JP3939206B2 - 鏡筒装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば直線移動自在な枠部材を備える鏡筒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の鏡筒装置には、円筒状の枠部材の直線移動を制御する手段として、光軸と斜行するカム溝を枠部材に形成し、このカム溝に対してカムフォロワを摺動自在に係合配置することにより、枠部材の直線移動するように構成される。このカム溝を用いた鏡筒装置においては、その枠部材を成形型を用いてモールド成形することにより、コスト的に安価な製造が可能となる。
【0003】
ところで、こような鏡筒装置にあっては、枠部材のカム溝を形成する際、成形型の突部を、枠部材のカム溝から抜き取る型抜き取り作業を考慮し、枠部材のカム溝の開口側を、アンダーにならないように所定の角度だけ傾斜させて形成することにより、製品からの型抜きが可能なように構成される。
【0004】
このため、枠部材のカム溝に対してカムフォロワを摺動自在に挿着した組立て状態において、衝撃や落下等の不用意(不用)な外力が付与されたりすると、カムフォロワが、カム溝から抜けてしまうという不具合を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来の鏡筒装置では、カムフォロワがカム溝から抜ける虞があるという問題を有する。
【0006】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、カムフォロワの抜け防止を図り得るようにした鏡筒装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、周面に螺旋状の溝を形成するため径方向に移動するスライド型を有する金型により形成されるカム溝を有してなる筒状の部材からなり、所定幅の底部を有し、互いに向き合い上記底部から周表面に向かって、その幅を広げるようにそれぞれ勾配を有した一対の第1の斜面と、少なくとも上記カム溝の一端側で、この一対の第1の斜面の一方の面より連続して形成され、上記幅の内方向に向かって勾配を有する第2の斜面とからなる螺旋状のカム溝が設けられた枠部材を備えて鏡筒装置を構成した。
【0008】
上記構成によれば、枠部材は、そのカム溝の第1の斜面に対して略円錐台形状のカムフォロワのテーパ面が摺接して移動され、不用な外力が付与されると、該カムフォロワの大径部が第2の斜面に規制されて抜けが阻止される。これにより、不用な外力に対するカムフォロワの抜けが効果的に防止される。
【0009】
また、この発明は、周面に螺旋状の溝を形成するため径方向に移動するスライド型を有する成形型により形成されるカム溝を有してなる部材からなり、所定幅の底部を有し、互いに向き合い、上記底部から周表面に向かって、その幅を広げるようにそれぞれ勾配を有した一対の第1の斜面と、少なくとも上記カム溝の一端側で、この一対の第1の斜面の一方の面より連続して形成され、上記幅の内方向に向かって勾配を有する第2の斜面とからなる螺旋状のカム溝が設けられた第1の枠部材と、記カム溝中に位置し、第1の斜面と接するテーパと上記カム溝の内側に入り込んでいる第2の斜面から逃げる基端部とを有するカムフォロワが設けられた第2の枠部材とを備えて鏡筒装置を構成した。
【0010】
上記構成によれば、第1の枠部材のカム溝の第1の斜面に対して、第2の枠部材のカムフォロワのテーパ面が摺接して移動されると、第1の枠部材と第2の枠部材は、相互間が相対的に移動する。そして、不用な外力が付与されると、該カムフォロワの大径部が第2の斜面に規制されて抜けが阻止される。これにより、不用な外力に対するカムフォロワの抜けが効果的に防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、この発明の一実施の形態に係る鏡筒装置を示すもので、第1及び第2の枠部材10、11は、例えばレンズ鏡筒を構成し、相互間が矢印A、B方向(光軸方向)に直線移動自在に組付けられる。即ち、第1の枠部材10の外周面には、この発明の特徴とするカム溝12が3箇所、円周方向で120度等分で設けられる(図2参照)。そして、第2の枠部材11の内周面には、円錐台形状のカムフォロワ13が3個、上記カム溝12に対応して120度等分で圧入されて配され、この第2の枠部材11のカムフォロワ13は、図2に示すように上記第1の枠部材10のカム溝1に挿入される。
【0015】
上記カムフォロワ13は、第2の枠部材11に固定するための軸部13aと、カムフォロワ13の第2の枠部材に対するスラスト方向(軸方向)の位置決めを行うための段部を設けるため、上記軸部13aと同軸に該軸部13aの直径よりやや径を大きくした直径を有した段軸部(基端部)13bと、カムフォロワ先端部には、上記カム溝12に係合、摺接する円錐台形状(テーパ)の部分13cと、この円錐台形状(テーパ)の部分13cの大径部13dから径を減少するように上記段軸部13bに向かって形成された円錐台形状(テーパ)の部分13eとを有している。したがって、上記円錐台形状(テーパ)の部分13eは、上記円錐台形状(テーパ)の部分13cのテーパ角に対して逆テーパ角をなしている。なお、カムフォロワ13の中心軸(中心線)は、カム溝12の底部(カム底面)に対して垂線となっている。
【0016】
上記構成により、例えば第1の枠10が図示しない駆動機構によって回転されると、その回転に伴って、第2の枠部材11のカムフォロワ13が、第1の枠部材10のカム溝12に沿って摺動案内される。これにより、第2の枠部材11は、第1の枠部材10に対して光軸方向に直線移動される。
【0017】
先ず、この発明の特徴とするカム溝12を備える第1の枠部材10の構成を説明するに先立ち、その成形方法について説明する。即ち、上記第1の枠部材10は、例えばその120度の部分を成形する図3に示すスライド型14が3組、リング状に組み合わされてモールド成形(射出成形)により、カム溝12を含む外周面が成形される。
【0018】
スライド型14には、第1の枠部材10の外周面に対応した凹状に湾曲した壁面141に突状のカム部15が、上記カム溝12に対応して設けられると共に、図示しないガイド部分や駆動部分等が設けられる。この3組のスライド型14は、一つで第1の枠部材10の120度の部分を形成し、3組で協働して第1の枠部材10の外周全体を成形する。そして、この3組のスライド型14は、その一つの型抜き方向が図2のBB′を結ぶ方向とすると、他の二つの型抜き方向が上記BB′方向と120度の間隔を採った方向となる。
【0019】
ここで、上記スライド型14を3組用いて成形されるこの発明の特徴とする第1の枠部材10のカム溝12の構成について説明する。
【0020】
即ち、第1の枠部材10は、その外周面に3個のカム溝12は、円周方向で略120度の間隔を有して設けられる。この3個のカム溝12は、略同様に所定幅の底部(カム底面)121が、第2の枠部材11の移動距離に応じた長さ寸法だけ形成され、この底部121の両側壁には、カムフォロワ13の円錐台周壁のテーパの摺接される底部121から周表面(外周面)に向かって、その幅を広げるように勾配を有する一対の第1の斜面である第1の壁面122が設けられる。そして、この第1の壁面122の開口側には、連続して上記型抜き方向に略平行な第2の斜面である第2の壁面123が設けられる。なお、図4は、図1の第1の枠部材10を上方より観た図を示し、図4中において、101は、スライド型14同士の型合わせから生じるパーティングラインである。
【0021】
上記第1の枠部材10のカム溝12の底部121、第1及び第2の壁面122、123は、上記スライド型14に設けられる突状のカム部15のカム先端面151、第1及び第2のカム面152、153により形成される。このうち、第2の壁面123は、その角度が、大きい方が型が抜きやすくなるが本発明の機能としては小さい方が効果が大きいので、型抜き方向に略平行な方向に対して抜き勾配を考慮して設定される。この抜き勾配としては、カムフォロワ13の抜け防止を考慮しておおむね片側1度以上10度以下に設定することが望ましい。
【0022】
ここで、上記第1の枠部材10のカム溝12と第2の枠部材11のカムフォロワ13との詳細な配置構成について、図5及び図6を参照して説明する。この図5及び図6は、その図5が、上記図2の光軸とカムフォロワ13の中心線を含む平面における付近の断面を示し、図6が、図5と同じカムフォロワ13の位置でカムフォロワ13の中心線を通りカム溝12の中心線(カム溝の道筋)に垂直な断面を示す。
【0023】
即ち、図5(a)(b)(c)は、それぞれ図2中におけるAA′、BB′、CC′にカムフォロワ13があるときの状態を示し、図6(a)(b)(c)それぞれは、カムフォロワ13が図5(a)(b)(c)の同一位置にあるときのカムフォロワ13の中心線を通りカム溝12の中心線(カム道筋)に垂直な断面を示す。この図6(a)(b)(c)から明らかなように第1の壁面122は、カムフォロワ13のテーパと略同じ開き角(テーパ角)θに設定され、第2の壁面123は、全長に亘って型抜き方向に対して所定の抜き勾配を有して略平行に設定される。
【0024】
従って、カムフォロワ13の中心線を通る断面の図6においては、スライド型14の抜き方向とカムフォロワ13の中心線とが一致した図6(b)の断面では、第2の壁面123の両側の面が同じ抜き勾配程度の僅かな開き角になっているが、図6(b)から離れるに従って一方の面が開きもう一方の面が閉じるように変化する。この例では図6(c)の方が図6(a)よりも図6(b)より離れているので変化も大きく、第2の壁面123の一方の面が第1の壁面122と略同じになり、第2の壁面123のもう一方の面が第1の壁面122よりもカム溝12の内側に、つまりカムフォロワ13の側に、その断面においてカムフォロワ13の中心線に対し角度φだけ入り込む形になっている。
【0025】
言い換えると、この第2の壁面123は、図6(c)の位置に置いて、その一方側がカムフォロワ13の基端部に対してカム溝12の幅の内方向に向かって第1の壁面122とは異なる所定の勾配を有し、その他方側が幅の外方向に向かってわずかに第1の壁面とは異なる勾配を有する部分が存在する。このため、カムフォロワ13は、第2の壁面123が内側に入り込んでいる部分を逃げるように基端側13bがある。
【0026】
このように第1の枠部材10のカム溝12は、その第2の壁面123の開き角がほとんどの部分において第1の壁面122の開き角よりも小さく設定されている。例えば、図5(a)(b)、図6(a)(b)で示す部分である。そのため、カムフォロワ13は、レンズ鏡筒に対する不用な外力がかかってもカムフォロワ13の大径部13dとこの第2の壁面123のひっかかりあるため、この第2の壁面123のない場合よりも、カム溝12から外れにくくなっている。そして、カムフォロワ13と摺接するのが第1の壁面122のみであるため第2の壁面123の開き角が第1の壁面122と異なっても通常の作動に影響を及ぼさない。
【0027】
このように、上記鏡筒装置は、第1の枠部材10にカムフォロワ13のテーパ13cの摺接される第1の壁面122を形成し、この第1の壁面122に連続して型抜き方向と略平行な第2の壁面123を形成したカム溝12を設けて、このカム溝12に対して第2の枠部材11のカムフォロワ13のテーパが摺接するように係合させることにより、これら第1及び第2の枠部材10、11の相対移動を可能に組み合わせ配置するように構成した。これによれば、不用な外力が付与されても、カムフォロワ13の大径部13dが、カム溝12の第2の壁面123に規制されて抜けが防止される。特に、カムフォロワ13がカム溝12の端部に近づけば近づくほど大径部13dとカムフォロワ13の中心線方向に対するいわゆるアンダーカット部分としての第2の壁面123のかかりは大きくなり抜け防止の効果は大きくなる。
【0028】
また、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、例えば図7乃至図14に示すように第1の枠部材20の内周面にカム溝21を設けて、第2の枠部材22の外周面にカムフォロワ23を設け、第1の枠部材20と第2の枠部材22が相対移動する鏡筒構造においても適用可能で、同様の効果が期待される。
【0029】
ここで、図7は、光軸方向から鏡筒装置を眺め、その破断した一部を示し、図8は、第1の枠部材20を成形するのに用いるスライド型24の斜視図を示し、図9は、光軸方向から眺めたスライド型24の閉じた状態、即ち、成形部品(製品)を射出成形する状態を示し、図10は、光軸方向から眺めたスライド型24の開いた状態、即ち、成形部品(製品)の射出成形が完了し、成形型より成形部品を取り出すときの状態を示し、図11は、第1の枠部材20をスライド型24の大スライド型25の型抜き方向から見た状態を示し、図12は、第1の枠部材20をスライド型24の小スライド型26の型抜き方向から見た状態を示し、図13は、光軸を含む平面で、かつ、この光軸中心に回転した平面の異なる位置でカム溝21とカムフォロワ23の断面の状態を示し、図14は、カム溝21に垂直な面の異なる位置で断面した状態を示す。
【0030】
即ち、第1の枠部材20の内周面には、この発明の特徴とするカム溝21が3箇所、円周方向に120度等分で設けられる(図7参照)。そして、第2の枠部材22の外周面には、円錐台形状の前述までのカムフォロワ13と同形状のカムフォロワ23が3個、上記カム溝21に対応して円周方向に120度等分の位置で圧入されて配され、この第2の枠部材22のカムフォロワ23は、上記第1の枠部材20のカム溝21に挿入、係合する。これにより、例えば第1の枠部材20が図示しない駆動機構によって回転されると、その回転に伴って、第2の枠部材22のカムフォロワ23が、第1の枠部材20のカム溝21に沿って摺接案内され、光軸方向に直線移動される。
【0031】
上記カムフォロワ23は、第2の枠部材22に固定するための軸部23aと、このカムフォロワ23の第2の枠部材22に対するスラスト方向(軸方向)の位置決めを行うための段部を受けるため、この軸部23aの直径よりやや径を大きくした直径を有した段軸部(基端部)23bと、このカムフォロワ先端部には、上記カム溝23に係合、摺接する円錐台形状(テーパ)の部分23cと、この円錐台形状(テーパ)の部分23cの大径部23dから径を減少するように上記軸部23aに向かって形成された円錐台形状(テーパ)の部分23eとを有している。したがって、上記円錐台形状(テーパ)の部分23eは、上記円錐台形状(テーパ)に部分23cのテーパ角に対して逆テーパ角をなしている。なお、カムフォロワ23の中心軸(中心線)は、カム溝21の底部(カム底面)に対し、垂線となっている。
【0032】
先ず、この発明の特徴とするカム溝21を備える第1の枠部材20の構成を説明するに先立ち、その成形方法について説明する。即ち、上記第1の枠部材20は、例えばその外周の120度の部分に対応されるスライド型24が3組、リング状に組み合わされてモールド成形(射出成形)により、この発明の特徴とする3個のカム溝21を含む内周面が成形される。
【0033】
このスライド型24は、図8乃至図10に示すようにそれぞれ3個の大スライド型25と小スライド型26で形成され、これら大及び小スライド型25、26の外周面には、第1の枠部材10の内周面に対応した凸状に湾曲した壁面251、261及び突状のカム部27、28が設けられる。これら大及び小スライド型25、26の各壁面251、261及びカム部27、28は、協働して上記第1の枠部材20の一つのカム溝21を成形する。
【0034】
そして、このスライド型24は、3組が図8に示すように筒状に組み合わされて使用され、図9に示すように大及び小スライド型25、26がそれぞれ閉じられて第1の枠部材20のモールド成形に供される。また、第1の枠部材20の成形後、3組のスライド型24は、図10に示すように大及び小スライド型25、26の型抜きが順に行われ、即ち、小スライド型26が初めに光軸中心(型中心)に向けて移動した後、大スライド型25が光軸中心(型中心)に向けて移動して開かれて第1の枠部材20は、これら大及び小スライド型25、26より取り外される。
【0035】
即ち、上記スライド型24には、図示しないガイド部分や駆動部分等が設けられ、その大及び小スライド型25、26が独立に放射方向(型抜き方向)に移動可能に設けられる。そして、筒状に組合わせられた3組のスライド型24は、その一つの大スライド型25の型抜き方向が、図7のGG′を結ぶ方向とすると、その小スライド型26の型抜き方向が、図7のDD′を結ぶ方向となる。この場合、他の2組のスライド型24の型抜き方向は、上記一つのスライド型24の大スライド型25、小スライド型26の型抜き方向に対して第1の枠部材20の円周方向にそれぞれ120度の方向となる。
【0036】
ここで、上記スライド型24を3組用いて成形されるこの発明の特徴とする第1の枠部材20のカム構造(形状)について説明する。
【0037】
即ち、第1の枠部材20は、スライド型24の大スライド型25の型抜き方向(図11参照)と、その小スライド型26の型抜き方向(図12参照)が異なる。そこで、カム溝21は、3個とも同様に所定幅の底部(カム底面)211が、第2の枠部材22の移動距離に応じた長さ寸法だけ形成される。このカム溝21は、その底部(カム底面)211の両側壁にカムフォロワ23のテーパ23cの摺接される、底部から周表面(円周面251、261)に向かって、その幅を広げがるように勾配を有する一対の第1の斜面である第1の壁面212、214が設けられる。そして、この第1の壁面212、213には、大及び小スライド型25、26の型抜き方向に略平行な第2の斜面である第2の壁面213、215が設けられる。なお、図11、図12中において、201は、大及び小スライド型25、26との組み合わせから生ずるパーティングラインである。
【0038】
上記第1の枠部材20のカム溝21の底部211、第1及び第2の壁面212、214及び213、215は、上記スライド型24の大及び小スライド型25、26の各突状のカム部27、28のカム先端面271、281、第1及び第2のカム面272及び282、273及び283により形成される。このうち、第2の壁面213、215は、スライド型25、26の抜き勾配及びカムフォロワ23の抜け防止を考慮して型抜き方向に対して、そのおおむね片側1度以上10度以下と略平行に形成され、第3の壁面216を介して連続される。この第3の壁面216は、例えば小スライド型26で形成されるが、大スライド型25の移動軌跡の中に入っているために、その移動軌跡に対して抜き勾配を持って逃げる形状に形成され、第2のカム面273と連続した面となっている。
【0039】
即ち、第1の枠部材20のカム溝21は、大スライド型25のカム部27の第1及び第2のカム面272、273で形成される第1及び第2の壁面212、213と小スライド型26のカム部28の第1及び第2のカム面282、283で形成される第1及び第2の壁面214、215で形成される。
【0040】
上記カム溝21の第1の壁面212、214は、カムフォロワ23の先端の円錐面(テーパ面)と摺接する面であって、カムフォロワ23の先端の円錐部(テーパ)が移動することによって作られる軌跡と略一致する面である。第2の壁面213、第3の壁部216は、大スライド型25の型抜き方向に対して常に略一定の角度を持つ面であり、第2の壁面215は、小スライド型26の型抜き方向に対して常に略一定の角度を持つ面である。この角度は、大きい方が型が抜きやすくなるが本発明の機能としては小さい方が効果が大きいので、抜き方向に略平行な方向に、おおむね片側1度以上10度以下の抜き勾配に設定することが望ましい。
【0041】
ここで、上記第1の枠部材20のカム溝21と第2の枠部材22のカムフォロワ23との詳細な配置構成について、図13及び図14を参照して説明する。この図13及び図14は、その図13が、上記図7の光軸とカムフォロワ23の中心線を含む平面における付近の断面を示し、図14が、図13と同じカムフォロワ23の位置でカムフォロワ23の中心線を通りカム溝21の中心線に垂直な断面を示す。
【0042】
図13(a)(b)(c)(d)(e)は、それぞれ図7中におけるDD′、EE′、FF′、GG′、HH′にカムフォロワ23があるときの状態を示し、図14(a)(b)(c)(d)(e)それぞれは、カムフロワ23が図13(a)(b)(c)(d)(e)の同一位置にあるときのカムフォロワ23の中心線を通りカムの中心線(カム道筋)に垂直な断面を示す。ここで、Dの位置が前述したように小スライド型26の型抜き方向、Gの位置が大スライド型25の型抜き方向である。Eの位置が大スライド型25と小スライド型26のパーティングライン201付近であり、F及びHの位置が大スライド型25で形成されるカム溝21の両端付近である。
【0043】
この図14(a)(b)(c)(d)(e)から明らかなようにカム溝21の第1の壁面212、214は、カムフォロワ23の先端のテーパと常に略同じ開き角に設定される。第2の壁面213は、大スライド型25の型抜き方向に対して常に略一定の角度に設定されているため、カムフォロワ23の中心線を通る図14の断面では大スライド型25の型抜き方向と一致した図14(d)の断面では両側の面が同じ開き角になっているが、図14(d)から離れるに従って一方の面が開きもう一方の面が閉じるように変化する。この例では図14(c)および図14(e)で第2の壁面213の一方の面の開き角は、第1の壁面212の開き角に近くなり、第2の壁面213の他方の面は第1の壁面212よりも内側にカムフォロワ23の中心線方向に対するアンダーカット部分として入り込む形になっている。また、図13(c)(e)についても同様である。
【0044】
また、カム溝21の第2の壁面215は、小スライド型26の抜き方向に対して常に略一定の角度になっているため、カムフォロワ23の中心線を通る図14の断面において、小スライド型26の型抜き方向と一致した図14(a)で、両側の面が同じ開き角になっているが、図14(a)から離れるに従って一方の面が開きもう一方の面が閉じるように変化する。小スライド型26で形成している部分は、少ないため第2の壁面215の開き角の変化も大きくないが、パーティングライン201付近の図14(b)で、前述したように片側の面が大スライド型25の移動軌跡を逃げるような第3の壁面216になっているため一方のカム面の開き角が第1の壁面214の開き角と略等しくなっている。なお、カムフォロワ23は、第2の壁面215が内側に入り込んでいる部分を逃げるように基端側23bがある。
【0045】
このようにカム溝21は、第2の壁面213、215、第3の壁面216の開き角がほとんどの部分において、第1の壁面212、214の開き角よりも小さくなっている。そのため、カムフォロワ23は、レンズ鏡筒に対する不用意(不用)な外力がかかってもカムフォロワ23の大径部23dとこの第2の壁面213、215とのひっかかりがあるため、この第2の壁面213、215がない場合よりも、カム溝21から外れにくくなっている。また、このカム溝21は、カムフォロワ23と摺接している部分が第1の壁面212、214のみであるため、第2の壁面213、215、第3の壁面216の開き角が第1の壁面212、214と異なっても通常の作動に影響を及ぼすことなく、同様に良好なカム駆動が実現される。
【0046】
なお、上記各実施の形態では、第1の枠部材10、20を回転駆動して、第2の枠部材11、22を光軸方向に直線移動させる鏡筒構造に適用した場合で説明したが、これに限ることなく、第2の枠部材11、22を回転駆動して第1の枠部材10、20を直線移動させるように構成することも可能である。そして、鏡筒構造としては、その他、二段鏡筒構造に限ることなく、各種の構成のものにおいても適用可能である。
【0047】
また、上記各実施の形態においては、成形方法として、スライド型の型抜き方向に対して一定の角度を持つ面を両側とも同じ角度としたが、必ずしも同じ角度にする必要はない。また、上記実施の形態例では、組み立て時のみに使い実使用では使わない部分やカム溝の終端についても二つの壁面で構成したが、それらは他の形状でもかまわないことは、勿論のことである。
【0048】
さらに、上記実施の形態では、カム溝を120度等分で設けるようにした枠部材を用いるように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、カム溝の本数は3本でなくてもよいし、等間隔でなてもよい。また、一つのスライド型で複数のカム溝を形成するように構成することも可能である。
【0049】
よって、この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0050】
例えば各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0051】
また、上述した実施の形態に基づいて
(1) カム底面より、幅を広げる方向に傾斜した一対の第1の壁面と、この一対の第1の壁面より型抜き方向と略平行に延出される第2の壁面とが設けられたカム溝を形成した枠部材
を具備することを特徴とする鏡筒装置を提供することができる。
【0052】
(2) カム底面より、幅を広げる方向に傾斜した一対の第1の壁面と、この一対の第1の壁面より型抜き方向と略平行に延出される第2の壁面とが設けられたカム溝を形成した第1の枠部材と、
上記第1の壁面に係合して摺接されるテーパを上記カム溝に対向して設けられた第2の枠部材と
を具備することを特徴とする鏡筒装置を提供することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、簡易な構成で、レンズ鏡筒に不用な外力がかかってもカムフォロワの抜け防止を図り得るようにした鏡筒装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る鏡筒装置の構成を示した分解斜視図である。
【図2】図1の第1及び第2の枠部材を光軸方向に直線移動自在に組付けた状態を示した正面図である。
【図3】図1の第1の枠部材を成形するのに用いる複数のスライド型の1つを取り出した斜視図である。
【図4】図1の第1の枠部材をスライド型の型抜き方向から示した平面図である。
【図5】図2を光軸を通る異なる面で断面した状態のカムフォロワとカム溝の関係を示した断面図である。
【図6】図5の各断面位置であって、カムフォロワの中心線と通り、且つカム溝の中心線に垂直に断面した状態を示した断面図である。
【図7】この発明の他の実施の形態に係る鏡筒装置の一部を破断した状態を示した正面図である。
【図8】図7の第1の枠部材を成形するのに用いられるスライド型を示した斜視図である。
【図9】図8のスライド型の閉じた状態を正面から示した平面図である。
【図10】図9のスライド型の開いた状態を正面から示した平面図である。
【図11】図7の第1の枠部材をスライド型の大スライド型の型抜き方向から示した一部断面図である。
【図12】図7の第1の枠部材をスライド型の小スライド型の型抜き方向から示した一部断面図である。
【図13】図7を光軸を通る異なる面で断面した状態のカムフォロワとカム溝の関係を示した断面図である。
【図14】図13の各断面位置であって、カムフォロワの中心線と通り、且つカム溝の中心線に垂直に断面した状態を示した断面図である。
【符号の説明】
10 … 第1の枠部材
101 … パーティングライン
11 … 第2の枠部材
12 … カム溝
121 … 底部
122 … 第1の壁面
123 … 第2の壁面
13 … カムフォロワ
14 … スライド型
141 … 壁面
15 … カム部
151 … カム先端面
152 … 第1のカム面
153 … 第2のカム面
20 … 第1の枠部材
201 … パーティングライン
21 … カム溝
211 … 底部
212、214 … 第1の壁部
213、215 … 第2の壁面
216 … 第3の壁面
22 … 第2の枠部材
23 … カムフォロワ
24 … スライド型
25 … 大スライド型
251 … 壁面
26 … 小スライド型
261 … 壁面
27 … 第1のカム部
271 … カム先端面
272 … 第1のカム面
273 … 第2のカム面
28 … 第2のカム部
281 … カム先端面
282 … 第1のカム面
283 … 第2のカム面

Claims (8)

  1. 周面に螺旋状の溝を形成するため径方向に移動するスライド型を有する金型により形成されるカム溝を有してなる筒状の部材からなり、所定幅の底部を有し、互いに向き合い上記底部から周表面に向かって、その幅を広げるようにそれぞれ勾配を有した一対の第1の斜面と、少なくとも上記カム溝の一端側で、この一対の第1の斜面の一方の面より連続して形成され、上記幅の内方向に向かって勾配を有する第2の斜面とからなる螺旋状のカム溝が設けられた枠部材を具備することを特徴とする鏡筒装置。
  2. 上記第2の斜面は、上記カム溝を成形する型の型抜き方向に略平行に設けられていることを特徴とする請求項1記載の鏡筒装置。
  3. 上記枠部材は、外周面にカム溝が設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の鏡筒装置。
  4. 上記枠部材は、内周面にカム溝が設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の鏡筒装置。
  5. 周面に螺旋状の溝を形成するため径方向に移動するスライド型を有する成形型により形成されるカム溝を有してなる部材からなり、所定幅の底部を有し、互いに向き合い、上記底部から周表面に向かって、その幅を広げるようにそれぞれ勾配を有した一対の第1の斜面と、少なくとも上記カム溝の一端側で、この一対の第1の斜面の一方の面より連続して形成され、上記幅の内方向に向かって勾配を有する第2の斜面とからなる螺旋状のカム溝が設けられた第1の枠部材と、
    記カム溝中に位置し、第1の斜面と接するテーパと上記カム溝の内側に入り込んでいる第2の斜面から逃げる基端部とを有するカムフォロワが設けられた第2の枠部材と、
    を具備することを特徴とする鏡筒装置。
  6. 上記第2の斜面は、上記カム溝を成形する型の型抜き方向に略平行に設けられていることを特徴とする請求項1記載の鏡筒装置。
  7. 上記第1の枠部材は、外周面にカム溝が設けられることを特徴とする請求項5又は6記載の鏡筒装置。
  8. 上記第1の枠部材は、内周面にカム溝が設けられることを特徴とする請求項5又は6記載の鏡筒装置。
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