JP3939789B2 - 乾燥押花の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、乾燥押花の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、押花の乾燥は、乾燥作用を持つシートで直接に植物を挾むか、又は紙やウレタンマットの介在下に挾んで加重を掛けるという方法、その他で行なわれてきた。
【0003】
ここで、シートで挾み、加重を掛けるのは、乾燥時の植物の収縮を防止するためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかる従来の素材シートを用いた乾燥マットは、勿ら乾燥時の植物の収縮を防止し、かつ植物の組織表面に損傷を与えないようにすることに腐心したものである。
【0005】
従って、熱風が透過しにくく植物に熱風を直接に当てることはできず、植物を間に挾持したマットの周辺の雰囲気温度のみで植物を乾燥せざるを得ないものであった。
【0006】
かかる乾燥方法は、乾燥時間が長くなるため、植物の収縮を完全に防止できず、また長時間の乾燥途中で変色したり、乾燥むらを生起したりして、出来上りの乾燥押花に変形を生じる欠点があった。
【0007】
かかる欠点を防止すべく、可及的に熱風或は雰囲気空気が直接に植物に接するようにネット状のマットを使用する方法が考えられる。
【0008】
しかし、かかるネット状マットは、間に挾む植物の表面にネット状の痕跡を残し、表面の損傷を来たし、またネットの特性上植物の収縮を防止するための圧着機能が少ないという決定的な欠陥を有していた。
【0009】
また、乾燥作用を持つシートで植物を乾燥せしめる方法では、乾燥が進むとシートの乾燥力が低下するので、シートは植物乾燥の都度、再乾燥しなければならないという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、密閉容器中に、乾燥剤を収納したトレイを収納し、前記乾燥剤の上方に金網の支持台を置き、前記支持台上に、可撓性多孔板と押花とを多数段積み重ねて載置し、前記トレイの底部には、吸湿した乾燥剤の潮解によるドレンを外へ流出するための排出孔を設け、草花を挟持した可撓性多孔板の外表面に40〜60℃の熱風を吹きつけることを特徴とすると共に、前記可撓性多孔板は、三次元的に立体的に連なり、網状の目の部分が空孔を形成する骨格を備え、三次元的骨格網状構造をなし、前記空孔は互いに連通した状態に構成したことを特徴とする乾燥押花の製造方法を提供せんとするものである。
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】
押花の材料となる草花を可撓性多孔板の間に挾持して乾燥する。
【0014】
乾燥手段としては、密閉容器中に草花を挾持した可撓性多孔板を収納し、同容器中に予め収納した乾燥剤により、30〜50℃で乾燥する乾燥手段が最も多用される。
【0015】
高気温、低湿度の地方であれば、密閉容器を使用せず、単に可撓性多孔板間に草花を挾持するだけでもよい。
【0016】
又、草花を挾持した可撓性多孔板の外表面に40〜60℃の熱風を吹きつけてもよい。
【0017】
可撓性多孔板は、可撓性素材の合成樹脂線体により三次元骨格網状構造に編成され孔は互いに連通しているので、この間に草花を挾持すると、草花の乾燥、すなわち草花に含まれた水分を水蒸気として拡散するのに何ら支障とならず、ほとんど空気中に浮遊させたと同状態で水蒸気の拡散を行っていることになり、水蒸気拡散の支障となるものがない状態となる。
【0018】
しかも、可撓性素材の合成樹脂線体により全体平板状に編成されているので、草花の脱水にともなう収縮や変形を一定の圧力で防止し、草花の表面に損傷を与えることなく保型機能を十分に果し、かつ脱水の障害とならない効果を有する。
【0019】
しかも、可撓性素材であるため、型が可撓しやすく、更には網状構造であるため可撓性多孔板の圧着面が草花の凹凸表面になじみやすく、草花表面との密着性が良好となり、細部にわたって保型機能を果し、しかも弯曲状や波状に変形して草花を挾持することもできるため、乾燥条件や乾燥対象たる草花の種類や形に応じて最適の乾燥押花条件をつくることができる。
【0020】
【実施例】
この発明の実施例を図面に基づき詳説すると、Aは、草花を乾燥するための挾持用の可撓性多孔板を示す。
【0021】
可撓性多孔板Aはポリウレタンフォームを特殊加工して製造することが出来るものであるが、従来のポリウレタンフォームは、内部に球形状の膜が多数隣接した軟かく弾力性に富んだものであるが、本発明の可撓性多孔板Aは球形状の膜状物質を完全に除去し、骨格組織のみを有した一定厚み、すなわち5〜15mmの板厚のフィルター仕様とした三次元骨格網状構造をしており、硬く弾力性に乏しい。
【0022】
このように、三次元骨格網状構造としたため、濾過機能は表面のみだけでなく内部でも行い、かつ優れた毛細管現象と高い空孔率により、水分の含浸率も高く、水分の浸出も円滑となる。
【0023】
可撓性多孔板Aの三次元骨格網状構造を具体的に説明すると、図1に示すように、基本的には空孔1を形成する骨格2が互いに連設されて網状を形成していると共に、骨格2は、必ずしもすべてが隣接骨格2と連設されているのではなく、図1に示すように中途で破断した切断部3を形成している部分もあり、要は、骨格2が網状に連なり網状の目の部分が空孔1を形成し、しかも骨格は平面的だけで連なるのではなく三次元的に立体的に連なっている。要するに、可撓性多孔板Aは、可撓性素材の合成樹脂線体により三次元骨格網状構造に編成したと同様の構造に形成されている。
【0024】
かかる可撓性多孔板Aの押花に最適の物性仕様を示すと、空孔1の個数は25mmの範囲で17個以上23個以下がよく、伸び率は、200%以上がよく、引張強さは1cm2 当り1.0kg以上がよく、硬さは7.0〜13.0kgfがよい。
【0025】
また、反撥弾性は20%〜35%がよく、表面硬度は、20度〜40度がよい。
【0026】
しかし、他の実施例としての可撓性多孔板Aの物性仕様としては、空孔の個数は、25mmの範囲で11個以上16個以下でもよい。
【0027】
使用に際しては、上記した物性の三次元骨格網状構造たる可撓性多孔板Aを図2、図3に示すように、多段に重ねて、各可撓性多孔板Aの間に草花Bを挾持する。
【0028】
しかも、最上段の可撓性多孔板A上に金網体Cを重ねて多段に重ねた状態を保型する。この金網体Cは、多段の可撓性多孔板Aを保持しながら水蒸気の拡散に支障がないようにしている。
【0029】
また、必要に応じて図4に示すように、可撓性多孔板Aに草花Bを挾持して弯曲に形成して乾燥する。熱風照射方向を弯曲凹部側とすれば、草花Bの種類や厚みによって両側面の乾燥度合を均一にすることも可能である。
【0030】
以下、本発明の具体的な実施例を示す。
【0031】
第1実施例 (使用器具)
1.乾燥用の草花 はつゆき草、ジュニアリス等を70g
2.気密容器 35L の容積
3.トレイ 250 ×450 ×50mmのアルミ箔内張りの上方開口箱体
4.乾燥剤 粒状塩化カルシウム
5.使用マット 本発明の可撓性多孔板
6.押え用の金網体 230 ×320mm
7.砂袋 2Kg
8.加熱器 80W ヒーター
(実施形態)図2に示すように、気密容器20中に、トレイ21を収納し、トレイ21中に乾燥剤22を収納し、乾燥剤22の上方に支脚23を垂設した金網の支持台24を置く。
【0032】
支持台24上には、可撓性多孔板Aと草花Bとを交互に多数段積重ねて載置し、最上段の可撓性多孔板A上に押え用の金網体Cを置いて、その上に砂袋26を重錘としてのせる。
【0033】
気密容器20中には、加熱器27が配設されており、密封した容器内温度を35℃〜40℃に維持しながら2日間加熱する。
【0034】
なお、金網体Cや金網の支持台24のかわりに、硬板を用いてもよく、加熱器27は面状発熱体を使用することもできる。
【0035】
また、気密容器20中は、乾燥中にファン等で空気の撹拌を行うと乾燥効果が更に上る。また、トレイ21或は、気密容器20の底部には、吸湿した塩化カルシウムの潮解によるドレンを外へ流出するための排出孔40を設けておき、潮解した後はドレンを排出し塩化カルシウムを補給することにより繰返し使用できる。
【0036】
(効果)
1.通常の乾燥マット、例えば和紙やスポンジ等を用いた乾燥の場合には、乾燥作業の終了毎に乾燥マットの再乾燥が必要であるが、本発明の可撓性多孔板Aを使用した乾燥の場合にはその煩わしさがない。
【0037】
また、繰返し使用しても乾燥機能の劣化がない。
【0038】
2.上記実施例の乾燥法を通常の乾燥マットによる乾燥法と比較した場合乾燥の速度が速い。
【0039】
第2実施例
(使用器具)
1.乾燥用の草花 ひまわり、あじさい等を 190g 各段10g
2.布製のスカート 一端を開口し、他端を熱風吹出口に連通
3.使用マット 本発明の可撓性多孔板
4.押え用金網 230×320mm
5.砂袋 2Kg
6.加熱空気送給器 布団乾燥機を使用
(実施形態)図3に示すように、布製のスカート30の一端の開口側に、可撓性多孔板Aと草花Bとを交互に多数段積重ねて収納する。
【0040】
スカート30の上方には押え用の金網体Cを載置し、その上に砂袋32を重錘として載置し、可撓性多孔板Aを上方より押圧する。
【0041】
スカート30の他端は、加熱空気送給器33の熱風吹出口34に連通し、スカート30の一端の開口部側へ40℃〜50℃の熱風を送風する。35はヒーター、36はファン、37は温度センサーを示す。
【0042】
このようにして、3〜8時間加熱する。
【0043】
金網体Cのかわりに、硬板を使用することもできる。また、加熱空気供給器33は、温風を除湿することにより更に乾燥効果を上げることができる。そのために、図5に示すように温風送給路38の中途に粒状塩化カルシウム39を収納した乾燥室40を介在させる。
【0044】
(効果)
1. 乾燥草花の変色が少なく短時間で乾燥しうる。
【0045】
従来、3〜8時間という短時間で変色や収縮の少ない乾燥は不可能であった。本実施形態ではそれを可能とし、極めて美しい仕上りとなり、かつ草花の生花時に有した色彩を可及的に残存させることができた。
【0046】
2.上記実施例の乾燥法を通常の乾燥マットによる乾燥法と比較した場合乾燥時間が短い。
【0047】
【効果】
この発明によれば、可撓性多孔板間に草花を挾持して乾燥押花をつくるものであり、可撓性多孔板は、孔は互いに連通し、三次元骨格網状構造とした合成樹脂素材で構成しているので、可撓性多孔板の内部は連通した微細な気泡構造となっていて水分の通過は表面のみでなく内部でも行われ、また毛細管現象と高い空孔率により水分の含浸率が高く、また水分の浸出も円滑にいくので、草花からの蒸発水分の排出を効率よく行うことができ、更には一定の可撓性を骨格が有しているので草花の表面凹凸になじみやすく、かつ骨格の一部分が草花の細かい凹部にまで接触して草花の押圧・保型機能を充分に果すことができる効果がある。
【0048】
また、可撓性多孔板は弯曲可能であるため、草花に最適の挾持形態とすることができ、例えば、弯曲状や波状等適宜に選択することができ、しかもこのように弯曲させても草花の保型機能や脱水水分の蒸散促進機能も果すことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用する可撓性多孔板の説明図。
【図2】本発明方法の第1実施例を示す断面説明図。
【図3】第2実施例を示す断面説明図。
【図4】他の使用形態を示す説明図。
【図5】第2実施例の一部を変更した断面説明図。
【符号の説明】
A 可撓性多孔板
B 草花
C 金網体
Claims (1)
- 密閉容器中に、乾燥剤を収納したトレイを収納し、前記乾燥剤の上方に金網の支持台を置き、前記支持台上に、可撓性多孔板と押花とを多数段積み重ねて載置し、前記トレイの底部には、吸湿した乾燥剤の潮解によるドレンを外へ流出するための排出孔を設け、草花を挟持した可撓性多孔板の外表面に40〜60℃の熱風を吹きつけることを特徴とすると共に、前記可撓性多孔板は、三次元的に立体的に連なり、網状の目の部分が空孔を形成する骨格を備え、三次元的骨格網状構造をなし、前記空孔は互いに連通した状態に構成したことを特徴とする乾燥押花の製造方法。
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