JP3936818B2 - 内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸・排気弁のリフト量(制御軸の作動角)を機関運転状態に応じて可変にできる内燃機関の可変動弁装置において、前記作動角を検出する作動角センサの故障を判定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、機関低速低負荷時における燃費の改善や安定した運転性並びに高速高負荷時における吸気の充填効率の向上による十分な出力を確保する等のために、吸気・排気弁の開閉時期とバルブリフト量を機関運転状態に応じて可変制御する可変動弁装置は従来から種々提供されており、その一例として特開昭55−137305号公報等に記載されているものが知られている。
【0003】
図22に基づきその概略を説明すれば、シリンダヘッド1のアッパデッキの略中央近傍上方位置にカム軸2が設けられていると共に、該カム軸2の外周にカム2aが一体に設けられている。また、カム軸2の側部には制御軸3が平行に配置されており、この制御軸3に偏心カム4を介してロッカアーム5が揺動自在に軸支されている。
【0004】
一方、シリンダヘッド1に摺動自在に設けられた吸気弁6の上端部には、バルブリフター7を介して揺動カム8が配置されている。この揺動カム8は、バルブリフター7の上方にカム軸2と並行に配置された支軸9に揺動自在に軸支され、下端のカム面8aがバルブリフター7の上面に当接している。また、前記ロッカアーム5は、一端部5aがカム2aの外周面に当接していると共に、他端部5bが揺動カム8の上端面8bに当接して、カム2aのリフトを揺動カム8及びバルブリフター7を介して吸気弁6に伝達するようになっている。
【0005】
また、前記制御軸3は、図23に示すように、DCサーボモータ等のアクチュエータにより、減速ギアを介して所定角度範囲で回転駆動されて、偏心カム4の回動位置を制御し、これによってロッカアーム5の揺動支点を変化させるようになっている。
【0006】
そして、図22において、偏心カム4が正逆の所定回動位置に制御されるとロッカアーム5の揺動支点が変化して、他端部5bの揺動カム8の上端面8bに対する当接位置が図中上下方向に変化し、これによって揺動カム8のカム面8aのバルブリフター7上面に対する当接位置の変化に伴い、揺動カム8の揺動軌跡が変化することにより、吸気弁6の開閉時期とバルブリフト量を制御軸3の作動角の変化を伴って可変制御するようになっている。なお、図中の符号「10」は、揺動カム8の上端面8bを常時ロッカアーム5の他端部5bに弾接付勢するスプリングを示す。
【0007】
また、上記のように、吸気弁6の開閉時期及びバルブリフト量を、ロッカアーム5の揺動支点を変化させることによって可変に制御する構成の可変動弁装置においては、図23に示すように、前記揺動支点を変化させるための制御軸3の作動角(回転位置)をポテンショメータ等の作動角センサ(制御用)によって検出し、この検出された作動角信号に基づき、コントロールユニットCPUにおいて、検出結果と目標とを比較し、制御軸3の作動角(回転位置)を目標のバルブ特性に対応する目標作動角(回転位置)に精度良く制御するように駆動制御信号をフィードバック制御するようになっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来装置では、制御軸3の作動角を検出する作動角センサ(制御用)の故障を検知するために、該制御用作動角センサの他に、故障診断用の作動角センサを前記制御用作動角センサと同一軸上に配置し、両作動角センサで検出される両作動角信号の差によって故障状態を検出するように構成されたものであったため、2個のセンサの設置により、コストが高くつくという問題点があった。
【0009】
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、システム全体としてのコストを下げることができる内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置では、カム軸と略平行に配設された制御軸と、該制御軸の外周に偏心して固定された制御カムと、該制御カムに揺動自在に軸支されたロッカアームと、前記カム軸の回転に応じて前記ロッカアームの一端部を揺動駆動する揺動駆動手段と、前記ロッカアームの他端部に連係して揺動して機関弁を開作動させる揺動カムと、前記制御軸の作動角を検出する制御用作動角検出手段と、前記制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角信号に基づいて前記制御軸を機関の運転状態に応じた目標作動角位置に回転駆動させる制御手段と、からなる内燃機関の可変動弁装置の作動角センサ故障判定装置であって、内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、内燃機関の回転数と吸入空気量より機関弁のリフト量が予め算出されたリフト計算マップと、前記回転数検出手段で検出された内燃機関の回転数と前記吸入空気量検出手段で検出された内燃機関の吸入空気量から前記リフト量計算マップで求められた機関弁のリフト量に基づいて換算される制御軸の作動角と、前記制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角とを比較した偏差を求め、該偏差が所定値以上である時に前記制御用作動角検出手段の故障を検出する故障判定手段と、を備えている手段とした。
請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置では、電磁アクチュエータによって回転駆動される制御軸の作動角に相関して機関弁のバルブ作動特性を変更する可変動弁機構を制御する内燃機関の可変動弁制御装置において、前記制御軸の作動角を検出する制御用作動角検出手段と、内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、内燃機関の回転数と吸入空気量より機関弁のリフト量が予め算出されたリフト計算マップと、前記回転数検出手段で検出された内燃機関の回転数と前記吸入空気量検出手段で検出された内燃機関の吸入空気量から前記リフト量計算マップで求められた機関弁のリフト量に基づいて換算される制御軸の作動角と、前記制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角とを比較した偏差を求め、該偏差が所定値以上である時に前記制御用作動角検出手段の故障を検出する故障判定手段と、を備えている手段とした。
【0011】
請求項3記載の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置では、請求項1または2に記載の発明において、前記故障判定手段により前記制御用作動角検出手段の故障判定がなされなかった時は、前記リフト計算マップにおけるリフト量の値を、制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角に対応する機関弁の実リフト量に書き換える書き換え手段を備えている手段とした。
【0012】
請求項4記載の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置では、カム軸と略平行に配設された制御軸と、該制御軸の外周に偏心して固定された制御カムと、該制御カムに揺動自在に軸支されたロッカアームと、前記カム軸の回転に応じて前記ロッカアームの一端部を揺動駆動する揺動駆動手段と、前記ロッカアームの他端部に連係して揺動して機関弁を開作動させる揺動カムと、前記制御軸の作動角を検出する制御用作動角検出手段と、前記制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角信号に基づいて前記制御軸を機関の運転状態に応じた目標作動角位置に回転駆動させる制御手段と、からなる内燃機関の可変動弁装置の作動角センサ故障判定装置であって、前記カム軸の回転に同期して基準信号を発生するカムセンサと、前記ロッカアームまたは揺動カムが所定の揺動位置にあることを検出する揺動位置センサと、前記カムセンサからの基準信号と前記揺動位置センサからの検出信号との位相差を計測する位相差計測手段と、該位相差計測手段で検出された位相差に基づいて前記制御軸の作動角を検出する診断用作動角検出手段と、該診断用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角と、前記制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角とを比較した偏差を求め、該偏差が所定値以上である時に前記制御用作動角検出手段の故障を検出する故障判定手段と、を備え、前記揺動位置センサが、前記ロッカアームまたは揺動カムに設けた突起と、該突起を非接触に検出するセンサ本体とから構成されている手段とした。
【0013】
【作用】
本発明請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置では、上述のように、回転数検出手段で検出された内燃機関の回転数と吸入空気量検出手段で検出された内燃機関の吸入空気量からリフト量計算マップで求められた機関弁のリフト量に基づいて換算される制御軸の作動角と、制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角とを比較した偏差を求め、該偏差が所定値以上である時に制御用作動角検出手段の故障を検出するもので、これにより、前記制御用作動角検出手段と同一検出精度の診断用の作動角検出手段の設置が省略される。
本発明請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置では、上述のように、回転数検出手段で検出された内燃機関の回転数と吸入空気量検出手段で検出された内燃機関の吸入空気量からリフト量計算マップで求められた機関弁のリフト量に基づいて換算される制御軸の作動角と、制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角とを比較した偏差を求め、該偏差が所定値以上である時に制御用作動角検出手段の故障を検出するもので、これにより、前記制御用作動角検出手段と同一検出精度の診断用の作動角検出手段の設置が省略される。
【0014】
請求項3記載の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置では、請求項1または2に記載の発明において、前記故障判定手段により前記制御用作動角検出手段の故障判定がなされなかった時は、書き換え手段において、前記リフト計算マップにおけるリフト量の値を、制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角に対応する吸気弁の実リフト量への書き換えが行われるもので、これにより、内燃機関の固体差および経年変化による誤差が修正される。
【0015】
請求項4記載の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置では、位相差計測手段において、カムセンサで検出されたカム軸の回転に同期した基準信号と揺動位置センサで検出されたロッカアームまたは揺動カムの揺動位置検出信号との位相差が計測されると共に、該位相差に基づいて診断用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角と、制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角とを比較した偏差を求め、該偏差が所定値以上である時に制御用作動角検出手段の故障を検出するもので、これにより、前記制御用作動角検出手段と同一検出精度の診断用の作動角検出手段の設置が省略される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(発明の実施の形態1)
図1〜図3は、本発明の実施の形態1におけるエンジン(内燃機関)の可変動弁装置を示すものであり、1気筒あたり2つ備えられる吸気弁の動弁機構VELとして以下に説明する。但し、機関弁を吸気弁に限定するものではなく、また、吸気弁の数を限定するものでないことは明らかである。
【0017】
図1〜図3に示す可変動弁装置は、シリンダヘッド11にバルブガイド(図示省略)を介して摺動自存に設けられた一対の吸気弁12,12と、シリンダヘッド11上部のカム軸受14に回転自在に支持された中空状のカム軸13と、該カム軸13に、圧入等により固設された回転カムである2つの偏心カム15,15と、前記カム軸13の上方位置に同じカム軸受14に回転自在に支持された制御軸16と、該制御軸16に制御カム17を介して揺動自在に支持された一対のロッカアーム18,18と、各吸気弁12,12の上端部にバルブリフター19,19を介して配置された一対のそれぞれ独立した揺動カム20,20とを備えている。
【0018】
また、前記偏心カム15,15とロッカアーム18,18とはリンクアーム25,25によって連係される一方、ロッカアーム18,18と揺動カム20,20とはリンク部材26,26によって連係されている。
前記カム軸13は、機関前後方向(シリンダ列方向)に沿って配置されていると共に、一端部に設けられた従動スプロケット(図示省略)や該従動スプロケットに巻装されたタイミングチェーン等を介して機関のクランク軸から回転力が伝達される。
【0019】
前記カム軸受14は、シリンダヘッド11の上端部に設けられてカム軸13の上部を支持するメインブラケット14aと、該メインブラケット14aの上端部に設けられて制御軸16を回転自在に支持するサブブラケット14bとを有し、両ブラケット14a,14bが一対のボルト14c,14cによって上方から共締め固定されている。
【0020】
前記両偏心カム15は、図4にも示すように、略リング状を呈し、小径なカム本体15aと、該カム本体15aの外端面に一体に設けられたフランジ部15bとからなり、内部軸方向にカム軸挿通孔15cが貫通形成されていると共に、カム本体15aの軸心Xがカム軸13の軸心Yから径方向へ所定量だけ偏心している。
【0021】
また、この各偏心カム15は、カム軸13に対し前記両バルブリフター19,19に干渉しない両外側にカム軸挿通孔15cを介して圧入固定されていると共に、両方のカム本体15a,15aの外周面15d,15dが同一のカムプロフィールに形成されている。
【0022】
前記各ロッカアーム18は、図3に示すように、平面からみて略クランク状に折曲形成され、中央に有する基部18aが制御カム17に回転自存に支持されている。また、各基部18aの各外端部に突設された一端部18bには、リンクアーム25の先端部と連結するピン21が圧入されるピン孔18dが貫通形成されている一方、各筒状基部18aの各内端部に夫々突設された他端部18cには、各リンク部材26の後述する一端部26aと連結するピン28が圧入されるピン孔18eが形成されている。
【0023】
前記各制御カム17は、夫々円筒状を呈し、制御軸16外周に固定されていると共に、図1に示すように軸心P1位置が制御軸16の軸心P2からαだけ偏心している。
【0024】
前記揺動カム20は、図1及び図6,図7に示すように略横U字形状を呈し、略円環状の基端部22にカム軸13が嵌挿されて回転自在に支持される支持孔22aが貫通形成されていると共に、ロッカアーム18の他端部18c側に位置する端部23にピン孔23aが貫通形成されている。
【0025】
また、揺動カム20の下面には、基端部22側の基円面24aと該基円面24aから端部23端縁側に円弧状に延びるカム面24bとが形成されており、該基円面24aとカム面24bとが、揺動カム20の揺動位置に応じて各バルブリフター19の上面所定位置に当接するようになっている。
【0026】
すなわち、図5に示すバルブリフト特性からみると、図1に示すように基円面24aの所定角度範囲θ1がべースサークル区間になり、カム面24bの前記べースサークル区間θ1から所定角度範囲θ2がいわゆるランプ区間となり、さらにカム面24bのランプ区間θ2から所定角度範囲θ3がリフト区間になるように設定されている。
【0027】
また、前記リンクアーム25は、比較的大径な円環状の基部25aと、該基部25aの外周面所定位置に突設された突出端25bとを備え、基部25aの中央位置には、前記偏心カム15のカム本体15aの外周面に回転自在に嵌合する嵌合穴25cが形成されている一方、突出端25bには、前記ピン21が回転自在に挿通するピン孔25dが貫通形成されている。
なお、前記リンクアーム25と偏心カム15とによって揺動駆動手段が構成される。
【0028】
さらに、前記リンク部材26は、図1にも示すように所定長さの直線状に形成され、円形状の両端部26a,26bには前記ロッカアーム18の他端部18cと揺動カム20の端部23の各ピン孔18d,23aに圧入した各ピン28,29の端部が回転自在に挿通するピン挿通孔26c,26dが貫通形成されている。なお、各ピン21,28,29の一端部には、リンクアーム25やリンク部材26の軸方向の移動を規制するスナップリング30,31,32が設けられている。
【0029】
前記制御軸16は、一端部に設けられたDCサーボモータ等のアクチュエータ101によって所定回転角度範囲内で回転駆動されるようになっており、図9に示すように、前記アクチュエータ101は、制御手段としてのコントロールユニットCPUからの制御信号によって制御されるようになっている。前記コントロールユニットCPUは、クランク角センサ103,エアフローメータ104,水温センサ105,エンジンの回転数センサ106等の各種のセンサからの検出信号に基づいて現在の機関運転状態を検出して、該検出された機関運転状態に応じて目標のバルブ特性を決定し、該目標のバルブ特性に対応する角度位置に制御軸16を駆動すべく、前記アクチュエータ101に制御信号を出力する。
【0030】
以下、上記可変動弁装置の作用を説明すれば、まず、機関の低速低負荷時には、コントロールユニットCPUからの制御信号によってアクチュエータ101が一方に回転駆動される。このため、制御カム17は、軸心P1が図6A,Bに示すように制御軸16の軸心P2から左上方の回動位置に保持され、厚肉部17aがカム軸13から上方向に離間移動する。このため、ロッカアーム18は、全体がカム軸13に対して上方向へ移動し、これにより、各揺動カム20は、リンク部材26を介して端部23が強制的に若干引き上げられて全体が左方向へ回動する。
【0031】
従って、図6A,Bに示すように偏心カム15が回転してリンクアーム25を介してロッカアーム18の一端部18bを押し上げると、そのリフト量がリンク部材26を介して揺動カム20及びバルブリフター19に伝達されるが、そのリフト量L1は図6Bに示すように比較的小さくなる。
【0032】
よって、かかる低速低負荷域では、図8の破線で示すようにバルブリフト量が小さくなると共に、各吸気弁12の開時期が遅くなり(作動角が小さくなり)、排気弁とのバルブオーバラップが小さくなる。このため、燃費の向上と機関の安定した回転が得られる。
【0033】
一方、機関の高速高負荷時に移行した揚合は、コントロールユニットCPUからの制御信号によってアクチュエータ101が反対方向に回転駆動される。従って、図7A,Bに示すように制御軸16が、制御カム17を図6に示す位置から時計方向に回転させ、軸心P1(厚肉部17a)を下方向へ移動させる。このため、ロッカアーム18は、今度は全体がカム軸13方向(下方向)に移動して、他端部18cが揺動カム20の上端部23をリンク部材26を介して下方へ押圧して該揺動カム20全体を所定量だけ時計方向へ回動させる。
【0034】
従って、揺動カム20のバルブリフター19上面に対する下面の当接位置が図7A,Bに示すように左方向位置に移動する。このため、図7に示すように偏心カム15が回転してロッカアーム18の一端部18bをリンクアーム25を介して押し上げると、バルブリフター19に対するそのリフト量L2は図7Bに示すように大きくなる。
【0035】
よって、かかる高速高負荷域では、カムリフト特性が低速低負荷域に比較して大きくなり、図8に実線で示すようにバルブリフト量(作動角)も大きくなると共に、各吸気弁12の開時期が早く、閉時期が遅くなる。この結果、吸気充填効率が向上し、十分な出力が確保できる。
【0036】
このように、上記可変動弁装置では、各吸気弁12の開閉時期やバルブリフト量(作動角)を可変にできることは勿論のこと、カム軸13に、各偏心カム15と各揺動カム20とを同軸上に設けたため、機関巾方向の配置スペースを十分に小さくすることができる。また、各ロッカアーム18も機関巾方向へ廷設する必要がなくカム軸の直上位置に「へ」字形の小型な形状に形成できるため、装置全体のコンパクト化が図れる。この結果、装置の機関への搭載性が向上する。また、カム軸13の配置を変更することなく、現行のカム軸13の配置によって装置を装着できるため、この点でも機関への搭載性が良好になる。
【0037】
さらに、偏心カム15と揺動カム20とをカム軸13に同軸上に設けることにより、揺動カム20を支持する専用の支軸が不要となり、この分、部品点数の削減が図れ、また、カム軸13と揺動カム20の互いの軸心のずれが生じないため、バルブタイミングの制御精度の低下を防止できる。
【0038】
しかも、各偏心カム15を、各バルブリフター19とオフセット配置し互いに干渉しない位置に配したため、各カム15の外形を大きくとることができ、偏心カム15の外周面15aの設計自由度を向上させることが可能となり、これによって揺動カム20の揺動量を確保するためのリフト量を十分に確保できると共に、偏心カム15の駆動面圧を低減するためのカム幅を十分に確保できる。
【0039】
特に、偏心カム15は、リング状に形成され、外周面全体がリンクアーム基部25aの嵌合穴25cの内周面全体に摺接するため、外周面の面圧が分散されて、該面圧を十分に低減できる。従って、嵌合穴25cの内周面間との摩耗の発生が抑制できると共に、潤滑も行い易い。さらに、面圧の低下に伴い偏心カム15の材料選択の自由度が向上し、加工し易くかつ低コストの材料を選択できる なお、各吸気弁12に対応する各揺動カム20,20を一体に連結し、これによって偏心カム15とロッカアーム18とを単一として、各吸気弁12間において共用化させる構成としても良い。
【0040】
ところで、上記可変動弁においては、目標のバルブ特性に対応する角度位置に制御軸16を駆動し、実際のバルブ特性を前記目標のバルブ特性に制御するが、前記制御軸16の駆動精度や、前記制御軸16の角度位置とバルブ特性との関係にばらつきがあると、目標のバルブ特性に精度良く実際のバルブ特性を制御することができなくなる。そこで、この発明の実施の形態1では、図10のブロック図に示すように、前記揺動支点を変化させるための制御軸16の作動角(回転位置)をポテンショメータ等の作動角センサ(制御用作動角検出手段)102によって検出し、この検出された作動角信号に基づき、コントロールユニットCPUにおいて、検出結果としての作動角と目標作動角とを比較し、制御軸16の作動角(回転位置)を目標のバルブ特性に対応する目標作動角(回転位置)となるようにDCサーボモータ等のアクチュエータ101に対する駆動制御信号をフィードバック制御するようになっている。なお、前記アクチュエータ101と制御軸16との間には減速ギア107が介装されている。
【0041】
次に、前記制御軸16の作動角を検出する作動角センサ102の故障を検知する故障判定手段の内容を図10のブロック図に基づいて説明する。
即ち、図10に示すように、前記コントロールユニットCPUには、エンジン回転数N信号、吸入空気量Q信号、スロットル開度TVO信号が入力され、これらの信号に基づいて、作動角センサ102の故障検知が行われる。
【0042】
次に、前記制御軸16の作動角を検出する作動角センサ102の故障検知方法を、図11のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS1では、エンジンがほぼ定常であるか否かを判定し、定常でない時は、定常になるまでこのステップS1を繰り返す。そして、エンジンがほぼ定常になると、ステップS2において、エンジン回転数Nと吸入空気量Qより吸気弁12のリフト量を予め算出設定されたリフト計算マップ(Q−Nマップ)により、吸気弁12のリフト量を計算する。
【0043】
ステップS3では、前記吸気弁12のリフト量を作動角に変換し、この作動角をステップS4において作動角センサ102で検出された作動角と比較し、両者の偏差を求める。
【0044】
ステップS5では、前記偏差が規定値以内であるか否かを判定し、規定値以内である時は、ステップS6において作動角センサ102のOK判定をした後、ステップS7においてリフト計算Q−Nマップの値を実リフトに置き換えた後、これで一回のフローを終了する。
【0045】
また、前記ステップS5において、前記偏差が規定値以上である時は、ステップS8において作動角センサ102のNG判定をした後、ステップS9において、センサ故障時処理を行った後、これで一回のフローを終了する。
【0046】
次に、前記ステップS1におけるエンジン定常判定の内容を、図12のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS1−1では、現在のエンジン回転数Nを取り込み、ステップS1−2では、所定時間Tn[sec ]前のエンジン回転数と比較し、両回転数値の偏差を求める。
【0047】
ステップS1−3では、前記偏差、即ち、所定時間Tn[sec ]間のエンジン回転数の変化量が所定の範囲ΔN以内であるか否かを判定し、所定の範囲ΔNを越えている時は、ステップS1−13に進んでエンジン非定常時と判定し、これで一回のフローを終了する。また、所定の範囲ΔN以内である時は、ステップS1−4に進んで現在の吸入空気量Qを取り込み、ステップS1−5では、所定時間Tq[sec ]前の吸入空気量と比較し、両吸入空気量の偏差を求める。
【0048】
ステップS1−6では、前記偏差、即ち、所定時間Tq[sec ]間の吸入空気量の変化量が所定の範囲ΔQ以内であるか否かを判定し、所定の範囲を越えている時は、ステップS1−13に進んでエンジン非定常時と判定し、これで一回のフローを終了する。また、所定の範囲ΔQ以内である時は、ステップS1−7に進んで現在のスロットル開度TVOを取り込み、ステップS1−8では、所定時間Tt[sec ]前のスロットル開度と比較し、両開度の偏差を求める。
【0049】
ステップS1−9では、前記偏差、即ち、所定時間Tt[sec ]間のスロットル開度の変化量が所定の範囲ΔTVO以内であるか否かを判定し、所定の範囲を越えている時は、ステップS1−13に進んでエンジン非定常時と判定し、これで一回のフローを終了する。また、所定の範囲ΔTVO以内である時は、ステップS1−10に進んで、エンジン回転数Nと吸入空気量Qよりスロットル開度を予め算出設定されたスロットル開度計算マップ(Q−Nマップ)により、スロットル開度Thを計算する。なお、前記Q−Nマップは、エンジン回転数NとエンジントルクTRQより現在のスロットル開度TVOを予め算出設定されたマップと、エンジン回転数NとエンジントルクTRQより現在の吸入空気量Qを予め算出設定されたマップとに基づいて作成される。
【0050】
ステップS1−11では、前記計算によるスロットル開度Thと現在のスロットル開度TVOとの偏差の絶対値が所定の範囲ΔTh以内であるか否かを判定し、所定の範囲を越えている時は、ステップS1−13に進んでエンジン非定常時と判定し、これで一回のフローを終了する。また、所定の範囲ΔTh以内である時は、ステップS1−12に進んでエンジン定常時と判定し、これで一回のフローを終了する。
【0051】
即ち、この発明の実施の形態1では、エンジンの回転数Nと吸入空気量Qからリフト量計算マップで求められた吸気弁のリフト量に基づいて換算される制御軸16の作動角と、制御用作動角センサ102で検出された制御軸16の作動角とを比較した偏差を求め、該偏差が所定値以上である時に制御用作動角センサ102の故障を検出する構成としたことで、前記ポテンショメータ等の接触式の制御用作動角センサ102と同一検出精度の診断用の作動角センサの設置を省略することができ、これにより、システム全体としてのコストを下げることができるようになるという効果が得られる。
【0052】
また、前記故障判定において、前記制御用作動角センサ102の故障判定がなされなかった時は、書き換え手段において、前記リフト計算マップにおけるリフト量の値を、制御用作動角センサ102で検出された制御軸16の作動角に対応する吸気弁12の実リフト量への書き換えを行うようにしたことで、エンジンの固体差および経年変化による誤差を修正することができるようになるという効果が得られる。
【0053】
(発明の実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置について説明する。なお、可変動弁機構VELの基本構成(図1〜図8)は前記発明の実施の形態1と同じであるため、その説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0054】
図13は、本発明の実施の形態2の可変動弁装置の制御システムを示すブロック図であり、この図に示すように、制御用作動角センサ102の故障判断に用いられる診断用の作動角を検出するためのセンサとして、非接触式センサが設けられている。
【0055】
以下に、前記非接触式センサ(診断用作動角検出手段)の構成について説明する。
まず、図14に示すように、単位角度(例えば1°)毎のポジション信号POSを発生させるための突起部111と、カム軸13の基準角度位置(例えば吸気弁の最大リフト位置に相当する位置)毎のリファレンス信号REFを発生させるための突起部112とが形成されたシグナルプレート113をカムプーリーに軸支させる一方、前記突起部111を非接触に検出するポジションセンサ114(単位角度センサ)と、前記突起部112を非接触に検出するリファレンスセンサ(カムセンサ)115とを設けてある。
【0056】
なお、前記ポジションセンサ114、リファレンスセンサ115としては、ホール素子ICセンサを用いることができる。また、単位角度毎のポジション信号POSを発生させるための突起部を有したシグナルプレートをクランク軸に軸支し、クランク軸の回転によってポジション信号POSを得る構成としても良い。
【0057】
一方、前記ロッカアーム18または揺動カム20が所定の揺動位置になった時に検出信号を出力する揺動位置センサ(非接触式センサ)116が設けられる(図15参照)。
【0058】
前記揺動位置センサ116は、図16(A),(B)に示すように、前記ロッカアーム18の一端部18b(パターン2)、前記ロッカアーム18の他端部18c(パターン3)、または、揺動カム20の揺動支点(カム軸13)を挟んでピン29と略対向する位置(パターン1)のいずれかに設けられた突起部117と、前記ロッカアーム18または揺動カム20の揺動途中で前記突起部117が横切る位置に固定されるホール素子ICセンサ118とから構成される。即ち、前記揺動位置センサ116は、図17に示すように、吸気弁のリフト前に検出信号BSを出力すると共に、リフト後にも検出信号ASを出力することになり、カム軸13の1回転当たり2回検出信号を出力することになり、かつ、前記検出信号は、最大リフト位置を中心として前後に同じ角度だけ離れた位置で出力されることになる。
【0059】
一方、リファレンスセンサ(カムセンサ)115からのリファレンス信号REFは、カム軸13の1回転当たり1回出力され、揺動位置センサ116の検出信号BS,ASと前記リファレンス信号REFとの出力タイミングは、図18に示すようになる。そして、リファレンス信号REFと揺動位置センサ116の検出信号BS,ASそれぞれとの位相差D1,D2(°)は、機械的な関係から、図19に示すように制御軸16の作動角に対応して変化し、前記位相差D1,D2(°)から作動角を求めることができる。
【0060】
そこで、この発明の実施の形態2では、リファレンス信号REFの発生時点(カム軸13の基準位置、即ち、吸気弁12の最大リフト位置)において0リセットさせたカウンタtを、前記ポジション信号POS毎にカウントアップさせ、揺動位置センサ116からの最初の検出信号(検出信号BS)が発生した時点でのカウンタtの値を前記位相差D1に相当する値として読取り(位相差計測手段)、該位相差D1から実際の作動角を検出し(作動角検出手段)、更に、揺動位置センサ116からの次の検出信号(検出信号AS)が発生した時点でのカウンタtの値を前記位相差D2に相当する値として読取り(位相差計測手段)、作動角の検出データを更新する(診断用作動角検出手段)よう構成されている。
【0061】
図20のフローチャートは、前記診断用作動角の検出制御を詳細に示すものであり、まず、ステップS11では、リファレンスセンサ(カムセンサ)115からのリファレンス信号REFの発生の有無を判別する。
そして、リファレンス信号REFが発生すると、ステップS12へ進み、カウンタtを0にリセットする。
【0062】
ステップS13では、前記ポジションセンサ114からポジション信号POSが出力される毎に、前記カウンタtをカウントアップさせる。
ステップS14では、前記揺動位置センサ116からの検出信号(検出信号BS)の発生を判別する。前記揺動位置センサ116から検出信号(検出信号BS)が出力されるまでは、ステップS13に戻って前記カウンタtのカウントアップを継続させ、前記揺動位置センサ116から検出信号(検出信号BS)が出力されると、ステップS15へ進む。
【0063】
ステップS15では、その時のカウンタtの値を、前記位相差D1に相当する値として求め、次のステップS16では、前記位相差D1から制御軸16の作動角を求める。
【0064】
ステップS17では、前記揺動位置センサ116から次に出力される検出信号(検出信号AS)に備えて、ポジション信号POSが出力される毎にカウンタtをカウントアップさせ、ステップS18では、前記揺動位置センサ116からの検出信号(検出信号AS)の発生を判別する。
【0065】
そして、前記揺動位置センサ116から検出信号(検出信号AS)が出力されると、ステップS19へ進み、その時のカウンタtの値を、前記位相差D2に相当する値として求め、次のステップS20では、前記位相差D2から制御軸16の診断用作動角を再度求め、作動角の検出データを更新し、これで一回のフローを終了する。
【0066】
次に、故障判断制御の内容を、図21のフローチャートに基づいて説明する。ステップS21では、制御用作動角センサ検出作動角と診断用作動角とを比較して両者の偏差を求める。
【0067】
ステップS22では、前記偏差が規定値以内であるか否かを判定し、規定値以内である時は、ステップS23において作動角センサ102ののOK判定をし、また、規定値以上である時は、ステップS24において作動角センサ102のNG判定をした後、これで一回のフローを終了する。
【0068】
以上説明してきたように、この発明の実施の形態2では、診断用作動角検出手段として、前記ロッカアーム18または揺動カム20の揺動位置を検出する構成とし、突起とホール素子ICセンサとの組み合わせから等からなる非接触式のセンサを用いたことで、ポテンショメータ等の接触式の制御用作動角センサと同一検出精度の診断用の作動角センサの設置を省略することができ、これにより、システム全体としてのコストを下げることができるようになるという効果が得られる。
【0069】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、具体的な構成はこれら発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0070】
例えば、発明の実施の形態では、機関弁として吸気弁を例にとったが、排気弁についても適用することができる。
また、本発明が適用される可変動弁機構としては、この発明の実施の形態で例示した構造のものに限定されるものではなく、従来例に示した構造のものや、その他の可変動弁機構にも全て本発明を適用することができる。
【0071】
【発明の効果】
以上詳細に説明してきたように、本発明請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置では、上述のように、回転数検出手段で検出された内燃機関の回転数と吸入空気量検出手段で検出された内燃機関の吸入空気量からリフト量計算マップで求められた機関弁のリフト量に基づいて換算される制御軸の作動角と、制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角とを比較した偏差を求め、該偏差が所定値以上である時に制御用作動角検出手段の故障を検出する故障判定手段を備えた構成としたことで、ポテンショメータ等の接触式の制御用作動角センサと同一検出精度の診断用の作動角センサの設置を省略することができ、これにより、システム全体としてのコストを下げることができるようになるという効果が得られる。
本発明請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置では、上述のように、回転数検出手段で検出された内燃機関の回転数と吸入空気量検出手段で検出された内燃機関の吸入空気量からリフト量計算マップで求められた機関弁のリフト量に基づいて換算される制御軸の作動角と、制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角とを比較した偏差を求め、該偏差が所定値以上である時に制御用作動角検出手段の故障を検出する故障判定手段を備えた構成としたことで、ポテンショメータ等の接触式の制御用作動角センサと同一検出精度の診断用の作動角センサの設置を省略することができ、これにより、システム全体としてのコストを下げることができるようになるという効果が得られる。
【0072】
また、請求項3記載の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置では、請求項1または2に記載の発明において、前記故障判定手段により前記制御用作動角検出手段の故障判定がなされなかった時は、前記リフト計算マップにおけるリフト量の値を、制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角に対応する機関弁の実リフト量に書き換える書き換え手段を備えている構成としたことで、内燃機関の固体差および経年変化による誤差を修正することができるようになるという効果が得られる。
【0073】
また、請求項4記載の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置では、カム軸の回転に同期して基準信号を発生するカムセンサと、前記ロッカアームまたは揺動カムが所定の揺動位置にあることを検出する揺動位置センサと、前記カムセンサからの基準信号と前記揺動位置センサからの検出信号との位相差を計測する位相差計測手段と、該位相差計測手段で検出された位相差に基づいて前記制御軸の作動角を検出する診断用作動角検出手段と、該診断用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角と、前記制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角とを比較した偏差を求め、該偏差が所定値以上である時に前記制御用作動角検出手段の故障を検出する故障判定手段と、を備え、前記揺動位置センサが、前記ロッカアームまたは揺動カムに設けた突起と、該突起を非接触に検出するセンサ本体とで構成したことで、ポテンショメータ等の接触式の制御用作動角センサと同一検出精度の診断用の作動角センサの設置を省略することができ、これにより、システム全体としてのコストを下げることができるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における可変動弁装置を示す断面図(図2のA−A線断面図)。
【図2】上記可変動弁装置の側面図。
【図3】上記可変動弁装置の平面図。
【図4】上記可変動弁装置に使用される偏心カムを示す斜視図。
【図5】上記可変動弁装置における揺動カムの基端面とカム面に対応したバルブリフト特性図。
【図6】上記可変動弁装置の低速低負荷時の作用を示す断面図(図2のB−B線断面図)。
【図7】上記可変動弁装置の高速高負荷時の作用を示す断面図(図2のB−B線断面図)。
【図8】上記可変動弁装置のバルブタイミングとバルブリフトの特性図。
【図9】上記可変動弁装置の主に作動角制御システムを示すブロック図。
【図10】上記可変動弁装置の主に作動角センサ故障検知システムを示すブロック図。
【図11】上記可変動弁装置の主に作動角センサ故障検知内容を示すフローチャート。
【図12】上記フローチャートにおけるエンジン定常判定内容を示すフローチャート。
【図13】本発明の実施の形態2における可変動弁装置の主に作動角センサ故障検知システムを示すブロック図。
【図14】上記制御システムを構成するポジションセンサとリファレンスセンサとを示す図。
【図15】本発明の実施の形態2における可変動弁装置の作動角制御および作動角センサ故障検知システムを示すブロック図。
【図16】上記制御システムを構成する揺動位置センサを示す図。
【図17】カム軸と揺動角度との関係、及び、前記揺動位置センサの検出位置を示す線図。
【図18】リファレンス信号と前記揺動位置センサからの検出信号との相関を示すタイムチャート。
【図19】リファレンス信号と前記揺動位置センサからの検出信号との位相差D1,D2と作動角との相関を示す線図。
【図20】本発明の実施の形態における作動角検出の様子を示すフローチャート。
【図21】上記可変動弁装置の主に作動角センサ故障検知内容を示すフローチャート。
【図22】従来の可変動弁装置を示す断面図。
【図23】従来の可変動弁装置の主に作動角制御システムを示すブロック図。
【符号の説明】
12 吸気弁
13 カム軸
15 偏心カム(揺動駆動手段)
16 制御軸
17 制御カム
18 ロッカアーム
20 揺動カム
23 端部
25 リンクアーム(揺動駆動手段)
CPU コントロールユニット(制御手段,故障判定手段)
101 アクチュェータ
102 作動角センサ(制御用作動角検出手段)
104 エアフローメータ(吸入空気量検出手段)
106 回転数センサ(回転数検出手段)
Claims (4)
- カム軸と略平行に配設された制御軸と、
該制御軸の外周に偏心して固定された制御カムと、
該制御カムに揺動自在に軸支されたロッカアームと、
前記カム軸の回転に応じて前記ロッカアームの一端部を揺動駆動する揺動駆動手段と、
前記ロッカアームの他端部に連係して揺動して機関弁を開作動させる揺動カムと、
前記制御軸の作動角を検出する制御用作動角検出手段と、
前記制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角信号に基づいて前記制御軸を機関の運転状態に応じた目標作動角位置に回転駆動させる制御手段と、からなる内燃機関の可変動弁装置の作動角センサ故障判定装置であって、
内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
内燃機関の回転数と吸入空気量より機関弁のリフト量が予め算出されたリフト計算マップと、
前記回転数検出手段で検出された内燃機関の回転数と前記吸入空気量検出手段で検出された内燃機関の吸入空気量から前記リフト量計算マップで求められた機関弁のリフト量に基づいて換算される制御軸の作動角と、前記制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角とを比較した偏差を求め、該偏差が所定値以上である時に前記制御用作動角検出手段の故障を検出する故障判定手段と、を備えていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置。 - 電磁アクチュエータによって回転駆動される制御軸の作動角に相関して機関弁のバルブ作動特性を変更する可変動弁機構を制御する内燃機関の可変動弁制御装置において、
前記制御軸の作動角を検出する制御用作動角検出手段と、
内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
内燃機関の回転数と吸入空気量より機関弁のリフト量が予め算出されたリフト計算マップと、
前記回転数検出手段で検出された内燃機関の回転数と前記吸入空気量検出手段で検出された内燃機関の吸入空気量から前記リフト量計算マップで求められた機関弁のリフト量に基づいて換算される制御軸の作動角と、前記制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角とを比較した偏差を求め、該偏差が所定値以上である時に前記制御用作動角検出手段の故障を検出する故障判定手段と、を備えていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置。 - 前記故障判定手段により前記制御用作動角検出手段の故障判定がなされなかった時は、前記リフト計算マップにおけるリフト量の値を、制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角に対応する機関弁の実リフト量に書き換える書き換え手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置。
- カム軸と略平行に配設された制御軸と、
該制御軸の外周に偏心して固定された制御カムと、
該制御カムに揺動自在に軸支されたロッカアームと、
前記カム軸の回転に応じて前記ロッカアームの一端部を揺動駆動する揺動駆動手段と、
前記ロッカアームの他端部に連係して揺動して機関弁を開作動させる揺動カムと、
前記制御軸の作動角を検出する制御用作動角検出手段と、
前記制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角信号に基づいて前記制御軸を機関の運転状態に応じた目標作動角位置に回転駆動させる制御手段と、からなる内燃機関の可変動弁装置の作動角センサ故障判定装置であって、
前記カム軸の回転に同期して基準信号を発生するカムセンサと、
前記ロッカアームまたは揺動カムが所定の揺動位置にあることを検出する揺動位置センサと、
前記カムセンサからの基準信号と前記揺動位置センサからの検出信号との位相差を計測する位相差計測手段と、
該位相差計測手段で検出された位相差に基づいて前記制御軸の作動角を検出する診断用作動角検出手段と、
該診断用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角と、前記制御用作動角検出手段で検出された制御軸の作動角とを比較した偏差を求め、該偏差が所定値以上である時に前記制御用作動角検出手段の故障を検出する故障判定手段と、を備え、
前記揺動位置センサが、
前記ロッカアームまたは揺動カムに設けた突起と、
該突起を非接触に検出するセンサ本体と、から構成されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置における作動角センサ故障判定装置。
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