JP3936780B2 - 紫外線硬化用乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線硬化型インキを乾燥する紫外線硬化用乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、平板印刷等に用いられる印刷機では搬送チェーン等に保持されて搬送される紙の印刷面に印刷インキの一種として紫外線硬化型インキを用いて印刷することが知られている。この種の印刷機において、紫外線硬化型インキを乾燥させるには、通常印刷直後の搬送中の印刷面に水銀ランプ等の光を照射して紫外線エネルギを吸収させて当該紫外線硬化型インキを印刷面に密着させる紫外線硬化用乾燥装置が用いられる。ところで、凹版印刷機では多くの場合紙の下面を印刷面にしてチェーン搬送するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この紫外線硬化用乾燥装置を凹版印刷機に適用する場合には、凹版印刷機の多くが紙の下面を印刷面にしてチェーン搬送するので、水銀ランプ等の照射器は搬送チェーン等の下方に設けなければならない。
【0004】
この照射器が搬送チェーン等の下方に設けられる場合には遮光の問題があって紙の下方に紙ガイド部材を設置できず、紙の垂れ下がりが発生して印刷面に傷が付いたり汚れが付いたり乾燥むらが発生したりする等の問題がある。また、紫外線硬化用乾燥装置を用いる場合には高い熱が発生するのでこの熱により紙質が変質したりするのを防止するために、当該紙に当接するように冷却ボードを設けるのが一般的である。この冷却ボードを前記凹版印刷機に適用する場合にはこの冷却ボードが搬送チェーン等の上方を塞ぐことになるので照射器のメンテナンスがやり難くなる等の問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、乾燥装置において紙の垂れ下がりが発生することがなく、また、照射器等のメンテナンスが容易になる紫外線硬化用乾燥装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解消するため、請求項1に記載の発明は、搬送手段に保持されて搬送される紙の印刷面に印刷される紫外線硬化型インキを乾燥する紫外線硬化用乾燥装置において、
印刷機の印刷部の本体内に搬送手段を配置し、前記搬送手段を、前記本体の天板の第一の開口を通じて本体の上方へ延出し、乾燥部のカバーの内部で反転し、前記天板の第二の開口を通じて本体の内方へ戻すことで、前記搬送手段には略鉛直方向に延出する垂直搬送部を設け、この垂直搬送部で搬送される紙の印刷面に紫外線を照射する照射器を設け、垂直搬送部で搬送される紙の印刷面に冷却風を噴射する噴射ノズルを設け、且つ前記照射器および前記噴射ノズルに対向し紙の非印刷面に接触する冷却ボードを設け、前記冷却ボードは前記乾燥部の開閉自在な扉で構成され、前記扉が開かれる時には前記照射器が取外し可能に露出することを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記照射器および前記噴射ノズルは一対になって前記紙の搬送方向に沿って略等間隔に複数設けられることを特徴とするものである。
【0008】
請求項1,2に記載の発明によれば、搬送チェーンの垂直搬送部に照射器および噴射ノズルが設けられるので、枚葉紙の印刷面に照射器の光が照射される場合、枚葉紙には自重が作用し印刷面は垂直状態にあるので、従来のように枚葉紙の印刷面が下に垂れ下がる等の問題は解消される。従って枚葉紙の走行姿勢は安定し、枚葉紙の印刷面に傷が付いたり汚れが付いたり乾燥むらが発生したりする等の種々のトラブルは解消される。
【0009】
また枚葉紙の印刷面には噴射ノズルからの冷却風が吹き付けられるのでその圧力により枚葉紙の非印刷面は冷却ボードに押し付けられる。照射器からは高い熱が発生するので通常であればこの熱により枚葉紙の紙質は変質しやすくなるが、当該枚葉紙に当接するように冷却ボードが設けられるので枚葉紙は冷却され枚葉紙の変質等はほとんど防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による紫外線硬化用乾燥装置の一実施の形態を説明する。
【0015】
図1において、符号1は彫刻凹版印刷用の枚葉凹版印刷機を示している。この枚葉凹版印刷機1は給紙部3と印刷部5と排紙部7とを備える。給紙部3に積層される枚葉紙は、一枚ずつ印刷部5に設けられる紙渡胴11,13を介して圧胴15に供給される。この圧胴15には凹版胴17が圧接しこの凹版胴17には凹版版面(図示せず)が装着され当該凹版胴17に圧接する凹版着肉胴19を介して紫外線硬化型インキが載せられる。前記圧胴15に供給される枚葉紙はこの圧胴15と版胴17との間に挟まれて凹版印刷される。
【0016】
凹版印刷された枚葉紙は搬送チェーン21に図示を省略したクリップを介して保持される。この搬送チェーン21は例えば3個のスプロケット24,25,26間に掛け渡され、図示を省略したモータにより一方向に駆動される。枚葉紙は印刷面を下にして搬送チェーン21に保持されて矢印Aの方向に搬送される。この搬送チェーン21は途中で略鉛直方向に立ち上げられ(垂直搬送部)、当該垂直搬送部27には乾燥部29が設けられる。
【0017】
この実施形態によれば、搬送チェーン21の垂直搬送部27は本体100の天板101の第一の開口101aを通じて本体100の上方へ延出し、乾燥部29のカバー103の内部でスプロケット25を介して反転し、天板101の第二の開口101bを通じて本体100の内方へ戻る。垂直搬送部27を本体100の上方へ延出させてこの垂直搬送部27に乾燥部29を設けることにより、例えば後述する照射器31等のメンテナンスが容易になる。
【0018】
後述する照射器31等のメンテナンス時には本体100の天板101上のステップ105に乗って行うことができるからである。
【0019】
この乾燥部29は垂直搬送部27で垂直に搬送される紙の印刷面に紫外線を照射する複数の照射器31と、同じく紙の印刷面に冷却風を噴射する噴射ノズル33と、これら照射器31および噴射ノズル33に対向し紙の非印刷面に接触する冷却ボード35とを備える。乾燥部29で、紫外線硬化型インキを乾燥するには通常印刷直後の印刷面に照射器31の光を照射して紫外線エネルギを吸収させて当該紫外線硬化型インキを印刷面に密着させることにより行われる。
【0020】
乾燥部29を通った枚葉紙は、搬送チェーン21のクリップに保持されたまま排紙部7に搬送され、排紙ストッカ37に排紙される。
【0021】
乾燥部29を更に詳述すると、照射器31は図2に示すように灯体41の内部に取外し自在に高出力19.2KWのメタルハライドランプ43を設けこのメタルハライドランプ43を紫外線を透過する蓋44で塞いだものであり、この実施形態では全部で4個設けられている。凹版印刷では印刷面のインキの膜厚が通常のオフセット印刷のインキの膜厚に比べて厚いためにインキの乾燥能力を高めるために高出力ランプ(出力19.2KW)が用いられる。
【0022】
各照射器31の下部にはそれぞれ冷却風を吹出す噴射ノズル33が設けられ、この噴射ノズル33および照射器31に対向して前記冷却ボード35が設けられる。この冷却ボード35は図3に示すように観音扉式に形成され、図4(一方の扉体のみを図示する)に示すように扉体35aには冷却水が循環する蛇行状の冷却パイプ45が設けられる。図2において47は給気および排気ダクトでありこれらダクト47は噴射ノズル33に接続される。
【0023】
乾燥部29は全体がカバー103で囲われ、このカバー103の上部には排気フード51が設けられる。この排気フード51には排気ダクト53(図3)が接続され、乾燥部29内部は排気ダクト53を介して換気される。
【0024】
以上の実施形態によれば、搬送チェーン21の垂直搬送部27に照射器31および噴射ノズル33が設けられるので、枚葉紙の印刷面に照射器31の光が照射される場合、枚葉紙には自重が作用し印刷面は垂直状態にあるので、従来のように枚葉紙の印刷面が下に垂れ下がる等の問題は解消される。従って枚葉紙の走行姿勢は安定し、枚葉紙の印刷面に傷が付いたり汚れが付いたり乾燥むらが発生したりする等の種々のトラブルは解消される。
【0025】
またこの実施形態によれば枚葉紙の印刷面には噴射ノズル33からの冷却風が吹き付けられるのでその圧力により枚葉紙の非印刷面は冷却ボード35に押し付けられる。凹版印刷では印刷面のインキの膜厚が通常のオフセット印刷のインキの膜厚に比べて厚いために乾燥能力を高めるために高出力19.2KWのランプ43が用いられる。従って出力19.2KWのメタルハライドランプ43からは高い熱が発生するので通常であればこの熱により枚葉紙の紙質は変質しやすくなるが、この実施形態によれば枚葉紙に当接するように冷却ボード35が設けられるので枚葉紙は冷却され枚葉紙の変質等はほとんど防止される。
【0026】
更にこの実施形態によれば、照射器31等のメンテナンス時には本体100の天板101上のステップ105に乗って行うことができ、しかも冷却ボード35が観音扉式に開閉されるので、ステップ105に乗って扉体35aを開放することにより照射器31および噴射ノズル33が露出するのでこれら照射器31等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0027】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが本発明はこれに限定されるものでないことは明らかである。例えば垂直搬送部27に照射器31および噴射ノズル33を設けたものを説明したが、冷却ボード35を扉にする場合には垂直搬送部27に設けるものに限定されるものではない。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、搬送チェーンの垂直搬送部に照射器および噴射ノズルが設けられるので、枚葉紙の印刷面に照射器の光が照射される場合、枚葉紙には自重が作用し印刷面は垂直状態にあるので、従来のように枚葉紙の印刷面が下に垂れ下がる等の問題は解消される。従って枚葉紙の走行姿勢は安定し、枚葉紙の印刷面に傷が付いたり汚れが付いたり乾燥むらが発生したりする等の種々のトラブルは解消される。
【0029】
また枚葉紙の印刷面には噴射ノズルからの冷却風が吹き付けられるのでその圧力により枚葉紙の非印刷面は冷却ボードに押し付けられる。照射器からは高い熱が発生するので通常であればこの熱により枚葉紙の紙質は変質しやすくなるが、当該枚葉紙に当接するように冷却ボードが設けられるので枚葉紙は冷却され枚葉紙の変質等はほとんど防止される。
【0030】
更に、本発明によれば、前記冷却ボードは開閉自在な扉で構成され、この扉が開かれる場合には、照射器および噴射ノズルが露出するので、これら照射器等のメンテナンスはきわめて容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による紫外線硬化用乾燥装置の一実施形態を示す図である。
【図2】乾燥部を示す図である。
【図3】乾燥部の扉を示す図である。
【図4】a、bはそれぞれ冷却ボードを示す図である。
【符号の説明】
1 枚葉凹版印刷機
3 給紙部
5 印刷部
7 排紙部
21 搬送チェーン
27 垂直搬送部
29 乾燥部
31 照射器
33 噴射ノズル
35 冷却ボード
35a 扉体
100 本体
101 天板
Claims (2)
- 搬送手段に保持されて搬送される紙の印刷面に印刷される紫外線硬化型インキを乾燥する紫外線硬化用乾燥装置において、
印刷機の印刷部の本体内に搬送手段を配置し、
前記搬送手段を、前記本体の天板の第一の開口を通じて本体の上方へ延出し、乾燥部のカバーの内部で反転し、前記天板の第二の開口を通じて本体の内方へ戻すことで、前記搬送手段には略鉛直方向に延出する垂直搬送部を設け、
この垂直搬送部で搬送される紙の印刷面に紫外線を照射する照射器を設け、
垂直搬送部で搬送される紙の印刷面に冷却風を噴射する噴射ノズルを設け、
且つ前記照射器および前記噴射ノズルに対向し紙の非印刷面に接触する冷却ボードを設け、前記冷却ボードは前記乾燥部の開閉自在な扉で構成され、前記扉が開かれる時には前記照射器が取外し可能に露出することを特徴とする紫外線硬化用乾燥装置。 - 前記照射器および前記噴射ノズルは一対になって前記紙の搬送方向に沿って略等間隔に複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化用乾燥装置。
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JP23651497A JP3936780B2 (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | 紫外線硬化用乾燥装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23651497A JP3936780B2 (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | 紫外線硬化用乾燥装置 |
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JPH1158688A JPH1158688A (ja) | 1999-03-02 |
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JP23651497A Expired - Lifetime JP3936780B2 (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | 紫外線硬化用乾燥装置 |
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-
1997
- 1997-08-18 JP JP23651497A patent/JP3936780B2/ja not_active Expired - Lifetime
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