板4eの正面領域に配置される。したがって、画像読み書き一体ヘッドXの厚み方向におけるそれら全体のサイズは未だ充分に小さいとはいえず、2つのプラテンローラP1 ,P2 と画像読み書き一体ヘッドXとを合わせた全体構造の薄型化を図る上でも改善の余地があった。
【0010】
第4に、従来においては、各レンズ21eを通過した後にカバー体98によって反射される光は、各受光素子60eに対して斜め方向から進行する。ところが、このように各受光素子60eに対して斜め方向から光が進行したのでは、各受光素子60eが実際に受ける光量が少なくなる現象を生じ、読み取り画像が暗くなる虞れがあった。従来においては、各レンズ21eを通過した光を各受光素子60eに対してその垂直方向から入射させるには、各レンズ21eを通過した光をたとえば2回以上反射させる必要があり、この場合にはそのための構造が複雑化する不具合があった。
【0011】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、画像の読み取り機能やプリント機能を適切に確保することができ、しかも画像読み書き一体ヘッド全体の小型化を図り、さらには画像読み書き一体ヘッドをプラテンローラと組み合わせて実際に使用するときの全体の薄型化をも図ることができるようにすることをその課題としている。
【0012】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0013】
本願発明の第1の側面によれば、画像読み書き一体ヘッドが提供される。この画像読み書き一体ヘッドは、複数の受光素子および複数の発熱素子を並列させて片面に搭載している基板と、この基板の上記複数の発熱素子が搭載されている領域が開放されるように上記基板の片面側に組み付けられたケースと、このケースに支持され、かつ上記複数の受光素子を挟んで上記複数の発熱素子とは反対の領域に配置されている透明板と、この透明板の表面に接触して搬送される原稿を照明するために上記基板の片面側に設けられた少なくとも1以上の光源と、上記原稿からの反射光を受けるように上記透明板に対向して、上記基板の片面側に設けられた複数の結像用のレンズと、これら複数のレンズを通過した反射光を上記複数の受光素子に導くための反射手段と、を備えている、画像読み書き一体ヘッドであって、上記各レンズは、その光軸が上記基板の片面に対向する領域において上記基板の片面と平行または略平行に延びるように設けられていることを特徴としている。
【0014】
本願発明においては、次のような効果が得られる。
【0015】
第1に、各レンズの光軸は基板の片面に対向する領域、すなわち基板の正面領域において基板の片面と平行または略平行に延びているために、各レンズを通過した光を各受光素子に導くための反射手段は基板の正面領域に設けることができる。また、各レンズに対向する透明板についても、基板の正面領域またはその近傍に設けることができ、いずれにしても反射手段および透明板を基板の背面領域に設ける必要がなくなる。したがって、従来とは異なり、これら反射手段、透明板、およびこれらを支持するケースが大きく嵩張らないようにすることができ、画像読み書き一体ヘッド全体の小型化を図ることができる。
【0016】
第2に、既述したように、透明板を基板の正面領域に配置させることができれば、透明板に向けて光を照射するための光源を、基板の片面に設けるといった仕様が可能となる。したがって、画像読み書き一体ヘッド全体の構造の簡素化を図ることができる。
【0017】
第3に、透明板に対向する原稿搬送用のプラテンローラについては、基板の正面領域の近傍に配置することができる。その一方、各発熱素子に対向して記録紙を搬送するプラテンローラは、もともと基板の正面領域に設けられる。したがって、これら2つのプラテンローラが画像読み書き一体ヘッドの厚み方向に嵩張らないように配置することができ、さらにはこれら2つのプラテンローラの間に画像読み書き一体ヘッドの主要部品が挟まれて配置された構造にすることができる。その結果、画像読み書き一体ヘッドをプラテンローラと組み合わせて使用する場合において、これら三者全体の薄型化を図ることもできる。
【0018】
第4に、各レンズを通過してきた光は、基板の片面に平行または略平行に進行する。したがって、この光を反射手段によって直角または略直角に1回反射させることによって、各受光素子に対してその正面方向から光を入射させることが簡単に行えることとなる。したがって、各受光素子に入射する光量を充分に確保し、読み取り画像の質を高めることも容易に行えることとなる。
【0019】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記反射手段は、上記各受光素子の正面に配置されている。
【0020】
このような構成によれば、各レンズを通過してきた光を各反射手段によって各受光素子に向けて反射させると、各受光素子には垂直に光が入射する。したがって、画像の読み取り処理をより適切に行わせることができる。
【0021】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記反射手段は、受けた光の全反射が可能なプリズムである。
【0022】
このような構成によれば、各レンズを通過してきた光を減衰させることなく各受光素子に導くことができ、読み取り画像を明るくするのにより好適となる。
【0023】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記透明板は、その表面が上記基板の片面の面方向に対して直交または略直交する向きに設定されている。
【0024】
このような構成によれば、透明板に対向する領域における原稿の搬送方向は、基板の片面の面方向に対して直交または略直交する方向となる。これに対し、複数の発熱素子に対向する領域における記録紙の搬送方向は基板の片面の面方向となる。したがって、原稿と記録紙とを互いに干渉させないようにして搬送するのに便利となる。また、記録紙への印字方法としては、熱転写用のリボンを用いる方法があり、上記構成によれば、熱転写用のリボンの走行方向が透明板に対向する領域における原稿の搬送方向とは直交または略直交する方向となるため、上記リボンのセッティングや走行も適切に行えるものとなる。
【0025】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記光源は、上記基板の上記片面に搭載されている。
【0026】
このような構成によれば、基板以外の個所に光源を設ける手段と比較すると、画像読み書き一体ヘッド全体の構造を簡易にすることができる。また、基板の片面に光源を搭載する作業は、基板の片面に複数の受光素子や複数の発熱素子を搭載する作業と同時に、またはそれらの作業と併せて簡単に行うことができる。
【0027】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、一定方向に延びる複数の側面を有する導光用の透明部材をさらに具備しているとともに、この透明部材は、上記光源から光を受ける光入射面と、上記透明板に対向して一定方向に延びる光出射面とを有しており、かつ上記光入射面から上記透明部材内に進行した光は上記複数の側面によって反射されながらこの透明部材の長手方向に進行し、上記光出射面の長手方向各所からこの透明部材の外部に出射するように構成されている。
【0028】
このような構成によれば、光源から発せられた光を導光用の透明部材の光入射面からその透明部材内に進行させることにより、透明板に接触搬送される原稿の一定の帯状領域または線状領域に光を照射することができる。したがって、光源としては、たとえばLEDなどの点状の光源を少数だけ用いればよいこととなり、部品コストおよびランニングコストの低減を図ることができる。
【0029】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記光入射面は、上記透明部材の長手方向端部に設けられているとともに、上記光源は、上記光入射面に対面するように上記基板の長手方向端部に1または複数設けられたLEDである。
【0030】
このような構成によれば、光源の構造をコンパクトにすることができ、画像読み書き一体ヘッド全体の一層の小型化を図ることができる。
【0031】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記複数のレンズは、上記導光用の透明部材と上記基板との間に配されている。
【0032】
このような構成によれば、複数のレンズ、導光用の透明部材および基板の三者をスペース効率良く整然と組み合わせることができ、画像読み書き一体ヘッド全体の厚みを抑えることができる。
【0033】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記導光用の透明部材の側面のうち、上記光入射面および上記光出射面を除く領域の全体または一部を覆うリフレクタを備えている。
【0034】
このような構成によれば、導光用の透明部材内に光を進行させて、その光を透明板や原稿に導く場合に、透明部材の外部に光が無駄に漏出することをリフレクタによって防止することができる。したがって、原稿に対する照明効率を高めることができる。
【0035】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記ケースは、複数の部材に分割されており、かつその一部の部材が、上記リフレクタとされている。
【0036】
このような構成によれば、ケースとは別個に専用のリフレクタを設ける必要がなくなり、部品点数の増加を抑制し、製造コストの上昇を抑制することができる。
【0037】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記光源は、上記基板の上記片面のうち、上記複数の受光素子よりも上記透明板寄りに設けられており、かつこの光源から発せられた光が上記透明板に照射されるように構成されている。
【0038】
このような構成によれば、導光用の透明部材を用いることなく、原稿を照明することができ、全体構造の一層の簡素化を図ることができる。
【0039】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記光源は、上記複数の受光素子の列方向に間隔を隔てて列状に並べられた複数のLEDである。
【0040】
このような構成によれば、複数のLEDを発光させることにより、原稿表面の一定の帯状領域または線状領域に光を照射することが可能となる。
【0041】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記ケースの長手方向両端部には、上記ケースの底面または底面の一部を上記基板の上記片面に接触させたときに上記基板に掛止可能な一対の掛止用突起が設けられている。
【0042】
このような構成によれば、ケースと基板との組み付けが容易化される。
【0043】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記ケースの底部の短手方向一側部には、上記基板の短手方向の一側部を嵌入させるための凹部が設けられている。
【0044】
このような構成によれば、ケースと基板との組み付けがより容易化され、かつ確実な組み付けが行えることとなる。
【0045】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記ケースは、第1の部材と第2の部材とに分割されており、かつこれら第1の部材と第2の部材との間に、上記複数のレンズをレンズホルダに保持させたレンズアレイと上記反射手段とが挟み込まれた構造とされている。
【0046】
このような構成によれば、レンズアレイや反射手段の組み付け作業が容易化される。
【0047】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記基板の短手方向の両側部のうち、上記複数の発熱素子の搭載領域とは反対の一側部には、電気配線用のコネクタが装着されており、かつこのコネクタに接続されている配線部材は、上記コネクタから上記基板と交差する方向に引き出されている。
【0048】
このような構成によれば、コネクタが複数の発熱素子から遠ざけられて設けられているために、このコネクタが記録紙搬送の邪魔にならないようにできる。また、コネクタの配線部材が基板と交差する方向に引き出されていれば、原稿を基板と交差する方向に搬送する場合にこの配線部材が原稿搬送の邪魔にならないようにすることもできる。
【0049】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記複数の発熱素子の駆動制御を行うための複数の駆動ICチップが上記基板の片面上に搭載されている。
【0050】
このような構成によれば、複数の駆動ICチップを基板に搭載する作業を、複数の受光素子や複数の発熱素子を基板の片面に搭載する作業と併せて容易に行うことが可能となる。
【0051】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記複数の受光素子を造り込んだ複数のICチップを有しており、かつこれら複数のICチップには、上記複数の発熱素子の駆動制御を行うための回路も造り込まれている。
【0052】
このような構成によれば、基板上に搭載されるICチップの数を減らすことができ、画像読み書き一体ヘッドの製造が容易化される。
【0053】
本願発明の第2の側面によれば、画像処理装置が提供される。この画像処理装置は、本願発明の第1の側面によって提供される画像読み書き一体ヘッドを備えていることを特徴としている。
【0054】
本願発明の第2の側面によって提供される画像処理装置においては、本願発明の第1の側面によって得られるのと同様な効果が期待できる。
【0055】
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0057】
図1は、本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドの一例を示す断面図である。図2は、図1のII−II断面図である。図3は、図2のIII −III 断面図である。図4は、図1に示す画像読み書き一体ヘッドの分解斜視図である。
【0058】
図1によく表れているように、本実施形態の画像読み書き一体ヘッドAは、ケース1、透明板19、レンズアレイ2、プリズム29、導光用の透明部材3、基板4、放熱板49、複数の光源5、複数のセンサICチップ6、複数の発熱素子7、複数の駆動ICチップ70およびその他の後述する部品類を具備して構成されている。各センサICチップ6には、複数の受光素子60が列状に並べられて造り込まれている。
【0059】
基板4は、たとえばセラミック製であり、長矩形状である。この基板4の表面(上面側片面)40には、複数のセンサICチップ6、複数の光源5、複数の発熱素子7および複数の駆動ICチップ70が搭載されている。
【0060】
図4によく表れているように、複数の発熱素子7は、基板4の短手方向(幅方向)の第1の側部41またはその近傍において、基板4の長手方向に延びる列状に並べられている。これら複数の発熱素子7は、たとえば酸化ルテニウムなどを導体成分とする厚膜抵抗ペーストを印刷・焼成することによって基板4の長手方向に一連に延びる線状の発熱抵抗体を形成するとともに、この発熱抵抗体をその長手方向に一定間隔で電気的に分断する配線パターンを形成することによって作製される。放熱板49は、複数の発熱素子7から発せられた熱を外部に逃がすためのものであり、たとえば熱伝導率が高い金属製である。この放熱板49は、基板4の裏面に接触して取り付けられている。
【0061】
複数の駆動ICチップ70は、複数の発熱素子7の発熱駆動を制御するための駆動制御回路が造り込まれた半導体チップであり、基板4の短手方向略中央部において基板4の長手方向に適当な間隔を隔てた列状に並べられている。1個の駆動ICチップ70がたとえば144ドットの発熱素子7に対応する場合、A4幅の記録紙Kに8ドット/mmの記録密度でプリントを行なうには、計12個の駆動ICチップ70が基板4上に並べられ、合計1728ドットの発熱素子7が選択的に発熱駆動されることとなる。
【0062】
複数のセンサICチップ6は、光電変換機能を有する複数の受光素子60を備えた集積回路が造り込まれた半導体チップであり、複数の駆動ICチップ70の列を挟むようにして複数の発熱素子7の列と平行または略平行な列となるように、基板4の長手方向に延びた列状に並べられている。各センサICチップ6は、その上面を向く各受光素子60が光を受けると、その受光量に対応した出力レベルの信号(画像信号)を出力するようになっている。1個のセンサICチップ6にたとえば96個の受光素子60が造り込まれている場合において、A4幅の原稿を8ドット/mmの読み取り密度で読み取るためには、計18個のセンサICチップ6が基板4上に搭載され、合計1728個の受光素子60が列状に並べられることとなる。
【0063】
複数の光源5のそれぞれは、たとえばLEDチップを用いて構成されており、基板4の短手方向の第2の側部42のうち、長手方向一端部に密集して設けられている。本実施形態においては、原稿Dに照射される光量を確保する観点から複数の光源5を用いているものの、発光量が多い光源を用いる場合には、光源を1つのみ設けた構成とすることもできる。また、カラー画像の読み取りを可能とする場合には、複数の光源5として、たとえば赤色、緑色および青色の光をそれぞれ発するもの、あるいは白色の光を発するものを用いることができる。
【0064】
基板4の片面40には、この片面40上に搭載された複数の発熱素子7、複数の駆動ICチップ70、複数のセンサICチップ6および複数の光源5にそれぞれ関連する配線パターン(図示略)が形成されている。基板4の第2の側部42の長手方向一端部またはその近傍には、コネクタ48が取り付けられており、このコネクタ48には上記した各種の配線パターンのそれぞれが1纏めにされて導通している。図3の仮想線に示すように、コネクタ48としては、たとえば基板4の裏面(下面)側に本体部(ハウジング部)48aを位置させることにより、その本体部48aとクリップ状の複数の端子48bとの間に基板4の第2の側部42を挟み付け可能ないわゆるクリップコネクタが用いられている。このコネクタ48に繋がっているリード線あるいはフレキシブルケーブルなどの配線部材48cは、本体部48aの底面部分から下方に向けて引き出されている。複数の発熱素子7、複数の駆動ICチップ70、複数のセンサICチップ6および複数の光源5に対する外部からの駆動電力供給や各種の信号の入出力は、全てこのコネクタ48を介して行われる。
【0065】
ケース1は、互いに嵌合可能な第1の部材10と第2の部材11とに分割されている。第1の部材10は、その全長寸法が基板4の全長と略同一寸法に形成されたものであり、図1によく表れているように、基板4の片面40のうち、複数の発熱素子7の搭載領域とその周辺領域とを覆わないようにしつつ、それ以外の領域を覆うように基板4に組み付けられている。したがって、複数の駆動ICチップ70、複数のセンサICチップ6および複数の光源5は、第1の部材10によって覆われている。第1の部材10の底部の短手方向一側部には、水平方向に開口した凹部12が第1の部材10の長手方向に延びて一連にまたは複数に分割して設けられており、この凹部12内に基板4の第2の側部42が嵌入している。図2および図4によく表れているように、第1の部材10の長手方向両端部には、下向きに突出する一対の掛止用突起13も設けられている。基板4は、その片面40が第1の部材10の底面10aに接触するようにして、その長手方向両端部が一対の掛止用突起13に掛止保持されている。
【0066】
ケース1の第2の部材11は、第1の部材10よりもやや短い全長寸法に形成されており、第1の部材10の上面部に嵌合可能な形態を有している。図4によく表れているように、第2の部材11の一側部には、第1の部材10に設けられた複数の凹部14aに嵌合可能な複数の突起部14bが形成されている。この第2の部材11は、導光用の透明部材3を保持するとともに、照明効率を高めるためのリフレクタとしての役割を果たすものであり、透明部材3を嵌入させるための凹部15を有している。凹部15の複数の内壁面15aは、受けた光を高い反射率で反射可能な光反射面とされている。そのための手段としては、たとえば第2の部材11の全体を白色の合成樹脂製とする手段、内壁面15aに白色塗装を施す手段、あるいは内壁面15aに白色塗料以外の光の反射率が高い部材または物質を設ける手段を採用することができる。
【0067】
図1によく表れているように、ケース1は、基板4の片面40のうち、複数の発熱素子7の搭載領域の近傍から立ち上がってケース1の長手方向に延びる一側面16を有している。この一側面16は、基板4から立ち上がるに連れて基板4の第2の側部42寄りとなる傾斜面とされている。このようにすれば、一側面16の側方に、プラテンローラP2 を配置するためのスペースを好適に確保することができる。ただし、本願発明はこれに限定されず、ケース1の一側面16を非傾斜状に形成してもかまわない。ケース1の短手方向のうち、一側面16とは反対の領域には、開口部17が形成されている。
【0068】
透明板19は、原稿Dをガイドするためのものであり、細長矩形状のガラス板または合成樹脂板からなる。この透明板19は、ケース1の開口部17を閉塞するようにこの開口部17に嵌め込まれることによりケース1に支持されている。これにより、透明板19は、複数の受光素子60を挟んで複数の発熱素子7とは反対の領域に配置されている。また、透明板19の姿勢は、その表面19aが基板4の面方向(片面40が広がる方向)に対して直交または略直交する姿勢とされている。
【0069】
図5は、導光用の透明部材3の一部断面斜視図である。図6(a)は、同図(b)のVI−VI断面図であり、図6(b)は、導光用の透明部材3の断面図である。導光用の透明部材3は、複数の光源5から発せられた光を透明板19の一定領域に導くためのものであり、たとえばPMMA(ポリメタクリル酸メチル(メタクリル樹脂))、またはPC(ポリカーボネート)を樹脂成形して構成されている。図5によく表れているように、この透明部材3は、一定方向に延びた形態を有する主要部3aと、この主要部3aよりも幅狭な補助部3bとを有しており、これら各部の面は、いずれも表面が滑らかな鏡面状とされている。補助部3bは、複数の光源5から発せられた光を主要部3a内に導くための部分であり、主要部3aの長手方向一端から下向きに湾曲して繋がっている。この補助部3bは、下向きの光入射面30A、この光入射面30Aから立ち上がった2つの湾曲面30B,30C、および平面状の2つの側面30D,30Eを有している。
【0070】
透明部材3の主要部3aは、この透明部材3の長手方向に延びる側面として、幅方向に対向する第1の側面31Aと第2の側面31B、およびこの主要部3aの上下厚み方向に対向する第3の側面31Cと第4の側面31Dを有している。本実施形態においては、第3の側面31Cおよび第4の側面31Dが第1の側面31Aの近傍において屈曲した面とされている。第1の側面31Aは、光出射面に相当する面であり、以降はこの面を光出射面と称する。第2の側面31Bには、複数の凹部32が適当な間隔を隔てて設けられている。これら複数の凹部32は、後述するように、主要部3a内に進行してきた光を散乱反射に近い状態に反射させるための部分である。
【0071】
透明部材3は、図1〜図3に示すように、ケース1の第2の部材11に保持されることにより、その光入射面30Aが複数の光源5に対面するとともに、光出射面31Aが透明板19の裏面に対向するように設けられている。このため、この画像読み書き一体ヘッドAにおいては、図6(b)に示すように、複数の光源5から光が発せられると、その光は透明部材3の光入射面30Aから補助部3b内に進行し、その後湾曲面30Bや2つの側面30D,30Eによって全反射されることにより、主要部3a内に進行することとなる。主要部3a内に進行した光は、この主要部3a内の各側面によって全反射されながらその長手方向に進行してゆく。ただし、図6(a)に示すように、第2の側面31Bの各凹部32を規定する曲面に入射した光は、急激にその進行方向が変化するように散乱反射に近い状態に反射される結果、その反射光の一部は光出射面31Aに対する入射角が非常に小さくなる可能性が高くなり、透明部材3の材質により特定される全反射臨界角(たとえば45°)よりも小さい入射角の光は、そのまま光出射面31Aから透明部材3の外部に出射することとなる。このようなことにより、光出射面31Aの長手方向各所からは光が略均等に出射し、この光が透明板19に向けて出射されることとなる。
【0072】
透明部材3の複数の側面のうち、光入射面30Aや光出射面31Aを除く領域の略全面は、第2の部材11の光の反射率が高い面によって覆われた構造となっている。したがって、透明部材3内を進行する光が光出射面31A以外の面から外部に漏出することが好適に防止される。本願発明においては、透明部材3内を進行する光を光出射面31Aから外部に出射させるための手段としては、第2の側面31Bに複数の凹部32を設ける手段に代えて、第2の側面31Bに複数の凸部を設ける手段、第2の側面31Bに光の散乱反射が可能な白色塗装を施す手段、あるいは第2の側面31Bを光の散乱反射が可能な粗面にする手段などを用いることもできる。
【0073】
図1において、レンズアレイ2は、長細状の合成樹脂製のレンズホルダ20に複数の結像用のレンズ21を列状に並べて保持させたものである。各レンズ21として、セルフォックレンズ(ロッドレンズ)を用いれば、原稿Dの画像を各受光素子60上に正立等倍に結像させることが可能である。ただし、本願発明においては、これ以外のレンズ、たとえば凸レンズあるいは複数枚の凸レンズを組み合わせた複合レンズを用いてもかまわない。このレンズアレイ2は、ケース1の第1の部材10と第2の部材11との間に挟み込まれるようにしてケース1内に組み込まれており、導光用の透明部材3と基板4との間にスペース効率良く設けられている。ただし、レンズアレイ2は、いわゆる横倒しの姿勢とされており、各レンズ21の光軸Cは、基板4の片面40に対向する領域、すなわち基板4の正面領域において、基板4の片面40と平行または略平行に延びるように設定されている。透明板19の表面19aのうち、各レンズ21の光軸Cと交差し、かつ透明板19の長手方向に延びるライン状の領域が、読み取り対象領域Sである。
【0074】
プリズム29は、透明なガラス製または合成樹脂製であり、たとえばその断面形状が二等辺直角三角形またはそれに近いものとされている。このプリズム29は、レンズアレイ2と同様に、ケース1の第1の部材10と第2の部材11との間に挟み込まれることにより、レンズアレイ2の光軸方向一端に隣接し、かつ複数の受光素子60の正面(直上)に位置するようにケース1内に組み込まれている。このプリズム29は、レンズアレイ2を通過してきた光を下向きの直角方向に全反射可能なものである。
【0075】
上記構成の画像読み書き一体ヘッドAの組み立ては、次のようにして行うことができる。すなわち、ケース1内にレンズアレイ2やプリズム29を組み込む場合には、図7の矢印に示すように、ケース1の第1の部材10上にレンズアレイ2やプリズム29を載置してから、導光用の透明部材3を保持した第2の部材11をそれらの上から第1の部材10に組み付ける。第1の部材10上に、レンズアレイ2の位置決めを図るための段部18a,18bや、プリズム29の一端を当接させるための壁面18cを形成しておけば、それらの固定が容易となる。透明板19については、レンズアレイ2やプリズム29と同様に、第1の部材10と第2の部材20とによって挟み付けてもよいが、第1の部材10と第2の部材11との組み付けが終了した後に、それらの間に形成される開口部17内に透明板19を嵌め込めばよい。透明板19を嵌め込む際のストッパとなる段部18d,18eを第1の部材10や第2の部材11に設けておけば、やはり透明板19の位置決め固定が容易となる。ケース1の第1の部材10と第2の部材11とを組み合わせるときには、たとえば第2の部材11の各突起部14bを第1の部材10の各凹部14aに嵌入させることにより、それらの長手方向の位置決めなども簡単に行えることとなる。
【0076】
ケース1と基板4との組み付け作業については、基板4の第2の側部42をケース1の凹部12に嵌入させてから、ケース1の一対の掛止用突起13を基板4に掛止させればよい。これにより、ケース1と基板4との組み付けを簡単に行うことができる。このように、本実施形態の画像読み書き一体ヘッドAは、構成部品どうしを互いに嵌合させ、あるいは掛止させることによって、簡単に組み立てることが可能であり、その製造コストを安価にすることができる。また、複数の発熱素子7や複数のセンサICチップ6に加え、複数の駆動ICチップ70や複数の光源5についても、基板4の片面40に搭載しているために、それらの搭載作業が容易となる。さらに、それらの配線パターンも基板4の片面40に纏めて形成することができるために、その作業も容易化される。
【0077】
図8は、上記構成の画像読み書き一体ヘッドAを具備して構成された画像処理装置Bの一例を示す概略断面図である。
【0078】
この画像処理装置Bは、合成樹脂製の筐体9内に、上記した画像読み書き一体ヘッドA、2つのプラテンローラP1 ,P2 、および熱転写用リボン80のリボンカセット8を組み込んで構成されている。画像読み書き一体ヘッドAは、その基板4がやや傾斜する姿勢に設けられている。これは、リボンカセット8を水平姿勢にするのに都合がよいからであり、本願発明においては画像読み書き一体ヘッドAの具体的な取り付け姿勢は限定されない。プラテンローラP1 は、画像読み書き一体ヘッドAの透明板19に対向して設けられており、筐体9の原稿挿入口90から内部に挿入された原稿Dを透明板19に接触させて副走査方向に搬送できるようになっている。このプラテンローラP1 と透明板19との間を通過した原稿Dは、排紙口91から筐体外部に排出されるように構成されている。プラテンローラP2 は、画像読み書き一体ヘッドAの複数の発熱素子7に対向して設けられており、給紙カセット92から給送されてきた記録紙Kを筐体9の排紙口93に向けて搬送できるように構成されている。
【0079】
リボンカセット8は、熱転写用リボン80を巻き取った巻取ロール81と、この巻取ロール81から熱転写用リボン80を引き出して巻き取るためのローラ82とを備えたものであり、熱転写用リボン80は複数の発熱素子7とプラテンローラP2 との間を走行するように設けられており、複数の発熱素子7が選択的に発熱すると、その熱を受けた部分のインクが記録紙Kの表面に転写されるようになっている。したがって、このような熱転写用リボン80を用いれば、記録紙Kとして、いわゆる普通紙を用いることができる。
【0080】
次に、上記構成の画像読み書き一体ヘッドAおよび画像処理装置Bの作用について説明する。
【0081】
まず、図1に示したとおり、画像読み書き一体ヘッドAは、レンズアレイ2の各レンズ21の光軸Cが基板4の片面40に対向する領域においてその片面40と平行または略平行に延びているために、透明板19の表面の読み取り対象領域Sは、基板4の片面40に対向する領域またはその近傍に位置することとなる。すなわち、図1に示すように、基板4を水平にした場合には、読み取り対象領域Sは必ず基板4よりも上方に位置することとなる。したがって、プラテンローラP1 の中心は、プラテンローラP2 と同様に、基板4よりも上方に位置することとなり、ケース1の短手方向の両側方に2つのプラテンローラP1 ,P2 が配置されることとなる。その結果、2つのプラテンローラP1 ,P2 および画像読み書き一体ヘッドAの三者が、基板4の厚み方向に大きく嵩張ることを極力回避することが可能となる。これは、画像処理装置Bの薄型化を図るのに役立つ。
【0082】
また、画像読み書き一体ヘッドAは、透明板19、導光用の透明部材3、レンズアレイ2およびプリズム29のいずれについても基板4の片面40に対向する領域に纏めて配置された構造となっている。したがって、それらを支持するケース1が基板4の裏面方向に大きく嵩張らないようにすることができ、画像読み書き一体ヘッドAの全体の小型化を図ることができる。本実施形態においては、放熱板49としてかなり大きなサイズのものを用いているが、この放熱板49を小サイズにすることにより、画像読み書き一体ヘッドAのさらなる小型化または薄型化を図ることができる。
【0083】
画像読み書き一体ヘッドAの透明板19は、基板4の面方向に直交した姿勢にあり、透明板19に対向する部分における原稿Dの搬送方向(矢印Na方向)と、複数の発熱素子7に対向する部分における記録紙Kの搬送方向(矢印Nb方向)とは、直交した関係にある。また、既述したとおり、2つのプラテンローラP1 ,P2 は、ケース1をその短手方向に挟むようにして配置されているために、これら2つのプラテンローラP1 ,P2 の中心間距離を比較的大きくとることができる。したがって、原稿Dの搬送路を、記録紙Kの搬送路や熱転写用リボン80の走行路に接近させないようにして、これらの搬送または走行を適切に行わせることができる。とくに、この画像処理装置Bにおいては、熱転写用リボン80が記録紙Kの搬送路と一部重なるようにして常時存在するために、原稿Dの搬送路をそのような部分から遠い個所に配置できることは、リボンカセット8の着脱交換作業を容易にするといった観点からしても好ましいものとなる。図3に示したように、コネクタ48の配線部材48cは、基板4に直交する方向に引き出されており、その方向は原稿Dの搬送方向と一致しているために、この配線部材48cが原稿Dの搬送を不当に妨げないようにすることもできる。
【0084】
画像読み書き一体ヘッドAの複数の発熱素子7による記録紙Kへのプリント処理の基本的な動作は、従来のものと同様である。ただし、原稿Dの画像の読み取り処理においては、次のような特徴がある。すなわち、複数の光源5を駆動させると、これら複数の光源5から発せられた光は、既述したとおり導光用の透明部材3の内部を進行し、その光出射面31Aの長手方向各所から透明板19に向けて出射する。これにより、透明板19の表面に接触して搬送される原稿Dのライン状の読み取り対象領域Sに相当する部分が照明される。すると、この原稿Dからの反射光は、レンズアレイ2の各レンズ21を通過した後に、プリズム29内に入射し、直角方向に全反射されてから各受光素子60に向けて出射する。プリズム29は各受光素子60の正面に配置されているため、各受光素子60には上記反射光が垂直の方向から入射する。したがって、各受光素子60に対して斜め方向から光が入射する場合と比較すると、各受光素子60の受光量を多くすることが可能となる。このため、本実施形態の画像読み書き一体ヘッドAおよび画像処理装置Bにおいては、明るく画質の高い読み取り画像を得ることができる。また、導光用の透明部材3を用いる手段によれば、その光出射面31Aの長手方向各所から原稿Dに向けて出射する光量を均一化することが可能であり、原稿Dの読み取り対象領域Sの長手方向における各所の照度に大きなバラツキが生じないようにすることもできる。したがって、読み取り画像の画質をより高めることが可能となる。
【0085】
図9は、本願発明の他の例を示す断面図である。図10は、図9に示す構造に用いられている部品の斜視図である。なお、図9以降の図においては、先の実施形態と同一または類似の要素には、先の実施形態と同一符号を付している。
【0086】
図9に示す画像読み書き一体ヘッドAaは、図10に示す基板4を用いており、基板4の第2の側部42またはその近傍の表面上には、複数の光源5が基板4の長手方向に適当な間隔を隔てて列状に並べて設けられている。レンズアレイ2と基板4との間には、各光源5から発せられた光を透明板19に向けて進行可能とする空隙部47が設けられている。このような構成によれば、導光用の透明部材3を用いることなく、ライン状の読み取り対象領域Sに光を照射することができる。したがって、画像読み書き一体ヘッド全体の一層の薄型化が可能であり、またケース1を単一部材で構成することも可能となる。空隙部47を規定するレンズアレイ2のレンズホルダ20の外面や基板4の片面40の一部などを、光の反射率が高いたとえば白色面にすれば、照明効率を高めることが可能である。このように、本願発明においては、導光用の透明部材を用いることなく原稿表面を照明してもかまわない。なお、本願発明においては、導光用の透明部材を用いる場合に、その透明部材の具体的な構成は必ずしも上述した透明部材3の構成に限定されるものではない。たとえば、導光用の透明部材の長手方向の両端のそれぞれに光入射面を設けておき、計2個所の光入射面のそれぞれから透明部材内に光を入射させるようにしてもかまわない。このような構成によれば、透明部材の光出射面からの出射光量を多くすることができる。
【0087】
図11は、本願発明の他の例を示す斜視図である。同図に示す構成においては、基板4の片面40上に、複数のICチップ6Aを列状に並べて搭載している。各ICチップ6Aは、複数の受光素子60を備えた集積回路と、複数の発熱素子7の発熱駆動を制御するための集積回路とがワンチップ化されて造り込まれたものである。このようなICチップ6Aを用いれば、基板4上にセンサICチップ6と駆動ICチップ70とを別々に搭載する手段と比べて、ICチップの総数を少なくすることができ、その搭載作業を容易にすることができる。
【0088】
本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドおよび画像処理装置の各部の具体的な構成は、上述の実施形態に限定されず、種々に設計変更自在である。たとえば、基板上に複数のLED光源を列状に並べて搭載する手段に代えて、冷陰極管を用いることもできる。反射手段としては、プリズム29に代えて、ミラーを用いることもできる。記録紙への画像のプリント処理に際しては、熱転写用リボンを用いることなく、感熱タイプの記録紙にプリント処理を行うように構成することもできる。本願発明に係る画像処理装置としては、ファクシミリ装置として構成されていてもよいし、あるいはパーソナルコンピュータやその他の機器に接続されて使用される装置として構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドの一例を示す断面図である。
【図2】 図1のII−II断面図である。
【図3】 図2のIII −III 断面図である。
【図4】 図1に示す画像読み書き一体ヘッドの分解斜視図である。
【図5】 導光用の透明部材の一部断面斜視図である。
【図6】 (a)は、(b)のVI−VI断面図であり、(b)は、導光用の透明部材の断面図である。
【図7】 画像読み書き一体ヘッドを組み立てる状態を示す断面図である。
【図8】 本願発明に係る画像処理装置の一例を示す概略断面図である。
【図9】 本願発明の他の例を示す断面図である。
【図10】 図9に示す構造に用いられている部品の斜視図である。
【図11】 本願発明の他の例を示す斜視図である。
【図12】 従来の画像読み書き一体ヘッドの一例を示す断面図である。
【図13】 従来の画像読み書き一体ヘッドの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
A 画像読み書き一体ヘッド
B 画像処理装置
C 光軸(レンズの)
D 原稿
K 記録紙
1 ,P2 プラテンローラ
1 ケース
2 レンズアレイ
3 導光用の透明部材
4 基板
5 光源
6 センサICチップ
6A ICチップ
7 発熱素子
12 凹部
13 掛止用突起
21 レンズ
29 プリズム(反射手段)
30A 光入射面
31A 光出射面
40 片面(基板の)
60 受光素子
70 駆動ICチップ

Claims (19)

  1. 複数の受光素子および複数の発熱素子を並列させて片面に搭載している基板と、この基板の上記複数の発熱素子が搭載されている領域が開放されるように上記基板の片面側に組み付けられたケースと、このケースに支持され、かつ上記複数の受光素子を挟んで上記複数の発熱素子とは反対の領域に配置されている透明板と、この透明板の表面に接触して搬送される原稿を照明するために上記基板の片面側に設けられた少なくとも1以上の光源と、上記原稿からの反射光を受けるように上記透明板に対向して、上記基板の片面側に設けられた複数の結像用のレンズと、これら複数のレンズを通過した反射光を上記複数の受光素子に導くための反射手段と、を備えている、画像読み書き一体ヘッドであって、
    上記各レンズは、その光軸が上記基板の片面に対向する領域において上記基板の片面と平行または略平行に延びるように設けられていることを特徴とする、画像読み書き一体ヘッド。
  2. 上記反射手段は、上記各受光素子の正面に配置されている、請求項1に記載の画像読み書き一体ヘッド。
  3. 上記反射手段は、受けた光の全反射が可能なプリズムである、請求項1または2に記載の画像読み書き一体ヘッド。
  4. 上記透明板は、その表面が上記基板の片面の面方向に対して直交または略直交する向きに設定されている、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像読み書き一体ヘッド。
  5. 上記光源は、上記基板の上記片面に搭載されている、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像読み書き一体ヘッド。
  6. 一定方向に延びる複数の側面を有する導光用の透明部材をさらに具備しているとともに、
    この透明部材は、上記光源から光を受ける光入射面と、上記透明板に対向して一定方向に延びる光出射面とを有しており、かつ上記光入射面から上記透明部材内に進行した光は上記複数の側面によって反射されながらこの透明部材の長手方向に進行し、上記光出射面の長手方向各所からこの透明部材の外部に出射するように構成されている、請求項5に記載の画像読み書き一体ヘッド。
  7. 上記光入射面は、上記透明部材の長手方向端部に設けられているとともに、上記光源は、上記光入射面に対面するように上記基板の長手方向端部に1または複数設けられたLEDである、請求項6に記載の画像読み書き一体ヘッド。
  8. 上記複数のレンズは、上記導光用の透明部材と上記基板との間に配されている、請求項6または7に記載の画像読み書き一体ヘッド。
  9. 上記導光用の透明部材の側面のうち、上記光入射面および上記光出射面を除く領域の全体または一部を覆うリフレクタを備えている、請求項6ないし8のいずれかに記載の画像読み書き一体ヘッド。
  10. 上記ケースは、複数の部材に分割されており、かつその一部の部材が、上記リフレクタとされている、請求項9に記載の画像読み書き一体ヘッド。
  11. 上記光源は、上記基板の上記片面のうち、上記複数の受光素子よりも上記透明板寄りに設けられており、かつこの光源から発せられた光が上記透明板に照射されるように構成されている、請求項5に記載の画像読み書き一体ヘッド。
  12. 上記光源は、上記複数の受光素子の列方向に間隔を隔てて列状に並べられた複数のLEDである、請求項11に記載の画像読み書き一体ヘッド。
  13. 上記ケースの長手方向両端部には、上記ケースの底面または底面の一部を上記基板の上記片面に接触させたときに上記基板に掛止可能な一対の掛止用突起が設けられている、請求項1ないし12のいずれかに記載の画像読み書き一体ヘッド。
  14. 上記ケースの底部の短手方向一側部には、上記基板の短手方向の一側部を嵌入させるための凹部が設けられている、請求項13に記載の画像読み書き一体ヘッド。
  15. 上記ケースは、第1の部材と第2の部材とに分割されており、かつこれら第1の部材と第2の部材との間に、上記複数のレンズをレンズホルダに保持させたレンズアレイと上記反射手段とが挟み込まれた構造とされている、請求項1ないし14のいずれかに記載の画像読み書き一体ヘッド。
  16. 上記基板の短手方向の両側部のうち、上記複数の発熱素子の搭載領域とは反対の一側部には、電気配線用のコネクタが装着されており、かつこのコネクタに接続されている配線部材は、上記コネクタから上記基板と交差する方向に引き出されている、請求項1ないし15のいずれかに記載の画像読み書き一体ヘッド。
  17. 上記複数の発熱素子の駆動制御を行うための複数の駆動ICチップが上記基板の片面上に搭載されている、請求項1ないし16のいずれかに記載の画像読み書き一体ヘッド。
  18. 上記複数の受光素子を造り込んだ複数のICチップを有しており、かつこれら複数のICチップには、上記複数の発熱素子の駆動制御を行うための回路も造り込まれている、請求項1ないし16のいずれかに記載の画像読み書き一体ヘッド。
  19. 請求項1ないし18のいずれかに記載の画像読み書き一体ヘッドを備えていることを特徴とする、画像処理装置。
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