JP3939645B2 - 複式ピストン表面を有するアクチュエータ - Google Patents

複式ピストン表面を有するアクチュエータ Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、一定のシリンダ直径及び加圧流体の一定の圧力に対して一層大きな出力力を提供するために単一のシリンダ内に複数のピストン表面を有する加圧流体で作動するピストン/シリンダ形式のリニアアクチュエータに関する。特に、本発明は小型寸法で、増大した作動力のための及び第1の方向へのピストンの運動のための2つの軸方向で離間した圧力表面と、第1の方向とは反対の第2の方向へピストンを移動させるための付加的な単一の圧力表面とを有する単一の可動ピストンを含む加圧流体で作動するアクチュエータに関する。
【0002】
【背景技術】
シリンダ内で運動できるピストンを組み込んだ加圧流体で作動するリニアアクチュエータは当業界で周知であり、装置を作動させ又は素子の組み合わせの1又はそれ以上の部材を移動させるのに十分な力を提供することを含む多くの異なる目的に使用される。一般に、このようなアクチュエータにより提供される出力力はアクチュエータを作動させるために利用される流体の圧力を増大させるか又はピストンの表面積を増大させることにより増大させることができるが、これはまた、ピストンを収容するシリンダの直径の増大を必要とする。しかし、たまに、アクチュエータを位置させねばならない利用できる空間は極めて限られ、しばしば、利用できる空間はシリンダの直径の増大を許容するには十分でない。更に、またある時には、加圧流体の利用できる圧力は一定の直径を有するアクチュエータから所望の出力力を提供するのに不十分なことがある。それ故、小さなアクチュエータが一層大きな直径のアクチュエータの出力力を提供できるようなアクチュエータ構造を提供できるようにすること又は一層低い圧力での加圧流体を供給したときに同じ又は一層大きな出力力を提供できるようにすることが望ましい。
【0003】
上述の問題に答えるために多数のアクチュエータ構造が工夫されてきた。例えば、1974年4月29日に発行された「補助出力を含む空気装置」という名称の米国特許第3,880,051号明細書には、各々の室内に別個で独立のピストンが摺動自在に設けられている二重室シリンダが開示されている。一方のピストンのピストンロッドは隣接する室内へ延び、一方のピストンのヘッド端部での流体圧力が第2のピストンのヘッド端部に連通できるようにするために、ピストン及びピストンロッドを通る軸方向の通路を含み、一方、第1のピストンのピストンロッドが第2のピストンのヘッドに接触する。その結果、第2のピストンのピストンロッドの出力力は、シリンダの直径又は作動流体の圧力のいずれかを増大させることなく、倍増される。
【0004】
別の形の二重室リニアアクチュエータは1973年8月14日に発行された「流体作動工具のための多重ピストンパワーパックユニット」という名称の米国特許第3,752,040号明細書に開示されている。この参考文献は、物理的に相互接続された2つの軸方向で離間したピストンが単一のシリンダ内のそれぞれの室内に摺動自在に担持されているような力倍増アクチュエータ構造を示している。アクチュエータのシリンダは固定の内部分割壁により2つの室に分割され、一方の室のヘッド端部からの加圧流体はそれぞれのピストンを組み込んだ接続部材を貫通する軸方向に延びる通路により隣接する室のヘッド端部に連通する。
【0005】
付加的な形式の多重室リニアアクチュエータは1993年3月9日に発行された「低衝撃空気シリンダ」という名称の米国特許第5,191,825号明細書及び1996年1月16日に発行された「流体シリンダ」という名称の米国特許第5,483,796号明細書に開示されている。これらの特許の各々においては、3つの同軸のピストンが単一の外側シリンダ内に設けられて、増大した出力力を提供する。上記米国特許第5,191,825号においては、ピストンのうちの2つが相互接続され、各ピストンが別個に室内に担持される。2つの相互接続されたピストンの一方は第3のピストン内に摺動自在に収容される。上記米国特許第5,483,796号明細書に開示された構造においては、3つのピストンが固定の内側分割壁を含まないシリンダ内で同心的に位置する。
【0006】
更なる形の多重室リニアアクチュエータは1994年11月29日に発行された「射出成形のための多重ピン閉鎖ノズル組立体」という名称の米国特許第5,368,470号明細書、1994年12月27日に発行された「ピストン駆動ピン閉鎖ノズル組立体」という名称の米国特許第5,375,994号明細書、及び、1992年11月11日に公開された「射出成形のためのモールド装置」という名称の特許公開第4−320820号公報に示されている。これらの参考文献においては、加圧流体シリンダが2つの圧力室(米国特許第5,375,994号明細書では3つの室)に分割され、各室内には、個々のピストンにより提供される出力力を組み合わせることによりアクチュエータの出力力を倍増させるそれぞれの駆動ピストンが位置する。
【0007】
従来技術は加圧流体で作動するアクチュエータからの増大した出力力を提供するための種々の構造を開示するが、上述の参考文献の各々に示された構造はアクチュエータの軸方向の長さの顕著な増大又はアクチュエータシリンダの直径の顕著な増大を必要とするか、または、多くの内部部品を有する複雑な構造を包含する。その結果、開示された構造は狭い空間内での限られた応用性しか有しない。
【0008】
【発明の開示】
簡単に述べると、本発明の1つの態様によれば、アクチュエータが提供され、このアクチュエータは内側の円筒状表面を画定し、長手方向の軸線を有する管状の外側シリンダを含む。ピストンは一緒に運動するように外側シリンダ内で摺動自在に担持され、それに取り付けたロッドを有し、ロッドは外側シリンダに関して軸方向へピストンから延びる。ピストンは外側シリンダをヘッド端室と、ヘッド端室から軸方向に離れたロッド端室とに分割する。ピストンはまた内側円筒空間を有する。
【0009】
分割壁はピストン内で外側シリンダに関して固定の軸方向で内側円筒状空間を横切って横断方向に延び、内側円筒状空間を第1の内側室と第2の内側室とに分割する。第1の流体導管は外側シリンダのヘッド端室及び第1の内側室に流体連通し、外側シリンダに関して第1の軸方向へピストン及びロッドを移動させて、加圧流体が第1の流体導管へ導入されたときにロッドの伸長行程を提供するように外側シリンダに関して外方向へロッドを移動させる。
【0010】
第2の流体導管は第2の内側室に流体連通し、外側シリンダに関して第1の軸方向とは反対の第2の軸方向へピストン及びロッドを移動させて、外側シリンダに関して内方向へロッドを移動させ、加圧流体が第2の流体導管へ導入されたときにロッドの引き戻し行程を提供する。
【0011】
【発明を実施するための最良の形態】
図面特にその図1を参照すると、本発明に係る加圧流体で作動するアクチュエータ10が示されている。アクチュエータ10と作動的に関連する流れノズル12は、第1のモールド部材18及び共働する第2のモールド部材20内に形成されたそれぞれの対向する適当な形状のくぼみにより画定されるモールド空洞16へのノズル12内のモールド材料通路14を通しての射出ユニット(図示せず)からの溶融プラスチック材料の流れを運搬し、制御するためのものである。当業者なら認識できるように、第1のモールド部材18は静止の状態に維持される。第2のモールド部材20は、モールド部材18、20が接触関係にあるときに、閉じたモールド空洞16を画定するために第1のモールド部材18の方へ運動するように支持され、成形品の取り出しを許容するためにモールド空洞16を開くように第1のモールド部材18から離れる方向へ移動できる。
【0012】
射出ユニットからの溶融プラスチック材料はモールド材料通路14を通してノズル12内へ流入させられ、ノズルはモールド材料をモールド空洞16内へ運搬する排出出口即ちゲート22を有する。ノズル12を通る溶融プラスチック材料の流れはモールドサイクルの適当な時期に出口22をそれぞれ閉開するようにゲート22の方へ又はゲートから離れる方向に移動できる弁ピン26により制御される。図1に表すように、弁ピン26はノズル12を通してのモールド空洞16内への溶融プラスチック材料の流れを許容するように引き戻し位置即ち開位置にある。
【0013】
弁ピン26は細長いロッド28の端部分であり、このロッドの他端は外側シリンダ32内に摺動自在に収容された可動ピストン30に接続される。第1の端壁34はピストン30と協同してヘッド端室36を画定するように外側シリンダ32の一端を閉じる。第2の端壁38はピストン30と協同してロッド端室40を画定するように外側シリンダ32の他端を閉じる。第2の端壁38はアクチュエータ10を閉じ込めるための多重板組立体の一部を形成する板42により形成することができる。図示のように、アクチュエータ10は板42に取り付けられた中間板44内の適当な寸法のボア内に嵌合され、上方の板45はアクチュエータ10を完全に収容するように中間板44に取り付けられる。第2の端壁38を画定する板42はモールド部材18内のノズル12に関して適当に固定されて、ロッド28及び弁ピン26がノズル12内の弁座46に関して適当に方位決めされるようにする。図示のように、弁座46はゲート22から通路14と交差する円筒状ボア48へ開拡する先細り通路を含む。
【0014】
外側シリンダ32は第1のポート50と第2のポート52とを有し、各ポートは加圧ガス又は加圧液圧流体の如き加圧流体の源(図示せず)及び一層低圧の流体リザーバ(図示せず)に交互に連通するようになっている。ポート50、52とそれぞれの加圧流体源及び低圧流体リザーバとの間の接続は当業者にとって周知の形式の適当な可逆流れ制御弁(図示せず)を介して行うことができる。
【0015】
第1のポート50は外側シリンダ32の側壁54の一部のみを通って延び、側壁54内で端壁34の方へ軸方向に延びるチャンネル56で終端する。チャンネル56は開口37でヘッド端室36内へ開き、ヘッド端室36と第1のポート50との間の流体連通を許容する。第1の環状室118が開口37とは反対側のチャンネル56の端部に設けられ、後述する目的のためにチャンネル56とピストン30の内部との間の流体連通を可能にする。また、シリンダの側壁54を貫通する通路即ち通気開口41はロッド端室40を周囲大気へ通気する。
【0016】
第2のポート52は外側シリンダ32の側壁54を通って延び、シリンダ32の内部と加圧流体源(図示せず)及び低圧流体リザーバ(図示せず)の各々との間の交互の連通を提供する。第2のポート52はシリンダ32に沿って第1のポート50から軸方向に離れ、第1のポート50と第1の端壁34との間に位置する。
【0017】
外側シリンダ32内に位置するロッド支持スリーブ60は第2の端壁38を通って延び、板42に剛直に接続される。支持スリーブ60はボア62を画定し、その中で、ロッド28が軸方向に摺動自在に担持され、外側シリンダ32の内部内へ延び、横断方向に延びる内側分割壁64で終端する。分割壁64はシリンダの側壁54の内表面の内方へ離間した周辺縁66を有するディスク状の部材である。周辺縁66は周辺シールリング70を受け入れるための環状のくぼみ68を含む。分割壁64はまたロッド28の外表面にシール接触するようになった内側シールリング74を収容するための内側の環状くぼみ72を含む。
【0018】
ピストン30は、その内表面に沿って軸方向に摺動するように外側シリンダ32内に受け入れられた中空でほぼ円筒状の構造体である。ピストン30はシリンダの側壁54の内表面と支持スリーブ60との間において外側シリンダ32の内部で横断方向に延びる環状のピストン端壁76を含む。ピストン端壁76は支持スリーブ60の外表面に沿って摺動でき、その表面にシール係合する環状のシールリング80を受け入れるための内側の環状くぼみ78と、シリンダの側壁54の内表面に沿って摺動でき、その表面にシール係合する第1の外側のシールリング84を受け入れるための外側の周辺くぼみ82とを有する。ピストン端壁76は分割壁64とシリンダの第2の端壁38との間に位置する。
【0019】
管状のピストン壁86はシリンダの側壁54の内表面に隣接しこれに沿うピストン端壁76の周辺からシリンダの第1の端壁34の方へ延びる。第2の外側シールリング88及び第3の外側シールリング90は各々、第1の外側シールリング84に対して軸方向に離間した関係で及び互いに軸方向に離間した関係でピストン壁86の外周辺上のそれぞれの環状のくぼみ92、94内に担持される。第2及び第3のシールリング88、90の各々はシリンダの側壁54の内表面に沿って摺動でき、その表面にシール係合する。
【0020】
ピストン壁86に沿ってピストン端壁76から軸方向に離間し、ピストン端壁76とは反対の分割壁64の側に位置するピストンヘッド96はピストン壁86の内部を横切って延びる横断方向の壁により画定される。弁ピン26とは反対側のロッド28の端部98はピストンヘッド96内に固定的に受け入れられ、そのため、ピストンヘッド96及び弁ピン26の双方は一緒に移動する。所望なら、ロッド28の端部98はノズル12内へ延びるロッド28の長さの調整を可能にするようにピストンヘッド96内に螺合収容できる。図1bに明示するように、ピストン壁86の内表面はピストンヘッド96を載置させる半径方向の段部100を有し、環状の保持リング102はピストン壁86に関してピストンヘッド96を適所に保持するためにピストン壁86の内表面に形成された内側の周辺溝104内に受け入れられる。更に、ピストンヘッド96はまた環状シールリング108を受け入れるための外側の周辺くぼみ106を有することができる。
【0021】
図4に明示するように、ピストン端壁76と分割壁64との間の環状の容積はピストン30内に第1の内側室110を画定し、ピストンヘッド96と分割壁64との間の環状の容積はピストン30内に第2の内側室112を画定する。ピストン壁86はその外側周辺から第2の内側室112へ延びる半径方向に延びた開口114を有する。ピストンヘッド96が実質的な軸方向の厚さを有する場合、図1に示すように、ピストンヘッド96は第2の内側室112と半径方向の開口114との間の流体連通を提供するようにL字状の通路116を有することができる。
【0022】
ピストン壁86の外径は間に環状の空間(図2、3参照)を提供するためにシリンダの側壁54の内径と共働するように形状づけられる。第1の外側シールリング84と第2の外側シールリング88との間の環状空間は第1の環状室118を画定し、第2の外側シールリング88と第3の外側シールリング90との間の環状空間は第2の環状室120を画定する。これに関し、第1の環状室118はチャンネル56従って第1のポート50と連続的に流体連通する。同様に、第2の環状室120は第2のポート52、ピストン壁86内の半径方向の開口114及びL字状の通路116と連続的に流体連通する。更に、ピストン壁86は第1の内側室110と第1の環状室118との間に流体連通を提供するようにピストン端壁76に隣接する半径方向の溝穴122を有する。
【0023】
ピストン30、ロッド28及び弁ピン26の各々が外側シリンダ32及び弁座46に関してそれらの引き戻し位置にある状態でのアクチュエータ10を図1に示す。作動において、弁ピン26及びピストン30をそれらの引き戻し位置から移動させるために、加圧流体が第1のポート50を通して導入され、その間、第2のポート52が低圧流体リザーバ等に流体連通している。第1のポート50での加圧流体の導入により、加圧流体は軸方向のチャンネル56及び開口37内へ入って、そこを通ってヘッド端室36内へ流れる。同時に、加圧流体の一部はチャンネル56の他端を通って流れ、第1の環状室118内へ入る。加圧流体は第1の環状室118から、半径方向の溝穴122を通り、ピストン30内の第1の内側室110内へ流れる。その結果、ヘッド端室36及び第1の内側室110の各々は、通気開口41を介して大気へ通気されたロッド端室40に関して、並びに、L字状の通路116、半径方向の開口114、第2の環状室120及び第2のポート52を介して低圧流体リザーバに流体連通する第2の内側室112に関して上昇した圧力となる。
【0024】
ピストンヘッド96及びピストン端壁76の各々に作用する合成圧力差は、ピストン30をシリンダ32の第2の端壁38の方へ移動させ、これが、弁ピン26を図1に示すようなそれらの相対位置から図4に示すようなそれらの相対位置へ外側シリンダ32に関して外方へ移動させる。その時間期間中、ロッド端室40及び第2の内側室112の各々の容積は減少し、一方、第1の内側室110及びヘッド端室36の各々の容積は増大する。同時に、第2の内側室112内のいかなる流体もがピストンヘッド96のL字状の通路116を通り、半径方向の開口114を通って第2の環状室120内へ入り、第1のポート50よりも低圧となっている第2のポート52から出る。第1のポート50での一層高い流体圧力の連続的な適用により、ピストン30は図5に示すようにその伸長行程の端部へ進み、その位置で、ピストン端壁76がシリンダの第2の端壁38に当接し、弁ピン26の最外端が弁座46に当接して、ゲート22を通る流れを遮断する。ロッド端室40内のピストン端壁76に対して作用するであろう抵抗を回避するため、室40内に含まれる空気は弁開口41を介して排出される。
【0025】
弁を開き、モールド空洞16内への溶融プラスチック材料の流れを許容するため、第1のポート50が加圧流体源から切り離され、低圧流体リザーバ等に連通される。次いで、第2のポート52が加圧流体源に接続され、加圧流体は第2のポート52を通って第2の環状室120へ入る。第2の環状室120から、加圧流体はピストン壁86の半径方向の開口114を通ってピストン30内の第2の内側室112内へ流れ、ピストンヘッド96の内表面124に対して一層大きな圧力を与え、ピストン30及び弁ピン26を外側シリンダ32内へ引き戻させる。その結果、弁ピン26はノズル12内へ引き戻り、ゲート22から離れ、ノズル12を通るモールド材料の流れを許容する。さもなければロッド端室40内に発生するであろう減少した空気圧力は、周囲空気が通気開口41を通ってロッド橋室40へ入るのを許容することにより、解放される。
【0026】
それ故、本発明に係るアクチュエータが同じ直径のシリンダ内で一層大きな出力力を提供し、一層大きな作動力が必要な場合に、一層大きな直径のシリンダを排除するような狭い空間内でのこのようなアクチュエータの利用を可能にする。同様な空間制限が存在するが、比較的低い流体圧力源しか利用できない状態で、単一のピストンを使用して利用できる一層大きな作動力が必要な場合は、本発明に係るアクチュエータはその一層低い流体圧力で増大した作動力を提供する。
【0027】
【産業上の利用可能性】
本発明の上述の説明及び図示の実施の形態は射出ユニットからモールド空洞への溶融プラスチック材料の流れを制御するために射出成形機内でのアクチュエータの使用の関係とした。特に、アクチュエータは、アクチュエータのシリンダの寸法の顕著な増大を伴わずに所望の増大した力出力を提供できる加圧流体で作動するシリンダを有し、射出モールド組立体の弁ゲート内で弁ピンを作動させるためのコンパクトなリニアアクチュエータを提供する。
【0028】
しかし、このようなアクチュエータの使用はこのような成形作動に限定されないことを認識されたい。事実、本発明のアクチュエータは、空間が限られる場合又は利用できる流体圧力が低く、更に増大した作動力が必要な場合のような空気式又は液圧式に作動する工具の如き他の応用に利用することができる。当業者にとっては、本発明の概念から逸脱することなく種々の変更及び修正が可能であること明らかであろう。それ故、本発明の範囲内にあるすべてのこのような変更及び修正は特許請求の範囲に包含されることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 モールド空洞内への可塑化材料の流れを許容するように弁ピンが開き位置となるようにピストンが引き戻し位置にある状態での、モールド空洞への可塑化材料の流れを制御するための弁ゲートに作動的に関連する本発明に係る加圧流体で作動するアクチュエータを示す、射出成形機におけるモールド組立体の一部の部分破断側断面立図である。図1Bは図1の要部の拡大図である。
【図2】 図1の2−2線における本発明に係るアクチュエータの横断面図である。
【図3】 図1の3−3線における本発明に係るアクチュエータの横断面図である。
【図4】 図1と同様の部分側立面図であり、完全に引き戻された位置と完全に伸長した位置との間の中間位置にあるアクチュエータのピストンを示す図である。
【図5】 図1、4と同様の部分側立面図であり、完全に伸長した位置にあるアクチュエータのピストンを示す図である。

Claims (13)

  1. 内側の円筒状表面を画定し、長手方向の軸線を有する管状の外側シリンダ(32)と;軸方向に運動するように上記外側シリンダ(32)内で摺動自在に担持され、ヘッド端室(36)及び同ヘッド端室(36)から軸方向に離れたロッド端室(40)に当該外側シリンダ(32)を分割しかつ内側シリンダを有するピストン(30)と;を備えた加圧流体で作動するアクチュエータ(10)において、
    a)上記ピストン(30)に固定され、上記外側シリンダ(32)に関して軸方向に当該ピストン(30)の端部から延びるロッド(28)と;
    b)上記内側シリンダを第1の内側室(110)及び第2の内側室(112)に分割するように、当該内側シリンダ内で上記外側シリンダ(32)に関して固定の軸方向位置で横断方向に延びる分割壁(64)と;
    c)上記ヘッド端室(36)及び上記第1の内側室(110)と流体連通する第1の流体導管(50、56)であって、加圧流体が上記第1の流体導管(50、56)に導入されたときにロッドの伸長行程を提供するように上記ロッド(28)を上記外側シリンダ(32)に関して外方向へ移動させるために、同外側シリンダ(32)に関して第1の軸方向に上記ピストン(30)及び当該ロッド(28)を移動させるための第1の流体導管と;
    d)上記第2の内側室(112)と流体連通する第2の流体導管(52、116)であって、加圧流体が上記第2の流体導管(52、116)に導入されたときにロッドの引き戻し行程を提供するように上記ロッド(28)を上記外側シリンダ(32)に関して内方向へ移動させるために、同外側シリンダ(32)に関して上記第1の軸方向とは反対の第2の軸方向へ上記ピストン(30)及び当該ロッド(28)を移動させるための第2の流体導管と;
    を有することを特徴とするアクチュエータ。
  2. 内側の円筒状空間が上記外側シリンダ(32)と実質上同軸であることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ(10)。
  3. 上記外側シリンダ(32)の各軸方向への同外側シリンダ(32)内での上記ピストン(30)の運動が上記分割壁(64)により制限されることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ(10)。
  4. 上記分割壁(64)がディスク状の部材であり、上記外側シリンダ(32)の上記内側の円筒状表面から内側に離れた周辺表面(66)を有することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ(10)。
  5. 上記分割壁(64)が上記外側シリンダ(32)に関して固定の位置にある軸方向に延びる支持部材(60)から支持されることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ(10)。
  6. 上記支持部材(60)が上記ロッド(28)を摺動自在に受け入れ、支持するための軸方向に延びる内側通路(62)を有することを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ(10)。
  7. 上記ピストン(30)が上記外側シリンダ(32)内に形成された第1のポート(50)に流体連通する第1の環状室(118)を間に提供するように当該外側シリンダ(32)の上記内側の円筒状表面から離れた外側の表面を備えた軸方向に延びるスカート部(86)を有し、上記第1の環状室(118)の軸方向の長さが上記ピストン(30)の外側表面に担持された一対の軸方向で離間したシール部材(84、88)により画定されることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ(10)。
  8. 上記ピストン(30)が上記第2の内側室(112)を取り巻く軸方向に延びるスカート部(86)を有し、同スカート部(86)が上記第2の流体導管(52、116)の一部を画定するように上記スカート部(86)の外側表面から当該第2の内側室(112)へ延びる流体通路(114)を有することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ(10)。
  9. 上記スカート部(86)の上記外側表面が第2の環状室(120)を画定するように上記外側シリンダ(32)の上記内側の円筒状壁表面から離れており、上記第2の環状室(120)が上記第2の流体導管(52、116)の第2の部分を画定するように当該外側シリンダ(32)内に形成された第2のポート(52)に流体連通することを特徴とする請求項8に記載のアクチュエータ(10)。
  10. 上記ピストン(30)が上記第2の内側室(112)を取り巻く軸方向に延びるスカート部(86)を有し、同スカート部(86)が上記第2の流体導管(52、116)の一部を画定するように上記スカート部(86)の外側表面から当該第2の内側室(112)へ延びる流体通路(114)を有し、当該スカート部(86)の上記外側表面が第2の環状室(120)を画定するように上記外側シリンダ(32)の上記内側の円筒状壁表面から離れており、上記第2の環状室(120)が当該第2の流体導管(52、116)の第2の部分を画定するように当該外側シリンダ(32)内に形成された第2のポート(52)に流体連通することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ(10)。
  11. 上記ピストン(30)が弁部材(26)に作動的に接続されたロッド(28)を有することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ(10)。
  12. 上記弁部材(26)がモールド空洞(16)に接続されたモールドゲート(22)への溶融プラスチック材料の流れを制御するためのゲート弁であることを特徴とする請求項11に記載のアクチュエータ(10)。
  13. プラスチック溶融物の流れをモールド組立体のモールド空洞(16)内へ間欠的に供給するために弁ゲートを作動させるアクチュエータ(10)において、
    a)第1の円筒状室(36、40)と;
    b)上記第1の室(36、40)内に受け入れられた可動ピストン(30)であって、同可動ピストン(30)の内側に第2の円筒状室(110、112)を画定するようにほぼ円筒状の外壁(86)と、ほぼ平坦な上方及び下方の端壁(96、76)とを有する可動ピストンと;
    c)上記第2の室(110、112)内に受け入れられた静止のピストン(64)と;
    d)上記静止のピストン(64)をモールド組立体の素子に接続する支持スリーブ(60)と;
    e)上記可動ピストン(30)の上記上方の端壁(96)に取り付けられ、上記静止のピストン(64)及び上記支持スリーブ(60)の整合した軸方向のボア(62)を通って延び、上記モールド空洞(16)の近くの地点で弁ピン(26)を形成するような形状とされた端部を有しているロッド(28)と;
    f)上記第1の室(36、40)及び上記第2の室(110、112)の双方に連通する第1のポート(50、56)と;
    g)第2のポート(52、116)であって、上記第1のポート(50、56)を通しての加圧流体の導入が上記可動ピストン(30)の上記両方の端壁(96、76)上に作用する力を発生させて、上記ゲート(22)への流れを遮断するように上記弁ピン(26)を移動させ、かつ、上記第2の室(110、112)を通しての加圧流体の導入が当該可動ピストン(30)の上方の端壁(96)上に作用する力を発生させて、当該弁ピン(26)を開位置へ移動させ、当該ゲート(22)を通しての上記モールド空洞(16)内への流れを許容するように、当該第2の室(110、112)のみに連通する第2のポートと;
    を有することを特徴とするアクチュエータ。
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