JP3938065B2 - オイルスプレークラッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルスプレークラッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両のオイルスプレークラッチにおいては、クラッチディスクアッセンブリの摩擦面に対し潤滑オイルを流入させることが行われている。
【0003】
従来のオイルスプレークラッチは図11〜図13に示され、図中、1はクラッチハウジング、2はエンジンにより駆動するようにしたクランクシャフト3に接続されたフライホイール、4はクラッチディスクアッセンブリ、5はプレッシャプレート、6は図示してないオイルポンプから送給された潤滑オイルをクラッチディスクアッセンブリ4に吹き付けるための噴射ノズル、7はクラッチハウジング1の下部に取り付けられたオイルパンであり、フライホイール2、クラッチディスクアッセンブリ4、噴射ノズル6の先端側は、クラッチハウジング1内に収納されている。又、オイルパン7に溜まった潤滑オイルはオイルポンプへ戻し得るようになっている。尚、図11に示すオイルスプレークラッチは、コイルスプリングレバー式クラッチであって、プレッシャプレート5を付勢することによりクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面をフライホイール2に押し付けるためのコイルスプリング16と、該コイルスプリング16の付勢力に抗してプレッシャプレート5をクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面から引き離すためのリリースレバー18と、前記コイルスプリング16及びリリースレバー18等を覆うクラッチカバー19とを備えている。ここで、クラッチカバー19は、フライホイール2の外周部20に所定の間隔で形成された複数の凸状のポット部21にボルト締結されている。又、クラッチハウジング1の斜め上部には、潤滑オイル15を注入し得る開閉可能な点検口22を備えている。
【0004】
クラッチディスクアッセンブリ4の詳細は図13に示され、8はクランクシャフト3と同心にクラッチハウジング1内に配置された図に示すインプットシャフト17に外嵌され、クラッチの連結、離脱時にインプットシャフト17に対し摺動し得るようにしたスプラインハブ、9はスプラインハブ8の外周に固設したディスク本体、10はディスク本体9に取り付けたドーナツ板状のクラッチプレート、11はクラッチプレート10の外周部に、クラッチプレート10の径方向外方へ突出するよう取り付けたクッションプレート、12はクッションプレート11のプレッシャプレート5側に取り付けたフェーシング、13はクッションプレート11のフライホイール2側に取り付けたフェーシングであり、クッションプレート11はフェーシング12,13により挟まれた状態になっている。
【0005】
車両駆動時、クラッチペダルを踏んでいない場合には、クラッチディスクアッセンブリ4のフェーシング12,13の表面はプレッシャプレート5及びフライホイール2の表面と連結され、エンジンの動力はトランスミッションに伝達される。
【0006】
クラッチペダルを踏むと、クラッチディスクアッセンブリ4のフェーシング12,13の表面はプレッシャプレート5及びフライホイール2の接触面から離反し、エンジンの動力はトランスミッションには伝達されない。
【0007】
半クラッチの場合は、クラッチディスクアッセンブリ4におけるフェーシング12,13の表面とプレッシャプレート5及びフライホイール2の表面とは接触状態で摺動する。
【0008】
オイルポンプからの潤滑オイル15は、噴射ノズル6からクラッチプレート10とフェーシング12,13との間の近傍に向けて吹き付けられる。このため、潤滑オイル15はクラッチディスクアッセンブリ4における摩擦面であるフェーシング12表面の潤滑を行うと共に、フェーシング12側からオイル流路を経てフェーシング13側へも供給され、摩擦面であるフェーシング13表面の潤滑を行う。
【0009】
尚、他のオイルスプレークラッチとしては、オイルパンのオイル溜めにフライホイールの下部が浸るよう構成し、フライホイールの回転により潤滑オイルを掻き上げる例があり、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されたようなものがある。
【0010】
【特許文献1】
実開昭60−24937号公報
【特許文献2】
実開平2−136820号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最初に説明した図11のオイルスプレークラッチでは、噴射ノズル6のオイル噴射口はクラッチカバー19の外側に配設されており、クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面から遠く離れているため、潤滑オイル15をクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面に確実に吹き付けることが難しく、該摩擦面が温度上昇しやすくなって、クラッチディスクアッセンブリ4の摩耗寿命が短くなるという欠点を有していた。又、特許文献に示す如くフライホイール2の回転により潤滑オイル15を掻き上げるオイルスプレークラッチでは、クラッチディスクアッセンブリ4を冷却する潤滑オイル15の掻上必要量がフライホイール2の形状により決定されるため、フライホイール2の高回転域において掻き上げるための抵抗が増加し、エンジン出力へ悪影響を与えるという問題があった。
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑み、クラッチディスクアッセンブリの摩耗寿命延長を図ると共に、フライホイールの回転において掻き上げるための抵抗の増加を抑制するオイルスプレークラッチを提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、クラッチディスクアッセンブリに隣接するフライホイールの下部をオイル溜めに浸すよう構成すると共に、前記フライホイールの外周でクラッチカバーを締結するポット部の間に、フライホイールの回転によりオイル溜めの潤滑オイルを掻き上げる羽根部を備え、前記羽根部は、フライホイールの回転に伴う遠心力によって羽根セット角度を変更し、フライホイールの回転力が上昇した際には、潤滑オイルの掻き上げによる羽根部の抵抗を低減するように構成されたことを特徴とするオイルスプレークラッチ、にかかるものである。
【0015】
本発明の請求項は、羽根部の羽根部本体は、フライホイールに軸部を介して揺動可能に配置されると共に、フライホイールの回転に伴う遠心力によって羽根セット角度を変更するよう重心を偏心させた請求項記載のオイルスプレークラッチ、にかかるものである。
【0016】
本発明の請求項は、羽根部の羽根セット角度を決定し得るよう弾性体で余勢された請求項1又は2記載のオイルスプレークラッチ、にかかるものである。
【0017】
クラッチディスクアッセンブリの摩擦面を潤滑する際には、フライホイールの回転に伴って、フライホイールの羽根部がオイル溜めの潤滑オイルを掻き上げ、クラッチディスクアッセンブリの摩擦面に潤滑オイルを流入させる。又、この時、羽根部の羽根セット角度はフライホイールの回転に伴う遠心力によって変化する。
【0018】
このように、請求項1によれば、フライホイールから潤滑オイルをクラッチディスクアッセンブリの摩擦面に流入させるので、クラッチディスクアッセンブリの摩擦面の潤滑を確実に行い、摩擦面の温度上昇を抑制してクラッチディスクアッセンブリの摩耗寿命を延長することができる。又、羽根部の羽根セット角度はフライホイールの回転に伴う遠心力によって変化するので、フライホイールの高回転域において潤滑オイルを掻き上げるための抵抗の増加を抑制し、エンジン出力への影響を防止することができる。
【0019】
請求項に示す如く、羽根部の羽根部本体は、フライホイールに軸部を介して揺動可能に配置されると共に、フライホイールの回転に伴う遠心力によって羽根セット角度を変更するよう重心を偏心させると、フライホイールの回転に伴う遠心力が羽根部に作用した際には羽根部本体の重心位置により羽根セット角度を容易に変更し得るので、フライホイールの高回転域において潤滑オイルを掻き上げるための抵抗の増加を一層抑制し、エンジン出力への影響を好適に防止することができる。
【0020】
請求項に示す如く、羽根部の羽根部本体は、羽根部の羽根セット角度を決定し得るよう弾性体で余勢されると、フライホイールの回転に伴う遠心力が羽根部に作用した際には弾性体により羽根部の羽根セット角度を微細に調整し得るので、フライホイールの高回転域において潤滑オイルを掻き上げるため抵抗の増加を確実に抑制し、エンジン出力への影響を完全に防止することができる。又、フライホイールの回転が高回転域から低回転域まで低下した際には、弾性体が羽根部本体を押し戻して羽根部の羽根セット角度を決定し得るので、潤滑オイルの掻き上げ量を増加させて潤滑オイルの掻き上げ量を維持することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0022】
図1〜図10は本発明を実施する形態例であって、図中、図11〜図13と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0023】
本実施例のオイルスプレークラッチは、オイルパン7と共にクラッチハウジング1の下部に潤滑オイル15が溜まるようオイル溜め30を構成しており、オイル溜め30にはフライホイール31の下部が漬っている。
【0024】
フライホイール31の外周には、凸状のポット部32と略同じ高さの外周部33を備えており、外周部33には、ポット部32の間に位置するよう、フライホイール31の外周側から径方向内周側へ向かう大口径の貫通路34を備えると共に、貫通路34をフライホイール31の軸方向に貫通する複数の軸孔(図示せず)を形成している。又、外周部33の上部には、軸孔の部分に位置するよう凹部35を形成すると共に、ポット部32のボルト穴36を備えている。
【0025】
外周部33の貫通路34には、同方向に向かう複数の通路37を形成するよう複数枚(図2では2枚)の羽根部38を配置しており、羽根部38は、外周部33の軸孔に軸支されるようプレート状の羽根部本体39の上面及び下面に軸部40を備えて揺動可能に構成されており、羽根部本体39の側部は、複数の通路37を形成する通路面を形成している。又、上面の軸部40は、軸孔より外周部33の凹部35に突出すると共に、軸部40に凹部35内で延在するストッパ板41を備えている。ここで、揺動可能な羽根部38は、重心Gを軸部40よりフライホイール31内側方向に偏心して構成されると共に、フライホイール31の回転方向に対し、外周側から径方向内側へ向かって常に斜め逆方向になるよう配置されている。尚、フライホイール31の径方向に対する羽根部38の角度を、可変の羽根セット角度Sとして設定している。
【0026】
外周部33の凹部35は、軸部40の回転に伴ってストッパ板41が凹部35内を移動し得るよう所定の大きさを備えると共に、ストッパ板41が所定位置で接触するストッパ受面42を形成している。又、凹部35の内部には、凹部35の所定の壁面43と軸部40のストッパ受面42との間に位置するよう、ストッパ板41をストッパ受面42へ余勢する弾性体のコイルスプリング44を配置している。ここで、弾性体は、コイルスプリング44の変わりに、図5に示す如く中央部を捻った形状の捻りコイル45でも良いし、ゴム等の部材でもよい。
【0027】
以下、本発明を実施する形態例の作用を説明する。
【0028】
クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面を潤滑する際には、フライホイール31の回転に伴ってフライホイール31の羽根部38がオイル溜め30の潤滑オイル15を掻き上げ、通路37を介してクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面を潤滑する。
【0029】
又、この時、フライホイール31の回転はクラッチ発進等の作動により低回転域から高回転域までの間を変化し、フライホイール31の回転に伴う遠心力によって羽根部38も羽根セット角度Sが変化する。
【0030】
フライホイール31の回転が低回転域の場合は、羽根部38は弾性体によりストッパ板41がストッパ受面42に接触するまで余勢されることにより、一定の羽根セット角度Sに配置され、フライホイール31の少ない回転数でオイル溜め30の潤滑オイル15を多量に掻き上げ、潤滑オイル15の必要量を維持する。
【0031】
フライホイール31の回転が高回転域の場合は、羽根部38に作用するフライホイール31の遠心力が弾性体の弾性力よりも上回ることにより、ストッパ板41がストッパ受面42より離反するよう羽根部本体39は移動して、大きな角度の羽根セット角度Sに配置され、フライホイール31の大きい回転数でオイル溜め30の潤滑オイル15を少量に掻き上げ、潤滑オイル15の必要量を維持する。又、同時に、羽根部38の羽根セット角度Sによりフライホイール31の高回転域において潤滑オイル15を掻き上げるための抵抗を低減する。
【0032】
ここで、羽根部38の動きを詳細に説明すると、フライホイール31の回転が低回転域から高回転域まで変化する場合において、羽根部38は、所定の回転数(移動開始点P)から羽根セット角度Sを大きくするよう移動を開始する。又、フライホイール31の回転が高回転域から低回転域まで変化する場合において、羽根部38は、所定の回転数(移動開始点P)まで羽根セット角度Sを小さくするよう移動し、所定の回転数(移動開始点P)で弾性体によりストッパ板41を介してストッパ受面42に余勢されて一定の羽根セット角度Sに固定される。尚、羽根部38が移動を開始する移動開始点Pは、フライホイール31の遠心力、羽根部38の重心G、弾性力の違いによって変更し、最適な位置に調整されている。
【0033】
以下、エンジン回転数の変化と種々のデータの変化との関係を表にして示す。図6の表には、エンジン回転数とエンジントルクの関係(図6では線E)を示し、エンジン回転数が低回転域からの増加に従ってエンジントルクは徐々に増加し、所定の回転数(移動開始点P)でエンジントルクは最大となり、更にエンジン回転数が増加すると、エンジントルクは徐々に低下する。ここで、エンジン回転数が増加すると、ロス分(図6では線L)を生じるが、フライホイール31の羽根部38が移動開始点Pから移動を開始して潤滑オイル15を掻き上げるための抵抗を低減するので、所定の回転数(移動開始点P)からエンジン回転数の増加に伴ってロス分は低下する。
【0034】
図7の表には、エンジン回転数とクラッチ吸収エネルギ(発熱量)の関係を示し、エンジン回転数が低回転域からの増加に従ってクラッチ吸収エネルギは徐々に増加し、所定の回転数(移動開始点P)でクラッチ吸収エネルギは最大となり、更にエンジン回転数が増加すると、羽根部38が移動して潤滑オイル15を掻き上げるための抵抗を低減するので、クラッチ吸収エネルギは徐々に低下する。
【0035】
図8の表には、エンジン回転数と羽根セット角度Sの関係を示し、エンジン回転数が低回転域から所定の回転数(移動開始点P)まで増加する際には、羽根部38の羽根セット角度Sは弾性力により余勢されて所定の角度に固定されており、更にエンジン回転数が増加すると、羽根部38は移動を開始して羽根部38の羽根セット角度Sが直線的に増加する。なお、図8の右側端部は、弾性体が最も圧縮された状態であって、羽根セット角度Sの最大値(限界値)を示す。
【0036】
図9の表には、エンジン回転数とオイル掻き上げ量の関係を示し、エンジン回転数が低回転域からの増加に従ってオイル掻き上げ量は増加し、所定の回転数(移動開始点P)でオイル掻き上げ量は最大となり、更にエンジン回転数が増加すると、羽根部38が移動して潤滑オイル15を掻き上げるための掻き上げ量を低減する。尚、先に示した如くフライホイール31の高回転域では、羽根部38一枚あたりの潤滑オイル15の量は低減するが、単位時間当たりの羽根部38の使用枚数は増加するので、全体的に掻き上げる潤滑オイル15の量は殆ど変化しない。
【0037】
図10の表には、エンジン回転数と種々の作用力の関係を示すものであって、羽根部38に発生する遠心力は線Aで示し、弾性体による戻し機構の反力は線Bで示し、羽根部38の駆動力は線Cで示す。羽根部38に発生する遠心力(線A)は、エンジン回転数が低回転域から高回転域まで直線的に増加する。又、弾性体による戻し機構の反力(線B)は、エンジン回転数が低回転域から所定の回転数(移動開始点P)まで一定値を維持し、更なるエンジン回転数の増加に伴って直線的に増加する。更に、羽根部38の駆動力(線C)はエンジン回転数が所定の回転数(移動開始点P)から発生して直線的に増加する。
【0038】
このように、本実施例によれば、羽根部38の通路37によりフライホイール31から潤滑オイル15をクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面に流入させるので、クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面の潤滑を確実に行い、摩擦面の温度上昇を抑制してクラッチディスクアッセンブリ4の摩耗寿命を延長することができる。又、フライホイール31の羽根部38によりオイル溜め30の潤滑オイル15を掻き上げてクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面を潤滑するので、オイルポンプを駆動するような機械的ロスを低減してエンジンへの抵抗分を低減し、燃費の向上を図ることができる。
【0039】
更に、羽根部38の羽根セット角度はフライホイール31の回転に伴う遠心力によって変化するので、フライホイール31の高回転域において潤滑オイル15を掻き上げるための抵抗の増加を抑制し、エンジン出力への影響を防止することができる。
【0040】
羽根部38の羽根部本体39は、フライホイール31に軸部40を介して揺動可能に配置されると共に、フライホイール31の回転に伴う遠心力によって羽根セット角度Sを変更するよう重心Gを偏心させると、フライホイール31の回転に伴う遠心力が羽根部38に作用した際には羽根部本体39の重心G位置により羽根セット角度Sを容易に変更し得るので、フライホイール31の高回転域において潤滑オイル15を掻き上げるための抵抗の増加を一層抑制し、エンジン出力への影響を好適に防止することができる。
【0041】
羽根部38の羽根部本体39は、羽根部38の羽根セット角度Sを決定し得るよう弾性体で余勢されると、フライホイールの回転に伴う遠心力が羽根部38に作用した際には弾性体により羽根部38の羽根セット角度Sを微細に調整し得るので、フライホイール31の高回転域において潤滑オイル15を掻き上げるため抵抗の増加を確実に抑制し、エンジン出力への影響を完全に防止することができる。
【0042】
尚、本発明のオイルスプレークラッチは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、羽根部の配置は貫通路の内部以外にポット部の間の溝にしてもよいこと、弾性体の配置は他の位置でもよいこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜記載のオイルスプレークラッチによれば、フライホイールから潤滑オイルをクラッチディスクアッセンブリの摩擦面に流入させるので、クラッチディスクアッセンブリの摩擦面の潤滑を確実に行い、摩擦面の温度上昇を抑制してクラッチディスクアッセンブリの摩耗寿命を延長することができる。又、羽根部の羽根セット角度はフライホイールの回転に伴う遠心力によって変化するので、フライホイールの高回転域において潤滑オイルを掻き上げるための抵抗の増加を抑制し、エンジン出力への影響を防止することができるという種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態例の全体縦断面図である。
【図2】本発明を実施する形態例における羽根部を拡大して示す斜視図である。
【図3】本発明を実施する形態例における羽根部を拡大して示す平面図である。
【図4】第一例の羽根部を示す斜視図である。
【図5】発明を実施する形態例において弾性体を変更した場合を示す平面図である。
【図6】エンジン回転数とエンジントルクの関係を示す表である。
【図7】エンジン回転数とクラッチ吸収エネルギ(発熱量)の関係を示す表である。
【図8】エンジン回転数と羽根セット角度の関係を示す表である。
【図9】エンジン回転数とオイル掻き上げ量の関係を示す表である。
【図10】エンジン回転数と種々の作用力の関係を示す表である。
【図11】従来のオイルスプレークラッチの一例を表わす全体縦断面図である。
【図12】図11に示すフライホイールの周辺部の斜視図である。
【図13】図11に示すクラッチディスクアッセンブリの拡大縦断面図である。
【符号の説明】
4 クラッチディスクアッセンブリ
15 潤滑オイル
19 クラッチカバー
30 オイル溜め
31 フライホイール
32 ポット部
33 外周部
37 通路
38 羽根部
39 羽根部本体
40 軸部
44 コイルスプリング(弾性体)
45 捻りコイル(弾性体)
S 羽根セット角度
G 重心

Claims (3)

  1. クラッチディスクアッセンブリに隣接するフライホイールの下部をオイル溜めに浸すよう構成すると共に、前記フライホイールの外周でクラッチカバーを締結するポット部の間に、フライホイールの回転によりオイル溜めの潤滑オイルを掻き上げる羽根部を備え、前記羽根部は、フライホイールの回転に伴う遠心力によって羽根セット角度を変更し、フライホイールの回転力が上昇した際には、潤滑オイルの掻き上げによる羽根部の抵抗を低減するように構成されたことを特徴とするオイルスプレークラッチ。
  2. 羽根部の羽根部本体は、フライホイールに軸部を介して揺動可能に配置されると共に、フライホイールの回転に伴う遠心力によって羽根セット角度を変更するよう重心を偏心させた請求項1記載のオイルスプレークラッチ。
  3. 羽根部の羽根部本体は、羽根セット角度を決定し得るよう弾性体で余勢された請求項1又は2記載のオイルスプレークラッチ。
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