JP3938386B2 - ゴム補強用繊維コードとその製造方法及びそれを用いた乗用車用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

本発明はゴム補強用繊維コードとその製造方法及びそれを用いた乗用車用空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、絹フィブロイン繊維を自動車用タイヤ等の補強にも使用可能にしたゴム補強用繊維コードとその製造方法及びそれを用いた乗用車用空気入りラジアルタイヤに関する。
空気入りタイヤ等のゴム製品の補強用繊維コードには、石油資源を基にしたナイロン、ポリエステルなどの合成繊維が広く使用されている。しかし、合成繊維は、廃棄時に土中に埋めても腐ることがなく、環境汚染物として残存する。また、焼却処分した場合は、有害ガスを発生するため、同じく環境汚染を招く原因になる。そのため、環境保護対策として、ゴム補強用繊維コードにも脱石油資源の材料を使用することが望まれている。
従来、ゴム補強用繊維コードにおいて脱石油資源の材料としては、木材を原料にするレーヨン繊維が古くから知られており、現在でも一部の乗用車用空気入りタイヤのカーカス層として用いられている。しかし、レーヨン繊維は、製造過程で二硫化炭素などの有毒物質を使用するため、この二硫化炭素が環境汚染を招かないように製造過程で厳格な管理をすることが必要とされ、また、原料調達のため森林を伐採するため、地球環境を破壊するという問題があるため、特に乗用車用空気入りラジアルタイヤのカーカスの用途にはポリエステル繊維化が進んでいる。
このようなレーヨン繊維に対して生物資源である絹は、土中に埋めればバクテリアに浸食されて消滅するため、環境破壊の問題をもっていないことで注目される。しかし、過去において、絹糸をゴム補強用繊維コードに利用する例 は、自転車用タイヤには見られるが(非特許文献1、特許文献1など)、自転車に比べて非常に大きな負荷を受ける自動車用タイヤに利用した例は見ることができない。
このように条件が厳しい自動車用タイヤの補強繊維コードに絹を利用する例がない理由として、絹糸のゴムに対する接着性が十分でなかったことが考えられる。例えば、特許文献1には、絹繊維をゴムと接着する方法として、天然ゴム系接着剤やクロロプレン系接着剤を用いることが開示されているが、これらの接着剤では、使用条件が厳しい自動車用タイヤの補強繊維コードとしての十分なゴムとの接着性が確保出来ないだけでなく、有機溶剤を使用した接着剤であるために、環境にも好ましくない。また、絹特有の性質として、絹フィブロインはタンパク質であるために、熱的安定性に劣り耐熱強度が低いという問題が上げられる。また、絹はその表面を水溶性タンパク質であるセリシンで覆わており、そのセリシンは工業的に利用される精錬では完全に除去するのが難しい。この残存セリシンが接着低下の要因と推定される。また、水溶性のセリシンが残存することで吸湿を促進し易くし、吸湿による強度低下を招き易いことが挙げられる。これらの問題が、自動車用タイヤなど大負荷が作用し発熱を伴う、ゴム製品の補強繊維コードとして利用されなかった理由であると推定される。
Henry C. Pearson "Pneumatic Tire",1922年,p. 172 特開平11−301208号公報、段落0025
本発明の目的は、環境に優しい絹糸を大負荷がかかる自動車用タイヤ等の用途にも使用可能にしたゴム補強用繊維コード及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記ゴム補強用繊維コードを使用して、優れた高速耐久性やロードノイズ低減効果を可能にする乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。本発明の更に他の目的は、上記ゴム補強用繊維コードを使用して、優れた操縦安定性や乗り心地性の向上を可能にする乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明のゴム補強用繊維コードは、総繊度1500〜9000dtexの絹フィブロイン繊維からなるマルチフィラメント撚りコードに、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスの混合物からなる接着剤が被覆され、その接着剤の付着量が繊維重量に対して4.0%以上、8.0%以下であり、その被覆撚りコードの初期引張り強度が3.5cN/dtex以上で、耐熱強度保持率が80%以上、吸湿後強度保持率が85%以上であることを特徴とするものである。
かかるゴム補強用繊維コードの製造方法は、総繊度1500〜9000dtexの絹フィブロイン繊維からなるマルチフィラメント撚りコードに、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスの混合液からなる接着剤を塗布し、その接着剤固形分の付着量が、繊維重量に対して4.0%以上、8.0%以下となるように被覆され、これを温度90〜130℃で乾燥した後、温度140〜200℃で熱処理することを特徴とする。
また、他の目的を達成する本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、左右のビード部間にカーカス層を配置し、該カーカス層の外周側にベルト層を配置し、該ベルト層の外周側、 内周側及び層間の少なくとも1箇所に補強コードをタイヤ周方向に巻回して形成したベルト補強層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト補強層の補強コードとして請求項1〜7のいずれかに記載のゴム補強用繊維コードを使用したことを特徴とするものである。
さらに他の目的を達成する本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、左右のビード部間にカーカス層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記カーカス層の補強コードとして上記構成からなるゴム補強用繊維コードを使用したことを特徴とするものである。
本発明のゴム補強用繊維コードは、絹フィブロイン繊維を素材としているので、環境に優しく、かつその撚りコードに、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス接着剤を繊維重量に対して固形分が4.0%以上、8.0%以下の付着量となるように被覆したことにより、ゴムに対する接着性を向上すると共に、絹糸表層のセリシンをレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス接着剤中のホルマリンで効率よく架橋させ、かつ該絹フィブロイン繊維の熱安定性を向上することができる。したがって、総繊度1500〜9000dtexで初期引張り強度が3.5cN/dtex以上で、耐熱強度保持率が80%以上、吸湿後強度保持率が85%以上を達成し、自動車用タイヤ等の大負荷が加わり発熱を伴うゴム製品の用途に対しても補強材として有効に使用することができる。
また、本発明のゴム補強用繊維コードの製造方法によれば、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス混合液を所定の付着量となるように塗布後、乾燥を温度90〜130℃で実施し、さらに温度140〜200℃で熱処理することで、上記特性を有するゴム補強用繊維コードを得ることができる。
本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、上記特性を有するゴム補強用繊維コードをベルト補強層に使用することにより、従来のナイロン繊維コード並みの高速耐久性を確保しながら、一層優れたロードノイズの低減効果を得ることができる。
また、本発明の他の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、上記特性を有するゴム補強用繊維コードをカーカス層に使用することにより、従来のポリエステル繊維コード並みの良好な操縦安定性と乗り心地を得ることができる。
本発明において絹フィブロイン繊維とは、種類の異なる多数のアミノ酸成分を鎖状に連結した化学構造を有するポリペプチド繊維をいい、好ましくは、アミノ酸成分としてアラニンとグリシンとを合計60%以上含有するポリペプチド繊維である。かかる要件を満たす絹フィブロイン繊維として、家蚕や野蚕から得られる絹糸のほか、蛛形類(クモ類)から得られる絹様糸、また、これら家蚕・野蚕・蛛形類などの遺伝子に基づく遺伝子組換え技術から製造される絹様糸などを例示することができる。
上記例示の絹フィブロイン繊維のうち、蛛形類から得られる絹様糸には、クモが空中にぶら下がって浮遊する際に尻から吐出する牽引糸、吐き出した糸で捕獲ネットをはる際に放射状に張設する糸、その放射状に張設した糸の間を放射中心の周りに多段に多角状にはっていく糸などがあるが、特に空中にぶら下がるときの牽引糸は強度や弾性率が高いため、利用するのに好ましい対象である。また、遺伝子組換え技術による絹様糸としては、蜘蛛の糸を作る遺伝子を山羊に組み込むことで、その山羊から搾乳した乳液から絹フィブロインタンパクを採取し、そのタンパクを用いて湿式紡糸により絹様糸を得たという報告がある。
化1の化学式は、絹フィブロインの化学構造の一例を示し、多種類のアミノ酸成分が鎖状に連結した構成になっている。化2の化学式(A)〜(D)は、アミノ酸成分の代表例であり、(A)がアラニン、(B)がグリシン、(C)がアスパラギン酸、(D)がアルギニンである。化2に示すものの他に、絹フィブロイン繊維を構成するアミノ酸成分として、イソロイシン、グルタミン酸、システィン、セリン、チロシン、トリプトファン、トレオニン、バリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン、リシン、ロイシンなどを挙げることができる。
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本発明のゴム補強用繊維コードに使用する絹フィブロイン繊維は、アミノ酸成分のアラニンとグリシンとを合計60%以上含有するものが好ましい。このようにアラニンとグリシンを多量に含有することにより、高い強度や弾性率を具備することができる。更に好ましくは、アスパラギン酸とアルギニンとの含有量が少ない絹フィブロイン繊維が好ましく、特にアスパラギン酸とアルギニンの合計含有量が5%以下であるものがよい。
アスパラギン酸とアルギニンの合計含有量が5%を超える絹フィブロイン繊維は、立体構造の乱れから弾性率が低くなる傾向があるので、空気入りラジアルタイヤのベルト補強層にする場合は、高速耐久性は低めになり、またロードノイズの低減効果も低めになる。また、カーカス層に使用した場合は、操縦安定性の向上効果が低めになる。
このようにアスパラギン酸とアルギニンの合計含有量が5%以下になる絹フィブロイン繊維の代表例としては、家蚕(合計含有量2.6%)から得られる絹糸がある。また、野蚕のうちのアナフェ(合計含有量0.9%)から得られる絹糸が該当する。野蚕に属する他のテンサン、サクサン、エリサンでは、それぞれアスパラギン酸とアルギニンの合計含有量が12.7%、13.9%、8.3%であり、家蚕やアナフェの絹糸に比べて弾性率が低くなる。
本発明において、絹フィブロイン繊維におけるアミノ酸成分の合計含有量とは、以下の測定法により求められるものをいう。
絹フィブロイン繊維試料に無水炭酸ナトリウム0.5%水溶液を試料量の50倍量を加え、85〜90℃に加温し攪拌しながら20分間精錬を行う。精錬後に蒸留水で洗浄を充分に繰り返す。このようにして繊維表面に付着しているセリシン成分を除去した後、秤量する。この操作を繰り返し減量がなくなりセリシンが完全に除去された絹フィブロインにつきアミノ酸組成分析を行う。絹フィブロインは、所定量を過剰の6規定塩酸を加え、溶存酸素を除いたのち密封し、110℃で24時間処理し、加水分解を行う。加水分解後に塩酸分を温浴上で追い出し蒸発乾固させ、この加水分解物をクエン酸塩緩衝液で溶解しイオン交換クロマトグラフによりアミノ酸の定量分析を行う。定量分析から得られたアミノ酸組成は、絹フィブロイン100g中のアミノ酸重量%として表示した。
本発明のゴム補強用繊維コードには、絹フィブロイン繊維がマルチフィラメントの撚りコードとして使用される。総繊度が1500〜9000dtex、好ましくは1700〜8000dtexの範囲のものが使用され、また接着剤処理を終了した時点で初期引張り強度が3.5cN/dtex以上、好ましくは3.8cN/dtex以上になるものが選択される。また、好ましくは、接着剤処理を終了した時点で引張り弾性率が40cN/dtex以上、より好ましくは55cN/dtex以上のものが使用され、伸度として、同じく接着剤処理を終了した時点で、10%以上であるものが好ましく使用される。
ここで、初期引張り強度とは、接着剤処理を終了した時点での強度をいい、その後の高湿環境下の履歴及び/又は高熱環境下の履歴を経ていない条件下の強度をいう。また、引張り強度及び引張り弾性率は、 以後単に「 強度」 及び「弾性率」と呼ぶ場合がある。
ゴム補強用繊維コードとして総繊度が1500dtexよりも小さく、かつ初期強度が3.5cN/dtex未満であると、自動車用タイヤ規模の大きな負荷を受けるゴム製品用途の補強コードとしては、補強作用が不十分になる。また、乗用車用空気入りラジアルタイヤの補強コードに使用した場合は、満足すべき高速耐久性や操縦安定性が難しくなる。一方、総繊度が9000dtexよりも大きいと、コードに曲げが加えられた場合には、コード表面歪が増大しゴム製品の耐久性が低下しやすくなるという問題がある。さらにコードが太くなるほどゴムと接着する表面積が低下し、接着力も低下する等の問題があるので好ましくない。
ゴム補強用繊維コードの初期強度は、高ければ高いほど好ましいため、特に上限はない。しかし、自然界の生物資源から得られる絹フィブロイン繊維で可能な上限としては、原繊維の強度としては5.0cN/dtex程度である。また、弾性率も同様に上限はなく、高ければ高いほど好ましいが、自然界の生物資源から得られる上限は、原繊維として100cN/dtex程度である。しかし、遺伝子組換え技術により製造される絹フィブロイン繊維の場合は、今後の研究により、自然界から得られるものよりも大きな強度や弾性率が得られる可能性がある。
撚りコードの撚り構造としては、特に限定されるものではなく、好ましくは双撚り構造であるが、片撚り構造であってもよい。また、コードの撚り数は、特に限定されるものではないが、下記(1)式で表される上撚り係数Kが500〜3500の範囲がゴム補強用途には好ましく用いられる。乗用車用空気入りラジアルタイヤのベルト補強コードでは、上撚り係数Kが650〜1500の範囲が、またカーカス補強コードでは上撚り係数Kが1500〜3000の範囲がより好ましい。
K=T√D ・・・(1)
だだし、T:上撚り数(回/10cm)
D:コードの総繊度(dtex)
さらに、双撚りの場合には、上撚り数と下撚り数の比は0.7〜1.30の範囲が一般に用いられる。
本発明のゴム補強用繊維コードは、その表面がレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(以下、「RFL」と略称する。)の混合物からなる接着剤により、その固形分が繊維重量に対して4.0%以上、8.0%以下の付着量になるように被覆される。このような付着量のRFL接着剤で被覆されることにより、ゴムに対して高い接着性を確保すると共に、絹フィブロイン繊維に特有の弱点とされる高湿度下や高温度下における経時的な強度低下を抑制するようにする。
RFL接着剤を構成するレゾルシン、ホルマリン、ゴムラテックスの種類はそれぞれ特に限定されないが、RFL接着剤の繊維コードに対する付着量が、繊維重量に対して4.0%未満である場合には、ゴムに対して高い接着性を確保することが困難になるばかりでなく、接着剤層のバリア効果が低下するため、熱酸化を受ける環境下でのコードの強度保持率の低下が大きくなる。さらに、吸湿によるコードの強度低下も大きくなる。
一方、RFL接着剤の付着量が、繊維重量に対して8.0%を超えると、接着剤の乾燥は表面から進行するため、付着量が多すぎることにより内部に水分が残り、その後の熱処理で残存水分が蒸発するプロセスで、接着剤層に気泡が発生して接着剤層が脆くなり、接着剤層に接着破壊が起こって接着力が低下するという問題が生じる。また、接着層に気泡が多くなるため酸素や水分の拡散かえって容易になり、接着層のバリア効果が低下してコードの耐熱性低下や吸湿による強度低下を招くようになる。また、RFL接着剤の付着量が多いと、コードが硬くなるため強度が低くなり、特に絹のような未処理繊維の強度があまり高くない繊維にとって、ゴム補強用の機能を十分に発揮できなくなる。
本発明において、 より好ましい繊維コードに対するRFL接着剤の付着量は、繊維重量に対して4.5〜7.5%の範囲である。
RFL接着剤の繊維表面への付着量の制御方法は、接着剤の濃度や接着剤にコードを浸漬した後の絞り圧やバキューム圧によって制御が可能である。しかし、より好ましくは、接着剤の濃度により制御するのが最も容易である。
本発明に使用するRFL接着剤としては、ホルマリン/レゾルシンのモル比(以下「F/Rモル比」と略称する。)が2.0〜3.5の範囲のものを使用することが好ましい。
RFL接着剤のF/Rモル比が2.0よりも小さいと、絹フィブロイン繊維の表層のセリシンをホルマリンにより架橋することが不十分になり、セリシンの吸湿性を抑制することが難しくなるため、吸湿による強度低下の抑制効果が低減するが。また、ゴムに対する初期接着力の低下だけでなく耐水接着力も低下し、特に乗用車用空気入りタイヤのように高い耐久性が要求される製品では、その機能を満足させることが困難となる。また、F/Rモル比が3.5よりも大きいと、コードが硬くなりすぎて初期強度が低下するだけでなく、耐熱強度保持率や接着力も低下する。
本発明で用いるRFL接着剤としては、更にレゾルシン・ホリマリン固形分重量/ゴムラテックス固形分重量の比(以下、 単に「RF/L固形分重量比」と略称する。)を、0.20〜0.35の範囲に設定したものが好ましい。
RFL接着剤のRF/L固形分重量比が0.20よりも小さいと、絹フィブロイン繊維表層を覆うRFL接着剤層のレゾルシン・ホルマリン樹脂分が少なくなるため、絹フィブロイン繊維の耐熱強度保持率が低下し易くなる。また、熱処理により架橋された樹脂分が少なくなることから耐水接着性の低下を招き、特に乗用車用空気入りタイヤのように耐久性を要求される製品では、その機能を満足させることが困難となる。
また、RF/L固形分重量比が0.35よりも大きいと、コードが硬くなりすぎることによって初期強度が低下するだけでなく、接着剤中のゴム分が減少する結果、繊維コードを埋設するゴムとの共架橋性が低くなり、接着力が低下する。
RFL接着剤に用いられるゴムラテックスとしては、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリマーゴムラテックス、スチレン・ブタジエンコポリマーゴムラテックス、天然ゴムラテックス、NBRゴムラテックス、クロロプレンラテックスなどを例示することができるが、いずれを使用するかは被着ゴムによって適宜選択すればよい。
本発明において使用する絹フィブロイン繊維の総繊度は、繊維コードを正確に10m採取し、105℃で2時間以上乾燥し、デシケーター中で室温まで冷却後直ちにその繊維重量を測定し、1000m換算の重量を算出した値を総繊度としてdtexで表す。すなわち、絶乾繊度で示している。
RFL接着剤の繊維コードへの付着量は、一定長さの未処理繊維の絶乾重量(W0)を予め測定しておき、さらにRFL混合液の接着剤へ浸漬、乾燥、熱処理後に、予め重量を測定したコード部分を採取して、その絶乾重量(W1)を測定し、この絶乾重量(W1)と上記未処理繊維の絶乾重量(W0)とから、下記(2)式から算出した値である。
付着量=(W1−W0)/W0×100(%) ・・・(2)
また、初期強度は、20℃の雰囲気下で、RFL接着剤処理済みコードを乾燥剤の入ったデシケーター中で24時間真空乾燥し、実質的に水分を吸湿していない状態にして直ちに測定した引張り強度(So)のことである。
耐熱強度保持率は、RFL接着剤で処理したコードを180℃の空気オーブン中で5時間熱処理した後に、乾燥剤の入ったデシケーターで20℃まで冷却し、直ちに引張り強度(Sa)を測定し、この強度(Sa)と初期強度(So)とから下記の (3) 式により求めた値である。
耐熱強度保持率(%)=(Sa /So)×100 ・・・(3)
また、吸湿後引張強度保持率は、上記の真空乾燥した処理コードを温度20℃、湿度60%の雰囲気下に24時間放置した後に、引張り強度(Sb)を測定し、この引張り強度(Sb)と上記初期強度(So)とから下記の (4) 式により求めた値である。
吸湿後強度保持率(%)=(Sb/So)×100 ・・・(4)
弾性率は,引張り強度の測定から得られた応力−歪曲線をもとに、0.5cN/dtex負荷時の歪と1.0cN/dtex負荷時の歪を用い、その2点間の応力−歪の傾きから算出した。
本発明に使用するRFL接着剤には、さらに好ましくはイソシアネート誘導体を配合するとよい。イソシアネート誘導体を配合することにより、ゴム補強用繊維コードの耐水接着性を更に向上することができる。このイソシアネート誘導体の配合量としては、レゾルシン・ホルマリン・ラテックスの固形分100重量部に対して5〜50重量部にするとよい。
RFL接着剤に対するイソシアネート誘導体の配合量が5重量部よりも少ないと、耐水接着性の向上効果は殆ど得られない。また、50重量部よりも多い配合にしても、耐水接着性の向上効果はほぼ飽和し、その過剰分のイソシアネート誘導体が無駄になる。また多すぎるとコードの初期強度が低下してくる。より好ましくは10〜30重量部である。
このように使用されるイソシアネート誘導体としては、メチルジイソシアネート(MDI)又はトリレンジイソシアネート(TDI)をフェノール、ε‐カプロラクタム、ケトオキシム等によりブロックしたブロックドイソシアネートとか、熱反応型ポリウレタンなどを例示することができる。
上述した本発明のゴム補強用繊維コードは、以下に説明するような方法で製造することが好ましい。
まず、絹フィブロイン繊維として、総繊度が1500〜9000dtexのマルチフィラメント糸を用意する。好ましく、強度が3.5cN/dtex以上、かつ弾性率が30cN/dtex以上の特性を有するマルチフィラメント糸を用意する。この絹フィブロイン繊維マルチフィラメントを撚りコードに加工した後、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスの混合液からなる接着剤を塗布し、その接着剤固形分の付着量が、繊維重量に対して4.0%以上、8.0%以下となるように被覆され、これを温度90〜130℃で乾燥した後、温度140〜200℃で熱処理することである。
さらに好ましくは、上記レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスの混合液からなる接着剤は、F/Rモル比が2.0〜3.5であり、レゾルシン・ホリマリンの固形分重量部RFとゴムラテックス固形分重量部Lとの固形分重量比RF/Lが0.20〜0.35の範囲に設定されたRFL混合液を使用し、その付着量が繊維重量に対して4.0%以上、8.0%以下となるように塗布し、これを温度90〜130℃の範囲で1〜3分間乾燥処理した後、さらに140〜200℃の温度で1〜2分間、好ましくは150〜180℃の範囲で1〜2分間熱処理するようにするとよい。
RFL混合液を塗布乾燥後に行う熱処理時における温度を140℃以上にすることにより、ゴム補強用繊維コードのゴムに対する接着性を確保することができる。しかし、熱処理温度が200℃を超えると、強度低下が起こるだけでなく、耐熱強度保持率も低下し、ゴム補強用途には適さない。
また、乾燥処理温度が90℃よりも低いと乾燥が不十分となり、その後、熱処理によっても接着力が不十分となる。また、130℃よりも高いとRFLが発泡し接着力が低下するという問題がある。
乾燥処理時と熱処理時にコードに与える張力としては、乾燥処理では0.15〜0.40cN/dtexにし、熱処理では0.20〜0.60cN/dtexの範囲にすることが好ましい。さらに好ましくは、熱処理時の張力を乾燥処理時の張力よりも高く設定するのがよい。乾燥処理時の張力が0.15cN/dtexよりも低いと、自動車用タイヤ規模のゴム製品の補強用に使用するコードとしては弾性率が不足する。また、0.40cN/dtexよりも高いと、伸度の大幅な低下を招き、かつ接着性が低下する。
また、熱処理時の張力は、0.20cN/dtexよりも低いと、処理後の弾性率の低下を招く。また0.60cN/dtexよりも高いと、伸度や接着の低下を招くという問題がある。
前述したように、RFL混合液には更にイソシアネート誘導体を配合するとよい。イソシアネート誘導体を配合することにより補強コードのゴムに対する耐水接着性を向上することができる。
本発明のゴム補強用繊維コードは、ゴム製品一般に使用できるが、特に乗用車用空気入りラジアルタイヤの補強コードとして有効であり、効果を一層顕著にすることができる。特に乗用車用空気入りラジアルタイヤでは、ベルト層の外周、 内周或いは層間に配置するベルト補強層の補強コード及び/又はカーカス層のカーカスコードに使用するようにするとよい。
図1は、本発明のゴム補強用繊維コードを使用した乗用車用空気入りラジアルタイヤを、タイヤ中央の赤道から右半分の半断面図でを示したものである。
空気入りラジアルタイヤは、トレッド1の左右両側に、それぞれサイドウォール部2,2及びビード部3,3を連接するように構成されている。タイヤの内側にはカーカス層4が設けられ、その両端部をビードコア5,5の周りに内側から外側へ折り返すようにしている。カーカス層4の外周にはスチールコードからなる2層のベルト層6が層間でコードを交差するように配置され、その外周側にベルト補強層7が設けられている。
ここで、カーカス層4は2枚以上であってもよく、またベルト層6も3枚であってもよく、さらにベルト層6のコードとしスチールコードだけでなくアラミド繊維のような高弾性率の繊維コードを用いてもよい。
ベルト補強層7は、ベルト層6の全幅を覆うフルカバー層7aと、左右のエッジ部だけを覆うエッジカバー層7bとから構成されている。フルカバー層7aとエッジカバー層7bのうちの何れか一方だけを設けた構成であってもよい。また、フルカバー層7が2層以上から構成されていてもよい。
また、ベルト補強層は、ベルト層の外周側だけに設けるとは限らず、ベルト層の層間や、またベルト層の内周側、つまり、ベルト層とカーカス層との間に配置するようにすることも出来る。いずれのベルト補強層も、補強コードを1本又は複数本引き揃えてゴム引きしたテープ状にし、このテープをタイヤ周方向に対して0〜10°の角度で螺旋状に連続的に巻き付けて形成されている。
本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、上述したゴム補強用繊維コードを、ベルト補強層の補強コードとして使用するか、及び/又はカーカス層の補強コードとして使用する。絹フィブロイン繊維で構成したゴム補強用繊維コードをベルト補強層に使用した空気入りラジアルタイヤの場合は、高速耐久性については従来のナイロン繊維コードをベルト補強層に使用した空気入りラジアルタイヤと同等の性能を発揮し、かつロードノズについては、従来のナイロン繊維コード使いのものよりも弾性率が高いため一層優れたロードノズ低減効果を発揮することができる。
また、上記絹フィブロイン繊維のゴム補強用繊維コードをカーカス層に使用した空気入りラジアルタイヤでは、カーカス層の剛性アップにより操縦安定性と乗り心地性を向上することができる。
実施例1〜3、比較例1〜2
絹フィブロイン繊維として、家蚕(アミノ酸成分としてアラニンとグリシンの合計重量%が75.2%、アスパラギン酸とアルギニンの合計重量%が2.6%)から得られた絹糸を用い、コード構造が840dtex/2、上撚り数20回/10cm、下撚り数20回/10cmの双撚りコードにした。このコードの強度は4.4cN/dtex、弾性率は45cN/dtexである。
一方、RFL混合液として、 表1に記載のように、 軟水、10%NaOH水溶液、レゾルシン、37%ホルマリン水溶液、ニポール2518FS(日本ゼオン (株) 製、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリマーゴムラテックスレ、固形分40%)の各成分から、これらの配合割合をそれぞれRFL固形分濃度が表1に記載する10重量%,20重量%,15重量%,25重量%,35重量%になるように調合した(実施例1〜3、比較例1〜2)。
これらのRFL固形分濃度を調整した各RFL混合液を上記絹フィブロイン繊維撚りコードに塗布し、それぞれ同一条件の温度100℃、張力0.25cN/dtex、乾燥時間2分の条件で乾燥した後、熱処理温度180℃、張力0.4cN/dtex、熱処理時間1分30秒の条件で熱処理することにより、表2に記載するように、RFL接着剤の付着量が3.5%,5.5%,4.5%,7.0%,8.8%にした5種類のゴム補強用繊維コードを製造した。
上記のようにして得た5種類のゴム補強用繊維コードについて、前述及び下記の測定方法によりRFL付着量、初期引張り強度、吸湿後強度保持率、耐熱強度保持率、剥離接着力、耐水接着力をそれぞれ測定したところ、表2に記載する結果が得られた。
表2の結果から、本発明に基づく実施例1〜3の各ゴム補強用繊維コードは、初期強度が4.0cN/dtex以上,耐熱強度保持率が82%以上、吸湿後強度保持率が88%以上であると共に、剥離接着力、耐水接着力が高水準であり、比較例1〜2のコードに比べて、高負荷を受けるゴム製品用の補強材として優れていることがわかる。
(剥離接着力)
剥離接着力は、表3に示す配合組成からなるタイヤ用カーカスゴムを用いて2プライ剥離サンプルを作成し、プライ間の剥離力を測定した。
2プライサンプルは、厚さ2mm,幅25mm、長さ250mmのゴムシート上に、処理コードをゴムシートの長手方向に最密充填となるように引き揃えて並べ、その上に厚さ0.4mm、幅25mm,長さ250mmのゴムシートを被せたプライを2つ準備し、ゴムシート厚みが0.4mm面同士を貼り合わせて2プライ構造のサンプルを作成する。この2プライサンプルを150℃で30分加硫し、剥離サンプルとする。剥離試験は、このプライ間を剥離する力を測定した。
(耐水接着力)
耐水接着力は、上記と同じ2プライ剥離サンプルを作成し、70℃の温水に1週間浸漬後、取り出し直ちに同様にプライ間を剥離する力を測定した。
Figure 0003938386
Figure 0003938386
Figure 0003938386
実施例4〜8
実施例1において、RFL混合液として、RFL固形分濃度は20%で同じにし、F/Rモル比だけを表4に記載のように1.5,2.0,3.0,3.5,4.0に異ならせた5種類を用意して使用した以外は、実施例1と同じ条件で被覆処理して5種類のゴム補強用繊維コードを製造した(実施例4〜8)。
それぞれのゴム補強用繊維コードについて、表2と同じ物性測定を行った結果を表5に示す。
表5から、RFL接着剤のF/Rモル比が2.0未満の場合、吸湿後強度保持率、耐水接着性が低下することが分かる。また、F/Rモル比が3.5を超えると初期強度、耐熱強度保持率、剥離接着力が他の例に比較し低下することが分かる。以上から、F/Rモル比は2.0〜3.5の範囲がより好ましいことが分かる。
Figure 0003938386
Figure 0003938386
実施例9〜13
実施例1において、RFL混合液として、RFL固形分濃度を20%、F/Rモル比を2.5の同じにし、RF/L固形分重量比だけを表6に記載のように0.15,0.2,0.25,0.35、0.4に異ならせた5種類を用意して使用した以外は、実施例1と同じ条件で被覆処理して5種類のゴム補強用繊維コードを製造した(実施例9〜13)。
それぞれのゴム補強用繊維コードについて、表2と同じ物性測定を行った結果を表7に示す。
表7から、RFL接着剤のRF/L重量比が0.2未満の場合、吸湿強度保持率、耐熱強度保持率、耐水接着力が低下することが分かる。また、RF/L重量比が0.35を超えると初期強度と剥離接着力が他の例に比較し低下することが分かる。以上からRF/L固形分重量比は0.20〜0.35の範囲がより好ましいことが分かる。
Figure 0003938386
Figure 0003938386
実施例14〜16
実施例1において、RFL混合液にイソシアネート誘導体として、メチルジイソシアネート(MDI)のイソシアネート末端をメチルエチルケトオキシムでブロックしたブロックトイソシアネートの40%水分散液を、それぞれ表8に記載のようにRFL固形分100重量部に対して15重量部、30重量部、50重量部になるように配合した3種類のRFL混合液を使用した以外は、実施例1と同じ条件で被覆処理を行うことにより3種類のゴム補強用繊維コードを製造した。
それぞれのゴム補強用繊維コードについて、表2と同じ物性測定を行った結果を表9に示す。
表9から、接着剤にイソシアネート誘導体を配合したことにより、耐水性接着性が顕著に向上することがわかる。また、配合量としては、RFL固形分100重量部に対して10〜30重量部がより好ましいことが分かる。30重量部超の場合には耐水接着の向上度合いは飽和する一方で、コードが硬くなり初期強度が低下する傾向にある。
Figure 0003938386
Figure 0003938386
実施例17,18、比較例3
下記に記載する構成からなる3種類のゴム補強用繊維コードA,B,Cを用意し、これらコードをそれぞれ打ち込み数60本/5cmにしたベルト補強層として構成するタイヤサイズ225/45R17の乗用車用空気入りラジアルタイヤを3種類製造した。
(1)ゴム補強用繊維コードA
実施例1で製造したものと同じゴム補強用繊維コード(実施例17)。
(2)ゴム補強用繊維コードB
絹フィブロイン繊維として、野蚕(サクサン)から得た絹糸(アラニンとグリシンの合計量72.2%、アスパラギン酸とアルギニンの合計量13.9%)を使用し、実施例1と同じコード構造840dtex/2、上撚り数20回/10cm、下撚り数20回/10cmの双撚りコードを製造した。このコードの強度は4.2cN/dtex、弾性率39cN/dtexである。この撚り糸に実施例1と同じRFL混合液を使用し、同じ接着剤処理と乾燥・熱処理条件を施して得られたゴム補強用繊維コード(実施例18)。
(3)ゴム補強用繊維コードC
66ナイロン繊維で公称繊度が940dtexのマルチフィラメントを940dtex/2、上撚り数19回/10cm、下撚り数19回/10cmの撚りコードに加工した。このコードの強度は8.7cN/dtex、弾性率22cN/dtexである。この撚りコードに、表10に示す組成のRFL混合液を使用し、130℃、張力0.25cN/dtexで2分乾燥し、220℃、張力0.75cN/dtexで1分30秒熱処理を施したゴム補強用繊維コード(比較例4)。
これら3種類のコードについて、表2と同じようにRFL付着量、初期強度、弾性率、吸湿後強度保持率、耐熱強度保持率、剥離接着力、耐水接着力を測定した結果をを表11に示す。
また、上記3種類の空気入りラジアルタイヤについて、下記の測定方法により高速耐久性とロードノイズをそれぞれ測定した結果も同じ表11に記載した。
表11の結果から、本発明にかかる実施例17,18のタイヤは、比較例のタイヤに比べて高速耐久性が同等以上である上に、ロードノイズの低減効果が優れていることがわる。また、実施例17と実施例18の比較から、アスパラギン酸とアルギニンの合計量が少ない家蚕の方が、よりタイヤ性能として優れた特性を与えることが分かる。
(高速耐久性)
試験タイヤをリムサイズ7.5JJ−17のリムに空気圧220kPaにしてリム組みし、直径1707mmのドラム試験機によりJATMA規定最大荷重の88%を負荷し、速度81km/hで2時間連続走行し、冷却後に速度121km/hで走行を開始し、30分後毎に8km/hづつステップアップし、故障するまでの走行距離を測定した。
評価は、比較例3のタイヤの測定値を100とする指数で示した。指数値が大きいほど高速耐久性が優れている。
(ロードノイズ)
運転席の窓に集音マイクを設置した実車に試験タイヤを装着し、速度50km/hで粗面の路面を走行するときロードノイズを集音マイクで集めた周波数を分析し、315Hzの騒音レベルを比較した。評価は比較例3のタイヤの測定値に対する差(dB)で示した。マイナス(−)で表示された数値が大きいほど、ロードノイズ低減効果が優れていることを意味する。
Figure 0003938386
Figure 0003938386
実施例19,20、比較例4
下記に記載する構成からなる3種類のゴム補強用繊維コードD,E,Fを用意し、これらコードをそれぞれ打ち込み数45本/5cmのカーカス層とし、このカーカス層を2プライ有するタイヤサイズ225/45R17の乗用車用空気入りラジアルタイヤを3種類製造した。
(1)ゴム補強用繊維コードD
絹フィブロイン繊維として、家蚕から得た絹糸(アラニンとグリシンの合計量75.2%、アスパラギン酸とアルギニンの合計量2.6%)を使用し、1690dtex/2、上撚り数40回/10cm、下撚り数40回/10cmの撚りコードに加工した。このコードの強度は4.0cN/dtex、弾性率38cN/dtexである。この撚りコードに実施例1と同じRFL混合液を使用し、同じ接着剤処理を施してゴム補強用繊維コード(実施例19)。
(2)ゴム補強用繊維コードE
絹フィブロイン繊維として、野蚕(サクサン)から得た絹糸(アラニンとグリシンの合計量72.2%、アスパラギン酸とアルギニンの合計量13.9%)を使用し、1690dtex/2、上撚り数40回/10cm、下撚り数40回/10cmの撚りコードに加工した。このコードの強度は3.9cN/dtex、弾性率35cN/dtexである。この撚り糸に実施例1と同じRFL混合液を使用し、同じ接着剤処理を施して得られたゴム補強用繊維コード(実施例20)。
(3)ゴム補強用繊維コードF
ポリエステル繊維で公称繊度が1100dtexのマルチフィラメントから1100dtex/2、上撚り数50回/10cm,下撚り数50回/10cmの撚り糸に加工した。このコードの強度は6.8cN/dtex、弾性率29cN/dtexである。この撚り糸に表12に示す組成のRFL混合液を使用し、130℃、張力0.10cN/dtexで2分乾燥し、240℃、張力0.25cN/dtexで1分30秒熱処理を施したゴム補強用繊維コード(比較例4)。
これら3種類のコードについて、表2と同じようにRFL付着量、初期強度、弾性率、吸湿後強度保持率、耐熱強度保持率、剥離接着力、耐水接着力について測定した結果を表13に示す。
また、上記3種類の空気入りラジアルタイヤについて、下記の測定方法により操縦安定性と乗り心地をそれぞれ測定した結果についても、表13に記載した。
表13の結果から、本発明にかかる実施例19,20のタイヤは、比較例4のタイヤに比べて操縦安定性および乗り心地とも略同等以上であることがわる。
(操縦安定性)
5人のプロテストドライバーによるフィーリング試験で5点法により採点し、5人の平均値で評価した。比較例4のタイヤを3点として比較した。
(乗り心地)
操縦安定性と同じフィーリング試験で評価した。比較例4のタイヤを3点として比較した。
Figure 0003938386
Figure 0003938386
本発明のゴム補強用繊維コードを使用した乗用車用空気入りラジアルタイヤを例示する半断面図である。
符号の説明
1 トレッド
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ベルト層
7 ベルト補強層

Claims (11)

  1. 総繊度1500〜9000dtexの絹フィブロイン繊維からなるマルチフィラメント撚りコードに、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスの混合物からなる接着剤が被覆され、その接着剤の付着量が繊維重量に対して4.0%以上、8.0%以下であり、その被覆撚りコードの初期引張り強度が3.5cN/dtex以上で、耐熱強度保持率が80%以上、吸湿後強度保持率が85%以上であるゴム補強用繊維コード。
  2. 前記被覆撚りコードの引張り弾性率が40cN/dtex以上である請求項1に記載のゴム補強用繊維コード。
  3. 前記接着剤のホルマリン/レゾルシンのモル比が2.0〜3.5の範囲にある請求項1または2に記載のゴム補強用繊維コード
  4. 前記接着剤のレゾルシン・ホルマリン/ゴムラテックスの固形分重量比が0.20〜0.35の範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載のゴム補強用繊維コード
  5. 前記絹フィブロイン繊維が、アミノ酸成分として含むアラニンとグリシンの合計量が60%以上である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム補強用繊維コード。
  6. 前記絹フィブロイン繊維が、アミノ酸成分として含むアスパラギン酸とアルギニンとの合計量が5%以下である請求項5に記載のゴム補強用繊維コード。
  7. 前記接着剤にイソシアネート誘導体を配合した請求項1〜6のいずれかに記載のゴム補強用繊維コード。
  8. 前記イソシアネート誘導体の配合量が、レゾルシン・ホルマリン・ラテックスの固形分100重量部に対して5〜50重量部である請求項7に記載のゴム補強用繊維コード。
  9. 総繊度1500〜9000dtexの絹フィブロイン繊維からなるマルチフィラメント撚り糸に、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス混合液を塗布し、これを温度90〜130℃で乾燥した後、温度140〜200℃で熱処理することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のゴム補強用繊維コードの製造方法。
  10. 左右のビード部間にカーカス層を配置し、該カーカス層の外周側にベルト層を配置し、該ベルト層の外周側、 内周側及び層間の少なくとも1箇所に補強コードをタイヤ周方向に巻回して形成したベルト補強層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト補強層の補強コードとして請求項1〜8のいずれかに記載のゴム補強用繊維コードを使用した乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  11. 左右のビード部間にカーカス層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記カーカス層の補強コードとして請求項1〜8のいずれかに記載のゴム補強用繊維コードを使用した乗用車用空気入りラジアルタイヤ。

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