JP3937279B2 - 液体容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、整髪料や洗顔料などの乳液、シャンプーやリンス、液体石鹸など粘性液体を使用者の手動操作によって排出させる手動ポンプを具える液体容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の液体容器は、例えば、実公平9−2566859号公報、実公平10−2587089号公報、特開平8−119309号公報、特開平9−56630号公報、特開平10−264955号公報などに開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術にはそれぞれ、以下のような問題がある。
【0004】
先ず、実公平9−2566859号公報に記載されている液体容器は、ボトル容器の蓋部に固定された注出ノズルと共にポンプを動作させる可動管を取り付け、この可動管の上下動によりポンプ動作を行うものである。また、ボトル容器の蓋部には、湾曲レバーの一端が回動自在に取り付けられ、この湾曲レバーの他端が前記注出ノズルの上方に配されている。ボトル容器内の液体を注出する際には、片手の親指を前記レバーの先端上に置き、同じ手の掌部分を注出ノズルの先端部下方に置き、この状態で湾曲レバーを押し下げることよって前記可動管の上端を押圧する。この押圧で可動管が下動して、注出ノズルから排出された内容物が掌に落下する。この場合、掌を上に向けた状態で湾曲レバーを操作するため、親指にかかる負担が大きいという不都合がある。
【0005】
次に、実公平10−2587089号公報に記載されている液体容器は、容器のキャップから突出したピストンに設けたノズルの下方に泡受皿を設けたものである。ボトル容器内の液体を注出する際には、片手でノズルを押えて前記ピストンを上下動させることで、注出ノズルから排出された液体を泡受皿の凹みに落下させ、この泡受皿から液体をすくいとる。この場合、すべての操作を片手で済ませることができるものの、容器から液体を排出する動作と、排出された液体を泡受皿からすくい取る動作とを別々に行わなければならないという不都合がある。
【0006】
さらに、特開平8−119309号公報に記載されている液体容器は、定量ポンプを容器本体に対し横方向に装着し、この定量ポンプのピストンを支持するステムに押ボタンを取り付けると共に容器本体に押ボタンを操作するための把持部を取り付けたものである。ボトル容器内の液体を注出する際には、押ボタンを片手で掌を上に向けながら、この掌で押ボタンを横方向に押圧することにより、液体が吐出ノズルから吐出されて同じ掌に取り出される。この場合、片手で掌を上に向けながら、この手の指を把持部に係合させると共に同じ掌で押ボタンを横方向に押圧するから、片手操作を実現できるものの、掌で受け止める液体の量が制限されると共に、腕にかかる負担が大きいという不都合がある。
【0007】
特開平9−56630号公報に記載されている液体容器は、手の四指部で保持可能なノズル部を有する基部と、この基部に設けた支柱に対して回動自在に連結されたレバーと、このレバーによる押圧に伴うピストン運動によって動作するポンプ機構とを有するものである。ボトル容器内の液体を注出する際には、手の四指部をノズル部の下方に位置させると共に、この手の親指の腹をレバーの端部に当て、このレバーを親指によって操作することにより、液体がノズル部から吐出されて同じ手の四指部に取り出される。この場合、前記ノズル部を手の四指部で保持して同じ手の親指でレバー操作するから、片手操作を実現できるものの、四指部で受け止めることができる液体の量が制限されると共に、腕にかかる負担が大きいという不都合がある。
【0008】
特開平10−264955号公報に記載されている液体容器は、容器の蓋に手動式ポンプを取り付け、このポンプを動作させるための押し部から延在し該押し部に開口する屈曲可能なパイプノズル部と、前記押し部に取り付けられてこの押し部上面に開口するよう曲折する支持具とを有するものである。ボトル容器内の液体を注出する際には、手の甲で支持具を押し下げて、前記押し部を操作することにより、容器内の液体がノズル部に設けた屈曲パイプから吐出されて同じ手の掌に落下する。この場合も、片手で掌を上に向けながら、同じ手の甲で支持具を押し下げて押し部を操作するから、片手操作を実現できるものの、腕にかかる負担が大きいという不都合がある。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解消するためになされたものであって、手の掌や腕に負担をかけない自然な片手操作によって、液体容器から液体を排出させると共に、上向きにした状態の手の掌に適正量の液体を受けることのできる液体容器を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため請求項1に係る液体容器は、液体を収める容器本体と、容器本体内部に連通する液体排出ノズルと、容器本体の頂部に装着され、容器本体内部の液体を吸引して排出ノズルに向けて吐出する手動ポンプと、該手動ポンプの上方に配置され、使用者の片手操作によって手動ポンプを作動させる手動操作手段とを具え、該手動操作手段は、使用者が手の掌を上向きにした状態で、その手の指先間で挟んで操作し得るように配設された操作突部を含み、該操作突部を片手操作して手動ポンプを作動させ、これにより液体を排出ノズルから排出する際にその液体を、操作突部を操作した掌で受け止める配置としたことを特徴とするものである。
【0011】
この場合、使用者が掌を上向きにした状態で、その片手の指先間で操作突部を挟んで、この操作突部を片手操作することにより手動ポンプが作動して排出ノズルから液体を排出する。この際、前記ノズルから排出された液体は、片手操作に用いられた手の掌で受け止められる。
【0012】
従って本発明によれば、手の掌や腕に負担をかけない自然な動作で操作突部を容易かつ確実に片手操作することができるため、液体容器から液体を排出させると共に上向きにした状態の手の掌に適正量の液体を受けることができる。
【0013】
また、本発明は、手動ポンプが容器本体内方に向けて変位可能な押し下げヘッドを具え、前記手動操作手段は該押し下げヘッドの外部に装着され、かつ、操作突部の手動操作により押し下げヘッドを容器本体内方に向けて変位させて手動ポンプを作動させる
【0014】
この場合、容器本体内方に向けて変位可能な押し下げヘッドの外部に前記手動操作手段を装着し、この手動操作手段に含まれる操作突部を手動操作することにより、前記押し下げヘッドを容器本体内方に向けて変位させて手動ポンプを作動させるから、操作突部を挟んで操作する際に、手の指先間にかかる負担を軽減することができる。また、手動操作手段は、前記押し下げヘッドの外部に装着されるのものであるから、手動ポンプの形態に合わせた押し下げヘッドを選択することで、同じ形態の手動操作手段が様々な形態の手動ポンプに適応できるため、液体容器の汎用性が高まる。
【0015】
更に、本発明において、前記手動操作手段は、1対の端部がそれぞれ前記操作突部を構成するほぼU字形状の操作部材を具え、該操作部材は、押し下げヘッドの外部に装着したときに前記操作突部が容器本体の側方に突出し、かつ、手動操作により前記操作突部が互いに接近するように弾性変形可能とするこの場合、自然な手動操作で前記操作突部が互いに接近するように弾性変形することによって、押し下げヘッドの外部に装着されたU字形状操作部材が、この押し下げヘッドを容器本体内方に向けて変位させて手動ポンプを作動させるから、指先間で挟んで操作する操作突部に加わる力を調整することにより、必要以上の量の液体が排出されることを防止することができる。
【0016】
【実施の形態】
本発明の好適な実施形態においては、操作部材の内面と、これに対向する押し下げヘッドの外面との少なくとも一方がテ−パ面を有し、操作部材を手動操作により弾性変形させることにより押し下げヘッドを容器本体内方に向けて変位させることができる。この場合、手動操作により押し下げヘッドを容器本体内方に向けて変位させる力を効率的に取り出すことができる。
【0017】
さらに加えて、上記実施形態においては、前記操作部材を硬質の合成樹脂で射出成形することができる。この場合、前記操作部材を容易に成形することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0019】
図1および図2はそれぞれ、本発明の第1実施例に係る液体容器を正面側および背面側から示した斜視図であり、図3は、図1および2の操作部材5をX−X断面で示した正面図である。
【0020】
図1〜3に示す如く、第1実施例の液体容器は、液体を収める容器本体であるボトル1と、このボトル1内部に連通する液体排出ノズル2と、ボトル1の頂部には外部に開口する開口部が形成され、この開口部に基部3が取り付けられている。この基部3には、ボトル1内部の液体を吸引して排出ノズル2に向けて吐出する図示せぬ手動ポンプが装着されている。なお、こうした手動ポンプとしては、例えば、本願出願人による実開昭60−171574号公報に記載のものがある。このため、手動ポンプに関する詳細な説明は省略するものとする。
【0021】
また、基部3の上方には、ノズル2と一体に形成された使用者の片手操作によって手動ポンプを作動させる後述の手動操作手段が設けられ、この手動操作手段は、手動ポンプがボトル1内方に向けて変位可能な押し下げヘッド4が排出ノズル2と一体に形成され、このヘッド4の外部には、ほぼU字形状の操作部材5を装着して具える。
【0022】
操作部材5は、半円形断面形状のベース5cと、このベース5cの両端にヒンジ5hで結合されたアーム5a,5bとで構成される。また、操作部材5における1対の端部はそれぞれ、押し下げヘッド4の外部に装着したときにヘッド4の側方に突出する操作突部5pを構成する。この場合、操作突部5pには、滑り止めのための複数溝が形成されることが好ましい。
【0023】
操作部材5は、操作突部5pを片手操作して液体をノズル2から排出する際に、その液体を、操作突部5pを操作した掌で受け止めることができるように配置され、このとき、操作突部5pは、使用者が手の掌を上向きにした状態で、その手の指先間で挟んで操作し得るように配設される。
【0024】
ここで、上述した手動ポンプの上方に配置される操作部材5の取り付け手段としては、例えば、図2に示すものがある。この図に示す如く、操作部材5のベース5cに、下向きに突出した突起5gを一体に形成し、また、基部3に、ベース5cの突起5gが嵌合する溝部3gを一体に形成する。つまり、操作部材5は、その突起5gを基部3の溝部3gに嵌合することによって押し下げヘッド4を介してボトル1に固定される。但し、操作部材5の突起5gは、基部3の溝部3gと嵌合する際に予め、押し下げヘッド4が通常の高さ位置、即ち、押し下げヘッド4に下向きの力が作用しない状態の高さ位置に調整することが好ましい。
【0025】
なお、操作部材5の取り付け手段は、図2の構造に限定されるものではなく、例えば、操作部材5の上面、即ち、ベース5cの上面に、排出ノズル2が貫通する切り欠き形状が設けられたカバーを取り付けてもよい。また、操作部材5は、押し下げヘッド4を介してではなく、例えば、図2と同様、突起および溝部で構成される嵌合部によってボトル1に直接取り付けてもよい。
【0026】
上述した構成の液体容器は、次のように使用するものである。
【0027】
使用者がボトル1内の液体を必要とする場合、使用者は、掌を上向きにした状態で、その片手の指先間で一対の操作突部5pを挟んで操作突部5pを片手操作することにより、操作突部5pの両側に横向きの力Fが発生し、押し下げヘッド4を下向きに、即ち、ボトル1内方(矢印d)に向けて変位させる。操作突部5pの手動操作によって手動ポンプが作動してノズル2からボトル1の液体を排出する。この際、ノズル2から排出された液体は、片手操作に用いられた手の掌で受け止められる。
【0028】
従って、本実施例によれば、手の掌や腕に負担をかけない自然な動作で操作突部5pを容易かつ確実に片手操作することができ、その片手操作によってボトル1から液体を排出させると共に上向きにした状態の掌に適正量の液体を受けることができる。
【0029】
また、本実施例では、ボトル1内方に向けて変位可能な押し下げヘッド4の外部に操作部材5を装着し、この操作部材5の操作突部5pを手動操作することにより、押し下げヘッド4をボトル1内方に向けて変位させて手動ポンプを作動させるから、操作突部5pを挟んで操作する際に、手の指先間にかかる負担を軽減することができる。また、操作部材5は、押し下げヘッド4の外部に装着されるのものであるから、手動ポンプの形態に合わせた押し下げヘッド4を選択することで、同じ形態の操作部材が様々な形態の手動ポンプに適応できるため、ボトル1の汎用性が高まる。
【0030】
また,本実施例は、押し下げヘッド4の外部に装着されたU字形状操作部材5が自然な手動操作で操作突部5pが互いに接近するように弾性変形することによって、ヘッド4の外部に装着されたU字形状操作部材5は、このヘッド4をボトル1内方に向けて変位させて手動ポンプを作動させるから、指先間で挟んで操作する操作突部5pに加わる力を調整することにより、必要以上の量の液体が排出されることを防止することができる。
【0031】
特に、本実施例では、操作部材5の内面5fがテ−パ面を有し、操作部材5を手動操作により弾性変形させることにより押し下げヘッド4をボトル1内方に向けて変位させるため、手動操作により押し下げヘッド4をボトル1内方に向けて変位させる力(矢印d方向)を効率的に取り出すことができる。
【0032】
なお、テーパ面は、操作部材5の内面5fと、これに対向する押し下げヘッド4の外面との少なくとも一方に形成されていればよい。
【0033】
加えて、本実施形態は、操作部材5を硬質の合成樹脂で射出成形することができる。この場合、操作部材5を容易に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を正面側から示した斜視図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態を背面側から示した斜視図である。
【図3】 図1,2の操作部材をX−X断面で示した正面図である。
【符号の説明】
1 ボトル
2 排出ノズル
3 基部
3g 嵌合溝部
4 押し下げヘッド
5 操作部材
5a,5b 操作部材アーム
5c 操作部材ベース
5g 嵌合突起
5p 操作突部
5h ヒンジ

Claims (3)

  1. 液体を収める容器本体と、容器本体内部に連通する液体排出ノズルと、容器本体の頂部に装着され、容器本体内部の液体を吸引して排出ノズルに向けて吐出する手動ポンプと、該手動ポンプの上方に配置され、使用者の片手操作によって手動ポンプを作動させる手動操作手段とを具え、
    前記手動ポンプは、容器本体内方に向けて変位可能な押し下げヘッドを具え、この押し下げヘッドを容器本体内方に向けて変位させることにより作動するものであり、
    前記手動操作手段は、前記押し下げヘッドの外部に装着され、かつ、1対の端部がそれぞれ、使用者が手の掌を上向きにした状態で、その手の指先間で挟んで操作し得るように配設された操作突部を構成するほぼU字形状の操作部材を具え、この該操作部材を、押し下げヘッドの外部に装着したときに前記操作突部が容器本体の側方に突出し、かつ、手動操作により前記操作突部が互いに接近するように弾性変形可能することにより、前記操作突部片手操作により前記手動ポンプを作動させ、これにより液体を前記液体排出ノズルから排出する際にその液体を、前記操作突部を片手操作した掌で受け止める配置としたことを特徴とする液体容器。
  2. 請求項記載の液体容器において、操作部材の内面と、これに対向する押し下げヘッドの外面との少なくとも一方がテ−パ面を有し、操作部材を手動操作により弾性変形させることにより押し下げヘッドを容器本体内方に向けて変位させることを特徴とする液体容器。
  3. 請求項またはに記載の液体容器において、前記操作部材が硬質の合成樹脂を射出成形してなることを特徴とする液体容器。
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