JP3939690B2 - インクジェットインク印刷用のコート媒体基材及びシステム - Google Patents

インクジェットインク印刷用のコート媒体基材及びシステム Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット印刷媒体用の表面修飾アルミナコーティングに関する。また、本発明は、十分な画像耐久性、良好なインク吸収性、及びインクジェット印刷時の十分な耐インク凝集性をもたらすインクジェット用インクと被覆媒体基材との系に関する。
コンピュータプリンタの技術は、紙を含む様々な媒体に高分解能の画像を転写できるまでに発達した。ある特定の印刷方式においては、ディジタル信号に応答して印刷媒体表面上に液体インクの小滴を配置させる。典型的には、印刷装置と印刷媒体表面間に物理的接触の無い状態で、その印刷媒体表面上に液体インクを配置させるか又は射出させるものである。この一般的な技術の中でも、印刷媒体表面上へインクジェット用インクを付着させる方法はシステムによって様々であり、連続インク付着、ドロップオンデマンド型インク付着等がある。
連続印刷システムに関しては、使用されるインクは、典型的にメチルエチルケトン及びエタノールのような溶媒を基本要素とする。連続印刷システムは、プリンタノズルによって射出され且つ方向付けされるインク液滴の流れとして作用するものである。インク滴はノズルに近接した静電荷電装置の働きによって、さらに方向付けされる。インクが所望の印刷媒体表面上で使われない場合は、そのインクは後の使用に使えるようリサイクルされる。ドロップオンデマンド型印刷システムに関しては、インクジェット用インクは、典型的に水及びグリコールを基本要素とする。これらのシステムでは、インク滴は、熱によるか又は圧力波によってノズルから射出され、その射出されるインク滴の全てが印刷画像形成に使われるようになっている。
インクジェット印刷が、種々の媒体表面、とりわけ紙に画像を記録する方法として普及したのには幾つかの理由がある。それらは、印刷時の騒音が低いこと、高速記録できること、及び多彩な配色が可能であること等である。加えて、これらの利点が、使用者にとって比較的低コストで実現できることである。様々な改良がなされてきたインクジェット印刷ではあるが、これらの改良が進むに従って、消費者による諸要求、例えば、より高速度で印刷できること、より高分解能に印刷できること、フルカラー画像を形成できること、耐久性の高い画像を形成できること、等の要望も高まっている。インクジェット用インクを新規に開発する場合、インク性能を評価する際に考慮すべき幾つかの特性がある。当該特性としては、画像のエッジ尖鋭度と光学濃度、基材上でのインクの乾燥時間、基材へのインクの付着性、基材上でインク滴の偏りの無いこと、基材上に全ドットが存在すること、乾燥後の水及びその他の溶媒に対するインクの耐性、長期保管安定性、及び腐食又はノズル詰まりの無い長期信頼性等が挙げられる。これらの特性は、達成することが好ましい目標であるが、その全てを満足させることは困難である。しばしば、前記特性の1つを満足させるべく1つのインク成分を含有させると、別の特性が満たされなくなることがある。従って、インクジェットプリンタに使用されるほとんどの市販インクは、前記諸特性の全てにおいてまずまずの性能を得ようとする妥協のあとがみられる。
インクジェット用インクは、染料型あるいは顔料型の何れかに分けられる。染料型インクジェット用インクは、一般に水溶性の着色剤を用いる。結果として、染料型インクは、通常、耐水性に乏しい。これら染料型インクで形成された印刷画像は、周囲の光及び空気に曝されると、時間と共に変色、もしくは色あせ(退色)が起こり易い。媒体表面は、そこに形成された画像の退色耐性及び耐水性に重要な役割を担うことがあり、退色耐性及び耐水性の程度は、媒体表面の化学特性に大いに依存し得るものである。それ故、多くのインクジェット用インクは、多くの場合、良好な性能を得るために用途に応じて適切な媒体を必要とし、結果として、媒体の選択範囲を狭めることになる。顔料型インクの場合、色を生ずるのは、分散された着色剤粒子である。しばしば、顔料型インクで形成された画像の線質は、染料型インクのそれより優れている。顔料型インクで印刷画像を形成する際、固体着色剤粒子が印刷媒体表面に付着する。インクビヒクルが蒸発すると、着色剤粒子は、一般的には溶液に戻らず、従って、顔料型インクで形成された印刷画像は比較的耐水性が高い。加えて、顔料型インクは、染料型インクよりはるかに高い退色耐性を有する。このように、顔料型インクは、ある領域において優れた性能を示すのではあるが、一般的に、染料の方が色が濃く且つ信頼性のあるインクを与える。従って、染料型インクは、退色耐性がそれほど重要でない用途において、顔料型インクより高い頻度で用いられてきた。
インクジェット産業にとって、ハロゲン化銀の写真法と効果的に競合するためには、インクジェット印刷により形成された画像の退色耐性を向上させることが重要となる。換言すれば、写真品質のインクジェットインク技術が長期的な成功をおさめるには、画像の耐久性をさらに高めることが重要になってきた。加速試験及び「工業規格」の判定基準により、写真は、典型的には、蛍光灯の露光の下で約13〜22年間長期保存が可能である。今日では、約19〜30年という公表値を有するものさえ存在する。一方、最良の染料型インクジェットプリンターを用いても、同条件下では、短い寿命の印刷物しか生産できない。
写真用インクジェット媒体として、ポリマーコート媒体、クレーコート媒体、及び多孔性物質コート媒体といった数種類のものが現在利用できる。このうち、現在、最良の画像、例えば、上述の最長寿命の画像を作り出すのは、ポリマーを基本要素とした種類である。しかし、この種類の媒体は、一般的に多孔性物質コート媒体と比べてインク乾燥時間及び耐水性が劣っている。他方、多孔性物質コート媒体上の画像の退色耐性と湿度耐性は、ポリマーコート媒体のそれより一般的に低い。それ故、多孔性物質コート媒体、とりわけアルミナコーティングを施したコート媒体について、インクジェットインク画像の画像耐久性を高めたいという要望が多い。
そのため、本発明は、十分な画像耐久性、良好なインク吸収性、及びインクジェット印刷時の十分な耐インク凝集性をもたらす表面変性アルミナコーティングにより被覆されたインクジェット印刷媒体、及び該コート媒体基材とインクジェット用インクとのシステムを提供する。
本発明によれば、インクジェットインク印刷用のコート媒体基材は、媒体基材と、該媒体基材を被覆している多孔性コーティングとからなり、印刷は多孔性コーティング上になされる。前記多孔性コーティングは、酸化アルミニウム微粒子からなり、該酸化アルミニウム微粒子の表面水酸基には、ヒドロキシ酸、アミノ酸、第四級アミノ酸、炭素数1〜10の脂肪酸、及びそれらの組合せから成る群から選択される有機活性リガンドが共有結合又は吸着している。
また、耐久性の高いインクジェットインク画像を形成する本願のシステムは、ヒドロキシ酸、アミノ酸、第四級アミノ酸、炭素数1〜10の脂肪酸、及びそれらの組合せから成る群から選択される有機活性リガンドが共有結合又は吸着している表面水酸基を有する酸化アルミニウム微粒子からなる多孔性コーティングにより被覆されている媒体基材と、多孔性コーティング上に印刷されるように構成されており且つ前記活性リガンドに対し逆の電荷を有する染料を含有するインクジェット用インクとからなる。それによって、前記インクジェット用インクは、多孔性コーティングの有機活性リガンドと相互作用する。
本発明によれば、十分な画像耐久性、良好なインク吸収性、及びインクジェット印刷時の十分な耐インク凝集性をもたらすインクジェット印刷媒体、及びインクジェット用インクと該被覆媒体基材との系が提供される。
本発明を開示するにあたって、本発明は、本明細書に開示された特定の処理ステップ並びに材料に限定されるものではない。また、ここに用いられる用語は、特定の実施態様を専ら記述するだけの目的で用いられており、本発明の範囲はそれにより限定されるものではない。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使われる時、単数形は、その内容が別途明確に指示されない限り、複数形の意味を包含する。
「画像耐久性」とは、画像の長期保存性に関連するインクジェット印刷画像の特性を意味する。それら特性として、耐水性、耐湿性、耐光性、擦り汚れ耐性、大気汚染誘導型退色、引っかき傷及び摩損に対する耐性、及び微生物繁殖に対する耐性が挙げられる。
「媒体」、「媒体基材」、又は「基材」は、紙、オーバーヘッド投影機用プラスチックフィルム、被覆紙、織物、アート紙(例えば、水彩紙)等を含む、インクジェット印刷技術に使用し得る任意の媒体を指す。
「活性リガンド」とは、共有結合あるいは吸着によって、アルミナ微粒子と結合している全てのリガンドを含む。該活性リガンドは、未変性のアルミナ微粒子には備わっていない機能を、アルミナ微粒子の表面あるいはその近傍で発現させる。例えば、活性リガンドは、基材上にコーティングを施す際にバインダーの必要性を軽減するのに用いられたり、染料又はその他のインクジェット用インク組成物と相互作用して耐久性を改善するのに用いられる。
「反応基」とは、活性リガンドをアルミナに結合あるいは吸着させるのに用いることができる任意の基である。反応基は、任意の機能位置で活性リガンドに直接結合させるか、又は後述するスペーサー基を介して活性リガンドに結合させることができる。
「スペーサー基」とは、活性リガンドを反応基に相互接続させるか又は結合させる役割を担う、スペーサーとして用いることができる任意の有機鎖である。例えば、炭素数1〜10の直鎖あるいは分枝鎖を用いることができる。また、−(CHNH(C)O−、−(CHO(CH−、−(CHNH−(aは0〜3、bは1〜10)のような、多数の他のスペーサー基を用いることもできる。スペーサー基は、1つ以上の反応基、例えば、カルボキシ基(単数または複数)又はシラン基(単数または複数)によってアルミナへ結合させることができる。シランスペーサー基は、スペーサー基と結合している反応基の一例である。これらは一部の例にすぎず、本発明の実施態様に従って任意の機能的スペーサー基を用いることができる。
「アルミナ」とは、酸化アルミニウム微粒子の類を指す。本発明においては、好ましくは、ベーマイトのような表面水酸基を有する酸化アルミニウム微粒子を用いることができる。「ベーマイト」とは、構造[Al(O)(OH)](nは1〜2)を有する組成からなる。nが1のとき、その構造はAlO(OH)である。nが2のとき、その構造はAl・HOである。
「表面変性アルミナ」、「活性リガンド結合アルミナ」、又は「活性リガンド変性アルミナ」は、アルミナ微粒子あるいは顔料を構成要素として含む。アルミナ微粒子に関しては、活性リガンドが化学結合(直接的な結合あるいはスペーサー基を介する結合)または吸着によって結合できる表面水酸基をもった酸化アルミニウムを用いることができる。例えば、ベーマイトはカルボン酸との反応性が高く、従って、活性リガンドを含んでいるカルボン酸をベーマイト微粒子表面に化学結合させることができる。あるいは、活性リガンドは、シラン基を介してアルミナ表面に結合させることもできる。これら直接結合又は有機シラン基を介した結合のいずれにおいても、スペーサー基をアルミナ表面と活性リガンド間に存在させることができる。
本発明では、インクジェットインク印刷用のコート媒体基材は、多孔性コーティングにより被覆されている媒体基材からなる。多孔性コーティングは、表面水酸基を有する酸化アルミニウム微粒子からなり、酸化アルミニウム微粒子は、化学結合あるいは吸着によって有機活性リガンドにより修飾されている。
耐久性の高いインクジェットインク画像を形成するコート媒体基材とインクジェット用インクとのシステムは、活性リガンド変性アルミナから構成される多孔性コーティングによって被覆されている媒体基材と、多孔性コーティング上へ印刷すると活性リガンド変性アルミナ微粒子の活性リガンド部分と相互作用するように選択された組成物を含有するインクジェット用インクからなる。また、アルミナ微粒子は、好ましくは、表面水酸基を有する酸化アルミニウム微粒子である。
本発明において、表面水酸基を有する酸化アルミニウムとして、ベーマイトを用いることができる。さらに、有機活性リガンドは、染料又は他のインクジェット用インク成分と相互作用するように選択することができる。例えば、陰イオン性の染料分子が存在するなら、陽イオン性の活性リガンドを用いることができる。
本発明において、酸化アルミニウムは、共有結合あるいは吸着によって、活性リガンドにより修飾される。共有結合に関しては、直接結合あるいは有機シラン基を介した結合を利用することができる。直接結合又は有機シラン基を介した結合のいずれにおいても、スペーサー基が存在してよい。一態様として、有機活性リガンドは、シラン基、及び任意のスペーサー基を介して酸化アルミニウム微粒子へ結合させることができる。また、有機活性リガンドは、カルボン酸であってもよい。この場合、カルボキシ基と酸化アルミニウムの表面水酸基の少なくとも1つとの反応生成物を介して、有機活性リガンドを酸化アルミニウム微粒子へ結合させることができる。吸着に関しては、活性リガンドを酸化アルミニウム微粒子の表面上へ付着させることができ、これによりコーティング処理中に活性リガンドが非常に安定となる。
本発明が提供するシステムにおいて、インクジェット用インクは、活性リガンド変性アルミナ微粒子のアルミナ微粒子部分と物理的に相互作用するように選択することができる。あるいは、活性リガンドに対して逆の電荷を有する染料のような成分をインクジェット用インクに含有させることができる。
アルミナ微粒子又は顔料は、多孔性無機物質媒体用のコーティング調合物の構成要素として用いられてきた。しかし、そのようなコーティングは、しばしば、コーティング成分同士を接着させるバインダー成分を加える必要があった。ベーマイト微粒子同士を結合させるバインダーとしては、エマルジョン高分子も用いることができるが、典型的にはポリビニルアルコールが用いられる。活性リガンド分子によるベーマイトの表面修飾によって、これらバインダーの使用量を大幅に削減できることが確認されている。即ち、本発明の表面修飾アルミナは、バインダーあるいはそれと同じ機能を有する成分をアルミナ表面へ付着させることで、バインダー成分の結合効果を最大限に引き出す。その結果、過剰量又は大量のバインダーを添加せずとも、ベーマイト微粒子同士を結合させることができる。バインダー使用量が少ないことが望ましいとされる理由は、コーティング中のバインダーが多すぎると、その上に形成される印刷画像の品質を落とすことがあるからである。また、コーティング中におけるバインダーの量が多すぎると、コーティング材料の粘度が高くなり、コーティング処理の作業性が低下するからである。
上記以外の目的で、活性リガンドをアルミナ微粒子又は顔料の表面へ結合あるいは吸着させてもよい。例えば、活性リガンドをアルミナ表面へ結合あるいは吸着させることで、印刷時に、活性リガンドがインクジェット用インクとアルミナ表面との間に相互作用を発現させる。相互作用の一態様として、活性リガンド変性アルミナ微粒子を含有するコーティング調合物で被覆された基材上では、染料の定着性がより高まり、より正確な印刷をもたらすことができる。詳細な例を挙げると、アミンがベーマイト微粒子に結合あるいは吸着している場合、アミンの存在によって、多くのインクジェット用インクに含まれるスルホン酸染料又はカルボン酸染料が誘引され、その結果、基材上でのインク定着性が高まるのである。
アルミナ表面に結合あるいは吸着している活性リガンド分子が、アルミナ微粒子の固定性向上のために機能する場合でも、染料と相互作用するために機能する場合でも、又はその両方の機能を示す場合でも、アルミナ微粒子の表面水酸基と反応させることによって活性リガンド分子はアルミナ微粒子に結合あるいは吸着される。例えば、リガンド分子がカルボキシ基を有する場合、ベーマイト微粒子の水酸基と反応することができる。あるいは、シラン基、任意のスペーサー基を介して活性リガンドをアルミナ表面へ結合させることができる。
活性リガンド分子をアルミナ微粒子又は顔料の表面へ結合あるいは吸着させることにより、基材コーティング特性ならびに画像形成インクジェット用インクの諸性能を向上させることができる。ベーマイトを例として考えると、ベーマイト表面は、一般に、極性を帯びている。従って、有機分子をその表面へ結合あるいは吸着させることで、表面の極性が弱まり、即ち低極性になる。これが、コーティング成分としての適用に際して良好な諸特性をもたらすのである。すなわち、有機表面が多いほどベーマイト微粒子の接着性が改善し、ベーマイトとバインダー間の結合性が向上するのである。また、結合あるいは吸着している活性リガンドはベーマイトを完全には被覆していないので、ベーマイト表面の正電荷特性は維持され、ベーマイト粒子と陰イオン性染料との間の静電的引力は保たれる。詳しくは、ベーマイト微粒子は、一般に多数の細孔を有しており、正電荷特性を示すそれら細孔の表面は活性リガンドによって完全に被覆されていないので、ベーマイト微粒子は、依然として、その細孔の中へ陰イオン性インク成分を誘引することができるのである。さらに、ベーマイト上の無機系陽イオンを、諸特性の改善された有機系陽イオンと置換することもできる。
本発明のその他の利点は、表面変性自体によって実現される。例えば、ベーマイトのようなアルミナ微粒子を表面変性することにより、それら微粒子の等電点を制御することができる。換言すれば、活性リガンドの種類を変えることで、アルミナ微粒子を所望のpH環境下で機能するようにその表面特性を制御することができるのである。活性リガンドでベーマイトの表面を修飾することにより、ベーマイトのイオン交換特性及び/又は染料定着特性を保持しつつ、所望の表面電荷と染料定着性をもつように制御できる。一態様として、活性リガンドとして、染料、イオン交換部分、染料定着部分と反応するリガンド、ベーマイトの特性を変える他の添加物を結合させるためのリガンド(UV吸収/防護分子、架橋結合剤等)を用いることができる。架橋結合剤が活性リガンドとして用いられる場合、その架橋結合は、ベーマイト変性部分と架橋結合樹脂との間で生じて、濡れ及び乾燥下での物理的耐久性、及び耐水性が改善される。
さらに本発明の利点として、媒体コーティング調合物の構成要素として所望の活性リガンドを選択できることが挙げられる。そのような媒体コーティング調合物内で、活性リガンドはアルミナ微粒子の表面あるいはその近傍に存在する。そのようなコーティング調合物を用いることにより、活性リガンドはインクジェット用インクの構成要素である染料に密接して存在することができる。さらに、活性リガンドがアルミナの表面あるいはその近傍に存在するため、所望の特性を達成するのに必要な活性リガンド化合物の量は、比較的少量でよい。
媒体基材への表面変性アルミナコーティングの適用は、エアナイフコート機、ブレードコート機、ゲートロールコート機、ドクターブレード、マイヤーロッド、ローラー、逆ローラー、凹版コート機、ブラシ塗布機、噴霧器、スロットコート機等の、当分野で周知の方法のいずれかによって実行することができる。さらに、コーティングの乾燥は、熱風対流、マイクロ波、赤外加熱、又は外気乾燥のような従来法によって行うことができる。典型的なコーティング用基材として、フィルム、紙、及び写真用媒体が挙げられる。
本発明に従って紙又はその他の基材が被覆された後、コーティング成分である活性リガンド結合ベーマイトに対し適切な結合性を有する染料を選択することができる。あるいは、使用されるインクジェット用インク又は染料を確認した後で、コーティング組成を選択することができる。
以下の予備実施例を用いて、アルミナ微粒子の表面変性に関する原理の概略を説明する。詳細には、コロイド状ベーマイト水溶液を、アルキル−カルボキシ基(化1中のRCOOH、活性リガンド分子はアルキル(R−)部分に位置する)の存在下、pH3〜4において5〜24時間にわたり煮沸/還流することでベーマイトの表面変性をおこなう。なお、これは単に1つの例示にすぎない。
活性リガンドのアルミナ微粒子への結合の態様が、上記手段によるか、又はその他の手段によるかを問わず、活性リガンドは、プロピオン酸又は乳酸のようなカルボン酸、アミノ酸(例えば、グリシン又はリシン)のようなアミン、フェノールのようなアルコール、ヒドロキシ酢酸のようなカルボキシアルコール、ベタインのような第四級アミノ酸、又はそれらの組合せからなる群から選択できる。また、シランスペーサー基によりアルミナ粒子に結合される活性リガンドも使用可能である。例えば、上記の活性リガンドは、シラン含有スペーサー基によりアルミナ粒子に結合させてもよい。シラン含有スペーサー基によりアルミナ微粒子に結合する活性リガンドのその他の例として、N−トリメトキシシリルプロピルN,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(TMAPS)、3−メタクリルオキシプロピル(トリメトキシ)シラン(MAPS)、又はグリシジルプロポキシシラン(GPS)が挙げられる。これらTMAPS、MAPS、GPSは、単に例示にすぎず、その他数多くの活性リガンドを用いることができる。スペーサー基の長さは重要でないので、炭素数1〜10の他のスペーサー基を代わりに用いてもよい。活性リガンドの種類、シランスペーサー基の有無(鎖長の長短)、及び活性リガンドの結合方法を変更することにより、等電点及び染料吸収特性を制御することができる。
pH範囲が2〜3及び4〜4.5においてもアルミナ微粒子への活性リガンド修飾反応は起こるが遅いため、3〜4のpH範囲で行うことが好ましい。カルボン酸のベーマイトに対する比及びpH値によって、反応の程度が左右される。カルボン酸濃度が低い場合、即ち、ベーマイト固形物に対して活性リガンド分子の重量濃度が0.5〜1wt%の場合、少量の可溶性部分(アルモキサンを生成する)の生成を伴うベーマイトの表面変性が起こる。カルボン酸濃度が高い場合、即ち、ベーマイト固形物に対してグリシンまたはベタイン濃度が50wt%までと比較的高い場合には、可溶性部分の収量が向上し、固形ベーマイトの可溶性小分子アルモキサン構造への明らかな転換が起こる。
表面変性アルミナを利用する紙のコーティング調合物は、アルミナが最初に化学的に変性されることを除けば、インク吸収性を高めるために通常用いられるアルミナコーティング調合物と同じである。第四級アミノ酸は、それが単に混ぜ合わされるときと比較して、はるかに低濃度でアルミナへ付着されるが、同等のあるいはより優れた耐水性及び濡れ汚れ耐性を実現することができる。強力な塩基により達成されるコロイド状アルミナ微粒子の分散安定性(例えば、第四級アミノ酸であるベタインの表面変性によって得られる)は、インク吸収性を高めるために通常用いられている未変性アルミナコーティング調合物と同等の粘度を保ちつつ、コーティング調合物中のアルミナ微粒子の高密度化を実現できる。
活性リガンドを含んでいるカルボン酸をベーマイト表面へ結合させるベーマイト表面の変性法の概要を数例以下に示す。
化1において、Rは、カルボキシ基(−COOH)が結合している任意の有機鎖を用いることができる。RCOOHとして、例えば、脂肪酸、ヒドロキシ酸、アミノ酸、又は第四級アミノ酸が挙げられる。
ベーマイト表面に活性リガンドを結合させるのに有機シラン変性剤を使用する場合の変性法の概要を数例以下に示す。例えば、3−アミノ−プロピル−トリエトキシシラン[−HNCHCHCHSi(OCHCH]、クロロ−N,N,N−トリメチルアンモニウム−プロピル−トリメトキシシラン[−Cl(CHCHCHCHSi(OCH]、及び3−グリシドキシ−プロピル−トリメトキシシラン[3−グリシドキシ−CHCHCHSi(OCH]が、有機シラン変性剤として用いることができる。下に概略を示すように、ベーマイト表面への直接反応(化2)、シラン縮合反応(化3及び化4)、及び/又は粒子架橋反応(化5)によってシラン基をベーマイト表面へ結合させることができる。
上式において、Xは、活性リガンドであるか、又は活性リガンドと反応する任意の基であってよい。例えば、Xが反応基である場合、Xは、−3−アミノ−、クロロ−N,N,N−トリメチルアンモニウム、又は3−グリシドキシ−を用いることができる。Xが活性リガンドである場合には、Xは、脂肪酸、ヒドロキシ酸、アミノ酸、又は第四級アミノ酸を用いることができる。実施例2〜5に示した態様においては、任意のスペーサー基としてプロピル基を用いている。しかし、適用する場合に、分岐鎖あるいは直鎖状の炭素数1〜10の他のスペーサー基を用いてもよい。その他のスペーサー基として、−(CHNH(C)O−、−(CHO(CH−、又は−(CHNH−(aは0〜3、bは1〜10)が挙げられる。スペーサー基は、アルミナ微粒子と活性リガンドの間に距離と屈曲性を与える機能を有する。
アルミナ微粒子の表面変性にカルボキシ基を用いる場合、あるいは有機シラン基を用いる場合のいずれかの実施形態に関しては、使用できる活性リガンドは典型的に同じものである。幾つかあげれば、脂肪酸、ヒドロキシ酸、アミノ酸、又は第四級アミノ酸を用いることができる。脂肪酸の例として、プロピオン酸、乳酸、及び酢酸が挙げられる。ヒドロキシ酸の例として、ヒドロキシ酢酸とヒドロキシ酪酸が挙げられる。アミノ酸の例として、グリシン、アラニン、及びリシンがある。第四級アミノ酸の例として、ベタインが挙げられる。
本発明によるコーティングを媒体基材に適用することによりいくつかの利点が生まれる。例えば、アミン基が活性リガンドとして用いられる場合(アミン類は、典型的には、低pH下で正に帯電)、陰イオン性の染料は、コーティングに引き付けられる。アルミナ自体も陰イオン性染料に対して幾らかの引力を有するとはいえ、正に帯電している活性リガンドを使用すれば、その引力をより強くすることができる。さらに、様々な活性リガンドの働きにより、画像の安定化という利点を実現することができる。例えば、腐食性ガスであるオゾンの不活性化に効果を示す活性リガンドを採用することで、印刷画像の耐久性向上につながる。
これらの利点に加えて、アルミナは無機物質であるので、一般には、アルミナ自体によってコーティングにファンデルワールスの相互作用をもたらすことはない。しかし、その表面に有機活性リガンドを結合あるいは吸着させることで、十分なファンデルワールスの相互作用を実現することができる。さらに、活性リガンドをアルミナ表面から突出するように結合あるいは吸着させることによって、正に帯電した部分のより大きい配向自由度を実現することができる。これは、スペーサー基が存在するときに、特に効果が大きい。
以下の実施例は、インクジェットインク媒体基材用の多孔性コーティングの種々の態様を説明するものである。以下の実施例は、本発明を限定するものではなく、最良のコーティングの形成方法を単に教示するものにすぎない。
実施例1
グリシン及びベタインで変性されたベーマイトの調製
ベーマイト(Dispal 9N6−80)約50gを、0.5wt%の第四級グリシン(第四級アンモニウム化合物を作るべく低pH系でたんぱく質化されたもの)と0.5wt%のベタインを使って、沸騰水中、pH3.5〜4.0(稀釈HNOで調整)で48時間加熱し、変性させた。不溶部分を遠心分離で除き、脱イオン水で2回洗浄した。ニンヒドリン試薬を使った検査では、二回目の洗浄の上澄み液中に遊離グリシンは検出されなかったが、変性されたベーマイトでは、ニンヒドリン変色、熱質量分析(TGA)で5%の質量損失を示し、結合カルボキシ基の存在を示す1635及び1407cm−1の赤外線吸収バンドも確認された。
実施例2
グリシンで変性されたベーマイトの調製
ベーマイト(Capapal 200)約3.6gと、グリシン3.0gを40mlの脱イオン水に加えた。その組成物を磁気撹拌しつつ、90℃で約48時間加熱した。その系は、全工程中、低粘度を示した。加熱後、生成物を冷却した後、20.0gの生成物懸濁液を5000NMWLのフィルター膜を通してろ過し、脱イオン水を使って、ろ紙上の不溶性固形分を完全に洗浄した。ろ液中の不溶性固形分と可溶性物質をオーブン中で乾燥した。不溶性固形分約1.55gと可溶性物質1.37gを得た。
実施例3
ベタインで変性されたベーマイトの調製
ベーマイト(Capapal B)約3.6gと、ベタイン3.51gを40mlの脱イオン水に加え、機械的撹拌及び還流を68.5時間実施した。その系は、高温で高い粘度を示したが、室温では低粘度を示した。反応を終了し冷却した後、生成物懸濁液20.0gを5000NMWLのフィルター膜を通してろ過し、脱イオン水を使って、ろ紙上の不溶性固形物を完全に洗浄した。ろ液中の不溶性固形物と可溶性物質をオーブン中で乾燥した。不溶性固形物1.26gと可溶性物質1.52gを得た。
実施例4
乳酸で変性されたベーマイトの調製
ベーマイト(Capapal B)約3.6gと、乳酸(85%)4.24g(40mmol)を40mlの脱イオン水に加え、磁気撹拌し、その懸濁液を24時間還流した。反応中、pHは、2.08(反応前、室温)から3.50(反応後、室温)まで上昇した。pHが変化したとき、ベーマイトの分散性が改善することが観察された。約20gの生成物懸濁液を5000NMWLのフィルター膜を通してろ過し、脱イオン水を使って、ろ紙上の不溶性固形物を洗浄した。残留している不溶性固形物と可溶性物質をオーブン中で乾燥した。ろ液の蒸発後、不溶性固形物約0.92gと可溶性物質1.48gを得た。生成物は、極めて乾燥した固形物であって、即ち、液体の乳酸は確認されなかった。酸に対するベーマイト比は、重量比で1:0.84であった。
実施例5
ヒドロキシ酢酸で変性されたベーマイトの調製
ベーマイト(Capapal B)約3.6g(60mmol)と、ヒドロキシ酢酸(70%)4.34g(40mmol)を50mlの脱イオン水に加えた。その懸濁液を機械的に撹拌し、85〜90℃で72時間加熱した。反応中、pHは、2.14(反応前、室温)から3.22(反応後、室温)まで上昇し、ベーマイトの分散性の改善が観察された。生成物懸濁液約20gを5000NMWLのフィルター膜を通してろ過し、脱イオン水を使って、ろ紙上の不溶性固形物を洗浄した。ろ液中に残留している不溶性固形物と可溶性物質をオーブン中で乾燥した。ろ液の蒸発後、不溶性固形物約0.6gと可溶性物質0.75gを得た。蒸発後、ろ液から分離された不溶性固形物は、極めて乾燥しており且つ粘着性は示さなかった。ベーマイトの酸に対する質量比は、1:0.74であった。
実施例6
プロピオン酸で変性されたベーマイトの調製
ベーマイト(Capapal B)約25g(417mmol)と、プロピオン酸2.50g(33.8mmol)を72.5mlの脱イオン水に加えた。機械的に撹拌し、その懸濁液を85〜90℃で48時間加熱した(系は、還流時は非常に粘性があるので、他の実施例に比べてより多くの脱イオン水を加えより低い反応温度を設定)。反応中、4.2以下という初期のpHに、顕著な変化はみられなかったが、ベーマイトの分散性は、反応の進行とともに改善された。反応生成物は粘性があり且つ不透明であった。生成物懸濁液約10.0gを5000NMWLのフィルター膜を通してろ過し、ろ紙上の不溶性固形物を脱イオン水を使って洗浄した。ろ液中の不溶性固形物と可溶性物質をオーブン中で乾燥した。ろ液の乾燥後、不溶性固形物約1.7gと極めて少量の可溶性物質を得た。
実施例7
リシンで変性されたベーマイトの調製
ベーマイト(Dispal 99N−80)約3.6g及びリシン塩酸塩7.12gを60mlの脱イオン水に加え、その懸濁液のpHを硝酸を使って4.0に調整した。90℃で72時間磁気撹拌した。懸濁液系は、温度上昇につれてますます粘性が高くなったが、24時間の反応後はその粘度は減少した。冷却後、生成物懸濁液約20gを5000NMWLのフィルター膜を通してろ過し、ろ紙上の不溶性固形物を脱イオン水を使って洗浄した。ろ液中の不溶性固形物と可溶性物質をオーブン中で乾燥した。ろ液の乾燥後、不溶性固形物約0.92gと可溶性物質1.91gを得た。原料において、ベーマイトのリシン塩酸塩に対する質量比は、1:1.98であった。
参照例8
TMAPAで変性されたベーマイトの調製
ベーマイトの6サンプルを、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(TMAPA)中に分散して反応させ、還流するメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶かした。反応後の生成物をろ過又は遠心分離によって分離し、オーブン中で110℃1時間ベーキング後、未洗浄のままあるいは水で洗浄したものを分析し、反応の進行度を分析した(表1参照)。ここで、水洗処理は、過剰なTMAPSを除去するのに使用した。結合部分の可燃部分(炭素−、窒素部分)の質量を直接評価するために、熱質量損失を検討した。それとは別に、TGA分析中の各温度でのサンプルに対して赤外線吸収分光法により赤外線吸収バンドを測定することで、TGAで示される質量損失を赤外線吸収分光法により測定された官能基損失、即ちTMAPSの吸光度損失と相関させた。その結果、ベーマイトに対して比較的低比率のTMAPSを用いたサンプル及び水で洗浄したサンプルに関しては、結合部分がそれほど存在しないため、質量損失は比較的少なかった。水洗処理を施していないサンプルに関しては、TGAによって測定された質量損失は、TMAPS対ベーマイト比が高くなるにつれて増大した。しかしながら、水洗処理を施したサンプルに関しては、その質量損失は、TMAPS対ベーマイト比が8wt%以上のサンプルでは一定になった。したがって、TMAPS対ベーマイト比約8wt%が、ベーマイト表面に対するTMAPS分子の化学量論比であることが確認された。
表面変性の進行度、即ち有機シラン層の厚さは、TMAPSについては0〜8wt%の範囲にわたって、又は別の有機シラン剤に関してはその化学量論比の範囲内で、変えることができる。従って、ベーマイトの全表面部位(即ち、≡Al−OH)がクロロ−トリメチルアンモニウムプロピル(トリメトキシ)シランによって占められるまでの範囲において、ベーマイトに付加する表面反応基の量を制御することができる。
参照例9
TMAPAで変性されたベーマイトのXPS分析
水洗したTMAPS変性ベーマイトを、X線光電子分光(XPS)を用いて、その表面組成を測定した(表2参照)。その結果、TMAPS対ベーマイト比が8wt%までの範囲では、TMAPS対ベーマイト比が高くなるにつれて、表面での炭素、窒素、及び塩素の割合が増大すること、アルミニウムと酸素の含量が減少することが確認された。
参照例10
種々の溶媒を使用するTMAPA変性ベーマイトの調製
40mlの種々の溶媒(アセトン、MEK又はMIBK)中に、ベーマイト10gをTMAPS1gと分散させ、2時間還流させることにより、ベーマイトの表面変性を実施した。次に、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を蒸発させ、オーブン中で0.5〜1時間の間105℃で加熱乾燥させ、シランを加熱固定した。乾燥したサンプルを2回水洗し再分散させ5000NMWLの限外ろ過にかけるか、又はエタノールで2回洗浄し再分散させ、デカンテーションした。洗浄したサンプルをオーブン中で乾燥させ、TGA質量損失値により有機組成を分析した(表3参照)。
表3は、種々の溶媒を用いて調製したTMAPS変性ベーマイトの、150℃〜730℃の温度範囲でのTGA質量損失を示すものである。その結果、比較的高い沸点を示す溶媒を用いて調製した表面変性ベーマイトは、優れた溶媒(水又はエタノール)安定性を示した。反応時間を延長することでも溶媒安定性が改善した。さらに、表面変性の進行度は、溶媒の沸点あるいは表面変性還流処理中の温度と反応時間の長さの関数であることが見出された。溶媒の沸点を高め且つ反応時間をより長くすることで、表面変性の進行(TGA質量損失法にて測定)が促進された。
参照例11
TMAPA変性ベーマイトの表面結合層の水安定性
8wt%TMAPA変性ベーマイトのサンプルを、水又はエタノール浸漬することで、表面変性物の水安定性を検討した。
表4は、室温水あるいは沸騰水に所定の時間浸漬させた場合の、TMAPS表面変性ベーマイト(溶媒にMIBKを用いたもの)のTGA質量損失値である。表に示さないが、未変性ベーマイトに関しては、室温水および沸騰水の両方に対して15.5%という同じ値を示した。TMAPS表面変性ベーマイトに関しては、沸騰水に浸漬することで、多くの表面変性物が除去されることがわかった。
その他のシラン類、例えば、アクリル、メタクリル(アルケン)、アルキン、エポキシ(グリシジル)、芳香族アルコール類、チオール、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩、リン酸塩又はリン酸エステルも、印刷画像の耐水性向上あるいは付加バインダーの使用量低減を促進するために用いることができる。適用される印刷用インク組成物あるいは付加バインダーの種類応じて、それらは選択される。
参照例12
MAPS変性ベーマイトの調製
ベーマイト10gを溶媒中でTMAPS1gと分散させ、室温で一日間撹拌することにより、3−メタクリルオキシプロピル(トリメトキシ)シラン(MAPS)によるベーマイトの表面変性を実施した。表面変性後、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を蒸発させ、オーブン中で0.5〜1時間105℃で加熱乾燥させ、シランを加熱固定させた。次に、エタノールで2回洗浄し、再度オーブン中で乾燥させた。このとき、溶媒の効果を、エタノールと水からなる様々な組成の溶媒を用いて検討した(表5参照)が、顕著な溶媒の効果は、観察されず、ただ、MAPSが40%以上の水性エタノールに溶解性を示すことがわかった。TMAPS、3−アミノ−プロピル(トリエトキシ)シラン、およびその他の極性シラン類とベーマイトとの水性反応に関しては、表面結合(変性)量の減少が確認された。比較のため、未変性ベーマイトのTGA質量損失は15.51%であった。
参照例13
グリシジルプロポキシシラン(GPS)で変性されたベーマイトの調製
ベーマイトをエタノール中へ分散させ、次いで、GPSを滴状で添加することによりベーマイト(Dispal 14N4−80)の表面変性を実施した。その系を、室温で、約10分間撹拌し、遠心分離した後、真空オーブン(60℃未満)で一晩乾燥させた。次に、110℃で加熱してシラン結合剤をベーマイトの表面上へ固定した。得られた乾燥粉体を10倍量のエタノールで2回洗浄し、再度、110℃のオーブンで加熱した。150〜730℃の範囲のTGA質量損失値を、エタノール洗浄の前後で測定した(表6参照)。エタノール洗浄前後のGPS修飾ベーマイトの質量損失値を比較すると、洗浄後のサンプルは、遊離及びオリゴマーGPSが除去されるため、未洗浄サンプルより有機物の含量が少なかった。従って、GPSによるベーマイトの表面変性はエタノール中で行い、続いてエタノールで洗浄した。べーマイト表面は、8wt%近くのGPS対ベーマイト比でほぼ完全にGPSによって占められることを確認した。
実施例14
グリシン及びベタインで変性されたベーマイトの調製
グリシン及びベタインで変性されたベーマイトのサンプルは、実施例1(重量で0.5%/0.5%グリシン/ベタイン)と同様に調製した。さらに、活性リガンドがグリシンのみ(1wt%グリシン)であることを除けば、実施例1において記述したものに類似の組成を有するサンプルも調製した。コーティング顔料を水に分散させ固体全体が約14wt%になるように12wt%のAirvol 523(ポリビニルアルコール)と混合した。その溶液を使って樹脂コート紙を被覆し、次いで、乾燥した。サンプルをDeskJet 970Cプリンタで印刷し、水滴試験(表7)、高湿度での色にじみ試験(表8)、印刷画像上のファン送風によるガス退色試験(表9)、及び白色蛍光電球を使用する60キロルクスでの光退色試験(表10)を行った。未変性ベーマイトと比較した結果を、表7〜10に示す。
グリシンで変性されたベーマイトは、ブラック色の耐水性、イエロー色のガス退色耐性、及び基材全体の光退色耐性の向上が確認された。グリシン及びベタインで変性されたベーマイトに関しては、未変性サンプルに比較してマゼンタ色の耐水性、基材全体の耐湿性、イエロー色のガス退色耐性、及び基材全体の光退色耐性の向上が確認された。
特定の好ましい実施態様を用いて本発明を説明してきたが、実施態様に関する様々な修正、変更、省略、及び置換が、本発明の趣旨から逸脱することなく成し得る。それ故、本発明は添付の請求の範囲によってのみ限定されるものとする。

Claims (7)

  1. インクジェットインク印刷用のコート媒体基材であって、
    (a)媒体基材と、
    (b)該媒体基材を被覆している多孔性コーティングと、
    からなり、
    前記多孔性コーティングが、ヒドロキシ酸、アミノ酸、第四級アミノ酸、炭素数1〜10の脂肪酸、及びそれらの組合せから成る群から選択される有機活性リガンドが共有結合又は吸着している表面水酸基を有する酸化アルミニウム微粒子からなるコート媒体基材。
  2. 表面水酸基を有する前記酸化アルミニウム微粒子が、ベーマイトである請求項1に記載のコート媒体基材。
  3. 前記有機活性リガンドが、陰イオン染料分子と相互作用するように、正に帯電している、請求項1に記載のコート媒体基材。
  4. 前記媒体基材が、フィルム、紙、及び写真用媒体から成る群から選択されている請求項1に記載のコート媒体基材。
  5. 前記有機活性リガンドがカルボキシ基を含み、且つ前記有機活性リガンドが、前記カルボキシ基と前記酸化アルミニウム微粒子表面の少なくとも1つの水酸基との反応性生成物を介して、前記酸化アルミニウム微粒子と結合している請求項1に記載のコート媒体基材。
  6. a)請求項1〜5の何れか1項に記載のコート媒体基材と、
    (b)前記コート媒体基材の多孔性コーティング上に印刷されるように形成されており且つ前記コート媒体基材に含まれる前記有機活性リガンドに対して逆の電荷を有する染料を含むインクジェット用インクと、
    を含む、システム。
  7. 前記インクジェット用インクが、有機活性リガンドで変性されている酸化アルミニウム微粒子の酸化アルミニウム微粒子とファンデルワールス相互作用により相互作用している請求項6に記載のシステム。
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