JP3937114B2 - 電子カメラシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子カメラシステムに係り、特にメモリカード等の外部記憶媒体を読み書きする手段を備えた電子カメラシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、デジタルカメラ等の電子カメラは、撮影レンズを通してCCD等の撮像素子に結像させた被写体像を電気信号に変換し、取得した画像データをメモリカード等の外部記憶媒体に記録する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カメラ内に搭載されているマイコンの性能によって、外部記憶媒体への読み書き速度が異なる(特開平8−289185号公報参照)。また、メモリカードは製造メーカや製品によって動作速度(アクセス速度)が異なるため、使用するメモリカードによって撮影記録時間が大きく左右されるという問題がある。このため、撮影記録時間や撮影間隔(撮影インターバル)など電子カメラの性能に関する仕様が明確でなかった。
【0004】
なお、メモリカード内部の属性情報領域にアクセス速度が記述されているものもあるが(特開平10−40020号公報)、この値にはアクセス時のWAIT時間が含まれていないことが多い。実際には、アクセス時のWAIT時間をも含めたアクセス時間が問題となるが、上記のように「アクセス速度」の定義が不明確なため、かかる情報を有効に活用することができないという不具合がある。このように、従来はメモリカードに対する真のアクセス時間を把握するのは困難であった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、撮影記録時間や撮影間隔の仕様を明確にすると共に、その仕様の動作を保証することができる電子カメラシステムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
前記目的を達成する為に、本願請求項1記載の発明は、撮像手段を介して取得した画像データを着脱自在な外部記憶媒体に記録する電子カメラシステムにおいて、装着された外部記憶媒体の応答時間を実測定する測定手段と、前記測定手段で測定した時間値に基づいて、当該外部記憶媒体の使用の可否を判定する判定手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
本発明によれば、システムに外部記憶媒体を装着すると、測定手段によって当該外部記憶媒体のアクセス時間(応答時間)を実際に測定する。そして、その測定結果に基づいて、当該外部記憶媒体が本システムにおいて使用可能な物であるか否かを判定手段で判断する。これにより、個々の外部記憶媒体について、真のアクセス時間を正確に把握することができ、使用可否について正しい判定が可能になる。
【0008】
測定手段及び判定手段は種々の態様が考えられるが、例えば、請求項2記載の如く、前記測定手段として、外部記憶媒体の装着時、又は電子カメラシステムの電源投入時に、外部記憶媒体に対してリセットをかけ、リセット時点から外部記憶媒体がレディ状態になるまでに要する時間を測定する手段を採用する。外部記憶媒体の装着時、又は電源投入時のようにシステム立ち上げの直後、早期に媒体の使用可否の判定をすることが好ましい。また、請求項3に記載の如く、前記測定手段として、装着された外部記憶媒体からデータの読み出し処理を行い、その読み出し処理に要した時間を測定する手段を採用する態様も可能である。
【0009】
そして、請求項4に記載したように、測定手段で測定した時間が所定の閾値よりも長い場合に当該外部記憶媒体は使用できない媒体であると判定する判定手段を設ける態様が可能である。かかる態様によれば、外部記憶媒体の情報読み出し時間を実際に測定し、その時間が所定の値(閾値)よりも長い場合は使用できない外部記憶媒体であると判定する。これにより、アクセス時間の長い外部記憶媒体を排除することができる。
【0010】
また、請求項5に記載の如く、本発明の電子カメラシステムの撮影記録処理において、撮像手段から読み出した画像信号に基づいて輝度信号及び色差信号を生成するY/C処理工程と、外部記憶媒体へデータの書き込みを行う前の準備処理として該外部記憶媒体に記述されている情報の読み出しを行うカードアクセス工程とが並行して行われるシーケンスが組まれている場合、前記Y/C処理工程に要する時間をT1 、前記カードアクセス工程に要する時間をT2 とする時、T1 <T2 となる外部記憶媒体を使用不能な媒体と規定することが好ましい。
【0011】
これは、T1 <T2 となる外部記憶媒体を使用した場合、Y/C処理が終了してもカードアクセス工程が完了していないことになり、Y/C処理後直ちに画像データを外部記憶媒体に記録する工程に移行できず、撮影記録の処理時間が遅延するからである。
カードアクセス工程がY/C処理時間T1 内に完了するもの(T1 ≧T2 )であれば、Y/C処理後直ちに画像データの記録処理に移行でき、撮影記録時間をある一定の値に保証することができる。
【0012】
請求項6に記載の発明に係る電子カメラシステムは、撮像手段を介して画像データの取り込みを行う画像取込工程に続き、前記画像取込工程で取得した画像データに基づいて輝度信号及び色差信号を生成するY/C処理工程が行われる一方、外部記憶媒体へデータの書き込みを行う前の準備処理として該外部記憶媒体に記述されている情報の読み出しを行うカードアクセス工程が前記画像取込工程及び前記Y/C処理工程と並行して行われるシーケンスが組まれているものであって、前記画像取込工程の開始から前記Y/C処理工程の終了までに要する時間をT1 ′、前記カードアクセス工程に要する時間をT2 ′とする時、T1 ′<T2 ′となる外部記憶媒体を使用不能な媒体と規定していることを特徴としている。
【0013】
電子カメラシステムのハード的な構成によっては、画像取込工程と同時にカードアクセス工程を開始して両工程を並行処理する形態が可能である。この場合、画像取込工程からY/C処理工程終了までに要する時間(T1 ′)内にカードアクセス工程が終了しないもの(T1 ′<T2 ′)を使用不能として排除する。
なお、装着された外部記憶媒体が使用できるものであるか否かを判断する際には、請求項7に記載の如く、測定手段の測定で得られた時間値からカードアクセス工程に要する時間T2 (又はT2 ′)を推定評価することにより当該外部記憶媒体の使用の可否を判定する。測定手段で測定した時間は、当該外部記憶媒体の真のアクセス速度を反映するものであり、かかる時間を測定することによって、撮影記録シーケンスにおけるカードアクセス工程に要する時間T2 (又はT2 ′)を予測(推定評価)することができる。
【0014】
例えば、測定手段の一態様として、外部記憶媒体の装着時、又は電子カメラシステムの電源投入時に、外部記憶媒体に対してリセットをかけ、リセット時点から外部記憶媒体がレディ状態になるまでに要する時間を測定する手段を採用した場合、外部記憶媒体のリセットからレディ状態になるまでの時間は、当該外部記憶媒体のアクセス速度を反映するものであり、かかる時間を測定することによって、撮影記録シーケンスにおけるカードアクセス工程に要する時間T2 (又はT2 ′)を予測することができる。勿論、他の測定手段を採用した場合もこれと同様に、測定手段で測定した時間に基づいてカードアクセス工程に要する時間T2 (又はT2 ′)を予測することができる。
【0015】
更に、本発明の電子カメラシステムにおいては、請求項8に記載の如く、判定手段によって使用不能な媒体であると判定した場合にその旨を提示する警告手段を設けることが好ましい。これにより、システムで使用できない外部記憶媒体が装着された時には、警告手段がその旨を警告し、ユーザに媒体の交換を促す。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る電子カメラシステムの好ましい実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図であり、図2は、撮影記録処理のシーケンスを示すタイムチャートである。
【0017】
図1に示したように、電子カメラ10は、主として、被写体からの光を電気信号に変換する撮像素子(CCD)12と、撮像素子12から読み出された電気信号(アナログ電圧信号)をデジタル信号に変換するA/D変換器14、輝度色差信号変換回路(以下、Y/C処理部という。)16、バス18、19、20、21、22、バッファ24、25、26、第1メモリコントローラ28、ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(DRAM)29、中央演算処理装置(CPU)30、液晶表示パネル駆動回路(LCDドライバ)32、液晶表示パネル(警告手段に相当)33、第2メモリコントローラ35、フレームメモリに相当するDRAM36、圧縮/伸長回路38、PCカードインターフェース40、PCカード42等から構成される。なお、図示されていないが、PCカード42を着脱するカード装着部にはPCカード42が装着されているか否かを検出するカード検出手段が配設されており、このカード検出手段の検出信号がCPU30に通知されるようになっている。
【0018】
この電子カメラ10の構造を画像データの取得手順に沿って説明する。電子カメラ10の撮影記録処理の工程は、図2に示すように、カメラハードウエアの内部動作(図2の上段)と、PCカード42に対する動作、即ち、対カード動作(図2の下段)との2系統に大別される。内部動作の手順としては、画像取り込みの第1工程(画像取込▲1▼)、画像取り込みの第2工程(画像取込▲2▼)、Y/C処理工程、及び圧縮処理工程から成り、Y/C処理工程と並行してカードアクセス工程が行われ、圧縮処理工程と並行してカード書き込み処理が行われる。
【0019】
先ず、画像取り込みの第1工程を述べる。図3に示すように、撮影レンズ(不図示)を通してCCD12の受光面に結像された被写体像は、各センサで光の入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。こうして蓄積された信号電荷は、図示せぬCCD駆動回路から加えられるリードゲートパルスによってシフトレジスタに読み出され、レジスタ転送パルスによって信号電荷に応じた電圧信号(アナログ画像信号)として順次読み出される。
【0020】
CCD12から読み出されたアナログ画像信号は、色分離及びゲインコントロールなどの所定のアナログ処理を経た後、A/D変換器14に加えられる。A/D変換器14は、点順次で入力するR,G,B信号を順次デジタル信号に変換し、Y/C処理部16へと出力する。
Y/C処理部16は、この段階(画像取込▲1▼)ではY/C変換を実行せずに、A/D変換器14から受入した画像データを、RGB信号の形態でCCDバス19を介してバッファ24へと転送する。バッファ24に格納された画像データはCCD・PMDバス21及び第1メモリコントローラ28を経由してDRAM29に記憶される。ここまでが画像取り込みの第1工程である。
【0021】
続く、画像取り込みの第2工程は、図4に示すように、DRAM29に記憶した画像データを第1メモリコントローラ28により読み出し、CCD・PMDバス21、バッファ24、及びCCDバス19を経由して第2メモリコントローラ35に導く。そして、第2メモリコントローラ35の制御のもとで、RGBの画像データをDRAM36に格納する。ここまでが画像取り込みの第2工程である。
【0022】
このように、画像取込工程を2段階に分けているのは、以下の理由による。即ち、第1工程(画像取込▲1▼)において画像データが格納されるDRAM29は、大容量(例えば、16Mbyt程度)を有し、連写撮影時はCCD12から出力される一連の画像データ(複数コマ分のCCD画像データ)を、一時的に格納するバッファメモリとして使用される。16MbytのDRAM29の場合、最大で12コマ分の画像データを格納できる。そして、Y/C処理、圧縮・書き込み処理等は、撮影処理及び一連のCCD画像データの取込処理(画像取込▲1▼)の終了後に、まとめて行われる。こうすることにより、連写(連続撮影)の速さを高めることができる。
【0023】
本例では、連写以外の通常の撮影の場合にも、DRAM29を介してCCD画像データを最終的にDRAM36に格納する構成を採用し、画像取込処理の統一を図っている。なお、連写撮影を考慮しなければ、CCD画像データを直接DRAM36に格納するという形態も可能であり、この場合、DRAM29を省略することができる。かかる態様については、後述の第2の実施の形態において言及する。
【0024】
次に、Y/C処理について説明する。
Y/C処理工程では、図5に示すようにDRAM36を活用しながら、Y/C処理部16においてRGB信号をYC変換によって輝度信号Yと色差信号B−Y,R−Yに変換する。即ち、第2メモリコントローラ35の制御に基づいて、DRAM36からRGBの画像データを読み出し、その画像データをCCDバス19を介してY/C処理部16へと導く。Y/C処理部16は、受入したRGBデータから輝度信号及び色差信号を生成する。Y/C変換されたデータはDATバス18、及び第2メモリコントローラ35を経由してDRAM36へ格納される。ここまでがY/C処理工程である。
【0025】
上記Y/C処理工程と並行して、PCカード42に対するアクセスが行われる。カードアクセス工程は、PCカード42の情報を読み出してディレクトリをサーチするなど、画像データを記録するのに必要な準備作業を行う工程である。図6にはカードアクセス工程における信号の伝達経路が示されている。同図に示すように、カードアクセス工程では、CPU30がPCカード42の情報を読み出すための命令信号(コマンド)を出力する。このコマンドはCPUバス22、バッファ26、CCD・PMDバス21、バッファ25及びPMDバス20を介してPCカードインターフェース40に導かれる。そして、PCカードインターフェース40を介してPCカード42の情報読み出しが行われる。PCカード42から読み出された情報は、上述のコマンドの伝達経路と逆の経路を辿ってCPU30に入力される。
【0026】
カードアクセス工程において使用するバス(20、21、22)と、前述したY/C処理工程で使用するバス(18、19)が異なることから、Y/C処理工程の開始と同時にカードアクセス工程を開始することができ、両工程を並列処理することが可能となっている。なお、画像取込▲1▼、▲2▼の工程中はバス(19、21、22)が占有されるので、カードアクセス工程を並列処理することはできない。
【0027】
図2で説明した通り、Y/C処理が完了すると圧縮処理工程に移行する。即ち、Y/C変換されてDRAM36に格納された画像データは、DRAM36から第2メモリコントローラ35及びDATバス18を経由して圧縮/伸長回路38に順次読み出される。圧縮前処理の後、圧縮/伸長回路38は、受入した輝度信号及び色差信号を所定の形式で圧縮処理し、その圧縮データをPCカードインターフェース40に供給する。こうして、圧縮処理された画像データが順次PCカードインターフェース40を介してPCカード42に書き込まれる。
【0028】
ところで、画像取り込みの開始からPCカード42へのデータ書き込みの完了までを撮影記録時間と呼ぶことにすると、この撮影記録時間を一定に保つには、Y/C処理に要する時間T1 内に、カードアクセスが完了していることが必要となる。
即ち、Y/C処理に要する時間をT1 、カードアクセスに要する時間をT2 とするとき、T1 ≧T2 であることが条件となる。仮に、T1 <T2 となるPCカードが装着された場合には、Y/C処理が終了してもカード情報の読み出しが完了するまで、データの書き込み処理を開始することができず、撮影記録時間が長くなるという不具合がある。従って、本例の電子カメラ10では、T1 <T2 となるPCカード42は使用できないものと定めている。
【0029】
次に、上記の如く構成された電子カメラにおけるカードの判定方法について説明する。
CPU30は、カメラの各回路を総括制御するものであり、図示せぬレリーズボタンやモード設定手段(モードダイヤル)、その他の操作部から入力される各種入力信号に基づいて、該当する回路を制御する手段であると同時に、PCカード42のアクセス時間を実測し、当該カードが使用できる物であるか否かを判定する手段(測定手段及び判定手段)としての役割を兼備している。
【0030】
図7は対応カード判定処理のフローチャートである。主電源スイッチと兼用されるモードダイヤルを回動操作して、ダイヤルをOFF位置から撮影モード、或いは再生モード等のモード位置に設定するとカメラの主電源がONする(ステップS110)。
この操作によってCPU30を含む各回路に電源が投入される(ステップS112)。次いで、CPU30は、カード装着部に配設されているカード検出手段からの検出信号を読み込み、PCカード42が装着されているか否かを検出する。この段階でPCカード42が装着されていなければ、液晶表示パネル33にカード未装着である旨を表示し、ユーザにPCカード42の装着を促す。
【0031】
ステップS114においてカードが装着されていることを確認したら、次いでCPU30はPCカード42に対してリセットを加える(ステップS116)。このリセット(パワーオンリセット)によってPCカード42のハード的な準備がなされ、PCカード42がレディ(READY)状態に至ると、CPU30にレディ信号が返される。
【0032】
CPU30は、PCカード42にリセットをかけた時点からPCカード42がレディ状態に至るまでの時間(応答時間に相当)を監視しており、レディ状態になるまでに要した時間の測定結果に基づいて、PCカード42の使用の可否を判別する(ステップS118)。例えば、CPU30はPCカード42にリセットをかけた時点からタイマのカウントをスタートさせ、PCカード42からレディ信号が返されるまでの時間を測定する。
【0033】
この測定で得られる時間値は、PCカード42の真のアクセス速度を反映するものであり、測定で得られた時間の値から、図2で説明したカードアクセス工程に要する時間(アクセス時間)を予測することができる。この予測に基づいて、図2で説明したY/C処理時間T1 以内にカードアクセス処理(T2 )を終了可能であるか否かを推定評価する。
【0034】
つまり、PCカード42が規定時間(所定の閾値に相当)内にレディ状態にならない場合には、Y/C処理時間T1 よりもカードアクセス処理時間T2 の方が長くなる(T1 <T2 )と判断して、使用不能と判別する。そして、液晶表示パネル(LCD)33にカードを交換すべきことを示す警告表示(例えば、「カード“CHANGE"」なる表示)を行ってユーザにカード交換を促す(ステップS120)。なお、装着されたPCカード42が使用できない旨をユーザに提示する手段としては、LCDなどの平面表示手段の他、LED、ランプなどの点灯・点滅表示手段、或いはブザー音などの発音手段、又はこれら手段の組み合わせでもよい。
【0035】
他方、ステップS118において、PCカード42が規定時間内にレディ状態になった場合には、Y/C処理時間T1 内にカードアクセス処理が終了する(T1 >T2 )と判断して、装着に係るPCカード42が本電子カメラ10で使用できるものであると判別する。そして、処理はステップS122へ進み、カード情報の読み出し、及びカードの初期化(レジスタ設定)等の処理を行う。なお、カード情報には、サイズ、種別、速度、Type1 orType2 の区別、などが含まれる。
【0036】
次いで、ファイルアロケーションテーブル(FAT)情報の読み出し、設定を行い、クラスタのサイズを確認する(ステップS124)。そして、記録枚数の確認を行う(ステップS126)。
上述の手順を経て、PCカード42が使用可能な状態にセットされ、カード判定処理が完了する。その後は、電子カメラ制御のメインルーチンへ戻り、例えば撮影開始の指示入力を待機する。
【0037】
図7のフローチャートでは電源投入時にカード判定を行う例を示したが、PCカード42の交換時の如く、PCカード42を装着した時に常に上記動作と同様のカード判定処理を行うように構成されている。
本実施の形態に係る電子カメラによれば、アクセス時間の長いPCカード42の使用を排除することができ、電子カメラの仕様で定めた撮影記録時間(例えば、1秒以下)及び撮影間隔を保証することができる。また、撮影記録時間の遅延がないので、記録処理時間の短縮化を図ることができると共に、消費電流を低減できる。
【0038】
また、上述の実施の形態では、PCカード42にリセットを加えてからレディ状態になるまでに要する時間を測定しているが、かかる測定に代えて、ステップS122に相当するカード情報の読み込みに要する時間を測定してもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図1乃至図7に示した実施の形態では、連写撮影を考慮して、画像の取込工程を2工程(画像取込▲1▼、画像取込▲2▼)に分けているが、連写撮影を考慮しなければ、DRAM29を用いずにCCD画像データを直接DRAM36に格納するという形態も可能である。図8には、DRAM36を使用しない画像取込処理の例が示されている。図8中図1と共通の部分には同一の符号を付す。
【0039】
図8に示すように、CCD12から読み出されたアナログ画像信号はA/D変換器14でデジタル信号に変換され、Y/C処理部16及びCCDバス19を経由して第2メモリコントローラ35に導かれる。そして、第2メモリコントローラ35の制御のもとでRGBの画像データがDRAM36に格納される。こうして、DRAM29を介さずRGBのCCD画像データをDRAM36に取り込むことができる。
【0040】
かかる画像取込工程の後、DRAM36からRGBの画像データを読み出し、Y/C処理部16においてY/C処理する工程は図5で説明した例と同様である。また、カードアクセス工程における信号伝達の経路も図6で説明した例と同様である。
図8の如き画像取込処理を行う場合、電子カメラの構成においてDRAM29を省略することができる。また、カメラが連写モードに設定されている時には、図3及び図4で説明した画像取込処理(画像取込▲1▼及び画像取込▲2▼)を実施し、通常の撮影モードに設定されている時には図8で説明した画像取込処理を実施するように、モードによって画像取込処理を切り替えてもよい。
【0041】
ところで、図8に示した画像取込工程を行うときに使用されるバスは符号19で示したCCDバスであるのに対し、カードアクセス工程において使用されるバスは、図6で説明したように、符号20、21、22で示したバスである。このように、画像取込工程で使用するバスとカードアクセス工程で使用するバスが異なることから、画像取込工程とカードアクセス工程とを並列処理することが可能となっている。
【0042】
即ち、図8の画像取込工程を行う電子カメラでは、図9に示すように画像取込工程の開始と同時にカードアクセス工程を開始し、両工程を並列処理する撮影記録シーケンスが組まれる。
この場合、画像取込の開始からY/C処理の終了までの時間T1 ′内に、カードアクセス工程が完了するか否かによって、カードの使用可否を判定する。即ち、カードアクセス工程に要する時間をT2 ′とするとき、T′<T2 ′となるカードは撮影記録時間が遅延するので使用できないものと定める。そして、T1 ′≧T2 ′を満たすカードに限り使用可能なものと判定する。
【0043】
CPU30が、PCカード42にリセットをかけた時点からPCカード42がレディ状態に至るまでの時間を測定し、その測定で得られた時間の値から、図9に示したカードアクセス工程に要する時間(アクセス時間)T2 ′を予測して、カードの使用可否を判定する点は図2で説明した例(第1の実施の形態)と同様である。
【0044】
このように、図9に示した撮影記録シーケンスを有する電子カメラは、図2に示した撮影記録シーケンスを有する電子カメラよりも、カードの使用可否の判定基準を大きくすることができ(T1 ′>T1 )、アクセス速度が比較的遅いPCカードでも使用することができる。
上記各実施の形態では、外部記憶媒体としてPCカードを用いているが、データを記録する媒体としては、スマートメディア(イメージメモリーカード)、PCカード、フラッシュメモリーカード、ICカード、フロッピーディスク、光磁気ディスク(MD、MO)等、種々の形態が可能である。
【0045】
また、本発明を適用した電子カメラ10は、撮影記録時間や撮影間隔の仕様を明確化し、その仕様の動作を保証するという効果を奏するが、画像再生機能の具備する電子カメラにおいて、外部記憶媒体に記録された画像データを読み出して、これを表示装置に表示(再生)するという場合や、外部記憶媒体に格納された画像データをパソコン等の外部機器に転送出力するというような場合には、撮影記録時間を保証するという要求がないので、カード装着時、又は電源投入時に一律にカード判定を行う必要はないとも考えられる。
【0046】
そこで、カメラのモードに応じてカード判定の実施/不実施を切り替える構成にしてもよい。例えば、再生モードの時には上述のようなカード判別処理を行わないか、又は、使用可否の判定基準となる閾値を変更して、アクセス時間が長い外部記憶媒体をも使用できるようにする態様も可能である。
上記説明では、静止画像を記録する電子カメラを例に述べたが、本発明は、動画を記録する電子カメラにも適用できる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る電子カメラシステムによれば、外部記憶媒体個々のアクセス時間を実際に測定し、アクセス時間が長いものについては、使用できないものと判断するようにしたので、真のアクセス時間を正確に把握することができ、使用可否について正しい判定が可能になる。
【0048】
また、本発明によれば、アクセス時間の長い外部記憶媒体の使用を排除することができ、電子カメラの仕様で定めた撮影記録時間、及び撮影間隔を保証することができる。このように、本発明の電子カメラシステムは、撮影記録時間の遅延がないので、記録処理時間の短縮化を図ることができると共に、消費電流を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図
【図2】本例の電子カメラにおける撮影記録処理のシーケンスを示すタイムチャート
【図3】図2に示した画像取込▲1▼の工程における信号の流れを説明するために用いたブロック図
【図4】図2に示した画像取込▲2▼の工程における信号の流れを説明するために用いたブロック図
【図5】図2に示したY/C処理の工程における信号の流れを説明するために用いたブロック図
【図6】図2に示したカードアクセスの工程における信号の流れを説明するために用いたブロック図
【図7】本実施の形態に係る電子カメラにおけるカード判定処理の手順を示すフローチャート
【図8】本発明の第2の実施の形態における画像取込工程を説明する為に用いたブロック図
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る電子カメラにおける撮影記録処理のシーケンスを示すタイムチャート
【符号の説明】
10…電子カメラ(電子カメラシステム)
12…CCD(撮像手段)
16…Y/C処理部
30…CPU(測定手段、判定手段)
33…液晶表示パネル(警告手段)
38…圧縮/伸長回路
40…PCカードインターフェース
42…PCカード(外部記憶媒体)

Claims (8)

  1. 撮像手段を介して取得した画像データを着脱自在な外部記憶媒体に記録する電子カメラシステムにおいて、
    装着された外部記憶媒体の応答時間を実測定する測定手段と、
    前記測定手段で測定した時間値に基づいて、当該外部記憶媒体の使用の可否を判定する判定手段と、
    を備えたことを特徴とする電子カメラシステム。
  2. 前記測定手段は、外部記憶媒体の装着時、又は電子カメラシステムの電源投入時に、外部記憶媒体に対してリセットをかけ、リセット時点から外部記憶媒体がレディ状態になるまでに要する時間を測定することを特徴とする請求項1記載の電子カメラシステム。
  3. 前記測定手段は、装着された外部記憶媒体からデータの読み出し処理を行い、その読み出し処理に要した時間を測定することを特徴とする請求項1記載の電子カメラシステム。
  4. 請求項1〜3何れか1の請求項に記載の電子カメラシステムであって、前記測定手段で測定された時間が所定の閾値よりも長い場合に当該外部記憶媒体は使用できない媒体であると判定する判定手段を備えたことを特徴とする電子カメラシステム。
  5. 請求項1〜4何れか1の請求項に記載の電子カメラシステムの撮影記録処理において、撮像手段から読み出した画像信号に基づいて輝度信号及び色差信号を生成するY/C処理工程と、外部記憶媒体へデータの書き込みを行う前の準備処理として該外部記憶媒体に記述されている情報の読み出しを行うカードアクセス工程とが並行して行われるシーケンスが組まれ、
    前記Y/C処理工程に要する時間をT1 、前記カードアクセス工程に要する時間をT2 とする時、T1 <T2 となる外部記憶媒体を使用不能な媒体と規定していることを特徴とする電子カメラシステム。
  6. 請求項1〜4何れか1の請求項に記載の電子カメラシステムの撮影記録処理において、撮像手段を介して画像データの取り込みを行う画像取込工程に続き、前記画像取込工程で取得した画像データに基づいて輝度信号及び色差信号を生成するY/C処理工程が行われる一方、外部記憶媒体へデータの書き込みを行う前の準備処理として該外部記憶媒体に記述されている情報の読み出しを行うカードアクセス工程が前記画像取込工程及び前記Y/C処理工程と並行して行われるシーケンスが組まれ、
    前記画像取込工程の開始から前記Y/C処理工程の終了までに要する時間をT1 ′、前記カードアクセス工程に要する時間をT2 ′とする時、T1 ′<T2 ′となる外部記憶媒体を使用不能な媒体と規定していることを特徴とする電子カメラシステム。
  7. 請求項5又は6記載の電子カメラシステムであって、前記測定手段の測定で得られた時間値からカードアクセス工程に要する時間を推定評価することにより当該外部記憶媒体の使用の可否を判定することを特徴とする電子カメラシステム。
  8. 前記判定手段によって使用不能な媒体であると判定した場合にその旨を提示する警告手段を具備したことを特徴とする請求項1〜7の何れか1の請求項に記載の電子カメラシステム。
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