JP3936597B2 - 粒径分布測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ回折/散乱式の粒径分布測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、粒径分布測定装置で粒径分布を演算する際、測定対象試料に光を照射することによって生ずる回折光および/または散乱光の強度分布を測定対象試料の周囲に配置された複数の検出器によって検出し、各検出器の検出値(出力データ)に基づいて、測定対象試料の粒径分布を解析する演算処理を行なっていた。
【0003】
また、例えばレーザ回折散乱式粒径分布測定装置では、前記粒径分布を解析する演算処理に際して、装置使用者が測定対象試料の屈折率や、繰り返し演算を行なう反復回数などのパラメータを測定条件として設定することが求められる。そして、設定した測定条件が最適であったかどうかを判断するための数値としては、カイ2乗や一致度自乗の値を用いていた。
【0004】
つまり、装置使用者が設定した測定条件に従った粒径分布の解析を行った後に、各検出器の出力データと、求められた粒径分布から逆算して算出した出力データとの間で、カイ2乗、一致度自乗、絶対値などの総和を演算して表示し、これらを歪み量として求めて、その数値が最小になる条件を前記測定条件についての最適条件としていた。
【0005】
図6は従来の粒径分布測定装置において、粒径分布測定を終了した時点で生じされるダイアログウィンドウWdの例を示している。このダイアログウィンドウWdの最下端に表示されている「カイ2乗」および「一致度(残差)Rパラメータ」が前記歪み量を示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示されるような歪み量だけでは各散乱角に対応して設置された全ての検出器の検出値(出力データ)が、設定した測定条件について逆算して算出された出力データと比して部分的にどの程度一致しているかを判断することができなかった。各検出器の検出値が部分的にずれる場合は、屈折率や反復回数の設定値が測定対象試料に適合しない場合があるため、従来の前記歪み量からは、測定対象試料の粒径分布を測定するための条件として、屈折率や反復回数などの設定された測定条件が適当であるかどうかを的確に判断できない場合がある。
【0007】
加えて、測定対象試料が未知試料である場合には、その屈折率などの測定条件を幾らに設定する必要があるのかさえも分からない場合があり、このような場合、前記歪み量だけに基づいて屈折率や反復回数の設定値などの測定条件を設定しなおしても、その測定条件が最適にならない場合があった。
【0008】
例えば、特定の角度に配置された検出器が汚れや経時変化などによって真の値とは異なる検出値を出力しているために測定値に誤差が含まれている場合には、測定対象試料に適合していない屈折率などの測定条件で、前記歪み量が最小となることがあり、このような場合、誤差の含まれている粒径分布の測定値が最適な測定条件の下で測定された測定結果として出力されることがあった。
【0009】
本発明は、上述の事柄を考慮に入れてなされたものであって、その目的は、測定対象試料の粒径分布測定に用いる測定条件として設定した値が、測定した資料に対して最適かどうかを的確に判断でき、測定精度及び測定結果の信頼性向上が図れる粒径分布測定装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1発明の粒径分布測定装置は、測定対象試料に光を照射することによって生ずる回折光および/または散乱光を所定の角度毎に検出する複数の検出器を備え、各検出器からの出力に基づいて、測定対象試料の粒径分布を求める粒径分布測定装置であって、測定に先立って入力設定された測定条件に基づいて前記各検出器からの出力データを解析演算して粒径分布を求めるとともに、その求めた粒径分布から各検出器の出力データを逆算し、前記各検出器によって実測された出力データおよび前記逆算によって算出された各検出器の出力データによる複数の検出器に対応した一致度の分布及び前記の解析演算により求められる粒径分布を妥当性情報として同一画面上に同時に表示する妥当性表示機能を有することを特徴としている。(請求項1)
【0011】
したがって、装置使用者は同一画面上に同時に表示される前記一致度の分布及び設定した測定条件に基づく各検出器からの出力データを解析演算した求められた粒径分布が示す妥当性情報を目で確認することにより各検出器の出力データがどの程度測定結果に反映されているのかを的確に判断でき、粒径分布測定に先立って設定した屈折率などの測定条件が測定対象試料に適合しているかどうかを確認することができる。すなわち、従来の歪み量のように一つの数値ではなく、測定点の全域にわたる各検出器に対応した出力データの一致度の分布及び粒径分布を目で確認するによって、選択した測定条件が測定結果に適合しているかどうかを判断できるので、測定結果の精度や信頼性が向上する。
【0012】
また、特定の検出器の出力データに異常が生じて、これが真の値からずれた検出値を出力している場合には、この検出器に対応する部分の一致度だけにずれが生じるので、この検出器の異常を容易に発見でき、的確なメンテナンスを行うことができる。
【0013】
第2発明の粒径分布測定装置は、測定対象試料に光を照射することによって生ずる回折光および/または散乱光を所定の角度毎に検出する複数の検出器を備え、各検出器からの出力に基づいて、測定対象試料の粒径分布を求める粒径分布測定装置であって、測定に先立って入力設定された測定条件に基づいて前記各検出器からの出力データを解析演算して粒径分布を求めるとともに、その求めた粒径分布から各検出器の出力データを逆算し、前記各検出器によって実測された出力データと前記逆算によって算出された各検出器の出力データとの比または差に基づいた両データの一致度及び前記の解析演算により求められる粒径分布を妥当性情報として同一画面上に同時に表示する妥当性表示機能を有することを特徴としている。(請求項2)
【0014】
したがって、前記妥当性情報を用いて各検出器の出力データがどの程度測定結果に反映されているのかを確認でき、粒径分布測定に先立って装置使用者が設定した屈折率や反復回数などの種々の測定条件が測定対象試料に適合しているかどうかを確認することができる。また、特定の検出器が真の値からずれた検出値を出力している場合にも、この検出器の異常を容易に発見でき的確なメンテナンスを行うことができる。
【0015】
前記算出された各検出器の出力データが、粒径分布の算出に用いる測定条件を適宜に変えて逆算されたデータである場合(請求項3)には、前記妥当性情報から判断して最適な条件を定めることができる。すなわち、例えば屈折率などの条件が未知である測定対象試料の場合、前記妥当性情報を用いて検出器から実際に出力されたデータと算出された出力データがほぼ一致するような条件を設定することにより、より正確な粒径分布測定を行なうことができる。これは、特に粒径分布測定に必要な条件が実測不可能である測定対象試料の粒径分布を測定する場合に有用である。
【0016】
また、第1及び第2発明共に前記妥当性情報の表示が、前記一致度の分布もしくは一致度と粒径分布を同一画面上に同時に表示されるものであるから、粒径分布測定に用いる測定条件を変更しながら、粒径分布の測定値と妥当性情報の関係から、この測定対象試料を測定する場合の最適な条件を選定することができる。とりわけ、前記条件が解析演算の反復回数に関する条件である場合、各検出器の出力データに含まれるノイズの影響を強く受けた解析演算を防ぐことができるので、妥当な範囲で解析演算の反復を行なうことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の粒径分布測定装置1の構成を概略的に示す図である。図1において、2は測定対象試料Sを散乱した状態で封入するセル、3はこのセル2にレーザ光Lを照射する例えばHe−Neレーザ管からなる光源、4はこのレーザ光Lの径を拡大するビーム拡大器、5は測定対象試料Sによって発生した回折光および/または散乱光(以下、回折光も含めて散乱光Lsと表現する)を検出する検出器、6はレーザ光Lを検出器5に集光させるレンズである。
【0018】
なお、以下の説明において区別を必要とするときには、レーザ光Lの進行方向に対して前方および後方(小角および広角)に生じる散乱光Lsを符号Ls1 およびLs2 で表わし、検出器5を符号5aおよび5bで表わし、レンズ6を符号6aおよび6bで表わす。また、本例において検出器5aはリングディテクタであり、検出器5bは個々に配置された検出器5b1 〜5b4 である例を示しているが、本発明はこの点を限定するものではない。
【0019】
さらに、リングディテクタ5aの各層および各検出器5b1 〜5b4 にはそれぞれ異なるチャンネルが付されており、検出器5は全体として各チャンネルごとに光量の検出値をそれぞれ出力する。したがって、以下の説明においては各チャンネル毎の検出値を各検出器5によるものとして表現する。
【0020】
7は各検出器5によって検出される散乱光Lsの強度を用いて測定対象粒子Sa(測定対象試料S)の粒径分布を算出する演算処理装置であって、この演算処理装置7は、記憶部8と、記憶部8に記憶されたプログラムおよびデータを用いて各検出器5によって検出された散乱光Lsの強度を解析して測定対象試料Sの粒径分布を求める処理部9とを有している。また、7aは求められた粒径分布等を表示する表示部である。
【0021】
なお、本例の装置構成は以下の説明を容易とするための一例を示すものであって、この構成に限定するものではない。すなわち、例えばセル2の形状は箱型であることを限定するものではなく円柱状であってもよい。また、光源3,検出器5の配置や数、レンズ4,6の位置や種類なども適宜に選択可能である。
【0022】
前記記憶部8には、各検出器5の出力データDaと、測定対象試料Sの粒径分布測定に用いる測定パラメータとしての屈折率や解析演算の反復回数などの各測定条件Dbと、前記出力データDaを各測定条件Dbに従って解析して求められる測定対象試料Sの粒径分布Dcと、この粒径分布Dcから逆算して算出される各検出器の出力データDdと、前記両出力データDa,Ddの一致度Deと、演算プログラムPとを記憶している。
【0023】
図2は前記演算プログラムPの動作の一例を説明する図であり、図3は結果の表示画面の一例を示す図である。以下、図1〜3を用いて本例の粒径分布測定装置1の動作を説明する。
【0024】
図2において、S1は粒径分布測定に先立って測定条件を入力するステップである。すなわち、装置使用者は測定対象試料Sの屈折率や粒径分布の解析演算の反復回数などの前記測定条件Dbを設定し、これが記録される。
【0025】
本例では、測定対象試料Sの屈折率が不明である場合を考慮し、ここでは、不明である測定対象試料Sの屈折率を仮に1.3とし、この屈折率を5%増減させた屈折率を試算するように、測定条件Dbを設定しているものとする。なお、本発明は屈折率が不明であることに限定するものでも、この屈折率を5%増減させることに限定するものでもない。
【0026】
S2は前記測定対象試料Sにレーザ光Lを照射することによって生ずる散乱光Lsを所定の角度毎に配置させた各検出器5によって検出するステップである。このステップS2において出力データDaが記憶部8に記録される。
【0027】
S3は前記測定条件Dbに基づいて出力データDaを求める粒径分布Dcの解析演算を行なうステップである。この粒径分布Dcは前記測定条件Dbに関係付けて記憶部8に記録される。すなわち、本例の場合は測定条件Dbに設定されている屈折率を1.3として求めた粒径分布Dc0 (図3参照)と、この屈折率を±5%したときの粒径分布Dc+5,Dc-5をそれぞれ求めて、各粒径分布を屈折率の値に関連付けて記録する。
【0028】
S4はステップS3において求められた粒径分布Dcから各検出器5の出力データDdを逆算するステップである。このステップS4においても前記測定条件Dbを適宜参照して出力データDdを算出し、これが記憶部8に記録される。また、図3に示すように、本例の場合は屈折率1.3として求めた出力データDdを符号Dd0 、屈折率を5%増減したときの出力データDdを符号Dd+5,Dd-5によって表わす。
【0029】
S5は前記両出力データDa,Ddを用いて一致度Deを算出し、これを記憶部8に記憶するステップである。なお、前記出力データDa,Ddおよび一致度Deは少なくとも検出器5の粒径分布演算に用いるチャンネルの数の数値からなり、一致度Deは各出力データDa,Ddの一致度Rを示すものである。
【0030】
詳述すると、前記出力データDaのチャンネルIに対応する実測値をSm(I)、出力データDaの同チャンネルに対応する数値をSc(I)とするとき、一致度R(I)は以下の式(1)に示すように表わされる。
R(I)=Sm(I)/Sc(I) … 式(1)
【0031】
すなわち、本例における一致度Deは各検出器5によって検出された出力データDaと、この出力データDaおよび条件Dbを基に解析された粒径分布Dcから逆算によって算出された各検出器の出力データDdの一致度を示しており、両出力データDa,Ddの比に基づいた両データの一致度(残差を含む)を各チャンネル毎に示すものである。ここで、本発明における一致度Deは両出力データDa,Ddの比に基づくものであるから、両出力データDa,Ddの各チャンネル毎の大きさを考慮に入れた一致度を求めることになる。
【0032】
しかしながら、前記一致度Deが示す一致度Rは両出力データDa,Ddの比に基づくものに限られる必要はなく、両出力データDa,Ddの差の絶対値や、この差を2乗にして得られる値など、出力データDa,Ddの差に基づく種々の方法で求めることも可能である。
【0033】
また、本例の場合は前記一致度Deについても、屈折率が1.3である場合の一致度Deを符号De0 で表わし、この屈折率を5%増減したときの一致度Deを符号De+5 ,De-5 によって表わす。
【0034】
S6は両出力データDa,Dd、一致度De、および粒径分布Dcを図3に示すように前記表示部7aに表示するステップである。なお、本例では両出力データDa,Ddと一致度Deを、粒径分布Dcと同一画面上に同時に表示することにより、測定条件によって両出力データDa,Ddの値にどの程度のズレが生じるかを、より一層容易に判断することができると共に、このときの粒径分布Dcを確認することができる。
【0035】
図3において、W1 は検出器5から得られた出力データDaおよび設定した測定条件Dbに合わせて求めた粒径分布Dcから逆算して求められる出力データDd(Dd0 ,Dd+5,Dd-5)を重ねて表示するビューウィンドウ、W2 は一致度De(De0 ,De+5,De-5)を重ねて表示するビューウィンドウ、W3 は測定条件Dbに合わせて求めた粒径分布Dc(Dc0 ,Dc+5,Dc-5)を重ねて表示するビューウィンドウである。
【0036】
前記ビューウィンドウW1 ,W2 における横方向は検出器5のチャンネルを示しており、ビューウィンドウW1 ,W2 の縦方向は出力データDa,Dd,Deの大きさを示している。一方、本例の場合一致度Deを出力データDa,Ddの比から求めているので、ビューウィンドウW2 の縦方向の中心線Cは1である。また、ビューウィンドウW3 における横方向は粒子径を示しており、縦方向は粒子の数を示している。
【0037】
図3に示すように、ビューウィンドウW1 において、出力データDa,Dd0 ,Dd+5,Dd-5を重ねて表示することにより、各検出器5の実測した出力データDaと逆算した出力データDdを容易に比較することができる。例えば、検出器5の特定のチャンネルにおいて汚れや故障などの異常が発生し、検出データDaに不適当なノイズが重畳している場合には、そのチャンネルにおいて実測した出力データDaが逆算した出力データDdに対して大きく外れた値となるので、このチャンネルの検出データが異常であることを容易に認識できる。
【0038】
その他にも、屈折率などの測定条件Dbが測定対象試料に適合していない場合には、出力データDd+5,Dd-5に示すように、実測した出力データDaと逆算した出力データDd+5,Dd-5が一致しなくなる。つまり、装置使用者は前記ビューウィンドウW1 を確認することによって、測定条件Dbが適切であったかどうかを目視によってより確実に知ることができる。
【0039】
また、ビューウィンドウW2 には、一致度De(De0 ,De+5,De-5)が前記式(1)に示すように、前記出力データDa,Dd(Dd0 ,Dd+5,Dd-5)の比によって表わされている。したがって、装置使用者はビューウィンドウW2 を見るだけで、出力データDaの大きさに係わりなく、選択した屈折率などの測定条件Dbが測定対象試料に適合しているかどうかを容易に判断することができる。
【0040】
すなわち、逆算によって求められた各チャンネルIに対応する出力データDd〔Sc(I)〕が実測した出力データDa〔Sm(I)〕と同じ値である場合は、そのチャンネルの一致度De〔R(I)〕は1となり、中心線Cの位置に表示される。仮に、全てのチャンネルIにおいて逆算した出力データDdが実測した出力データDaと全く一致するなら、一致度Deは全て1となり中心線Cに重なって表示されるが、実際には出力データDaに少なくとも幾らかのノイズが入ることが避けられないので、選択した屈折率などの測定条件Dbが測定対象試料Sの特性に一致していればいるほど、一致度Deは中心線Cの周りに小さな振幅でランダムに分布する。
【0041】
したがって、ビューウィンドウW2 に示す例における一致度Deによれば、測定対象試料Sの屈折率を1.3にした場合の一致度De0 が最も適当であることが分かる。他方、この屈折率を変動させた場合の一致度De+5,De-5は中心線Cに対して大きい又は小さいので、適当でないことが分かる。
【0042】
ビューウィンドウW3 には屈折率をそれぞれ変えたときの粒径分布Dc(Dc0 ,Dc+5,Dc-5)の演算結果が表示されているので、装置使用者は粒径分布Dcを確認して、適当な測定条件Dbであったかどうかを確認することができる。すなわち、本例では屈折率を測定対象試料に適合した値1.3から少し外したときの演算を行なう例を示しているが、この場合、求められた粒径分布Dc+5,Dc-5には、屈折率が適当でないことによって生じるズレを合わせるように幾らかの不要なピーク(測定誤差)などが生じることが考えられる。
【0043】
すなわち、装置使用者はこれらのビューウィンドウW1 〜W3 を同一画面上に同時に表示することにより、これらを総合的に判断して、設定した測定条件Dbが適当であったかどうかを正確に判断することができる。なお、本例では測定条件Dbとして屈折率の値を1.3とし、さらにこれを5%増減した場合も演算してこれらを重ねて比較できる例を示しているが、本発明はこの点を限定するものではなく、屈折率などの測定条件Dbを一つだけ設定するようにしてもよい。
【0044】
さらに、ビューウィンドウW1 〜W3 を全て表示することを限定するものでもなく、ビューウィンドウW2 に示すように、実測した出力データDaと逆算によって算出した出力データDdとの比または差に基づいた一致度Deと、ビューウィンドウW3 に示すように、屈折率をそれぞれ変えたときの粒径分布Dc(Dc0 ,Dc+5,Dc-5)とを妥当性情報として表示してもよい。
【0045】
次に、再び図2に戻って、S7は装置使用者に対して測定条件Dbを変更するかどうかを尋ねるステップである。このステップS7において、装置使用者はビューウィンドウW1 〜W3 に表示された各情報Da〜Deを比較検討することにより、測定条件Dbを任意に変更可能となる。
【0046】
S8は前記ステップS7において装置使用者が測定条件Dbに変更を加えたかどうかを判断するステップである。そして、測定条件Dbが変更がある場合にはステップS3にジャンプし、変更がない場合には終了する。なお、測定条件Dbを変更したときにステップS2に戻るなどの変更も考えられる。
【0047】
上述した図2,3に示す説明は本発明を理解しやすくするために、一例として示しているが、本発明はこの構成を限定するものではない。例えば、前記ステップS2に示すような検出器5からの出力データDaの取り込みを繰り返し行なうことにより、前記逆算による出力データDdと比較することも可能である。
【0048】
図4は粒径分布Dcから逆算して求めた出力データDdを基準にして、検出器5から得られた複数の出力データDaを比較した例を示す図である。
図4において、Da1 〜Da3 は粒径分布Dcを演算した後に、その測定条件Dbの妥当性を確認するために検出器5から更に3回検出した出力データを示し、Ddは前記粒径分布Dcから逆算して求めた出力データを示している。
【0049】
前記出力データDa1 〜Da3 は何れも逆算によって求められる出力データDdに対してランダムに変動していることが分かる。つまり、測定条件Dbとして設定した値は適当であったことが分かる。
【0050】
他方、チャンネルchXにおいて実測の出力データDaが逆算した出力データDdに対して常に大きくなっていることが分かる。このことから、チャンネルchXに相当する検出器5に何らかの異常が発生して、これが全体的な精度の低下を招いている可能性が高いことが分かる。
【0051】
図5はさらなる変形例を示す、表示画面の移り変わりを示す図である。
本例において、装置使用者は上述の図2におけるステップS1の処理において、粒径分布演算の反復回数を指定しなかった場合における表示画面の変化を示しており、W1a〜W3aは例えば5回反復計算した状態におけるそれぞれ図3におけるビューウィンドウW1 〜W3 である。同様に、W1b〜W3bは例えば50回、W1c〜W3cは例えば500回反復計算した状態におけるビューウィンドウW1 〜W3 である。
【0052】
図5に示すように、粒径分布測定装置1が粒径分布演算を反復して行なうと共に、演算結果Dc〜Deを随時表示することにより、装置使用者は自らの目で確認して最も正確な測定結果が得られる反復回数を設定することが可能となる。
【0053】
すなわち、ビューウィンドウW1a〜W3aに示すように反復回数が少ない場合には一致度Deが悪く、粒径分布Dcは大雑把な値が出力されており、反復回数が少なすぎることが容易に判別できる。一方、ビューウィンドウW1c〜W3cに示すように反復回数が多すぎると、一致度Deが高くなる一方で不要なノイズを基に本来存在していない粒子があるかのような不要な出力が現れている。
【0054】
したがって、本例の場合、50回反復演算を行った状態が最も良い測定結果を得ることができ、装置使用者は表示画面7aから適当なときに粒径分布演算の反復演算を終えることが可能となる。なお、本例の場合は、反復演算の回数に節目を形成して例えば30回目、50回目、100回目などに一度止まって処理を続けるかどうかを尋ねるダイアログウィンドウを表示することも可能である。また、演算結果Dc〜Deの履歴を記録することにより、後から処理を戻して最適な反復回数を設定することも可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、測定条件に基づいて各検出器によって検出された出力データの逆算によって算出された各検出器の出力データおよび前記各検出器によって実測された出力データによる複数の検出器に対応した一致度の分布若しくは一致度及び解析演算により求められる粒径分布を妥当性情報として同一画面上に同時に表示することができ、これによって測定条件として選択した条件が測定対象試料に対して最適であるかどうかを目視によって的確に判断することでき、さらなる測定精度の向上を図ることができると共に、測定結果に対する信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の粒径分布測定装置の全体構成を示す図である。
【図2】 前記粒径分布測定装置における処理の流れを示す図である。
【図3】 前記粒径分布測定装置の表示画面の一例を示す図である。
【図4】 前記表示画面の変形例を示す図である。
【図5】 前記表示画面の別の変形例を示す図である。
【図6】 従来の粒径分布測定装置における演算結果データの表示例を示す図である。
【符号の説明】
1…粒径分布測定装置、L…レーザ光、Ls…回折光および/または散乱光、5…検出器、Da…出力データ(実測)、Db…測定条件、Dc…粒径分布、Dd(Dd0 ,Dd+,Dd-5)…出力データ(逆算値)、De(De0 ,De+5,De-5)…一致度。

Claims (3)

  1. 測定対象試料に光を照射することによって生ずる回折光および/または散乱光を所定の角度毎に検出する複数の検出器を備え、各検出器からの出力に基づいて、測定対象試料の粒径分布を求める粒径分布測定装置であって、測定に先立って入力設定された測定条件に基づいて前記各検出器からの出力データを解析演算して粒径分布を求めるとともに、その求めた粒径分布から各検出器の出力データを逆算し、前記各検出器によって実測された出力データおよび前記逆算によって算出された各検出器の出力データによる複数の検出器に対応した一致度の分布及び前記の解析演算により求められる粒径分布を妥当性情報として同一画面上に同時に表示する妥当性表示機能を有することを特徴とする粒径分布測定装置。
  2. 測定対象試料に光を照射することによって生ずる回折光および/または散乱光を所定の角度毎に検出する複数の検出器を備え、各検出器からの出力に基づいて、測定対象試料の粒径分布を求める粒径分布測定装置であって、測定に先立って入力設定された測定条件に基づいて前記各検出器からの出力データを解析演算して粒径分布を求めるとともに、その求めた粒径分布から各検出器の出力データを逆算し、前記各検出器によって実測された出力データと前記逆算によって算出された各検出器の出力データとの比または差に基づいた両データの一致度及び前記の解析演算により求められる粒径分布を妥当性情報として同一画面上に同時に表示する妥当性表示機能を有することを特徴とする粒径分布測定装置。
  3. 前記算出された各検出器の出力データが、粒径分布の算出に用いる測定条件を適宜に変えて逆算されたデータである請求項1または2に記載の粒径分布測定装置。
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