JP4256085B2 - トリガポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガポンプに関し、ピストンのシリンダ内でのスティックを回避して確実な液体噴射を実現しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
トリガポンプは、黴びとり剤や洗剤等を充てんする容器に多用されており、その構成は、一般に、先端部分に噴射ノズルを取り付けたボディ部分と、このボディ部分に枢支軸を介して揺動可能に支持したトリガと、シリンダ内にピストンを組み込み、液体の吸引と加圧を司る吸引加圧機構とからなっている。
【0003】
かかるポンプは、トリガの牽曳とその解除を交互に繰り返しシリンダ内のピストンを作動させることによって液体を呼び込むとともに加圧するものであり、これによってボディ部分の先端に設けた噴射ノズルから連続的に液体を噴射する。
【0004】
ところで、従来形式のトリガポンプは、シリンダ内でその内壁面に沿って直線的に往復移動するピストンに対し、ピストンを作動させるためのトリガが、枢支軸を支点にして円弧を描くように揺動するものであることから、ピストンがシリンダの内壁面に局所的に強く接触する部分が生じ、このような状態を長期にわたって継続した場合に、ピストンがシリンダ内でスティックして液体の噴射ができなくなったり、シリンダの内壁面が偏摩耗してその部位から液体が漏洩するおそれがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記のような従来の問題を解決できる新規なトリガポンプを提案するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、噴射ノズルを備えるボディと、このボディに枢支軸を介して揺動可能に支持したトリガと、シリンダとピストンの組み合わせからなり、前記トリガの牽曳に伴う押圧とその解除によるピストンの往復移動にてシリンダ内に液体を吸引するとともに加圧して該噴射ノズルを通して液体を噴出させるトリガポンプであって、
前記ボディ又はトリガに、枢支軸を係合させて該トリガを揺動可能に保持する長孔を設け、
前記ボディとトリガの相互間に、トリガの牽曳に際してトリガの本体部分を直線的に誘導してピストンをその軸心に沿って押圧するガイドを配設し、
該ガイドが、トリガの本体部分に設けられた突起と、ボディに設けられ該突起をピストンの軸心に沿ってスライドさせるレール状の溝からなる、ことを特徴とするトリガポンプである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1はトリガポンプの全体構成をその断面で示したものであり、図2はトリガとそれを支持するボディとの関係を分解状態で示したものである。
【0009】
図1、図2において番号1はトリガポンプのボディである。このボディ1はその先端部に噴射ノズル1aを備えており、その内部には噴射に係わる液体を通す通路1bとバルブ1cが配置されている。
【0010】
また、2はトリガ、3はトリガ2をボディ1の長孔1dにおいて揺動可能に支持する枢支軸であり、この枢支軸3はここではトリガ2に一体成形した例で示してある。また、4はボディ1と一体になるシリンダ、5はシリンダ4内に配置されるピストン、6はシリンダ4内でピストン5を弾性支持するスプリングの如き弾性部材である。
【0011】
また、7はトリガ2の本体部分の側壁に設けられた一対の突起、8はボディ1の内側壁面にピストン5の軸心に平行に形成されたレール状の溝であり、突起7は溝8に適合してその溝8に沿ってスライドできるようになっており、この突起7と溝8にてトリガ2を直線的に誘導するガイドgを構成する。
【0012】
9はボディ1にアンダーカットの如き連結手段にて組み合わさるインテイクであって、このインテイク9はその内部にチャッキ弁9aを備える。また、10はインテイク9につながり容器内の液体を吸引するための吸引管、11は容器の口部にインテイク9を介してボディ1を固定保持するねじ止めキャップである。
【0013】
上記の構成になるトリガポンプにおいて、トリガ2を図1の矢印に従い牽曳すると、ピストン5はシリンダ4の末端に当接するまで押圧される。
ピストン5がシリンダ4の末端に当接した時点でトリガ2の牽曳を解除すると、ピストン5は弾性部材6の附勢力によって初期位置へと復帰することとなり、その際、シリンダ4内は負圧になることから、容器本体内の液体は吸引管10、インテイク9を経てシリンダ4内に液体が流入する。
【0014】
この状態から再度、トリガ2を牽曳してピストン5を押圧すると、シリンダ4内に流入した液体は加圧されてポートPから排出される。この時、インテイク9の通路はチャッキ弁9aによって閉塞状態に保持される一方、ポートPから排出された液体はバルブ1c、通路1bを通り、噴射ノズル1aの先端から外界へ向けて噴射されることとなり、この一連の動作を複数回繰り返すことによって連続的な噴射が可能となる。
【0015】
従来形式になるトリガは、図3にピストンとトリガの位置関係を取り出して示すように、枢支軸12を中心に円弧を描くように揺動するため、ピストン13がシリンダ14の内壁面に局所的に強く接触する部分が生じてピストン13がシリンダ14内でスティックしてしまうことも懸念されたが、本発明に従うトリガポンプは、図4に示すごとく、枢支軸3がボディ1に設けた長孔(バカ孔)1dに係合しており、トリガ2はその牽曳に際して、長孔1dの開口範囲内で枢支軸3がトリガ2とともに移動(トリガ2が円弧を描こうとする分(図3中のδt)だけ移動する)する一方、突起7が溝8に従い直線的にスライドしてピストン5をその軸心に沿って押圧する。
【0016】
上掲図1、図2に示したトリガポンプは、枢支軸2をボディ1の長孔1dに係合させる例で示したが、ボディ1に枢支軸3を設け、トリガ2に長孔を設けることもでき、この点に関しては限定されない。
【0017】
また、本発明では、トリガ2が円弧を描く分(δt)を吸収するため長孔1dを適用する場合を例として示したが、これは、枢支軸3を揺動可能に支持できるものであれば凹部であってもかまわない。ガイドgに関しても本発明では突起7とレールの機能を有する溝8を適用する場合について図示したが、トリガ2を直線的に誘導できるものであればどのような手段でも適用できる。
【0018】
本発明に従うトリガポンプは合成樹脂にて構成することができるものであり、各構成部材の製造にはインジェクション成形法が有利に適合する。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、トリガの牽曳に際してピストンをその軸心に沿って押圧することができるのでピストンのスティックによる作動不良がない。また、ピストンとシリンダの相互間から液が漏れるようなこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従うトリガポンプの構成説明図である。
【図2】 図1に示したトリガポンプのボディとトリガの取り付け状態を示した図である。
【図3】 従来形式のトリガポンプの牽曳要領の説明図である。
【図4】 本発明に従うトリガポンプの牽曳要領の説明図である。
【符号の説明】
1 ボティ
1a 噴射ノズル
1b 通路
1c バルブ
1d 長孔
2 トリガ
3 枢支軸
4 シリンダ
5 ピストン
6 弾性部材
7 突起
8 レール状の溝
9 インテイク
9a チャッキ弁
10 吸引管
11 キャップ
g ガイド
Claims (1)
- 噴射ノズルを備えるボディと、このボディに枢支軸を介して揺動可能に支持したトリガと、シリンダとピストンの組み合わせからなり、前記トリガの牽曳に伴う押圧とその解除によるピストンの往復移動にてシリンダ内に液体を吸引するとともに加圧して該噴射ノズルを通して液体を噴出させるトリガポンプであって、
前記ボディ又はトリガに、枢支軸を係合させて該トリガを揺動可能に保持する長孔を設け、
前記ボディとトリガの相互間に、トリガの牽曳に際して該トリガの本体部分を直線的に誘導してピストンをその軸心に沿って押圧するガイドを配設し、
該ガイドが、トリガの本体部分に設けられた突起と、ボディに設けられ該突起をピストンの軸心に沿ってスライドさせるレール状の溝からなる、ことを特徴とするトリガポンプ。
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Publications (2)
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Family Applications (1)
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2001
- 2001-07-19 JP JP2001218978A patent/JP4256085B2/ja not_active Expired - Fee Related
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