JP2895552B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JP2895552B2
JP2895552B2 JP2037157A JP3715790A JP2895552B2 JP 2895552 B2 JP2895552 B2 JP 2895552B2 JP 2037157 A JP2037157 A JP 2037157A JP 3715790 A JP3715790 A JP 3715790A JP 2895552 B2 JP2895552 B2 JP 2895552B2
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    • B60C9/18Structure or arrangement of belts or breakers, crown-reinforcing or cushioning layers
    • B60C9/26Folded plies

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、空気入りラジアルタイヤ、特にポリビニ
ルアルコール繊維コードのベルト補強層を少なくとも1
層そなえ、乗心地及び耐久性が改良された空気入りラジ
アルタイヤに関する。
(従来の技術) 空気入りラジアルタイヤのベルト補強層は、タイヤト
レッド部の剛性を高めることによってタイヤの操縦安定
性、耐摩耗性及び転り抵抗に起因する低燃費性能を著し
く高める機能を有している。
このため、従来ベルト補強層には、主としてスチール
コードが使用されてきたが、アラミド繊維、レーヨン、
ポリエステル、ポリビニルアルコール繊維(PVA繊維)
等の有機繊維も一部使用された。
スチールコードの場合、前記機能は十分有するが、半
面トレッド部の曲げ剛性が高いために乗心地が悪くなる
とか、タイヤ全体の重量が増加する為に転り抵抗が大き
くなり、近年重要視される燃料消費量が増大するとか、
更には踏面部に発生したカット部から水が浸入してスチ
ールコードを腐蝕するとかの種々の問題がある。
このようなスチールコードの欠点を克服するために
は、本来柔軟で軽く、かつ腐蝕しない有機繊維コードを
使用したベルト補強層が期待されるが、従来ベルト補強
層に使用されてきたレーヨン、ポリエステル繊維は、弾
性率がスチールコードに比較して低いため、ベルト補強
層本来の機能であるベルト効果が十分でなく、操縦安定
性及び耐摩耗性において劣るという欠点を有していた。
また、高弾性であるアラミド繊維をベルト補強層に使
用すると、スチールコードに近いベルト効果が得られる
が、アラミド繊維の動的弾性率が高すぎるため有機繊維
の柔軟さを十分に出せず乗心地が改善できなかっただけ
でなく、耐疲労性とか接着力、特に高温時の接着力が低
いためタイヤの耐久性の面でも不満足であった。
PVA繊維では、近年高強力高弾性率PVA繊維が比較的容
易に、かつ大量に供給できる方法が見い出され(例えば
特開昭60−126311号及び同60−126312号公報)、タイヤ
コードとして有望になったが、通常の使用法では、タイ
ヤの安全性の面で不安が残ることが分かった。すなわ
ち、高強力高弾性率PVA繊維をベルトコードとして用い
たタイヤは、コードの強力や切断伸度又は打込本数が不
適当であると、タイヤが悪路の石や道路上の突起物を乗
り越す時、タイヤ内部で数本のベルトコードの部分的破
断が起こり、タイヤ安全上問題があった。しかしなが
ら、前記破断を防止するためにベルトコードの打込本数
を多くするとベルト端でセパレーションを起こしやすく
なる問題が生じた。
(発明が解決しようとする課題) この発明の目的は、空気入りラジアルタイヤにおいて
本来の目的である操縦安定性、耐摩耗性、低燃費性に寄
与するタイヤトレッド部の剛性を保ちながら、有機繊維
コードの利点である耐腐蝕性及び軽量性に加えて乗心地
及び耐久性を改良した高強力、高弾性率PVA繊維の補強
ベルト層を有する空気入りラジアルタイヤを提供するこ
とである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記課題を解決すべく高強力高弾性率
PVA繊維について鋭意研究した結果、この繊維のベルト
補強層コードの物性及びベルト層構造を制限することに
よってタイヤの安全性を確保できることを確かめ、この
発明を完成するに至った。
すなわち、この発明は、2層以上のベルト補強層をそ
なえ、ベルト補強層の少なくとも1層が高強度、高弾性
率ポリビニルアルコール繊維コード、すなわちPVA繊維
コードをゴム中に埋設したベルト補強層である空気入り
ラジアルタイヤにおいて、前記PVA繊維コードのベルト
補強層から取り出したコードのコード強力S(kg)とコ
ード切断伸度U(%)とこの補強層のクラウンセンター
部の5cm当りの打込本数Tとが次の関係式 12(S×T)+1000U>28000 (1) を満足し、PVA繊維コードのコード直径L(mm)と前記
コードの5cm当りの打込本数Tとが次の関係式 を満足し、かつ前記PVA繊維コードのベルト補強層から
取り出したコードの100℃、30Hzにおける動的弾性率
E′が次式 0.7×1011dyn/cm2<E′<2.0×1011dyn/cm2 (3) を満足する空気入りラジアルタイヤである。E′は、1.
0×1011dyn/cm2<E′<1.5×1011dyn/cm2を満足する
ことが好ましい。
(作用) この発明に用いられる高強力高弾性率PVA繊維のコー
ド物性の測定結果を他のベルト補強層用コードと比較し
て第1表に示す。
第1表のコードの接着剤処理は、次のように行った。
レーヨン及び高強力高弾性率PVA繊維は、通常のレゾル
シン・ホルムアルデヒド/ラテックス(RF/L)系接着剤
に浸漬後、乾燥熱処理した。ポリエステルは、硫黄変性
レゾルシンとRF/Lとの混合液に浸漬後、乾燥熱処理し
た。また、アラミド繊維は、RF/L系接着剤塗布前にエポ
キシ水溶液に浸漬後乾燥熱処理した。
第1表の耐疲労性測定は次の疲労試験によった。24本
/2.54cm(24本/インチ)の打込本数のコードに天然ゴ
ム主体の未加硫配合ゴム1.0mmシートを両側より貼り合
わせた5cm幅×60cm長さのトッピングコードシートを作
製した。このトッピングコードシートとスチールコード
シートとを貼り合わせ、その上下面にサンプル全体の厚
さが15mmになるように未加硫配合ゴムを貼り合わせ、14
5℃×30分、20kg/cm2の加圧下で加硫し、耐屈曲疲労性
測定用加硫物を作製した。次にこの加硫物を直径20mmの
プーリーに、試料コードシートがプーリー側になるよう
にかけ、両端より100kgの荷重をかけ、100℃の環境下で
毎時5000回の屈曲歪みを加え、4時間後に取りはずし、
コードを取り出し、その破断強度を測定し、その値の、
コードの元の破断強度に対する保持率(%)でコード耐
疲労性を表した。
第1表に示されるように、高強力高弾性率PVA繊維
は、コード強度及びコード動的弾性率がアラミド繊維よ
り低いがレーヨン、ポリエステルよりすぐれ耐疲労性が
アラミド繊維より著しくすぐれ、レーヨン及びポリエス
テルに匹敵する。また、アラミド繊維の場合、高温での
接着力が低く、高速、高荷重、低内圧等の走行条件でベ
ルト端セパレーションを起こしやすいのに対し、高強力
高弾性率PVA繊維は、分子鎖に結合した多数のOH基を有
するためレゾルシン・ホルムアルデヒド/ラテックス
(RF/L)接着剤との接着性が良好であり、高温での接着
性も良好である利点を有する。
この発明で用いる高強力高弾性率PVA繊維に含まれる
が、この繊維に後に述べるように架橋剤を反応させて架
橋処理を施した繊維も、この処理を施さない繊維と同様
の利点を有するばかりでなく、耐疲労性が向上する利点
を有する。
この発明で用いる高強力高弾性率PVA繊維は、前述の
ように関係式1を満足する必要があり、そうでない場
合、悪路走行時、路上の石や突起物によるベルトコード
の破断が起こりやすい。また、関係式1を満足しても、
関係式2を満足しない場合、ベルト端セパレーションを
起こしやすい。更に、式3を満足しない場合は、操縦安
定性が劣る欠点が生ずる。これに対して前記式1,2及び
3を同時に満たす高強力高弾性率PVA繊維は、前記不利
益がなく乗心地及び耐久性が改良される。
この発明で用いる高強力高弾性率PVA繊維は、架橋処
理を施したものが好ましい。これは、第1表に示すよう
に、架橋処理により強力保持率がいっそう改善され、タ
イヤとしてより好ましい方向に向かうからである。
発明者らは、このような架橋処理を行っていない高強
力高弾性率PVA繊維コードをそなえるタイヤの実地走行
後の該コードの強力低下の原因につき種々検討した後、
次のような知見を得た。すなわち、実地走行後、タイヤ
から取り出したコードをエポキシ樹脂中に埋め込み、ミ
クロトームで切断した該コード横断面を観察したとこ
ろ、下撚りの束どうしの交錯面近傍のフィラメントが著
しく変形し、フィラメント10本以上が凝着化し、一部フ
ィブリル化を伴っていることが分かった。これは、ポリ
エステルやアラミド繊維には見られない現象である。本
発明者らは、このような疲労特性を改良するため、フィ
ラメントの圧縮、擦れ、耐高温性及び耐熱水性の向上を
図るため、繊維分子鎖の横方向の結合を高めるべく、隣
接ポリビニルアルコール分子の両OH基と架橋反応を起こ
させ、上記疲労特性を改良することができた。
この場合、使用する架橋剤としては、前記OH基と反応
して架橋反応を起こすものはもち論であるが、その他の
架橋剤でもPVA分子鎖間の架橋を生ずるものであれば使
用することができる。架橋剤の例は、OH基と反応する、
アルデヒド類、メチロール化合物、エポキシ化合物、イ
ソシアナート化合物、ペルオキシド、金属(Al,Ti,P,C
r,Cuなど)を含む化合物及び脱水反応を起こさせる無機
酸類である。
このような架橋剤と反応させる方法として、繊維原糸
又はコードと架橋剤との反応方法について述べる。架橋
剤をPVA繊維原糸又はコードのフィラメントの内部まで
浸透させるために、架橋剤の溶液で繊維を処理するが、
溶媒として紡糸溶媒と同じものを用いるのが好ましい。
すなわち、紡糸溶媒であるジメチルスルホキシド、グリ
セリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、
トリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、フェノール、n−プ
ロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、水及び
これら溶媒の混合物などが考えられ、ジメチルスルホキ
シド及び水が好ましい。例えば、ジメチルスルホキシド
又は水に架橋剤を溶解した浴の温度を約50〜90℃の範囲
内に保つとPVA繊維の非晶部が膨潤し、フィラメント内
部への架橋剤の入り込みを助ける。この場合の浸漬時間
は長い方が好ましいが、約30分で充分である。
浸漬後、コードとコードの間やフィラメントの表面に
付着した余分な架橋剤を水又はアルコール類で洗い去
り、乾燥熱処理することにより架橋反応を行わせること
ができる。
また、本発明で用いる架橋処理PVA繊維は、上記以外
の架橋処理で得られたものでも、もち論よい。例えば、
架橋剤のフィラメント内部への浸透を紡糸工程又は紡糸
後の凝固工程で行わせることも可能であり、工業的には
むしろこれらの方法の方が好ましい。具体的には、紡糸
原液に架橋剤を加える場合、PVAを2〜50重量%溶解す
る紡糸原液を調製し、この原液に架橋剤を重量でPVA100
に対し1以下となるように投入する。紡糸方法は、乾式
又は湿式のいずれでもよく、あるいはその両者を組み合
わせた乾湿式でもよい。一般に紡糸後、糸をメタノール
等の凝固浴に通した後延伸し、熱処理下更に延伸しなが
ら架橋反応を行わせる。なお、前記架橋原液に架橋剤を
加える代わりに、凝固浴に加えて架橋剤を繊維内部に浸
透させる方法を取ることもできる。この架橋反応を行う
に必要な温度は、架橋剤の種類により異なるが、通常12
0℃以上であってフィラメントの融点以下が好ましい。
また、架橋反応に紫外線、遠赤外線、マイクロ波などを
用いてもよい。
この発明で用いる場合、架橋PVA繊維は、コードを120
℃のジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した場合、不
溶成分含量が5重量%以上であることが好ましく、10重
量%以上が更に好ましく、30重量%以上が特に好まし
い。この不溶成分の含量が分子間架橋の程度を示す指標
となる。不溶成分含量が5重量%未満では疲労特性の改
良効果が明らかでない。このようにしてPVAフィラメン
トに架橋結合を生成させた後、このフィラメントを撚糸
工程に供し、生コードとする。しかる後、この生コード
を通常のRFL接着剤処理に供する。このようにして得
た、架橋処理高強力高弾性率PVA繊維は、第1表に示し
たように架橋処理しないPVA繊維に比べて耐疲労特性が
明らかに向上していることが分かる。
なお、この発明におけるコード強力S、引張強度、コ
ード切断伸度UはJIS−L−1013に準じて、つかみ間隔2
5cm、引張り速度30cm/分で測定するものである。また、
コード動的弾性率(E′)は、バイブロン型スペクトロ
メータを使用し、コードサンプル長さ3cmで100℃、30H
z、初期張力0.1g/d、動的張力を±0.033g/dの条件下で
測定した。
(実施例) 次にこの発明を実施例及び比較例によって説明する。
実施例1及び2、比較例1〜6 実施例1及び2、比較例1及び2のコードは、第1表
に示したコードであり、比較例3〜6のコードは、実施
例1に準じた方法により第2表に示すような特性のもの
を準備したものである。これらの各種コードを、2層の
ベルト補強層をそなえる乗用車用ラジアルタイヤのトレ
ッド側に位置する第2ベルト補強層にそれぞれ用い、第
1ベルト補強層にスチールコードを用いて185/70R13サ
イズのタイヤを試作した。カーカスプライはポリエステ
ル1500D/2のコードを使用した。タイヤの構造配置図
は、第1図に示すとおりである。第2ベルト補強層は、
補強層の横方向最外端部分が折り返されたフォールド構
造を有している。
タイヤの試験において、操縦安定性及び乗心地は、60
〜200km/Hの速度でのプロドライバーによる実車テスト
のフィーリングによる評点で示した。値の大きい程良好
であることを示す。また、悪路40%、良路60%の比率で
各タイヤに内圧2.5kg/cm2で荷重500kgかかるようにし完
全摩耗まで走行させた後、第2ベルト層部を露出させ、
タイヤ1本中のコードの破断本数を数えコード破断性を
見た。また、耐久性テストとしてタイヤのドラムテスト
をタイヤ内圧3.0kg/cm2、荷重900kg、速度60km/Hの条件
で行い、故障が生じなかった場合、2万km走行で打ち切
りとした。ドラムテスト後、第2ベルト補強層を切り出
しベルト端セパレーションの有無を評価し、またコード
を取り出して最初のコード強力に対するドラムテスト後
のコードの残強力の保持率百分率を耐疲労性の尺度とし
て評価した。
120℃ジメチルスルホキシド(DMSO)不溶分の測定
は、次のようにして行った。PVAベルトコードをタイヤ
から取り出し、該コードのゴム付着部分及びRFL接着層
部分を注意深く取り除いた後、具体的にはPVA繊維を約3
mm程度に切断したもの約0.05gの重量をあらかじめ測定
し、これを50ccのDMSOに120℃で1時間溶解させ、次い
でろ紙(5種A)を用いて熱時ろ過し、ろ紙上に残った
不溶分をろ紙ごと風乾し、次いで充分熱乾燥させた後、
ろ紙上の不溶分の重量を算出し、最初のPVA繊維の重量
に対する不溶成分の重量の割合を百分率で示した。
試験結果を第2表に示す。
比較例1のポリエステルの動的弾性率は、0.5×1011d
yn/cm2と低く、このような動的弾性率のコードをベル
ト材として使用しても操縦安定性が劣り、充分なベルト
効果が望めない。
比較例2のアラミド繊維は、動的弾性率が2.5×1011d
yn/cm2と高く、これをベルト材としたタイヤの操縦安
定性も良好であるが、乗心地性のソフトさの点ではマイ
ナスに働いて第2表の他の有機繊維に比べて劣る。ま
た、この繊維をベルト材としたタイヤは、ドラムテスト
で完走しているものの、ベルト端セパレーションが発生
しており、第1表に示すような接着力、特に高温接着力
が劣る点で不安がある。
第2表のデータを用いて切断伸度(縦軸)一打込本数
×コード強力(横軸)平面で示された悪路走行における
コード非破断領域のグラフを第2図に示す。これは、12
(S×T)+1000U>28000(1)を満たす領域(第2図
斜線領域)内ではベルト層のコードの破断が起こらない
が、上記条件を満たさない領域(白い部分)ではコード
破断が起こることを示す(比較例3、5)。
実施例1は、比較例3に比べてコードを太糸化し、撚
係数を同一としてコード強力を大幅に上げて耐コード破
断性を上げたものである。比較例4は、打込本数を上げ
ることでもコード破断が防げるがコード占有率が80以上
となりドラム走行後、ベルト端セパレーションが発生し
ている。比較例5は、切断伸度を上げるため撚数を多く
したが、コード強力とコード弾性率が低下した結果、関
係式1の条件を満たすことができず、ベルトコード破断
が起こり、操縦安定性も低下した。
比較例6は、比較例5と同じ撚係数で太糸化している
第2ベルトコードを使用しているので、コード強力が上
がり、関係式1の条件を満たすので、悪路走行でもベル
トコード破断は起こらなかった。しかし、動的弾性率
は、比較例5と同様に0.55×1011dyn/cm2と低下してお
り、操縦安定性が低下した。
実施例2は、高強力高弾性率PVAに架橋処理を施した
もので、架橋処理をしない実施例1に比べてドラム走行
後のベルトコード強力の保持率で顕著な改良が認められ
る。
以上のデータなどから本発明者らは関係式1の条件
(第2図斜線領域内)をベルトコードの破断の起こらな
い条件として確立した。
悪路走行でコード破断が起こることを防止する、この
発明の技術を考察すると次のように考えられる。タイヤ
が悪路の石や道路上の突起物等を乗り越す時、タイヤが
石を包む形で変形し、この時、コード特に第2ベルト補
強層コードに局所的な大きな張力が加わり、この張力に
対抗するだけの十分な強力(すなわち、コード強力×打
込数)の有無及び突起物を包む際のベルトコードの変形
への追随性(切断伸度)の有無によってベルトコードの
破断が左右されると考えられ、このような破断が起こる
か起こらないかの境界条件が第2図の斜線領域と白い領
域の境界線であり、斜線領域内のコード強力×打込本数
及び切断伸度を有するコードのみが前記乗り越し時の張
力を克服しうると考えられる。ただし、打込本数につい
ては、これが多過ぎるとコード間のゴムゲージが薄くな
り、ベルト端セパレーションが起こりやすくなる問題が
生じている。
(発明の効果) 実施例及び比較例からも明らかなように、この発明
は、空気入りラジアルタイヤのベルト補強層、特に第2
ベルト補強層のコードとして高強力高弾性率PVA繊維を
使用し、このコードの特定の物性及び配列条件を限定す
ることにあり、操縦安定性にすぐれ、しかも乗心地と耐
久性が改良された空気入りラジアルタイヤを提供する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例を示す空気入りラジアルタ
イヤの断面図、 第2図は、コード非破断領域を示す打込本数×コード強
力(横軸)と切断伸度(縦軸)との平面に非破断領域を
示すグラフである。 1……ビード、2……カーカスプライ 3……第1ベルト補強層、4……第2ベルト補強層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60C 9/00 B60C 9/26 B60C 9/20 B60C 9/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2層以上のベルト補強層をそなえ、ベルト
    補強層の少なくとも1層が高強度、高弾性率ポリビニル
    アルコール繊維コード、すなわちPVA繊維コードをゴム
    中に埋設したベルト補強層である空気入りラジアルタイ
    ヤにおいて、前記PVA繊維コードのベルト補強層から取
    り出したコードのコード強力S(kg)とコード切断伸度
    U(%)とこの補強層のクラウンセンター部の5cm当り
    の打込本数Tとが次の関係式 12(S×T)+1000U>28000 を満足し、PVA繊維コードのコード直径L(mm)と前記
    コードの5cm当りの打込本数Tとが次の関係式 を満足し、かつ前記PVA繊維コードのベルト補強層から
    取り出したコードの100℃、30Hzにおける動的弾性率
    E′が次式 0.7×1011dyn/cm2<E′<2.0×1011dyn/cm2を満足す
    ることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】前記PVA繊維コードが120℃のジメチルスル
    ホキシドに溶解した際の不溶成分5重量%以上を含有す
    る請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】PVA繊維コードのベルト補強層が最外側ベ
    ルト補強層である請求項1又は請求項2記載の空気入り
    ラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】PVA繊維コードのベルト補強層が補強層の
    横方向最外端部分が折り返されたフォールド構造を有す
    る請求項3記載の空気入りラジアルタイヤ。
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