JP3937735B2 - 現像装置、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 - Google Patents
現像装置、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般には、電子写真方式により像担持体に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置に収容した現像剤にて顕像化する電子写真画像形成装置、現像装置、及び、プロセスカートリッジに関する。
【0002】
ここで電子写真画像形成装置としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、LEDプリンタ、レーザービームプリンタなど)、及び電子写真ファクシミリ装置などが含まれる。
【0003】
又、プロセスカートリッジとは、電子写真感光体に作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一つと、電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものであるか、又は、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものをいう。
【0004】
【従来の技術】
例えば、複写機やレーザービームプリンタなどの電子写真画像形成装置は、画像情報に対応した光を一様に帯電された電子写真感光体(感光体)に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像に現像手段で記録材料である現像剤(トナー)を供給してトナー画像として顕像化し、更にこのトナー画像を感光体から記録用紙などのへ転写し、その後熱、圧力によって記録媒体上に定着することで記録媒体上に画像を形成する。現像手段には、現像剤を収容した現像剤収納部(現像剤容器)が連結されており、画像を形成することで現像剤は消費されていく。
【0005】
現像剤収納部や現像手段、感光体、帯電手段などは、一体的にカートリッジ化して、装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとされることが多い。この場合、通常、現像剤が無くなった際に使用者がプロセスカートリッジを交換することで再び画像を形成することができる。このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずに使用者自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができる。そのため、このプロセスカートリッジ方式は、画像形成装置において広く用いられている。
【0006】
又、現像手段と、これに連結された現像剤収納部とを備えた現像装置をユニット化して、装置本体に着脱可能なカートリッジ(現像カートリッジ)としたものもある。
【0007】
ところで、近年では、カートリッジ(プロセスカートリッジ、現像カートリッジ)内に画像形成に供し得る現像剤がどの程度残っているかを随時知るために、現像剤残量レベルを検知し得る現像剤残量検知手段をカートリッジ又は画像形成装置本体に備えているものが提案されている。
【0008】
この現像剤残量検知手段の1つとして、プレート電極を用いた検知方式がある。この方式は、現像手段としてのローラ状の現像部材(現像ローラ)と対向した平面状の電極(プレート電極)を少なくとも1つ以上設け、電極としての現像ローラとプレート電極との間、若しくは複数設けられたプレート電極間をコンデンサーの電極として用いる。そして、この電極間の静電容量が、絶縁性現像剤の量に応じて変化することを利用して現像剤残量レベルを検知する。
【0009】
即ち、プレート電極や現像ローラで構成されたコンデンサー間の空間が現像剤で埋まっていれば静電容量は大きくなり、現像剤が減るにつれてその空間に空気が増えて静電容量は小さくなっていく。これにより、プレート電極や現像ローラ間の静電容量と現像剤量との関係を予め関係づけた補正テーブルを用意することで、現像剤収納部内の現像剤残量レベルを検知することができる。
【0010】
特に、上記補正テーブルは、静電容量が最大、つまり、電極間の現像剤量が最大である時の検出値を基準にして、その値からの静電容量の変化量と現像剤残量レベルとを予め関係付けた補正テーブルを用いて、静電容量の検出値を現像剤残量に換算することができる。上記静電容量の最大値は、常に現在の最大値と静電容量の検出値とを比較して、更に大きい静電容量が検出された場合にはその静電容量を最大値として書き換える。こうして、常に更新される静電容量の最大値を基準として、この値からの変化量から現像剤残量に換算することができる。
【0011】
そして、電極間で検知される静電容量が所定値に達すると、「トナー無し」の警告を行い、カートリッジ着脱式の画像形成装置であれば、その交換を促す。
【0012】
従来、プレート電極は、図17に示すように現像部材を支持する現像室41内の凹形状部30で開口部が下方に向いた構成とされている。つまり、この凹形状部30の図中左右側面に電極131、132が配置される。そして、この電極間での静電容量変化に基づいて、上述のようにして現像剤残量を算出する。特に、従来、上記凹形状部30の左右側面に配置された電極131、132は、凹形状部30の最上面30aまでその上端部131a、132aを延在させ、凹形状部30に入ってくる現像剤量を最大限に検出しようとしている。
【0013】
又、例えば複数のカートリッジを装置本体に交換使用する場合などに対応して、現像剤残量検知手段を用いた現像剤残量レベルの検知をより精度良く行うために、カートリッジ毎に読み書き可能な記憶手段(メモリ)を設けることが提案されている。この記憶手段には、例えば、
(1)現像剤残量値情報(例えば残量24%、残量20%といった情報)、
(2)現像剤量が所定値以下であることを示す履歴情報(例えば現像剤が無くなる少し前で、新しいカートリッジの準備を促す意味の「Toner−Low」信号、或いは現像剤が無くなる寸前で、今直ぐ新しいカートリッジの準備が必要であることを意味する「Toner−Out」信号を警告した否かなどを示す情報)、
などをカートリッジ毎に記憶する方法がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、プレート電極131、132による凹形状部30に入り込む現像剤量が不安定なため、現像剤量が最大となる静電容量や最大静電容量を確定した後に、静電容量が所定の変化量に達することがある。これにより、現像剤はほとんど減っていないにも拘わらず、現像剤残量が変化したと、誤検知することがあった。
【0015】
従って、本発明の目的は、精度よく現像剤の残量を逐次に検知することのできる現像装置、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、現像剤が十分に残っているにも拘わらず、電極間の静電容量が変化することに起因する、現像剤残量の誤検知を防止することができる現像装置、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る現像装置、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、電子写真画像形成装置に用いられる現像装置において、
電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するために、前記電子写真感光体へ現像剤を供給する現像部材と、
前記現像装置が前記電子写真画像形成装置に装着された状態で、下方に開口を持った凹形状部と、
前記現像部材の長手方向に沿って略平行に、かつ、前記凹形状部の2つの側面にそれぞれ配置された2つの電極であって、前記電子写真画像形成装置で現像剤の残量を検出するために、前記2つの電極のうち少なくとも1つに電圧が印加され、少なくとも前記2つの電極の間の静電容量に応じた電気信号を発生するための2つの電極と、
前記凹形状部の上部における現像剤残量の検知感度を鈍らせるために、前記凹形状部の上部への現像剤の進入を規制する規制部材と、
を有し、
前記凹形状部の上面に付き当てた状態で配置された前記2つの電極の間に、前記規制部材が取り付けられていることを特徴とする現像装置である。
【0018】
第2の本発明によると、電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
(a)電子写真感光体と、
(b)前記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するために、前記電子写真感光体へ現像剤を供給する現像部材と、
前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置本体に装着された状態で、下方に開口を持った凹形状部と、
前記現像部材の長手方向に沿って略平行に、かつ、前記凹形状部の2つの側面にそれぞれ配置された2つの電極であって、前記電子写真画像形成装置本体で現像剤の残量を検出するために、前記2つの電極のうち少なくとも1つに電圧が印加され、少なくとも前記2つの電極の間の静電容量に応じた電気信号を発生するための2つの電極と、
前記凹形状部の上部における現像剤残量の検知感度を鈍らせるために、前記凹形状部の上部への現像剤の進入を規制する規制部材と、
を有し、
前記凹形状部の上面に付き当てた状態で配置された前記2つの電極の間に、前記規制部材が取り付けられている現像装置と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
【0019】
第3の本発明によると、記録媒体に画像を形成するための電子写真画像形成装置において、
(a)電子写真感光体と、
(b)前記電子写真感光体に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、
(c)前記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するために、前記電子写真感光体へ現像剤を供給する現像部材と、
前記現像装置が前記電子写真画像形成装置に装着された状態で、下方に開口を持った凹形状部と、
前記現像部材の長手方向に沿って略平行に、かつ、前記凹形状部の2つの側面にそれぞれ配置された2つの電極と、
前記凹形状部の上部における現像剤残量の検知感度を鈍らせるために、前記凹形状部の上部への現像剤の進入を規制する規制部材と、
を有し、
前記凹形状部の上面に付き当てた状態で配置された前記2つの電極の間に、前記規制部材が取り付けられている現像装置と、
(d)前記2つの電極のうち少なくとも1つに電圧を印加して、少なくとも前記2つの電極の間の静電容量に応じた電気信号を発生させ、前記電気信号を測定することで現像剤の残量を検出する手段と、
を有することを特徴とする電子写真画像形成装置が提供される。
【0020】
第4の本発明によると、プロセスカートリッジを着脱可能であり、記録媒体に画像を形成するための電子写真画像形成装置において、
(a)電子写真感光体と、
前記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するために、前記電子写真感光体へ現像剤を供給する現像部材と、前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置本体に装着された状態で、下方に開口を持った凹形状部と、前記現像部材の長手方向に沿って略平行に、かつ、前記凹形状部の2つの側面にそれぞれ配置された2つの電極と、前記凹形状部の上部における現像剤残量の検知感度を鈍らせるために、前記凹形状部の上部への現像剤の進入を規制する規制部材と、を有し、前記凹形状部の上面に付き当てた状態で配置された前記2つの電極の間に、前記規制部材が取り付けられている現像装置と、
を備えたプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着手段と、
(b)前記電子写真感光体に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、
(c)前記2つの電極のうち少なくとも1つに電圧を印加して、少なくとも前記2つの電極の間の静電容量に応じた電気信号を発生させ、前記電気信号を測定することで現像剤の残量を検出する手段と、
を有することを特徴とする電子写真画像形成装置が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る現像装置、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0026】
参考例1
先ず、図1及び図2を参照して、本発明に係る電子写真画像形成装置の参考例の全体構成及び動作を説明する。
【0027】
本参考例では、電子写真画像形成装置は、ホストコンピューターからの画像情報を受け取り、記録用紙、OHPシート、或いは布などの記録媒体に画像出力するレーザービームプリンタ(プリンタ)100とされる。
【0028】
プリンタ100は、像担持体である円筒状の電子写真感光体(感光体ドラム)1を有している。画像形成に際し、感光ドラム1は、帯電手段としてのローラ状の帯電部材(帯電ローラ)2によって均一に帯電される。又、感光体ドラム1の上方には、露光手段として画像情報に対応してレーザー光Lを照射するレーザースキャナー3が設けられている。そして、一様に帯電された感光体ドラム1の表面は、レーザースキャナー3から照射されるレーザー光Lによって走査露光なされて、目的の画像情報の静電潜像が形成される。次いで、感光体ドラム1に形成された静電潜像には、現像装置4の作用により現像剤(トナー)Tが付着され、トナー像として可視化される。
【0029】
つまり、図2をも参照するとより理解されるように、本参考例では、現像装置4は、現像手段として感光体ドラム1に対向配置されたローラ状の現像部材(現像剤担持体)、即ち、現像ローラ4aを支持する現像室41と、現像室41に連結された現像剤収納部(現像剤容器)42を有している。本参考例では、現像剤容器42は、現像剤Tとして、絶縁性磁性一成分トナーを収容しており、矢印方向に回転する現像剤攪拌・搬送部材4dによって、現像剤容器42内の現像剤Tを攪拌し、且つ、現像室41へと搬送する。現像室41には、現像ローラ4aの近傍に現像剤攪拌部材4eが設けられており、これによって現像室41内の現像剤Tを循環させる。現像ローラ4aは、固定磁石(マグネットロール)4bを内蔵しており、現像ローラ4aを回転することによって現像剤Tは搬送される。又、現像ローラ4aに当接して現像剤Tの層厚を規制する弾性ブレード状の現像剤規制部材(現像ブレード)4cが設けられており、これによって現像ローラ4aに担持される現像剤量が規制されると共に現像剤Tに摩擦帯電電荷が付与される。こうして感光体ドラム1の現像領域へと供給された現像剤Tは、感光体ドラム1に形成された潜像に転移され、トナー像を形成する。現像ローラ4aは、現像バイアス回路に接続されており、通常、交流電圧に直流電圧が重畳された現像バイアスが印加される。
【0030】
一方、記録媒体収納部である記録媒体収納カセット8内には、記録用紙などの記録媒体Pが積層されている。この記録媒体Pは、ピックアップローラ9aによって1枚ずつピックアップされて、搬送ローラ9bによってレジストローラ対9cに搬送される。記録媒体Pは、レジストローラ対9cによって感光体ドラム1上のトナー像と同期をとられて転写部へと更に搬送される。そして、転写部において転写手段としてのローラ状の転写部材(転写ローラ)5の作用によって感光体ドラム1上のトナー像が記録媒体Pに転写される。
【0031】
トナー像が転写された記録媒体Pは定着装置7に搬送される。定着装置7は、ヒータを内蔵した定着ローラ7aと駆動ローラ7bを備えており、記録媒体P上の未定着のトナー像は熱と圧力によって溶融され記録媒体Pに定着される。その後、記録媒体Pは排出ローラ9e、9fなどによって搬送されて、本参考例では装置上部に設けられたトレイ10へと排出される。
【0032】
又、トナー像を記録媒体Pに転写した後の感光体ドラム1は、クリーニング装置6によって転写されずに残った現像剤Tなどの清掃を受ける。クリーニング装置6は、クリーニング手段として感光体ドラム1に当接する弾性ブレード状のクリーニング部材(クリーニングブレード)6aによって感光体ドラム1から残留現像剤Tを掻き落とし、廃現像剤容器6bに収容する。
【0033】
図2に示すように、本参考例では、感光体ドラム1と、帯電ローラ2と、現像装置4と、クリーニング装置6とが一体的に構成されて、電子写真画像形成装置本体Aに対して着脱可能なプロセスカートリッジBとされている。プロセスカートリッジBは、現像剤容器42を形成する現像剤枠体42aと、現像室41を形成する現像枠体(現像フレーム)41aとを溶着して一体的にユニット化した現像ユニット(現像装置構成部)を形成し、更に感光体ドラム1、帯電ローラ2及びクリーニング装置6が取り付けられたクリーニング枠体11を一体に結合することによってカートリッジ化されている。
【0034】
プロセスカートリッジBは、装置本体Aが備えた装着手段12を介して装置本体Aに取り外し可能に装着される。そして、通常、現像剤Tが消尽した際に使用者がプロセスカートリッジを装置本体Aに対して着脱して交換する。これにより、現像剤Tの補給と共に、感光体ドラム1などの消耗品の交換を使用者自身が行うことが可能とされている。
【0035】
又、本参考例では、プロセスカートリッジBの使用前には、現像剤容器42と現像室41との間に現像剤封止部材13が貼着されている。この現像剤封止部材13は、プロセスカートリッジBの輸送中などに激しい衝撃が発生した場合でも、現像剤Tが洩れることのないように設けられている。そして、この現像剤封止部材13は、装置本体AにプロセスカートリッジBを装着する直前に、使用者によって開封される。尚、装置本体Aに装着した後、自動的に現像剤封止部材13を取り除く構成としてもよい。
【0036】
次に、本参考例のプリンタ100が備えた現像剤量検出装置について説明する。
【0037】
本参考例のプリンタ100は、現像剤容器42内の現像剤Tの消費に伴ってその残量を逐次検知することのできる現像剤量検出装置を備えている。本参考例では、現像剤量検出装置は、センサ部である現像剤残量検知手段と、この現像剤残量検知手段の測定値をリファレンス値と比較して、現像剤残量に変換し得る信号とする残量検知検出部とを有する。
【0038】
本参考例では、現像剤残量検知手段は、電極として現像ローラ4a、及び板状の電極部材である第1のプレート電極31、第2のプレート電極32を用いた静電容量測定方式とされる。
【0039】
図3及び図4をも参照すると良く理解されるように、第1のプレート電極31と第2のプレート電極32は、現像剤攪拌・搬送部材4dによって送られた現像剤Tが入り込めるような、下方が開放された凹形状部30を形成している。これら、第1のプレート電極31及び第2のプレート電極32は、現像ローラ4aに略対向する位置で、現像ローラ4aの長手方向に略平行に離間配置されている。つまり、第1、第2のプレート電極31、32は、現像剤攪拌・搬送部材4dによって移動される現像剤Tの移動方向と交差する方向において、例えば図3に示すように、本参考例では現像室41を構成する枠体41aに取り付けられている。
【0040】
そして、本参考例では、現像ローラ4aと第2のプレート電極32とに交流電圧を印加することにより、現像ローラ4aと第1のプレート電極31との間、第1のプレート電極31と第2のプレート電極32との間の静電容量を測定することで、現像剤量を検出する構成とされる。
【0041】
つまり、現像剤Tの誘電率は空気より高いため、現像ローラ4aと第1のプレート電極31との間、及び第1のプレート電極31と第2のプレート電極32との間に現像剤Tがあるとき静電容量は増大する。従って、現像室41内に現像剤Tが十分あるときは、現像ローラ4aと第1のプレート電極31との間、及び第1のプレート電極31と第2のプレート電極32との間に現像剤Tが十分進入するため、常に、大きな静電容量を出力する。そして、現像室41内の現像剤Tが消費されるにつれて、次第に第1のプレート電極31と第2のプレート電極32との間、更には現像ローラ4aと第1のプレート電極31との間に進入する現像剤Tの量は減少し、静電容量も減少する。こうして、現像剤量検出装置は、静電容量の変化を検出することで、現像剤量を逐次に検知することができる。
【0042】
第1、第2のプレート電極31、32は、基本的に電流を流すことのできる材料であれば特に限定することなく使用することができる。本参考例では材料としてサビに強いSUSを使用している。
【0043】
これら第1、第2のプレート電極31、32のより詳細な構成については後述して説明する。
【0044】
図5を参照して本参考例の現像剤量検出装置の現像剤残量検出回路について説明する。図5は、プロセスカートリッジBが装置本体Aに正常に装着された際の現像剤量検出装置の回路構成を示す。装置本体AとプロセスカートリッジBにはそれぞれ電気接点(図示せず)が設けられており、プロセスカートリッジBが装置本体A内に装着された際に、この電気接点を通じてプロセスカートリッジBに設けられた第1、第2のプレート電極31、32と、装置本体A内の残量検知検出部26が電気的に接続される。
【0045】
更に説明すると、図5に示すように、プロセスカートリッジBを装置本体Aに装着すると、プロセスカートリッジBと装置本体Aにそれぞれ設けられた電気的接点を介して、現像バイアス印加手段としての現像バイアス回路34が現像ローラ4a、第2のプレート電極32に接続される。又、現像バイアス回路34は、残量検知検出部26のリファレンスコンデンサ35に接続されている。そして、現像バイアス回路34は、所定の現像バイアス(ACバイアス)を出力し、その印加バイアスが、固定の静電容量を有するリファレンスコンデンサ35と、現像装置4内の現像ローラ4aと、第2のプレート電極32とにそれぞれ印加される。
【0046】
現像剤残量検知検出部26の比較検出回路36は、リファレンスコンデンサ35、及びプロセスカートリッジB及び装置本体Aにそれぞれ設けられた接点を介して第1のプレート電極31に接続されている。そして、比較検出回路36は、リファレンス用コンデンサ35(静電容量C1:固定値)の両端に発生するリファレンス値(電圧V1)と、第1のプレート電極31と第2のプレート電極32との間の静電容量(C3:現像剤残量によって可変)及び現像ローラ4aと第1のプレート電極32との間の静電容量(C2:現像剤残量によって可変)の合成容量(C4=C2+C3)に対して発生する測定値(電圧V2)との電圧差から、電圧V3を生成する。この電圧V3は演算部(AD変換部)24に出力される。演算部24にてアナログ電圧V3をデジタル変換し、その結果を制御部23に送る。そして、制御部23は、予め電圧V3と現像剤残量との関係を求めて設定された残量検知補正テーブル25(図6)を用いて現像剤残量レベルを決定する。
【0047】
尚、本参考例では印加バイアスとして現像バイアスである2kHz程度の交流バイアスと−400V程度の直流バイアスを重畳したバイアスを用いている。
【0048】
上述のように、本参考例では現像剤残量検知手段として、現像ローラ4a、現像ローラ4aに比較的近接した第1、第2のプレート電極31、32を用いている。この配置関係から、本参考例では現像装置4内の現像剤Tが概略半分(本参考例では100g)以下に消費された時点から、現像剤残量検知手段によって検知される静電容量の減少が始まる。本参考例では、検出回路の構成により、静電容量と検出電圧とは逆の増減関係にあるため、図7に示すように、この時点から検出電圧(図5におけるV3)の増加が始まる。そして、その後現像剤Tが無くなるまで、厳密には白抜け画像が発生するおそれがある程度まで現像剤Tが減少し、「トナー無し」の警告を発するまで、現像剤Tの残量を逐次に検知できる。通常、現像剤Tが20g程度に減少するまでの範囲の現像剤残量を逐次に検知できる。
【0049】
更に説明すると、本参考例における残量検知システムでは、先ず、第1、第2のプレート電極31、32に入り込んだ現像剤Tの量に応じて静電容量(検出電圧値V3)が検出される。その静電容量の検出値の最大(検出電圧値V3の最少値)をとるために、常に検出値を現在記憶している最大値と比較して、新しい検出値が大きければ順次書き換える。
【0050】
そして、ある時点で静電容量の検出値が減少すると、予め準備された残量検知補正テーブル25によって検出値を現像剤残量に変換する。即ち、例えば、最大静電容量からの変化量が0.3Vであるときは現像剤残量は25%、0.4V変化したときには20%というように、最大静電容量からの変化量と現像剤残量とを予め相関させた残量検知補正テーブル25によって静電容量の検出値を現像剤残量に変換する。そして、静電容量の変化量が所定値以上となった時点で、「トナー無し」の警告などを行う。
【0051】
現像剤残量表示方法について説明すると、例えば、上述の現像剤量検出装置による検知情報は、図14に示すように使用者のパソコン50などの端末画面51上に、直接現像剤残量を数値(例えば「トナー残量10%」)で表示したり、図15(a)及び図15(b)に示すように表示することができる。図15(a)及び図15(b)においては、現像剤量に応じて動く針61がゲージ62のどの部分を指しているかによって現像剤量がユーザーに報知される。又、図6及び図16に示すように、電子写真画像形成装置本体に直接、LEDなどによる表示部28を設け、現像剤量に応じてLEDを点滅させてもよい。
【0052】
尚、現像剤Tを逐次に検知するとは、当初、容器内に収納されている現像剤Tの量を100%としたときに、現像剤Tの残量を約100%〜0%までの全領域にわたって逐次に検出することに限らず、例えば、容器内の現像剤Tの残量が50%〜0%までの領域にわたって逐次に検出するようにしてもよい。ここで、現像剤Tの残量が0%とは、現像剤Tが完全になくなったことのみを意味するものではない。例えば、現像剤Tの残量が0%とは、容器内に現像剤Tが残っていたとしても、所定の画像品質(現像品質)が得られなくなる程度まで現像剤Tの残量が減ったことも含まれる。
【0053】
次に、カートリッジCに搭載されている記憶手段(メモリ)20について説明する。図1及び図2に示すように、本参考例のプロセスカートリッジBは、廃現像剤容器6bの一側部(先端部)に、記憶手段20と、記憶手段20への情報の読み書きを制御するためのカートリッジ側伝達部(通信手段)21とを備えている。プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着されると、カートリッジ側伝達部21と本体制御部22が互いに対向して配置される。本参考例では、本体制御部22は本体側の伝達部(通信手段)の機能を備えている。
【0054】
このように、本参考例では、記憶手段20は廃現像剤容器6b側に設置されている。これは、プロセスカートリッジBが廃現像剤容器6b側を先頭に装置本体A内に挿入されることから、記憶手段20と装置本体A側の通信手段とが位置合わせし易いように考慮したためである。
【0055】
記憶手段20としては、不揮発性メモリ、揮発性メモリとバックアップ電池を組み合わせたものなど、通常の半導体による電子的なメモリを特に制限無く使用することができる。特に、メモリと読み出し/書き込みICの間のデータ通信を電磁波によって行う非接触メモリである場合、カートリッジ側伝達部21と本体制御部22との間が非接触であるためプロセスカートリッジBの装着状態による接触不良の可能性がなくなり、信頼性の高い制御を行うことができる。本参考例では記憶手段20として、非接触型のメモリを用いた。
【0056】
図6を参照して本参考例におけるメモリ20の制御構成を説明する。プロセスカートリッジB側には、メモリ20とカートリッジ側伝達部21が配置されている。又、装置本体Aには、本体制御部22が配置されており、本体制御部22には、制御部23、演算部24、残量検知補正テーブル(残量検知補正テーブル記憶部)25、残量検知検出部26、及び本体側記憶手段(メモリ)27などが含まれている。本体制御部22によって、プロセスカートリッジBが備えたメモリ20の情報の読み出し及び書き込みを行うための制御手段が構成される。
【0057】
プロセスカートリッジBのメモリ20に書き込まれている情報は、プロセスカートリッジBの使用開始時に本体側メモリ27へと送られる。そして、画像形成時には、上述の方法によって現像剤残量値と、現像剤量が所定値以下であるかが計算され、必要に応じて表示が更新される。つまり、本体制御部22は、表示手段28或いは装置本体Aと通信可能に接続されたパソコンなどの外部機器50に、現像剤Tの残量若しくは警告を表示するための信号を送信する。又、これらの値は、計算の度に本体側メモリ27に随時記憶されており、例えば画像形成が終了してプリンタ100の動作が停止した際などに、プロセスカートリッジBのメモリ20に送り、記憶させる。
【0058】
尚、本参考例のプリンタ100では、複数のプロセスカートリッジBが使用されることを前提とするなどの理由から、プロセスカートリッジBが交換されたと考えられるような場合(例えば、装置本体Aの電源がオンとされた時、或いはプロセスカートリッジBの出し入れの際に使用される装置本体Aのドア14(図1)が閉じられたときなど)には、本体側メモリ27の内容は全てリセットする。
【0059】
次に、本参考例における現像剤残量検知手段の配置構成について更に詳しく説明する。
【0060】
図8は、第1、第2のプレート電極31、32の部分を拡大して示す。一方、図17は、従来のプレート電極131、132による凹形状部30の一例を示す。
【0061】
従来、図17に示すように、開口部を下方に持った凹形状部30に配置される第1、第2のプレート電極131、132では、両電極131、132のプレート面積を最大限に設定して、両電極間の静電容量を大きくし、これによって静電容量の変化量を増して、現像剤残量を精度良く検知しようとすることが行われていた。この目的で、凹形状部30の最上面部30aまで第1、第2のプレート電極131、132の上端部131a、132aを高くしていた。
【0062】
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、このような構成では、逆に誤検知を招くということが分かった。
【0063】
つまり、凹形状部30への現像剤Tの入り込みが不安定であることが原因となり、第1、第2のプレート電極間131、132の静電容量が不安定になるためである。凹形状部30への現像剤Tの入り込みが不安定になるのには、次のような理由が考えられる。
【0064】
即ち、現像剤Tは重力に逆らって上方へ入り込む。従って、その現像剤Tの流れには、現像室41内の現像剤Tの重さ、現像剤攪拌・搬送部材4dによる力、又現像ローラ4a、現像剤攪拌部材4eの回転などにより現像室41内を循環する現像剤Tの力などが作用している。そして、現像剤Tを凹形状部30へ押し込む力にはバラツキがある。このため、図17に示すように、凹形状部30内での現像剤Tの上面Sは、図中矢印にて示すようにある程度上下する(斜線部)。
【0065】
又、画像形成動作が停止している状態では、現像剤Tを押し上げる力の殆どがなくなり、現像剤Tは重力で下方に移動しようとする。このため、凹形状部30内の現像剤Tの上面Sが大きく下がる。
【0066】
例えば、上述のように本参考例では、静電容量の最大値(検出電圧値V3の最小値)からの変化量から、残量検知補正テーブル25を利用して現像剤量を検知する(例えば、変化量0.3Vであれば現像剤残量25%、変化量0.4Vであれば現像剤残量20%)。
【0067】
従って、この場合、プロセスカートリッジBの使用途中で、凹形状部30内において第1、第2のプレート電極31、32の間で不安定な現像剤上面Sが下がり、検出電圧値の変化量が0.3Vあると、現像剤Tが十分あるにも拘わらず、現像剤残量が25%であると誤検知し、その旨を警告或いは表示することになる。
【0068】
この誤検知を防止するために、本発明者らは凹形状部30内の現像剤Tの挙動に着目した。つまり、凹形状部30内で上下して安定しない現像剤量(現像剤上面S)に対応する部分の現像剤量検知手段の感度を落とし、その部分は検知しないことにより、寧ろ検知精度を向上できることを見出した。
【0069】
本参考例では、図8に示すように、凹形状部30に配置する第1、第2のプレート電極31、32の上端部31a、32aを、凹形状部30の最上部30aまで延ばさない構成とする。即ち、第1、第2のプレート電極の上端部31a、32aを凹形状部30の最上面30aより低くすることにより誤検知を防止する。図8中、凹形状部30内で上下する現像剤上面Sを斜線部で示す。
【0070】
より具体的には、図4をも参照すると理解されるように、本実験例では、第1のプレート電極31は、厚さ(t1)0.3mm、幅(高さ)(W1)11.6mm、長さ(L1)210mmとする。又、第1のプレート電極31の一端部には、現像ローラ4aにより近接するように、現像剤搬送方向下流に向かって長手に沿って略一様に略直角に折り曲げられた折り曲げ部31bを設けた。この折り曲げ部31bの長さ(l1)は1.6mmとした。そして、第1のプレート電極31について、凹形状部30の最上面30aからのカット幅w1は9mmとした。
【0071】
一方、第2のプレート電極32は、厚さ(t2)0.5mm、幅(W2)4.9mm、長さ210(L2)mmとした。そして、第2のプレート電極32について、凹形状部30の最上面30aからのカット幅w2は9mmとした。
【0072】
凹形状部30において、第1、第2の電極31、32の上端部31a、32aは、現像剤Tが十分にある状態でも現像剤上面Sが下がる可能性のある高さ(図8中斜線部で示す現像剤上面Sの移動方向下方境界線付近)まで低くすることが最も好ましい。
【0073】
或いは、現像剤Tが十分にある状態において、仮に現像剤上面Sが第1、第2のプレート電極31、32の上端部31a、32aより低くなった場合にも、それによる静電容量(検出電圧値V3)の変化量が、残量警告し得る変化量、即ち、現像剤量の変化であると認識する量に達しない程度となるように第1、第2のプレート電極31、32の上端部を低く構成してもよい。
【0074】
斯かる第1、第2のプレート電極31、32の上端部31a、32aの高さ、即ち、カット幅w1、w2は、現像装置4、プロセスカートリッジBの構成、或いは残量検知補正テーブル25における現像剤残量表示のきざみ幅などによって可変であり、本参考例は特定の値に限定するものではない。
【0075】
以上、本参考例によれば、現像剤Tが十分に残っているにも拘わらず、電極間の静電容量が変化することに起因する、現像剤残量の誤検知を防止することができる。
【0076】
参考例2
次に、本発明の他の参考例を説明する。本参考例の電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジは、基本的に参考例1のものと同様であるので、同様の構成、機能を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0077】
図9は、本参考例のプロセスカートリッジBの現像室41内に配置された、第1、第2のプレート電極31、32による凹形状部30を拡大して示す。
【0078】
本参考例においても、第1のプレート電極31は、参考例1と同様にその上端部31aを凹形状部30の最上面30aまで延在させず、低くした構成とする。
【0079】
一方、本参考例では、第2のプレート電極32は、参考例1とは異なり凹形状部30の最上面30a、若しくは最上面30aの近傍までその上端部32aを高くしている。
【0080】
図9中、凹形状部30内で上下する現像剤Tは斜線部にて示している。図示の通り、一方の電極である第1のプレート電極31の上端部31aを低くしたことで、第1、第2のプレート電極31、32の間での静電容量測定領域は次のようになる。
【0081】
即ち、両電極31、32の上端部領域では、両者の上端部31a、32aを結ぶ直線以下の、両電極31、32が対向している部分と、この部分に加えて若干広く一部電界が回り込んだ形で検知できている程度となっている。
【0082】
つまり、凹形状部30内の現像剤量(現像剤上面S)の変化に対して、片側の電極(第1のプレート電極31)の上端部31aの高さを低くするだけで、十分に不必要な感度を鈍らせることが達成される。
【0083】
より具体的には、本参考例では、第1のプレート電極31は参考例1のものと同一とされる。一方、第2のプレート電極32は、参考例1の第2のプレート電極32の上端部32aを、カット幅w2の分だけ、即ち、9mmだけ凹形状部30の最上面部30aへと伸長したものである(図4)。
【0084】
これによって、プロセスカートリッジBの使用中にときおり起こる、凹形状部30内での現像剤量(現像剤上面S)の変化があったとしても、現像剤残量を誤検知する程の静電容量(検出電圧値V3)の変化量には至らない。
【0085】
又、本参考例では、上述のように第1、第2のプレート電極31、32の間の不安定な検知領域の感度を落として誤検知を防止し、且つ、第2のプレート電極32の上端部32aを凹形状部30の上面30aへと延在させて面積を可能な限り大きくすることによって、第1、第2のプレート電極31、32の間の静電容量の絶対値を大きくしている。これによって、検知する静電容量の変化量を大きくすることができるので、検知精度を上げることができる。
【0086】
尚、第1、第2のプレート電極31、32の上端部31a、32aの高さの設定は、上述の態様に限定されるものではなく、例えば、第1のプレート電極31の上端部を高くして、第2のプレート電極32の高さを低くしても良い(図10)。
【0087】
以上、本参考例の構成によれば、現像剤量が不安定で不必要な検知領域の静電容量を検出することを極力避け、且つ、可能な限り第1、第2のプレート電極31、32の間の静電容量を大きくとってその変化量を大きくすることができる。これによって、検知精度を上げ、且つ、誤検知を防ぐことができる。
【0088】
実施例1
次に、本発明の実施例を説明する。本実施例の電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジは、基本的に参考例1のものと同様であるので、同様の構成、機能を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0089】
図11は、本実施例のプロセスカートリッジBの現像室41内に配置された、第1、第2のプレート電極31、32による凹形状部30を拡大して示す。
【0090】
本実施例では、上記各参考例とは異なり、第1、第2のプレート電極31、32の上端部31a、32aを凹形状部30の最上面まで延ばして配置する。
【0091】
これは、電極配置を精度良く行うための手段であり、第1、第2のプレート電極31、32を、凹形状部30の最上面30aに突きあてることによって、電極の組立位置精度を良くし、残量検知精度を上げることができる。
【0092】
そして、凹形状部30内において不安定な動きをする現像剤領域の検知感度を鈍らせ、精度良く現像剤Tの残量検知を行なうために、本実施例では、図11に示すように、凹形状部30の上部に位置する第1、第2のプレート電極31、32の間に、感度を鈍らせる手段として埋め部材33を配置する。埋め部材33は、第1、第2のプレート電極31、32の間の上部への現像剤Tの進入を規制する。
【0093】
埋め部材33としては、導電性以外の、例えば樹脂やゴム製の部材を配置する。これによって、不安定な挙動を示す現像剤領域を穴埋めして、検知しないように感度を鈍らせる。
【0094】
つまり、埋め部材33としては、参考例1及び参考例2と同様、現像剤Tの挙動が不安定な部分を埋めるだけの大きさが必要となる。当然ながら、埋め部材33は、第1、第2のプレート電極31、32が配置された長手方向全領域をカバーする長さを有する必要がある。図11に示す埋め部材33は、第1、第2のプレート電極31、32の上端部31a、32aの近傍の現像剤量(現像剤上面S)が不安定な部分への現像剤Tの進入を完全に妨げるよう構成されている。
【0095】
より具体的には、本実施例では、第1のプレート電極31として、実施例1の第1のプレート電極31の上端部31aを、カット幅w1の分だけ、即ち、9mmだけ凹形状部30の上面30aへと伸長したものである。又、第2のプレート電極32は、実施例1の第2のプレート電極32の上端部32aを、カット幅w2分だけ、即ち、9mmだけ凹形状部30の上面30aへと伸長したものである(図4)。
【0096】
これにより、両電極の上端部31a、32aは、凹形状部30の上面30aに突き当てられている。
【0097】
そして、埋め部材33は、第1、第2のプレート電極31、32の上端部31a、32aから下方に9mmの範囲を、長手をも完全に埋める形状とされる。
【0098】
尚、埋め部材33は、第1のプレート電極31と第2のプレート電極32との間に、適当な接着剤にて貼着することができる。
【0099】
本実施例の構成では、第1、第2のプレート電極31、32の対向面以外の回り込み電界部分を検知することがないため、全体の静電容量は、実施例1、2と比較して若干小さめとなる。その後、現像剤Tが減少してからの静電容量の変化量も若干小さめになる。
【0100】
しかし、現像剤量(現像剤上面S)が不安定な領域に、完全に現像剤Tを入り込ませないことが可能となる。又、上述のように第1、第2のプレート電極31、32の組立位置精度が向上するので、埋め部材33の大きさと、取り付け位置の精度によって、現像剤残量の検出精度は充分に上げることができる。
【0101】
又、上述では、第1、第2のプレート電極31、32の上部を完全に埋めるべく、埋め部材33を断面略直方体の部材とした。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、参考例2において、現像剤Tの挙動が不安定な領域の第1のプレート電極31の上端部31aのみを短くした原理と同様にして、本当に現像剤Tの挙動が不安定な部分のみを埋める断面形状とすることができる。例えば、図12に示すように、断面三角形の埋め部材33を使用することが可能である。
【0102】
以上、本実施例の構成によれば、現像剤量(現像剤上面S)が不安定で不必要な検知領域には完全に現像剤Tを進入させず、その領域の現像剤量を検知できないようにすることによって、残量検知を精度良くして、その結果誤検知を防止できる。
【0103】
尚、プロセスカートリッジBの設計当初から、現像剤Tの挙動が不安定な部分を考慮して、凹形状部30の形状を設定することが考えられる。しかし、現像剤Tの挙動は、現像剤Tの外添状態及び外添剤の変更による流動性の違いによって大きく異なる。そして、一般には、プロセスカートリッジBの設計において、最終的に現像剤Tの処方が決定される。従って、最終的に現像剤Tの処方が決定されて、その挙動が分かったとしても、現像室41などの枠体構成は容易には変えられない状況が多分に発生する。又、現像室41及び現像剤容器42の構成が、その他の要因で当初の設計から変わるような場合にも、現像剤Tが凹形状部30へ入り込む力が変わる。このような場合、比較的容易にその形状を変更して、プロセスカートリッジB、即ち、第1、第2のプレート電極31、32の間に組み込むことのできる埋め部材33の利用が非常に有効となる。
【0104】
実施例2
図13には、本発明の他の態様であるカートリッジ化された現像装置(現像カートリッジ)Cの一実施例を示す。
【0105】
本実施例の現像装置Cは、現像ローラ4aのような現像部材(現像剤担持体)を支持する現像室41を形成する現像枠体41aと、この現像部材に供給する現像剤Tを収容する現像剤収納部(現像剤容器)42を形成する現像剤枠体42aとを一体的にカートリッジ化して構成される。即ち、本実施例の現像装置Cは、参考例1、2、実施例1で説明したプロセスカートリッジBの現像装置構成部をユニット化したものであり、プロセスカートリッジBから、感光体ドラム1、帯電ローラ2、クリーニング装置6を除いて一体化し、装置本体Aに対して着脱可能としたカートリッジと考えることができる。従って、参考例1、2、実施例1にて説明したすべての現像装置構成部及び現像剤量検出装置の構成が同様に本実施例の現像装置Cにおいても適用される。これらの構成及び作用についての説明は、参考例1、2、実施例1において行った上記説明を援用する。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電極の位置精度を向上させることにより精度よく現像剤の残量を逐次に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用し得る電子写真画像形成装置を説明するための概略断面図である。
【図2】 本発明を適用し得るプロセスカートリッジを説明するための概略断面図である。
【図3】 第1及び第2のプレート電極の取り付け部を説明するための現像室(現像枠体)の斜視図である。
【図4】 第1、第2の電極の一参考例の概略斜視図である。
【図5】 現像剤量検出装置の一実施例を示す概略回路図である。
【図6】 プロセスカートリッジが備えた記憶手段の制御構成を説明するためのブロック図である。
【図7】 現像剤量検出装置による検出電圧値と現像剤残量との関係を示すグラフ図である。
【図8】 第1、第2の電極の一参考例を示す現像室近傍の概略断面図である。
【図9】 第1、第2の電極の他の参考例を示す現像室近傍の概略断面図である。
【図10】 第1、第2の電極の他の参考例を示す現像室近傍の概略断面図である。
【図11】 第1、第2の電極の一実施例を示す現像室近傍の概略断面図である。
【図12】 第1、第2の電極の他の実施例を示す現像室近傍の概略断面図である。
【図13】 本発明を適用し得る現像装置(現像カートリッジ)を説明するための概略断面図である。
【図14】 現像剤残量表示の一実施例を示す図である。
【図15】 現像剤残量表示の他の実施例を示す図である。
【図16】 現像剤残量表示の他の実施例を示す図である。
【図17】 従来の現像剤量検知手段の一例を示す現像室近傍の概略断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(電子写真感光体)
2 帯電ローラ(帯電手段)
4 現像装置
4a 現像ローラ(現像部材)
6 クリーニング装置
31 第1のプレート電極
32 第2のプレート電極
33 埋め部材(規制部材)
A 電子写真画像形成装置本体
B プロセスカートリッジ
C 現像カートリッジ
Claims (4)
- 電子写真画像形成装置に用いられる現像装置において、
電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するために、前記電子写真感光体へ現像剤を供給する現像部材と、
前記現像装置が前記電子写真画像形成装置に装着された状態で、下方に開口を持った凹形状部と、
前記現像部材の長手方向に沿って略平行に、かつ、前記凹形状部の2つの側面にそれぞれ配置された2つの電極であって、前記電子写真画像形成装置で現像剤の残量を検出するために、前記2つの電極のうち少なくとも1つに電圧が印加され、少なくとも前記2つの電極の間の静電容量に応じた電気信号を発生するための2つの電極と、
前記凹形状部の上部における現像剤残量の検知感度を鈍らせるために、前記凹形状部の上部への現像剤の進入を規制する規制部材と、
を有し、
前記凹形状部の上面に付き当てた状態で配置された前記2つの電極の間に、前記規制部材が取り付けられていることを特徴とする現像装置。 - 電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
(a)電子写真感光体と、
(b)前記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するために、前記電子写真感光体へ現像剤を供給する現像部材と、
前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置本体に装着された状態で、下方に開口を持った凹形状部と、
前記現像部材の長手方向に沿って略平行に、かつ、前記凹形状部の2つの側面にそれぞれ配置された2つの電極であって、前記電子写真画像形成装置本体で現像剤の残量を検出するために、前記2つの電極のうち少なくとも1つに電圧が印加され、少なくとも前記2つの電極の間の静電容量に応じた電気信号を発生するための2つの電極と、
前記凹形状部の上部における現像剤残量の検知感度を鈍らせるために、前記凹形状部の上部への現像剤の進入を規制する規制部材と、
を有し、
前記凹形状部の上面に付き当てた状態で配置された前記2つの電極の間に、前記規制部材が取り付けられている現像装置と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 記録媒体に画像を形成するための電子写真画像形成装置において、
(a)電子写真感光体と、
(b)前記電子写真感光体に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、
(c)前記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するために、前記電子写真感光体へ現像剤を供給する現像部材と、
前記現像装置が前記電子写真画像形成装置に装着された状態で、下方に開口を持った凹形状部と、
前記現像部材の長手方向に沿って略平行に、かつ、前記凹形状部の2つの側面にそれぞれ配置された2つの電極と、
前記凹形状部の上部における現像剤残量の検知感度を鈍らせるために、前記凹形状部の上部への現像剤の進入を規制する規制部材と、
を有し、
前記凹形状部の上面に付き当てた状態で配置された前記2つの電極の間に、前記規制部材が取り付けられている現像装置と、
(d)前記2つの電極のうち少なくとも1つに電圧を印加して、少なくとも前記2つの電極の間の静電容量に応じた電気信号を発生させ、前記電気信号を測定することで現像剤の残量を検出する手段と、
を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。 - プロセスカートリッジを着脱可能であり、記録媒体に画像を形成するための電子写真画像形成装置において、
(a)電子写真感光体と、
前記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するために、前記電子写真感光体へ現像剤を供給する現像部材と、前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置本体に装着された状態で、下方に開口を持った凹形状部と、前記現像部材の長手方向に沿って略平行に、かつ、前記凹形状部の2つの側面にそれぞれ配置された2つの電極と、前記凹形状部の上部における現像剤残量の検知感度を鈍らせるために、前記凹形状部の上部への現像剤の進入を規制する規制部材と、を有し、前記凹形状部の上面に付き当てた状態で配置された前記2つの電極の間に、前記規制部材が取り付けられている現像装置と、
を備えたプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着手段と、
(b)前記電子写真感光体に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、
(c)前記2つの電極のうち少なくとも1つに電圧を印加して、少なくとも前記2つの電極の間の静電容量に応じた電気信号を発生させ、前記電気信号を測定することで現像剤の残量を検出する手段と、
を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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