JP6057767B2 - ポンプディスペンサ - Google Patents
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Description
ポンプディスペンサは、通常、ピストン及びシリンダを備えており、ピストンを移動させることでシリンダ内に圧が加わり液が噴射される。
そして、このポンプディスペンサはピストンの駆動のさせ方により数種類に大別されており、その一つとして、例えば、4本の指でトリガーを引き込む形式のトリガー式ポンプディスペンサがある。(特許文献1、特許文献2参照)。
その結果、ノズルから液が勢いよく噴射される。
そのため手の小さい子供、指力の落ちた身障者等が扱う場合は、トリガーを握る状態が浅くなり、力を入れ難くなる。
また4本(或いは人によっては、2、3本)の指を使い手全体で握るため、ポンプディスペンサ本体の周囲に液剤等が付着している場合は、それが手に付着し汚れる欠点がある。
特にノズルの下方に位置する指は汚れ易い。
このトリガー式ポンプディスペンサは、後ろにある取っ手部を4本の指で支え、トリガーに親指を添えて押し下げる構造であり、またピストン部と該ピストン部と一体となった屈曲性のある屈曲性通路部を有するピストン構造体を使用している。
そしてこの屈曲性通路部は緩い曲率で前方に湾曲して配置されている構造となっている。
そのためトリガー部は直接ピストン部を押し下げないで、独特の形状をしたクランク部を介してピストン部を押し下げる構造を採用している。
それは、トリガー部が、直接、ピストン部を押し下げず、上述したように、独特の形状をしたクランク部を設けて、それを介してピストン部を押し下げる構造となっているので、部品点数が一つ余分に増え、また指の力の伝達効率も悪い(すなわちトリガー部からピストン部への力の伝達が効率的でない)。
一方では、このように拳銃を持つようにして使えるトリガー式ポンプディスペンサは、噴霧力の強い蓄圧弁を内蔵させた場合、このようなコイルスプリングでは十分圧が出にくいし、また液中にコイルスプリングがあるため金属の場合は痛み易い欠点もある。
すなわち、本発明は、トリガー式ポンプディスペンサにおいて、対象物に焦点を合わせ易く、且つ効率良く指力をトリガー部に伝えることができ強い噴射力を得られるトリガー式ポンプディスペンサを提供することを目的とするものである。
またトリガー部3に設けられた一対の垂下片31の間には空間があるため、自由度が高まり屈曲性通路部22が上方に逃げる余裕できる。
また取っ手部がトリガー部3の下に位置しているので、液を噴射するためトリガー部3を引き込む場合、掴み易く、ポンプディスペンサA全体を握る必要はない。
また、ポンプディスペンサAのノズル部下方に指が位置しないので、液剤が付着しにくい。
また、枢着部(支点P1)と連結部(作用点P2)とを短くすることができ、梃子比も大きくできる。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態のポンプディスペンサAは、取っ手部が設けられた容器Bに装着して使用するものである。
具体的には容器Bの取っ手部(図8参照)を握り、親指をポンプディスペンサAのトリガー部3の上に添えた状態で使用する。
なお、図8の取っ手部は容器Bに形成された貫通孔部B1を示す。
指力を効率よくトリガー部3の下げ力に寄与させることができ、さらに強い噴射力が得られる。
また、ハウジング部1の上側にあるトリガー部3を復帰させるためのU字状の板ばね部12Bが、ハウジング部1(詳しくは基部12)と一体化されている。
このピストン構造体2は、後述するように、ピストン部21と該ピストン部21より上方に伸出して一体化したフレキシブルな屈曲性通路部22とよりなる。
屈曲性通路部22の先端にはノズル部5が圧入により取り付けられ、該ノズル部5と屈曲性通路部22の先端の間にはスピンナー6が内装される。
このセカンドバルブSVは、蓄圧式のバルブとなっている。
またトリガー部3は、ピストン構造体2(ピストン部21と屈曲性通路部22と支持片23とよりなる)に連結されている。
この連結部は、詳しくは、ピストン部21の一対の支持片23の外側に設けられた突起部T2とトリガー部3に形成された一対の垂下片31に設けられた嵌合凹部K2との嵌り込みにより構成される。
ここで、枢着部(支点P1)と作用点P2との関係を見ると、作用点P2は、ピストンの軸芯の延長にあり、枢着部(支点P1)はその前方の近い位置(シリンダ部11の外周の上方延長線上近く)にある。
このような構造であるため、枢着部(支点P1)と作用点P2の距離が短くなり、トリガー部3に親指を当てた位置(力点P3)を下方に押し下げる場合に、梃子比を十分に大きく取れる。
ところで、図4に示すように、ハウジング部1には、トリガー部3が下がらないように安全性のためトリガーロック12Cがヒンジ結合されている。
そのため必要の際には、簡単にトリガーロック12Cを起立させてトリガー部3の下方突出部33に掛止させる。
キャップ4の上端部には内向きに掛止部が形成されており、シリンダ部11の外周に形成されたリブに掛合される。
なお、キャップ4もハウジング部1と一体成形することも可能であるが、ノズル部が、正面に向くように位置決めされる必要がある。
容器Bに設けられた取っ手部とポンプディスペンサAのトリガー部3とを握って、トリガー部3を下方に押し下げると、そのことに伴ってピストン部21も下方に移動し、シリンダ部11内の液圧が高まる。
ここでトリガー部3が下方に押し下げられてピストン部21が下降しても、屈曲性通路部22はピストン部21から上方に伸びる一対の支持片23に挟まれた状態にあるので横振れが生じない。
シリンダ部11内の液圧が高まって、所定の圧力に達すると、蓄圧バルブであるセカンドバルブSVが開き、シリンダ部11と屈曲性通路部22とが連通する。
そのため、液がシリンダ部11から屈曲性通路部22へと流出し、屈曲性通路部22の先のノズル部から噴射される。
なお、トリガー部3は押し下げられてハウジング部1の一部に当接して止まるが、この位置がトリガー部3の下死点である。
そのためシリンダ部11内の圧が低下し、ファーストバルブFVが開き容器内の液が吸い上げられてシリンダ部11内に入ってくる。
この場合、板状なので、ハウジング部1と一体に成形し易く、またコイルスプリングと異なってばね力を強力にし易く、またシリンダの液中に配設されないので、痛みにくい。
なお、容器B本体内の液が減少するために容器B本体内が負圧となり容器Bに凹み等が生じるが、ポンプディスペンサAにはこれを解消するための図示しない負圧解消手段が備わっている。
例えば、ハウジング部1のトリガー部3との枢着部において、ハウジング部側に突起部をトリガー部側に嵌合凹部を設けるように変更しても良い。
また、図8に示す取っ手部は貫通孔部の場合を示したが、貫通孔部に限らず、グリップできるのであれば容器Bの一部から大きく突出して翼片部となっているものを採用することも可能である。
またノズル部5の先端に公知のオリフィスやフォーマーを取り付けることで、液を霧状や泡状にして噴射させることができる。
そのため本発明の流体噴射原理を使用するものであれば、家庭用品だけでなく、業務用として塗装等の工業全般、或いは医療用器具等の分野にも広く適用が可能である。
11・・・シリンダ部
11A・・・大径部
11B・・・小径部
12・・・基部
12A・・・側壁
12B・・板ばね体
12C・・トリガーロック
21・・・ピストン部
22・・・屈曲性通路部
23・・・支持片
3・・・トリガー部
31・・・垂下片
32・・・側壁
33・・・下方突出部
4・・・キャップ
5・・・ノズル部
6・・・スピンナ
7・・・バルブケース
A・・・ポンプディスペンサ
B・・・容器
B1・・・取っ手部(貫通孔部)
K1,K2・・・嵌合凹部
T1,T2・・・突起部
Claims (7)
- 取っ手部を有する容器に取り付け可能なポンプディスペンサであって、
シリンダ部と基部を有するハウジング部と、
該シリンダ部内を摺動自在なピストン構造体と、
ハウジング部に枢着され上側に位置するトリガー部と、
ハウジング部を容器の口部に取り付けるためのキャップとを備え、
ピストン構造体は、ピストン部とピストン部上端から突出する屈曲自在な屈曲性通路部と、ピストン部上端から屈曲性通路部の両側に沿って上方に伸びる一対の支持片を備え、該各支持片の上部にトリガー部に形成された一対の垂下片との連結部を有してなり、
トリガー部を押し下げて取っ手部に近づけることにより、ピストン部を押し下げシリンダ部内に圧を加えて屈曲性通路部を通して液をその先のノズル部から噴射させることを特徴とするポンプディスペンサ。 - トリガー部を上方に付勢するためのU字状の板ばね体がハウジング部に一体形成されていることを特徴とする請求項1記載のポンプディスペンサ。
- ハウジング部の基部から起立する両側壁には嵌合凹部が設けられており、この嵌合凹部にトリガー部の両側壁の内側に設けられた突起部が嵌り込むことで、枢着部(支点P1)となっていることを特徴とする請求項1記載のポンプディスペンサ。
- トリガー部をロックするトリガーロックがハウジング部にヒンジ結合されている特徴とする請求項1記載のポンプディスペンサ。
- ハウジング部とキャップとが一体化していることを特徴とする請求項1記載のポンプディスペンサ。
- 取っ手部が、容器に形成された貫通孔部であることを特徴とする請求項1記載のポンプディスペンサ。
- 取っ手部が、容器に突出された翼片部であることを特徴とする請求項1記載のポンプディスペンサ。
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